JP2702948B2 - 磁性塗料の製造方法およびそれを用いた磁気記録媒体 - Google Patents

磁性塗料の製造方法およびそれを用いた磁気記録媒体

Info

Publication number
JP2702948B2
JP2702948B2 JP62305615A JP30561587A JP2702948B2 JP 2702948 B2 JP2702948 B2 JP 2702948B2 JP 62305615 A JP62305615 A JP 62305615A JP 30561587 A JP30561587 A JP 30561587A JP 2702948 B2 JP2702948 B2 JP 2702948B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
paint
magnetic recording
resin composition
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62305615A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01149224A (ja
Inventor
元 福家
均 井上
克義 千葉
正之 勝本
元男 赤城
富士男 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP62305615A priority Critical patent/JP2702948B2/ja
Publication of JPH01149224A publication Critical patent/JPH01149224A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2702948B2 publication Critical patent/JP2702948B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁気記録媒体に係り、特に磁気記録媒体の磁
気記録層を形成する磁性塗料の製造方法およびそれを用
いた電気特性ならびに信頼性に優れた高密度磁気デイス
クなどに好適な磁気記録媒体に関する。 〔従来の技術〕 従来の強磁性粉体をエポキシ樹脂などを含有する高分
子結合剤中に分散させた磁性塗料を非磁性基体上に塗布
して磁気記録媒体を製造する方法は、特公昭55-816号公
報をはじめとし数多く提案されている。それらの中で、
強磁性粉体をエポキシ樹脂などと共に混練して製造する
方法が、特公昭57-40566号公報および特開昭56-100871
号公報に開示されている。これは、強磁性粉体とエポキ
シ樹脂などをシクロヘキサノンに溶解した樹脂溶液と共
に、高ずる応力下で混練して磁性塗料をつくり、これを
塗布して磁気記録媒体を製造する方法である。しかし、
これらの従来技術においては、混練前に強磁性粉体を分
散用の結合剤であるエポキシ樹脂と十分に混合させると
いう点については全く配慮がなされていなかった。その
ため、これらの従来技術の方法により得られた磁性塗料
においては、混練時に添加される少量の樹脂溶液が強磁
性粉体の一部に局所的に吸収された状態で混練が行なわ
れるため、磁性粉が均一に分散したタクトイド構造の磁
性塗料を得ることは混練の性能上極めて困難であつた。
したがつて、この従来法による磁性塗料を用いて磁気記
録層を形成させる場合、膜厚がおおよそ0.9μm未満の
薄膜の形成は不可能であり、塗布された面の加工面の面
粗さは0.08μmRaと粗いものであつた。そして、磁気デ
イスクの高記録密度化に伴ない、塗膜の薄膜化が進行す
ると、塗膜加工量を増やさざるを得なくなり、塗膜加工
量の増大は加工時間の増大につながるばかりでなく、塗
膜表面のスクラツチ傷の発生頻度の増大による電気的欠
陥の増大を招くという問題が生ずる。 〔発明が解決しようとする問題点〕 上述した従来技術により製造した磁性塗料は、磁性塗
料中の磁性粉の分散が不十分であつたたため、この磁性
塗料では、膜厚0.9μm未満の薄膜形成が事実上不可能
であり、塗布された面の加工前の面粗さは約0.08μmRa
と粗いものであつた。また、近年の高記録密度磁気デイ
スク装置では磁気ヘツドに薄膜ヘツドが使用されている
ため、磁気デイスク媒体の膜厚が大きいと信号が十分に
書き込めないという問題がある。磁気デイスク媒体は通
常、内周側が薄く、外周側が厚く塗布されている。した
がつて、薄膜ヘツドにおける上記トライブルは通常、磁
気デイスクの外周部で起こる。その対策としては、磁気
デイスク外周部の膜厚を薄くする必要があるが、現在の
ところ、内周部よりも外周部の塗膜加工量を大きくする
以外に方法はない。その結果、塗膜加工時間の増大とス
