JP2700314B2 - スピーカ用振動板 - Google Patents

スピーカ用振動板

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JP2700314B2 JP62108851A JP10885187A JP2700314B2 JP 2700314 B2 JP2700314 B2 JP 2700314B2 JP 62108851 A JP62108851 A JP 62108851A JP 10885187 A JP10885187 A JP 10885187A JP 2700314 B2 JP2700314 B2 JP 2700314B2
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政典 高橋
宏造 原
博雄 木村
仁一 倉持
茂 森田
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、音声再生装置に用いられるスピーカ装置
の振動板に関するものである。 [従来の技術] 従来より、スピーカ用振動板としては天然あるいは化
学繊維によって加工された紙や布,ポリエステル,ナイ
ロン等のフィルムあるいはアルミニウムやチタン等の金
属箔が使用されている。この中で、紙や高分子フィルム
は密度が金属箔と比べて小さいので、スピーカ用振動板
として軽量のものが得られ、電気信号を音響信号へ変換
する効率が高い特性を有する反面、高分子フィルムは耐
熱性に劣りその材質によって80℃〜300℃で変形し、紙
の場合は約200℃で変形してしまう。 また、金属箔の場合は耐熱性に比較的優れているが、
密度が高い(アルミニウム:2.7g/cm3,チタン:4.5g/c
m3)ため、振動板が重くなって電気信号を音響信号へ変
換する効率が劣る。さらに、アルミニウムやチタン箔は
内部損失が小さいので、中高域において振動板が分割振
動すると周波数特性に大きな山谷が生じて耳ざわりな固
有音となって聴こえるため、分割振動が発生する周波数
が耳に敏感な1KHz〜5KHzの低音用またはフルレンジ用ス
ピーカに使用することは不向きである。 また、特公昭55−41598号公報に開示されているよう
に、振動板の基体の表面に酸化アルミニウム繊維と樹脂
との混合粘状液をコーティングしたものでも、耐熱性は
上記基体の材質によって決まるために耐熱性の改善には
ならない。さらには、金属箔を基体とすれば振動板の弾
性率の向上は達成されるが、基体の密度が大きいので電
気信号を音声信号へ変換する効率が劣り、内部損失は基
体が金属のために小さいので、低音用またはフルレンジ
用スピーカとしては不向きである。 [発明が解決しようとする問題点] 以上のように、スピーカ用振動板の素材としては、耐
熱性が高くしかも密度の小さい所望通りのものがないの
が現状である。すなわち、耐熱性が一般の高分子フィル
ムよりも高く、密度も金属中では低いアルミニウムでも
まだ密度が高いとされており、内部損失が小さいという
短所を含めて低音用またはフルレンジ用スピーカの素材
には不向である。 また、振動板の基体に酸化アルミニウム(アルミナ)
繊維をコーティングしたものでは、振動板の密度を満足
に低くすることができないばかりでなく、基体の成形後
にコーティング工程を加えるような複雑な工程となるの
で、コスト高になってしまうなどの問題があった。 この発明は上記のような問題点を解消するためになさ
れたもので、耐熱性が優れているとともに密度が小さ
く、かつ内部損失がアルミニウムより大きい安価なスピ
ーカ用振動板を得ることを目的とする。 [問題点を解決するための手段] この発明に係るスピーカ用振動板は、音声再生装置に
用いられるスピーカ装置において、繊維径が100ミクロ
ン以下で繊維長が上記繊維径の10倍以上である繊維状無
機化合物を主成分とし、この主成分に超微小繊維化した
繊維を含むバインダを加えて抄造したペーパーを素材と
して成形し、かつ成形後の素材を熱処理によって焼成あ
るいは焼結したものである。 [作用] この発明による振動板はアルミナ等の無機繊維を主成
分としているので耐熱性に優れるとともに、抄造時の大
量の空気の混入によって密度が小さいために内部損失が
大きく、電気信号より音声信号への変換率も優れてい
る。 また、焼結により、無機化合物の繊維どうしの複雑で
ねばり強い結合が得られて剛性が増大し、軽量化も図れ
る。そして、剛性を増大させることで比弾性率(e/ρ)
が向上し、音圧歪みが小さく音質が改善され、さらには
高音域まで再生帯域を拡大することが可能になり、また
フルレンジスピーカや高音用スピーカとしても使用でき
る。 [実施例] 第1図はこの発明の一実施例によるスピーカ用振動板
の成型過程を示す説明図である。図において、(1)は
振動板の素材となる無機ペーパーで、この無機ペーパー
(1)の主成分としては、マグネシア,アルミナ,ジル
コニア,アルミナシリケート,窒化ホウ素,炭化ケイ
素,窒化ケイ素,チタン酸カリウム,あるいはグラファ
イト等のそれぞれのウイスカー、またはこれらの繊維を
数ミリメートルに切断した繊維状の無機化合物である。
この主成分に対して0.5〜10重量パーセントの比率のミ
クロフィブリル(超微小繊維)化された繊維をバインダ
として加えて抄紙したものである(特開昭60−81399号
公報,特開昭60−81398号公報参照)。 上記無機ペーパー(1)の成分の一例を挙げると、繊
維径が50ミクロン以下で繊維長が径の10〜1000倍のアル
ミナ繊維を主成分とし、これを水中に均質に分散させた
スラリーにバインダとして上記主成分に対して3〜7重
量パーセントのミクロフィブリル化(超微小繊維化)さ
れたセルローズ繊維を混合し、この混合体を原料として
通常の抄紙工程によりアルミナ系の無機ペーパー(1)
が得られる。 (2a),(2b)はそれぞれプレス型の雄型および雌型
であり、素材となる無機ペーパー(1)を加圧して成形
