JP2697090B2 - 窒化珪素焼結体の製造方法 - Google Patents
窒化珪素焼結体の製造方法Info
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- sintering
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はエンジニヤリングセラミックスとして使用で
きる高靱性窒化珪素焼結体の製造方法に関する。
きる高靱性窒化珪素焼結体の製造方法に関する。
[従来の技術] 窒化珪素焼結体は耐熱性に優れ熱膨脹係数が低いため
耐熱衝撃性も優れており、エンジニヤリング素材として
ガスタービン翼やノズルなど高温高強度を要求される構
造部品としての応用が試みられている。この構造部品と
して機械的性質を発現させるためには窒化珪素の焼結性
を高めることが必要であり各種酸化物の焼結助剤を配合
して焼結している。
耐熱衝撃性も優れており、エンジニヤリング素材として
ガスタービン翼やノズルなど高温高強度を要求される構
造部品としての応用が試みられている。この構造部品と
して機械的性質を発現させるためには窒化珪素の焼結性
を高めることが必要であり各種酸化物の焼結助剤を配合
して焼結している。
たとえば、特公昭60-22675号公報には酸化アルミニウ
ム3〜15重量%、酸化ジルコニウム0.5〜10重量%、残
部窒化珪素よりなる混合粉末を成形後、非酸化性雰囲気
中で焼結する製造方法の開示がある。また特公昭58-233
45号公報には酸化イットリウム10重量%以下と、酸化ア
ルミニウム10重量%以下と、窒化アルミニウム10重量%
以下と、酸化チタニウム、酸化マグネシウムおよび酸化
ジルコニウムの群から選ばれる少なくとも一種の酸化物
5重量%以下と、残部が窒化珪素よりなる混合物の成形
体を非酸化性雰囲気中で焼結する製造方法の開示があ
る。
ム3〜15重量%、酸化ジルコニウム0.5〜10重量%、残
部窒化珪素よりなる混合粉末を成形後、非酸化性雰囲気
中で焼結する製造方法の開示がある。また特公昭58-233
45号公報には酸化イットリウム10重量%以下と、酸化ア
ルミニウム10重量%以下と、窒化アルミニウム10重量%
以下と、酸化チタニウム、酸化マグネシウムおよび酸化
ジルコニウムの群から選ばれる少なくとも一種の酸化物
5重量%以下と、残部が窒化珪素よりなる混合物の成形
体を非酸化性雰囲気中で焼結する製造方法の開示があ
る。
ところで焼結助剤として配合される酸化ジルコニウム
は窒化珪素と複合化して破壊靱性を向上させることが知
られている。たとえば、特開昭58-95661号公報には、窒
化珪素に窒化硼素および酸化ジルコニウムの少なくとも
一種を特定量添加した焼結体が高靱性を示す旨の開示が
ある。
は窒化珪素と複合化して破壊靱性を向上させることが知
られている。たとえば、特開昭58-95661号公報には、窒
化珪素に窒化硼素および酸化ジルコニウムの少なくとも
一種を特定量添加した焼結体が高靱性を示す旨の開示が
ある。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら酸化ジルコニウムを焼結助剤として単に
窒化珪素に混合して焼結した場合は、酸化ジルコニウム
が窒化珪素と反応して窒化ジルコニウム(ZrN)と酸化
珪素(SiO2、SiO)を生成し焼結体の緻密化が十分進行
しない場合があった。
窒化珪素に混合して焼結した場合は、酸化ジルコニウム
が窒化珪素と反応して窒化ジルコニウム(ZrN)と酸化
珪素(SiO2、SiO)を生成し焼結体の緻密化が十分進行
しない場合があった。
また焼結時に窒化珪素粒子と別の窒化珪素粒子との境
界に物質輸送を担う液相が焼結助剤によって生成されて
焼結体の緻密化が進むとされている。しかし酸化ジルコ
ニウムが焼結助剤として存在すると窒化珪素と反応して
窒化ジルコニウムおよび酸化珪素を生成する。この物質
は蒸気圧が高く揮散しやすいため物質輸送としての働き
が不十分で焼結体の緻密化が十分進行しない。したがっ
て焼結体に気孔が多く残り機械的性質が不十分となる問
題点をもつ。
界に物質輸送を担う液相が焼結助剤によって生成されて
焼結体の緻密化が進むとされている。しかし酸化ジルコ
ニウムが焼結助剤として存在すると窒化珪素と反応して
窒化ジルコニウムおよび酸化珪素を生成する。この物質
は蒸気圧が高く揮散しやすいため物質輸送としての働き
が不十分で焼結体の緻密化が十分進行しない。したがっ
て焼結体に気孔が多く残り機械的性質が不十分となる問
