JP2698402B2 - 石炭液化循環溶剤の水素化処理用触媒 - Google Patents

石炭液化循環溶剤の水素化処理用触媒

Info

Publication number
JP2698402B2
JP2698402B2 JP63273075A JP27307588A JP2698402B2 JP 2698402 B2 JP2698402 B2 JP 2698402B2 JP 63273075 A JP63273075 A JP 63273075A JP 27307588 A JP27307588 A JP 27307588A JP 2698402 B2 JP2698402 B2 JP 2698402B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
coal liquefaction
zeolite
hydrotreating
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63273075A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02122832A (ja
Inventor
敏男 山口
尚登 金原
岳司 橋口
英治 横塚
吉幸男 植草
勝造 白石
征明 御手洗
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP63273075A priority Critical patent/JP2698402B2/ja
Publication of JPH02122832A publication Critical patent/JPH02122832A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2698402B2 publication Critical patent/JP2698402B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は石炭液化循環溶剤の新規な水素化処理用触媒
に関する。
〔従来の技術〕
石炭の液化とは、基本的には石炭に高温、高圧下で水
素を作用させて、水素/炭素原子比の小さな高度縮合炭
化水素化合物を水素/炭素原子比の大きな低分子炭化水
素化合物である軽質、中質および重質油成分に転化する
技術である。このような石炭の液化方法は種々提案され
ているが、代表的な方法としては微粉砕した石炭を溶剤
と混合してスラリー化し、該スラリーに粉状の酸化鉄あ
るいは硫化鉄を触媒として加え水素を供給しながら温度
430〜460℃、圧力150〜250kg/cm2で液化反応を起こさせ
る方法である。この方法で石炭を構成している炭化水素
化合物は溶剤中の水素供与性を有する化合物および気相
中の水素ガスから水素を供与されて水素化分解し、液状
の炭化水素に転化される。この液状生成物は石炭液化油
として回収されるが、その一部、特に中・重質油成分
(220〜538℃留分)の一部は前記石炭液化工程の溶剤と
して循環され、その際該循環溶剤に水素供与性を付与す
るために水素化処理が施される。この溶剤水素化処理は
触媒を充填した反応塔に前記中・重質油成分を水素と共
に送り込み、高温、高圧下で反応させるもので、この処
理により中・重質油成分中の多環芳香族化合物はテトラ
リン類、ジヒドロアントラセン類塔の水素供与性を有す
る部分水素化芳香族化合物に転化される。
この溶剤水素化処理工程の触媒としては、従来アルミ
ナ、アルミナ−シリカ等の担体にモリブデン、タングス
テン等の周期律表第VI族金属とコバルト、ニッケル等の
第VIII族金属を担持させた石油精製用の触媒が用いられ
ている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記の従来の触媒では溶剤水素化能は優れているが、
循環溶剤中に含まれている高沸点パラフィンの分解能が
乏しいという欠点があった。この高沸点パラフィンは石
炭液化反応により生成し、石炭液化溶剤としては好まし
い性質である、液化反応により生成する芳香族化合物に
対する水素供与性や溶解力をもっていないため、循環溶
剤中に高沸点やパラフィンが蓄積されると、石炭液化プ
ロセスを長期間安定した状態で効率よく運転することが
困難となる。そのため、高沸点パラフィン含有量の高い
石炭液化循環溶剤のパラフィン分解能に優れた触媒の開
発が望まれていた。
本発明の目的は高沸点パラフィンを多量に生成する炭
種に対してもパラフィンを効率的に分解して、循環溶剤
中に高沸点パラフィンが蓄積することを防止し、石炭液
