JP2696079B2 - 濃縮型フィルタおよびその製造方法 - Google Patents
濃縮型フィルタおよびその製造方法Info
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- JP2696079B2 JP2696079B2 JP14452395A JP14452395A JP2696079B2 JP 2696079 B2 JP2696079 B2 JP 2696079B2 JP 14452395 A JP14452395 A JP 14452395A JP 14452395 A JP14452395 A JP 14452395A JP 2696079 B2 JP2696079 B2 JP 2696079B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水切り洗浄等の安定性
の向上に適した濃縮型フィルタおよびその製造方法に関
する。
の向上に適した濃縮型フィルタおよびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、油溶性汚れや水溶性汚れが付着し
た各種部品の洗浄は、フロン系溶剤や塩素系溶剤もしく
はその蒸気等によって行うことが一般的であった。しか
し、最近、上述したようなフロン系溶剤等は、人体や環
境に対する影響が問題視されている。このため、フロン
系溶剤に匹敵する超精密洗浄が可能で、かつ環境に対し
て悪影響を及ぼすことのない洗浄方法が強く求められて
いる。
た各種部品の洗浄は、フロン系溶剤や塩素系溶剤もしく
はその蒸気等によって行うことが一般的であった。しか
し、最近、上述したようなフロン系溶剤等は、人体や環
境に対する影響が問題視されている。このため、フロン
系溶剤に匹敵する超精密洗浄が可能で、かつ環境に対し
て悪影響を及ぼすことのない洗浄方法が強く求められて
いる。
【0003】そこで、フロン系溶剤に代り得る洗浄剤と
して、水系、非水系を問わず各種の代替洗浄剤、例えば
水系洗浄剤や塩素を含まない有機溶剤系洗浄剤等が提案
されており、それを用いた洗浄が検討されている。なか
でも水系洗浄は、適切な水処理設備と組み合せて使用す
れば、無公害で環境に対する悪影響が極めて少ないこと
から有望視されている。
して、水系、非水系を問わず各種の代替洗浄剤、例えば
水系洗浄剤や塩素を含まない有機溶剤系洗浄剤等が提案
されており、それを用いた洗浄が検討されている。なか
でも水系洗浄は、適切な水処理設備と組み合せて使用す
れば、無公害で環境に対する悪影響が極めて少ないこと
から有望視されている。
【0004】ところで、上述したような代替洗浄剤の多
くは、洗浄後にすすぎ洗浄を行う必要があるため、水に
よるすすぎ洗浄を実施している。水によるすすぎ洗浄を
実施した後には、洗浄品質の点から、被洗浄物の表面に
付着した水分を均一にかつ迅速に乾燥させる必要があ
る。しかし、現状の温風乾燥のように、強制的に水分を
蒸発させる方法では、ウォーターマーク(水しみ)等を
防止することが非常に難しい。また、イソプロピルアル
コール(以下、IPAと記す)のような低沸点の有機溶
剤を用いた蒸気洗浄も行われている。しかし、水が付着
した被洗浄物をそのまま蒸気洗浄したのでは、温風乾燥
と同様に、ウォーターマーク等を防止することが非常に
難しい。
くは、洗浄後にすすぎ洗浄を行う必要があるため、水に
よるすすぎ洗浄を実施している。水によるすすぎ洗浄を
実施した後には、洗浄品質の点から、被洗浄物の表面に
付着した水分を均一にかつ迅速に乾燥させる必要があ
る。しかし、現状の温風乾燥のように、強制的に水分を
蒸発させる方法では、ウォーターマーク(水しみ)等を
防止することが非常に難しい。また、イソプロピルアル
コール(以下、IPAと記す)のような低沸点の有機溶
剤を用いた蒸気洗浄も行われている。しかし、水が付着
した被洗浄物をそのまま蒸気洗浄したのでは、温風乾燥
と同様に、ウォーターマーク等を防止することが非常に
難しい。
【0005】上記したような問題を解決するために、水
切り洗浄剤を用いることによって、水との置換洗浄(水
切り洗浄)を行うことが検討されている。上記水切り洗
浄剤は、水との置換作用を有し、水と相溶性を示さず、
かつ乾燥時の温度で沸騰しない、非フロン系の洗浄剤で
ある。具体的な洗浄方法は、表面に水が付着している被
洗浄物を水切り洗浄剤中に浸漬し、この浸漬操作により
水置換を行った後、水切り洗浄剤を乾燥させる。このよ
うな水切り洗浄を行うことによって、ウォーターマーク
等を防止することができる。よって、水洗を含む脱脂洗
浄と水切り洗浄とを組み合わせた洗浄方法は、フロン系
洗浄に代り得る代替洗浄方法として期待されている。従
来、水切り洗浄にも、しばしば少量の界面活性剤を含む
フロン系溶剤が用いられてきたが、これに代り得る各種
の水切り洗浄剤の実用化が検討されている。
切り洗浄剤を用いることによって、水との置換洗浄(水
切り洗浄)を行うことが検討されている。上記水切り洗
浄剤は、水との置換作用を有し、水と相溶性を示さず、
かつ乾燥時の温度で沸騰しない、非フロン系の洗浄剤で
ある。具体的な洗浄方法は、表面に水が付着している被
洗浄物を水切り洗浄剤中に浸漬し、この浸漬操作により
水置換を行った後、水切り洗浄剤を乾燥させる。このよ
うな水切り洗浄を行うことによって、ウォーターマーク
等を防止することができる。よって、水洗を含む脱脂洗
浄と水切り洗浄とを組み合わせた洗浄方法は、フロン系
洗浄に代り得る代替洗浄方法として期待されている。従
来、水切り洗浄にも、しばしば少量の界面活性剤を含む
フロン系溶剤が用いられてきたが、これに代り得る各種
の水切り洗浄剤の実用化が検討されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したような非フロ
ン系の水切り洗浄剤を用いて、表面に水が付着している
被洗浄物の水切り洗浄を行った場合、被洗浄物から除去
された水は、当然ながら水切り洗浄剤中に混入すること
になる。安定した洗浄品質を得るためには、水切り洗浄
剤中に混入した水を除去し、水切り洗浄剤中の水の濃度
を一定値以下に押さえ、水の再付着を防止する必要があ
る。
ン系の水切り洗浄剤を用いて、表面に水が付着している
被洗浄物の水切り洗浄を行った場合、被洗浄物から除去
された水は、当然ながら水切り洗浄剤中に混入すること
になる。安定した洗浄品質を得るためには、水切り洗浄
剤中に混入した水を除去し、水切り洗浄剤中の水の濃度
を一定値以下に押さえ、水の再付着を防止する必要があ
る。
【0007】例えば、水切り洗浄剤からの水の除去方法
としては、これらの沸点差を利用し、蒸留操作により分
離除去することが考えられる。しかし、この蒸留による
分離除去方法では、蒸気化するための多大なエネルギを
必要とするばかりでなく、水切り洗浄剤として可燃性溶
剤を使用した際には、発火の危険性を伴うことになる。
また、疎水性の水切り洗浄剤を用い、かつその水切り洗
浄剤と水とが十分な比重差を有している場合には、沈降
分離させることにより、水を除去することができる。し
かし、この沈降分離による除去法では、水切り洗浄剤中
に浮遊する微細な水滴を完全に除去することはできない
という問題がある。
としては、これらの沸点差を利用し、蒸留操作により分
離除去することが考えられる。しかし、この蒸留による
分離除去方法では、蒸気化するための多大なエネルギを
必要とするばかりでなく、水切り洗浄剤として可燃性溶
剤を使用した際には、発火の危険性を伴うことになる。
また、疎水性の水切り洗浄剤を用い、かつその水切り洗
浄剤と水とが十分な比重差を有している場合には、沈降
分離させることにより、水を除去することができる。し
かし、この沈降分離による除去法では、水切り洗浄剤中
に浮遊する微細な水滴を完全に除去することはできない
という問題がある。
【0008】本発明は、上述したような課題に対処する
ためになされたもので、例えば非フロン系の水切り洗浄
剤中に混入した水を有効に除去することを可能にする濃
縮型フィルタおよびその製造方法を提供することを目的
としている。
ためになされたもので、例えば非フロン系の水切り洗浄
剤中に混入した水を有効に除去することを可能にする濃
縮型フィルタおよびその製造方法を提供することを目的
としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の濃縮型フィルタ
は、 一般式: Rn Si X4-n ……(1) (式中、 Rは炭素数 1〜18の 1価の炭化水素基を、 Xは
加水分解性基を、 nは 1〜 3の整数を示す)で表される
加水分解性オルガノシランを少なくとも含む液状系の疎
水性処理剤で処理された多孔質フィルタを有することを
特徴としている。
は、 一般式: Rn Si X4-n ……(1) (式中、 Rは炭素数 1〜18の 1価の炭化水素基を、 Xは
加水分解性基を、 nは 1〜 3の整数を示す)で表される
加水分解性オルガノシランを少なくとも含む液状系の疎
水性処理剤で処理された多孔質フィルタを有することを
特徴としている。
【0010】また、本発明の濃縮型フィルタの製造方法
は、上記 (1)式で表される加水分解性オルガノシランを
少なくとも含む液状系の疎水性処理剤中に多孔質フィル
タを浸漬、あるいは前記液状系の疎水性処理剤を前記多
孔質フィルタ中に圧送した後、前記液状系の疎水性処理
剤を加熱硬化させることを特徴としている。
は、上記 (1)式で表される加水分解性オルガノシランを
少なくとも含む液状系の疎水性処理剤中に多孔質フィル
タを浸漬、あるいは前記液状系の疎水性処理剤を前記多
孔質フィルタ中に圧送した後、前記液状系の疎水性処理
剤を加熱硬化させることを特徴としている。
【0011】
【作用】例えば、疎水性水切り洗浄剤中に混入した水
は、疎水性水切り洗浄剤と水との比重差によって、おお
よそ沈降分離させることができる。ただし、疎水性水切
り洗浄剤中を浮遊する微細な水滴は、短時間では沈降分
離させることができない。これに対して、上記 (1)式で
表される加水分解性オルガノシランを少なくとも含む液
状系の疎水性処理剤で疎水化処理した多孔質フィルタ
は、水の量が 80%程度まで安定に疎水性フィルタとして
機能すると共に、耐久性や細孔の形状維持能に優れる。
このため、本発明の濃縮型フィルタを例えば水切り洗浄
剤中に混入した水や水系洗浄剤の除去に使用することに
よって、微細な水滴状の水を確実に除去することがで
き、しかも安定に水分離操作を行うことができる。これ
により、例えば水濃度が許容値以下の疎水性水切り洗浄
剤により、常に水切り洗浄が実施できるため、水の再付
着を防止することが可能となる。
は、疎水性水切り洗浄剤と水との比重差によって、おお
よそ沈降分離させることができる。ただし、疎水性水切
り洗浄剤中を浮遊する微細な水滴は、短時間では沈降分
離させることができない。これに対して、上記 (1)式で
表される加水分解性オルガノシランを少なくとも含む液
状系の疎水性処理剤で疎水化処理した多孔質フィルタ
