JP2707561B2 - 人工格子光磁気記録媒体 - Google Patents
人工格子光磁気記録媒体Info
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、例えば書き換え可能な光磁気ディスク等に
適用する垂直磁化膜を有する人工格子光磁気記録媒体に
関わる。 〔発明の概要〕 本発明は、希土類−遷移金属を主体とする薄膜層A
と、希土類金属を主体とする薄膜層Bとの2層以上の周
期的積層構造を採り、その各薄膜層の組成と膜厚関係の
特定によってカー(Kerr)回転角θK−磁界Hのヒステ
リシスループの角型の良い垂直磁化膜による人工格子光
磁気記録媒体を構成する。 〔従来の技術〕 近年、光磁気記録媒体の開発が急激に活発化してい
る。この光磁気記録媒体の実用的な特性が得られる媒体
としては、例えば特開昭58−73746号公報に開示されて
いるように、希土類−遷移金属合金薄膜によるものが注
目されている。この種の光磁気記録媒体は、一般には、
希土類−遷移金属合金による垂直磁化膜を形成するとい
う構成がとられる。ところが、このような構成による光
磁気記録媒体は、磁束−磁界ヒステリシスループ、カー
ヒステリシスループ等の角型が悪く、大きなカー回転角
θKや、高い保磁力Hcが得難い。また、実用に供し得る
程度の保磁力Hcを得るには、その膜組成を、例えば室温
程度を補償温度とするように選定する組成の極く近傍に
選定することが必要であり、実用組成範囲が極めて狭隘
であった。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明は、カーヒステリシスループの角型にすぐれ磁
気光学特性にすぐれた垂直磁化膜による人工格子光磁気
記録媒体を提供することができ、更にまた、垂直磁化膜
全体としての組成、つまり見掛上の組成の実用範囲の狭
隘の問題点の解決をはかる。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、基体上に、薄膜層Aと薄膜層Bとが少くと
も1層以上に交互に積層された周期構造を有し、膜面と
垂直方向に磁化容易軸を有する垂直磁化膜を形成する。 薄膜層A及びBの各組成は、各元素群をRI,RII,SI,S
II,Mで表わすとき、 なる一般式を有し、 xI+yI=100, 50xI100, 0yI50, 0i40, xII+yII=100, 50xII100, 0yII50, であって、元素群RI及びRIIは、Gd,Tb,Dy,Hoのうちの少
なくとも1種以上の元素であり、元素群SI及びSIIは、
元素群RI及びRII以外のSc,Yを含む希土類元素のうちの
少なくとも1種以上の元素であり、元素群Mは、Fe,Co,
Niのうちの少なくとも1種以上の元素であり、薄膜層A
及びBの各膜厚を、それぞれa(Å)及びb(Å)と
し、各膜厚の関係をa−b直交座標系において(a,b)
で表わすとき、第1図に示すように、両膜厚の関係が、
点(イ)(10,4),点(ロ)(50,40),点(ハ)(13
0,13)更に点(イ)(10,4)の各座標点を結ぶ範囲内と
された垂直磁化膜を構成する。 〔作用〕 上述した薄膜層Aと、薄膜層Bとの点(イ)(ロ)
(ハ)(イ)によって囲まれた範囲の周期積層構造の人
工格子構造による垂直磁化膜を有する光磁気記録媒体に
よれば、その光磁気記録層、すなわち垂直磁化膜におけ
る磁気補償温度Tcompを室温程度に選定することのでき
る全体としての平均組成すなわち見掛け上の組成範囲が
広がることが確認され、また磁気光学的諸特性例えばカ
ーヒステリシスカーブの角型の向上、保磁力Hcの向上等
がはかられる。 すなわち、本発明構成では、薄膜層BのRII磁性原子
と薄膜層AのM磁性原子との磁気的結合が弱くなるため
薄膜層BのRII磁性原子が積層の位置によりスペリマグ
ネティズムのようにRII原子スピンが傾いてきて、この
ため、磁性膜中にRII原子が多く含まれ、希土類−遷移
金属薄膜層A間に結晶の層Bが出現していても全体とし
ては、膜面に垂直な磁気異方性を有するすぐれた光磁気
特性を示すことになる。 〔実施例〕 本発明による薄膜層Aと薄膜層Bとが交互に積層され
た周期構造の人工格子光磁気記録膜の作製は、マグネト
ロンスパッタリング装置を用い得る。 このスパッタリング装置は、例えば第2図に示すよう
に、ベルジャ(図示せず)内に、軸心0−0′を中心と
して回転する基台(1)を設け、これの例えば下面に目
的とする光磁気記録媒体を構成する平滑ガラス基板より
成る基体(2)が配置される。そして、この基体(2)
