JP2700183B2 - トンネルの覆工方法および覆工装置 - Google Patents

トンネルの覆工方法および覆工装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はトンネルの覆工方法および覆工装置に係わ
り、特に、シールドトンネルに適用されて好適なトンネ
ルの覆工方法および覆工装置に関するものである。
〔従来の技術〕
周知の如くトンネル覆工法、特にシールドトンネルに
おける覆工法では一般にセグメント覆工法が用いられて
いる。セグメント覆工法は第11図に示すように、シール
ド機の掘進に伴って、コンクリート製あるいは鋼製より
なる円弧版状のセグメント40をリング状に組み上げると
ともに、それらリング体を既に筒状に構築されてきたセ
グメントに接続しながら筒状体41を延長させて行くもの
である。このセグメント覆工法において、より高い止水
性を確保する場合(あるいは内装を目的とする場合もあ
る)には、筒状体41の内側にさらに二次覆工42を施す。
しかしながら、上記セグメント覆工法においては、ラ
イニング厚が大きく掘削径も大きくなるためコストダウ
ンの点で不利となる等の弊害があり、これらの弊害を排
除し得る覆工法として場所打ちライニング工法(場所打
ちコンクリート覆工法)が行なわれている。
これは、第12図および第13図に示すように、トンネル
の掘削壁面に対面する所定位置に型枠(図示せず)を構
築した後、その型枠内に鉄筋43(第13図のみ図示)を配
し、さらにコンクリートCを打設することにより掘削穴
の壁面を鉄筋コンクリート44により覆うものである。
しかし、この場所打ちライニング工法にあっても、鉄
筋43の坑内での組立が繁雑であり作業性が悪いといった
不都合な点がある。
しかも、上記セグメント覆工法、場所打ちライニング
工法は共に地山からの漏水に対しては十分なる機能を持
ち得ない場合が多く、用途によっては不都合を生じるお
それもある(例えば電力導洞あるいは下水用のトンネル
等)。
そこで、本出願人はこの度、上記問題点を排除し得る
ものとして第14図および第15図に示す如き覆工構造を発
明した。
これは、掘削穴1の壁面1aに沿って設けられた円筒形
の外鋼殻2と、この外鋼殻2の内側に該外鋼殻2と同心
的に設けられて覆工内壁面を構成する内鋼殻3と、これ
ら外鋼殻2および内鋼殻3の間に打設されたコンクリー
トCと、からなることを特徴とするものである。
この発明によれば、外鋼殻2および内鋼殻3の二重の
閉合円筒体により地下水等が完全に遮水され、トンネル
内への地山からの漏水を完全に防止でき、これにより漏
水汲み上げ等の維持費を削減することができ、また、コ
ンクリートの内部には鉄筋を配することも無いので、鉄
筋作業に係るコストが削除され、しかも、二重に構成し
た鋼殻間にコンクリートCを充填した構造は、高い曲げ
剛性、せん断剛性を確保するとともに、極めて耐荷力の
高いものとすることができる、といった優れた効果を奏
することができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は上記の発明に関連してなされたもので、上記
の如く優れた作用を持つ覆工構造を確実かつ効率的に創
出し得るトンネルの覆工方法およびそれに用いる覆工装
置を提供することを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の請求項1に記載したトンネルの覆工方法は、
所定幅で円弧状を成し少なくとも長さ方向両端部に接合
用リブを突設してなる第一の鋼板ブロックを、該第一の
鋼板ブロック自身の長さ方向に接合することにより掘削
穴の壁面に沿う外リング体を形成する工程と、前記外リ
ング体どうしを幅方向に接続することにより筒状の外鋼
殻を形成する工程と、所定幅で前記第一の鋼板ブロック
より曲率半径の小さい円弧状を成し少なくとも長さ方向
両端部に接合用リブを突設してなる第二の鋼板ブロック
を該第二の鋼板ブロック自身の長さ方向に接合すること
により内リング体を形成する工程と、前記内リング体ど
うしを幅方向に接続することにより筒状の内鋼殻を形成
する工程と、前記外鋼殻と内鋼殻との間にコンクリート
を打設する工程と、前記コンクリートに所要の強度が発
現した後、該コンクリートの切羽側端面を反力面として
シールド機を掘進させる工程とを有してなり、しかも、
前記接合用リブの接合をシーム溶接により行うことを特
徴とするものである。