クラツチ傷の多量発生に伴なう電気的欠陥の増大を招く
ことになる。 本発明の目的は磁性塗料の製造方法を改良することに
より、塗料中の磁性粉の分散状態を良好にする。その結
果として磁気デイスク塗布面の加工前の面粗さを小さく
することにより、磁気デイスク媒体のS/N(シグナル/
ノイズ)比を改良すると共に、塗布時の膜厚を磁気デイ
スクの内外周ともに0.9μm以下にすることにある。 〔問題点を解決するための手段〕 上記本発明の目的を達成するために、本発明者らは鋭
意研究を重ねた結果、従来は、磁性粉体の分散用結合剤
である塊状または板状などのエポキシ樹脂、フエノール
樹脂、ビニル樹脂などを使用していたのを、これをジエ
ツトミル等の粉枠装置を用いた粒径20μm以下の粉末状
の樹脂となし、これをあらかじめ強磁性粉体と機械的に
十分に混合した後、適量の溶媒を添加して均一に混合さ
れている粉末状の樹脂を膨潤させて、高ずり応力下で混
練を行なつて、樹脂粉末をほぼ溶融の状態にして強磁性
粉体と均一に混練させ、その後、従来と同様にボールミ
ル混練を行うことにより、強磁性粉体が均一に分散した
タクトイド構造の磁性塗料が得られることを見出した。
そして、このようにして製造した磁性塗料を用い、非磁
性基体に塗布し、配向することにより磁気デイスクを作
製したところ、加工前の面粗さが0.050μmRa以下と非常
に小さく、しかも、8.8インチの磁気デイスクの内周か
ら外周にかけての加工前の膜厚が0.9μm以下のほぼ均
一な磁気デイスクを得ることでき、本発明の目的を十分
に達成することができた。 〔作用〕 強磁性粉体を高ずり応力下で混練させるには、通常、
少量の樹脂溶液を添加して混練を行うが、添加する溶液
は強磁性粉体の一部に局所的に吸収されてしまい、磁性
粉はなかなか均一な状態になりにくく、固体/固体同志
の方がはるかに均一に混合され易い。本発明において
は、20μm以下の微細に粉砕したエポキシ樹脂などの樹
脂組成物と強磁性粉体とを、あらかじめ十分に混合する
ために強磁性粉体と樹脂組成物とは均一な混合状態とな
る。そして、その後の溶媒の添加によつて樹脂粒子は膨
潤し、それを核として強磁性粉体が吸着し混練されるた
め均一なタクトイド構造の磁性塗料が得られ、その結
果、極めて小さい面粗さの磁性薄膜の形成が可能になる
ものと考えられる。 本発明において強磁性粉体の分散用にエポキシ樹脂、
フエノール樹脂、ビニル樹脂などの粉末状の樹脂を用い
るが、これらの樹脂粉末の粒度を小さくするほど、より
小さい面粗さでの薄膜塗布が可能となる。樹脂粉末の粒
度としては、粒度が小さいほど効果が大きい。 特に、20μm以下が望ましい。例えば、エポキシ樹脂
を用いた場合、第1図に示すごとく、調製した磁性塗料
を塗布して得られた磁気デイスクの加工前の面粗さは、
粒径200μmのエポキシ樹脂粉末を使用した場合、0.045
μmRaなのに対し、粒径20μmのエポキシ樹脂粉末を用
いた場合は0.030μmRaである。また、調製した磁性塗料
を10日間振動を与えながら保管した後に非磁性基体に塗
布して得られた磁気デイスクの加工前の面粗さは、粒径
40μmのエポキシ樹脂粉末を行いた場合は、0.070μmRa
なのに対し、粒径20μmのエポキシ樹脂粉末を使用した
場合は0.040μmRa、粒径3μmのエポキシ樹脂を用いた
場合は0.027μmRaである。これによつて、第2図に示す
ごとく磁気デイスクの低ノイズ化が可能になる。 磁性塗料は通常、塗料中の溶剤量が増えると、強磁性
粉体の凝集が進行し、薄膜塗布が不可能になると共に面
粗さ(平滑性)も低下する。この傾向は、磁性粉が塗料
中でタクトイドを形成する磁性塗料、例えば、従来技術
である特公昭57-40566号公報、特開昭56-100871号公報
に記載されているごとく、強磁性粉体をエポキシ樹脂溶
液に分散させた塗料では特に著しい。本発明による磁性
塗料では、塗料中で磁性粉がタクトイド構造を形成する
にもかかわらず、塗料中の溶剤量を増加させても、強磁
性粉体の凝集が進行しないため、上記のような小さい面
あらさでの薄膜塗布が可能となる。また、本発明による
磁性塗料の特異性は、磁気デイスク円板に磁性塗料をス
ピン塗布した場合、通常は磁気デイスク円板の内周側は
薄く、外周側は厚く塗布され、膜厚勾配がつくのに対
し、本発明による磁性塗料では、高速スピン塗布を行な
うことにより磁気デイスク(8.8インチ)の内外周での
膜厚差は殆んどなく、内周部から外周部にかけて、加工
前膜厚で、例えば0.4μmの均一薄膜の形成が可能であ
る。これにより、磁気デイスクの高分解能化が可能であ
り、薄膜ヘツドでの書き込み時のトラブルも解消され
る。また、塗膜加工時間の大幅短縮も可能である。 また、樹脂組成物をジエツトミルで粉砕し、20μm以
下の粒度にすると、磁性塗料の濡れ性が極めて改善され
