JP2707511B2 - 脱脂酢卵粉末 - Google Patents

脱脂酢卵粉末

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JP2707511B2
JP2707511B2 JP5307550A JP30755093A JP2707511B2 JP 2707511 B2 JP2707511 B2 JP 2707511B2 JP 5307550 A JP5307550 A JP 5307550A JP 30755093 A JP30755093 A JP 30755093A JP 2707511 B2 JP2707511 B2 JP 2707511B2
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vinegar
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直行 西澤
孝志 長澤
英克 前田
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有限会社エーエスエーエンジニアリング
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脱脂酢卵粉末およびそ
の製造方法に関する。より詳細には、カルシウムの吸収
性、生体利用性に優れ、脂質、コレステロールの含量が
少ない新規な酢卵粉末およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の栄養調査で示されているように国
民の栄養摂取の中で、カルシウムの摂取量は日常的に不
足している。しかし、食生活になじみやすく、且つ、カ
ルシウムの吸収性に優れた食品は少ない。そのため、安
価なカルシウムの栄養機能性に優れた食品素材の開発が
望まれている。
【0003】一方、鶏卵の生産は年々増加しているが、
鶏卵やその加工品の消費量は増えてはいない。地域養鶏
業の一層の振興を図るためには鶏卵を素材とする新規の
高付加価値加工製品の開発が強く望まれている。従来、
鶏卵業では卵殻は廃棄物として処理されている。このよ
うな未利用な卵殻を付加価値のある食品カルシウム資源
として活用することは重要である。
【0004】卵殻を利用した食品としては、酢卵が知ら
れている。酢卵は、食酢に例えば鶏卵を卵殻ごと浸漬
し、卵殻を溶解させ、卵殻膜を除去した後に、卵白と卵
黄とをそのまま卵殻を溶解した食酢中に攪拌、混合して
得られる。酢卵は、糖尿病、胃弱、肝臓炎、膵臓炎に薬
効があるとされ、民間薬として用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の酢卵溶液
は、酢酸独特の酸味、渋味、刺激臭が強く日常利用され
るような食品ではない。また、卵白および卵黄をそのま
ま含んでいるので、脂質、コレステロールの含量が大き
く、日常的に摂取することは好ましくない。そこで本発
明の目的は、上記従来のものと異なる、食品素材として
加工食品に応用可能な脂質、コレステロールの含量が少
なく、且つ、脂質の酸化物による栄養障害を排除したカ
ルシウムの吸収性に優れた新規な酢卵粉末およびその製
造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に従うと、5重量
%以上のカルシウムを含み、総脂質含量が5重量%未満
且つコレステロール含量が1重量%未満で、酢酸含量が
35重量%未満であることを特徴とする脱脂酢卵粉末が提
供される。
【0007】また、本発明においては、食用有機酸中に
鳥類の生卵を卵殻ごと浸漬し、卵殻が溶解した後、卵殻
膜を除去し、攪拌、混合して乾燥後、有機溶媒を使用し
て脱脂して乾燥することを特徴とする脱脂酢卵粉末の製
造方法が提供される。
【0008】
【作用】本発明の脱脂酢卵粉末は、カルシウムの含量お
よび吸収性、生体利用性が高く、脂質およびコレステロ
ール含量が低いところにその主要な特徴がある。本発明
の脱脂酢卵粉末は、単にカルシウムの栄養機能性に優れ
ているだけではなく、脂質の酸化、変敗、コレステロー
ルの過摂取の心配がない。
【0009】一方、本発明では、上記本発明の脱脂酢卵
粉末の製造方法も提供される。本発明の方法では、従来
の酢卵の製造工程に加えて脱脂工程を含むところにその
主要な特徴がある。本発明の方法では、浸漬することで
卵殻を溶解する食用有機酸なら任意のものが使用可能で
あるが、一般的には米酢を使用する。また、脱脂に使用
する有機溶媒は、食品加工に使用可能であるならば任意
のものが使用できるが、通常はヘキサンを使用する。
【0010】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく
説明するが、以下の開示は本発明の単なる実施例に過ぎ
ず、本発明の技術的範囲をなんら制限するものではな
い。
【0011】
【実施例】本発明の方法により、本発明の脱脂酢卵粉末
を製造した。鶏卵を鶏卵1個当たり 200mlの米酢に浸漬
して10日間暗所に放置し、卵殻が充分溶解したのを確認
して、未溶解の卵殻膜を除去した後、卵白および卵黄を
卵殻を溶解した米酢とともに撹拌、混合して凍結乾燥し
た。(乾燥は、凍結乾燥以外に、噴霧乾燥、温風乾燥の
いずれでもよい。)この粉末にヘキサンを加えて脂質の
除去操作を3回行なった後、乾燥させて本発明の脱脂酢
卵粉末を得た。得られた本発明の脱脂酢卵粉末は、淡黄
色で、食品素材に適した粉末である。表1および表2に
上記本発明の方法で製造した本発明の脱脂酢卵粉末の栄
養成分の含量を示す。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】表1および表2からわかるよう、本発明の