化プロセスを長期間安定して運転できる石炭液化循環溶
剤の水素化処理用触媒を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために本発明の触媒は、γ−アル
ミナ20〜80重量%とSiO2/Al2O3モル比が25〜100であり
酸濃度が0.35〜1.25mmol/gのペンタシル型ゼオライト20
〜80重量%とからなる担体に周期律表第VI族金属から選
ばれる少なくとも一種が酸化物に換算して10〜20重量%
および第VIII族金属金属から選ばれる少なくとも一種が
酸化物に換算して3〜10重量%担持され、水銀圧入法で
測定した細孔分布で平均直径が120〜220Åであり、且つ
平均細孔直径±10Åの細孔容積が直径40Å以上の細孔容
積の60%以上である点に特徴がある。
〔作 用〕
本発明に用いる担体はγ−アルミナとペンタシル型ゼ
オライトからなり、これは擬ベーマイト形態のアルミナ
水和物とペンタシル型ゼオライトとを混練し成型後、乾
燥、焼成することで得られる。
この担体に用いられるアルミナ水和物は例えば、アル
ミン酸ナトリウム溶液と硫酸とをpH7〜10の範囲で同時
もしくはほぼ同時に滴下して、アルミナ水和物を析出さ
せた後熟成し、アルミナ水和物の結晶を均質に成長させ
ることにより得られる。
このアルミナ水和物を用いることにより本発明の触媒
に好適の細孔分布を得ることができる。
本発明に用いる担体成分の一つであるペンタシル型ゼ
オライトは一般にM2O・Al2O3・25〜10000SiO2(Mは金
属カチオンを示す)で表わされる組成を有する結晶性ア
ルミナ珪酸塩であり、例えば珪酸ナトリウムのようなシ
リカ源と、硝酸アルミニウムや塩化アルミニウム等のア
ルミナ源とをオートクレーブ中で反応させて合成するこ
とができる。
このペンタル型ゼオライトのSiO2/Al2O3モル比および
酸濃度は高沸点パラフィン分解特性を支配する重要な因
子である。該ゼオライトの酸濃度はアンモニア昇温脱離
(NH3−TPD)法による固体酸性度の測定により求めた。
該ゼオライトのSiO2/Al2O3モル比が100を超えると酸
濃度は著しく低下し、触媒として用いたときの高沸点パ
ラウィン分解活性も同時に低下する。また、該ゼオライ
トのSiO2/Al2O3モル比が25未満であると酸濃度は高い
が、触媒として用いたときに副反応を併発し易く、その
結果、炭素質の析出により触媒の細孔閉塞が起こり触媒
寿命を短くする。従って該ゼオライトのSiO2/Al2O3モル
比が25〜100の範囲で、酸濃度が0.35〜1.25mmol/gの範
囲とする必要があり、好ましくはSiO2/Al2O3モル比は35
〜80の範囲であり、酸濃度は0.35〜0.90mmol/gの範囲で
ある。なお酸濃度を0.35〜1.25mmol/gの範囲とした理由
は、0.35mmol/g未満の場合、或いは1.25mmol/gを超えた
場合C22 +高沸点パラフィンの分解活性が十分に得られな
いからである。
また、このペンタシル型ゼオライトはアルカリ金属イ
オンが水素イオンでイオン交換されていることが望まし
い。アルカリ金属イオンを水素イオンにイオン交換する
ことにより、該ゼオライトの酸濃度が増加し、高沸点パ
ラフィンの分解機能が向上するからである。
このイオン交換は該ゼオライトを塩化アンモニウム、
硝酸アンモニウム等の水溶液中で接触させることによ
り、容易に行うことができる。該ゼオライトのイオン交
換率は50%以上であることが好ましい。
担体中のゼオライトが20重量%未満では高沸点パラフ
ィン分解能が低くなり、80重量%をこえると本発明の触
媒の細孔特性を有する触媒は得られず、担体の強度も著
しく低下する。従ってペンタシル型ゼオライトの好まし
い配合割合は25〜60重量%である。
本発明に用いるペンタシル型ゼオライトの平均粒子径
は5μm以下が望ましい。該ゼオライトの平均粒子径が
5μmより大きくなるとアルミナ水和物と十分に混練す
ることが困難となり、担体中に該ゼオライトが不均一に
分散されるため本発明の触媒の細孔特性を有する担体は
得られず、担体の強度も著しく低下するからである。上
記担体には循環溶剤の水素化処理に活性な触媒成分を担
持させる。この触媒成分は周期律表第VI族金属から選ば
れる少なくとも一種が酸化物に換算して10〜20重量%お
よび第VIII族金属から選ばれる少なくとも一種が酸化物
に換算して3〜10重量%とから成り、その好ましい例と
して第VI族金属ではモリブデンと、第VIII族金属ではニ
ッケルまたはコバルトを挙げることができる。
これらの活性金属の担持量をあまり多くすると不経済
