JP2885430B2 - 凍豆腐 - Google Patents
凍豆腐Info
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Description
中コレストロールの低下作用を有する成分を含有して、
これを食すことにより、コレステロール低下による動脈
硬化の予防に有益な作用が期待される凍豆腐に関するも
のである。
と若年化が問題視されるようになってきている。これら
の疾患の主たる原因となる動脈硬化は、動脈壁にコレス
テロールやその他の脂質が沈着して引き起こされること
が多く、危険因子として高コレステロール血症や高脂血
症が挙げられている。そしてかっては欧米に比べて血漿
中のコレステロール低かった日本人も、近年における食
生活の変化により10代の若年者では大差がないことが報
告され、このようなことから我国でも小児期から食事を
中心とした動脈硬化の予防対策を講ずる必要のあること
が次第に強調されるようになってきている。
々の因子によって変動することが知られており、一般に
植物性蛋白質は動物性蛋白質よりも血漿中コレステロー
ルを低下させることが報告されている。また近時におい
て食品中に体調調節,疾病予防等の働きをもつ種々の因
子も発見され、これらの作用メカニズムも次第に明らか
にされつつある。
で特に健康増進や疾病予防等の作用を強化した食品を、
「機能性食品」として厚生省が認可し、その効能表示を
認める方向での制度化も検討されている。
についての報告(Huff,M.W.,Caroll K.K.;J.Nutr.,Vol
110,p1676〜1685,1980)や、大豆を原料とする凍豆腐や
ゆばにも血漿コレステロール低下作用があり、その作用
因子はフィトステロールであるという報告(道喜美代,
江沢郁子;「栄養と食糧」,18-3,p200〜203,1965)があ
る。
作用等で健康食品として使われているレシチンについて
の報告もあるが、これについては、大豆レシチンに血漿
中コレステロール濃度の低下作用があるとする報告(J.
G.Brook,Shai Lim,M.Aviran;Biochemical Medicine And
Metabolic Biology 35,p31〜39,1986)と、効果はない
とする報告(A.C.Beynen and L.G.M.Van Gils;Experime
ntia 39-5,1983)があって、大豆レシチンに血漿中コレ
ステロール濃度の低下作用については必ずしも定まった
定説があるわけではない。
レステロール症患者のための薬として、上記レシチンや
フィトステロールがカプセル剤として販売されている例
もある。
大豆を原料とするため、上記の血漿中コレステロールの
低下に有効な成分であるレシチンやフィトステロールが
含有されているが、一般的な凍豆腐においてはフィトス
テロールの含有量は通常0.07程度と極めて微量であるか
ら、一般的な凍豆腐の摂取による血漿中コレステロール
の低下作用は殆ど期待できない。
低下作用が仮にあるとしても、一般的には凍豆腐に大豆
レシチンが含有されている量は0.3%程度と極めて微量
であり、そのままでは、凍豆腐の摂取による血漿中コレ
ステロールの低下作用は殆ど期待されない。
て長野県凍豆腐組合が徳島大学医学部に委託して行なっ
た臨床的な試験の結果によれば、毎日4切の凍豆腐を食
した場合に血漿中コレステロールの低下が認められるこ
とが報告されたが、しかし日常的に毎日4切(1切は乾
物で約15g、水で戻して約100g)の凍豆腐を食すること
は現実的でない。
フィトステロールを更に添加して血漿中コレステロール
の低下作用を発揮させようとする試みはなされていな
い。
めて微量にしか含有していない凍豆腐に、レチシンやフ
ィトステロールを強化含有させることによって、優れた
血漿中コレステロール濃度の低下作用を期待できるよう
にした凍豆腐を提供すべく検討を重ねた。
ル剤として販売され服用されているレチシンやフィトス
テロールを添加して製造した凍豆腐は、凍豆腐の単独摂
取に比べた場合は勿論のこと、レシチンやフィトステロ
ールを単独に摂取した場合に比べて、血漿中コレステロ
ールを低下させる作用が著しく増強されることを、本発
明者は見い出すに至った。
更に、血漿中コレステロール濃度の低下作用を十分に発
揮させることができ、しかも食する際に食品としての風
味等を損なうことなく、無理なく食することができる凍
豆腐の提供を目的として開発を進め、本発明をなすに至
ったものである。
特徴は、血漿中コレステロール濃度を低下させる有効成
分としてフィトステロールを0.5〜5%、好ましくは1
〜2%含有させたところにある。
1〜10%、好ましくは2〜4%含有させたところにあ
る。そしてこれらフィトステロール及びレシチンを含有
させた凍豆腐によって、特に血漿中コレステロールの低
下作用を奏するという優れた効果を発揮することができ
る。
るが、凍豆腐にフィトステロールを含有させる場合に
は、0.5%以下では効果が十分でなく、他方5%を超え
てフィトステロールを含有させてもそれ以上の効果の向
上が認められないし、凍豆腐の風味を損なう結果となる
ので上記範囲で含有させることが適当である。
下では実質的に効果がなく、他方10%を超えてレシチン
を含有させても凍豆腐の風味を損ない食品としての適性