は、水の量が 80%程度まで安定に疎水性フィルタとして
機能すると共に、耐久性や細孔の形状維持能に優れる。
このため、本発明の濃縮型フィルタを例えば水切り洗浄
剤中に混入した水や水系洗浄剤の除去に使用することに
よって、微細な水滴状の水を確実に除去することがで
き、しかも安定に水分離操作を行うことができる。これ
により、例えば水濃度が許容値以下の疎水性水切り洗浄
剤により、常に水切り洗浄が実施できるため、水の再付
着を防止することが可能となる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
する。
【0013】図1は、本発明の濃縮型フィルタを使用し
た水分離機構を有する一実施例の洗浄装置の構成を示す
図である。同図に示す洗浄装置は、順に配設された水置
換工程A、清浄化工程Bおよび乾燥工程Cと、水置換工
程Aに付随した水分離機構Dとから主に構成されてい
る。
た水分離機構を有する一実施例の洗浄装置の構成を示す
図である。同図に示す洗浄装置は、順に配設された水置
換工程A、清浄化工程Bおよび乾燥工程Cと、水置換工
程Aに付随した水分離機構Dとから主に構成されてい
る。
【0014】第1の工程となる水置換工程Aは、沈降分
離機能とオーバーフロー機能とを合せ持つ第1の洗浄槽
1と、オーバーフロー機能を有し、このオーバーフロー
機能によって第1の洗浄槽1と連結された第2の洗浄槽
2とを有している。なお、この実施例の洗浄装置では、
水置換工程Aの洗浄槽として、 2槽式連結槽を用いた
が、洗浄槽は洗浄時間や洗浄品質等により単槽や多槽連
結槽から選択すればよく、多槽連結槽における槽数等も
同様である。
離機能とオーバーフロー機能とを合せ持つ第1の洗浄槽
1と、オーバーフロー機能を有し、このオーバーフロー
機能によって第1の洗浄槽1と連結された第2の洗浄槽
2とを有している。なお、この実施例の洗浄装置では、
水置換工程Aの洗浄槽として、 2槽式連結槽を用いた
が、洗浄槽は洗浄時間や洗浄品質等により単槽や多槽連
結槽から選択すればよく、多槽連結槽における槽数等も
同様である。
【0015】上記第1および第2の洗浄槽1、2には、
水との置換作用を有し、水と相溶性を示さず、かつ乾燥
時の温度で沸騰しない疎水性水切り洗浄剤E1 がそれぞ
れ収容されている。このような疎水性水切り洗浄剤E1
としては、シリコーン系溶剤やイソパラフィン系溶剤、
およびこれらの混合物等からなる疎水性溶剤に、水切り
性能向上剤を添加したものが例示される。この疎水性水
切り洗浄剤E1 は、その比重が水の比重より小さく設定
されている。
水との置換作用を有し、水と相溶性を示さず、かつ乾燥
時の温度で沸騰しない疎水性水切り洗浄剤E1 がそれぞ
れ収容されている。このような疎水性水切り洗浄剤E1
としては、シリコーン系溶剤やイソパラフィン系溶剤、
およびこれらの混合物等からなる疎水性溶剤に、水切り
性能向上剤を添加したものが例示される。この疎水性水
切り洗浄剤E1 は、その比重が水の比重より小さく設定
されている。
【0016】上記シリコーン系溶剤としては、例えば
【化1】 (式中、 Rは同一または異なる置換または非置換の 1価
の炭化水素基、 mは 0〜10の整数を示す)で表される直
鎖状ポリジオルガノシロキサンや、
の炭化水素基、 mは 0〜10の整数を示す)で表される直
鎖状ポリジオルガノシロキサンや、
【化2】 (式中、 Rは同一または異なる置換または非置換の 1価
の炭化水素基、 nは 3〜7の整数を示す)で表される環
状ポリジオルガノシロキサン等が例示される。
の炭化水素基、 nは 3〜7の整数を示す)で表される環
状ポリジオルガノシロキサン等が例示される。
【0017】なお、上記 (2)式および (3)式中の R基と
しては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基等のアルキル基、フェニル基等の 1価の非置換炭化
水素基、トリフロロメチル基等の 1価の置換炭化水素基
等が例示されるが、系の安定性、揮発性の維持等からメ
チル基が好ましい。
しては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基等のアルキル基、フェニル基等の 1価の非置換炭化
水素基、トリフロロメチル基等の 1価の置換炭化水素基
等が例示されるが、系の安定性、揮発性の維持等からメ
チル基が好ましい。
【0018】また、イソパラフィン系溶剤としては、例
えば炭素数が 4〜30の範囲の揮発性イソパラフィンが挙
げられる。特に、 C4 〜 C15の留分を主体とするイソパ
ラフィンが洗浄性能の点から好ましい。
えば炭素数が 4〜30の範囲の揮発性イソパラフィンが挙
げられる。特に、 C4 〜 C15の留分を主体とするイソパ
ラフィンが洗浄性能の点から好ましい。
【0019】上述したようなシリコーン系溶剤やイソパ
ラフィン系溶剤に添加して、水切り性能を向上させる水
切り性能向上剤としては、例えば界面活性剤や親水性溶
剤等が例示される。界面活性剤は、カチオン系、アニオ
ン系、ノニオン系、両性系およびこれらの複合系等、各
種のものを使用することが可能である。また、親水性溶
剤としては、メタノール、エタノール、IPA、ベンジ
ルアルコール等のアルコール類、シクロヘキサノンのよ
うなケトン類、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエ
ーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレング
リコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレング
リコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエ
チルエーテル等の多価アルコールとその誘導体等が例示
される。
ラフィン系溶剤に添加して、水切り性能を向上させる水
切り性能向上剤としては、例えば界面活性剤や親水性溶
剤等が例示される。界面活性剤は、カチオン系、アニオ
ン系、ノニオン系、両性系およびこれらの複合系等、各
種のものを使用することが可能である。また、親水性溶
剤としては、メタノール、エタノール、IPA、ベンジ
ルアルコール等のアルコール類、シクロヘキサノンのよ
うなケトン類、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエ
ーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレング
リコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレング
リコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエ
チルエーテル等の多価アルコールとその誘導体等が例示
される。
【0020】疎水性水切り洗浄剤E1 の具体例として
は、シリコーン系溶剤に水切り性能向上剤として界面活
性剤を添加した、テクノケアFRW-13(商品名、株式会社
東芝製)等が挙げられる。
は、シリコーン系溶剤に水切り性能向上剤として界面活
性剤を添加した、テクノケアFRW-13(商品名、株式会社
東芝製)等が挙げられる。
【0021】上記した第1の洗浄槽1は、沈降分離部3
とオーバーフロー部4とを有している。被洗浄物Xは、
別途設置された洗浄装置により水系洗浄剤で洗浄された
もの、あるいは水によりすすぎ洗浄されたものである。
このような被洗浄物Xは、まず第1の洗浄槽1内に浸漬
される。被洗浄物Xの表面に付着している水は、疎水性
水切り洗浄剤E1 と置換されて除去される。この水置換
操作によって、疎水性水切り洗浄剤E1 中には、除去さ
れた水が混入する。疎水性水切り洗浄剤E1 は、水より
比重が小さく設定されているため、被洗浄物Xから除去
された水Yは、沈降分離部3内に沈降して、疎水性水切
り洗浄剤E1 から分離される。
とオーバーフロー部4とを有している。被洗浄物Xは、
別途設置された洗浄装置により水系洗浄剤で洗浄された
もの、あるいは水によりすすぎ洗浄されたものである。
このような被洗浄物Xは、まず第1の洗浄槽1内に浸漬
される。被洗浄物Xの表面に付着している水は、疎水性
水切り洗浄剤E1 と置換されて除去される。この水置換
操作によって、疎水性水切り洗浄剤E1 中には、除去さ
れた水が混入する。疎水性水切り洗浄剤E1 は、水より
比重が小さく設定されているため、被洗浄物Xから除去
された水Yは、沈降分離部3内に沈降して、疎水性水切
り洗浄剤E1 から分離される。
【0022】沈降分離部3と第1の洗浄槽1とは、細管
5により連結されている。このため、第1の洗浄槽1へ
の被洗浄物Xの出し入れ等により、第1の洗浄槽1中の
疎水性水切り洗浄剤E1 が撹拌されても、この撹拌が沈
降分離部3まで伝わることが防止される。よって、一旦
沈降分離部3に沈降した水Yは、水滴として第1の洗浄
槽1内に再び舞い上がることはない。また、一定量以上
水Yが沈降分離部3に溜まると、配水管6を介して水Y
は排水される。従って、被洗浄物Xにより持ち込まれた
水Yの大半は、第1の洗浄槽1の下方に細管5を介して
連結された沈降分離部3内に沈降し、外部へ排除され
る。
5により連結されている。このため、第1の洗浄槽1へ
の被洗浄物Xの出し入れ等により、第1の洗浄槽1中の
疎水性水切り洗浄剤E1 が撹拌されても、この撹拌が沈
降分離部3まで伝わることが防止される。よって、一旦
沈降分離部3に沈降した水Yは、水滴として第1の洗浄
槽1内に再び舞い上がることはない。また、一定量以上
水Yが沈降分離部3に溜まると、配水管6を介して水Y
は排水される。従って、被洗浄物Xにより持ち込まれた
水Yの大半は、第1の洗浄槽1の下方に細管5を介して
連結された沈降分離部3内に沈降し、外部へ排除され
る。
【0023】ただし、微細なエマルジョン状態となった
水は、疎水性水切り洗浄剤E1 中を浮遊し、容易には沈
降分離しない。この浮遊する水は、オーバーフロー部4
を介して、疎水性水切り洗浄剤E1 と共に水分離機構D
に送出される。なお、第1の洗浄槽1のオーバーフロー
部4は、図2に示すように、沈降分離部3に接続するこ
とも可能である。
水は、疎水性水切り洗浄剤E1 中を浮遊し、容易には沈
降分離しない。この浮遊する水は、オーバーフロー部4
を介して、疎水性水切り洗浄剤E1 と共に水分離機構D
に送出される。なお、第1の洗浄槽1のオーバーフロー
部4は、図2に示すように、沈降分離部3に接続するこ
とも可能である。
【0024】第2の洗浄槽2では、第1の洗浄槽1で被
洗浄物Xから分離しなかった水を、例えば超音波による
物理力を併用して強制的に分離する。このため、第2の
洗浄槽2内には、超音波振動子7が設置されている。な
お、水の強制分離は、超音波に限らず、揺動、機械的撹
拌、洗浄剤加温、ブラッシング等により行ってもよい。
また、必要に応じて、これらを併用することができる。
これら水の強制分離手段により、水切り性能がより一層
向上される。
