JP2697748B2 - 電源装置 - Google Patents

電源装置

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JP2697748B2
JP2697748B2 JP2249145A JP24914590A JP2697748B2 JP 2697748 B2 JP2697748 B2 JP 2697748B2 JP 2249145 A JP2249145 A JP 2249145A JP 24914590 A JP24914590 A JP 24914590A JP 2697748 B2 JP2697748 B2 JP 2697748B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、交流入力電源を整流、平滑して直流電源を
得る電源装置に関し、特に、ブラウン管表示装置や、コ
ンピュータ端末等の情報機器の電源として好適な電源装
置に関するものである。
[従来の技術] 従来の外部交流電源より一定電圧の直流を得るスイッ
チング電源装置としては、「現場技術者実践シリーズ
スイッチング・レギュレータ設計ノウハウ」(長谷川彰
著、CQ出版社)の11頁、図1−1(b)に記載の回路が
一般的なものとして知られている。
[発明が解決しようとする課題] 一般に、このような外部交流電源より一定電圧の直流
を得るスイッチング電源装置においては、外部交流電源
装置よりの、入力電流波形歪が問題となる。
すなわち、スイッチング電源装置をコンピューター等
の情報処理装置の電源に用いる場合、外部交流電源装置
としては、無停電電源装置(以下“CVCF"という)を用
いる必要があるが、波形歪のために、第11図cに示す入
力電圧に対し、入力電流波形が、第11図aに示すよう
に、尖鋭的なピーク値をもつものとなった場合、このCV
CFの容量は、このパーク値高に応じて規定される。
一方、スイッチング電源が負荷側装置に供給する電力
は入力電流波形が囲む面積(第11図a斜線部)に比例す
るため、ピーク値高に応じて、せっかく高容量のCVCFを
備えても、結局低電力しか供給できず、効率が悪い。
また、CVCFの電流供給能力に関し、余裕が無いため、
負荷の増大変動に対し、歪等の不具合が生じ易い。
そこで、波形歪除去用の入力側スイッチング制御回路
と入力用スイッチング素子を、出力へ一定直流電圧とを
供給するための出力側スイッチング制御回路と出力用ス
イッチング素子とは別に設け、これら2組の回路を同期
をとって動作させることにより、入力電流を、入力電圧
(整流後のもの)に比例した波形(第11図b)にするこ
とが考えられる。
しかし、この場合、交流入力電流の波形歪は改善され
るが、電源装置の中に、2つのスイッチング素子を備
え、また、これらを制御する2つの制御回路が必要とな
るため、回路が複雑化するという問題があった。
そこで、本発明は、単純な回路構成にて、交流入力電
流の波形歪を改善することのできる電源装置を提供する
ことを目的とする。
[課題を解決するための手段] 前記目的達成のために、本発明は、交流入力電源よ
り、安定化直流電圧を生成して供給するスイッチング電
源装置であって、 供給する直流電圧を定電圧化し、かつ、前記交流入力
電源よりの入力電圧に比例した入力電流を得るようにオ
ン、オフするスイッチング素子を備えたことを特徴とす
る電源装置を提供する。
すなわち、本発明は、前記目的達成のために、交流入
力電源より、安定化直流電圧を生成して供給するスイッ
チング電源装置であって、 交流入力電源を整流する整流手段と、整流手段を介して
前記交流入力電源よりのエネルギを蓄え、出力する入力
インダクタと、入力インダクタが出力するエネルギの転
送を受け、これを蓄えるタンクコンデンサと、タンクコ
ンデンサの蓄えたエネルギの転送を受け、外部負荷に供
給する出力トランスと、前記入力インダクタおよび出力
トランスを共に付勢するスイッチング素子と、外部負荷
に供給する直流電圧を定電圧化するよう前記スイッチン
グ素子のオン、オフを制御する制御手段とを有すること
を特徴とする第1の電源装置を提供する。
なお、スイッチング素子としては、バイポーラトラン
ジスタやFET等がある。また、ここで、“インダクタ”
とはコイルやトランス等のインダクタンスを有するもの
をいう。
なお、この第1の請求項1記載の電源装置において
