JP2703676B2 - ディジタルダイバーシチ装置 - Google Patents

ディジタルダイバーシチ装置

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JP2703676B2 JP3207197A JP20719791A JP2703676B2 JP 2703676 B2 JP2703676 B2 JP 2703676B2 JP 3207197 A JP3207197 A JP 3207197A JP 20719791 A JP20719791 A JP 20719791A JP 2703676 B2 JP2703676 B2 JP 2703676B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、2台のディジタル無
線受信機にて受信したデータおよびクロックのうちの受
信レベルの高い側のものを選択し、それを受信データお
よび再生クロックとして出力するディジタルダイバーシ
チ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3は従来のディジタルダイバーシチ装
置を示すブロック図である。図において、1a,1bは
当該ディジタルダイバーシチ装置が接続される2台のデ
ィジタル無線受信機である。2a,2bはこのディジタ
ル無線受信機1aあるいは1bに接続された空中線で、
例えば、当該ディジタル無線受信機1a,1bが搭載さ
れた列車等の移動体に設置された2組の漏洩同軸ケーブ
ル用空中線である。
【0003】3はディジタル無線受信機1a,1bの受
信レベルを比較する比較回路であり、4a,4bはこの
比較回路3からの比較結果と各ディジタル無線受信機1
a,1bからの復調クロックを受け、当該復調クロック
の立ち上がりで切替信号を発生させるラッチ回路であ
る。
【0004】5は各ラッチ回路4a,4bより出力され
る切替信号が一致するのを防止する一致禁止回路であ
り、6a,6bは各ディジタル無線受信機1a,1bか
らの復調クロックのジッタによるグリッジを吸収するた
めのフィルタである。
【0005】7a,7bはこのフィルタ6a,6bの出
力によってディジタル無線受信機1aあるいは1bの出
力する復調データをゲートするアンドゲートであり、8
a,8bは同じくフィルタ6a,6bの出力によってデ
ィジタル無線受信機1aあるいは1bの出力する復調ク
ロックをゲートするアンドゲートである。
【0006】9aはアンドゲート7a,7bの出力の論
理和をとって、それを受信データとして出力するオアゲ
ートであり、9bはアンドゲート8a,8bの出力の論
理和をとって、それを再生クロックとして出力するオア
ゲートである。
【0007】次に動作について説明する。2台のディジ
タル無線受信機1a,1bは、それぞれに接続された空
中線2a,2bより取り込んだ電波の復調を行い、各々
復調データおよび復調クロックの出力を行う。この時、
同時に受信電波の強弱に比例した直流電圧もそれぞれの
受信レベルとして出力する。
【0008】比較回路3は両ディジタル無線受信機1
a,1bの受信レベルの比較を行い、受信レベルの高い
側のディジタル無線受信機の復調データおよび復調クロ
ックを選択するための切替信号を出力する。この切替信
号は各ディジタル無線受信機1a,1bからの復調クロ
ックの立ち上がりに同期してラッチ回路4a,4bより
出力され、一致禁止回路5を経由してフィルタ6aある
いは6bに送られる。
【0009】ラッチ回路4aからの切替信号は、一致禁
止回路5でラッチ回路4bからの切替信号との一致が防
止された上でフィルタ6aに送られ、復調クロックのジ
ッタによるグリッジが吸収され、アンドゲート7aおよ
び8aに入力される。また、ラッチ回路4bからの切替
信号も同様に、一致禁止回路5で一致防止が行われ、フ
ィルタ6bでグリッジが吸収されてアンドゲート7bお
よび8bに入力される。
【0010】ここで、アンドゲート7a,7bのもう一
方の端子には各ディジタル無線受信機1a,1bからの
復調データが入力され、アンドゲート8a,8bのもう
一方の端子には各ディジタル無線受信機1a,1bから
の復調クロックが入力されている。
【0011】従って、これら各アンドゲート7a,7b
および8a,8bによって、ディジタル無線受信機1
a,1bの一方からの復調データと復調クロックが選択
される。選択された復調データおよび復調クロックは、
オアゲート9aまたは9bを介して受信データあるいは
再生クロックとして出力される。
【0012】このようにして、2台のディジタル無線受
信機1a,1b中の、受信レベルが高い側で受信・復調
された復調データおよび復調クロックが、自動的に受信
データおよび再生クロックとして選択される。
【0013】なお、このような従来のディジタルダイバ
ーシチ装置に関連した技術が記載された文献としては、
