JP2707491B2 - 携帯型帯電器 - Google Patents

携帯型帯電器

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JP2707491B2
JP2707491B2 JP25720495A JP25720495A JP2707491B2 JP 2707491 B2 JP2707491 B2 JP 2707491B2 JP 25720495 A JP25720495 A JP 25720495A JP 25720495 A JP25720495 A JP 25720495A JP 2707491 B2 JP2707491 B2 JP 2707491B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直流高電圧を発生
して帯電対象物を帯電させる携帯型の帯電器に関する。
詳しくは、繊維片や毛髪等の微物を静電気により吸着し
て採取する微物吸着採取装置等に使用するのに好適な携
帯型帯電器に関する。
【0002】
【従来の技術】帯電器を使用した微物吸着採取装置とし
て特開平4−19539号公報に記載されたものがあ
る。図7はその微物吸着採取装置を示す斜視図である。
【0003】この微物吸着採取装置は、犯罪現場に残し
た犯人が残した肉眼では確認しにくい足跡や毛髪等を採
取するもので、高電圧電源等を内蔵した本体1と、全体
棒状でその軸線方向に所定間隔をおいて複数本の放電針
2を配設するとともに、基端部を把持部3として片手で
操作できる帯電電極バー4と、これと上記本体1とを接
続する高圧ケーブル6と、絶縁材よりなる可撓性の吸着
採取シート7とを有している。なお、8は帯電電極バー
4を収納して携帯するための収納筒、9はその蓋であ
る。
【0004】この装置は、吸着採取シート7を微物の存
在が予想される面に当てるとともに、放電針2に直流高
電圧を印加し、帯電電極バー4の把持部3を片手で把持
して、これを吸着採取シート7よりやや離した状態で、
該シート面に静電気を誘起させながらその面に沿って動
かすようにして使用する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、帯電電
極バー4は、多数の放電針2を同方向に指向させて一列
に配設した長尺なものであるため、広い範囲を帯電させ
るには適しているが、狭い範囲を局部的に帯電させるに
は不都合であった。
【0006】また、帯電電極バー4自体は片手で持って
使用できるものの、高電圧電源を内蔵した本体1とは分
離していて、高圧ケーブル6によって本体1と接続して
使用するものであるため、帯電電極バー4と、本体1と
を同時に携行しなければならず、また、これらの重量や
大きさも携帯性を充分に配慮したものではなく、操作性
や携帯性に改善の余地があった。
【0007】そこで本発明は、携帯に便利なように小型
化するとともに操作性を向上させ、かつ、狭い場所での
使用も容易に行える携帯型帯電器の提供を目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の携帯型帯電器
は、絶縁性の有底筒状のケース10及びこれの開口部1
0aに装着される把持部11とからなる外装体A内に、
電池13と、その電圧を印加されて高周波発振する高周
波発振回路15と、その発振により二次側に高電圧を発
生する高周波トランス16と、その交流高電圧を整流す
る整流回路17と、この整流高電圧を印加される複数の
放電針18a,19aが収納されている。また、上記ケ
ース10には各放電針18a,19aに対応する放電用
孔10c,10eが形成されている。
【0009】放電針18a,19aは、所要本数の放電
針毎に互いに異なる方向に向けて配設するのが好まし
い。また、所要本数の第1の放電針が、ケースの先端壁
部に設けられた放電用孔と対応し、所要本数の第2の放
電針が、ケースの周壁に設けられた放電用孔と対応した
ものがよい。さらに、把持部11を先端が閉じた筒状に
形成するとともに、電池13をその内部に配置したもの
がよい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を参照して説明する。図1は本発明の一実施例としての
携帯型帯電器の外観斜視図、図2は図1に示すI−I線
での断面図、図3は外装体内に収納されている電気回路
を示す回路図である。
【0011】本携帯型帯電器は、片手で把持して容易に
操作及び携帯できる大きさと重さを持った単体で、先端
が閉じた絶縁性の円筒状のケース10の先端の開口部1
0aに、基端が閉じた円筒状の把持部11を装着して、