題点をもつ。
本発明の窒化珪素焼結体の製造方法は、前記の事情に
鑑みてなされたもので機械的強度に優れかつ靱性の高い
焼結体を製造することを目的とする。
鑑みてなされたもので機械的強度に優れかつ靱性の高い
焼結体を製造することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明の窒化珪素焼結体の製造方法は、窒化珪素粉末
と焼結助剤粉末の混合物からなる成形体を嵩密度が理論
密度の80〜90%になるまで焼結して粗密焼結体とする第
1焼結工程と、該粗密焼結体の開気孔に加熱により酸化
ジルコニウムを形成するジルコニウム化合物を溶解した
溶液を浸透させる浸透工程と、該溶液を浸透した該粗密
焼結体を加熱して該ジルコニウム化合物を酸化ジルコニ
ウムとする仮焼工程と、該酸化ジルコニウムを含有する
該粗密焼結体を焼結して窒化珪素焼結体とする第2焼結
工程とからなる。
と焼結助剤粉末の混合物からなる成形体を嵩密度が理論
密度の80〜90%になるまで焼結して粗密焼結体とする第
1焼結工程と、該粗密焼結体の開気孔に加熱により酸化
ジルコニウムを形成するジルコニウム化合物を溶解した
溶液を浸透させる浸透工程と、該溶液を浸透した該粗密
焼結体を加熱して該ジルコニウム化合物を酸化ジルコニ
ウムとする仮焼工程と、該酸化ジルコニウムを含有する
該粗密焼結体を焼結して窒化珪素焼結体とする第2焼結
工程とからなる。
第1焼結工程は嵩密度が理論密度の80〜90%の粗密焼
結体を形成する工程である。
結体を形成する工程である。
粗密焼結体の嵩密度が理論的に80%より低いと第2焼
結工程での密度の向上が不十分となり、90%を超えると
閉気孔ができたり気孔径が小さくなりすぎてジルコニウ
ム化合物を溶解した溶液を充分浸透させることができな
いため好ましくない。ここで得られる粗密焼結体は、開
気孔をもち次の工程での溶液の浸透が可能な粗密体であ
ることが必要である。
結工程での密度の向上が不十分となり、90%を超えると
閉気孔ができたり気孔径が小さくなりすぎてジルコニウ
ム化合物を溶解した溶液を充分浸透させることができな
いため好ましくない。ここで得られる粗密焼結体は、開
気孔をもち次の工程での溶液の浸透が可能な粗密体であ
ることが必要である。
この第1焼結工程で形成される粗密焼結体は、窒化珪
素粉末と焼結助剤粉末とを混合して成形した成形体を焼
結して得られる。焼結助剤としては酸化チタン、酸化マ
グネシウム、酸化イットリウム、ムライト(3Al2O3・2
SiO2)、スピネル(MgO・Al2O3)などが利用できる。
素粉末と焼結助剤粉末とを混合して成形した成形体を焼
結して得られる。焼結助剤としては酸化チタン、酸化マ
グネシウム、酸化イットリウム、ムライト(3Al2O3・2
SiO2)、スピネル(MgO・Al2O3)などが利用できる。
成形は主として加圧成形法が適用され、CIP、HIP、ラ
バープレス法等の乾式成形法により成形される。また場
合によっては湿式法、塑性成形等も適用できる。
バープレス法等の乾式成形法により成形される。また場
合によっては湿式法、塑性成形等も適用できる。
焼結は1600〜1750℃付近で数時間以内で所定の嵩密度
の焼結体が形成できる。なお酸化ジルコニウムは焼結助
剤の一成分として用いると焼結体を緻密化しにくので焼
結助剤として窒化珪素粉末に混合して用いることは好ま
しくない。
の焼結体が形成できる。なお酸化ジルコニウムは焼結助
剤の一成分として用いると焼結体を緻密化しにくので焼
結助剤として窒化珪素粉末に混合して用いることは好ま
しくない。
浸透工程は、粗密焼結体の開気孔に加熱により酸化ジ
ルコニウムよりなるジルコニウム化合物を溶解した溶液
を浸透させる。この熱で酸化ジルコニウムとなるジルコ
ニウム化合物としては、水または有機溶媒に可溶な炭酸
ジルコニウム、塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、
オキシ塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウムなどが挙げ
られる。
ルコニウムよりなるジルコニウム化合物を溶解した溶液
を浸透させる。この熱で酸化ジルコニウムとなるジルコ
ニウム化合物としては、水または有機溶媒に可溶な炭酸
ジルコニウム、塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、
オキシ塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウムなどが挙げ