ることがわかつた。エポキシ樹脂の場合、粒径40μmの
エポキシ樹脂粉末を用いた磁性塗料を14インチのアルミ
ニウム基板にスピン塗布する場合、回転数200rpmではア
ルミニウム基板の外周部では磁性塗料をはじいてしま
い、塗布することできない。回転数を150rpm迄おとす
と、アルミニウム基板外周部でも濡らすことができるよ
うになり、塗布が可能となる。それに対し、粒径20μm
以下のエポキシ樹脂粉末を用いた磁性塗料をスピン塗布
する場合は、塗布回転数200rpmでもアルミニウム基板外
周部を完全に濡らし、非常に塗布性が優れている。この
ことは、磁性塗料の節約、塗布所要時間の短縮になり、
経済的な効果は極めて大きい。また、先に述べたよう
に、粒径20μmのエポキシ樹脂粉末を用いた磁性塗料は
磁性粉の凝集があまり進まず、塗料の長期間の保存が可
能であり、この点においても樹脂組成物を20μm以下の
微粉末にすることは極めて効果が大きいといえる。 〔実施例〕 以下に本発明の一実施例を挙げさらに詳細に説明す
る。 (実施例1) 粒径約10μmのエポキシ樹脂粉末をジエツトミルによ
り作成した。上記粉末状エポキシ樹脂25重量部と強磁性
粉体100重量部および単結晶アルミナ10重量部を十分混
合した後、シクロヘキサノン10重量部を添加して、ニー
ダー混練機中でさらに混合を行なつた。その後、さらに
シクロヘキサノン5重量部を添加して約4時間高ずり応
力下で混練を行なつた。 上記混練物をボールミルポツトに入れ、シクロヘキサ
ノンとイソホロンからなる混合溶媒200重量部を加え、
5日間ボールミル混練を行ない、強磁性粉体を分散させ
た。つぎに、フエノール樹脂25重量部とビニル樹脂6重
量部をシクロヘキサノン・イソホロン・ジオキサンから
なる混合溶媒350重量部に溶解した溶液を加えて、磁気
デイスク用の磁性塗料を調製した。つぎに、あらかじめ
表面を清浄にした8.8インチのアルミニウム基板上に上
記塗料を200rpmで滴下し、1500rpmでスピン塗布した
後、周知の方法により磁場配向を行なつた。塗布した磁
気デイスクを210℃で焼付けた後、塗膜厚・面粗さを測
定した。得られた塗布デイスクの加工前の膜厚が磁気デ
イスクの半径R65mmで0.41μm,R105mmで0.43μmであつ
た。また加工前の面粗さは0.027μmRaであつた。 この磁性塗料を撹拌することにより10日間保存した
後、上記と同様に、アルミニウム基板上にスピン塗布、
配向、焼付けを行なつた。得られた塗布デイスクの加工
前の膜厚はR65mmで0.38μm、R105mmで0.40μm、加工
前の面粗さは0.030μmRaであつた。この磁性塗料は長期
間保存したにもかかわらず、磁性粉の再凝集は殆んど進
行せず、塗料の濡れ性も優れ、小さな面粗さで薄く均一
に塗布することできた。 (実施例2) 粒径約3μmのエポキシ樹脂粉末をジエツトミルによ
り作成し、これを用いて実施例1と同様に磁性塗料およ
び磁気デイスクを調製した。得られた塗布デイスクの加
工前の膜厚は磁気デイスクの半径R65mmで0.40μm、R10
5mmで0.040μm、加工前の面粗さは0.025μmRaであつ
た。 また、この磁性塗料を実施例1と同様に10日間保存
後、調製した磁気デイスクの加工前の膜厚はR65mmで0.3
8μm、R105mmで0.38μm加工前の面粗さは0.027μmRa
であつた。この磁性塗料は長期間保存したにもかかわら
ず、磁性粉の再凝集は殆んど進行せず、塗料の濡れ性も
優れ、小さな面粗さで薄く均一に塗布することができ
た。 (実施例3) 粒径20μmのエポキシ樹脂粉末をジエツトミルにより
作成し、これを用いて、実施例1と同様に磁性塗料およ
び磁気デイスクを調製した。得られた塗布デイスクの加
工前の膜厚は磁気デイスクの半径R65mmで、0.42μm,R10
5mmで0.43μm、加工前の面粗さは0.030μmであつた。 また、この磁性塗料を実施例1と同様に10日間保存
後、調製した磁気デイスクの加工前の膜厚はR65mmで0.4
0μm、R105mmで0.040μm、加工前の面粗さは0.040μm
Raであつた。この磁性塗料は長期間保存したにもかかわ
らず、磁性粉の再凝集はあまり進行せず、塗料の濡れ性
も優れ、小さな面粗さで薄く均一に塗布することができ
た。 (比較例1) 粒径40μmのエポキシ樹脂粉末をジエツトミルにより
作成し、これを用いて、実施例1と同様に磁性塗料を調
製した。つぎに、あらかじめ表面を清浄にした8.8イン
チのアルミニウム基板上に上記塗料を150rpmで滴下し、
1500rpmでスピン塗布した後、周知の方法により磁場配
向を行なつた。塗布した磁気デイスクを210℃で焼付け
た後、塗膜厚、面粗さを測定した。得られた塗布デイス
クの加工前の膜厚は磁気デイスクの半径R65mmで0.45μ
