JP2702195C - - Google Patents

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JP2702195C
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、帯電した静電像を顕像化する静電像現像用キャリヤの製造に用いら
れるキャリヤ原料の製造方法に関する。 [発明の背景] トナーとキャリヤとから成る2成分系現像剤は、トナーの帯電性および帯電量
を相当程度制御することができ、また、トナーに付与できる色彩の選択の範囲が
広いという利点がある。 このような2成分系現像剤に用いられるキャリヤは、キャリヤの耐久性、摩擦
帯電性等の向上を図るために、芯材表面を樹脂によりコーティングしたコーティ
ングキャリヤが好ましく用いられている。 2成分系キャリヤの製造方法は、流動層式スプレーコーティングキャリヤの製
造方法、浸漬式コーティングキャリヤの製造方法および焼結式コーティングキャ
リヤの製造方法が知られている。 これらの方法の中で、特に生産性に優れている点から、流動層式装置が多く採
用されている。しかしながら、流動層式装置は、キャリヤ・コア材料を流動層状
態として、その層内に被覆する樹脂を溶媒(通常、有機溶媒)に溶解した溶液を
、スプレー塗布してコーティングを行なうために、気化した溶媒を回収するか、
あるいは燃焼させる必要がある(大気中に放出できないため)。このため、付属
の装置が大がかりとなり、設備が非常に大きくなってしまう。また、流動層式ス
プレー塗布法では、生産能率をある程度以上に高くすることは不可能である。つ
まり、生産能力を上げようとして、スプレー本数の増加やスプレー量の増加など
により、単位時間当りの塗布溶液量を上げると、キャリヤ・コア間に存在する溶
液が気化しにくく、このため、造粒作用を生じ、粒径の大きなキャリヤとなって
しまう。また、溶液濃度を高くすると、粘性が高くなり、同様に造粒を生じてし
まう。また、キャリヤの耐久性を確保するためには、膜厚を一定以上に厚くする
必要がある。これは、被覆層が使用中に徐々に削られるためである。このため、
膜厚を厚くするには、塗布時間を長くして対応しなければならず、このような方
法では、生産性が低下してしまう欠点がある。 特に近年、高速コピー機が普及するにあたり、これらの欠点を解決することが
強く望まれている。そこで、特開昭55−118047号,55−163544号,60−170865号,6
2−106475号,63−235962号,63−27859号の各公報に記載されている乾式コーティ
ングが、注目されている。 上記各公報に記載されている乾式コーティングは、芯材上に樹脂粒子を付着さ
せた後、樹脂粒子を固着させている。 [発明が解決しようとする課題] キャリヤの耐久性を上げるには、被覆層厚が厚くなるように、芯材に付着する
樹脂粒子の量を増やしたキャリヤ原料を、固着すればよい。 しかし、乾式コーティングで用いられる樹脂粒子の粒径は、1μm以下と小さ
いので、比表面積が大きく、二次凝集体を作りやすい。特に、被覆層の厚いキャ
リヤを得るために、芯材に付着する樹脂粒子の量を増やしたキャリヤ原料を製造
しようと樹脂粒子量を増やすと、系内に多数の二次凝集体が発生してしまい、成
膜時にも、そのまま樹脂粒子塊として残ってしまう。このような樹脂粒子塊が入 ったまま、現像剤を調整すると、樹脂粒子塊が、トナーの帯電性を邪魔して初期
におけるカブリなどの画像不良を発生する。 そこで、本発明の目的は、被覆層厚が厚く、成膜性のよいキャリヤを提供でき
るキャリヤ原料を製造するに当り、樹脂粒子の凝集体の発生がないキャリヤ原料
の製造方法を提供することにある。 本発明の他の目的は、トナー飛散を発生せず、帯電量の低下がなく、耐久性が
良好で、鮮明な画像を得ることのできるキャリヤ原料の製造方法を提供すること
にある。 [課題を解決するための手段] 本発明の目的を達成する電子写真用コーティングキャリヤ原料の製造方法は、
芯材と樹脂粒子を混合槽に入れ、該槽内で水平方向回転体により、衝撃力を付与
して、該芯材に該樹脂粒子を付着させる。 このようにして製造したキャリヤ原料は、樹脂粒子が芯材である磁性体粒子上
に多層でかつ均一に付着している。 なお、本発明においては、芯材として磁性体粒子を好ましく用いる。従って、
以下の説明では、磁性体粒子を芯材とする場合について説明する。もっとも、本