られる。
上記のジルコニウム化合物は水または有機溶媒に溶解
して溶液とする。この溶液は成るべく高濃度であること
が好ましい。
して溶液とする。この溶液は成るべく高濃度であること
が好ましい。
浸透方法としては、焼結体を真空下におきジルコニウ
ム化合物を溶解した溶液を焼結体に滴下させて浸透させ
るか、またはジルコニウム化合物を溶解した溶液を加圧
して焼結体に浸透させる。これら両方法の組合せが最も
好ましい。
ム化合物を溶解した溶液を焼結体に滴下させて浸透させ
るか、またはジルコニウム化合物を溶解した溶液を加圧
して焼結体に浸透させる。これら両方法の組合せが最も
好ましい。
仮焼工程は、前記溶液を粗密焼結体の内部に均一に充
分浸透させた後、加熱あるいは真空下で蒸発させて溶媒
を除去すると共にさらに加熱を続けて酸化ジルコニウム
を生成させる。必要であればこの操作を繰返して粗密焼
結体内部に酸化ジルコニウムを充分に分散させて酸化ジ
ルコニウムを含有する焼結体を形成する。この方法によ
れば靱性を高めるために必要な酸化ジルコニウムの添加
量は2重量%以下と比較的少量でよい。
分浸透させた後、加熱あるいは真空下で蒸発させて溶媒
を除去すると共にさらに加熱を続けて酸化ジルコニウム
を生成させる。必要であればこの操作を繰返して粗密焼
結体内部に酸化ジルコニウムを充分に分散させて酸化ジ
ルコニウムを含有する焼結体を形成する。この方法によ
れば靱性を高めるために必要な酸化ジルコニウムの添加
量は2重量%以下と比較的少量でよい。
第2焼結工程では、前工程で形成したジルコニウム浸
透焼結体を第1焼結工程と同様に非酸化性ガス中で加熱
して高密度の焼結体とする。得られる焼結体は、酸化ジ
ルコニウムが気孔部分に充填されて高密度の焼結体とな
っている。
透焼結体を第1焼結工程と同様に非酸化性ガス中で加熱
して高密度の焼結体とする。得られる焼結体は、酸化ジ
ルコニウムが気孔部分に充填されて高密度の焼結体とな
っている。
なお仮焼工程と第2焼結工程とは同時におこなっても
よい。
よい。
[作用] 本発明の窒化珪素焼結体の製造方法は、第1焼結工程
で嵩密度を理論密度の80〜90%の焼結体とするため開気
孔をもち、開気孔以外は緻密に焼結している。浸透工程
においては主として開気孔に加熱により酸化ジルコニウ
ムを形成するジルコニウム化合物を溶解した溶液を浸透
させる。酸化工程では浸透したジルコニウム化合物が酸
化ジルコニウムを形成した後、焼結される。第2焼結工
程において窒化珪素はすでに焼結している。したがって
窒化珪素と酸化ジルコニウムとの接触面積は小さいので
酸化ジルコニウムが窒化珪素と反応するのが防止され複
合化物として窒化珪素焼結体内部に分散させることがで
きる。これにより窒化珪素は第2焼結工程で緻密に焼結
されて機械的強度にすぐれた焼結体を製造できる。ま
た、窒化珪素のマトリックス中に酸化ジルコニウム粒子
を分散させることにより酸化ジルコニウム粒子とマトリ
ックスとのの熱膨脹率の違いにより発生したマイクロ・
クラックを含ませてることができるとともに、酸化ジル
コニウムの正方晶の応力誘起変態に伴う応力吸収により
マトリックスの破壊靱性を高めることで靱性に優れた高
強度の窒化珪素焼結体となると考えられる。
で嵩密度を理論密度の80〜90%の焼結体とするため開気
孔をもち、開気孔以外は緻密に焼結している。浸透工程
においては主として開気孔に加熱により酸化ジルコニウ
ムを形成するジルコニウム化合物を溶解した溶液を浸透
させる。酸化工程では浸透したジルコニウム化合物が酸
化ジルコニウムを形成した後、焼結される。第2焼結工
程において窒化珪素はすでに焼結している。したがって
窒化珪素と酸化ジルコニウムとの接触面積は小さいので
酸化ジルコニウムが窒化珪素と反応するのが防止され複
合化物として窒化珪素焼結体内部に分散させることがで
きる。これにより窒化珪素は第2焼結工程で緻密に焼結
されて機械的強度にすぐれた焼結体を製造できる。ま
た、窒化珪素のマトリックス中に酸化ジルコニウム粒子
を分散させることにより酸化ジルコニウム粒子とマトリ
ックスとのの熱膨脹率の違いにより発生したマイクロ・
クラックを含ませてることができるとともに、酸化ジル
コニウムの正方晶の応力誘起変態に伴う応力吸収により
マトリックスの破壊靱性を高めることで靱性に優れた高
強度の窒化珪素焼結体となると考えられる。
[実施例] 以下、実施例により具体的に説明する。
使用した原料は窒化珪素が平均粒径0.8μm、純度99.