m、R105mmで0.50μm、加工前の面粗さは0.040μmRaで
あつた。 また、この磁性塗料を実施例1と同様に10日間保存
後、上記と同様に塗布、配向、焼付けを行なつた。得ら
れた塗布デイスクの加工前の膜厚はR65mmで0.42μm、R
105mmで0.48μm、加工前の面粗さは0.050μmRaであつ
た。この磁性塗料は濡れ性が劣り、塗料を200rpmで滴下
すると、アルミニウム基板は塗料をはじき、特に、磁気
デイスク外周部は殆んど濡れなかつた。 (比較例2) 粒径約40μmのエポキシ樹脂粉末をミキサーにより作
成し、これを用いて、比較例1と同様に磁性塗料および
磁気デイスクを調製した。得られた塗布デイスクの加工
前の膜厚は磁気デイスクの半径65mmで0.48μm,R105mmで
0.50μm、加工前の面粗さは0.045μmRaであつた。 また、この磁性塗料を実施例1と同様に10日間保存
後、比較例1と同様に磁気デイスクを調製した。この磁
気デイスクの加工前の膜厚はR65mmで0.45μm,R105mmで
0.50mm、加工前の面粗さは0.070μmRaであつた。この磁
性塗料は濡れ性が劣り、塗料を200rpmで滴下すると、ア
ルミニウム基板は塗料をはじき、特に、磁気デイスク外
周部は殆んど濡れなかつた。また、この磁性塗料は長期
間の保存により磁性粉の再凝集が進行し、面粗さが増大
した。 (比較例3) 強磁性粉体100重量部と単結晶アルミナ10重量部をニ
ーダ混練機に投入し、混合した。その後、エポキシ樹脂
14重量部をシクロヘキサノン21重量部に溶解した溶液を
添加して混合を継続した。さらに、エポキシ樹脂6重量
部をシクロヘキサノン9重量部に溶解した溶液を添加し
て、約4時間高ずり応力下で混練を行なつた。 上記混練物をボールミルポツトに入れ、エポキシ樹脂
5重量部とシクロヘキサノンとイソホロンからなる混合
溶媒180重量部を加え、5日間ボールミル混練を行ない
強磁性粉体を分散させた。つぎに、フエノール樹脂25重
量部とビニル樹脂6重量部をシクロヘキサノン・イソホ
ロン・ジオキサンからなる混合溶媒350重量部で溶解し
た溶液を加えて、磁気デイスク用の磁性塗料を調製し
た。 つぎに、あらかじめ表面を清浄にした8.8インチのア
ルミニウム基板上に上記塗料を1500rpmでスピン塗布
し、周知の方法により、磁場配向を行ない、焼付けた
後、塗膜厚と面粗さを測定した。得られた塗布デイスク
の加工前の膜厚は、磁気デイスクの半径65mmで0.50μ
m、R105mmで0.75μm、加工前の面粗さは0.18μmRaで
あつた磁気デイスク塗布面には磁性粉の凝集塊が見られ
た。 以上、述べたように、ジエツトミルで粉砕した粒径20
μm以下の樹脂粉末は特に有効である。薄膜形成には、
通常、多量の溶剤を含有する磁性塗料を使用するが、そ
のような塗料中では、磁性粉は特に凝集し易い。そのた
め、小さな面粗さで薄膜形成すること及び磁性塗料を長
期間保持することは非常に困難である。本発明は、粒径
20μm以下の樹脂粉末を使用することにより、これらの
問題点を解決した。 以上の本発明の実施例において用いた強磁性粉体の分
散用高分子結合剤として、エポキシ樹脂、フエノール樹
脂、ビニル樹脂を用いているが、その他、一般に使用さ
れている塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、アクリロニ
トリル−アクリル酸−2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート共重合体などのビニル系樹脂、アクリロニトリル−
ブタジエン共重合体などのゴム系樹脂、ニトロセルロー
ス、アセチルセルロースなどの繊維素系樹脂、フエノキ
シなどのエポキシ系樹脂、ウレタン、ウレタンプレポリ
マーなどのウレタン系樹脂など、強磁性粉体の結合性の
よい通常の有機高分子化合物を用いることができる。な
お、本発明における強磁性粉体の分散用高分子結合剤と
して用いるビニル樹脂としては、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセテートなど
を挙げることができ、この中で特にポリビニルブチラー
ルを用いることがより好ましい。 〔発明の効果〕 以上詳細に説明したごとく本発明の方法によつて製造
した磁性塗料は、強磁性粉体が塗料中に均一に分散され
たタクトイド構造の磁性塗料を得ることができる。この
磁性塗料は濡れ性に優れ、塗料寿命も長い。これを磁気
記録媒体、例えば8.8インチのアルミニウム基板を用い
て磁気デイスクに適用すると、加工前の表面粗さが0.05
0μmRa以下と非常に小さい面粗さとなり、また磁気デイ
スクの内外周とも0.9μm以下の極めて薄く、かつ均一
な膜厚の薄膜を塗布法により容易に形成させることが可
能であるため、従来技術と比較して、加工時間を半減す
ることができ、さらに加工時のスクラツチ傷などによる
電気的欠陥を半減させる効果がある。また、磁気デイス
クのノイズに関しても約30%程度の低減が期待できると
共に、出力分解能の向上も期待できる。さらに、磁気デ
イスク外周部の膜厚が薄いため、薄膜ヘツド使用時のト
ラブルなども解消することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は樹脂粉末の粒径と得られた磁気デイスクの加工
前の面粗さとの関係を示すグラフ、第2図は磁気デイス
クの加工前の面粗さと磁気デイスクノイズとの関係を示
すグラフである。 ○,□……磁性塗料調製直後に塗布した磁気デイスクの
加工前面粗さ、●,■……磁性塗料調製10日後に塗布し
た磁気デイスクの加工前面粗さを表わす、○,●……ジ
エツトミルで粉砕した樹脂粉末の粒径、□,■……サン
ドミルで粉砕した樹脂粉末の粒径を表わす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 勝本 正之 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 赤城 元男 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式 会社日立製作所小田原工場内 (72)発明者 前田 富士男 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式 会社日立製作所小田原工場内 (56)参考文献 特開 昭59−165237(JP,A) 特開 昭60−138731(JP,A) 特開 昭60−85438(JP,A) 特開 昭63−4422(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.磁気記録媒体の磁気記録膜形成用の塗料組成物であ
    る磁性塗料の製造方法において、磁気記録膜を構成する
    強磁性粉体と、該強磁性粉体の分散結合剤である樹脂組
    成物とを混合させる際に、上記樹脂組成物を微粉末とな
    し、上記強磁性粉体もしくは充填剤を含む強磁性粉末
    と、上記微粉末とした樹脂組成物とを、機械的に十分に
    混合させた後、溶剤もしくは液体状の分散結合剤を加え
    て高ずり応力下で混練させる工程を含み、上記樹脂組成
    物を20μm以下の微粉末とすることを特徴とする磁性塗
    料の製造方法。 2.樹脂組成物は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビ
    ニル樹脂のうちの少なくとも1種を含む特許請求の範囲
    第1項に記載の磁性塗料の製造方法。 3.上記樹脂組成物を20μm以下の微粉末となすに際
    し、ジェットミルを用いる特許請求の範囲第1項に記載
    の磁性塗料の製造方法。 4.磁気記録膜形成用の塗料組成物である磁性塗料を用
    いて製造される磁気記録媒体において、磁気記録膜を構
    成する強磁性粉体と、該強磁性粉体の分散結合剤である
    樹脂組成物とを混合させる際に、上記樹脂組成物を20μ
    m以下の微粉末となし、上記強磁性粉体もしくは充填剤
    を含む強磁性粉末と、上記微粉末とした樹脂組成物と
    を、機械的に十分に混合させた後、溶剤もしくは液体状
    の分散結合剤を加えて高ずり応力下で混練させる工程を
    含む方法で製造した磁性塗料を用いて、非磁性基体上に
    磁性塗料を形成させて成る、加工前における上記磁性塗
    膜の膜厚が薄くほぼ均一であり、かつ表面粗さの小さい
    磁性塗膜を有する磁気記録媒体。 5.樹脂組成物が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビ
    ニル樹脂のうちの少なくとも1種からなる特許請求の範
    囲第4項に記載の磁気記録媒体。 6.磁気記録媒体が磁気ディスクであることを特徴とす
    る特許請求の範囲第4項または第5項に記載の磁気記録
    媒体。 7.非磁性基体上に形成された加工前の磁性塗膜の膜厚
    が0.9μm以下のほぼ均一な磁性塗膜であり、かつ上記
    磁性塗膜の表面粗さが0.05μmRa以下である特許請求の
    範囲第4項ないし第6項のいずれか1項に記載の磁気記
    録媒体。
JP62305615A 1987-12-04 1987-12-04 磁性塗料の製造方法およびそれを用いた磁気記録媒体 Expired - Lifetime JP2702948B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62305615A JP2702948B2 (ja) 1987-12-04 1987-12-04 磁性塗料の製造方法およびそれを用いた磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62305615A JP2702948B2 (ja) 1987-12-04 1987-12-04 磁性塗料の製造方法およびそれを用いた磁気記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01149224A JPH01149224A (ja) 1989-06-12
JP2702948B2 true JP2702948B2 (ja) 1998-01-26

Family

ID=17947268

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62305615A Expired - Lifetime JP2702948B2 (ja) 1987-12-04 1987-12-04 磁性塗料の製造方法およびそれを用いた磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2702948B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59165237A (ja) * 1983-03-09 1984-09-18 Hitachi Ltd 磁性膜用塗料組成物製造方法
JPS6085438A (ja) * 1983-10-17 1985-05-14 Hitachi Ltd 磁性塗料組成物製造方法
JPS60138731A (ja) * 1983-12-27 1985-07-23 Toshiba Corp 磁気記録媒体の製造方法
JPS634422A (ja) * 1986-06-23 1988-01-09 Hitachi Ltd 磁性塗料の製造法およびそれを用いた磁気記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01149224A (ja) 1989-06-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0479053B2 (ja)
JP2702948B2 (ja) 磁性塗料の製造方法およびそれを用いた磁気記録媒体
JP2609656B2 (ja) 磁性塗料の製造方法およびそれを用いた磁気記録媒体と磁気記録再生装置
JPS586526A (ja) 磁気記録媒体
US4724162A (en) Process for producing magnetic recording medium
US4567063A (en) Process for producing magnetic recording media
JPS634422A (ja) 磁性塗料の製造法およびそれを用いた磁気記録媒体
JPS63124221A (ja) 磁性塗料の製造方法
US5180616A (en) Hard disk magnetic recording medium comprising magnetic powder and a binder and having a specified magnetic layer thickness and surface roughness
JPH05282669A (ja) 磁性塗料の製造方法
KR900002612B1 (ko) 비디오용 자기기록매체의 제조방법
JP2656578B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP2002304717A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JPH0320814B2 (ja)
JPS6341133B2 (ja)
JPH0291811A (ja) 磁気記録媒体
KR950006943B1 (ko) 자성도료의 제조 방법
JPH0762900B2 (ja) 磁気記録媒体用強磁性金属粉末
EP0136533B1 (en) Magnetic recording medium
JPH0546983A (ja) 磁気記録媒体の製造法
JPH05258281A (ja) 磁気記録媒体及び磁気記録装置
US5236738A (en) Method for making magnetic recording media by kneading, dilution kneading, and dispersing a mixture of inorganic grains, binders, and solvents
KR950013695B1 (ko) 자기 기록 매체 및 그의 제조방법
JPH0513326B2 (ja)
JPH01319131A (ja) 磁性塗料の塗布方法