また、本発明の請求項2に記載したトンネルの覆工装
置は、請求項1記載のトンネルの覆工方法を実施するた
めの装置であって、シールド機のスキンプレートの内側
に該スキンプレートの断面形状に沿った円形状に配置さ
れ、前記第一の鋼板ブロックを背面側からリング状に保
持する外部支保工と、シールド機内にシールド機の軸方
向移動自在に設置され、前記第一の鋼板ブロックを保持
してこの第一の鋼板ブロックを前記外部支保工に搬送す
るエレクターと、シールド機の軸方向を軸とした円筒状
に形成されるとともにシールド機内に前記軸方向移動自
在かつ前記軸回り回動自在に設置され、前記第二の鋼板
ブロックを内面側よりリング状に保持する内部支保工
と、シールド機内の前記内部支保工と対面する位置に設
けられ、この内部支保工に前記第二の鋼板ブロックを供
給するための供給装置と、シールド機内に設置され、シ
ールド機の軸方向移動自在かつ軸回り回動自在に設けら
れた伸縮アームの先端部に該伸縮アームの軸回り回動自
在に保持された電極を有してなる自動シーム溶接装置
と、を有してなるものである。また、その際、前記エレ
クターおよび前記外部支保工、前記内部支保工を、電磁
石により構成した着板装置を備えたものとするとよい。
〔作用〕
本発明によるトンネルの覆工方法によれば、内外の鋼
板ブロックをシールド機の掘進に伴って順次組み立てて
いくことができ、これにより、二重鋼殻とコンクリート
とで構成されて優れた作用を発揮する覆工構造を確実
に、しかも効率的に構築して行くことができる。また、
その際、鋼板ブロックは、その接続端部に接合用リブを
有したものとすれば、各鋼板ブロックどうしを接続する
際、その接合用リブをシーム溶接により接合することが
でき、接合作業を効率的に行うことができ、しかも接合
部の高い止水性を確保することができる。さらに、各鋼
板ブロックを組み上げる際には、それら接合用リブが位
置決め作用も発揮するため、仮組み時等の作業が容易と
なる。
また、本発明のトンネルの覆工装置では、坑外にて作
成され、坑内に搬入された第一の鋼板ブロックを、エレ
クターにて保持・搬送し、それを外部支保工にリング状
に配設し、外リング体を仮組みする。その後、この仮組
みされた外リング体を、既に構築された覆工体の外鋼殻
の端部に接合することにより、外鋼殻はこの外リング体
の幅分だけ新たに延長されることとなる。ここで、接合
用リブどうしが当接される部位については、前記自動シ
ーム溶接装置によるシーム溶接にて接合する。
一方、第二の鋼板ブロックは、供給装置により前記内
部支保工に供給されることにより、この内部支保工にリ
ング状に配設され、これにより内リング体が仮組みされ
る。このように、内部支保工に内リング体が仮組みされ
たら、その内部支保工を覆工完了部まで移動させて、内
リング体を既設の覆工体の内鋼殻の端部に接合し、内鋼
殻を延長する。この場合も、接合用リブどうしが当接さ
れる部位についてはシーム溶接により接合する。
また、このトンネルの覆工装置を構成する前記エレク
ター、外部支保工、内部支保工において、鋼板ブロック
を保持するための看板装置を電磁石により構成すれば、
それら各装置の簡便化を図れ、かつ操作も容易なものと
なる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説
明する。
第1図は本発明により施工途中にあるトンネルの切羽
近傍を示したものである。本図中、符号10はシールド
機、符号11は、シールド機10により形成された掘削穴1
に、後述する本発明に係る覆工方法により既に構築され
た覆工体である。
前記覆工体11は、先に第14図および第15図により説明
したとおり、掘削穴1の壁面1aに沿って設けられた円筒
形の外鋼殻2と、この外鋼殻2の内側に該外鋼殻2と同
心的に設けられて覆工内壁面を構成する内鋼殻3と、こ
れら外鋼殻2および内鋼殻3の間に打設されたコンクリ
ートCと、からなっている。
前記外鋼殻2および内鋼殻3は、第2図にも示すよう
に、それぞれ所定幅のリング体(外リング体4、内リン
グ体5)どうしを幅方向に接続することにより形成され
ている。さらに、それら外リング体4は、円弧状に形成
された鋼板ブロック(第一の鋼板ブロック6)を円弧方
向に接続することにより、また内リング体5は、その第
一の鋼板ブロック6よりも曲率半径の小さい円弧状に形
成された鋼板ブロック(第二の鋼板ブロック7)を円弧
方向に接続することにより構成されたものである。ま