方法で製造された本発明の脱脂酢卵粉末のカルシウムの
含量は、 9.5%以上であり、乾物あたりで比較すると原
料の鶏卵の45倍以上も高く、しかもこのカルシウムの含
量はチーズの8倍以上も高い。また、総脂質含量は、乾
物当たりで 1.6%以下、鶏卵に比べて28分の1以下、従
来の酢卵に比べても13分の1以下である。コレステロー
ル含量は乾物当たりで0.14%以下、この含量は鶏卵及び
従来の酢卵に比べてもそれぞれ12分の1以下である。
【0015】実験1 上記本発明の方法で製造された本発明の脱脂酢卵粉末の
カルシウムの吸収率の測定を行った。SD系3週齢雄ウ
ィスターラットに、カルシウム源として飼料にカルシウ
ム 0.6%に相当する本発明の脱脂酢卵粉末を与えた群、
同様にカルシウム 0.6%の炭酸カルシウム、カルシウム
0.6%の酢酸カルシウムを与えた群を14日間飼育して、
10日〜14日目に糞と尿を採取してそのカルシウムの出納
から吸収率を測定した。飼料の蛋白質源としては全卵蛋
白質(20%)を配合した。結果を表3に示す。本発明の
脱脂酢卵粉末のカルシウムの吸収率は表3に示したよう
に、酢酸カルシウムに比べて優れている。
【0016】
【表3】 平均±標準偏差(異符号の平均値間には有意差あり、p
<0.05)
【0017】実験2 上記本発明の方法で製造された本発明の脱脂酢卵粉末の
カルシウムの吸収率の測定を別の方法で行った。SD系
週齢雄ウィスターラットに、カルシウム源として飼料に
カルシウム 0.3%に相当する本発明の脱脂酢卵粉末と蛋
白質源として分離大豆蛋白質 (20%) を与えた群を、同
様にカルシウム 0.3%の炭酸カルシウムと蛋白質源とし
て分離大豆蛋白質 (20%) 与えた群、カルシウム 0.3%
の酢酸カルシウムと蛋白質源として脱脂鶏卵蛋白質 (20
%) を与えた群を12時間のミールフィーディングを14日
間行ない、11日〜14日目に糞と尿を採取してそのカルシ
ウムの出納から吸収率を測定した。カルシウムの吸収性
は表4に示したように、炭酸カルシウム、酢酸カルシウ
ムに比べて優れている。
【0018】
【表4】 平均±標準偏差(異符号の平均値間には有意差あり、p
<0.05)
【0019】実験3 上記本発明の方法で製造された本発明の脱脂酢卵粉末の
カルシウムの生体利用性の測定を行った。実験2に引続
き4時間のミールフィーディングを7日間行ない、18日
目に飼料に5μCiの45Caを添加して全ての45Caを採取さ
せ、22日目に屠殺して大腿骨を採取してその放射能を測
定した。大腿骨に取り込まれた放射能の投与した放射能
の割合からカルシウムの生体利用性を算出した。測定し
た。カルシウムの生体利用性は表5に示したように、酢
酸カルシウムに比べて優れている。
【0020】
【表5】 投与された放射能に対する大腿骨に取り込まれた放射能
の割合。 平均±標準偏差(異符号の平均値間には有意差あり、p
<0.05)
【0021】以上説明したように、本発明の脱脂酢卵粉
末は、コレステロールおよび脂質の含量が低く、脂質の
酸化、変敗および血漿コレステロール濃度の上昇を懸念
する必要がない。また、従来の卵巣摘出骨組鬆症モデル
ラットではなく、正常ラットを使用したカルシウムの吸
収、生体利用性の実験の結果、表3〜5に示したように
優れた吸収率、生体利用性を有することが判明した。本
発明の脱脂酢卵粉末は、食品へ広く応用可能な素材であ
る。
【0022】
【発明の効果】本発明に従うと、コレステロールおよび
脂質の含量が少なく、カルシウムの吸収、生体利用性が
高い新規な脱脂酢卵粉末およびその製造方法が提供され
る。本発明の脱脂酢卵粉末は、食生活になじみやすく、
カルシウムの摂取に有効であり、しかも安価な食品素材
である。また、鶏卵を材料としており、鶏卵生産者の収
入の安定、地域養鶏業の一層の振興にも役立つ。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 5重量%以上のカルシウムを含み、総脂
    質含量が5重量%未満且つコレステロール含量が1重量
    %未満で、酢酸含量が35重量%未満であることを特徴と
    する脱脂酢卵粉末。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の脱脂酢卵粉末におい
    て、カルシウム含量が、9.5重量%以上であることを特
    徴とする脱脂酢卵粉末。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の脱脂酢卵粉末
    において、総脂質含量が 1.6重量%未満であることを特
    徴とする脱脂酢卵粉末。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の脱
    脂酢卵粉末において、コレステロール含量が0.14重量%
    未満であることを特徴とする脱脂酢卵粉末。
JP5307550A 1993-11-12 1993-11-12 脱脂酢卵粉末 Expired - Lifetime JP2707511B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS609770B2 (ja) * 1977-11-16 1985-03-13 旭化成株式会社 脱コレステロ−ル脱脂卵粉末の製造法
JPS61234758A (ja) * 1985-04-12 1986-10-20 Nakano Vinegar Co Ltd 酢卵含有食品

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JPH07163315A (ja) 1995-06-27

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