は、前記整流手段に並列に接続された高周波フィルタを
備え、前記入力インダクタとして入力トランスを備え、
前記出力トランスを、フライバック方式により、タンク
コンデンサの蓄えたエネルギを外部負荷に出力する出力
トランス、または、フォワードバック方式により、タン
クコンデンサの蓄えたエネルギを外部負荷に出力する出
力トランスとするようにしても良い。
なお、この場合、その実施態様としては、第1図、第
8図に示すように、前記整流手段を前記交流入力電源を
整流する電源ブリッジとし、電源ブリッジの出力には、
接地側より直列に接続された前記スイッチング素子と前
記入力トランスへの逆電流を防ぐ第1のダイオードと入
力トランスとが、並列に接続され、入力トランスの出力
には、接地側より直列に接続された入力トランスへの逆
電流を防ぐ第2のダイオードと前記タンクコンデンサが
並列に接続され、タンクコンデンサには、接地側より直
列に接続された前記スイッチング素子と前記出力トラン
スへの逆電流を防ぐ第3のダイオードと出力トランスと
が、並列に接続されているようにしても良い。
また、前記第1の電源装置において、前記整流手段に
並列に接続された高周波フィルタを備え、前記入力イン
ダクタとして入力コイルを備え、前記出力トランスを、
フライバック方式により、タンクコンデンサの蓄えたエ
ネルギを外部負荷に出力する出力トランスとするように
しても良い。
この場合、その実施態様としては、第7図に示すよう
に、前記整流手段を電源ブリッジとし、電源ブリッジの
出力には、接地側より直列に接続された前記スイッチン
グ素子と前記入力コイルへの逆電流を防ぐ第1のダイオ
ードと入力コイルとが、並列に接続され、スイッチング
素子には、接地側より直列に接続された前記タンクコン
デンサと前記出力トランスとが、並列に接続されている
ようにしても良い。
または、第5図に示すように、前記整流手段を交流入
力電源を整流する電源ブリッジとし、電源ブリッジの出
力には、接地側より直列に接続された前記スイッチング
素子と前記入力コイルへの逆電流を防ぐ第1のダイオー
ドと入力コイルとが、並列に接続され、入力コイルの電
源ブリッジの出力に接続されていない端と接地側には、
入力コイルへの逆電流を防ぐ第2のダイオードと前記タ
ンクコンデンサとが、並列に接続され、タンクコンデン
サには、接地側より直列に接続されたスイッチング素子
と前記出力トランスへの逆電流を防ぐ第3のダイオード
と出力トランスとが、並列に接続されているようにして
も良い。
なお、前記各電源装置において、前記高周波フィルタ
は電源ブリッジの入力側または出力側のどちらに備えて
も良い。
また、本発明は前記目的達成のために、交流入力電源
より、安定化直流電圧を生成して供給するスイッチング
電源装置であって、 整流手段と入力インダクタとスイッチング素子とより
なる第1の閉回路と、整流手段と入力インダクタとタン
クコンデンサとよりなる第2の閉回路と、タンクコンデ
ンサと出力トランスの一次側コイルと前記とスイッチン
グ素子よりなる第3の閉回路と、出力トランスが外部負
荷に供給する直流電圧を定電圧化するよう前記スイッチ
ング素子のオン、オフを制御する制御手段と、を有する
ことを特徴とする第2の電源装置を提供する。
また、本発明は、さらに、前記目的達成のために、交
流入力電源を整流し、入力トランスおよび出力トランス
に、出力トランスの出力電圧が一定となるように同一ス
イッチング素子で通電し、スイッチング素子のオフ期間
に、入力トランスに交流入力電源よりのエネルギに蓄
え、タンクコンデンサより出力トランスにタンクコンデ
ンサに蓄えたエネルギを転送し、オン期間に、入力トラ
ンスよりエネルギを転送してタンクコンデンサに蓄える
ことにより、タンクコンデンサを介して、入力トランス
より出力トランスにエネルギを転送することを特徴とす
る、交流入力電源よりの安定化電圧生成方法を提供す
る。
また、あわせて、本発明は、前記電源装置を内蔵した
ことを特徴とする情報機器をも提供する。
[作用] 本発明に係る電源装置によれば、入力インダクタおよ
び出力トランスに、出力トランスの出力電圧が一定とな
るように前記スイッチング素子で通電し、スイッチング
素子のオン期間に、入力インダクタに整流手段を介し
て、交流入力電源よりのエネルギを蓄え、タンクコンデ
ンサより出力トランスにタンクコンデンサに蓄えたエネ
ルギを転送し、オフ期間に入力インダクタよりエネルギ