に対向して軸心0−0′を中心に等角間隔、すなわち18
0゜の角間隔を保持して2個のスパッタ源(3)及び
(4)を配置する。これらスパッタ源(3)及び(4)
と基台(1)、すなわち基体(2)との間には、スパッ
タ源(3)及び(4)より夫々スパッタされる金属のス
パッタ位置を規制するマスク(5)を配置する。スパッ
タ源(3)及び(4)は、それぞれ前述した薄膜A及び
Bの各組成金属ターゲット(6)及び(7)を有して成
る。これらターゲット(6)または(及び)(7)は、
対応する薄膜Aまたは(及び)Bが、複合(合金)であ
る場合は、この組成に応じた合金ターゲットとすること
もできるし、例えば単一金属体若しくは合金体上に他の
単一または合金ペレットを載せて全体として所要の組成
を有するようになし得る。(8)及び(9)はマグネッ
トを示す。 そして基台(1)を回転させながらターゲット(6)
及び(7)を負極側としてマスク(5)の窓(5a)及び
(5b)を通して基体(2)上に、これらの直流スパッタ
リングを行う。 このようにして基台(1)を回転させながら全体とし
て200〜10,000Åの厚さ、例えば5000Åの厚さの垂直磁
化膜を基体(2)上に形成して目的とする光磁気記録媒
体を作製する。このスパッタリングは、残留ガス圧1.0
×10-6torr,Arガス圧5×10-3torrとして行う。 実施例1 上述したスパッタリング方法によって、平滑ガラス板
より成る基体(2)上に垂直磁化膜、すなわち光磁気記
録膜を形成した。この場合、ターゲット(6)として薄
膜層Aを構成するTb19.3 Fe72.6 Co8.1を用い、ターゲ
ット(7)として薄膜層Bを構成するTbを用いた。また
基体(2)上における各薄膜層Aの厚さtAは130Å、各
薄膜層Bの厚さtBは13Åとし、全体の厚さが約5000Åと
なるように両薄膜層A及びBを繰返し積層した。このよ
うにして得た垂直磁化膜全体としての平均組成は、Tb
20.6(Fe90Co10)79.4である。 比較例1 実施例1と同様の方法によるものの、ターゲットとし
て、実施例1の磁性膜の平均組成とほぼ同組成のTbFeCo
合金の単一ターゲットを用いてガラス基板(2)上に光
磁気記録膜をスパッタリングによって形成した。 上述した実施例1及び比較例1によって得た各記録膜
の磁界Hに対するカー回転角θKのヒステリシスループ
曲線の測定結果を第3図A及びBに示す。両曲線を比較
して明らかなように、実施例1のものは、比較例1のも
のに比してカーヒステリシスループの角型にすぐれてい
る。また、実施例1の場合、カー回転角θK=0.42゜で
あり、同組成の比較例1の均一合金膜のθK=0.36゜に
比し大きな改善がみられた。 実施例2 実施例1と同様の方法によるものの、第2図で説明し
たスパッタリング装置を用いて、そのTbFeCoより成る薄
膜層Aと、Tbより成る薄膜層Bの繰返し積層による光磁
気記録膜を、ガラス基体(2)上に形成した。この場合
において各薄膜層A及びBの各厚さを変更して各試料を
作製した。これら各試料の各薄膜層A及びBの各厚さの
関係を第4図に○印でプロットして示した。これら各試
料において第4図実線aで囲んだ範囲内で垂直磁化膜が
構成されて光磁気記録媒体を構成し得ることが確認され
た。 実施例3 実施例1と同様の方法によるものの、Tb19Fe73Co8薄
膜層Aの厚さtAとTb薄膜層Bの厚さtBとの比tA/tBをそ
れぞれ3/1,1/1としたときの、tAに対する保磁力Hcの測
定結果を第5図に示す。これによれば、広い積層構造領
域すなわち全体的な見掛上広い組成に亘って高い保磁力
Hcが得られることが分る。 実施例4 実施例1と同様の方法によるものの薄膜層A及びBと
その厚さの関係をそれぞれ変更した試料1〜5におい
て、垂直磁化膜が得られた。 上述した各実施例によれば、前述した第1図の座標点
(イ)(ロ)(ハ)(イ)によって囲まれた範囲内にお
いて、目的とする光磁気記録媒体が得られることが分か
った。 尚、上述した各例においては、積層構造の磁性膜中の
薄膜層A同士,B同士が、それぞれ同一組成のものを用い
た場合について説明したが、各薄膜層A及びBが、交互
に配された構成を採るものの、各薄膜層A及びBの双方
または一方が前述した各薄膜層A及びBの条件を満す組
成の2種以上の複数種の組成の薄膜より成り、この複数
種の薄膜の単一層又は積層によって各薄膜層A及びBと
することができる。すなわち、基本的には薄膜層A及び
Bの繰返し構成とするが、例えば薄膜層Aを2種の薄膜
A1及びA2とし、A1−A2−B−A1−A2−B・・・とすると