た、これら外リング体4および内リング体5は、前記第
一の鋼板ブロック6および第二の鋼板ブロック7が4個
ないし8個接続されて構成されるものとなっている。
これら第一の鋼板ブロック6および第二の鋼板ブロッ
ク7は、少なくとも長さ方向両端部に接合用リブを突設
してなるもので、本実施例の場合、第一の鋼板ブロック
6は、第3図に示すように、長さ方向両端部に円弧の内
側に突出する接合用リブ6a,6aを有するとともに幅方向
両端部にも同方向に突出する接合用リブ6a′,6a′を形
成したものとなっている。また第二の鋼板ブロック7
は、第4図に示すように、長さ方向両端部に円弧の外側
に突出する接合用リブ7a,7aを有したものとなってい
る。また、ここで、これら接合用リブ6a,6a′,7aを構成
する鋼板の厚みは、それらのシーム溶接が可能となるよ
うに3.2mmを上限のものとすることが望ましい。
次に、本発明に係るトンネルの覆工方法を実施するた
めの覆工装置について第1図を参照しながら説明する。
まず、本覆工装置は、そのほとんどがシールド機10内
に設置されるものとなるが、該シールド機10は本実施例
の場合複胴式のもの、すなわち前後2段に構成されるこ
とにより中途部分より屈曲伸縮可能に構成されたものと
なっている。図中符号10Aで示す部分が前胴部、10Bで示
す部分が後胴部である。これら前胴部10Aおよび後胴部1
0Bはそれぞれ前胴推進ジャッキ12,12,…、後胴推進ジャ
ッキ13,13,…を備えており、これら双方の推進ジャッキ
12,13を適宜に操作することによりシールド機10の掘進
を確実かつ容易に行えるようにしたものである。
図中符号14は本発明に係る内部支保工で、前記第二の
鋼板ブロック7,7,…をリング状に配置した状態で保持す
るものである。この内部支保工14は第5図に示すように
断面外形を円形、すなわち外面14aを筒状に構成された
もので、かつ、この外面14aを構成する枠体15は円周方
向に複数に分割された構成となっている。枠体15は、こ
の枠体15の軸中心部に位置するボス16から半径方向に延
びた支持部材17,17,…により背面より支持されており、
しかも実施例のものでは、それら支持部材17が図示しな
いジャッキ機構等により伸縮自在とされることにより、
枠体15は第6図に示す如く縮径可能なものとなってい
る。覆工作業時には、第5図の如く拡径状態で使用す
る。さらに、この内部支保工14の外面14aには第1図に
示すように、電磁石あるいは真空吸着盤等からなる看板
装置18,18,…が付設してある(実施例のものは電磁
石)。
ところで、既に覆工が完了された部分における施工現
場付近には符号19で示される反力装置が設置されてお
り、この反力装置19と、シールド機10の内部隔壁20との
間にはビーム21が架設されている。そして、前記内部支
保工14、および後述するエレクター25、自動シーム溶接
装置30は該ビーム21に沿った摺動、および該ビーム21回
りの回動が可能となっている。ちなみに、前記内部支保
工14においては、前記ボス16がこのビーム21に外嵌され
た構成となっている(第5図参照)。また、反力装置19
は、図示は省略するが、掘削穴1の半径方向に伸縮する
アームを有しており、そのアームがトンネル壁面(覆工
体11内壁面)に押圧または係合可能に構成されている。
これは、後述の如く前記第一・第二の鋼板ブロック6,7
を組付ける時、あるいはコンクリートCを打設する際
に、シールド機10の戻り(逆進)を防止するためであ
る。
第1図における前記内部支保工14の下方には第二の鋼
板ブロック7のための供給台22(供給装置)が設置され
ている。この供給台22は、坑外にて製作され搬送されて
きた第二の鋼板ブロック7を受け取り、それを前記内部
支保工14に受け渡すためのもので、図示されないジャッ
キ装置を備えることにより上下動可能に構成されてい
る。
また、シールド機10(後胴部10B)のスキンプレート2
3の内側で、前記後胴推進ジャッキ13の後方には外部支
保工24が設けられている。
この外部支保工24は前記スキンプレート23に沿って円
形に付設されたもので、その内面24aには前記内部支保
工14同様、ここでは電磁石より構成された看板装置1
8′,18′,…が設けられている。
そして、前記ビーム21の前記外部支保工24より後方に
はエレクター25が設けられている。該エレクター25は第
一の鋼板ブロック6を保持・搬送してそれを前記外部支
