JP2705671B2 - 光スイッチの駆動方法および光スイッチ - Google Patents

光スイッチの駆動方法および光スイッチ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光で光を制御する
光スイッチの駆動方法および光スイッチに関し、特に光
ファイバ通信や光情報処理などの分野で光制御素子とし
て用いられるマッハツェンダ型の光スイッチの駆動方法
および光スイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ通信や光情報処理システムの
高速化には、光制御を行う素子の高速化が必要不可欠で
ある。このような目的に使用できる光制御素子として、
光により光を制御する全光スイッチが注目されている。
特に、制御光により信号光のルートを制御でき、縦続接
続可能なマッハツェンダ型の導波路素子は、超高速信号
を合周(マルチプレックス)/分周(デマルチプレック
ス)によりエンコード/デコード可能にするデバイスと
して重要視されている。
【0003】このような全光型のデバイスを実現するた
めには、媒質の光学非線形特性が利用される。この際、
制御光が光学非線形材料の非吸収波長領域にある非共鳴
型の光学非線形性と、制御光が光学非線形材料の吸収波
長領域にある共鳴型の光学非線形性のいずれかが利用さ
れる。
【0004】非共鳴型の光学非線形性はスイッチオン/
スイッチオフ時間は速いが、制御光に非常に高いパワー
が必要とされ、光スイッチモジュールの小型化の点で難
点がある。一方、共鳴型の光学非線形性は低パワー動作
が可能であるが、スイッチオフ時間が励起キャリアの縦
緩和時間(キャリア寿命;通常数ナノ秒程度)に制限さ
れ、高速化に難点があった。そこで、低制御光パワーで
スイッチングが可能であるという特性を活かしつつ励起
キャリアの縦緩和時間に制限されないスイッチオフ時間
を実現する全光型の光スイッチが特開平7−20510
号公報により提案されている。
【0005】この従来例は、マッハツェンダ干渉系の2
つの光路の少なくとも一部を光学非線形性を示す半導体
材料により構成し、それぞれに単一の制御光を2分して
一定の時間差をつけて導入するものであって、その具体
的な構成を図1に示す。図1に示されるように、入力ポ
ート8より入力された信号光は、3dBカプラ1により
2分されてアームAとアームB内を伝搬し、それぞれの
アーム内に設けられた第1、第2非線形導波路6、7に
おいてそれぞれの屈折率に応じた位相変化を受ける。
【0006】一方、制御光入力ポート9より入力された
制御光は、3dBカプラ3により2分された後、第1、
第2制御光入力用カプラ4、5を介してアームA、Bに
導入される。ここで、3dBカプラ3から第1、第2制
御光入力用カプラ4、5までの距離は、制御光が一定の
時間差(例えば1ps)をもってアームA、Bに入力さ
れるように、一方の方が長くなされている。アームA、
Bに導入された制御光は次いで第1、第2非線形導波路
6、7に入力される。
【0007】この非線形導波路6、7はGaAs(バン
ド端エネルギーに対応する波長:870nm)により構
成されされており、これに対し信号光には900nm程
度の波長の光が、また制御光には波長865nm程度の
光が用いられる。したがって、信号光は非線形導波路
6、7に吸収されることなく通過し、制御光はここで吸
収されその屈折率を変化させる。アームA、Bを伝搬し
た信号光は3dBカプラ2において干渉し、合波され
る。
【0008】3dBカプラ2内において干渉し、合波さ
れた信号光の行き先は、両アームを伝搬してきた光の相
対位相によって決まる。すなわち、両アームの光学長
(屈折率を考慮した光の伝搬距離)が全く等しいときに
は、合波後の信号光は第1、第2出力ポート10、11
へ再び2分される。しかし、アームAの光学長がアーム
Bよりも1/4波長短いときには、合波された信号光は
全て第1出力ポート10へ導かれる。逆に、アームAの
光学長がアームBよりも1/4波長長いときには、信号
光は全て第2出力ポート11へ導かれる。光学長は、実
際の導波路長×屈折率、で与えられるため、制御光によ
り非線形導波路の屈折率を変化させることにより、3d
Bカプラ2に信号光のスイッチングを行わせることが可
能になる。
【0009】図4は、この従来のマッハツェンダ干渉系
の2つの非線形導波路における制御光強度と屈折率変
化、および第1、第2出力ポートから出力される信号光
強度の時間変化を模式的に表した図である。図示した例
では、簡単のために入力される信号光が一定電圧の直流
となされている。また、制御光が入射されない状態では