かA1−B−A2−B−A1・・・とするなどの構成を採り得
る。 〔発明の効果〕 上述したように本発明によれば、高いカー回転角
θK、高保磁力Hc、カーヒステリシスループの角型にす
ぐれた光磁気記録媒体を見掛上の組成を広範な組成から
選定することができることから、例えば使用態様、使用
条件に適合した最適な機械的、磁気的等の各種特性を有
する光磁気記録媒体の作製が可能となり、実用上大きな
利益をもたらす。
適用する垂直磁化膜を有する人工格子光磁気記録媒体に
関わる。 〔発明の概要〕 本発明は、希土類−遷移金属を主体とする薄膜層A
と、希土類金属を主体とする薄膜層Bとの2層以上の周
期的積層構造を採り、その各薄膜層の組成と膜厚関係の
特定によってカー(Kerr)回転角θK−磁界Hのヒステ
リシスループの角型の良い垂直磁化膜による人工格子光
磁気記録媒体を構成する。 〔従来の技術〕 近年、光磁気記録媒体の開発が急激に活発化してい
る。この光磁気記録媒体の実用的な特性が得られる媒体
としては、例えば特開昭58−73746号公報に開示されて
いるように、希土類−遷移金属合金薄膜によるものが注
目されている。この種の光磁気記録媒体は、一般には、
希土類−遷移金属合金による垂直磁化膜を形成するとい
う構成がとられる。ところが、このような構成による光
磁気記録媒体は、磁束−磁界ヒステリシスループ、カー
ヒステリシスループ等の角型が悪く、大きなカー回転角
θKや、高い保磁力Hcが得難い。また、実用に供し得る
程度の保磁力Hcを得るには、その膜組成を、例えば室温
程度を補償温度とするように選定する組成の極く近傍に
選定することが必要であり、実用組成範囲が極めて狭隘
であった。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明は、カーヒステリシスループの角型にすぐれ磁
気光学特性にすぐれた垂直磁化膜による人工格子光磁気
記録媒体を提供することができ、更にまた、垂直磁化膜
全体としての組成、つまり見掛上の組成の実用範囲の狭
隘の問題点の解決をはかる。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、基体上に、薄膜層Aと薄膜層Bとが少くと
も1層以上に交互に積層された周期構造を有し、膜面と
垂直方向に磁化容易軸を有する垂直磁化膜を形成する。 薄膜層A及びBの各組成は、各元素群をRI,RII,SI,S
II,Mで表わすとき、 なる一般式を有し、 xI+yI=100, 50xI100, 0yI50, 0i40, xII+yII=100, 50xII100, 0yII50, であって、元素群RI及びRIIは、Gd,Tb,Dy,Hoのうちの少
なくとも1種以上の元素であり、元素群SI及びSIIは、
元素群RI及びRII以外のSc,Yを含む希土類元素のうちの
少なくとも1種以上の元素であり、元素群Mは、Fe,Co,
Niのうちの少なくとも1種以上の元素であり、薄膜層A
及びBの各膜厚を、それぞれa(Å)及びb(Å)と
し、各膜厚の関係をa−b直交座標系において(a,b)
で表わすとき、第1図に示すように、両膜厚の関係が、
点(イ)(10,4),点(ロ)(50,40),点(ハ)(13
0,13)更に点(イ)(10,4)の各座標点を結ぶ範囲内と
された垂直磁化膜を構成する。 〔作用〕 上述した薄膜層Aと、薄膜層Bとの点(イ)(ロ)
(ハ)(イ)によって囲まれた範囲の周期積層構造の人
工格子構造による垂直磁化膜を有する光磁気記録媒体に
よれば、その光磁気記録層、すなわち垂直磁化膜におけ
る磁気補償温度Tcompを室温程度に選定することのでき
る全体としての平均組成すなわち見掛け上の組成範囲が
広がることが確認され、また磁気光学的諸特性例えばカ
ーヒステリシスカーブの角型の向上、保磁力Hcの向上等
がはかられる。 すなわち、本発明構成では、薄膜層BのRII磁性原子
と薄膜層AのM磁性原子との磁気的結合が弱くなるため
薄膜層BのRII磁性原子が積層の位置によりスペリマグ
ネティズムのようにRII原子スピンが傾いてきて、この
ため、磁性膜中にRII原子が多く含まれ、希土類−遷移
金属薄膜層A間に結晶の層Bが出現していても全体とし
ては、膜面に垂直な磁気異方性を有するすぐれた光磁気
特性を示すことになる。 〔実施例〕 本発明による薄膜層Aと薄膜層Bとが交互に積層され
た周期構造の人工格子光磁気記録膜の作製は、マグネト
ロンスパッタリング装置を用い得る。 このスパッタリング装置は、例えば第2図に示すよう
に、ベルジャ(図示せず)内に、軸心0−0′を中心と