なばかりでなく触媒の細孔容積、比表面積を減少させ触
媒活性に対して負の効果を与えることがある。また、触
媒成分の担持量が上記の範囲を下回ると溶剤の水素化機
能が低下し、高沸点パラフィン成分の分解活性を低下す
る。
本発明の触媒においては細孔分布も極めて重要で、γ
−アルミナとゼオライトからなる触媒担体の平均細孔直
径や細孔分布につては溶剤の水素化機能、高沸点パラフ
ィン分解活性に有効な直径を有する細孔をできるだけ多
くし、且つ平均細孔直径が特定な値であることが必要
で、その細孔構造の条件は水銀圧入法で測定した細孔分
布で平均直径が120〜220Åの範囲であり、且つ平均細孔
直径±10Åの細孔が占める容積が細孔直径40Å以上の細
孔の占める容積の60%以上であることが必要である。
平均細孔直径が120Åより小さい細孔では反応物質で
ある高沸点パラフィンの触媒粒子内での拡散抵抗が大き
くなり高沸点パラフィン分解活性が低下する。また、平
均細孔直径が220Åより大きい細孔には一度に多数の反
応物質が入り込むために、細孔入口での反応が多くなり
炭素質析出物による細孔閉塞を起こすことで水素化機能
および高沸点パラフィン分解活性が低下する。
更に、平均細孔直径±10Åの細孔の占める容積の60%
以下のとき、すなわち細孔分布が特定の範囲内に集中し
ていないときには、たとえ平均細孔直径が120〜220Åの
範囲内に入っていたとしても石炭液化循環溶剤の水素化
機能、高沸点パラフィン分解反応に有効な直径な細孔が
減少するので、水素化能と高沸点パラフィン分解活性と
が低下する。従って目的とする反応に十分活性を有する
触媒としては、その反応分子に対して最適な大きさの直
径の細孔をできるだけ多く有し、細孔分布を最適範囲に
できるだけ集中させた触媒を得ることが必要である。
細孔分布を最適範囲に集中させる制御は前記アルミナ
水和物の製造において反応温度を60〜80℃に保持し且つ
pH7〜10好ましくはpH8〜10の範囲でアルミン酸ナトリウ
ム溶液と硫酸を同時もしくはほぼ同時に滴下する滴下時
間の増減で行うことができる。
例えば、該アルミナ水和物ゲルの酸化物換算で60重量
%に前記ペンタシル型ゼオライトを40重量%を加えニー
ダー中で加熱混練し、アルミナ−ゼオライト濃度として
35〜40重量%の範囲のペーストとし、このペーストを所
望の形状のダイスを有する押し出し成型機により成型し
た後、80〜120℃の温度範囲で乾燥し、更に400〜600℃
の温度範囲で焼成することによって担体が製造できる。
該担体に活性成分を担持させるためには周期律表第VI
族金属および第VIII族金属の塩化物、硝酸塩またはアン
モニウム塩などの可溶性金属塩を用いて含浸液を調製
し、一液含浸法、二液含浸法などの常法により含浸す
る。活性金属を含浸とした後、例えば80〜120℃の温度
範囲で乾燥し、次いで400〜600℃の温度範囲で焼成する
ことによって触媒組成物が得られる。
本発明の触媒は従来の触媒と同様に石炭液化工程から
得られる液化循環溶剤を用いてもよいが、該液化循環溶
剤を軽度に水素化前処理した処理油を用いることで水素
化能、高沸点パラフィン分解活性を更に向上させること
ができる。
ここで言う軽度水素化前処理とは石炭液化溶剤中のス
ラッジ様懸濁物質等をある程度除去させるのが主目的で
あり溶剤中に含まれている炭素、水素、およびパラフィ
ン等の成分までも反応させるために行うものではない。
本発明の触媒を用いて石炭液化循環溶剤を水素化処理
するには、本触媒を反応塔に充填し、石炭液化工程から
得られる中・重質油を水素と共に送り込み、温度350〜4
00℃、圧力50〜150kg/cm2で反応させる。液空間速度
(単位時間当りの通油量/触媒充填量)は0.2〜2hr-1
水素供給量は対溶剤比で500〜1000N/程度が適当で
ある。
また、石炭液化循環溶剤に軽度水素化前処理を施す場
合は市販の石油精製用水素化処理触媒を反応塔に充填し
石炭液化工程から得られる溶剤を水素と共に送り込み、
温度300〜350℃、圧力50〜100kg/cm2、液空間速度3〜5
hr-1、水素供給量は対溶剤比で300〜1000N/反応さ
せ液化循環溶剤の軽度水素化前処理油を得る。次いで、
本発明の触媒を反応塔に充填し、前記前処理油を水素と
共に送り込み、温度300〜350℃、圧力50〜150kg/cm2
液空間速度0.2〜2hr-1、水素供給量は対溶剤比で500〜1
000N/の条件で反応させる。なお、反応塔の前段に
市販の石油精製用水素化処理触媒を充填し、後段に本発
明の触媒は充填して反応させてもよい。このようにして
処理した溶剤はそのまま石炭液化工程に送って循環溶剤
としてもよいし、蒸留により軽質分を回収してから液化
