JP2701704B2 - シリコーンゴム手袋 - Google Patents

シリコーンゴム手袋

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JP2701704B2
JP2701704B2 JP25016093A JP25016093A JP2701704B2 JP 2701704 B2 JP2701704 B2 JP 2701704B2 JP 25016093 A JP25016093 A JP 25016093A JP 25016093 A JP25016093 A JP 25016093A JP 2701704 B2 JP2701704 B2 JP 2701704B2
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silicone rubber
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gloves
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子部品などをクリー
ンルーム内で取り扱う場合や医用などの用途に好適に用
いられる極薄のシリコーンゴム手袋に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、電子部品などをクリーンルーム内で取り扱ったり、
医科用器具の取り扱い、手術時等に手袋を装着すること
が行われているが、従来のこの種の用途に用いられる手
袋は主として天然ゴムラテックス製である。しかし、天
然ゴムラテックス製の手袋は、締め付け力が強く、長時
間装着すると疲労感が強く、またアトピー体質の人が装
着するとアレルギー症状を起こす等の問題があった。
【0003】また、手袋内面にタルク等の打粉をして滑
り性を改善したものもあるが、粉の脱落等があり、滑り
性の安定化やクリーンルーム内での使用に問題があっ
た。
【0004】一方、天然ゴムラテックス製手袋のほかに
プラスチック製の手袋も市販されているが、このプラス
チック製手袋は指先のフィット感がなく、装着時の作業
性に劣るという問題があった。
【0005】本発明は上記問題を改善するためになされ
たもので、フィット性が良好であると共に、締め付け力
が小さく、脱落しない滑り層を設けているためクリーン
ルーム内での使用も可能であり、作業性に優れた極薄の
シリコーンゴム手袋を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、引き裂き強さ20kgf/cm以上の硬化
物を与える付加型液状シリコーンゴム組成物から形成さ
れ、厚さが0.05〜0.8mmの手袋本体の外表面部
に高さ0.1mm以下の多数の微細突起を形成すると共
に、上記手袋本体の内面の少なくとも基端側に滑り層を
形成したことを特徴とするシリコーンゴム手袋を提供す
る。
【0007】
【作用】本発明のシリコーンゴム手袋は、その手袋本体
が付加型液状シリコーンゴム組成物より厚さ0.05〜
0.8mmに形成されているので、硬化触媒又はその分
解残渣による人体への影響もなく生理的に安全であり、
柔軟で手になじみ易く、フィット性に優れていると共
に、手に対する締め付け力が少なく、また引き裂き強さ
が20kgf/cm以上と高いため、長時間使用しても
疲労感がなく、破れる心配もなく、表面に微小突起が形
成されているので、着用使用時に滑り止め効果があり、
手袋本体のフィット性と相まって操作性が良好である。
更に、手袋本体内にシリコーン樹脂やフッ素ラテックス
等の滑り層が形成されているので、手袋の装着、脱着が
容易に行われる。また、スチームや加熱空気に長時間曝
されても劣化し難く、使用後も何度も熱滅菌可能である
ため繰り返し使用ができ、耐久性に優れたものである。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例につき図面を参照し
て説明する。図中1は、引き裂き強さが20kgf/c
m以上、より好適には25〜45kgf/cmの硬化物
を与える付加型液状シリコーンゴム組成物から成形され
た厚さが0.05〜0.8mmのゴム手袋本体であり、
この手袋本体1の外表面部には高さが0.1mm以下の
多数の微小突起2が一体に突設されていると共に、上記
手袋本体1の内面にはシリコーン樹脂からなる滑り層3
が形成されている。更に、手袋本体1の基端縁部(手挿
入口縁部)には、手袋本体を折り返すことにより巻き締
め部4が形成されている。
【0009】ここで、付加型液状シリコーンゴム組成物
は、分子中にビニル基等のアルケニル基を2個以上含有
するオルガノポリシロキサンと、このオルガノポリシロ
キサンの硬化剤として、分子中にSiH基を2個以上含
有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを主成
分とし、更に触媒として白金又は白金化合物を含有し、
必要により充填剤等の所望の添加剤を配合し、好ましく
は25℃の粘度が100〜100,000ポイズ、より
好ましくは1,000〜10,000ポイズの公知の組
成のものを硬化させて使用することができ、一般市販品
を用いることもできるが、引き裂き強さが20kgf/
cm以上の手袋本体を成形し得るものが選択される。引
き裂き強さが20kgf/cmより小さいと成型時や装
着時に破れる可能性があり、本発明の目的を達成し得な
い。
【0010】この場合、シリコーンゴム成形品を得るシ
リコーンゴム組成物としては、付加反応硬化型、過酸化
物硬化型、縮合反応硬化型など、種々のものがあるが、
付加反応硬化型でしかも液状のシリコーンゴム組成物を
用いて手袋本体を形成することにより、引き裂き強さが
強く、硬化触媒又はその分解残渣による人体への影響が
なく生理的に安全なシリコーンゴム手袋が得られる。ま
た、ディッピング等による工業的に効率のよい成型方法