して回転する基台(1)を設け、これの例えば下面に目
的とする光磁気記録媒体を構成する平滑ガラス基板より
成る基体(2)が配置される。そして、この基体(2)
に対向して軸心0−0′を中心に等角間隔、すなわち18
0゜の角間隔を保持して2個のスパッタ源(3)及び
(4)を配置する。これらスパッタ源(3)及び(4)
と基台(1)、すなわち基体(2)との間には、スパッ
タ源(3)及び(4)より夫々スパッタされる金属のス
パッタ位置を規制するマスク(5)を配置する。スパッ
タ源(3)及び(4)は、それぞれ前述した薄膜A及び
Bの各組成金属ターゲット(6)及び(7)を有して成
る。これらターゲット(6)または(及び)(7)は、
対応する薄膜Aまたは(及び)Bが、複合(合金)であ
る場合は、この組成に応じた合金ターゲットとすること
もできるし、例えば単一金属体若しくは合金体上に他の
単一または合金ペレットを載せて全体として所要の組成
を有するようになし得る。(8)及び(9)はマグネッ
トを示す。 そして基台(1)を回転させながらターゲット(6)
及び(7)を負極側としてマスク(5)の窓(5a)及び
(5b)を通して基体(2)上に、これらの直流スパッタ
リングを行う。 このようにして基台(1)を回転させながら全体とし
て200〜10,000Åの厚さ、例えば5000Åの厚さの垂直磁
化膜を基体(2)上に形成して目的とする光磁気記録媒
体を作製する。このスパッタリングは、残留ガス圧1.0
×10-6torr,Arガス圧5×10-3torrとして行う。 実施例1 上述したスパッタリング方法によって、平滑ガラス板
より成る基体(2)上に垂直磁化膜、すなわち光磁気記
録膜を形成した。この場合、ターゲット(6)として薄
膜層Aを構成するTb19.3 Fe72.6 Co8.1を用い、ターゲ
ット(7)として薄膜層Bを構成するTbを用いた。また
基体(2)上における各薄膜層Aの厚さtAは130Å、各
薄膜層Bの厚さtBは13Åとし、全体の厚さが約5000Åと
なるように両薄膜層A及びBを繰返し積層した。このよ
うにして得た垂直磁化膜全体としての平均組成は、Tb
20.6(Fe90Co10)79.4である。 比較例1 実施例1と同様の方法によるものの、ターゲットとし
て、実施例1の磁性膜の平均組成とほぼ同組成のTbFeCo
合金の単一ターゲットを用いてガラス基板(2)上に光
磁気記録膜をスパッタリングによって形成した。 上述した実施例1及び比較例1によって得た各記録膜
の磁界Hに対するカー回転角θKのヒステリシスループ
曲線の測定結果を第3図A及びBに示す。両曲線を比較
して明らかなように、実施例1のものは、比較例1のも
のに比してカーヒステリシスループの角型にすぐれてい
る。また、実施例1の場合、カー回転角θK=0.42゜で
あり、同組成の比較例1の均一合金膜のθK=0.36゜に
比し大きな改善がみられた。 実施例2 実施例1と同様の方法によるものの、第2図で説明し
たスパッタリング装置を用いて、そのTbFeCoより成る薄
膜層Aと、Tbより成る薄膜層Bの繰返し積層による光磁
気記録膜を、ガラス基体(2)上に形成した。この場合
において各薄膜層A及びBの各厚さを変更して各試料を
作製した。これら各試料の各薄膜層A及びBの各厚さの
関係を第4図に○印でプロットして示した。これら各試
料において第4図実線aで囲んだ範囲内で垂直磁化膜が
構成されて光磁気記録媒体を構成し得ることが確認され
た。 実施例3 実施例1と同様の方法によるものの、Tb19Fe73Co8薄
膜層Aの厚さtAとTb薄膜層Bの厚さtBとの比tA/tBをそ
れぞれ3/1,1/1としたときの、tAに対する保磁力Hcの測
定結果を第5図に示す。これによれば、広い積層構造領
域すなわち全体的な見掛上広い組成に亘って高い保磁力
Hcが得られることが分る。 実施例4 実施例1と同様の方法によるものの薄膜層A及びBと
その厚さの関係をそれぞれ変更した試料1〜5におい
て、垂直磁化膜が得られた。 上述した各実施例によれば、前述した第1図の座標点
(イ)(ロ)(ハ)(イ)によって囲まれた範囲内にお
いて、目的とする光磁気記録媒体が得られることが分か
った。 尚、上述した各例においては、積層構造の磁性膜中の
薄膜層A同士,B同士が、それぞれ同一組成のものを用い
た場合について説明したが、各薄膜層A及びBが、交互
に配された構成を採るものの、各薄膜層A及びBの双方
または一方が前述した各薄膜層A及びBの条件を満す組
成の2種以上の複数種の組成の薄膜より成り、この複数
種の薄膜の単一層又は積層によって各薄膜層A及びBと