洗浄物Xから分離しなかった水を、例えば超音波による
物理力を併用して強制的に分離する。このため、第2の
洗浄槽2内には、超音波振動子7が設置されている。な
お、水の強制分離は、超音波に限らず、揺動、機械的撹
拌、洗浄剤加温、ブラッシング等により行ってもよい。
また、必要に応じて、これらを併用することができる。
これら水の強制分離手段により、水切り性能がより一層
向上される。
【0025】第2の洗浄槽2においては、上述したよう
に、超音波、ブラッシング等の物理力によって、強制的
に水を被洗浄物Xから除去する。このように、物理力に
よって強制的に除去された水は、疎水性水切り洗浄剤E
1 中で微細エマルジョン状となる。微細エマルジョン状
の水は、容易には沈降分離しない。そこで、エマルジョ
ン状態となった水は、疎水性水切り洗浄剤E1 と共に、
第2の洗浄槽2から第1の洗浄槽1へオーバーフロー管
8を介してオーバーフローさせる。このオーバーフロー
は、水分離機構Dによって、疎水性水切り洗浄剤E1 を
循環させることにより行われる。この第2の洗浄槽2か
らのオーバーフローにより、第1の洗浄槽1の液面は上
昇する。増加した第1の洗浄槽1中の液は、上述したよ
うに、第1の洗浄槽1に付属するオーバーフロー部4を
介して水分離機構Dへ送られる。上記したように、超音
波やブラッシング等の物理力によって、被洗浄物Xから
強制的に水を除去すると、水がエマルジョン状態となっ
て、浮遊しやすくなる。よって、第1の洗浄槽1では、
水の沈降分離による除去効率を高めるため、それらの物
理力を用いずに、単に浸漬処理とすることが好ましい。
に、超音波、ブラッシング等の物理力によって、強制的
に水を被洗浄物Xから除去する。このように、物理力に
よって強制的に除去された水は、疎水性水切り洗浄剤E
1 中で微細エマルジョン状となる。微細エマルジョン状
の水は、容易には沈降分離しない。そこで、エマルジョ
ン状態となった水は、疎水性水切り洗浄剤E1 と共に、
第2の洗浄槽2から第1の洗浄槽1へオーバーフロー管
8を介してオーバーフローさせる。このオーバーフロー
は、水分離機構Dによって、疎水性水切り洗浄剤E1 を
循環させることにより行われる。この第2の洗浄槽2か
らのオーバーフローにより、第1の洗浄槽1の液面は上
昇する。増加した第1の洗浄槽1中の液は、上述したよ
うに、第1の洗浄槽1に付属するオーバーフロー部4を
介して水分離機構Dへ送られる。上記したように、超音
波やブラッシング等の物理力によって、被洗浄物Xから
強制的に水を除去すると、水がエマルジョン状態となっ
て、浮遊しやすくなる。よって、第1の洗浄槽1では、
水の沈降分離による除去効率を高めるため、それらの物
理力を用いずに、単に浸漬処理とすることが好ましい。
【0026】第1の洗浄槽1からオーバーフロー部4を
介して水分離機構Dへと送られた液、すなわちエマルジ
ョン状態の水を含む疎水性水切り洗浄剤E1 は、一旦リ
ザーブタンク9に貯蔵される。このリザーブタンク9を
含む水分離機構Dは、送水ポンプ10が介挿された循環
系11を有している。
介して水分離機構Dへと送られた液、すなわちエマルジ
ョン状態の水を含む疎水性水切り洗浄剤E1 は、一旦リ
ザーブタンク9に貯蔵される。このリザーブタンク9を
含む水分離機構Dは、送水ポンプ10が介挿された循環
系11を有している。
【0027】上記循環系11には、濃縮型フィルタが介
挿されている。濃縮型フィルタとしては主に疎水性フィ
ルタ12が用いられ、この疎水性フィルタ12には本発
明の濃縮型フィルタが用いられる。また、親水性フィル
タ13を併用することも可能である。なお、図1は親水
性フィルタ13を併用した例を示している。リザーブタ
ンク9内において、疎水性水切り洗浄剤E1 が水に対し
て充分多量にある場合には、疎水性水切り洗浄剤E1 が
母相(マトリクス)となり、このマトリクス中に水が水
滴として浮遊する。反対に、水が疎水性水切り洗浄剤E
1 に対して充分多量にある場合には、水が母相(マトリ
クス)となり、水中に疎水性水切り洗浄剤E1 が液滴と
して浮遊する。ただし、リザーブタンク9内での液の滞
留時間を十分にとることができれば、エマルジョン状態
の水であっても沈降分離させることができる。従って、
沈降分離させた水を除去する手段、例えば水排出管や水
吸収剤等をリザーブタンク9に設ければ、疎水性フィル
タ12のみで、水分離機構Dを構成することができる。
挿されている。濃縮型フィルタとしては主に疎水性フィ
ルタ12が用いられ、この疎水性フィルタ12には本発
明の濃縮型フィルタが用いられる。また、親水性フィル
タ13を併用することも可能である。なお、図1は親水
性フィルタ13を併用した例を示している。リザーブタ
ンク9内において、疎水性水切り洗浄剤E1 が水に対し
て充分多量にある場合には、疎水性水切り洗浄剤E1 が
母相(マトリクス)となり、このマトリクス中に水が水
滴として浮遊する。反対に、水が疎水性水切り洗浄剤E
1 に対して充分多量にある場合には、水が母相(マトリ
クス)となり、水中に疎水性水切り洗浄剤E1 が液滴と
して浮遊する。ただし、リザーブタンク9内での液の滞
留時間を十分にとることができれば、エマルジョン状態
の水であっても沈降分離させることができる。従って、
沈降分離させた水を除去する手段、例えば水排出管や水
吸収剤等をリザーブタンク9に設ければ、疎水性フィル
タ12のみで、水分離機構Dを構成することができる。
【0028】この実施例における水分離機構Dは、上述
したようなエマルジョン液のマトリクス液と液滴ドロッ
プとの関係を利用して、濃縮型フィルタによりマトリク
ス液と液滴ドロップとの分離を行うものである。
したようなエマルジョン液のマトリクス液と液滴ドロッ
プとの関係を利用して、濃縮型フィルタによりマトリク
ス液と液滴ドロップとの分離を行うものである。
【0029】上記した濃縮型フィルタの働きを、図3お
よび図4を参照して説明する。疎水性水切り洗浄剤E1
と水との混合液Mが、フィルタエレメント12aを通過
すると、混合液Mの流れとは直角な方向に、マトリクス
液だけがフィルタエレメント12aを通過する。これに
より、濾過が行われる。通常の状態、すなわちマトリク
ス液mが疎水性水切り洗浄剤E1 で、この疎水性水切り
洗浄剤E1 中に水が水滴dとして混入している場合に
は、濃縮型フィルタとして、疎水性フィルタ12を用い
る。水滴dは、疎水性フィルタエレメント12aを通過
することが阻害され、マトリクス液mである疎水性水切
り洗浄剤E1 のみが疎水性フィルタエレメント12aを
通過する。この際、疎水性フィルタエレメント12aを
通過した後の混合液M′中の水の濃度は、疎水性フィル
タエレメント12aにより濾過されて減少した疎水性水
切り洗浄剤E1 の量だけ高くなる。濾過によって増加し
た水は、上述したように、沈降分離や水吸収剤等によっ
て除去すればよい。
よび図4を参照して説明する。疎水性水切り洗浄剤E1
と水との混合液Mが、フィルタエレメント12aを通過
すると、混合液Mの流れとは直角な方向に、マトリクス
液だけがフィルタエレメント12aを通過する。これに
より、濾過が行われる。通常の状態、すなわちマトリク
ス液mが疎水性水切り洗浄剤E1 で、この疎水性水切り
洗浄剤E1 中に水が水滴dとして混入している場合に
は、濃縮型フィルタとして、疎水性フィルタ12を用い
る。水滴dは、疎水性フィルタエレメント12aを通過
することが阻害され、マトリクス液mである疎水性水切
り洗浄剤E1 のみが疎水性フィルタエレメント12aを
通過する。この際、疎水性フィルタエレメント12aを
通過した後の混合液M′中の水の濃度は、疎水性フィル
タエレメント12aにより濾過されて減少した疎水性水
切り洗浄剤E1 の量だけ高くなる。濾過によって増加し
た水は、上述したように、沈降分離や水吸収剤等によっ
て除去すればよい。
【0030】また、上記したような濾過を継続し、マト
リクス液mが水で、この水中に疎水性水切り洗浄剤E1
が液滴dとして混入した状態となった場合には、濃縮型
フィルタとして親水性フィルタ13を用いて、水の除去
を行うこともできる。疎水性水切り洗浄剤E1 からなる
液滴dは、親水性フィルタエレメント13aを通過する
ことが疎外され、マトリクス液mである水のみが親水性
フィルタエレメント13aを通過する。
リクス液mが水で、この水中に疎水性水切り洗浄剤E1
が液滴dとして混入した状態となった場合には、濃縮型
フィルタとして親水性フィルタ13を用いて、水の除去
を行うこともできる。疎水性水切り洗浄剤E1 からなる
液滴dは、親水性フィルタエレメント13aを通過する
ことが疎外され、マトリクス液mである水のみが親水性
フィルタエレメント13aを通過する。
【0031】上記水分離機構Dの循環系11において、
リザーブタンク9と濃縮型フィルタ12(13)とは、
送水ポンプ10が介在された送水用配管14により接続
されている。上記送水ポンプ10としては、ダイヤフラ
ム式ポンプやロータリー式ポンプ等の液体にせん断力が
加わらないタイプのポンプを用いることが好ましい。こ
れは、疎水性水切り洗浄剤E1 と水との混合液Mを物理
的な力で撹拌し、液滴ドロップをより微細化することを
防止するためである。
リザーブタンク9と濃縮型フィルタ12(13)とは、
送水ポンプ10が介在された送水用配管14により接続
されている。上記送水ポンプ10としては、ダイヤフラ
ム式ポンプやロータリー式ポンプ等の液体にせん断力が
加わらないタイプのポンプを用いることが好ましい。こ
れは、疎水性水切り洗浄剤E1 と水との混合液Mを物理
的な力で撹拌し、液滴ドロップをより微細化することを
防止するためである。
【0032】また、濃縮型フィルタとして、親水性フィ
ルタ13を併用する場合には、疎水性水切り洗浄剤E1
と水との混合液Mが、疎水性フィルタ12または親水性
フィルタ13のいずれかに送られるように、送水用配管
14に三方弁15を介挿すればよい。また、濃縮型フィ
ルタ12(13)には、濾過後の混合液M′をリザーブ
タンク9に戻すための循環用配管16が接続されてい
る。親水性フィルタ13を併用する場合には、循環用配
管16にも三方弁17を介挿する。
ルタ13を併用する場合には、疎水性水切り洗浄剤E1
と水との混合液Mが、疎水性フィルタ12または親水性
フィルタ13のいずれかに送られるように、送水用配管
14に三方弁15を介挿すればよい。また、濃縮型フィ
ルタ12(13)には、濾過後の混合液M′をリザーブ
タンク9に戻すための循環用配管16が接続されてい
る。親水性フィルタ13を併用する場合には、循環用配
管16にも三方弁17を介挿する。
【0033】疎水性フィルタ12には、疎水性フィルタ
エレメント12aを通過した疎水性水切り洗浄剤E1 の
みを、第2の洗浄槽2に戻す洗浄剤再供給用配管18が
接続されている。すなわち、疎水性水切り洗浄剤E
1 は、リザーブタンク9、疎水性フィルタ12および洗
浄剤再供給用配管18を介して循環されている。この系
が、この実施例の水分離機構Dにおける基本的な循環系
を形成している。また、親水性フィルタ13には、親水