これらで外装体Aとし、この外装体A内に、電源を含む
後述する電気回路をその回路基板12とともに収納した
ものである(図2)。
【0012】回路基板12はケース10の全長よりも長
く、その後端部12aが把持部11内に挿入されてい
る。この回路基板12上には、電池13を装填する電池
ボックス14、高周波発振回路15、高周波トランス1
6、倍電圧整流回路17、それぞれ所要本数の放電針1
8a,19aからなる第1,第2の放電針群18,19
が搭載されており、また、電池13と高周波トランス1
6との間には電源をオン/オフするスイッチSWと、上
記高周波発振回路15の発振に従って点滅する発光ダイ
オードLとが配置されている。
【0013】高周波発振回路15は、高周波トランス1
6の一次側に接続されており、電池13によって蓄電さ
れた電解コンデンサ20による直流電圧の印加により起
動用トランジスタ21がオンになると自励発振し、これ
により高周波トランス16の二次側に高周波の交流電圧
が得られる。なお、21で示すような、交流電源から直
流に変換して電池13と同じ電圧を供給するACアダプ
タ(図示しない)を接続する接続ジャックを設けてもよ
い。
【0014】倍電圧整流回路17は、ダイオードDとコ
ンデンサCを直列に数段(図では6段)接続して、高周
波トランス16の二次電圧を数段階に整流して増幅する
公知の構成のものであり、この回路の出力端が放電針群
18,19の各放電針18a,19aと抵抗を介して接
続されている。
【0015】以上の回路構成では、電解コンデンサ20
の放電電圧で高周波発振回路15が発振して高周波出力
を生ずると、これが高周波トランス16によって昇圧さ
れる。そして、この高周波トランス16の出力が、倍電
圧整流回路17により整流及び増幅されて、放電針群1
8,19に印加される。
【0016】第1群の各放電針18aは、回路基板12
の先端部12bに長手方向で互いに平行に配置され、ま
た、第2群の各放電針19aは、回路基板12の先端部
12b下面に、ほぼ三角形の頂点をなす位置に垂下して
配置されている。
【0017】ケース10の先端壁10bには、第1群の
各放電針18aにそれぞれ対応するほぼ円形の放電用孔
10cが形成されており、また、該ケース10の周壁1
0dの先端近くには、第2群の各放電針19aに対応す
るほぼ円形の放電用孔10eが形成されている。各放電
針18a,19aの先端は、対応する放電用孔10c,
10eから突出することなく、その至近距離に留まって
いる。放電用孔10c,10eの大きさは、放電針18
a,19aとの距離やこれらに印加される電圧等を勘案
して適宜設定すればよい。
【0018】前述したスイッチSWと発光ダイオードL
に対向するケース10の周壁10dには、それらを外部
に突出させるスイッチ用孔10fとダイオード用孔10
gが形成されている。なお、スイッチSWは、不用意に
操作されないように、周壁10d外面よりも突出しない
ようにしておくのがよい。
【0019】ケース10の開口部10aには、リング状
のねじ部材22が嵌合されており、この内面に、把持部
11と螺合する雌ねじ部22a(図2)が螺設されてい
る。
【0020】把持部11はたとえば金属製のもので、こ
れの開口縁部の外周面には、上記ねじ部材22に螺合す
る雄ねじ部11aが螺設されている。この把持部11の
底壁11bの中心には、アース接続用の接続ジャック2
3が取り付けられている。
【0021】また、把持部11内に電池13を配置する
とともに、当該把持部11を比重の大きい金属で形成し
ているので、本帯電器の重心が当該把持部11付近に位
置し、操作性を向上させている。
【0022】上記構成からなる携帯用帯電器の使用例に
ついて、主として図6を参照して説明する。まず、吸着
採取シート7を微物の存在が予想される面(たとえば床
面)に当てておく。
【0023】スイッチSWをオン操作すると、高周波発
振回路15が発振し、これに伴って発光ダイオードLが
点灯する。また、高周波トランス16、倍電圧整流回路
17を介して、放電針群18,19に直流高電圧が印加
されて、稼働状態となる。各放電針18a,19aから
の放電は、ケース10の外部に向かって各放電用孔10
c,10eを通じて行われるので、放電の集中性と指向
性を与えることかできる。
【0024】<広い場所で本帯電器を使用する場合>本
帯電器の把持部11を片手で把持して、ケース10の周
壁10dに形成した放電用孔10eを吸着採取シート7
に向けた水平姿勢(図6に2点鎖線で示す)に保ち、こ
れを吸着採取シート7よりやや離した状態で、該シート
に静電気を誘起させながら、その面に沿って走査する。