保工24にリング状に配設するもので、上述したようにビ
ーム21に摺動および回動自在に設けられている。このエ
レクター25は、シールド機10の半径方向に伸縮自在とさ
れたアーム26を備えており、かつ該アーム26の先端に
も、前記内部支保工14あるいは外部支保工24に設けられ
ているものと同様の着板装置18″が設けられている。
さらに、ビーム21における前記エレクター25の後方に
は自動シーム溶接装置30が設けられている。該自動シー
ム溶接装置30も、先に述べた如くビーム21に摺動・回動
自在に設けられたものである。シーム溶接とは、周知の
如く円板状の電極の間に板状の被溶接物を挾んで加圧
し、電極を回転させながら連続的に点溶接を繰り返して
ゆくもので、特に気密・水密性を要求される部位に好適
に適用されるものである。
この自動シーム溶接装置30は伸縮自在とされたアーム
(伸縮アーム)31を有しており、このアーム31の先端に
電極支持ヘッド32が設けられ、該電極支持ヘッド32に電
極33,33が設けられている。電極支持ヘッド32はアーム3
1の軸回りに回動可能となっている。
さらに、本実施例のものでは、スキンプレート23の内
面における前記外部支保工24の前方にも、自動シーム溶
接装置(第二のシーム溶接装置)34,34,…が、スキンプ
レート23に沿って円形状に付設されたものとなってい
る。符号35はそれら第二のシーム溶接装置34の電極であ
る。この第二のシーム溶接装置34は特に内リング体5を
製作するためのもので、内部支保工14に組付けられる第
二の鋼板ブロック7の数に対応した基数分が設けられ
る。
次に、上記の如く構成された覆工装置の作用と共に、
本発明の請求項1に係るトンネルの覆工方法について説
明する。
先の第1図はシールド機10の掘進に伴い、本発明によ
る覆工方法により掘削穴1の覆工を行っている模様を示
している。いま、説明の都合上、図示の如く覆工の途中
工程より本方法について説明するものとする。第1図に
示される状態の後、続いてトンネルの覆工を施工するに
は次の工程に従って行う。
まず、本工法を実施するにあたっては、外鋼殻2およ
び内鋼殻3をそれぞれ構成する前記第一の鋼板ブロック
6および第二の鋼板ブロック7を坑外にて前以て(ある
いは覆工作業に先行して)製作しておき、それらは以下
に述べる覆工作業に伴って順次覆工施工場所まで搬送す
るものとする。
i)外鋼殻の組立 前記エレクター25により、第一の鋼板ブロック6,6,…
を1ブロックずつ前記外部支保工24に円形に配設して行
き外リング体4を仮組みする。すなわち、坑外より搬入
されて所定場所にストックされている第一の鋼板ブロッ
ク6をエレクター25により保持し、その後エレクター25
をさらに操作して、その保持した第一の鋼板ブロック6
を外部支保工24に引き渡せばよい。このとき、それら第
一の鋼板ブロック6は、各ブロック6,6,…どうしが互い
に隣接されるように配置するとともに、既に構築された
覆工体11の外鋼殻2の前端にも当接する如く配置させ
る。第一の鋼板ブロック6は先の第3図に示したように
円弧の内側に突出する接合用リブ6a,6a′を有するもの
であるから、上記状態にあっては、それら各接合用リブ
6a,6a′どうしが当接した状態となる。また、このよう
に、第一の鋼板ブロック6どうしを外部支保工24に組み
付ける際には、上記のように接合用リブ6aどうしが当接
するため、位置決め作業は極めて容易に行うことができ
る。
上記操作、すなわちエレクター25による第一の鋼板ブ
ロック6の保持、およびその第一の鋼板ブロック6の外
部支保工24への装着操作は、それらエレクター25および
外部支保工24にそれぞれ設けられた前記着板装置(この
場合電磁石)18″のON/OFF操作の切換により行う。
上記の如く第一の鋼板ブロック6,6,…が外部支保工24
に仮組みされたならば、それら各鋼板ブロック6どう
し、およびそれら各鋼板ブロック6と既設の外鋼殻2と
を互いに接合する。接合は、互いに対面された前記接合
用リブ6a,6aどうし、および接合用リブ6a′,6a′どうし
を前記自動シーム溶接装置30によりシーム溶接すること
により行う。
ここで、第一の鋼板ブロック6どうしの接合部(接合
用リブ6a)はシールド機10の長手方向に沿って、また、
第一の鋼板ブロック6と既設の外鋼殻2との接合部(接
合用リブ6a′)は円周状に形成されることとなるが、前