性フィルタエレメント13aを通過した水を排出する水
排出用配管19が接続されている。
エレメント12aを通過した疎水性水切り洗浄剤E1 の
みを、第2の洗浄槽2に戻す洗浄剤再供給用配管18が
接続されている。すなわち、疎水性水切り洗浄剤E
1 は、リザーブタンク9、疎水性フィルタ12および洗
浄剤再供給用配管18を介して循環されている。この系
が、この実施例の水分離機構Dにおける基本的な循環系
を形成している。また、親水性フィルタ13には、親水
性フィルタエレメント13aを通過した水を排出する水
排出用配管19が接続されている。
【0034】また、上記した濃縮型フィルタ12(1
3)においては、濾過が進行してフィルタエレメントの
内面に付着した液滴d量が増大すると、濾過効率が低下
する。このため、疎水性フィルタ12は、図5に示すよ
うな逆洗機構20を有している。また、親水性フィルタ
13を併用する場合には、親水性フィルタ13にも逆洗
機構20を設けてもよい。
3)においては、濾過が進行してフィルタエレメントの
内面に付着した液滴d量が増大すると、濾過効率が低下
する。このため、疎水性フィルタ12は、図5に示すよ
うな逆洗機構20を有している。また、親水性フィルタ
13を併用する場合には、親水性フィルタ13にも逆洗
機構20を設けてもよい。
【0035】上記した逆洗機構20について説明する。
通常状態においては、疎水性フィルタ12を通過する疎
水性水切り洗浄剤E1 と水との混合液Mは、マトリクス
液mである疎水性水切り洗浄剤E1 だけがフィルタ膜1
2bを通過し、濾過される。このとき、フィルタ膜12
bの表面には、水滴dが付着することがある。これが原
因となって、フィルタ膜12bの目詰りが生じる。フィ
ルタ膜12bの目詰りが進むと、疎水性水切り洗浄剤E
1 の濾過液量が減少する。これを元の状態に戻すため
に、逆洗を行う。
通常状態においては、疎水性フィルタ12を通過する疎
水性水切り洗浄剤E1 と水との混合液Mは、マトリクス
液mである疎水性水切り洗浄剤E1 だけがフィルタ膜1
2bを通過し、濾過される。このとき、フィルタ膜12
bの表面には、水滴dが付着することがある。これが原
因となって、フィルタ膜12bの目詰りが生じる。フィ
ルタ膜12bの目詰りが進むと、疎水性水切り洗浄剤E
1 の濾過液量が減少する。これを元の状態に戻すため
に、逆洗を行う。
【0036】逆洗の手順は、以下の通りである。まず、
濾液の管路、例えば洗浄剤再供給用配管18を弁21に
より閉じる。次に、濾液が収容された逆洗シリンダ22
を作動させ、濾液をフィルタ膜12bの逆方向から混合
液M側に打ち込む。このとき、フィルタ膜12bを通過
する濾液の流れにより、フィルタ膜12bの表面に付着
した水滴dは、フィルタ膜12bの表面から剥離する。
これにより、フィルタ膜12bの再生復帰が行われ、目
詰りが解消される。この逆洗の時期は、濾液量を監視す
る等によって決定すればよい。
濾液の管路、例えば洗浄剤再供給用配管18を弁21に
より閉じる。次に、濾液が収容された逆洗シリンダ22
を作動させ、濾液をフィルタ膜12bの逆方向から混合
液M側に打ち込む。このとき、フィルタ膜12bを通過
する濾液の流れにより、フィルタ膜12bの表面に付着
した水滴dは、フィルタ膜12bの表面から剥離する。
これにより、フィルタ膜12bの再生復帰が行われ、目
詰りが解消される。この逆洗の時期は、濾液量を監視す
る等によって決定すればよい。
【0037】次に、上記した構成を有する水分離機構D
の動作を、図6および図7を参照して、より詳細に説明
する。
の動作を、図6および図7を参照して、より詳細に説明
する。
【0038】リザーブタンク9に収容された疎水性水切
り洗浄剤E1 と水との混合液Mは、通常状態では水切り
洗浄剤E1 をマトリクスとする。従って、図6に示すよ
うに、混合液M1 は、送水ポンプ10により疎水性フィ
ルター12に送られる。疎水性フィルタ12において
は、疎水性水切り洗浄剤E1 のみが疎水性フィルタエレ
メント12aを通過し、濾液に相当する疎水性水切り洗
浄剤E1 ′のみが洗浄剤再供給用配管18を介して、第
2の洗浄槽2へ戻される。
り洗浄剤E1 と水との混合液Mは、通常状態では水切り
洗浄剤E1 をマトリクスとする。従って、図6に示すよ
うに、混合液M1 は、送水ポンプ10により疎水性フィ
ルター12に送られる。疎水性フィルタ12において
は、疎水性水切り洗浄剤E1 のみが疎水性フィルタエレ
メント12aを通過し、濾液に相当する疎水性水切り洗
浄剤E1 ′のみが洗浄剤再供給用配管18を介して、第
2の洗浄槽2へ戻される。
【0039】このように、第2の洗浄槽2には、常時、
水を含まない疎水性水切り洗浄剤E1 ′が供給される。
これにより、疎水性水切り洗浄剤E1 の循環が実現する
と共に、第2の洗浄槽2中の水の濃度を、被洗浄物Xの
品質により要請される許容値以下とすることができる。
なお、洗浄剤再供給用配管18を介して第2の洗浄槽2
に戻される疎水性水切り洗浄剤E1 ′は、界面活性剤の
ような水切り性能向上剤が水中に溶けるため、その濃度
が減少している。これを解消するためには、例えば、清
浄化工程Bに持ち出される量に相当する疎水性水切り洗
浄剤E1 を、第2の洗浄槽2に補充する際に、水分離機
構Dによって減少する水切り性能向上剤の量だけ、水切
り性能向上剤を増量した疎水性水切り洗浄剤を供給すれ
ばよい。これにより、第1および第2の洗浄槽1、2内
の疎水性水切り洗浄剤E1 に、たえず十分な水切り機能
を持たせることができる。例えば、疎水性水切り洗浄剤
E1 に前述したテクノケアFRW-13を用いた場合、十分な
水置換性を付与するためには、0.1%以上の界面活性剤が
含まれていることが好ましい。
水を含まない疎水性水切り洗浄剤E1 ′が供給される。
これにより、疎水性水切り洗浄剤E1 の循環が実現する
と共に、第2の洗浄槽2中の水の濃度を、被洗浄物Xの
品質により要請される許容値以下とすることができる。
なお、洗浄剤再供給用配管18を介して第2の洗浄槽2
に戻される疎水性水切り洗浄剤E1 ′は、界面活性剤の
ような水切り性能向上剤が水中に溶けるため、その濃度
が減少している。これを解消するためには、例えば、清
浄化工程Bに持ち出される量に相当する疎水性水切り洗
浄剤E1 を、第2の洗浄槽2に補充する際に、水分離機
構Dによって減少する水切り性能向上剤の量だけ、水切
り性能向上剤を増量した疎水性水切り洗浄剤を供給すれ
ばよい。これにより、第1および第2の洗浄槽1、2内
の疎水性水切り洗浄剤E1 に、たえず十分な水切り機能
を持たせることができる。例えば、疎水性水切り洗浄剤
E1 に前述したテクノケアFRW-13を用いた場合、十分な
水置換性を付与するためには、0.1%以上の界面活性剤が
含まれていることが好ましい。
【0040】疎水性フィルタ12を通過して水分濃度の
高くなった混合液M1 ′は、再びリザーブタンク9に戻
される。このように、混合液M1 は、通常、送水ポンプ
10や疎水性フィルタ12等を介して、常時循環されて
いる。
高くなった混合液M1 ′は、再びリザーブタンク9に戻
される。このように、混合液M1 は、通常、送水ポンプ
10や疎水性フィルタ12等を介して、常時循環されて
いる。
【0041】ところで、疎水性フィルタ12により疎水
性水切り洗浄剤E1 ′の濾過が進むと、リザーブタンク
9内の混合液M中に水が蓄積される。混合液M中の水濃
度は、徐々に上昇する。ただし、前述したように、水を
沈降分離等により除去することができれば、疎水性フィ
ルタ12のみを用いて、疎水性水切り洗浄剤を循環させ
ることができる。
性水切り洗浄剤E1 ′の濾過が進むと、リザーブタンク
9内の混合液M中に水が蓄積される。混合液M中の水濃
度は、徐々に上昇する。ただし、前述したように、水を
沈降分離等により除去することができれば、疎水性フィ
ルタ12のみを用いて、疎水性水切り洗浄剤を循環させ
ることができる。
【0042】また、リザーブタンク9中の混合液Mの組
成が変化し、水の量が疎水性水切り洗浄剤E1 の量より
多くなると、マトリクス液が水となる場合がある。この
ような状態では、疎水性フィルタ12での疎水性水切り
洗浄剤E1 の濾過効率が低下する。このような状態とな
った場合には、親水性フィルタ13を用いて混合液M中
の水を除去することもできる。このような場合には、三
方弁15、17を切り替え、図7に示すように、混合液
M2 を親水性フィルタ13へと送る。親水性フィルタ1
3では、疎水性フィルタ12とは逆に、濾液として水が
取り出される。濾過により取り出された水は、水排出用
配管19から外部に排出される。また、親水性フィルタ
13を通過して疎水性水切り洗浄剤E1 の濃度が高くな
った混合液M2 ′は、再びリザーブタンク9に戻され
る。このように、混合液M中のマトリックス液に応じ
て、疎水性フィルタ12と親水性フィルタ13との切り
替えを行うこともできる。
成が変化し、水の量が疎水性水切り洗浄剤E1 の量より
多くなると、マトリクス液が水となる場合がある。この
ような状態では、疎水性フィルタ12での疎水性水切り
洗浄剤E1 の濾過効率が低下する。このような状態とな
った場合には、親水性フィルタ13を用いて混合液M中
の水を除去することもできる。このような場合には、三
方弁15、17を切り替え、図7に示すように、混合液
M2 を親水性フィルタ13へと送る。親水性フィルタ1
3では、疎水性フィルタ12とは逆に、濾液として水が
取り出される。濾過により取り出された水は、水排出用
配管19から外部に排出される。また、親水性フィルタ
13を通過して疎水性水切り洗浄剤E1 の濃度が高くな
った混合液M2 ′は、再びリザーブタンク9に戻され
る。このように、混合液M中のマトリックス液に応じ
て、疎水性フィルタ12と親水性フィルタ13との切り
替えを行うこともできる。
【0043】以上のようにして、たえず安定した濾過を
行うことができる。なお、疎水性フィルタ12と親水性
フィルタ13との切り替えは、濾液量を監視することに
よって行ってもよいし、また紫外線吸光分析等の水分濃
度分析により、混合液M中の水分濃度を測定して行って
もよい。
行うことができる。なお、疎水性フィルタ12と親水性
フィルタ13との切り替えは、濾液量を監視することに
よって行ってもよいし、また紫外線吸光分析等の水分濃
度分析により、混合液M中の水分濃度を測定して行って
もよい。
【0044】上述したように、水分離機構Dにおける濃
縮型フィルタとしては、疎水性フィルタ12と親水性フ
ィルタ13とを併用してもよい。ただし、前述したよう
に、例えばリザーブタンク9に静置分離によって生じた
下層の水を、バルブ操作等により除去する機構を設けた
り、あるいは水吸収剤を併用する等によって、疎水性フ
ィルタ12のみで水分離機構Dを構成することができ
る。水吸収剤を併用した例について、図8を参照して説
明する。
縮型フィルタとしては、疎水性フィルタ12と親水性フ
ィルタ13とを併用してもよい。ただし、前述したよう