に欠ける結果になるため上記範囲で含有させることが適
当である。
ールを共に含有させた場合には、その理由は必ずしも明
らかではないが、著しい血漿中コレステロールの低下作
用を発揮するという特に優れた効果が確認された。この
場合、レシチンとフィトステロールの凍豆腐の風味に与
える影響は相剰的には作用しないため、これらの成分を
単独に添加する場合と同様の量を添加することができ
る。
は、例えば大豆油やコーン油を製造する際に不けん化物
として副生されるものを使用することができ、またフィ
トステロールとしては、例えば同様に大豆油やコーン油
を製造する際に脱臭スカムとして副生されるものを使用
することができる。そしてこれらを凍豆腐を添加するた
めには、例えば常法に従って作った豆乳に所定量の上記
不けん化物や脱臭スカムを添加し、乳化機で乳化処理す
ることによって添加することができる。
いて行なった血漿中コレステロール濃度への影響の測定
は下記に従って行なった。
ステロール1%、コール酸ナトリウム0.3%、ミネラル
混合5%、ビタミン混合1%、セルロース3%を含み、
残りをコーンスターチで100%となるようにして調製し
た。上記蛋白質としては、凍豆腐蛋白質と、血漿中コレ
ステロール濃度を増加させることが知られているガゼイ
ンを用いた。
てウィスター系ラット雄を使用し、7匹を一群としてこ
れに各種試験飼料を与え、3週間飼育し、その間の血漿
中コレステロールのレベルを、酵素法を用いた定量キッ
ト;コレステロールG II(和光純薬社製)を用いて定量
測定することで行なった。
6倍の水を加え粉砕した。粉砕した液を2分間煮沸した
後、濾布でオカラ分をこし、豆乳を得た。この豆乳に70
gの大豆レシチン(レシチン含有39%)を加え、ディス
パイザーで分散・乳化した後、塩化カルシウム溶液を加
え蛋白を凝固させた。凝固した豆乳を型箱に入れ、水分
82〜84%の固めの木綿豆腐を作った。この木綿豆腐を適
当な大きさに切り、−10℃で凍結した後−3℃の部屋で
2週間熟成した後、脱水し、50〜60℃で乾燥して凍豆腐
を得た。この凍豆腐中のレシチン含有量を測定したとこ
ろ約5%のレシチンを含んでいた。
を製造した。
用を確認するために、試験飼料の蛋白質として上記凍豆
腐の大豆蛋白及びガゼインを等量(飼料全量の各10%)
含んだ試験飼料を調製した。
トの血漿中コレストロールを測定したところ、第1表の
実験例2〜4に示すように通常の凍豆腐(実験例1)よ
り有意に低い血漿中コレステロール値を示した。
は上記と同様に調製した凍豆腐を大豆蛋白質とした試験
飼料(ガゼイン10%+レシチン無添加凍豆腐10%)をラ
ットを給餌し、同様の血漿中コレステロールの変化を測
定した結果を実験例1として第1表に示した。
を1%添加した凍豆腐を用いて調製した試験飼料を給餌
した実験例2のラットの血漿中コレステロール値は、レ
シチンを添加していない対照(実験例1)のラットに比
べて血漿中コレステロール値が有意に低下しており、レ
シチン添加量を増大した実験例3及び4ではその血漿中
コレステロール値の低下は更に顕著に現われた。
コレストロール値の低下は認められるが、凍豆腐として
の風味を損なって凍豆腐食品としての適正を欠く結果と
なった。
させた場合に比べ、血漿中コレステロールの濃度低下を
相剰的に増大させることを確認するために、次の試験を
行なった。
イン20%(実験例5;以下「カゼイン食群」という),
「カゼイン10%+レシチン無添加凍豆腐」(実験例6;以
下「凍豆腐食群」という),「ガゼイン20%+レシチン
10%」(実験例7;以下「レシチン食群」という),「カ
ゼイン10%+レシチン10%添加凍豆腐10%」(実験例8;
以下「レシチン強化凍豆腐食群」という)を用いて各々
試験飼料を調製し、これを実施例1と同様にラットに給
餌して1〜3週間後のラットの血漿中コレステロールを
測定した。その結果を下記第2表に示した。
群」では「カゼイン食群」に比べて血漿中コレステロー
ルが低下したが、レシチンだけを添加した「レシチン食
群」では血漿中コレステロールの低下は十分ではなかっ
た。これに対し、レシチン食群と同量のレシチンを添加
した凍豆腐を与えた「レシチン強化凍豆腐食群」では、
単なる凍豆腐を与えた「凍豆腐食群」あるいは「レシチ
ン食群」に比べて顕著に血漿中コレステロールが低下
し、大豆蛋白質からなる凍豆腐と大豆レシチンとの相剰
効果のあることが認められた。
油(フィトステロール含量17%)13gを加え、比較例1
と同様にして凍豆腐を製造した。この凍豆腐を分析した
ところ約2%のフィットステロールを含んでいた。
を含む凍豆腐を製造した。
作用を確認するために、上記比較例1と同様に凍豆腐の
大豆蛋白とガゼインを等量(凍豆腐全量の各10%)含ん
だ試験飼料を調製し、これをラットに給餌して1〜3週
間後のラットの血漿中コレストロールを測定した。その
結果を第3表中に実験例9〜11として示した。
テロールは0.5%添加した凍豆腐を用いて調製した試験
飼料を給餌した実験例9では、ラットの血漿中コレステ
ロール値はフィトステロールを添加していない対照(実
験例1)のラットに比べて血漿中コレステロール値がか
なり大きく低下しており、またフィトステロール添加量
を増大した実験例10及び11ではその傾向は更に顕著に現
われた。なお5%以上フィトステロールを添加しても血
漿中コレステロール値のそれ以上の低下は認められなか