を転送してタンクコンデンサに蓄えることにより、タン
クコンデンサを介して、入力インダクタより出力トラン
スにエネルギを転送することにより、外部負荷に供給す
る直流電圧を定電圧化すると共に、交流入力電源よりの
入力電流を、入力電圧に比例した波形とする。
また、出力電圧の定電圧化と、交流入力電源よりの入
力電圧に比例した入力電流の取得とに、1つのスイッチ
ング素子を共用するため、回路構成が簡易となり、コス
トパフォーマンスや信頼性が向上する。
また、このように、タンクコンデンサにエネルギを一
旦蓄えるため、交流入力電源が瞬断した場合でも、タン
クコンデンサより負荷側にエネルギを供給することがで
きる。
なお、制御手段の、スイッチング素子の制御は、負荷側
電圧を検出し、これに応じてオン、オフ期間を制御する
ことが望ましいが、出力電流、入力電圧、入力電流等を
検出し、これに応じて、スイッチング素子を制御するよ
うにしても良い。
[実施例] 以下、本発明に係る電源装置の実施例を説明する。
まず、本発明に係る電源装置の第1の実施例について
説明する。
本第1実施例に係る電源装置の構成を第1図に示す。
図中、1は整流ブリッジ、2は高周波フィルタの役割
を担うコンデンサ、3は入力トランス、4、5、7、12
はダイオード、6は入力トランスより転送されるエネル
ギーを蓄えるタンクコンデンサ、9はタンクコンデンサ
に蓄えられたエネルギを負荷13に供給する出力トラン
ス、8は入力トランス3および出力トランス9を駆動す
るスイッチング素子、10は出力電圧V0に応じて、これを
定電圧化するようスイッチング素子を制御する制御回路
である。
まず、本第1実施例に係る電源装置の入力電流波形が
入力電圧波形に比例することを示す。
今、一定負荷のもとでの、平均入力電流波形▲▼
は、整流後の入力電圧をEi、入力トランス2の一次側イ
ンダクタンスをL1、スイッチング素子6のスイッチング
周期をT、スイッチが閉の時間をTon、入力トランス3
を流れる電流ILのTon期間中の最大値をipとすると、 で示されるが、ここでL1、T、Ei、は一定なので、▲
▼はTonの自乗に比例し、また、Tonは一定負荷の下で
は一定であるから、▲▼はEiに比例することにな
る。
この場合の、実際の入力電流ILの波形を第2図に示
す。
図中ILに示す様にこの電流波形は、高周波で断続を繰
り返す、しかし、高周波フィルタ2の作用により、交流
入力電流Isは、入力電圧に比例した電流波形となる。
次に、負荷13の値が急減少した場合を例にとり、負荷
変動時の動作について説明する。
いま、負荷13が急減少すると、負荷側出力電圧Voが上
昇する。このVoの上昇を制御回路13は検出し、Ton期間
を小さくする。
それによって、Voは小さくなり、負荷側出力電圧Voを
一定電圧に保つ。
このとき、Tonが小さくなると、タンクコンデンサ6
から出力トランス9により負荷側へ転送されていたエネ
ルギーが減り、タンクコンデンサ6にかかる電圧Vcが上
昇する。ところが、タンクコンデンサ6へエネルギーを
注入していた入力トランス3に蓄えられるTon1回当りの
エネルギーもTon期間の縮小により減少し、タンクコン
デンサ6に与えられるエネルギーもへるのでVcは安定す
る。また、Ton期間の縮小により入力電流isも減少す
る。
すなわち、本発明では出力電圧Voを安定化しかつ、入
力電流Isを決定するのは出力電圧Voのみなので、制御が
簡単で安定である。
なお、負荷13が急増加した場合は、負荷13が急減少し
た場合と逆に、制御回路10がTon期間を増加することに
より、負荷側出力電圧Voを定電圧化し、Voを安定化し、
交流入力電流Isを増加させる。
次に、本第1実施例で用いたタンクコンデンサ6につ
いて述べる。
入力電圧をEi、入力トランス3の出力電力をPo1、出
力トランス9の出力電力をPo2、入力トランス2の一次
側インダクタンスをL1、出力トランスの一次側インダク
タンスをL2、スイッチング素子6のスイッチング周期を
T、スイッチが閉の時間をTon、平滑コンデンサ4の電
圧をVc、入力トランス3を流れるTon期間中の最大値をi
p、出力トランス5を流れるTon期間中の最大値をipc
すると、 であり、Po1TとPo2Tは、等しいから、 が成立ち、これより、タンクコンデンサ6の電圧V
oは、出力電力によらず、入力電圧に依存し、一定であ
る。