に、例えばリザーブタンク9に静置分離によって生じた
下層の水を、バルブ操作等により除去する機構を設けた
り、あるいは水吸収剤を併用する等によって、疎水性フ
ィルタ12のみで水分離機構Dを構成することができ
る。水吸収剤を併用した例について、図8を参照して説
明する。
【0045】すなわち、図8に示すリザーブタンク9
は、その内部を 2室(入口部9aと出口部9b)に分離
する遮蔽板28を有している。この遮蔽板28の下方に
は、液通路9cが設けられている。リザーブタンク9の
下部には、液通路9cを介して、入口部9aから出口部
9bへと移動する疎水性水切り洗浄剤E1 がその内部を
通過するように、水吸収剤29が配置されている。
は、その内部を 2室(入口部9aと出口部9b)に分離
する遮蔽板28を有している。この遮蔽板28の下方に
は、液通路9cが設けられている。リザーブタンク9の
下部には、液通路9cを介して、入口部9aから出口部
9bへと移動する疎水性水切り洗浄剤E1 がその内部を
通過するように、水吸収剤29が配置されている。
【0046】上記水吸収剤29としては、油水混合系か
ら水のみを十分に吸収する吸水能を有し、疎水性水切り
洗浄剤E1 に対して不溶または難溶で、かつ反応性が低
い、例えば吸水性高分子材料を用いる。吸水性高分子材
料とは、水と接触すると短時間に吸水・膨潤して、水全
体をゲル化させる性質を有する高分子である。このよう
な吸水性高分子材料としては種々のものが知られてお
り、上記した条件を満足するものであればその材質に限
定されるものではない。水吸収剤29の具体例として
は、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体系水吸収剤等が挙
げられる。
ら水のみを十分に吸収する吸水能を有し、疎水性水切り
洗浄剤E1 に対して不溶または難溶で、かつ反応性が低
い、例えば吸水性高分子材料を用いる。吸水性高分子材
料とは、水と接触すると短時間に吸水・膨潤して、水全
体をゲル化させる性質を有する高分子である。このよう
な吸水性高分子材料としては種々のものが知られてお
り、上記した条件を満足するものであればその材質に限
定されるものではない。水吸収剤29の具体例として
は、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体系水吸収剤等が挙
げられる。
【0047】このような水吸収剤29は、その粉末を疎
水性水切り洗浄剤E1 の通過を阻害しないような網状容
器に収容してリザーブタンク9内に配置したり、またシ
ート状の水吸収剤29であれば、リザーブタンク9内に
直接配置することも可能である。水吸収剤29の配置量
は、その吸水能、持ち込まれる水分量、洗浄装置の作業
継続時間等を考慮して設定するものとする。
水性水切り洗浄剤E1 の通過を阻害しないような網状容
器に収容してリザーブタンク9内に配置したり、またシ
ート状の水吸収剤29であれば、リザーブタンク9内に
直接配置することも可能である。水吸収剤29の配置量
は、その吸水能、持ち込まれる水分量、洗浄装置の作業
継続時間等を考慮して設定するものとする。
【0048】上記したような水吸収剤29で、予め疎水
性水切り洗浄剤E1 中の水を吸収しておくことにより、
疎水性フィルタ12に対する負荷を軽減することができ
る。また、リザーブタンク9に返送する混合液M′中の
水濃度の上昇を押さえることができる。これらにより、
親水性フィルタを用いずに、疎水性フィルタ12のみで
水分離機構Dを構成することが可能となる。なお、水吸
収剤29は、循環用配管16中に介挿してもよい。
性水切り洗浄剤E1 中の水を吸収しておくことにより、
疎水性フィルタ12に対する負荷を軽減することができ
る。また、リザーブタンク9に返送する混合液M′中の
水濃度の上昇を押さえることができる。これらにより、
親水性フィルタを用いずに、疎水性フィルタ12のみで
水分離機構Dを構成することが可能となる。なお、水吸
収剤29は、循環用配管16中に介挿してもよい。
【0049】上述したような水切り洗浄工程Aにおい
て、水切り洗浄された被洗浄物Xは、次いで清浄化工程
Bへと送られる。清浄化工程Bは、すすぎ洗浄を目的と
した第3の洗浄槽23および第4の洗浄槽24を有して
いる。なお、清浄化工程Bにおける洗浄槽の数は、洗浄
品質等に応じて適宜設定すればよい。
て、水切り洗浄された被洗浄物Xは、次いで清浄化工程
Bへと送られる。清浄化工程Bは、すすぎ洗浄を目的と
した第3の洗浄槽23および第4の洗浄槽24を有して
いる。なお、清浄化工程Bにおける洗浄槽の数は、洗浄
品質等に応じて適宜設定すればよい。
【0050】この清浄化工程Bでは、被洗浄物Xに付着
している疎水性水切り洗浄剤E1 中の界面活性剤等の濃
度が、被洗浄物Xの品質により要請される許容値以下と
なるように、すすぎ洗浄が実施される。よって、疎水性
水切り洗浄剤E1 の組成によっては、この清浄化工程B
を省くことも可能である。
している疎水性水切り洗浄剤E1 中の界面活性剤等の濃
度が、被洗浄物Xの品質により要請される許容値以下と
なるように、すすぎ洗浄が実施される。よって、疎水性
水切り洗浄剤E1 の組成によっては、この清浄化工程B
を省くことも可能である。
【0051】第3の洗浄槽23および第4の洗浄槽24
には、上記水切り洗浄工程Aで使用した疎水性溶剤と同
様な疎水性のすすぎ洗浄剤E2 が収容されている。な
お、すすぎ洗浄剤E2 として用いる疎水性溶剤は、これ
に特定する必要はないが、基本的には水切り洗浄工程A
における疎水性水切り洗浄剤E1 で用いた疎水性溶剤と
同一とし、これに界面活性剤等を配合しないものを用い
るのが実践的な作業効率を維持する上で好ましい。すす
ぎ洗浄剤E2 の具体例としては、シリコーン系溶剤であ
るテクノケア FRW-1(商品名、株式会社東芝製)等が挙
げられる。
には、上記水切り洗浄工程Aで使用した疎水性溶剤と同
様な疎水性のすすぎ洗浄剤E2 が収容されている。な
お、すすぎ洗浄剤E2 として用いる疎水性溶剤は、これ
に特定する必要はないが、基本的には水切り洗浄工程A
における疎水性水切り洗浄剤E1 で用いた疎水性溶剤と
同一とし、これに界面活性剤等を配合しないものを用い
るのが実践的な作業効率を維持する上で好ましい。すす
ぎ洗浄剤E2 の具体例としては、シリコーン系溶剤であ
るテクノケア FRW-1(商品名、株式会社東芝製)等が挙
げられる。
【0052】この後、被洗浄物Xは乾燥工程Cに送ら
れ、被洗浄物Xの表面からすすぎ洗浄剤E2 が揮散除去
されて、水切り洗浄が終了する。この乾燥工程Cとして
は、温風乾燥を用いてもよいが、IPAや環境に問題を
生じないフッ素系不活性液体等の蒸気による蒸気乾燥を
適用することが好ましい。これによって、より一層洗浄
品質の向上を図ることができる。蒸気乾燥に用いるフッ
素系不活性液体としてはフロン系溶剤を用いることも可
能であるが、環境や人体に対する影響を考えた場合、塩
素を実質的に含まないペルフルオロカーボンを用いるこ
とが好ましい。
れ、被洗浄物Xの表面からすすぎ洗浄剤E2 が揮散除去
されて、水切り洗浄が終了する。この乾燥工程Cとして
は、温風乾燥を用いてもよいが、IPAや環境に問題を
生じないフッ素系不活性液体等の蒸気による蒸気乾燥を
適用することが好ましい。これによって、より一層洗浄
品質の向上を図ることができる。蒸気乾燥に用いるフッ
素系不活性液体としてはフロン系溶剤を用いることも可
能であるが、環境や人体に対する影響を考えた場合、塩
素を実質的に含まないペルフルオロカーボンを用いるこ
とが好ましい。
【0053】ペルフルオロカーボンは、分子構造中の炭
素原子に結合し得る実質的に全ての置換基がフッ素原子
である炭素化合物であり、通常、常温では液状であっ
て、不燃性、無毒、無臭で、非常に安全性の高いもので
あると共に、実質的に塩素を含まないことから環境破壊
を招くことがない。また、ペルフルオロカーボンは、フ
ロン系溶剤と同等の揮発性を有し、さらに金属、プラス
チック、ガラス等の各種材料を侵さないことから、各種
材質からなる被洗浄物に対して有効かつ十分な乾燥性能
を発揮する。さらに、ペルフルオロカーボンは、例えば
シリコーン系溶剤やイソパラフィン系溶剤のような疎水
性溶剤と常温近傍では相溶性を示さず、また適度な比重
差を有することから、乾燥工程Cに洗浄剤成分が持ち込
まれた際にも、それぞれ分離して回収、再使用すること
ができる。
素原子に結合し得る実質的に全ての置換基がフッ素原子
である炭素化合物であり、通常、常温では液状であっ
て、不燃性、無毒、無臭で、非常に安全性の高いもので
あると共に、実質的に塩素を含まないことから環境破壊
を招くことがない。また、ペルフルオロカーボンは、フ
ロン系溶剤と同等の揮発性を有し、さらに金属、プラス
チック、ガラス等の各種材料を侵さないことから、各種
材質からなる被洗浄物に対して有効かつ十分な乾燥性能
を発揮する。さらに、ペルフルオロカーボンは、例えば
シリコーン系溶剤やイソパラフィン系溶剤のような疎水
性溶剤と常温近傍では相溶性を示さず、また適度な比重
差を有することから、乾燥工程Cに洗浄剤成分が持ち込
まれた際にも、それぞれ分離して回収、再使用すること
ができる。
【0054】ペルフルオロカーボンの例としては、 C3
F 6 、 C4 F 8 、 C5 F 10、 C6 F12、 C6 F 12O 、 C
6 F 14、 C7 F 14、 C7 F 14 O、 C7 F 16、 C8 F 16
O、C8 F 18、 C9 F 18 O、 C10F 20 O等の分子式で表さ
れるもの等が挙げられる。具体的には、テクノケアFRV-
1(商品名、株式会社東芝製)等が使用される。
F 6 、 C4 F 8 、 C5 F 10、 C6 F12、 C6 F 12O 、 C
6 F 14、 C7 F 14、 C7 F 14 O、 C7 F 16、 C8 F 16
O、C8 F 18、 C9 F 18 O、 C10F 20 O等の分子式で表さ
れるもの等が挙げられる。具体的には、テクノケアFRV-
1(商品名、株式会社東芝製)等が使用される。
【0055】この実施例の洗浄装置においては、乾燥工
程Cとして、蒸気乾燥を用いている。このため、乾燥工
程Cは、ペルフルオロカーボンによる蒸気洗浄剤E3 が
収容された蒸気洗浄槽25を有している。蒸気洗浄槽2
5は、蒸気洗浄剤E3 中に投入されたヒータ26によっ
て、蒸気洗浄剤E3 の蒸気を生成するように構成されて
いる。また、別途設置した蒸気発生タンクで発生させた
ペルフルオロカーボンの蒸気を、蒸気洗浄槽25に供給
するように構成してもよい。蒸気洗浄槽25の上部に
は、蒸気洗浄槽25内からペルフルオロカーボンの蒸気
が揮散することを防止するように、冷却パイプ27が設
置されている。
程Cとして、蒸気乾燥を用いている。このため、乾燥工
程Cは、ペルフルオロカーボンによる蒸気洗浄剤E3 が
収容された蒸気洗浄槽25を有している。蒸気洗浄槽2
5は、蒸気洗浄剤E3 中に投入されたヒータ26によっ
て、蒸気洗浄剤E3 の蒸気を生成するように構成されて