し、周辺部を所定の直径に切断して振動板形状とした
後、高温例えば約1600℃でアルミナ繊維どうしを焼結さ
せて振動板(3)を得る。 上記のような無機ペーパー(1)を素材とし、焼結さ
せて得られた振動板(3)は、例えば上述のアルミナ系
の無機ペーパー(1)を素材とした場合、1000℃を超す
耐熱性があるとともに、アルミナ繊維自体の密度は3.4g
/cm3であるにもかかわらず、抄造過程において空気を多
く含むために無機ペーパー(1)としての密度は0.29〜
1.7g/cm3となるので、電気信号より音声信号への変換効
率が優れたものが得られる。 また、焼結時にセルロース繊維は焼失して剛性の高い
アルミナ繊維どうしが直接結合するため、例えばよじれ
合うなどの複雑でねばり強い結合が得られて振動板
(3)は高い剛性を発揮し、振動板(3)の軽量化も図
れる。そして、高い剛性により、比弾性率(e/ρ)が約
2×10(cm2/sec2)程度の大きさ値となるので、振動
板(3)の分割共振周波数が高くできて音圧歪みが減り
音質の高い再生音が得られる。また分割共振周波数が高
くできるため、高音域まで再生帯域を増大することが可
能になり、低音のみならずフルレンジや高音用スピーカ
としても使用できる。また振動板(3)を構成するのが
繊維状のアルミナであるため、繊維間の摩擦により振動
を吸収し、内部損失tan δが約4.5×10-3でアルミニウ
ムの3×10-3より大きく、高音域での分割共振による周
波数特性のピークを小さくでき、より平坦な周波数特性
が得られ、さらに振動板(3)の固有共振周波数も抑え
られる優れたスピーカを得ることができる。 また、特に上記アルミナ系の無機ペーパー(1)は、
バインダの材質の選択、例えばアルミナ系の無機ペーパ
ーにアルミナ粒子を塗布することで焼結時アルミナ繊維
間にアルミナ粒子が結合し、さらに大きな比弾性率(e/
ρ)5×1011(cm2/sec2と大きな内部損失tan δ=13
×10-3を得ることができる。また抄造過程における密度
調整によって振動板(3)の物性の調質が容易であるの
で、例えば低音用スピーカの振動板(3)として適合す
る内部損失の大きい特性のものが得られる。 なお、上記実施例ではコーン形の振動板(3)につい
て説明したが、振動板(3)はドーム形,平板形でもよ
く、また、一般のスピーカ用の振動板に限らず、ヘッド
フォーン,マイクロフォーン用振動板として用いても、
上記実施例と同様の効果を奏する。 また、第2図に示すように無機ペーパー(1)をU字
形に展開した形状で形成し、この成形体の両端部(4)
を接着剤等によって接合するようにしても、上記実施例
と同様の効果を奏する。 [発明の効果] この発明は以上説明したように、アルミナ繊維等を原
料とした無機質の素材を抄紙して、この抄紙をプレスに
よって振動板に成形したので、耐熱性が優れるとともに
抄造時に調質が容易にできるために密度の小さい振動板
を得られる。このため電気信号より音声信号への変換効
率が優れ、かつ製造が容易な振動板を得ることができ、
また、焼結により、無機化合物の繊維どうしが複数でね
ばり強く結合されて剛性を増大させるとともに軽量化が
図れ、剛性を増大させることで比弾性率が向上し、音圧
の歪みが小さくなって音質が改善され、さらには高音域
まで再生帯域を拡大することが可能になり、またフルレ
ンジスピーカや高音用スピーカとしても使用できるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】 第1図はこの発明の一実施例による無機ペーパーを素材
とした振動板の成形過程を示す説明図、第2図はこの発
明の他の実施例による振動板の成形過程を示す説明図で
ある。 図において、(1)は無機ペーパー、(2a)および(2
b)はプレス型の雄型、(3)は振動板。 なお、図中同一符号または相当部分を示す。
フロントページの続き (72)発明者 木村 博雄 郡山市栄町2番25号 三菱電機株式会社 郡山製作所内 (72)発明者 倉持 仁一 郡山市栄町2番25号 三菱電機株式会社 郡山製作所内 (72)発明者 森田 茂 郡山市栄町2番25号 三菱電機株式会社 郡山製作所内 (72)発明者 菅野 忠明 郡山市栄町2番25号 菱電エンジニアリ ング株式会社東京事業所郡山支所内 (56)参考文献 特開 昭59−64998(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.音声再生装置に用いられるスピーカ装置において、
    繊維径が100ミクロン以下で繊維長が上記繊維径の10倍
    以上である繊維状無機化合物を主成分とし、この主成分
    に超微小繊維化した繊維を含むバインダを加えて抄造し
    たペーパーを素材として成形し、かつ成形後の素材を熱
    処理によって焼成あるいは焼結したことを特徴とするス
    ピーカ用振動板。 2.主成分の繊維状無機化合物の繊維径が50ミクロン以
    下で、繊維長が上記繊維径の10〜1000倍の範囲のアルミ
    ナ繊維であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載のスピーカ用振動板。 3.バインダが主成分に対して1〜10重量パーセントで
    あることを特徴とする特許請求の範囲第1項または第2
    項記載のスピーカ用振動板。 4.バインダの単繊維径が1ミクロン以下であることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項、第2項または第3項
    記載のスピーカ用振動板。
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JPS59135000A (ja) * 1983-01-24 1984-08-02 Sony Corp スピ−カ用複合振動板
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