入力電圧Eiとタンクコンデンサ6の電圧Vcのグラフを
第2図に示す。図示するように、L1とL2を適当に選択す
ることによりVcを自由にコントロールできる。
すなわち、このことは、タンクコンデンサ6の耐電圧
の低い物、つまり、小型のコンデンサを使用できること
を意味し、電源装置の設計上、有利である。
なお、以上は、入力トランスの2次側を流れる電流と
出力トランスの2次側を流れる電流がToff期間中に常に
零となるように各トランスのインダクタンスを決めたと
して説明してきた。
しかし、一般には、出力電力Voが増加していくと、出
力トランス9の2次側電流が、Toff期間中に零とならな
い。
このようすを第4図に示す。
図中、41が出力トランス9の2次側電流を、42が一次
側電流を示す。
図示するように、出力トランス9の2次側電流が零と
なる前に、次のTon期間が始まっている。
ここでトランスの1次側電流42の平均値を▲▼と
し、タンクコンデンサ6が負荷へ供給する電力をPoとす
ると ここで(5)式の右辺第2項は(3)式の右辺に等し
い。つまり、出力電力が(3)式によって決定される値
以下の時はトランスを流れる電流は必ず零となるが、こ
の値をこえるとIb≧0となり出力電力とバランスする。
タンクコンデンサ6に流込むエネルギーと流出するエネ
ルギーは等しい。したがい、ipを入力トランス3の一次
側を流れる電流とすれば、 ここで、各トランスのインダクタンスを適当に定める
ことにより、ipおよびIb+Isを定めれば、やはり、タン
クコンデンサ6の電圧Vcを任意に定めることができる。
以下、本発明に係る電源装置の第2の実施例について
説明する。
本第2実施例に係る電源装置の構成を第5図に示す。
図示するように、本第2実施例に係る電源装置は、前
記第1実施例に係る電源装置(第1図参照)において、
入力トランスをインダクタ51に置き換えたものである。
このとき、インダクタ51に流れる電流の平均値▲
▼は、 となり、たとえば、タンクコンデンサ6の電圧Voを入
力電圧Eiの2倍程度になるように各定数を定めれば、本
第2実施例に係る電源装置においても、Eiに、ほぼ比例
した入力電流波形を得ることができる。
ここで、入力力電圧Eiに対する電流IL、Isの関係を第
6図に示す。
図示するように、本第2実施例に係る電源装置では、
前記第1実施例に係る電源装置と異なり、入力インダク
タとタンクコンデンサが直接結合しているため、スイッ
チング素子6が開となっても、ただちにIL=0とはなら
ずに、一定の傾斜をもって減少する。
しかし、ILはスイッチング周期T以内に、IL=0まで
減少する必要がある。
ILが、スイッチング毎に、累積的に増大してしまうか
らである。
いま、ILの波高値iPはスイッチング素子8が閉の場
合、 一方、スイッチング素子8が開の場合、ΔTをスイッチ
ング素子8が開となってから電流が零になるまでの時間
とすると、 となる。
したがい、周期T以内において必ずiPが零となるよう
にするため、つまりTON+ΔT≦Tとするためには
(8)、(9)式より となるように、Vc、L1、Tを選定すれば良い。
すなわち、L1およびTの選定によってToff期間中に必
ずiPを零にすることができる。
ところで、本第2実施例においても、前記第1実施例
と同様に出力電圧Voを一定し、かつ入力電流Is決定は、
制御回路10を介した出力電圧Voのフィードバックだけな
ので、制御が簡単でしかも安定している。
次に本発明に係る電源装置の第3の実施例について説
明する。
第7図に、本第3実施例に係る電源装置の構成を示
す。
図中、1は整流ブリッジ、2は高周波フィルタの役割
を担うコンデンサ、71は入力トランス、4、5、7、12
はダイオード、6は入力トランスより転送されるエネル
ギを蓄えるタンクコンデンサ、9はタンクコンデンサに
蓄えられたエネルギを負荷13に供給する出力トランス、
8は入力トランス71および出力トランス9を駆動するス
イッチング素子、10は負荷側出力電圧Voに応じて、これ
を定電圧化するようスイッチング素子8を制御する制御
回路である。
図示するように、本第3実施例に係る電源装置は、前
記第1実施例に係る電源装置と異なり、入力トランスの
一次側巻線より直接タンクコンデンサにエネルギを転送
する構成となっている。
以下、その動作を説明する。
交流入力電圧は、整流ブリッジ1により、第3図に示
すEiに示す様な波形に整流される。