全ての信号光は第2出力ポート11へ導かれるようにな
されている。制御光が入力されると、3dBカプラ3以
降の導波路の短い第1制御光入力用カプラ4側に先に制
御光が入力され、この光は第1非線形導波路6に吸収さ
れ、その屈折率を変化させる。これにより、3dBカプ
ラ2へ入力される両アームからの信号光の相対位相が変
化して、信号光は全て第1出力ポート10から出力され
るようにようにスイッチングされる。
【0010】一定時間(例えば1ps)遅れて第2制御
光入力用カプラ5へ制御光が入力され、これにより第2
非線形導波路7にキャリアが生成され、その屈折率が変
化する。而して、この時点では第1非線形導波路6内に
において生成されたキャリアは殆ど消滅せずに残されて
おり、そのため屈折率も制御光入射により変化した値か
ら殆ど変化していない。従って、第2非線形導波路に制
御光が入射した時点でアームA、B間で屈折率の差はな
くなり、3dBカプラ2に入力する2つの信号光の位相
差は制御光の入射前の状態と同じになる。そのため、信
号光は再び第2出力ポート11からのみ出力されるよう
になる。
【0011】第1、第2非線形導波路6、7の屈折率は
同様の変化率をもって元の値に復帰するので、その過程
において信号光が第2出力ポートから出力される状態が
続く。縦緩和時間(ナノ秒オーダ)経過後、制御光入射
によって生成されたキャリアは消滅し、非線形導波路
6、7の屈折率も元の値に復帰する。以上のように、上
述した従来例では、各アームに導入される制御光のタイ
ミングを調整するすることにより、縦緩和時間に関係な
く十分に速いスイッチング動作が可能になる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述した
従来の光スイッチでは、非線形導波路にそのバンド端エ
ネルギー程度の波長の制御光を入射するのみで、素子の
温度状態や生成されたキャリアの温度についてはなんら
考慮が払われていなかったので、以下の解決すべき課題
を有していた。
【0013】第1の課題は、一般に光学非線形材料に生
じる光非線形性は前記公報において想定されているよう
に、その時間変化が単一の時定数で記述できるような単
調な時間変化をするものではなく、過渡的な小さな時定
数を持つ成分を持つことから生じる。この小さな時定数
を持つ成分は、主に光励起によるキャリアの温度変化か
ら生じていることが理論的に明らかにされている。
【0014】この過渡的な光非線形成分により、前記光
スイッチからの光スイッチ出力波形は前記公報に示され
たようなスムーズな波形にはならず、歪んだ波形になる
という欠点があった。図4の部分拡大図はこのことを模
式的に示している。この過渡的光非線形応答が生じる時
間領域は、通常制御光入射後からキャリアの温度緩和の
時間程度であり、キャリア−フォノン散乱に基づくエネ
ルギー緩和時間(1psのオーダ)程度持続する過渡的
応答が生じる。この過渡的光非線形性は、上記方式の光
スイッチ波形に歪みを生じさせる原因となる。
【0015】第2の解決すべき課題は、前記光スイッチ
においては単一の制御光をほぼ2分して有限の時間差を
持って2つのアームに導入することが必要であり、この
有限の時間差を設けるために2つの制御光光路に光路差
を与えなくてはならないが、この光路差を設けるために
デバイスの物理的サイズが大きくなってしまうことであ
る。例えば、1ピコ秒のスイッチングを実現するために
は100ミクロン程度の実光路差を設ける必要があるた
め、デバイスの物理的サイズは100ミクロンよりも小
さくすることは困難である。
【0016】これらの課題は、マッハツェンダ干渉系の
2つの光路に設けられる光学非線形性半導体材料の温度
Tとそのバンド端エネルギーEと入力される制御光の周
波数νを勘案することにより解決される。すなわち、こ
れらを適当な条件に設定する光スイッチの駆動方法によ
り、スイッチ出力波形を歪まないようにすることがで
き、あるいは物理的な光路差を必要とすることなくスイ
ッチングを行わせることのできる光スイッチを実現可能
とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明による光スイッチ駆動方法は、マッハツェン
ダ系を構成する2つのアームの各々の少なくとも一部が
光学非線形性材料により構成され、該マッハツェンダ系
の両アームの前記光学非線形性材料部に一つの制御光を
ほぼ2分して導入する手段を有する、制御光で信号光の
スイッチングを制御するマッハツェンダ型の光スイッチ
の駆動方法であって、前記光学非線形材料の温度Tに従
って、前記光学非線形性材料のバンド端エネルギーEと