することができる。すなわち、基本的には薄膜層A及び
Bの繰返し構成とするが、例えば薄膜層Aを2種の薄膜
A1及びA2とし、A1−A2−B−A1−A2−B・・・とすると
かA1−B−A2−B−A1・・・とするなどの構成を採り得
る。 〔発明の効果〕 上述したように本発明によれば、高いカー回転角
θK、高保磁力Hc、カーヒステリシスループの角型にす
ぐれた光磁気記録媒体を見掛上の組成を広範な組成から
選定することができることから、例えば使用態様、使用
条件に適合した最適な機械的、磁気的等の各種特性を有
する光磁気記録媒体の作製が可能となり、実用上大きな
利益をもたらす。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による光磁気記録媒体の薄膜層A及びB
の各厚さ範囲を示す図、第2図は本発明による光磁気記
録媒体を作製するに用いられるスパッタリング装置の一
例の構成図、第3図A及びBはそれぞれカー回転角−磁
界曲線図、第4図は垂直磁化膜を構成し得る薄膜層A及
びBの膜厚関係を示す図、第5図は保磁力Hcと薄膜層A
の厚さとの関係を示す図である。 (2)は基体、(6)及び(7)はターゲットである。
の各厚さ範囲を示す図、第2図は本発明による光磁気記
録媒体を作製するに用いられるスパッタリング装置の一
例の構成図、第3図A及びBはそれぞれカー回転角−磁
界曲線図、第4図は垂直磁化膜を構成し得る薄膜層A及
びBの膜厚関係を示す図、第5図は保磁力Hcと薄膜層A
の厚さとの関係を示す図である。 (2)は基体、(6)及び(7)はターゲットである。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.薄膜Aと薄膜Bとが少なくとも2層以上に交互に積
層され、 上記薄膜層A及びBの各組成は、各元素群をRI,RII,SI,
SII,Mで表わすとき、 薄膜層Aは、 薄膜層Bは、 なる一般式を有し、 xI+yI=100, 50xI100, 0yI50, 0i40, xII+yII=100, 50xII100, 0yII50, であって、 上記元素群RI及びRIIは、Gd,Tb,Dy,Hoのうちの少なくと
も1種以上の元素であり、 上記元素群SI及びSIIは、上記元素群RI及びRII以外のS
c,Yを含む希土類元素のうちの少なくとも1種以上の元
素であり、 上記元素群Mは、Fe,Co,Niのうちの少なくとも1種以上
の元素であり、 上記薄膜層A及びBの各膜厚を、それぞれa(Å)及び
b(Å)とし、各膜厚の関係をa−b直交座標系におい
て(a,b)で表わすとき、両膜厚の関係が(10,4),(5
0,40),(130,13),(10,4)の各座標点を結ぶ範囲内
とされた垂直磁化膜を有して成ることを特徴とする人工
格子光磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28572787A JP2707561B2 (ja) | 1987-11-12 | 1987-11-12 | 人工格子光磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28572787A JP2707561B2 (ja) | 1987-11-12 | 1987-11-12 | 人工格子光磁気記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01128244A JPH01128244A (ja) | 1989-05-19 |
JP2707561B2 true JP2707561B2 (ja) | 1998-01-28 |
Family
ID=17695254
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28572787A Expired - Fee Related JP2707561B2 (ja) | 1987-11-12 | 1987-11-12 | 人工格子光磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2707561B2 (ja) |
-
1987
- 1987-11-12 JP JP28572787A patent/JP2707561B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01128244A (ja) | 1989-05-19 |
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