一方スイッチング素子8は、出力電圧のフィードバッ
クを受け周期T(Toff+Toff)で開閉を繰返し、タンク
コンデンサ6に蓄積されているエネルギーを出力トラン
ス9を通じて、負荷にエネルギーを供給する。
一方、スイッチング素子6のTon期間中に、入力コイ
ル71には、ダイオード5とスイッチング素子8を通じて
電流が流れエネルギーが蓄積される。
入力コイルに蓄積されたエネルギーは、Toff期間中に
ダイオード5を通じてタンクコンデンサ6へ転送され
る。
以上の動作において、前記第1実施例と同様に、
(1)式が成立し、入力電流は、入力電圧に比例する。
また、タンクコンデンサ6の電圧Vcについても、
(4)式が成立するため、Vcを任意に定めることができ
る。
また、出力電圧Voを安定化しかつ、入力電流Isを決定
するのは出力電圧Voのみなので、制御が簡単で安定であ
る。
なお、以上の各実施例で述べた電源装置は、ブラウン
管表示装置の様な高電圧低電力形の電源装置に好適であ
る。
次に、本発明に係る電源装置の第4の実施例について
説明する。
本第4実施例に係る電源装置の構成を第8図に示す。
図中、1は整流ブリッジ、2は高周波フィルタの役割
を担うコンデンサ、3は入力トランス、4、5、7、12
はダイオード、6は入力トランスより転送されるエネル
ギを蓄えるタンクコンデンサ、81はタンクコンデンサに
蓄えられたエネルギを負荷13に供給する出力トランス、
8は入力トランス3および出力トランス81を駆動するス
イッチング素子、10は負荷側出力電圧Voに応じて、これ
を定電圧化するようスイッチング素子を制御する制御回
路である。
本第4実施例に係る電源装置は、前記第1実施例で示
したフライバック方式とは異なり、出力トランスの極性
が逆の構成となっており、スイッチング素子8のON期間
に負荷側へ、電力を送るフォワード方式によっている。
この場合も、前記第1実施例と同様に、(1)式が成
立し、入力電流は、入力電圧に比例する。
また、出力電圧Voを安定化しかつ、入力電流Isを決定
するのは出力電圧Voのみなので、制御が簡単で安定であ
る。
ところで、本第4実施例においてもスイッチング素子
6のTon期間の長さは、出力電圧のみによって制御回路1
0で決定するが、出力トランスの巻数比を、N2/N1とする
と、Ton期間は、 に従って決定する。
一方、負荷13に供給される平均電流を▲▼とする
と、出力トランス9の1次側巻線を流れる平均電流▲
▼は、 示される。
したがい、出力電力P2となる。
一方、入力トランス3からタンクコンデンサ6へ転送
される電力P1は、L1を入力トランス3の1次側巻線のイ
ンダクタンス、ipをそれに流れる電流の最大値とする
と、 P1とP2は等しくなければならないから、これをVcについ
て解くと、 以上各式より、Vcと出力電力の関係を図示すると第9
図のようになる。
図示するようように、本第4実施例では、前述した各
実施例と異なり、出力電力が減少するとタンクコンデン
サ6の電圧Vcが上昇する。
しかし、一般のモニタ用、または、コンピュータ端末
用の電源装置として使用する場合は、常に数十Wの電圧
消費があるためタンクコンデンサ6の電圧Vcが、上昇し
てコンデンサの耐電圧をこえることはない。
なお、本第4実施例の電源装置は、コンピュータ端末
装置の様な低電圧高電力形の電源装置に好適である。
次に以上の各実施例で用いた制御回路10について説明
する。
第10図に、制御回路10の構成を示す。
図示するように、本実施例に係る制御回路は、誤差増
幅器101、パルス幅コントロール回路、発信器103より構
成される。
誤差増幅器101は、あらかじめ定めた出力設定電圧と
出力電圧Voとの差を増幅する、パルス幅コントロール回
路102は、この増幅された誤差信号と、発振器103が発生
した一定周波数の三角波とを比較し、三角波が増幅され
た誤差信号よる高電圧である期間スイッチング素子8を
ONする。
なお、本実施例では、発振器103を外部同期式とした
が、これは、本電源装置をCRTモニタ等に用いる場合
に、不定周期ノイズが発生しないよう、スイッチング周
期をCRTモニタの表示周期等に同期させるためである。
したがって、このような問題が生じない用途に本電源
装置を用いる場合は、発振器103を自走式のものとして
も良い。
また、本実施例では、出力電圧のみをパラメータとし
て、スイッチング素子のオン期間を決定したが、必要に
応じて、出力電流、入力電圧、入力電流等を検出し、こ
れをパラメータとして用いるようにしても良い。
以上、説明したように、前記各実施例に係る電源装置
によれば、入力電流波形を、入力電圧に比例した正弦波
とすることができ、入力電圧供給源である定周波定電圧
電源設備の容量を大幅に軽減することができ、また、負
荷の大幅な変動に、高速に、かつ、安定に応答すること
ができる。
また、出力電圧のみを変数として制御を行なうため、
出力電圧制御回路を、単純な回路で実現することがで
き、制御を安定に行うことができる。
また、タンクコンデンサを介して、エネルギを転送す
るため、交流入力電源が、瞬断した場合での、タンクコ
ンデンサに蓄えたエネルギの放出により、これに対処す
ることができる。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明によれば、単純な回路構成に
て、入力電流の波形歪を改善することのできる電源装置
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の第1実施例に係る電源装置の構成を
示す回路図、第2図は第1実施例に係る入力電圧と入力
電流の関係を示す説明図、第3図は第1実施例に係るタ
ンクコンデンサ電圧と入力電圧および出力電力の関係を
示す説明図、第4図は第1実施例に係る出力トランスを
流れる電流を示すの波形図、第5図は本発明の第2実施
例に係る電源装置の構成を示す回路図、第6図は第2実
施例に係る入力電圧と入力電流の関係を示す説明図、第
7図は本発明の第3実施例に係る電源装置の構成を示す
回路図、第8図は本発明の第4実施例に係る電源装置の
構成を示す回路図、第9図は第4実施例に係るタンクコ
ンデンサ電圧と入力電圧および出力電力の関係を示す説
明図、第10図は本発明の実施例に係る制御回路の構成を
示す回路図、第11図は従来技術に係る電源装置の動作を
示すための説明図である。 1……整流ブリッジ、2……コンデンサ、3……入力ト
ランス、4、5、7、12……ダイオード、6……タンク
コンデンサ、9……出力トランス、8……スイッチング
素子、10……制御回路。
フロントページの続き (72)発明者 坂門 剛志郎 茨城県日立市大みか町5丁目2番1号 日立プロセスコンピュータエンジニアリ ング株式会社内 (72)発明者 道券 知彦 茨城県日立市大みか町5丁目2番1号 株式会社日立製作所大みか工場内 (56)参考文献 特開 平4−21358(JP,A) 特公 昭58−40912(JP,B2) 実公 昭58−43435(JP,Y2)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】交流入力電源より、安定化直流電圧を生成
    して供給するスイッチング電源装置であって、 基準電位点と、交流入力電源を整流する第1の整流手段
    と、入力トランスの一次側巻き線と、当該入力トランス
    の一次側巻き線に向かう電流を阻止する第1のダイオー
    ドと、スイッチ手段と、前記基準電位点とが、当該記述
    の順番で直列に接続された第1の閉回路と、 前記第1の整流手段に並列に接続された高周波フィルタ
    と、 前記基準電位点と、前記入力トランスの二次側巻き線
    と、当該入力トランスの二次側巻き線に向かう電流を阻
    止する第2のダイオードと、タンクコンデンサと、前記
    基準電位点とが、当該記述の順番で直列に接続された第
    2の閉回路と、 前記基準電位点と、前記タンクコンデンサと、出力トラ
    ンスの一次側巻き線と、当該力トランスの一次側巻き線
    に向かう電流を阻止する第3のダイオードと、前記スイ
    ッチ手段と、前記基準電位点とが、当該記述の順番で直
    列に接続された第3の閉回路と、 前記出力トランスの二次側巻き線に接続され、直流電圧
    を外部負荷に出力する第2の整流手段と、 前記直流電圧の値のみに応じて、前記スイッチ手段のオ
    ン/オフを、前記直流電圧が所定の一定値になるように
    制御する制御手段とを備え、 前記第1の整流手段は、前記交流入力電源を整流して、
    前記基準電位点から前記入力トランスの一次側巻き線を
    介して前記第1のダイオードに向かう電流を生成するこ