いる。また、別途設置した蒸気発生タンクで発生させた
ペルフルオロカーボンの蒸気を、蒸気洗浄槽25に供給
するように構成してもよい。蒸気洗浄槽25の上部に
は、蒸気洗浄槽25内からペルフルオロカーボンの蒸気
が揮散することを防止するように、冷却パイプ27が設
置されている。
【0056】また、清浄化工程Bですすぎ洗浄剤E2 と
してテクノケアFRW-1 等を用いた場合には、テクノケア
FRW-1 の揮発性を利用して、乾燥工程Cとして温風乾燥
等を適用することもできる。
してテクノケアFRW-1 等を用いた場合には、テクノケア
FRW-1 の揮発性を利用して、乾燥工程Cとして温風乾燥
等を適用することもできる。
【0057】上述したように、この実施例の洗浄装置に
おいては、水切り洗浄工程Aを水分離機構Dによって支
援している。このため、水切り洗浄工程Aの第2の洗浄
槽2内に収容された疎水性水切り洗浄剤E1 中の水濃度
を、被洗浄物Xの水切り洗浄品質に応じて、たえず一定
値以下、例えば2%〜3%以下程度に保つことができる。水
分離機構Dは、浮遊する水滴を確実に除去することが可
能な濃縮型フィルタを用いているため、疎水性水切り洗
浄剤E1 中の水濃度を確実に一定値以下とすることがで
きる。また、リザーブタンク9と濃縮型フィルタとの間
で、水を含む疎水性水切り洗浄剤E1 を循環させると共
に、水を除去した後の疎水性水切り洗浄剤E1 を第2の
洗浄槽2に返送している。このように、疎水性水切り洗
浄剤E1を循環させることにより、洗浄自体には悪影響
を与えることなく、第2の洗浄槽2に収容された疎水性
水切り洗浄剤E1 中の水濃度を、たえず一定値以下に保
つことができる。よって、水切り洗浄工程Aにおいて
は、水の再付着が確実に防止され、たえず一定の水切り
洗浄品質を保つことができる。
おいては、水切り洗浄工程Aを水分離機構Dによって支
援している。このため、水切り洗浄工程Aの第2の洗浄
槽2内に収容された疎水性水切り洗浄剤E1 中の水濃度
を、被洗浄物Xの水切り洗浄品質に応じて、たえず一定
値以下、例えば2%〜3%以下程度に保つことができる。水
分離機構Dは、浮遊する水滴を確実に除去することが可
能な濃縮型フィルタを用いているため、疎水性水切り洗
浄剤E1 中の水濃度を確実に一定値以下とすることがで
きる。また、リザーブタンク9と濃縮型フィルタとの間
で、水を含む疎水性水切り洗浄剤E1 を循環させると共
に、水を除去した後の疎水性水切り洗浄剤E1 を第2の
洗浄槽2に返送している。このように、疎水性水切り洗
浄剤E1を循環させることにより、洗浄自体には悪影響
を与えることなく、第2の洗浄槽2に収容された疎水性
水切り洗浄剤E1 中の水濃度を、たえず一定値以下に保
つことができる。よって、水切り洗浄工程Aにおいて
は、水の再付着が確実に防止され、たえず一定の水切り
洗浄品質を保つことができる。
【0058】また、水との置換によって、被洗浄物Xの
表面に付着した疎水性水切り洗浄剤E1 は、清浄化工程
Bのすすぎ洗浄剤E2 により除去される。すなわち、疎
水性水切り洗浄剤E1 中に含まれる界面活性剤等の成分
は、疎水性溶剤のみで構成されたすすぎ洗浄剤E2 によ
り除去される。よって、清浄化工程Bを経た被洗浄物X
の表面には、乾燥後の品質に悪影響を与えることがない
疎水性溶剤のみとなる。これらにより、洗浄品質を低下
させるウォーターマーク等を、確実に防止することがで
きる。よって、例えば超精密洗浄が可能となる。
表面に付着した疎水性水切り洗浄剤E1 は、清浄化工程
Bのすすぎ洗浄剤E2 により除去される。すなわち、疎
水性水切り洗浄剤E1 中に含まれる界面活性剤等の成分
は、疎水性溶剤のみで構成されたすすぎ洗浄剤E2 によ
り除去される。よって、清浄化工程Bを経た被洗浄物X
の表面には、乾燥後の品質に悪影響を与えることがない
疎水性溶剤のみとなる。これらにより、洗浄品質を低下
させるウォーターマーク等を、確実に防止することがで
きる。よって、例えば超精密洗浄が可能となる。
【0059】なお、上記実施例の洗浄装置においては、
水切り洗浄工程Aで浸漬型の洗浄槽を用いた例について
説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例
えば、バァッファー槽をさらに追加する等によって、シ
ャワー洗浄槽等を適用することも可能である。
水切り洗浄工程Aで浸漬型の洗浄槽を用いた例について
説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例
えば、バァッファー槽をさらに追加する等によって、シ
ャワー洗浄槽等を適用することも可能である。
【0060】次に、上記洗浄装置に用いた濃縮型フィル
タについて述べる。
タについて述べる。
【0061】上述したような水分離機構Dに用いる濃縮
型フィルタ12、13の各エレメント12a、13a
は、濾過対象となるマトリックス液の材質や内容によっ
て種々に選択する。例えば、材質や表面処理の有無等に
よっても異なるが、例えば0.01μm 〜 200μm 程度、よ
り好ましくは 0.5μm 〜10μm 、さらに好ましくは 0.1
μm 〜 2μm 程度のポアサイズを有する多孔質フィルタ
が用いられる。多孔質フィルタの具体例としては、セラ
ミックスフィルタ、ガラスフィルタ、有機高分子系フィ
ルタ、さらにはこれらの複合系フィルタ等が挙げられ
る。これらは、エレメント材質や表面処理の有無等によ
って、疎水性フィルタ12または親水性フィルタ13と
なる。例えば、親水性を有するエレメント材質に、疎水
性の表面コーティングを施すことによって、疎水性フィ
ルタ12とすることもできる。なお、前述した洗浄装置
における濃縮フィルタとしては、上記した各種のフィル
タを例えば直列または並列に組合せる等して使用するこ
ともできる。
型フィルタ12、13の各エレメント12a、13a
は、濾過対象となるマトリックス液の材質や内容によっ
て種々に選択する。例えば、材質や表面処理の有無等に
よっても異なるが、例えば0.01μm 〜 200μm 程度、よ
り好ましくは 0.5μm 〜10μm 、さらに好ましくは 0.1
μm 〜 2μm 程度のポアサイズを有する多孔質フィルタ
が用いられる。多孔質フィルタの具体例としては、セラ
ミックスフィルタ、ガラスフィルタ、有機高分子系フィ
ルタ、さらにはこれらの複合系フィルタ等が挙げられ
る。これらは、エレメント材質や表面処理の有無等によ
って、疎水性フィルタ12または親水性フィルタ13と
なる。例えば、親水性を有するエレメント材質に、疎水
性の表面コーティングを施すことによって、疎水性フィ
ルタ12とすることもできる。なお、前述した洗浄装置
における濃縮フィルタとしては、上記した各種のフィル
タを例えば直列または並列に組合せる等して使用するこ
ともできる。
【0062】上述したような濃縮型フィルタのうち、疎
水性フィルタ12としては本発明の濃縮型フィルタ、す
なわち下記の (1)式で表される加水分解性オルガノシラ
ンを少なくとも含む疎水性処理剤で処理された多孔質フ
ィルタが用いられる。
水性フィルタ12としては本発明の濃縮型フィルタ、す
なわち下記の (1)式で表される加水分解性オルガノシラ
ンを少なくとも含む疎水性処理剤で処理された多孔質フ
ィルタが用いられる。
【0063】一般式: Rn Si X4-n ……(1) (式中、 Rは炭素数 1〜18の 1価の炭化水素基を、 Xは
加水分解性基を、 nは 1〜 3の整数を示す) 親水性が高い多孔質フィルタを、上記 (1)式で表される
加水分解性オルガノシランを少なくとも含む液状系の疎
水性処理剤で処理することによって、耐久性や細孔の形
状維持能に優れた疎水性フィルタ12が得られる。ま
た、上記疎水性処理剤は、比較的低温での処理が可能で
あることから、疎水化処理工程上も優れているといえ
る。
加水分解性基を、 nは 1〜 3の整数を示す) 親水性が高い多孔質フィルタを、上記 (1)式で表される
加水分解性オルガノシランを少なくとも含む液状系の疎
水性処理剤で処理することによって、耐久性や細孔の形
状維持能に優れた疎水性フィルタ12が得られる。ま
た、上記疎水性処理剤は、比較的低温での処理が可能で
あることから、疎水化処理工程上も優れているといえ
る。
【0064】このような疎水性コーティングを施した多
孔質フィルタは、水の量が80% 程度まで効率よく濾過を
行うことが可能であるため、より安定した水分離操作が
可能となる。また、疎水性フィルタ12と親水性フィル
タ13とを併用する場合には、これらの切り替えをマト
リックス液に応じて行わなければならない。その際、一
般的なフィルタでは、疎水性水切り洗浄剤E1 と水の量
が同量程度の範囲で、切り替えを頻繁に行わなければな
らない可能性がある。そこで、本発明による上記疎水性
コーティングを施した多孔質フィルタを用いることによ
って、より安定に水分離操作を行うことができる。
孔質フィルタは、水の量が80% 程度まで効率よく濾過を
行うことが可能であるため、より安定した水分離操作が
可能となる。また、疎水性フィルタ12と親水性フィル
タ13とを併用する場合には、これらの切り替えをマト
リックス液に応じて行わなければならない。その際、一
般的なフィルタでは、疎水性水切り洗浄剤E1 と水の量
が同量程度の範囲で、切り替えを頻繁に行わなければな
らない可能性がある。そこで、本発明による上記疎水性
コーティングを施した多孔質フィルタを用いることによ
って、より安定に水分離操作を行うことができる。
【0065】上記疎水性処理剤で処理する多孔質フィル
タの材質としては、上述した各種のフィルタを用いるこ
とが可能であるが、特にセラミックスフィルタが好まし
い。セラミックスフィルタの母材質としては、ガラス、
シリカ、珪灰石等の珪質材料、あるいはアルミナ、酸化
ニッケル、チタン石等の非珪質材料等が例示される。こ
れらのうち、アルミナが好ましく用いられる。
タの材質としては、上述した各種のフィルタを用いるこ
とが可能であるが、特にセラミックスフィルタが好まし
い。セラミックスフィルタの母材質としては、ガラス、
シリカ、珪灰石等の珪質材料、あるいはアルミナ、酸化
ニッケル、チタン石等の非珪質材料等が例示される。こ
れらのうち、アルミナが好ましく用いられる。
【0066】フィルタの細孔の平均孔径は、0.01μm 〜
200μm の範囲が好ましく、より好ましくは 0.5μm 〜
10μm の範囲である。細孔の平均孔径が0.01μm よりも
小さいと、シランで処理する際に細孔の閉塞が起きやす
く、また 200μm よりも大きいと水の分離能力が低下す
る。なお、ここでいう平均孔径は、フィルタの少なくと
も 5箇所を任意に選んで走査型電子顕微鏡写真(倍率:
100〜 50000倍)を撮り、さらに各写真の任意の細孔10
点の最長径を測定し、その正規分布から求めたものであ
る。
200μm の範囲が好ましく、より好ましくは 0.5μm 〜
10μm の範囲である。細孔の平均孔径が0.01μm よりも
小さいと、シランで処理する際に細孔の閉塞が起きやす
く、また 200μm よりも大きいと水の分離能力が低下す
る。なお、ここでいう平均孔径は、フィルタの少なくと
も 5箇所を任意に選んで走査型電子顕微鏡写真(倍率:
100〜 50000倍)を撮り、さらに各写真の任意の細孔10
点の最長径を測定し、その正規分布から求めたものであ
る。
【0067】(1)式中の Rで示される炭素数 1〜18の 1
価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、
ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデ
シル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシ
ル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアル
キル基、フェニル基等のアリール基、ビニル基、アリル
基等のアルケニル基、β- フェニルエチル基、γ- フェ
ニルプロピル基等のアラルキル基が例示される。これら
の中でも、優れた撥水性を付与する目的からアルキル基
が好ましい。さらに、撥水性が特に優れ、かつ原料の入
手と合成および精製が容易であることから、炭素数 3〜
16のアルキル基が好ましく、炭素数 4〜10のアルキル基
が特に好ましい。なお、 (1)式中のnが 2または 3であ
る場合には、 Rはそれぞれ同一であっても、また異なっ
ていてもよい。ただし、シランの反応速度が速いことか
ら、 nは 1が好ましい。
価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、
ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデ
シル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシ
ル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアル
キル基、フェニル基等のアリール基、ビニル基、アリル
基等のアルケニル基、β- フェニルエチル基、γ- フェ
ニルプロピル基等のアラルキル基が例示される。これら
の中でも、優れた撥水性を付与する目的からアルキル基
が好ましい。さらに、撥水性が特に優れ、かつ原料の入
手と合成および精製が容易であることから、炭素数 3〜
16のアルキル基が好ましく、炭素数 4〜10のアルキル基
が特に好ましい。なお、 (1)式中のnが 2または 3であ
る場合には、 Rはそれぞれ同一であっても、また異なっ
ていてもよい。ただし、シランの反応速度が速いことか
ら、 nは 1が好ましい。
【0068】また、 (1)式中の Xで示される加水分解性
基としては、アルコキシル基、アシロキシ基、アミノ
基、アミノキシ基、オキシム基、ケトオキシム基、アミ
ド基、アルケニルオキシ基、ハロゲン原子等が例示され
る。これらの中でも、フィルタを構成する材質を侵すお
それがないこと、硬化反応時の副生成物の処理が容易で
あること、貯蔵安定性が良好であること等から、アルコ
キシル基が好ましい。さらに、適度の硬化速度を与える
ことから、メトキシル基が特に好ましい。
基としては、アルコキシル基、アシロキシ基、アミノ
基、アミノキシ基、オキシム基、ケトオキシム基、アミ
ド基、アルケニルオキシ基、ハロゲン原子等が例示され
る。これらの中でも、フィルタを構成する材質を侵すお
それがないこと、硬化反応時の副生成物の処理が容易で
あること、貯蔵安定性が良好であること等から、アルコ
キシル基が好ましい。さらに、適度の硬化速度を与える
ことから、メトキシル基が特に好ましい。
【0069】(1)式で表されるシランは、部分加水分解
物として使用してもよく、また 1種または 2種以上を任
意に併用してもよい。特に、 Rが炭素数 5〜18の 1価炭
化水素基であるシランと、 Rが 1〜 4の 1価炭化水素基
であるシランとを併用することが好ましい。これによ
り、フィルタの細孔の疎水化処理をより速やかにでき、
未処理部分等が生じにくくなる。この場合、十分な疎水
性が得られることから、Rが炭素数 5〜18の 1価炭化水
素基であるシランが50重量% 以上であることが好まし
い。
物として使用してもよく、また 1種または 2種以上を任
意に併用してもよい。特に、 Rが炭素数 5〜18の 1価炭
化水素基であるシランと、 Rが 1〜 4の 1価炭化水素基
であるシランとを併用することが好ましい。これによ
り、フィルタの細孔の疎水化処理をより速やかにでき、
未処理部分等が生じにくくなる。この場合、十分な疎水
性が得られることから、Rが炭素数 5〜18の 1価炭化水
素基であるシランが50重量% 以上であることが好まし
い。
【0070】またさらに、処理されたフィルタの細孔に
形成される疎水性の膜の強度や耐久性を向上させるため
に、両末端に水酸基を有するポリオルガノシロキサン
を、添加混合した疎水性処理剤を用いることもできる。
このポリオルガノシロキサンの有機基としては、 Rと同
様のものが例示されるが、中でも膜の強度向上効果や原
料の入手のし易さから、アルキル基やアリール基が好ま
しい。特に、メチル基が好ましい。このポリオルガノシ
ロキサンの粘度は、 200000cSt未満が好ましい。粘度が
200000cSt以上となると、粘度が高くて取り扱いにくく
なり、フィルタの疎水化処理がしにくくなる。特に好ま
しくは20〜20000cStの範囲である。
形成される疎水性の膜の強度や耐久性を向上させるため
に、両末端に水酸基を有するポリオルガノシロキサン
を、添加混合した疎水性処理剤を用いることもできる。
このポリオルガノシロキサンの有機基としては、 Rと同
様のものが例示されるが、中でも膜の強度向上効果や原
料の入手のし易さから、アルキル基やアリール基が好ま
しい。特に、メチル基が好ましい。このポリオルガノシ
ロキサンの粘度は、 200000cSt未満が好ましい。粘度が
200000cSt以上となると、粘度が高くて取り扱いにくく
なり、フィルタの疎水化処理がしにくくなる。特に好ま
しくは20〜20000cStの範囲である。
【0071】このポリオルガノシロキサンの配合量は、
(1)式で表されるシランとの相溶性が良好で、作業性に
優れることから、上記シラン 100重量部に対して 1〜 1
00重量部の範囲が好ましい。また、膜の強度向上の点か
らは、 1重量部以上配合することが好ましい。特に好ま
しくは 5〜20重量部の範囲である。
(1)式で表されるシランとの相溶性が良好で、作業性に
優れることから、上記シラン 100重量部に対して 1〜 1
00重量部の範囲が好ましい。また、膜の強度向上の点か
らは、 1重量部以上配合することが好ましい。特に好ま
しくは 5〜20重量部の範囲である。
【0072】また、細孔に形成される膜のフィルタへの
密着性を改善し、疎水性能の耐久性を向上させる上で、
(1)式中の Rがグリシジル基、アクリル基、メタクリル
基、アミノ基等を含有したアルキル基であるシランを使
用することもできる。この場合の Rとしては、例えばγ
- グリシドキシプロピル基、γ- メタクリロキシプロピ
ル基、γ- アミノプロピル基等が例示される。この際、
このようなシランの配合量は、全シラン中の 0.1〜10重
量% 程度とすることが好ましい。フィルタ細孔に形成さ
れる膜の疎水性が良好となることから、10重量% 以下と
することが好ましい。また、膜の密着性の向上を図る上
では、 0.1重量% 以上配合することが好ましい。この場
合、 (1)式中の nは、膜を形成する場合の硬化速度の点
から、 1とすることが好ましい。
密着性を改善し、疎水性能の耐久性を向上させる上で、
(1)式中の Rがグリシジル基、アクリル基、メタクリル
基、アミノ基等を含有したアルキル基であるシランを使
用することもできる。この場合の Rとしては、例えばγ
- グリシドキシプロピル基、γ- メタクリロキシプロピ
ル基、γ- アミノプロピル基等が例示される。この際、
このようなシランの配合量は、全シラン中の 0.1〜10重
量% 程度とすることが好ましい。フィルタ細孔に形成さ
れる膜の疎水性が良好となることから、10重量% 以下と
することが好ましい。また、膜の密着性の向上を図る上
では、 0.1重量% 以上配合することが好ましい。この場
合、 (1)式中の nは、膜を形成する場合の硬化速度の点
から、 1とすることが好ましい。
【0073】上述した (1)式で表される加水分解性シラ
ンを少なくとも含む疎水性処理剤には、フィルタ処理時
の硬化反応を促進させるために、加水分解触媒を添加す
ることが好ましい。このような触媒としては、ジブチル
スズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ブチル
スズトリ-2- エチルヘキソエート、カプリル酸第一ス
ズ、ナフテン酸スズ、オレイン酸スズ、鉄-2- エチルヘ
キソエート、鉛-2- エチルオクトエート、マンガン-2-
エチルヘキソエート、亜鉛-2- エチルヘキソエート、ナ
フテン酸チタン、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバル
ト、ステアリン酸亜鉛等の有機カルボン酸の金属塩、テ
トラブチルチタネート、テトラ-2- エチルヘキシルチタ
ネート、トリエタノールアミンチタネート、テトラ(イ
ソプロペニルオキシ)チタネート等の有機チタン酸エス
テル、オルガノシロキシチタン、β-カルボニルチタン
等の有機チタン化合物、γ- アミノプロピルトリエトキ
シシラン、N-(トリメトキシシリルプロピル)エチレン
ジアミン等のアミノアルキル基置換アルコキシシラン、
ヘキシルアミン、リン酸ドデシルアミン等のアミン化合
物およびその塩、ベンジルトリエチルアンモニウムアセ
テート等の第4級アンモニウム塩、酢酸カリウム、酢酸
ナトリウム、シュウ酸リチウム等のアルカリ金属の低級
脂肪酸塩、ジメチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒド
ロキシルアミン等のジアルキルヒドロキシルアミン、テ
トラメチルグアニジン等のグアニジン化合物、ならびに
グアニジル基含有シランおよびシロキサン化合物が例示
される。
ンを少なくとも含む疎水性処理剤には、フィルタ処理時
の硬化反応を促進させるために、加水分解触媒を添加す
ることが好ましい。このような触媒としては、ジブチル
スズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ブチル
スズトリ-2- エチルヘキソエート、カプリル酸第一ス
ズ、ナフテン酸スズ、オレイン酸スズ、鉄-2- エチルヘ
キソエート、鉛-2- エチルオクトエート、マンガン-2-
エチルヘキソエート、亜鉛-2- エチルヘキソエート、ナ
フテン酸チタン、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバル
ト、ステアリン酸亜鉛等の有機カルボン酸の金属塩、テ