9%(但し酸素を2重量%含む)である。焼結助剤は、
窒化アルミニウムが平均粒径0.6μm、純度99.9%(但
し酸素を2.2重量%含む)、アルミナが平均粒径0.2μ
m、純度99.95%、酸化イットリウムが平均粒径0.6μ
m、純度99.8%、スピネルが平均粒径0.1μm、純度99
%、ムライトが平均粒径0.3μm、純度99.%である。
9%(但し酸素を2重量%含む)である。焼結助剤は、
窒化アルミニウムが平均粒径0.6μm、純度99.9%(但
し酸素を2.2重量%含む)、アルミナが平均粒径0.2μ
m、純度99.95%、酸化イットリウムが平均粒径0.6μ
m、純度99.8%、スピネルが平均粒径0.1μm、純度99
%、ムライトが平均粒径0.3μm、純度99.%である。
配合割合は第1表に示す。なお第1表の配合割合は成
形に使用する粉末の全量を100重量%としたときの焼結
助剤の重量%を示し残部が窒化珪素粉末である。
形に使用する粉末の全量を100重量%としたときの焼結
助剤の重量%を示し残部が窒化珪素粉末である。
混合法は第1表の割合の混合物をエチルアルコールを
媒体に用いプラスチックボールミルで3日間混合した。
その後150Kg/cm2の圧力で厚さ×縦×横=8×50×70mm
の試験片を作成し、次いでゴム型にいれ真空引きした
後、静水圧加圧で3000Kg/cm2の圧力を加えて成形体とし
た。
媒体に用いプラスチックボールミルで3日間混合した。
その後150Kg/cm2の圧力で厚さ×縦×横=8×50×70mm
の試験片を作成し、次いでゴム型にいれ真空引きした
後、静水圧加圧で3000Kg/cm2の圧力を加えて成形体とし
た。
第1表の実施例No.1〜5はジルコニウムを浸透させた
ものであり、比較例No.1〜5は実施例の同じ配合でジル
コニウムを浸透させない場合である。
ものであり、比較例No.1〜5は実施例の同じ配合でジル
コニウムを浸透させない場合である。
第1焼結工程 上記で得た成形体(No.1)を窒素雰囲気中で、1650℃
で1時間焼結したところ嵩密度が理論密度の86%の粗密
焼結体を得た。他の成形体も同様に焼結して粗密焼結体
を作成した。その粗密焼結体の嵩密度は第1表に示す。
で1時間焼結したところ嵩密度が理論密度の86%の粗密
焼結体を得た。他の成形体も同様に焼結して粗密焼結体
を作成した。その粗密焼結体の嵩密度は第1表に示す。
浸透工程・仮焼工程 上記で得た粗密焼結体の気孔はそのほとんどが開気孔
であった。この粗密焼結体を真空雰囲気下におきZrOCl2
水溶液(15%溶液)を粗密焼結体に滴下して内部に浸透
させた。前記水溶液が焼結体の表面ににじみでて表面全
体を覆った後、3気圧で加圧し気孔中へ含浸させた。次
いで500℃で1時間加熱し焼結体内で酸化ジルコニウム
を形成させた。この浸透操作を2回繰返した。
であった。この粗密焼結体を真空雰囲気下におきZrOCl2
水溶液(15%溶液)を粗密焼結体に滴下して内部に浸透
させた。前記水溶液が焼結体の表面ににじみでて表面全
体を覆った後、3気圧で加圧し気孔中へ含浸させた。次
いで500℃で1時間加熱し焼結体内で酸化ジルコニウム
を形成させた。この浸透操作を2回繰返した。
第2焼結工程 前記の工程で得たジルコニウム浸透焼結体(No.1)を
1気圧の窒素雰囲気中で1790℃の温度で焼結した。他の
No.2〜5も同様の工程により焼結体を作成した。比較例
は浸透工程および仮焼工程を実施しないで第1焼結工程
と第2焼結工程を連続しておこなった。(焼結温度は実
施例、比較例とも以下の温度でおこなった。No.1=1790
℃、No.2=1740℃、No.3=1700℃、No.4=1690℃、No.5
=1720℃)。比較例No.6は実施例2の組成で酸化ジルコ
ニウムを焼結助剤と一緒に配合して焼結したものであ
る。得られた焼結体の気孔率および破壊靱性値KIc(MPa
√m)を測定した。結果を第1表に示す。
1気圧の窒素雰囲気中で1790℃の温度で焼結した。他の
No.2〜5も同様の工程により焼結体を作成した。比較例
は浸透工程および仮焼工程を実施しないで第1焼結工程
と第2焼結工程を連続しておこなった。(焼結温度は実
施例、比較例とも以下の温度でおこなった。No.1=1790
℃、No.2=1740℃、No.3=1700℃、No.4=1690℃、No.5