    とを特徴とする電源装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の電源装置であって、 前記出力トランスを、フライバック方式の出力トランス
    としたことを特徴とする電源装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の電源装置であって、 前記出力トランスを、フォワード方式のトランスとした
    ことを特徴とする電源装置。
  4. 【請求項4】交流入力電源より、安定化直流電圧を生成
    して供給するスイッチング電源装置であって、 基準電位点と、交流入力電源を整流する第1の整流手段
    と、入力コイルと、当該入力コイルに向かう電流を阻止
    する第1のダイオードと、スイッチ手段と、前記基準電
    位点とが、当該記述の順番で直列に接続された第1の閉
    回路と、 前記第1の整流手段に並列に接続された高周波フィルタ
    と、 前記基準電位点と、前記タンクコンデンサと、出力トラ
    ンスの一次側巻き線と、当該力トランスの一次側巻き線
    に向かう電流を阻止する第2のダイオードと、前記スイ
    ッチ手段と、前記基準電位点とが、当該記述の順番で接
    続された第2の閉回路と、 前記タンクコンデンサの前記出力トランス側端子と前記
    入力コイルの前記第1のダイオード側端子に接続され、
    前記入力コイルに向かう電流を阻止する第3のダイオー
    ドと、 前記出力トランスの二次側巻き線に接続され、直流電圧
    を外部負荷に出力する第2の整流手段と、 前記直流電圧の値のみに応じて、前記スイッチ手段のオ
    ン/オフを、前記直流電圧が所定の一定値になるように
    制御する制御手段とを備え、 前記第1の整流手段は、前記交流入力電源を整流して、
    前記基準電位点から前記入力コイルを介して前記第1の
    ダイオードに向かう電流を生成し、 Eiを前記第1の入力コイルの前記第1の整流手段側端子
    の電位、Vcを前記タンクコンデンサの前記第3のダイオ
    ード側端子の電位、Liを前記入力コイルのインダクタン
    ス、ipを前記入力コイルを流れる電流の波高値、Tを前
    記スイッチ手段のオン/オフの1周期として、 が成り立つように、前記入力コイルのインダクタンス
    Li、前記出力トランスの一次側巻き線のインダクタン
    ス、および、前記スイッチ手段のオン期間およびオフ期
    間の範囲が定めらていることを特徴とする電源装置。
  5. 【請求項5】交流入力電源より、安定化直流電圧を生成
    して供給するスイッチング電源装置であって、 基準電位点と、交流入力電源を整流する第1の整流手段
    と、入力コイルと、当該入力コイルに向かう電流を阻止
    するダイオードと、スイッチ手段と、前記基準電位点と
    が、当該記述の順番で直列に接続された第1の閉回路
    と、 前記第1の整流手段に並列に接続された高周波フイルタ
    と、 前記基準電位点と、前記タンクコンデンサと、出力トラ
    ンスの一次側巻き線と、前記スイッチ手段と、前記基準
    電位点とが、当該記述の順番で接続された第2の閉回路
    と、 前記出力トランスの二次側巻き線に接続され、直流電圧
    を外部負荷に出力する第2の整流手段と、 前記直流電圧の値のみに応じて、前記スイッチ手段のオ
    ン/オフを、前記直流電圧が所定の一定値になるように
    制御する制御手段とを備え、 前記第1の整流手段は、前記交流入力電源を整流して、
    前記基準電位点から前記入力コイルを介して前記第1の
    ダイオードに向かう電流を生成し、前記入力コイルのイ
    ンダクタンス、前記出力トランスの一次側巻き線のイン
    ダクタンス、および、前記スイッチ手段のオン期間およ
    びオフ期間の範囲は、前記入力コイルを流れる電流の電
    流値が、前記スイッチング素子がオフしている毎期間中
    にゼロまで降下するよう定めらていることを特徴とする
    電源装置。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5の電源装置を内蔵したこと
    を特徴とする情報機器。
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