JP2705173B2 - 電池パックの外装ケース - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は小型シール鉛蓄電池等の素電池をパックする
外装ケースに関する。

従来の技術 従来電池パックを構成する外装ケースに関して樹脂材
料等で形成した一対の箱状ケースを互に重ね合わせて当
接する周縁部を超音波で溶着接合したり、タッピングネ
ジで締付け固定し、また金属材料によるケースにあって
は、内部に素電池を内蔵する前に筒状にケースを形成
し、該筒の一方の開口部から電池を挿入し、その後他の
開口部を内側に折り曲げて、箱体に形成するものであっ
た。

発明が解決しようとする課題 電池パックの外形寸法をできるだけコンパクトにする
ためには、外装ケースを丈夫な薄い材料にする必要があ
る。また、この薄い材料で形成した外装ケースを互に固
着する手段のために寸法的なロスを生じさせないことが
必要である。そして従来のようにネジ止めの場合には、
ビス及びネジ止め部のボスの太さがロスとなるという課
題がある。また印ろうのように嵌合させると板が二枚重
ねとなり、板厚の分がロスとなるという課題がある。本
発明は上記ロスをなくし薄型化を図ることを目的とす
る。

課題を解決するための手段 そこで本発明は、外装ケースの互いを固定する手段と
して、箱状ケースの相対接する各側面に互いに係止し合
う凹凸部を形成し、この凹凸部をケースの板厚の範囲内
で嵌合し、係着させ、電池の両極端子を装着したターミ
ナル板は、外装ケースの一側面に配設し、このターミナ
ル板の外周縁に板厚に沿って溝を形成し、該溝に外装ケ
ースを嵌合させるものである。

作用 上記手段により二つの箱状ケースは互に対をなして、
一方の凹部と他方の凸部が同一形状で嵌合し密接固定さ
れる。このような凹凸部が複数後、側面に配設される。
二つの相対向する箱状ケースが互に密接嵌合されると一
つの箱状の外装ケースが形成される。この密接嵌合は、
箱状ケースの板厚の範囲内で行われるため、相互にズレ
が生じるとはずれてしまう恐れがあることから、板厚の
範囲からズレさせないためにストッパーを数ヶ所設ける
ことが望ましい。

電池パックのターミナル板は、このターミナル板の外
周辺に溝を形成しているため二つの箱状ケースを相方か
ら嵌合する際に、この溝に沿って装着挿入し、密着した
時点では、箱状ケースが分周からこのターミナル板を保
持して外装ケースに固定される。

この嵌着された側面によって嵌着部が浮き上がりはず
れることがない。また、嵌着部の凹凸嵌合密着目尻を覆
うために裏面に粘着剤付の薄いシール（ラベル）テープ
を貼付けることでこの外装ケースは外観上も強度上もよ
り望ましい電池パックに完成される。

実施例 本発明の一実施例を図面を用いて説明する。図中１お
よび２は、四方の各辺を鉛直に、折曲げた電池パック外
装ケースを形成する箱状ケース。３及び４は箱状ケース
１の側面部５に設けた凹部及び凸部で、この凹部３及び
凸部４に対応して、箱状ケース２の側面部６に凸部７及
び凹部８を設けてなる。９は箱状ケース１の側面部５の
凹部３の一部に設けたストッパーで、箱状ケース１の板
厚分を内側に絞り込み、この段部に箱状ケース２の側面
部６の凸部７の首部10を落し込ませてなる。箱状ケース
１及び２の他の側面11及び12にも同様に凹部及び凸部を
形成してなる。もう一方の側面13及び14には大きくコの
字形に切込んだ切欠き部15及び16を有し、この部分に、
素電池17から配線接続された両極端子を配設するターミ
ナル18を嵌着させる。ターミナル18の外周辺には、溝19
が全周に渡って設けてある。この溝19をガイドに、前記
した両箱状ケース1,2に設けた切欠部15,16が嵌着され
る。20及び21は前記した素電池17の極柱22,23よりリー
ド線24,25で接続された陰陽の両極端子である。26は、
裏面に粘着剤をコーティングした、薄く丈夫なシールテ
ープである。このシールテープ26は前記した二つの箱状
ケースを互に嵌着固定した後に、側面に設けた凹凸部の
嵌着部の目尻を覆うためと、嵌合部の浮き上がりによる
離脱防止のためテープ固定をはかるものである。

発明の効果 電池パックの外装ケースを、金属製の板金で箱状ケー
スを形成した場合は、本発明の効果がより発揮され、内
蔵する素電池の容積に対する電池容量が向上して、いわ
ゆる電池の容積効率が改善される。素電池の外形形状に
外装ケースの板厚分のみが加算されるのみである。二つ
の箱状ケースを嵌着固定するためのネジ止め部分や溶着
接合する厚肉部分など一斉なくスッキリした外装ケース
を提供できる。凹凸部を互に嵌合する部分に一部ストッ
パーを設けているが、このストッパーの範囲はきわめて
局部的な部分であり、素電池の外形が比較的柔軟性を有
しているため、部分的な内側への出張りは何ら支障をき
たすものではない。ターミナル部についても、外装ケー
スを嵌着する前に、内部配線を済せておけるためターミ
ナル板を両箱状ケースで嵌着固定してしまえばターミナ
ルの固定等の手を加える必要は全くないため作業工数
は、極めて少なく、合理化にもつながる構成である。最
後に外装ケースの三方にできる嵌合密接させた目尻をシ
ールテープを貼付けることで外観上の装飾と固定を兼ね
て仕上げが完了する。このシールテープは極めて薄いた
め、前記した容積効率を下げる要因にはならない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例による外装ケースを形成する
箱状ケースの平面図、第２図は同上面図、第３図は同側
面図、第４図は同底面図、第５図は同電池パックの内部
構造を示す平面図、第６図は同電池パック外観の上面
図、第７図は同側面図、第８図は電池パックの内部構造
を示す断面図である。 1,2……箱状ケース、3,8……凹部、4,7……凸部、5,6,1
1,12,13,14……箱状ケースの側面、18……ターミナル
板、19……溝、20,21……端子。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一面を開口部とされた直方体の２つの箱状
   ケースを、互いの前記開口部を合わせることによりなる
   外装ケースであって、それぞれの箱状ケースの前記開口
   部と隣り合う面のうちの１面にはこの外装ケース内に収
   納される電池の両極端子を接続したターミナル板を嵌合
   する凹部が備えられ、その他の前記開口部と隣り合う面
   のうちの少なくとも１面には前記箱状ケース同士を嵌合
   する凹凸部が形成され、前記ターミナル板には前記箱状
   ケースと嵌合する溝が設けられ、この溝と箱状ケースと
   が嵌着された電池パックの外装ケース。