工程に送ってもよい。
〔実施例〕
(1)触媒の調製 実施例1 内容積30の撹拌機付きステンレス製の反応槽に水を
14加え70℃まで加温保持した。次ぎに9Nの硫酸を3.98
kgとNa2O/Al2O3モル比1.56のAl2O3濃度18.4%のアルミ
ン酸ナトリウム溶液3.25kgとをpH9.5から10.0の範囲を
保持しながら15分間で全量を同時もしくはほぼ同時に滴
下し、次いで60分間熟成した。この間スラリーの温度は
70℃に保持した。得られたアルミナ水和物スラリーを濾
過後再分散し濾過する操作を3回繰り返してAl2O3含量1
6.0重量%のアルミナ水和物ゲルを得た。一方、SiO214.
5重量%の珪酸ナトリウム溶液とAl2O32.7重量%の塩化
アルミニウム溶液との混合物をオートクレーブに仕込
み、撹拌しながら170℃まで昇温し、該温度を保持して2
4時間熟成する。得られた生成物を濾過・水洗した。次
ぎに、濃度1.0重量%の硝酸アンモニウム溶液を用いて
イオン交換を行い濾過した後100℃で15時間乾燥し更に
電気炉中で2時間焼成してSiO294.5重量%、SiO2/Al2O3
モル比54、Na2O0.02重量%、平均粒径3.7μm、酸濃度
0.56mmol/gの水素イオン交換型のペンタシル型ゼオライ
トを得た。
前記アルミナ水和物90.5重量部にペンタシル型ゼオラ
イト9.5重量部を加えてニーダー中で加熱混練しアルミ
ナ−ゼオライト濃度として35重量%の可塑性のある混和
物を得た。
この混和物を直径1.00mmのダイスを有する押し出し成
型機により成型した後、110℃で18時間乾燥し、更に電
気炉で空気中500℃で2時間焼成して触媒担体を得た。
この担体にモリブデン酸アンモニウムと硝酸ニッケル
をアンモニア水に溶解した液を含浸させた後110℃で16
時間乾燥し、電気炉で空気中500℃で2時間焼成して触
媒Aを調製した。この触媒Aほモリブデンおよびニッケ
ルの担持量は酸化物に換算してそれぞれ17重量%および
4重量%であった。触媒Aの組成と物性をそれぞれ第1
表および第2表に示す。
実施例2 9Nの硫酸とNa2O/Al2O3モル比1.56のAl2O3濃度18.4%
のアルミン酸ナトリウムとの同時もしくはほぼ同時に滴
下する時間を種々変えてアルミナ水和物を得、また、Si
O2/Al2O3モル比、平均粒径、酸濃度の異なるペンタシル
型ゼオライトを調製し、これらを適宜組み合わせ実施例
1と同様の方法で触媒B、C、D、E、F、G、H、
I、J、KおよびLを調製した。これらの触媒の組成と
物性とをそれぞれ第1表および第2表に示す。
(2)触媒性能 上記のように調製された各触媒について、次のように
して性能を調べた。
石炭液化を用いて触媒評価 触媒10mlを筒状反応器に充填して固体床流通反応装置
となし、n−ブチルメルカプタンを3重量%添加した軽
油を通じて触媒の予備硫化を行った。この硫化条件は温
度300℃、水素圧力100kg/cm2、液空間速度1.0hr-1、水
素/硫化油比1000N/とし、10時間処理した。次い
で第3表に示す性状のオーストラリア産ワンドアン炭の
液化により得られた石炭液化油を水素と共に通じ水素化
処理した。この水素化処理において反応温度を380℃、
水素圧力100kg/cm2、液空間速度1.0r-1、水素/硫化油
比1000N/とし、100時間処理した。処理油は通油開
始12時間以降2時間毎にサンプリングして平均試料とし
芳香族指数、fa、重質留分(沸点350℃以上)分解率お
よび高沸点パラフィン(炭素原子数22以上)の分解率を
調べた。それらの結果を第5表および第6表に示す。
石炭液化油を軽度水素化前処理した処理油を用いての
触媒評価 市販の石油精製用水素化処理触媒10mlを筒状反応器に
充填して固定床流通反応装置となし、n−ブチルメルカ
プタンを3重量%添加した軽油を通じて触媒の予備硫化
を行った。この硫化条件は温度300℃、水素圧力100kg/c
m2、液空間速度1.0hr-1、水素/硫化油比1000N/と
し、10時間処理した。次ぎに第3表に示す性状のオース
トラリア産ワンドアン炭の液化により得られた石炭液化
油を水素と共に通じ軽度に水素化前処理した。この該前
処理において反応温度350℃、水素圧力100kg/cm2、液空
間速度3.5hr-1、水素/硫化油比500N/の条件で処
理した。軽度に水素化前処理して得られた前処理油の性
状を表4に示す。
次いで、上記軽度水素化前処理油を用いて(2)の
に示す反応条件と同様の方法で触媒の性能評価を行っ
た。それらの結果を第5表および第6表に示す。
第5表および第6表における触媒性能は、実施例1で