発明は、磁性体粒子以外の芯材を用いる場合にも適用できる。 本発明でいう水平方向回転体は、磁性体粒子を破損することなく、樹脂粒子を
磁性体粒子に付着させる。付着を促進するために、水平方向回転体の翼部の断面
が、回転方向に対して所定の角度で傾斜していることが好ましい。ここでいう所
定の角度とは、θ=20°〜60°をさす。 水平方向回転体の周速は、5〜20m/secが好ましい。さらに、好ましくは、
5〜15m/secである。5m/sec以下では、衝撃力が不充分のため、均一な多層
被覆層ができず、20m/sec以上では、芯材として通常用いられるフェライトの
焼結体等では、芯材にクラックが入り耐久性が落ちる。 また、衝撃力は3分間以上付与することが好ましく、より好ましくは、5〜1
5分間である。3分間以下では、樹脂粒子が磁性体粒子に、充分に、付着しない
。 本発明の水平方向回転体を有する混合槽は、壁面または底面より冷却されるこ
とが好ましい。樹脂粒子を磁性体粒子に付着させるために衝撃力を繰り返し付与 すると、発熱が生じ、樹脂粒子どうしの凝集を引き起こしやすい。そこで、冷却
を行ない、混合層内の昇温を防ぐ。微粒子キャリヤを用いる場合は、発熱が大き
いために、特に、冷却装置があることが好ましい。 さらに、本発明の水平方向回転体を有する混合槽は、垂直方向回転体を持つこ
とが好ましい。垂直方向回転体は、剪断力および衝撃力を付与することにより、
短時間で効率的に、キャリヤ原料を製造することができる。 本発明に用いられる磁性体粒子と樹脂粒子は、キャリヤ原料に用いられるもの
であればよく、特に限定されない。 以下、本発明を達成するのに好ましく用いられる製造装置(A),(B),(C
),及び本発明外の製造装置(D)(比較例)について説明する。 (A) 第1図、第2図、第3図および第4図を用いて、製造装置(A)につい
て説明する。 第1図は、乾式コーティング装置の構造を模式的に示す説明図である。また、
第2図、および、第3−a図と第3−b図は、水平方向回転体の平面図、並びに
、正面断面図および要部拡大図である。さらに、第4図は本装置の平面図である
。 本体上蓋11には、投入弁13が設置された原料投入口12、フィルター14、点検口
15が敷設されている。 投入弁13を経て原料投入口12より、投入された原料は、モーター22より駆動さ
れる水平方向回転体18により、衝撃力を付与される。 水平方向回転体18は、第2図に示されるごとく、中心部18dと翼部18a,18b,18c
よりなる。さらに、翼部は第3−a図と第3−b図に示すごとく、本体容器10の
底部10aに対して35°なる角度を持つ。このために、原料は上方へかき上げられ
る。また、水平方向回転体18の翼部の先端は、チャンバー下部の内壁と同じ向き
になっている。 かき上げられた原料は、水平方向回転体18の中心方向へ傾斜しているチャンバ
ー上部の内壁か、チャンバー下部の内壁に衝突し、水平方向回転体の翼部18a,18
b,18cの回転範囲に落下する。 本製造装置では、垂直方向回転体19が、水平方向回転体18の上部に具備されて
いる。2枚の翼部よりなる垂直方向回転体19は、上下方向に回転して、チャ ンバーの内壁を反射した原料に衝突する。なお、この時、垂直方向回転体の翼部
は2枚に限らず、3枚以上でもよい。こうして、垂直方向回転体19は、原料の撹
拌を促進し、凝集した原料を解砕する。 なお、凝集した原料の解砕は、水平方向回転体18によっても行われるが、垂直
方向回転体を用いると効率的である。 原料は、水平方向回転体18、垂直方向回転体19、チャンバー内璧との衝突や、
原料どうしの衝突により、衝撃力を与えられ、樹脂粒子が芯材表面上に固着され
る。成膜されたキャリヤは、排出弁21を開き、製品排出口20により取り出される
。 ジャケット17はチャンバーのほぼ3/4の高さ、すなわち、垂直方向回転体19が
装着されている高さまでチャンバー外壁を覆っている。 品温は、品温計16によって測定される。品温計16は、長さ10cm、直径6.4mmの
ステンレス(SUS304)製カバー付きのクロメル−アルメル熱電対(林電工株式会
社製、T40−K−2−6.4−100−U−304−KX−G−3000)を用いる。この品温計
は、本体容器10のほぼ1/3の高さの地点から、本体容器の底部10aに平行に、水平
方向回転体18の中心へ向けて挿入することにより、本体容器10に装着する。挿入
の深さは、品温計の先端が、翼部の先端側から、ほぼ1/5の長さに位置するよう