例えば特開昭63−43438号公報などがある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来のディジタルダイ
バーシチ装置は以上のように構成されているので、デー
タ伝送速度が速くなると、切替信号のグリッジ吸収用の
フィルタ6a,6bの時定数の作用により切替速度が遅
くなってダイバーシチ効果が低下し、また、フィルタ6
a,6bの時定数を小さくすると、再生クロックにもグ
リッジが残って同一データを2度読みしてしまい、同期
外れを生ずるなどの問題点があった。
【0015】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、グリッジを確実に吸収でき、デ
ータ伝送速度の高速化にも充分に対応可能なディジタル
ダイバーシチ装置を得ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係るディジタルダイバーシチ装置は、2台のディジタル
無線受信機の“受信中”/“非受信中”を第1の比較器
で判定し、第1の比較器の一方で“受信中”と判定され
た場合には該当する側の復調クロックを、また、両者で
“受信中”と判定された場合には両復調クロックを合成
するオアゲートの出力を第1の選択回路にて選択して、
この第1の選択回路の出力と内部発振器の発生する基準
クロックに基づいて再生クロックを生成し、第2の比較
器が両ディジタル無線受信機の受信レベルを比較して出
力する切替信号に基づく第2の選択回路による復調デー
タの選択を、前記再生クロックとは非同期で行い、最終
段にてその再生クロックの立ち上がりで受信データの出
力を行うものである。
【0017】また、請求項2に記載の発明に係るディジ
タルダイバーシチ装置は、第2の比較器が両ディジタル
無線受信機の受信レベルを比較して出力する切替信号
を、再生クロックに同期させて出力し、その切替信号で
第2の選択回路を制御して受信データの出力を行うもの
である。
【0018】
【作用】この発明におけるクロック再生回路は、第1の
選択回路にて選択された、“受信中”と判定されたディ
ジタル無線受信機からの復調クロックあるいはオアゲー
トからの合成クロックと、内部発振器の発生する基準ク
ロックに基づいて再生クロックを生成することにより、
切替信号によるクロックの切り替えを行わず、この再生
クロックによって受信データの切替、出力を行って確実
にグリッジが吸収でき、データ伝送速度の高速化にも充
分に対応できるディジタルダイバーシチ装置を実現す
る。
【0019】
【実施例】実施例1.以下、この発明の実施例を図につ
いて説明する。図1は請求項1に記載の発明の一実施例
を示すブロック図である。図において、1a,1bはデ
ィジタル無線受信機、2a,2bは空中線であり、図3
に同一符号を付した従来のそれらと同一、あるいは相当
部分であるため詳細な説明は省略する。
【0020】10a,10bは各ディジタル無線受信機
1a,1bの受信レベルをそれぞれ参照用の基準レベル
と比較して、ディジタル無線受信機1aおよび1bが
“受信中”であるか“非受信中”であるかの判定を行う
第1の比較器であり、11a,11bは前記基準レベル
をこれらの第1の比較器10a,10bに与える基準レ
ベル発生器である。
【0021】12は各ディジタル無線受信機1a,1b
からの復調クロックを合成するオアゲートであり、13
は第1の比較器10a,10bの一方のみが“受信中”
と判定した場合には該当するディジタル無線受信機1a
あるいは1bからの復調クロックを選択し、第1の比較
器10a,10bの両方が“受信中”と判定した場合に
はオアゲート12の出力する合成クロックを選択する第
1の選択回路である。
【0022】14は第1の選択回路13の出力と、当該
ディジタルダイバーシチ装置内部の基準クロックに基づ
いて再生クロックを生成するクロック再生回路としての
ディジタルフェーズロックドループ回路(以下、ディジ
タルPLL回路という)であり、15は前記基準クロッ
クを発生してディジタルPLL回路14に供給する内部
発振器である。
【0023】16は各ディジタル無線受信機1a,1b
の受信レベルを比較して切替信号を発生する第2の比較
器であり、17はこの第2の比較器16の出力する切替
信号に基づいて受信レベルの高い側のディジタル無線受
信機1aあるいは1bの出力する復調データを選択する
第2の選択回路である。
【0024】18は第2の選択回路17で選択されたデ
ィジタル無線受信機1aあるいは1bからの復調データ
を、前記ディジタルPLL回路14から出力される再生
クロックの立ち上がりに同期させて、受信データとして
出力するD型のフリップフロップ回路である。
【0025】次に動作について説明する。従来の場合と
同様に、各空中線2a,2bより取り込まれた電波はデ
ィジタル無線受信機1a,1bにて復調され、各々の復
調データおよび復調クロックとして出力される。ディジ
タル無線受信機1a,1bはその時同時に、受信電波の