調製した触媒Aを標準とし、(2)のでの触媒性能評
価における触媒Aの活性項目をすべて100とした相対容
量活性指数で示す。
ここで、原料油として石炭液化油を用いた場合の触媒
性能評価において、触媒Bはゼオライト含有量が低く、
触媒Hは活性金属の担持量が少なく、また触媒Iは平均
細孔直径が小さすぎるために、C22 +高沸点パラフィン分
解活性および沸点350℃以上の留分の分解活性が十分で
はないことを示している。触媒E、FはゼオライトのSi
O2/Al2O3比および酸濃度が低すぎるかあるいは高すぎる
ためC22 +高沸点パラフィン分解活性が十分ではないこと
を示している。また、触媒Lは細孔分布が最適領域に集
中していないために、水素活性、沸点350℃以上の留分
の分解活性およびC22 +高沸点パラフィン分解活性が十分
ではないことを示している。
更に、原料油として石炭液化油を軽度水素化前処理し
た処理油を用いた場合の触媒性能評価においては水素化
活性、沸点350℃以上の留分の分解活性およびC22 +高沸
点パラフィン分解活性がいずれも高活性に飛躍すること
を示している。
〔発明の効果〕 本発明の触媒および石炭処理油の処理方法は液化循環
溶剤の水素化活性、沸点350℃以上の留分の分解およびC
22 +高沸点パラフィン分解を共に効率よく行うことがで
き、特に高沸点パラフィン分解能に優れている。このた
め、パラフィンを多量に生成する炭種の石炭液化操業を
長期にわたり安定して行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白石 勝造 千葉県印旛郡印西町木刈6―18―7 (72)発明者 御手洗 征明 千葉県鎌ケ谷市初富448―189 (56)参考文献 特開 昭58−146445(JP,A) 特開 昭60−255145(JP,A) 特開 昭60−255144(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】γ−アルミナ80〜20重量%とSiO2/Al2O3
    ル比が25〜100であり酸濃度が0.35〜1.25mmol/gのペン
    タシル型ゼオライト20〜80重量%とからなる担体に周期
    律表第VI族金属から選ばれる少なくとも一種が酸化物に
    換算して10〜20重量%および第VIII族金属から選ばれる
    少なくとも一種が酸化物に換算して3〜10重量%担持さ
    れ、該触媒の細孔構造特性が水銀圧入法で測定した細孔
    分布で平均直径が120〜220Åであり、平均細孔直径±10
    Åの細孔容積が直径40Å以上の細孔容積の60%以上であ
    ることを特徴とする石炭液化循環溶剤の水素化処理用触
    媒。
  2. 【請求項2】前記ゼオライト中のSiO2/Al2O3モル比が35
    〜80である特許請求の範囲第(1)項記載の石炭液化循
    環溶剤の水素化処理用触媒。
  3. 【請求項3】前記ゼオライトの酸濃度が0.35〜0.90mmol
    /gである特許請求の範囲第(1)項または第(2)項記
    載の石炭液化循環溶剤の水素化処理用触媒。
  4. 【請求項4】前記ゼオライトのアルカリ金属イオンが水
    素イオンでイオン交換されている特許請求の範囲第
    (1)項、第(2)項または第(3)項記載の石炭液化
    循環溶剤の水素化処理用触媒。
  5. 【請求項5】前記担体のγ−アルミナとゼオライトとの
    配合割合がγ−アルミナ40〜75重量%、ゼオライト25〜
    60重量%である特許請求の範囲第(1)項、第(2)
    項、第(3)項または第4項記載の石炭液化循環溶剤の
    水素化処理用触媒。
  6. 【請求項6】前記第VI族金属がモリブデンで第VIII族金
    属がニッケルまたはコバルトである特許請求の範囲第
    (1)項、第(2)項、第(3)項、第(4)項または
    第(5)項記載の石炭液化循環溶剤の水素化処理用触
    媒。
  7. 【請求項7】石炭液化循環溶剤を軽度に水素化処理した
    後、その処理油を接触させることを特徴とする特許請求
    の範囲第(1)項、第(2)項、第(3)項、第(4)
    項、第(5)項または第(6)項記載の石炭液化循環溶
    剤の水素化処理用触媒の使用方法。
JP63273075A 1988-10-31 1988-10-31 石炭液化循環溶剤の水素化処理用触媒 Expired - Fee Related JP2698402B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63273075A JP2698402B2 (ja) 1988-10-31 1988-10-31 石炭液化循環溶剤の水素化処理用触媒