に設定している。 なお、本製造装置では垂直方向回転体19を具備しているが、これを具備してい
なくともよい。 (B) 第5図を用いて、製造装置(B)説明する。 10〜22までの構成は製造装置(A)と同じである。 製造装置(B)は、製造装置(A)とは本体容器10の形状が異なる。 製造装置(B)ではチャンバー下部の内壁は、水平方向回転体の中心軸方向と
逆方向に傾斜し、上部の内壁は、中心軸方向に傾斜している。すなわち、このチ
ャンバーは、上下方向の中央部で、その径が最大となるような形状となっている
。 このため、チャンバー下部の内壁に衝突した原料が、チャンバー上部の内璧方
向に反射され、水平方向回転体の翼部の中心部に落下しやすい。 水平方向回転体18の翼部の先端は、チャンバー下部の内壁と同じ向きになっ ており、水平方向回転体の中心軸方向と逆方向に傾斜している。 なお、本製造装置では垂直方向回転体19とを具備しているが、これを具備して
いなくともよい。 (C) 第6図を用いて、製造装置(C)について説明する。 第6図は、水平方向回転体18と本体容器10の形状のみを示している。 本体容器10は円筒状であり、チャンバー内に、製造装置(A)と同様な水平方
向回転体18を持つ。底面外周部が上方に曲げられており、遠心力により外側にだ
される原料に、上方への運動エネルギを付与して、撹拌を行なう。 ただし、水平方向回転体18の翼部の先端は、チャンバー下部の内壁と同じ向き
になっており、上方に曲げられている。 その他の構成は製造装置(A)と、同じである。 (D) 第7図を用いて、比較例製造装置(D)について説明する。 チャンバー内に水平方向回転体18を持ち、底部からスリットエアー噴出機23よ
りエアーが噴出され、混合物がエアーにより巻き上げられる。矢印はエアーの流
れ方を示す。 上記、本発明に好ましく用いられる装置のうち、(A),(B),(C)はいわゆる
かき上げ機構を有する。これに対して比較例装置(D)はいわゆる噴き上げ機構
を有する。 本発明では、製造装置(A),(B)は水平方向回転体により衝撃力を受けた原料
が、再び、水平方向回転体の翼部の回転方向に戻ることができるために、撹拌効
率がよく、特に好ましく用いられる。 製造装置(C)は、底面が湾曲しているために、水平方向回転体の衝撃付与面
を広くとることができず、撹拌効率が製造装置(A),(B)と比較すると劣る。 比較例の製造装置(D)は混合初期において、付着していない樹脂粒子が、噴
き上げられたエアーによって飛散してしまい、被覆率が製造装置(A),(B)と比
較すると劣る。また、微小芯材を用いた場合にも、エアーにより飛散してしまい
、収率が製造装置(A),(B)と比較した場合に劣る。 [作用効果] 本発明の電子写真用乾式コーティングキャリヤ原料の製造方法は、混合槽内に 水平方向回転体を有するので、撹拌効率がよく、二次凝集体の発生がない。また
、混合槽内の樹脂粒子の量を増しても、その効果は変わらない。 さらに、芯材上に、樹脂粒子を多層に付着させるためには、多くの樹脂粒子を
付着させる必要があり、単なる静電付着では困難である。すなわち、多層付着さ
せるには、同一物質どうしを強制的に付着させなければならない。本発明は、こ
の強制力を水平方向回転体により付与するものである。 そこで、本発明では、被覆率を上げ耐久性の優れたキャリヤを製造できる多層
で均一なキャリヤ原料を得るにあたり、樹脂粒子の量を増やしても、未付着の樹
脂粒子がなく、得られたキャリヤは、カブリやトナー帯電性の低下等の問題を生
じない。 [実施例] 以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるもので
はない。 実施例1〜6、及び比較例1〜3 第1表に示すように、銅−亜鉛フェライトに粒径0.06μmのスチレン−アクリ
レート系共重合体を付着させ、キャリヤ原料を製造した。 比較例4 1lの容器に、平均粒径100μmの芯材と樹脂粒子を1.5wt%の割合で仕込
み、TURBULA混合機により室温で撹拌して、キャリヤ原料を製造した。 実施例1〜6と比較例1〜4との、キャリヤ原料を製造するのに用した時間と
二次凝集体の発生の有無とを、表−2にまとめた。なお、この時間は、目視にお
いて、浮遊粒子がなくなったと判断できる時間である。また、付着状態、とくに
、芯材に被覆している樹脂粒子が多層をなしているか否かを、電子顕微鏡により
確認した。 比較例4のキャリヤ原料は、撹拌を1時間連続して行なったが、浮遊樹脂粒子