が可能である。これに対し、他の硬化型は生理的に問題
があり、また付加反応硬化型でも室温で固体のものはデ
ィッピング成型ができないため効率よく成型できない。
【0011】上記付加型液状シリコーンゴム組成物を用
いて手袋本体を製造する場合は、トルエン等の溶剤を用
いて最適膜厚が得られる粘度に調整し、手袋型をディッ
ピングするディッピング成型法によることができ、また
この時に手袋型に微小突起を設けておくことにより上記
微小突起も同時に一体成形できる。
【0012】一方、滑り層はシリコーン樹脂層やフッ素
樹脂層などにより形成でき、その表面の動摩擦係数が
0.5以下であるものが好適に使用できる。この場合、
特にシリコーン樹脂層が密着性、滑り性などの点から好
適であり、また該滑り層は、手袋本体の指先を含む内面
全部に形成することが好ましいが、手袋本体の基端部か
ら指のつけ根部分までの間を滑り層で被覆するようにし
てもよく、手袋本体の内面基端側に滑り層が形成されて
いればよい。なお、この滑り層の厚さは、通常1〜10
0μm、好ましくは10〜50μmであり、この滑り層
を含めて手袋の厚さは0.05〜0.8mmとすること
が推奨される。
【0013】この滑り層の形成方法としては、手袋型を
用いてディッピング成型して得られた手袋を手袋型から
はずさず、そのまま滑り剤の中に入れ、コーティングを
行い滑り層を形成することができ、このようにして得ら
れたシリコーンゴム手袋を裏返すことにより通常の手袋
となる。
【0014】而して、上記シリコーンゴム手袋は、手袋
本体の内面に滑り層が形成されているので、手を挿入し
易く、また手から手袋を脱着し易いと共に、非常に柔軟
で手になじみ易く、フィット性に優れているため、この
手袋を着用した時の操作性も良好であるにも拘らず、引
き裂き強さが通常の天然ゴムラテックス製の手袋に比較
して小さいので、締め付け力が比較的小さく、使用性、
使用感が良好である。しかも、シリコーンゴム自体の引
き裂き強さが20kgf/cm以上と高いので、破れる
心配がない。
【0015】また手袋本体の外表面部に多数の微小突起
が形成されているので、滑り止め作用があり、上記手袋
本体のフィット感と相まって優れた操作性を発揮する。
更に、このシリコーンゴムは、天然ゴムラテックスに比
べ酸素は22倍、空気は27倍の気体透過性であり、こ
の点で手袋着用時の手からの発汗が軽減されたものとな
る。また更に、このシリコーンゴム手袋は、スチームや
加熱空気に長時間曝されても劣化し難く、このため熱滅
菌などの雰囲気にも十分耐え、耐久性に優れたものであ
る。なおまた、上記実施例の手袋は、その基端部に巻き
締め部が形成され、基端部が補強されているので、基端
部から裂けるという不都合が解消されたものである。
【0016】なお、本発明の手袋は、図示の実施例に制
限されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種
々変更可能である。
【0017】次に、実験例により本発明の効果を具体的
に説明する。 〔実験例1〕粘度5,000ポイズ(25℃)の付加型
液状シリコーンゴム組成物(KE−1950−35A/
B,信越化学工業社製)を用いて厚さ2mmのシリコー
ンゴムシートを製造した(プレス成形170℃×10分
間、ポストキュア200℃×4時間)。次いで、これを
圧力2kg/cm2(0.2MPa)121.5℃の飽
和蒸気中に20分間保持し、更に100℃の加熱空気中
で30分間乾燥し、常温で24時間放置するというサイ
クルを30サイクル繰り返し、該サイクル試験前後のシ
リコーンゴムシートの物性を測定した。結果を表1に示
す。なお、表1には、天然ゴムラテックス(JIS−K
−6381)を用いて上記サイクル試験を2サイクル行
った場合の手術用手袋の基準値(医療用具基準)を併記
する。
【0018】
【表1】
【0019】表1の結果より、シリコーンゴムシートは
30サイクル後でも硬さ、引き裂き強さの低下が見られ
ず、繰り返し熱滅菌条件に十分耐えられることが認めら
れると共に、引張り強さが天然ゴムラテックスの約1/
2〜1/3であるため、長時間の装着が可能であること
が認められる。
【0020】〔実験例2〕上記KE−1950−35A
/Bのシリコーンゴムシート上に、シリコーン樹脂系コ
ーティング剤(X−40−2141,信越化学工業社
製)を20〜40μmコーティングし、100℃で30
分硬化した後、その動摩擦係数を測定した。結果を表2
に示す。
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】本発明のシリコーンゴム手袋は、装着
性、フィット性が良好であると共に、締め付け力が小さ
く、使用性、使用感に優れたものであり、しかも耐久性
が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】同例の拡大部分断面図である。
【符号の説明】
1 手袋本体 2 微小突起 3 滑り層 4 巻き締め部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引き裂き強さ20kgf/cm以上の硬
    化物を与える付加型液状シリコーンゴム組成物から形成
    され、厚さが0.05〜0.8mmの手袋本体の外表面
    部に高さ0.1mm以下の多数の微細突起を形成すると
    共に、上記手袋本体の内面の少なくとも基端側に滑り層
    を形成したことを特徴とするシリコーンゴム手袋。
  2. 【請求項2】 シリコーンゴム手袋内面の滑り層がシリ
    コーン樹脂で形成された請求項1記載のシリコーンゴム
    手袋。
JP25016093A 1993-09-10 1993-09-10 シリコーンゴム手袋 Expired - Fee Related JP2701704B2 (ja)

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