制御光の周波数νとの関係を定めることを特徴とするも
のである。
【0018】より具体的には、2つのアームの光学非線
形性材料がバンド端エネルギーがE0 の同一の材料によ
り構成され、2分された制御光が一定の時間差をもって
2つのアームの光学非線形性材料に導入され、かつ、バ
ンド端エネルギーE0 と光学非線形性材料の温度Tと制
御光の周波数νとの間に、概略、 hν−E0 =3kB T/2 (但し、hはプランク定数、kB はボルツマン定数)の
関係が成立ようになされる。
【0019】あるいは、2つのアームの光学非線形性材
料がバンド端エネルギーがそれぞれE1 、E2 である異
なる材料により構成され、バンド端エネルギーE1 、E
2 と光学非線形性材料の温度Tと制御光の周波数νとの
間に、hν−E1 <3kB T/2、かつ、hν−E2
3kB T/2の関係が成立するようになされる。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は、本発明が実施されるマッハツェン
ダ型の光スイッチの概略の構成を示す平面図である。第
1の実施の形態において、光スイッチそのものの構成は
先に説明した従来例の場合と同様であるので、重複する
説明は省略する。第1の実施の形態において、光学非線
形性を発現する非線形導波路6、7の材料としては例え
ばGaAsが用いられる。
【0021】先に述べたように、過渡的な光学非線形成
分は光励起に伴うキャリア温度変化によって生じる。従
って、これを克服するためには、キャリアの温度変化を
防止することができればよい。このためには、入射制御
光のエネルギーhν(h:プランク定数、ν:光周波
数)が、キャリア全体の持つ平均エネルギーE0 +3k
B T/2〔kB :ボルツマン定数、E0 :非線形導波路
材料のバンドギャップエネルギー、T:非線形導波路
(あるいは本光スイッチ)の温度〕と等しくなるように
すればよい。
【0022】従って、制御光の周波数ν、非線形導波路
の温度Tおよび非線形導波路の半導体材料のバンド端エ
ネルギーE0 を、 hν=E0 +3kB T/2 (1) が満たされるように制御すればよい。熱的エネルギー3
B T/2は、室温においては40meV程度の大きさ
である。第1の実施の形態による方法は、前記特開平7
−20510号公報において提案された光スイッチに
(1)式に示したような条件を付加することにより、キ
ャリア温度変化に基づく過渡的光非線形による光スイッ
チ波形歪みを防止することができる
【0023】次に、第2の実施の形態について説明す
る。第2の実施の形態において用いられる光スイッチも
図1に示したものであるが、第1の実施の形態の場合と
次の点で相違している。 3dBカプラ3からアームA、Bに至るまでの光路
長はほぼ等しくなされている(但し、適当な光路長差が
あってもよい)。 第1、第2非線形導波路6、7を構成する半導体材
料としてバンドギャップエネルギーの異なるものが用い
られている。
【0024】特開平7−20510号公報にて提案され
た光スイッチの動作原理は、2つの光路(アームA、
B)中に生じる非線形屈折率変化に伴う光の位相変化
に、短い時間差を設け、その位相変化の時間差を光のス
イッチングに利用することである。従って、アームAお
よびBに同時に制御光を入射したとしても、自動的にア
ームA中およびB中に生じる非線形屈折率変化に過渡的
相違が発生する仕組みがあればよい。
【0025】第2の実施の形態においては、この仕組み
として先に述べた光吸収に伴うキャリア温度変化による
光学非線形特性を積極的に利用する。アームA、B中の
光学非線形性を発現する半導体材料のバンド端エネルギ
ーをそれぞれE1 、E2 とする。今、 hν−E1 <3kB T/2 (2) hν−E2 >3kB T/2 (3) となるように、制御光の周波数ν、半導体材料の温度T
およびそのバンド端エネルギーE1 、E2 を制御する
と、アームA中の半導体媒質ではキャリアの冷却が、ア
ームB中の半導体媒質ではキャリアの加熱が起こる。こ
れによる過渡的な光学非線形性の符号、すなわち屈折率
変化の符号は逆である。
【0026】エネルギー緩和後は、通常のバンドフィリ
ングによる光学非線形性がそれぞれの光路中の半導体材
料に生じるが、これは符号も大きさも同じ程度になる。
従って、両光路中の光学非線形性すなわち非線形屈折率
変化の差成分は、キャリア温度の変化に伴う過渡的な光
学非線形性が持続する時間だけ持続する。
【0027】先にも述べたように、エネルギー緩和の時
間はおおよそ1ピコ秒程度であるから、1ピコ秒程度の
高速の光スイッチングが可能になる(図3参照)。この
ようにして生じる光学非線形性の大きさは決して大きい
ものではないが、両光路中の光位相変化は非線形媒質中
の光路長に比例して生じるので、非線形媒質の長さを適
当に選べば十分なスイッチング特性を得ることは可能で
ある。以上の原理を活用するためには、光路A中の半導
体媒質のバンド端エネルギーと光路B中の半導体媒質の
バンド端エネルギーを互いに異なるものにする必要があ
るが、バンド端エネルギーは歪み導入や量子閉じ込め効
果などによっても制御可能である。
【0028】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。 [第1の実施例]図1は、本発明の第1の実施例の方法
を適用するマッハツェンダ型光スイッチの概略構成図で
ある。その構成および基本的な動作は従来例の場合と同
様であるので、重複した説明は省略する。入、出力ポー
ト(8〜11)、3dBカプラ1〜3、制御光入力用カ
プラ4、5およびそれらを接続する導波路は光ファイバ
により構成され、非線形導波路6および7はGaAsコ
ア/AlGaAsクラッドの半導体導波路により構成さ
れている。もちろん、全てのコンポーネントを半導体で
構成することもできる。
【0029】ここで、信号光としては、吸収端が870
nm程度である光学非線形材料(GaAs)において光
吸収の起きない、波長が900nm程度の光が用いられ
る。これに対して、制御光としては、非線形導波路材料
(GaAs)において光吸収が生じる吸収端エネルギー
よりも高いエネルギーを持つ光が用いられる。第1の実
施例の方法においては、制御光の光波長は吸収端波長よ
り短くするだけでなく、上記の式(1)の条件を満足す
るように選定される。先に述べたように、熱的エネルギ
ー3kB T/2は室温においては40meV程度の大き
さであるので、本デバイスを室温で動作させる場合、制
御光の光波長としては846nm程度の光波長を有する
光を用いればよい。実際に、実験を行った結果による
と、波長820nmの制御光を用いた場合には、図4に
示したようなスイッチング波形の歪みが観測されたのに
対して、波長846nmの制御光を用いた場合にはその
ような歪みは観測されなかった。この場合、制御光の波
長を(1)式を満足するように選んだが、もちろん素子
温度やバンド端エネルギーを(1)式が満足されるよう
に制御してもよい。
【0030】[第2の実施例]次に、本発明の第2の実
施例について説明する。本実施例においては、第1およ
び第2非線形導波路6、7を構成する半導体材料の混晶
比を変えて、両材料のバンド端エネルギーを異なるもの
にし(それぞれをE1 、E2 とする)、かつ制御光の光
波長を上記の式(2)および(3)を満足するように選
定する。図2は、制御光の光エネルギーと両材料のバン
ド端エネルギーの相互関係を示す。今、第1非線形導波
路6をGaAsで構成するものとする。GaAsのバン
ド端エネルギーE1 は約1429meV(波長:870
nm)である。室温動作を考えると、GaAs中のキャ
リアの平均エネルギーはE1 +(3kB T/2)=14
69meV(波長:846nm)程度の大きさである。
もう一方の非線形導波路7はAlGaAs混晶で作製
し、そのバンド端エネルギーをE1 より20meVだけ
大きい値、E2 〜1449meV(波長:858nm)
となるようにする。このためには、Alx Ga1-x As
で定義される混晶比xをx=0.016とすればよい。
【0031】この時AlGaAs混晶中のキャリアの平
均エネルギーはE2 +(3kB T/2)=1489me
V(波長:835nm)程度の大きさとなる。この状況
で、制御光として、光エネルギー1459meV(波
長:840nm)の光を用いると、制御光のエネルギー
は一方の非線形導波路(GaAs)においてはキャリア
の平均エネルギーよりも大きいからキャリア加熱を引き
起こし、もう一方の非線形導波路(AlGaAs)にお
いてはキャリアの平均エネルギーよりも小さいからキャ
リア冷却を引き起こす。
【0032】先にも述べたように、これに伴う過渡的な
非線形屈折率変化の符号は逆である。図3には、第1非
線形導波路6がGaAs、第2非線形導波路7がAlG
aAsの場合の屈折率変化の時間波形の例が示されてい
る。実際、このような構成で、非線形導波路6および7
に制御光を同時照射したところ、1ピコ秒程度の光スイ
ッチングが可能であることを確認できた。
【0033】以上の実施例では特定の半導体材料を例に
挙げて説明したが、本発明の方法はこれらの実施例の材
料に限定されるものではない。例えば、第2の実施例で
は、GaAsまたはAlGaAsの光キャリア実励起に
伴う非線形屈折率変化を例に挙げて説明したが、In
P、InGaAs、InGaAsPなど他の半導体材料
を用いた全光スイッチに適用することも可能である。な
お、第2の実施例においては、3dBカプラ3からカプ
ラ4、5に至るまでの光路の長さは必ずしも等しくする
必要はない。この光路長に差がある場合には、それに応
じて第1、第2非線形導波路6、7の長さを調整すれば
よい。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光スイッ
チの駆動方法は、マッハツェンダ干渉系の2つの光路の
非線形材料のバンド端エネルギーと、その温度と、その
材料に入射する制御光の波長とが所定の関係を満たすよ
うに制御するものであるので、本発明方法によれば、ス
イッチ出力波形が歪まない光スイッチや、デバイスサイ
ズが光路差によって制限されない光スイッチを実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例および従来例を説明するための
マッハツェンダ型光スイッチの概略構成図。
【図2】制御光の光エネルギーと光学非線形性材料のバ
ンド端エネルギーとの相互関係を示す図。
【図3】本発明の実施例を説明するための、マッハツェ
ンダ型光スイッチの2つの光学非線形性材料部における
各量の時間変化を示した図。
【図4】従来例のマッハツェンダ型光スイッチの各部の
出力波形を示す図。
【符号の説明】
1、2、3 3dBカプラ 4 第1制御光入力用カプラ 5 第2制御光入力用カプラ 6 第1非線形導波路 7 第2非線形導波路 8 入力ポート 9 制御光入力ポート 10 第1出力ポート 11 第2出力ポート

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マッハツェンダ系を構成する2つのアー
    ムの各々の少なくとも一部が光学非線形性材料により構
    成され、該マッハツェンダ系の両アームの前記光学非線
    形性材料部に一つの制御光をほぼ2分して導入する手段
    を有する、制御光で信号光のスイッチングを制御するマ
    ッハツェンダ型の光スイッチの駆動方法であって、前記
    光学非線形性材料の温度Tに従って、前記光学非線形性
    材料のバンド端エネルギーEと制御光の周波数νとの関
    係を定めることを特徴とする光スイッチの駆動方法。
  2. 【請求項2】 2つのアームの少なくとも一方の光学非
    線形性材料のバンド端エネルギーが、該光学非線形性材
    料へ歪みを導入することによりあるいは量子閉じ込め効
    果を作用させることにより調整されていることを特徴と
    する請求項1記載の光スイッチの駆動方法。
  3. 【請求項3】 2つのアームの光学非線形性材料がバン
    ド端エネルギーがE0 の同一の材料により構成され、2
    分された制御光が一定の時間差をもって2つのアームの
    光学非線形性材料に導入され、かつ、バンド端エネルギ
    ーE0 と光学非線形性材料の温度Tと制御光の周波数ν
    との間に、概略、 hν−E0 =3kB T/2 (但し、hはプランク定数、kB はボルツマン定数)の
    関係が成立していることを特徴とする請求項1記載の光
    スイッチの駆動方法。
  4. 【請求項4】 2つのアームの光学非線形性材料がバン
    ド端エネルギーがそれぞれE1 、E2 である異なる構成
    の素材により構成され、バンド端エネルギーE1 、E2
    と光学非線形性材料の温度Tと制御光の周波数νとの間
    に、hν−E1 <3kB T/2、かつ、hν−E2 >3
    B T/2の関係が成立していることを特徴とする請求
    項1記載の光スイッチの駆動方法。
  5. 【請求項5】 マッハツェンダ系を構成する2つのアー
    ムの各々の少なくとも一部がバンド端エネルギーがそれ
    ぞれE1 、E2 である異なる光学非線形性材料により構
    成され、該マッハツェンダ系の両アームの前記光学非線
    形性材料部に一つの制御光をほぼ2分して導入する手段
    を有する、制御光で信号光のスイッチングを制御するマ
    ッハツェンダ型の光スイッチであって、2つのアームの
    光学非線形性材料部の長さが、制御光無入力時には一方
    のアームを伝搬された光の位相が先行し、制御光入力時
    には過渡的に他方のアームを伝搬された光の位相が先行
    するように選定されていることを特徴とする光スイッ
    チ。
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