強弱に比例した直流電圧もそれぞれの受信レベルとして
出力する。
【0026】第2の比較器16は各ディジタル無線受信
機1aと1bの受信レベルの比較を行い、当該比較結果
に基づく切替信号を生成して第2の選択回路17へ送
る。第2の選択回路17は当該切替信号に従って動作
し、前記受信レベルが高かった側のディジタル無線受信
機1aあるいは1bの出力する復調データを選択する。
【0027】また、第1の比較器10aおよび10b
は、各ディジタル無線受信機1a,1bの受信レベルを
それぞれ、基準レベル発生器11aあるいは11bの発
生する参照用の基準レベルと比較して、各ディジタル無
線受信機1aおよび1bが“受信中”であるか“非受信
中”であるかを判定する。なお、この基準レベル発生器
11a,11bの発生する基準レベルは通常同一レベル
としている。
【0028】ここで、第1の比較器10aの出力が“受
信中”を示し、第1の比較器10bの出力が“非受信
中”を示している場合には、第1の選択回路13はディ
ジタル無線受信機1aの復調クロックを選択・出力す
る。また、同様に、第1の比較器10aの出力が“非受
信中”、10bの出力が“受信中”を示している場合に
は、第1の選択回路13はディジタル無線受信機1bの
復調クロックを選択・出力する。
【0029】一方、第1の比較器10a,10bの出力
がともに“受信中”を示している場合には、第1の選択
回路13は各ディジタル無線受信機1a,1bの復調ク
ロックを合成した、オアゲート12の出力を選択・出力
する。ここで、オアゲート12から出力される復調クロ
ックは、各ディジタル無線受信機1a,1bの復調クロ
ックの位相差により、パルス幅は広がるもののそれらデ
ィジタル無線受信機1a,1bの各復調クロックの周波
数と同一の周波数の復調クロックが出力される。また、
前記出力がともに“非受信中”を示している場合には、
両復調クロックがともに無効であるため、第1の選択回
路13はアースレベルを選択・出力する。
【0030】このようにして第1の選択回路13で選択
された信号(以下、「選択信号クロック」という)はデ
ィジタルPLL回路14に入力される。図4はディジタ
ルPLL回路の一般的な内部クロック構成図である。図
4において、141は内部発振器15の発生する基準ク
ロックを、後述するアップ/ダウンカウンタのカウント
結果に基づき設定される分周比で分周した分周クロック
を再生クロックとして出力する可変分周器、142は第
1の選択回路13の出力である選択信号クロックと前記
分周クロックとの位相関係をパルス毎に比較(位相比
較)し、何れの信号の位相が進んでいるかでHまたはL
レベルの位相比較結果を出力する位相比較器、143は
前記位相比較器142のHまたはLレベルの位相比較結
果に応じてアップカウントまたはダウンカウントし、カ
ウント値が所定値に達するとカウント結果を出力するア
ップ/ダウンカウンタである。ここで、位相比較器14
2では、分周クロックを構成する基本パルス単位で、外
部入力信号である選択信号クロックとの位相比較を行
う。そのため、前記選択信号クロックにグリッジ(本来
の信号パルスの前後の直近に発生する、信号パルスより
幅の狭いヒゲ状のパルス)が存在したとしても、グリッ
ジを含む全体の信号として選択信号クロックと分周クロ
ックとの位相比較が行われ、パルス単位で何れのクロッ
ク信号の位相が進んでいるかの位相比較結果が出力され
る。つまり位相比較結果においては選択信号中のグリッ
ジは無視され安定した位相比較結果が出力される。その
ため、安定した位相比較結果に基づきアップ/ダウンカ
ウンタ143から出力されるカウント結果及びこのカウ
ント結果で設定される分周比もグリッジの影響を受けな
い。その結果、可変分周器141により基準クロックが
分周され、グリッジの影響を受けない安定した再生クロ
ックが生成、出力できるようになる。
【0031】なお、この再生クロックはD型のフリップ
フロップ回路18にも入力され、フリップフロップ回路
18は、第2の選択回路17で選択されたディジタル無
線受信機1aあるいは1bの復調データを、当該再生ク
ロックの立ち上がりに同期させて受信データとして出力
する。
【0032】実施例2.なお、上記実施例では、復調デ
ータの選択・切替を再生クロックと非同期で行い、最終
段において再生クロックのタイミングで受信データとし
て出力する場合について説明したが、切替信号を再生ク
ロックのタイミングで出力させ、この切替信号で第2の
選択回路を制御するようにしてもよく、上記実施例と同
様の効果を奏する。
【0033】図2は請求項2に記載されたそのような発
明の一実施例を示すブロック図であり、各部の符号は図
1に示す実施例の相当部分と同一のものが付されてい
る。この場合、第2の比較器16にて生成された切替信
号がフリップフロップ回路18に送られ、フリップフロ
ップ回路18よりディジタルPLL回路14の生成した
再生クロックのタイミングで第2の選択回路17に入力
されている。
【0034】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、2台
のディジタル無線受信機の復調クロックのオア出力、も
しくはその一方が“非受信中”である場合には他方のデ
ィジタル無線受信機の復調クロック単独を、ディジタル
PLL回路に入力することによって、当該ディジタルP
LL回路にて周波数の安定化を施して新たに再生クロッ
クを生成するように構成したので、出力される再生クロ
ックにグリッジが発生することがなくなり、同一データ
の2度読みなどによる同期外れの発生を防止することが
可能となるばかりか、フィルタ等も不要となるため、デ
ータ伝送速度の高速化にも充分に対応できるディジタル
ダイバーシチ装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明の一実施例によるディジ
タルダイバーシチ装置を示すブロック図である。
【図2】請求項2に記載の発明の一実施例を示すブロッ
ク図である。
【図3】従来のディジタルダイバーシチ装置を示すブロ
ック図である。
【図4】この発明のディジタルダイバーシチ装置内のデ
ィジタルPLL回路の一般的な内部クロック構成図であ
る。
【符号の説明】
1a,1b ディジタル無線受信機 10a,10b 第1の比較器 12 オアゲート 13 第1の選択回路 14 クロック再生回路(ディジタルPLL回路) 15 内部発振器 16 第2の比較器 17 第2の選択回路 18 フリップフロップ回路

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2台のディジタル無線受信機の受信レベ
    ルをそれぞれ参照用基準レベルと比較して、前記各ディ
    ジタル無線受信機が“受信中”であるか“非受信中”で
    あるかを判定する2つの第1の比較器と、前記各ディジ
    タル無線受信機の復調クロックを合成するオアゲート
    と、前記第1の比較器の一方のみが“受信中”と判定し
    た場合には該当する前記ディジタル無線受信機からの復
    調クロックを選択し、前記第1の比較器の両方が“受信
    中”と判定した場合には前記オアゲートの出力を選択す
    る第1の選択回路と、前記第1の選択回路の出力と内部
    発振器の発生する基準クロックを分周して生成した分周
    クロックとを位相比較し、この位相比較結果に基づいて
    前記分周比を変え、前記分周クロックを定位相の再生ク
    ロックとして出力するディジタルPLL回路にて構成さ
    れたクロック再生回路と、前記各ディジタル無線受信機
    の受信レベルを比較して切替信号を発生させる第2の比
    較器と、前記第2の比較器の出力する切替信号に基づい
    て、受信レベルの高い側の前記ディジタル無線受信機の
    出力する復調データを選択する第2の選択回路と、前記
    第2の選択回路の出力を、前記クロック再生回路の出力
    する再生クロックの立ち上がりに同期して、受信データ
    として出力するフリップフロップ回路とを備えたディジ
    タルダイバーシチ装置。
  2. 【請求項2】 2台のディジタル無線受信機の受信レベ
    ルをそれぞれ参照用基準レベルと比較して、前記各ディ
    ジタル無線受信機が“受信中”であるか“非受信中”で
    あるかを判定する2つの第1の比較器と、前記各ディジ
    タル無線受信機の復調クロックを合成するオアゲート
    と、前記第1の比較器の一方のみが“受信中”と判定し
    た場合には該当する前記ディジタル無線受信機からの復
    調クロックを選択し、前記第1の比較器の両方が“受信
    中”と判定した場合には前記オアゲートの出力を選択す
    る第1の選択回路と、前記第1の選択回路の出力と内部
    発振器の発生する基準クロックを分周して生成した分周
    クロックとを位相比較し、この位相比較結果に基づいて
    前記分周比を変え、前記分周クロックを定位相の再生ク
    ロックとして出力するディジタルPLL回路にて構成さ
    れたクロック再生回路と、前記各ディジタル無線受信機
    の受信レベルを比較して切替信号を発生させる第2の比
    較器と、前記第2の比較器からの切替信号を前記クロッ
    ク再生回路の出力する再生クロックの立ち上がりに同期
    して出力するフリップフロップ回路と、前記フリップフ
    ロップ回路にて再生クロックとの同期がとられた切替信
    号に基づいて、受信レベルの高い側の前記ディジタル無
    線受信機が出力する復調データを選択し、受信データと
    して出力する第2の選択回路とを備えたディジタルダイ
    バーシチ装置。
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