=1720℃)。比較例No.6は実施例2の組成で酸化ジルコ
ニウムを焼結助剤と一緒に配合して焼結したものであ
る。得られた焼結体の気孔率および破壊靱性値KIc(MPa
√m)を測定した。結果を第1表に示す。
なお焼結体の気孔率はn−ブタノールを媒液とした置
換法で測定した。また破壊靱性値KicはSENB法(singule
edge notched beam法)でおこなった。
換法で測定した。また破壊靱性値KicはSENB法(singule
edge notched beam法)でおこなった。
No.1〜5の実施例と比較例は、成形体が同一組成であ
り酸化ジルコニウムの浸透の有無を比較したものであ
る。
り酸化ジルコニウムの浸透の有無を比較したものであ
る。
比較例はいずれも気孔率が実施例の2倍以上であり充
分に緻密化されていない、また破壊靱性値KIcの値も実
施例の70%以下と低い値を示している。
分に緻密化されていない、また破壊靱性値KIcの値も実
施例の70%以下と低い値を示している。
比較例No.6の酸化ジルコニウムを焼結助剤と一緒に配
合して焼結した場合は、窒化珪素と酸化ジルコニウムと
の反応がおこり破壊靱性等の機械径物性が向上しない。
合して焼結した場合は、窒化珪素と酸化ジルコニウムと
の反応がおこり破壊靱性等の機械径物性が向上しない。
したがって、実施例では酸化ジルコニウムを浸透によ
って焼結体中に分散させることにより、気孔率が少なく
なり緻密化され、破壊靱性のKIc値も一段と向上し靱性
が高まっていることが明らかである。
って焼結体中に分散させることにより、気孔率が少なく
なり緻密化され、破壊靱性のKIc値も一段と向上し靱性
が高まっていることが明らかである。
[効果] 本発明の製造方法によれば、緻密で機械的強度に優れ
かつ靱性の優れた窒化珪素焼結体をよういに製造するこ
とができる。
かつ靱性の優れた窒化珪素焼結体をよういに製造するこ
とができる。
Claims (1)
- 【請求項1】窒化珪素粉末と焼結助剤粉末の混合物から
なる成形体を嵩密度が理論密度の80〜90%になるまで焼
結して粗密焼結体とする第1焼結工程と、該粗密焼結体
の開気孔に加熱により酸化ジルコニウムを形成するジル
コニウム化合物を溶解した溶液を浸透させる浸透工程
と、該溶液を浸透した該粗密焼結体を加熱して該ジルコ
ニウム化合物を酸化ジルコニウムとする仮焼工程と、該
酸化ジルコニウムを含有する粗密焼結体を焼結して窒化
珪素焼結体とする第2焼結工程とからなる窒化珪素焼結
体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1052729A JP2697090B2 (ja) | 1989-03-03 | 1989-03-03 | 窒化珪素焼結体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1052729A JP2697090B2 (ja) | 1989-03-03 | 1989-03-03 | 窒化珪素焼結体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02233558A JPH02233558A (ja) | 1990-09-17 |
JP2697090B2 true JP2697090B2 (ja) | 1998-01-14 |
Family
ID=12923013
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1052729A Expired - Lifetime JP2697090B2 (ja) | 1989-03-03 | 1989-03-03 | 窒化珪素焼結体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2697090B2 (ja) |
-
1989
- 1989-03-03 JP JP1052729A patent/JP2697090B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02233558A (ja) | 1990-09-17 |
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