記自動シーム溶接機30はビーム21に沿った摺動自在に、
かつビーム21回りの回動自在に構成されるとともに、伸
縮可能なアーム31の先端に設けられた前記電極支持ヘッ
ド32もアーム31を軸とした回動が可能となるものである
ため、上記双方の溶接をスムーズに行うことが可能であ
る。
上記の如く本実施例では、外リング体4を形成する際
に、これを構成する第一の鋼板ブロック6を、既に形成
された外鋼殻2にも同時に接続するため、外リング体4
の完成と同時に外鋼殻2の延長分が完成されることとな
る。
ii)内鋼殻の組立 次に内鋼殻3の組立を行う。内鋼殻3を組み立てる際
には、第7図に示すようにエレクター25および自動シー
ム溶接機30を反力装置19側に退去させておく。
まず、前記供給台22上に載置された第二の鋼板ブロッ
ク7を前記内部支保工14にリング状に配設することによ
り内リング体5の仮組を行う。それには、内部支保工14
を先の第5図に示したように拡径した状態としておくと
ともに、第二の鋼板ブロック7が載置された前記供給台
22を上昇させ、第二の鋼板ブロック7の内面が内部支保
工14の外周面に当接した時点で該内部支保工14に設置さ
れた着板装置18(電磁石)を作動させることにより、第
二の鋼板ブロック7を内部支保工14に引き渡す。第二の
鋼板ブロック7の一つが引き渡されたら、内部支保工14
を第二の鋼板ブロック7の1個の長さ分だけビーム21回
りに回転させ、先に付設した第二の鋼板ブロック7に連
続するように次の第二の鋼板ブロック7を内部支保工14
に付設・仮組みして行く。そして、同様に第二の鋼板ブ
ロック7を内部支保工14に付設して行くことにより内リ
ング体5を仮組みする。
上記の如く内リング体5が内部支保工14外周に仮組み
されたならば、各第二の鋼板ブロック7どうしを溶接す
る。この溶接は、本実施例では前記第二のシーム溶接装
置34によって行う。すなわち、内リング体5を仮組み状
態に保持した内部支保工14を、第8図に示す如くビーム
21に沿ってシールド機10の後方(反力装置19側)にゆっ
くりと移動させながら、各第二の鋼板ブロック7におけ
る当接された接合用リブ7a,7aどうしを第二のシーム溶
接装置34により溶接して行けばよい。
上記工程により第二の鋼板ブロック7どうしが接合
(つまり内リング体5が形成)されたならば、次に第9
図に示すように、内部支保工14をそのままさらにビーム
21に沿って後方にスライド移動させ、該内リング体5の
後端と、既に構築された覆工体11を構成する内鋼殻3の
前端とを当接させ、その当接部分を突き合わせ溶接す
る。
この場合の突き合わせ溶接は、本実施例では人力によ
り行うが、例えば前記エレクター25のアーム26に自動溶
接機を搭載することなどにより自動化を図ることも可能
である。
なお、実施例ではこの第9図に示すように、外鋼殻2
と内鋼殻3をそれぞれ構成する外リング体4と内リング
体5とは、互いに千鳥状に配するものとしている。
iii)コンクリートの打設 第9図の如く前記内リング体5が既設の内鋼殻3に接
続されたならば、第10図の如く、該内リング体5(内鋼
殻3)と、先に取り付けられた外リング体4(外鋼殻
2)との間にコンクリートCを打設する。
打設にあたっては、まず妻枠リング36を取り付け、そ
の後、上記工程によって新たに延長された外鋼殻2と内
鋼殻3との間にコンクリートCを打設する。前記妻枠リ
ング36は打設コンクリートCの長さ方向の型枠として機
能するもので、周方向に分割構成されているものであ
る。また、前記コンクリートCの打設は、第二の鋼板ブ
ロック7に設けたコンクリート打設孔、または、前記妻
枠リング36に設けたコンクリート打設孔(共に図示せ
ず)により行う。
iv)シールド機の掘進 打設されたコンクリートCが硬化し、圧縮強度が期待
できる材令(例えば3〜4時間)の後、まず、前記前胴
推進ジャッキ12を伸張させることによりシールド機10の
前胴部10Aを掘進させる。そして、さらに材令約6〜8
時間後に、後胴推進ジャッキ13を伸張させることにより
後胴部10Bを推進させる。同時に前胴推進ジャッキ12は
短縮させる。
上記の如くシールド機10が所定ストローク分掘進され
たならば、上記工程により新たに延長覆工された部分に
連続して、上記同様の手順により覆工体11を、順次形成
される順掘削穴1に沿って構築してゆけばよい。
このように、上述したトンネルの覆工方法およびそれ
に用いる覆工装置によれば、第一の鋼板ブロック6およ
