JP6967946B2 - シールド掘削機のセグメント組立装置及び組立方法 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載のシールド掘進機は、旋回フレームの後方に設けた支持フレームに一対の吊りビームを設け、グリップ装置として前側の吊りビームに第一セグメント保持機構を配設し、後側の吊りビームに第二セグメント保持機構を配設している。第一セグメント保持機構と第二セグメント保持機構の一方を選択して用いることで、他の部材と干渉することなく、異なる形状の複数種類のセグメントを1基のシールド掘削機のエレクター装置で組み立てることができるようにしている。
本発明によれば、いずれかのグリップ装置に複数のセグメントを保持させ、回転フレームの回転に沿って回転する吊りビームで1または複数のグリップ装置を回転させ、吊りビームを径方向外側に移動させてグリップ装置のいずれかで保持する複数のセグメントを周方向に連結して順次セグメントリングを構築する。
1のグリップ装置で互いに連結された複数のセグメントの1個を保持して搬送し、既設のセグメントに連結することで、短時間で効率的にセグメントを組み立てできる。しかも、グリップ装置は一のセグメントのみを保持し、このセグメントに他のセグメントが連結された構成を有しているため、グリップ装置同士の位置ずれ等に起因して複数のセグメントのいずれかにクラックが入ったりセグメント同士が互いに衝突して損傷したりすることを阻止できる。
複数のグリップ装置における回転フレームの回転方向前方側に位置するグリップ装置で一のセグメントを保持してこれに連結された他のセグメントも含めて複数のセグメントを搬送することで、短時間で効率的にセグメントを組み立てできる。
本発明によれば、1または複数のグリップ装置のいずれかによって複数のセグメントを一方向と逆方向に交互に搬送して組み立てることで、短時間で効率的にセグメントを組み立てできる。
グリップ装置は一のセグメントのみを保持し、このセグメントに他のセグメントが連結された構成を有しているため複数のセグメントを効率的に同方向に搬送でき、グリップ装置同士の位置ずれ等に起因して複数のセグメントのいずれかにクラックが入ったり互いに衝突して損傷したりすることを阻止できる。
図1〜図4は実施形態による掘削断面を有するシールド掘削機1のセグメント組立装置であるエレクター装置5を示すものである。
図1及び図2に示す本実施形態によるシールド掘削機1には、シールドフレーム2の筒体状の内周面に沿ってセグメントSを組み立てるセグメント組立装置としてエレクター装置5が設置されている。トンネル穴Tは、地山をカッタヘッドの回転で掘り進むシールド工法によって形成される。セグメントSは筒状体を周方向に所定長さに分割した円弧板状に形成され、トンネル掘進方向の前後に例えばボルトで既設のセグメントSの前端に組み付けられる。
保持部材11の中央側にはそれぞれセグメントSを保持するための一対のグリップ装置15が連結されている。これら一対のグリップ装置15の一方を第一グリップ装置15Aとし、他方を第二グリップ装置15Bとする。各グリップ装置15A,15Bは、セグメントSの内周面の中央に形成したねじ穴に捩じ込む仮止め用の雄ねじを挟み込む装置を備えていてセグメントSを把持することができる。第一グリップ装置15A,第二グリップ装置15Bの両側には、セグメントSの両端部をそれぞれシールドフレーム2の土壁に押圧して位置調整するための一対の押圧ジャッキ部16が設けられている。
これらのグリップ装置15は1台で2個以上のセグメントSの重量を支持可能である。例えば、継手同士で連結された2つのセグメントSの一方をいずれかのグリップ装置15で把持して搬送させることができる。図1において、吊りビーム8が時計回り(左方向)に移動する場合には、左側の第一グリップ装置15Aで左側のセグメントSを把持して移動可能であり、反時計回り(右方向)に移動する場合には、右側の第二グリップ装置15Bで右側のセグメントSを把持して移動可能である。
なお、グリップ装置15によるセグメントSの把持は、セグメントSの雌ねじに螺合された雄ねじとエレクター装置5の挟み込み部との連結に限定されるものではない。例えばグリップ装置15にバキュームパッドを設けて、セグメントSを吸着したり解放したりするバキューム方式を用いてもよく、他の適宜の仮止め機構を採用できる。
図1において、セグメントリングの基準となる最初のセグメントSをセグメントS0、S1とし、その後に順次供給されるセグメントSをS2,S3,S4,……とする。
先ず掘進工程において、シールド掘削機1のカッタでトンネル穴Tの前面の土壁を掘削してトンネル穴Tを掘進する。シールド掘削機1を例えばセグメントリングのトンネル軸方向の幅分だけ前進させて回転フレーム6と共にエレクター装置5も前進させ、新たなセグメントリングを構築するスペースを既設セグメントリングの前方に確保する。
次に、各グリップ装置15の両側に設けた押圧ジャッキ部16でセグメントS0,S1を筒体に押圧させ、第一グリップ装置15A,第二グリップ装置15BをX,Y,Z軸方向に微少移動させて2つのセグメントS0,S1と既設のセグメントSとの各主桁面の継手の位置合わせを行う。また、セグメントS0,S1の各継手面の継手の位置合わせを行う。そして、既設セグメントとセグメントS0,S1の主桁面の継手同士、セグメントS0,S1の継手面の継手同士のボルトやコッター等を作業者が連結する。なお、後続の作業においても、既設セグメントと新たに搬送、構築するセグメントSとの主桁面の継手同士の連結は同様に行われる。
次に、図3に示すように、回転支持ローラ7を駆動させることで回転フレーム6を例えば時計回りに回転させ、吊りビーム8を一体に時計回りに回転させる。互いに連結された2つのセグメントS2、S3は第一グリップ装置15Aで前方側のセグメントS2を把持された状態で時計回りに回転させられる。その際、第二グリップ装置15BはセグメントS3と連結されていない。そのため、第一グリップ装置15Aに保持されたセグメントS2に対してセグメントS3は自重で第二グリップ装置15Bに対して若干離間して相互の距離が広がる。そして、セグメントS3が底部のセグメントS0に重ならない位置に移動した位置で回転フレーム6を停止させる。
そして、第一グリップ装置15AからセグメントS2を分離させ、吊りビーム8を径方向中心側の位置に移動させる。次いで、回転支持ローラ7を逆回転させることで、吊りビーム8と共に回転フレーム6を図1に示す基準位置に戻す。
そして、図4に示すように、回転支持ローラ7を駆動させることで回転フレーム6を反時計回りに回転させ、吊りビーム8を一体に反時計回りに回転させる。互いに連結された2つのセグメントS4、S5は第二グリップ装置15BでセグメントS4を把持された状態で反時計回りに回転させられる。第一グリップ装置15AはセグメントS5と連結されていないため、搬送時にセグメントSの荷重で若干相互の距離が広がる。そして、セグメントS5が底部のセグメントS1に重ならない位置に移動した位置で回転フレーム6を停止させる。
このような作業を順次繰り返すことで、シールドフレーム2の筒体の底部に固定したセグメントS0,S1の両側に各2個のセグメントSを順次取り付けできるため、セグメントリングの組立が効率的になり、組立時間を短縮させることができる。
しかも、最下端部である基準位置のセグメントS0、S1の周方向両側に交互に各2個のセグメントSを下側から上側に向けて連結して組み立てるため、セグメントSの自重によって緊密に精度良くセグメントリングを組み立てできる。
これに対し、吊りビーム8に設けた第一グリップ装置15A,第二グリップ装置15Bで2つのセグメントSを個別に把持して搬送すると、2つのセグメントSが継手で連結されている場合には左右の第一及び第二グリップ装置15A,15Bの微細な位置ずれによって各セグメントSに荷重や応力のずれが生じてクラック等が入るおそれがある。また、2つのセグメントS同士が連結されていない場合には、搬送時のセグメントSの位置ずれや振動等でセグメントS同士が接触したり衝突したりして損傷する恐れがある。
この場合、グリップ装置15に把持されない搬送方向前方側のセグメントSは、自重のためにグリップ装置15との距離が若干開くため搬送抵抗になる。
しかし、トンネル穴Tの上端部や中間高さのセグメントSを基準位置としてその両側に交互にセグメントを組み立てるようにしてもよい。或いは、第一グリップ装置15A及び第二グリップ装置15Bで一方向に2個のセグメントSを搬送して順次取り付けるようにしてもよい。
また、吊りビーム8の保持部材11に1つのグリップ装置15を設けて、このグリップ装置15に1のセグメントSを仮固定し、このセグメントSに他のセグメントSを継手で固定するようにしてもよい。この構成で回転フレーム6を正逆方向に回転させることで、グリップ装置15で複数個のセグメントSを正逆方向に搬送して、基準位置のセグメントS0,S1の両側に順次取り付け固定するようにしてもよい。
2 シールドフレーム
5 エレクター装置
6 回転フレーム
7 回転支持ローラ
8 吊りビーム
13 油圧ジャッキ
15 グリップ装置
15A 第一グリップ装置
15B 第二グリップ装置
16 押圧ジャッキ部
S、S0、S1、S2 セグメント
T トンネル穴
Claims (5)
- シールド掘削機に配設されていて回転可能な回転フレームと、
前記回転フレームに設けられていて径方向に進退可能な吊りビームと、
前記吊りビームに設けられていてセグメントをそれぞれ保持可能な複数のグリップ装置と、を備え、
前記回転フレームの回転によって前記グリップ装置のいずれかで保持する継手面が連結された複数のセグメントを搬送して組み立てるようにしたことを特徴とするシールド掘削機のセグメント組立装置。 - 前記複数のグリップ装置のいずれかで一の前記セグメントを保持すると共に、該一のセグメントに他のセグメントが連結されている請求項1に記載されたシールド掘削機のセグメント組立装置。
- 前記一のセグメントを保持する前記グリップ装置は、前記回転フレームの回転方向に移動している前記複数のグリップ装置のうちの先頭のグリップ装置である請求項2に記載されたシールド掘削機のセグメント組立装置。
- シールド掘削機に配設された回転フレームを周方向に回転させることで、セグメントを組み立てるようにしたシールド掘削機のセグメント組立方法であって、
前記回転フレームに設けた吊りビームに固定した複数のグリップ装置のいずれかで継手面が連結された複数のセグメントを保持し、
前記回転フレームを一方向に回転させることで、前記複数のグリップ装置のいずれかで保持する継手面が連結された複数のセグメントを搬送して組み立て、
次に前記回転フレームを逆方向に回転させることで、前記複数のグリップ装置のいずれかで保持する継手面が連結された複数のセグメントを逆方向に搬送して組み立てることを特徴とするシールド掘削機のセグメント組立方法。 - 前記回転フレームの回転方向に移動している前記複数のグリップ装置のうちの先頭のグリップ装置で一のセグメントを保持すると共に、該一のセグメントに他のセグメントが連結されている請求項4に記載されたシールド掘削機のセグメント組立方法。
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