が多く発生していた。 さらに、前述したキャリヤ原料を、80℃にてTURBULA混合機を用いて1時間処
理し、成膜化を行うことにより作られたキャリヤの、被覆率と被覆効率を重量法
により測定した。 (被覆率測定方法) 20gのキャリヤを20ccサンプル管に精秤し、メチルエチルケトンをサンプル管
に約15cc入れ、ウェーブローター上で20分間撹拌する。次に、キャリヤを磁石で
保持しながら、メチルエチルケトンでの洗浄を繰り返し、樹脂部分を完全に溶解
した。その後、ホットプレート上でキャリヤを乾燥し、重量減少量を求めた。 この各重量測定値より、下記の式により被覆率を求めた。 また、成膜過程の加熱によって、樹脂粒子の二次凝集体や未付着の樹脂粒子が
融着して発生する凝集体の有無について確認し、電子顕微鏡により成膜状態を確
認した。以上の結果を表−3にまとめた。 実写特性を見るために、平均粒径100μmのキャリヤはU−Bix3042
((株)コニカ製)を用いて、U−Bix3042用トナーと、前述した成膜した
キャリヤを混合した。平均粒径40μmのキャリヤはU−Bix3042((株)
コニカ製)改造機を用いて、U−Bix3042用トナーと混合した。この改造
とは、小粒径キャリヤ対応用に現像機及び現像プロセスを改造したものである。
実写評価の結果を表−4に示す。 以上から明らかなように、実施例1〜5までのキャリヤ原料は、多層化され、
二次凝集体また未付着の樹脂粒子の発生がない。このため、このキャリヤ原料に
より作られたキャリヤは、カブリやトナー帯電量の低下によるトナー飛散の発生
がなく、耐久性もすぐれている。 比較例1、2の試料は、水平方向回転体の周速が4m/secあるいは21m/sec
であって、好ましい範囲である5〜20m/secに含まれない。そこで、キャリヤ
原料が均一に多層化しておらず、また若干の二次凝集体や非付着の樹脂粒子の発
生があり、実写性能が実施例1〜5の試料と比較して劣る。しかし、実用範囲内
ではある。 実施例6、及び引用例3の試料は、キャリヤ原料を装置(C),及び本発明外
の(D)で製造しているため、製造時の撹拌が装置(A),(B)より劣る。そこ で、キャリヤ原料が均一に多層化しておらず、また若干の二次凝集体や未付着の
樹脂粒子の発生があり、実写性能が実施例1〜5の試料と比較して劣る。しかし
、実用範囲内ではある。 比較例4のキャリヤ原料は、浮遊粒子が多く発生しており、芯材上に樹脂粒子
が付着していなかった。
【図面の簡単な説明】 第1図および第5図は、本発明に、特に、好ましく用いられる乾式コーティン
グキャリヤ原料製造装置の断面図である。 第2図は第1図の水平方向回転体18の平面図、第3−a図は第1図の水平方向
回転体18の正面断面図、第3−b図は第3−a図の水平方向回転体18の要部拡大
図、第4図は第1図の平面図である。 第6図は、異なる乾式コーティング原料製造装置の断面図である。 また、第7図は本願発明外の噴き上げ機構を有する乾式コーティング原料製造装
置の断面図である。 10……本体容器、 10a……本体容器底部 11……本体上蓋、 12……原料投入口 13……投入弁、 14……フィルター 15……点検口、 16……品温計 17……ジャケット、 18……水平方向回転体 18a,18b,18c……水平方向回転体翼部 18d……水平方向回転体中心部 19……垂直方向回転体、20……製品排出口 21……排出弁、 22……モーター 23……スリットエアー噴出機 24……モーター

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】混合槽の内部に収容された回転羽根の回転により当該混合槽の内部
    に投入された芯材と樹脂粒子に衝撃力を繰り返し付与して、前記芯材の表面上に
    前記樹脂粒子を付着させ、成膜させる電子写真用乾式コーティングキャリア原料
    の製造方法であって、 前記回転羽根は、当該回転羽根の回転方向と約20度以上60度以下の範囲の角度
    をなす羽根断面を有し、 前記回転羽根は、更に、当該回転羽根の回転により前記芯材と前記樹脂粒子と
    がかき上げられるようにかき上げ機構を有し、 前記回転羽根を、水平面内の回転方向に周速5m/sec以上20m/sec
    以下で回転させることを特徴とする電子写真用乾式コーティングキャリア原料の
    製造方法。

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