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63273075A JP2698402B2 (ja) 1988-10-31 1988-10-31 石炭液化循環溶剤の水素化処理用触媒

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02122832A JPH02122832A (ja) 1990-05-10
JP2698402B2 true JP2698402B2 (ja) 1998-01-19

Family

ID=17522796

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63273075A Expired - Fee Related JP2698402B2 (ja) 1988-10-31 1988-10-31 石炭液化循環溶剤の水素化処理用触媒

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2698402B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02122832A (ja) 1990-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2908959B2 (ja) 新規触媒組成物
KR101810827B1 (ko) 윤활유 기유의 제조 방법 및 윤활유 기유
JP2006505404A (ja) 非常に均質なアモルファスのシリカ・アルミナ組成物の調製方法
EP0449144A2 (en) Catalyst composition for hydrotreating of hydrocarbons and hydrotreating process using the same
EP2794090A1 (en) Process for preparing hydrocracking catalyst compositions
JPS6197036A (ja) シリカに支持された水素化処理触媒の製造方法および該製造方法により得られる解媒
JP3341011B2 (ja) 触媒担体及び水素化用触媒
JPH0818819B2 (ja) 新規なフォージャサイト型アルミノシリケート及びその製造方法並びに重質油水素化分解触媒
EP0384186A1 (en) Novel iron-containing aluminosilicate
JP3994236B2 (ja) 脱アルミニウム化された少なくとも2つのゼオライトyを含む触媒、および該触媒を用いる石油留分の従来の水素化転換方法
KR20230104255A (ko) 1 내지 30 중량%의 결정질 암모늄 알루미늄 카보네이트 하이드록사이드를 포함하는 실리카-알루미나 조성물 및 이의 제조 방법
US4950633A (en) Catalyst for hydrotreating coal liquefaction and circulation solvent
JP2698402B2 (ja) 石炭液化循環溶剤の水素化処理用触媒
JP2711871B2 (ja) ヒドロゲルから水素処理触媒を製造する方法
JPS6148979B2 (ja)
JP2617952B2 (ja) 石炭液化溶剤の水素化処理用触媒
JPS6244974B2 (ja)
EP0119709B1 (en) Process for the dewaxing of hydrocarbon fractions
JP2844497B2 (ja) 石炭液化溶剤の溶剤水素化用触媒
JPH06210182A (ja) 炭化水素油の水素化脱硫脱窒素用触媒及びその製造方法
CN111097505B (zh) 含Beta分子筛的加氢裂化催化剂及其制备方法和应用
JP3062601B1 (ja) 芳香族炭化水素及び(又は)縮合多環炭化水素を含有する炭化水素の水素化処理方法
JP3051923B1 (ja) 炭化水素水素化処理用触媒
JP2817558B2 (ja) 炭化水素油の水素化脱硫脱窒素用触媒及びその製造方法
WO2013147179A1 (ja) 潤滑油用基油の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080919

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees