JP2699140B2 - 油ゲル化剤 - Google Patents

油ゲル化剤

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JP2699140B2
JP2699140B2 JP5209843A JP20984393A JP2699140B2 JP 2699140 B2 JP2699140 B2 JP 2699140B2 JP 5209843 A JP5209843 A JP 5209843A JP 20984393 A JP20984393 A JP 20984393A JP 2699140 B2 JP2699140 B2 JP 2699140B2
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幹夫 新川
勇生 秋元
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株式会社ジャパンオイルトリートメント
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水面上に流出したり、
床にこぼれたりした油を瞬時にゲル化し、回収除去する
に好適な処理剤を提供することに関する。
【0002】
【従来の技術】近年石油消費量の増加に伴い、その採
掘、輸送、貯蔵、さらにその使用時に事故や操作の誤り
などにより、石油類の漏出や流出が発生し、環境汚染と
いう重大な問題を惹起している。また、工場などにおい
ても、種々の油が利用されているが、その輸送、貯蔵、
使用のときに、それら油が流出し、その取扱いに難渋す
ることがしばしばである。
【0003】従来、タンカーや製油所から流出した油を
処理する方法としては、例えばオイルフェンスを張っ
て、そのフェンスの中にある油を汲み上げる方法、油処
理中和剤を散布する方法などがある。しかしこのフェン
ス方式は操作が厄介であり、しかもその回収が不十分で
ある嫌いがある。また中和剤方式は、環境汚染が依然と
して残り、よい処理方法とはいい難い。
【0004】また、種々の有機天然材料由来の吸着剤に
油を吸着させて回収する方法が知られている。この方法
は操作が容易であり、しかも油をよく吸着するので環境
汚染防止の観点からは、優れているといえる。この種の
吸着剤としては、蛋白質があげられ、その具体例として
は卵白アルブミン、ゼラチンなどがあげられる。しかし
これらのものは、油の吸着量が少なく、また油を吸着し
た後のゲルが柔らかいため、その捕収が難しいという欠
点がある。一方、合成有機材料も開発され、市場に出回
っている。例えば、ジベンジリデンソルビトールを有機
溶媒に溶かしたものがある。しかしこれは引火性がある
ので取扱い難さがあり、また溶媒が水を汚染するという
欠点がある。このような欠点のないものとしては、ポリ
ノルボルネンを粉状にしたものも提案されている。これ
は引火性がなく、油の吸着量も高く、それなりに好適な
ものであるといえる。しかし、原料の関係でコストが高
く、大量に流出した油に適用させるには、不向きであ
る。これに対して、安い原料を用いたものとして米国特
許第3518183号には、ポリスチレン・ポリイソプ
レンブロックコポリマーが提案されている。また特公昭
49−130369号公報には、ポリスチレン・ポリブ
タジエンブロックコポリマーが好ましいこと、その分子
構造の末端のひとつはポリブタジエン相であるべきであ
ることが記載されている。しかしこれらの内容をみる
と、これらで提案されているブロックコポリマーが吸着
する油の量は、ブロックコポリマー1部が油1部を吸着
する程度であり、以外と少ない。この程度では、ブロッ
クコポリマーの所要量が多くなり、実用上満足し難い。
しかも、ゲル化のための時間が長いという欠点もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的とすると
ころは、上述の従来技術のもつ問題点、不満を解決する
ことにある。すなわち流出した油を短時間に大量に吸着
し、しかも低コストの油ゲル化剤を提供することにあ
る。本発明者等は、種々研究を進めた結果、次のような
発明を得るに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、前述した本発
明の課題は、メルトフローレート(ASTM D123
8 200℃ 5kgの条件で測定)が、10分で5g
以下であり、ポリマー分子構造の末端にポリスチレンブ
ロック相をもつポリスチレン・ポリブタジエンブロック
コポリマーを粉砕してなる粒体状油ゲル化剤を用いるこ
とによって、解決される。
【0007】以下本発明の詳細を説明する。本発明にお
けるブロックコポリマーは、そのポリマー分子構造の末
端にポリスチレンブロック相をもつものであり、その分
子構造が線状構造、ラジアル構造、ラジアルテレ構造の
いずれであってもよい。要はその末端がポリスチレンブ
ロック相であることを要する。このような構造であるこ
とが、油類のゲル化に対し著効を示すのである。もし、
末端の全部または一部がポリブタジエンブロック相であ
ると、油類を吸収したゲルが軟弱となり、そのゲルの取
扱いが難しくなる。ここで、ポリスチレン/ポリブタジ
エンの比率は、重量で10/90〜70/30の範囲が
好適である。さらに、その重合度はあるレベル以上が必
要であるが、いわゆる分子量で測るよりもむしろ、本発
明のような場合では、生成したゲルの固さからみて、メ
ルトフローレートでみる方が実用的であることが判明し
た。メルトフローレートは、米国の標準検査法(AST
MD1238)によって測られる。本発明では、その試
験の条件は、温度200℃、荷重5kgを採用してい
る。この試験によって吐出されるポリマーの重量で、そ
のポリマーの性質を知ることができる。すなわち、その
値が5kgを越えていると、油類を吸収したゲルが軟弱
であり、そのゲルの取扱いが困難である。その値が5k
g以下であれば、ゲルが適度に固く、取扱いが楽であ
る。とくに水面に浮いたゲルを網で回収する場合は、非
常に容易になる。以上のとおり、ブロックコポリマーの
分子構造とそのメルトフローレートが臨界的意味をもつ
のである。
【0008】さらに、本発明のポリスチレン・ポリブタ
ジエンブロックコポリマーは、適度な大きさをもつ粉体
が望ましいといえる。あまりにも大きい粒(たとえばク
ラム状)であると、油類を吸着する速度が小さくなった
り、粉体同志の結合融着が減ったりする。そのため取扱
いが困難になる。本発明では、その粉体の粒度について
も検討した結果、クラムなどを粉砕した場合、得られた
ポリマーの粉体を20メッシュのTyler標準ふるい
でふるい分けたとき、少なくとも80%がアンダーパス
するような粒度のものが好ましいことがわかった。なお
20メッシュのふるいの目の開きは、0.833mmで
ある。なお、これら粉体には、必要に応じて、粉体同志
塊になることを防ぐため、アンチブロッキング剤を共存
させることもできる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0010】実施例1 通常の重合法によって、末端にポリスチレン相を持つ線
状のポリスチレン・ポリブタジエンブロックコポリマー
(スチレン/ブタジエンの重量比=19/81)を得
た。メルトフローレートを測定した結果、10分間で1
g以下であった。これを粉砕機にかけ、粉体とした。2
0メッシュのふるいにかけたところ、98%がふるいを
通った(98%アンダーパス)。一方200ccのビー
カーに水100ccを入れ、この中に灯油10gを注い
で、灯油を水の表面に浮かせた。このビーカーの中に、
上述のポリスチレン・ポリブタジエンコポリマーの粉体
3gを5秒間かけて、降らせた。灯油はただちにコポリ
マー粉体に吸収され、水の表面に半透明の固いゲル層が
できた。3分後にこの層に、先端幅5mmのスパチュラ
を差し込もうとしたが差し込めず、また容易に取り上げ
ることができた。このゲルには水は含まれていなかっ
た。またビーカー中に残った水には、灯油はまったく存
在しなかった。
【0011】実施例2 実施例1で得られたポリスチレン・ポリブタジエンコポ
リマーの粉体3gをB重油10gの上に降らせた。固い
層ができ、その層を容易にピーカーから取り除くことが
できた。
【0012】実施例3 スチレン/ブタジエン重量比が30/70の、末端にポ
リスチレン相を持つラジアルテレ構造のポリスチレン・
ポリブタジエンコポリマーを重合させた。メルトフロー
レートは、10分間で1g以下であった。このポリマー
を粉砕し、20メッシュ95%アンダーバスの粉体にし
た。この粉体を実施例1および2と同じ方法で油ゲル化
効果をみた。この粉体も固いゲルの層をつくり、容易に
ゲルを取り除くことができた。また残った水には油層は
認められなかった。
【0013】実施例4 スチレン/ブタジエン重量比が40/60の、末端にポ
リスチレン相を持つラジアルテレ構造のポリスチレン・
ポリブタジエンコポリマーを得た。メルトフローレート
は、10分間で1g以下であった。このポリマーを粉砕
し、20メッシュ96%アンダーパスの粉体にした。こ
の粉体を実施例1および2とおなじ方法で油ゲル化効果
をみた。この粉体も固いゲルの層をつくり、容易にゲル
を取り除くことができた。また残った水には油層は認め
られなかった。
【0014】実施例5 スチレン/ブタジエン重量比が60/40の、末端にポ
リスチレン相を持つ線状構造のポリスチレン・ポリブタ
ジエンコポリマーを得た。メルトフローレートは、10
分間で1.5gであった。このポリマーを粉砕し、20
メッシュ97%アンダーパスの粉体にした。この粉体を
実施例1および2と同じ方法で油ゲル化効果をみた。こ
の粉体も実施例1および2の場合よりもやや柔らかいも
のの、かなり固いゲルの層をつくり、ビーカーから容易
にゲルを取り除くことができた。また残った水には油層
は認められなかった。
【0015】実施例6 スチレン/ブタジエン重量比が30/70の、末端にポ
リスチレン相を持つ線状構造のポリスチレン・ポリブタ
ジエンコポリマーを得た。メルトフローレートは、10
分間で1.5gであった。このポリマーを粉砕し、20
メッシュ96%アンダーパスの粉体にした。この粉体を
実施例1および2と同じ方法で油ゲル化効果をみた。た
だし、このときは、油の重量を12gとした。この粉体
も実施例1および2の場合よりもやや柔らかいものの、
かなり固いゲルの層をつくり、ビーカーから容易にゲル
を取り除くことができた。また残った水には油層は認め
られなかった。
【0016】実施例7 直径50cmの円筒形のバットの中に水をはり、この中
に灯油を20g注いだ。灯油は水の表面にひろがった。
この上に実施例1で得られた粉体6gを均一に降らせ
た。ただちに灯油はゲル化を開始し、水の表面にゲルの
膜ができた。3分後、このゲル膜を目開き5mmの網で
すくって取り除いた。わずかばかりの細かいゲルの粉が
水の表面に残ったが、水には油が認められなかった。
【0017】比較実施例1 実施例1とは重合条件を変え、スチレン/ブタジエン重
量比が30/70の、末端にポリスチレン相をもつ線状
構造のポリスチレン・ポリブタジエンコポリマーを得
た。メルトフローレートは、10分間で6gであった。
このポリマーを粉砕し、20メッシュ90%アンダーパ
スの粉体にした。この粉体を実施例1および2と同じ方
法で油ゲル化効果をみたが、得られたゲルは軟弱で、粘
着性があり、網ですくおうとしたが、一部網目からこぼ
れ落ち、また網の上に残ったものは、網にへばりつき取
り除き操作が非常に困難であった。また、水面に少し油
が存在していた。
【0018】比較実施例2 実施例1と同じ条件で、スチレン/ブタジエン重量比が
30/70の、末端にポリスチレン相を持つ線状構造の
ポリスチレン・ポリブタジエンコポリマーを得た。メル
トフローレートは、10分間で1g以下であった。この
ポリマーを粉砕し、20メッシュ35%アンダーパスの
粉体を得た。この粉体を実施例1および2とおなじ方法
で油ゲル化効果をみたが、油に吸着しゲルになるまでの
時間は4時間と長く、また、ゲルを取り除いた後の水層
には、油が認められた。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、従来の技術に比べて、
油吸着量が大きく、また得られたゲルの取扱いが容易で
ある低コストの油ゲル化剤を製造できる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メルトフローレート(ASTM D12
    38 200℃ 5kgの条件で測定)が、10分で5
    g以下であり、ポリマー分子構造の末端にポリスチレン
    ブロック相をもつポリスチレン・ポリブタジエンブロッ
    クコポリマーを粉砕してなる粒体状油ゲル化剤。
  2. 【請求項2】 その80%以上が、20メッシュ(Ty
    ler標準ふるい)アンダーパスである粒度をもつ請求
    項1記載の粒体状油ゲル化剤。
JP5209843A 1993-06-30 1993-06-30 油ゲル化剤 Expired - Lifetime JP2699140B2 (ja)

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