った。
ールを単独で摂取させた場合に比べ、血漿中コレステロ
ールの濃度低下を相剰的に増大させることを確認するた
めに、次の試験を行なった。
イン20%(実験例12),「カゼイン10%+フィトステロ
ール無添加凍豆腐」(実験例13),「ガゼイン20%+フ
ィトステロール10%」(実験例14;以下「フィトステロ
ール食群」という),「カゼイン10%+フィトステロー
ル10%添加凍豆腐10%」(実験例15;以下「フィトステ
ロール強化凍豆腐食群」という)を用いて各々試験飼料
を調製し、これを比較例1と同様にラットに給餌して1
〜3週間後のラットの血漿中コレステロールを測定し
た。その結果を下記第4表に示した。
ールだけを添加した「フィトステロール食群」でも血漿
中コレステロールは低下したが、凍豆腐と共に同量のフ
ィトステロールを添加した「フィトステロール強化凍豆
腐食群」では、顕著に血漿中コレステロールが低下し、
フィトステロールと大豆蛋白質との相剰効果が認められ
た。
漿中コレステロールの低下作用を確認するために以下の
試験を行なった。
脱臭スカム原油と70gの大豆レシチンを加え、以下比較
例1と同様して凍豆腐を製造した。
はそれぞれ2%,5%であった。
してラットに給餌し、血漿中コレステロールの変化を測
定し、その結果を実験例17として下記第5表に示した。
を1%と10%に代えた試験飼料を調製して同様の試験を
行なった結果を実験例16及び18として第5表に示した。
ールとレシチンを共に添加した凍豆腐を用いて調製した
試験飼料を給餌したラットにおいては、これらレシチ
ン,フィトステロールを単独に添加した場合に比べて、
血漿中コレステロールの著しい低下があり、相剰効果の
あることが確認された。
チステロールを該凍豆腐の風味を損なわない範囲で添加
することにより製造され、近時において我国において特
に問題とされるようになってきた高脂血症患者や高コレ
ステロール症患者のための薬として販売されているレシ
チンやフィチステロールの単独に使用の場合に比べ、あ
るいは通常の凍豆腐に比べて、著しい血漿中コレステロ
ールの低下作用が期待でき、機能性食品としてその有用
性は極めて大なるものがある。
Claims (2)
- 【請求項1】フィトステロールを、0.5〜5%含有する
凍豆腐。 - 【請求項2】レシチンを1〜10%、及びフィトステロー
ルを、0.5〜5%含有する凍豆腐。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1211155A JP2885430B2 (ja) | 1989-08-16 | 1989-08-16 | 凍豆腐 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1211155A JP2885430B2 (ja) | 1989-08-16 | 1989-08-16 | 凍豆腐 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0376557A JPH0376557A (ja) | 1991-04-02 |
JP2885430B2 true JP2885430B2 (ja) | 1999-04-26 |
Family
ID=16601304
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1211155A Expired - Lifetime JP2885430B2 (ja) | 1989-08-16 | 1989-08-16 | 凍豆腐 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2885430B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5932562A (en) * | 1998-05-26 | 1999-08-03 | Washington University | Sitostanol formulation to reduce cholesterol absorption and method for preparing and use of same |
US6677327B1 (en) * | 1999-11-24 | 2004-01-13 | Archer-Daniels-Midland Company | Phytosterol and phytostanol compositions |
KR100450471B1 (ko) * | 2001-06-22 | 2004-10-01 | 임성종 | 레시틴 에멀젼을 소포제로 이용한 두부의 제조방법 |
FI20012553A0 (fi) | 2001-12-21 | 2001-12-21 | Raisio Benecol Oy | Syötävät koostumukset |
-
1989
- 1989-08-16 JP JP1211155A patent/JP2885430B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0376557A (ja) | 1991-04-02 |
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