び第二の鋼板ブロック7の接合作業が大部分自動化さ
れ、よって外鋼殻2および内鋼殻3の組立を手間を掛け
ることなく極めて効率的にかつ確実に行うことができ、
これにより、第14図に示した如き本出願人が先に発明し
た優れた作用を発揮する覆工構造を極めて効率的かつ確
実に、しかも安全に実現することができる。
また、本実施例においては、第一の鋼板ブロック6を
保持・搬送するエレクター25、および第一の鋼板ブロッ
ク6をリング状に保持する外部支保工24、さらに第二の
鋼板ブロック7をリング状に保持する内部支保工14とい
った各装置における保持手段としての着板装置18を電磁
石で構成したので、各鋼板ブロック6,7の受け渡し作業
を極めて簡単に行え、かつ装置の簡略化をも図れるもの
となっている。
なお、実施例では、第一の鋼板ブロック6に付いて
は、長さ方向両端部の接合用リブ6aの他に幅方向両端部
にも接合用リブ6a′を形成したので、外リング体4どう
しの接合もシーム溶接により実施することができ、さら
なる効率化が図れるものとなっている。
また実施例では、内リング体5を構成すべく第二の鋼
板ブロック7を長さ方向(円弧方向)に接合する際、そ
の接合を第二のシーム溶接装置34により行うものとして
いるが、これは、実施例では第二の鋼板ブロック7の接
合用リブ7aを円弧の外側に突出するように形成したこと
に対応させるためであって、自動シーム溶接装置30を上
記の如き接合用リブ7aにも適用し得るように構成した場
合には、この第二のシーム溶接装置34を設けない構成と
することも可能である。
さらに実施例では、シールド機10を複胴式のものとし
て説明しているが、これは以下の理由による。すなわ
ち、シールド機の掘進はコンクリートが硬化してから
(打設後約6〜8時間後)となるため施工速度が遅くな
る。施工速度を早める(打設後3〜4時間後とする)に
は、コンクリートの反力だけではなく、後胴10Bの周面
摩擦力も得なければならない。その意味で、シールド機
を前後に分割して尺取り方式で掘進できるようにしてい
るわけである。ただし、本発明が上記以外の一般的なシ
ールド機により構築されるトンネルにも同様に適用可能
であることは言うまでもない。
〔発明の効果〕 以上説明したとおり本発明の請求項1に係るトンネル
の覆工方法によれば、外鋼殻と内鋼殻とをシールド機の
掘進に伴って順次確実に延長させて行くことができ、こ
れにより、二重筒状に形成される鋼殻とそれら鋼殻間に
充填されるコンクートとから構成され優れた作用を発揮
する覆工構造を効率的かつ確実に構築して行くことがで
きるものとなる。しかも、それら外鋼殻および内鋼殻を
構成する第一の鋼板ブロックおよび第二の鋼板ブロック
は、少なくともそれらの長さ方向両端部に接合用リブを
突設し、かつ、それら接合用リブどうしの接合をシーム
溶接により行うようにしたので、各鋼板ブロックの位置
合わせおよび溶接作業を容易に行うことができるととも
に、また、高い止水性を容易に得ることもできるものと
なる。
また、請求項2に係るトンネルの覆工装置によれば、
上記請求項1に係るトンネルの覆工方法を確実に実現し
得ることは無論であるが、外鋼殻および内鋼殻の組立作
業を大部分自動化することができ、作業の大幅な効率化
およびそれに伴うコストの低減を図れ、加えて安全を確
保することもできる。
また、請求項3に係るトンネルの覆工装置によれば、
上記覆工装置において装置を簡略化して操作のスピード
アップが図れ、覆工作業のさらなる効率化を実現する、
といった優れた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るトンネルの覆工装置の一構成例を
示すもので覆工装置をシールド機および覆工体等と共に
示す側面図、第2図は外鋼殻および内鋼殻を示す部分斜
視図、第3図は第一の鋼板ブロックを示す斜視図、第4
図は第二の鋼板ブロックを示す斜視図、第5図は内部支
保工の正面図、第6図は内部支保工の機能を説明する作
用図、第7図ないし第10図は実施例による覆工装置の作
用と共に本発明に係る覆工方法を説明するもので、それ
ぞれ実施例による覆工装置をシールド機および覆工体等
と共に示す側面図、第11図ないし第13図は従来技術を説
明するもので、第11図はトンネルの覆工構造を示す正面
断面図、第12図は同じくトンネルの覆工構造を示す正面
断面図、第13図はその部分断面図、第14図および第15図
は本出願人が先に発明した覆工構造を示すもので第14図