その誘起した静電気により微物が吸着される。
【0025】<狭い場所で本帯電器を使用する場合>吸
着採取シート7が壁際等の場合には、本帯電器を水平姿
勢にしたままでは帯電させられない部分が生ずるので、
この場合には次のようにして使用する。
【0026】本帯電器の把持部11を片手で把持して、
ケース10の先端壁10bに形成した放電用孔10cを
吸着採取シート7に向けた傾斜姿勢(図5に実線で示
す)に保ち、これを吸着採取シート7よりやや離した状
態で、該シートに静電気を誘起させながら、その面に沿
って走査する。
【0027】なお、本発明は前述した実施例に限るもの
ではなく、その要旨の範囲内で様々に変形実施が可能で
ある。
【0028】上記実施例では、放電針をケースの先端面
と周壁の一方に向けて配置した例について説明したが、
その指向方向はこれに限らない。
【0029】把持部を金属で形成したものについて説明
したが、プラスチック、木材等で形成してもよい。
【0030】本実施例では、高周波発振回路の発振によ
って発光ダイオードを発光させて、本装置が稼働状態か
否かを判断できるようになっているが、発光ダイオード
等は必ずしも設けなくてもよい。
【0031】
【発明の効果】請求項1〜4記載の携帯用帯電器によれ
ば、放電針とこれを直流高電圧を印加する高電圧電源と
を、1つの外装体内に収納した単体となっており、また
高電圧電源は、電池の電圧を高周波に変換して昇圧して
から、再び整流する。このため、電池を使用しても小型
の高周波トランスと整流回路とによって充分な高電圧を
得られるので、内蔵する部品自体が小型になることか
ら、小型化,軽量化を図ることができる。そして、これ
らを1つの外装体内に収納することにより、携帯性,操
作性を向上させられる。
【0032】ケースに設けた放電用孔を通じて外部に放
電するので、放電の集中性と指向性を持たせることがで
きる。また、外装体内に電池を含む全ての回路が組み込
まれているので、使用の度ごとに配線を行う必要がなく
取り扱いが至便である。さらに、放電針が電源とともに
ケース内に収納されているので、携帯のための収納筒な
どは不要となる。
【0033】請求項2記載の携帯用帯電器によれば、使
用する場所の広狭等に応じて、水平姿勢あるいは傾斜姿
勢に保った状態で使用できるため、使用する場所を限定
されることがない。
【0034】請求項4記載の携帯用帯電器によれば、把
持部の中に電池を収納しているので、乾電池を交換する
場合には、把持部をケースから外すだけでその交換を容
易に行うことができる。さらに、重心を把持部付近に位
置させることができるので、操作性を向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての携帯型帯電器の外観
斜視図である。
【図2】図1に示すI−I線での断面図である。
【図3】外装体内に収納されている電気回路を示す回路
図である。
【図4】図1に示す携帯型帯電器の下面図である。
【図5】ケースの底壁外面を示す正面図である。
【図6】本発明の携帯型帯電器の使用状態を示す斜視図
である。
【図7】従来の微物吸着採取装置を示す斜視図である。
【符号の説明】 10 ケース 10a 開口部 11 把持部 13 電池 15 高周波発振回路 16 高周波トランス 17 整流回路 18a,19a 放電針 10c,10e 放電用孔 A 外装体

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端が閉じた絶縁性の筒状のケース及び
    これの基端に装着される把持部とからなる外装体内に、
    電池と、その電圧を印加されて高周波発振する高周波発
    振回路と、その発振により二次側に高電圧を発生する高
    周波トランスと、その交流高電圧を整流する整流回路
    と、その整流高電圧を印加される複数の放電針が収納さ
    れていること、上記ケースには各放電針に対応する放電
    用孔が形成されていることを特徴とする携帯型帯電器。
  2. 【請求項2】 上記複数の放電針は、所要本数の放電針
    毎に互いに異なる方向に向けられている請求項1記載の
    携帯型帯電器。
  3. 【請求項3】 所要本数の第1の放電針が、ケースの先
    端壁部に設けられた放電用孔と対応し、所要本数の第2
    の放電針が、ケースの周壁に設けられた放電用孔と対応
    している請求項2記載の携帯型帯電器。
  4. 【請求項4】 電源が把持部内に収納されている請求項
    1,2又は3記載の携帯型帯電器。
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