はその部分側面図、第15図はその正面断面図である。 1……掘削穴、1a……壁面、2……外鋼殻、3……内鋼
殻、4……外リング体、5……内リング体、6……第一
の鋼板ブロック、6a,6a′……接合用リブ、7……第二
の鋼板ブロック、10……シールド機、11……覆工体、14
……内部支保工、18,18′,18″……着板装置、22……供
給台(供給装置)、23……スキンプレート、24……外部
支保工、25……エレクター、30……自動シーム溶接装
置、31……アーム(伸縮アーム)、32……電極、C……
コンクリート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東 洋二 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水 建設株式会社内 (72)発明者 本多 章浩 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水 建設株式会社内 (72)発明者 後藤 茂 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水 建設株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−273399(JP,A) 特開 昭62−220697(JP,A) 特開 昭62−153498(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定幅で円弧状を成し少なくとも長さ方向
    両端部に接合用リブを突設してなる第一の鋼板ブロック
    を、該第一の鋼板ブロック自身の長さ方向に接合するこ
    とにより掘削穴の壁面に沿う外リング体を形成する工程
    と、 前記外リング体どうしを幅方向に接続することにより筒
    状の外鋼殻を形成する工程と、 所定幅で前記第一の鋼板ブロックより曲率半径の小さい
    円弧状を成し少なくとも長さ方向両端部に接合用リブを
    突設してなる第二の鋼板ブロックを該第二の鋼板ブロッ
    ク自身の長さ方向に接合することにより内リング体を形
    成する工程と、 前記内リング体どうしを幅方向に接続することにより筒
    状の内鋼殻を形成する工程と、 前記外鋼殻と内鋼殻との間にコンクリートを打設する工
    程と、 前記コンクリートに所要の強度が発現した後、該コンク
    リートの切羽側端面を反力面としてシールド機を掘進さ
    せる工程と、を有してなり、 しかも、前記接合用リブの接合をシーム溶接により行う
    ことを特徴とするトンネルの覆工方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のトンネルの覆工方法を実施
    するための装置であって、 シールド機のスキンプレートの内側に該スキンプレート
    の断面形状に沿った円形状に配置され、前記第一の鋼板
    ブロックを背面側からリング状に保持する外部支保工
    と、 シールド機内にシールド機の軸方向移動自在に設置さ
    れ、前記第一の鋼板ブロックを保持してこの第一の鋼板
    ブロックを前記外部支保工に搬送するエレクターと、 シールド機の軸方向を軸とした円筒状に形成されるとと
    もにシールド機内に前記軸方向移動自在かつ前記軸回り
    回動自在に設置され、前記第二の鋼板ブロックを内面側
    よりリング状に保持する内部支保工と、 シールド機内の前記内部支保工と対面する位置に設けら
    れ、この内部支保工に前記第二の鋼板ブロックを供給す
    るための供給装置と、 シールド機内に設置され、シールド機の軸方向移動自在
    かつ軸回り回動自在に設けられた伸縮アームの先端部に
    該伸縮アームの軸回り回動自在に保持された電極を有し
    てなる自動シーム溶接装置と、 を有してなるトンネルの覆工装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載のトンネルの覆工装置におい
    て、前記外部支保工、前記内部支保工、および前記エレ
    クターは、電磁石を有して構成された着板装置を備えて
    いることを特徴とするトンネルの覆工装置。
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