トラブチルチタネート、テトラ-2- エチルヘキシルチタ
ネート、トリエタノールアミンチタネート、テトラ(イ
ソプロペニルオキシ)チタネート等の有機チタン酸エス
テル、オルガノシロキシチタン、β-カルボニルチタン
等の有機チタン化合物、γ- アミノプロピルトリエトキ
シシラン、N-(トリメトキシシリルプロピル)エチレン
ジアミン等のアミノアルキル基置換アルコキシシラン、
ヘキシルアミン、リン酸ドデシルアミン等のアミン化合
物およびその塩、ベンジルトリエチルアンモニウムアセ
テート等の第4級アンモニウム塩、酢酸カリウム、酢酸
ナトリウム、シュウ酸リチウム等のアルカリ金属の低級
脂肪酸塩、ジメチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒド
ロキシルアミン等のジアルキルヒドロキシルアミン、テ
トラメチルグアニジン等のグアニジン化合物、ならびに
グアニジル基含有シランおよびシロキサン化合物が例示
される。
【0074】これらの加水分解触媒の配合量は、加水分
解性シラン 100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲が
好ましい。特に好ましくは 0.1〜 5重量部である。硬化
速度を速くし、処理の効率を上げるためには、 0.1重量
部以上添加することが好ましい。また、処理液のポット
ライフを十分なものにするためには 5重量部以下が好ま
しい。
解性シラン 100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲が
好ましい。特に好ましくは 0.1〜 5重量部である。硬化
速度を速くし、処理の効率を上げるためには、 0.1重量
部以上添加することが好ましい。また、処理液のポット
ライフを十分なものにするためには 5重量部以下が好ま
しい。
【0075】上述したような加水分解性シラン、さらに
はポリオルガノシロキサンや加水分解触媒を配合した疎
水性処理剤は、フィルタへの処理作業を容易にするため
に、溶媒に溶解して使用することが好ましい。このよう
な溶媒としては、メタノール、エタノール、IPAのよ
うなアルコール類、エチレングリコールモノメチルエー
テル、エチレングリコールモノエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテルアルコール
およびエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジ
エチルケトンのようなケトン類、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチルのようなエステル類、ヘキサン、ガソリ
ン、ゴム揮発油、ミネラルスピリット、灯油のような脂
肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンのような
芳香族炭化水素等の有機溶剤を例示することができる。
はポリオルガノシロキサンや加水分解触媒を配合した疎
水性処理剤は、フィルタへの処理作業を容易にするため
に、溶媒に溶解して使用することが好ましい。このよう
な溶媒としては、メタノール、エタノール、IPAのよ
うなアルコール類、エチレングリコールモノメチルエー
テル、エチレングリコールモノエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテルアルコール
およびエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジ
エチルケトンのようなケトン類、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチルのようなエステル類、ヘキサン、ガソリ
ン、ゴム揮発油、ミネラルスピリット、灯油のような脂
肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンのような
芳香族炭化水素等の有機溶剤を例示することができる。
【0076】溶媒の使用量は、加水分解性シラン 100重
量部に対して50〜2000重量部の範囲が好ましく、特に好
ましくは 100〜1000重量部の範囲である。フィルタを浸
漬等によって処理する際の処理のし易さから、溶媒は50
重量部以上使用することが好ましく、フィルタ細孔に良
好な疎水性膜を形成するための処理液濃度とするために
は、2000重量部以下が好ましい。
量部に対して50〜2000重量部の範囲が好ましく、特に好
ましくは 100〜1000重量部の範囲である。フィルタを浸
漬等によって処理する際の処理のし易さから、溶媒は50
重量部以上使用することが好ましく、フィルタ細孔に良
好な疎水性膜を形成するための処理液濃度とするために
は、2000重量部以下が好ましい。
【0077】(1)式で表される加水分解性シランには、
さらに他の疎水剤や有機樹脂およびその原料であるモノ
マーを併用することもできる。このような疎水剤として
は、鯨ロウ、蜜ロウ、カルナバロウ等の天然ロウ、パル
ミチン酸セチル、パルミチン酸ミリシル、セロチン酸メ
チル、セロチン酸セリル等の合成ロウ、オクタデカン、
アイコサン、ドコサン、テトラコサン、オクタコサン、
トリアコンタン、ペンタトリアコンタン等の脂肪族炭化
水素、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ク
リセン、ピレン等の多環式芳香族炭化水素が例示され
る。また、有機樹脂としては、ポリスチレン、ポリエス
テル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ酢酸樹脂、エポ
キシ樹脂、アクリル樹脂等が例示される。モノマーとし
ては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸イソブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、トリメチロールプロパントリメタクリレート、マレ
イン酸メチル、フマル酸メチル、フタル酸ジアリル、酢
酸ビニル等のエステルが例示される。疎水性膜の強度を
向上させ、耐久性の改善を図る上で、有機樹脂やそのモ
ノマー、特にメタクリル酸やアクリル酸のエステルが好
ましく用いられる。
さらに他の疎水剤や有機樹脂およびその原料であるモノ
マーを併用することもできる。このような疎水剤として
は、鯨ロウ、蜜ロウ、カルナバロウ等の天然ロウ、パル
ミチン酸セチル、パルミチン酸ミリシル、セロチン酸メ
チル、セロチン酸セリル等の合成ロウ、オクタデカン、
アイコサン、ドコサン、テトラコサン、オクタコサン、
トリアコンタン、ペンタトリアコンタン等の脂肪族炭化
水素、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ク
リセン、ピレン等の多環式芳香族炭化水素が例示され
る。また、有機樹脂としては、ポリスチレン、ポリエス
テル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ酢酸樹脂、エポ
キシ樹脂、アクリル樹脂等が例示される。モノマーとし
ては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸イソブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、トリメチロールプロパントリメタクリレート、マレ
イン酸メチル、フマル酸メチル、フタル酸ジアリル、酢
酸ビニル等のエステルが例示される。疎水性膜の強度を
向上させ、耐久性の改善を図る上で、有機樹脂やそのモ
ノマー、特にメタクリル酸やアクリル酸のエステルが好
ましく用いられる。
【0078】これらの疎水剤や有機樹脂およびそのモノ
マーの配合量は、良好な疎水性を維持させながら耐久性
の向上を図るために、加水分解性シラン 100重量部に対
して0.1〜 100重量部の範囲とすることが好ましい。特
に 0.5〜50重量部の範囲が好ましい。またその他に、こ
れら有機樹脂モノマーの重合開始剤や保存安定剤を配合
してもよい。
マーの配合量は、良好な疎水性を維持させながら耐久性
の向上を図るために、加水分解性シラン 100重量部に対
して0.1〜 100重量部の範囲とすることが好ましい。特
に 0.5〜50重量部の範囲が好ましい。またその他に、こ
れら有機樹脂モノマーの重合開始剤や保存安定剤を配合
してもよい。
【0079】上述したような濃縮型フィルタは、加水分
解性シランおよび他の成分を溶剤に希釈して処理溶液を
調整し、この溶液に多孔質フィルタを浸漬した後、風乾
し加熱硬化させることにより得ることができる。溶剤
は、一般に加水分解性シランおよび他の成分を溶解して
均一な溶液とし、処理液の粘度を低下させて処理性を向
上させ、また処理溶液中のシランの濃度を変えることに
より、フィルタ細孔の処理量の調整ができることから好
ましく用いられる。ただし、粘度の低いシランや相溶性
のよい他の成分を用いることにより、溶剤を使用せずに
処理液とすることが可能である。またこの場合、風乾は
せずに、加熱硬化させることができる。また、フィルタ
の処理は、一般に処理液にフィルタを浸漬することによ
り行われるが、フィルタ内に処理液を圧送することによ
っても処理できる。この場合、フィルタ細孔の処理を短
時間でより確実に行うことができる。
解性シランおよび他の成分を溶剤に希釈して処理溶液を
調整し、この溶液に多孔質フィルタを浸漬した後、風乾
し加熱硬化させることにより得ることができる。溶剤
は、一般に加水分解性シランおよび他の成分を溶解して
均一な溶液とし、処理液の粘度を低下させて処理性を向
上させ、また処理溶液中のシランの濃度を変えることに
より、フィルタ細孔の処理量の調整ができることから好
ましく用いられる。ただし、粘度の低いシランや相溶性
のよい他の成分を用いることにより、溶剤を使用せずに
処理液とすることが可能である。またこの場合、風乾は
せずに、加熱硬化させることができる。また、フィルタ
の処理は、一般に処理液にフィルタを浸漬することによ
り行われるが、フィルタ内に処理液を圧送することによ
っても処理できる。この場合、フィルタ細孔の処理を短
時間でより確実に行うことができる。
【0080】上述したような処理液は、比較的低温での
硬化が可能であるが、一般に室温から 250℃程度の温度
範囲で処理される。有機樹脂やそのモノマーを使用しな
い場合は、比較的低温での硬化が可能であり、室温から
150℃程度の温度範囲が好ましい。また、有機樹脂やそ
のモノマーを使用する場合は、50〜 200℃程度の温度範
囲による処理が好ましく、一般には50〜 150℃程度で処
理される。加熱時間は、一般に10分から 2時間程度の範
囲から任意に選ばれる。
硬化が可能であるが、一般に室温から 250℃程度の温度
範囲で処理される。有機樹脂やそのモノマーを使用しな
い場合は、比較的低温での硬化が可能であり、室温から
150℃程度の温度範囲が好ましい。また、有機樹脂やそ
のモノマーを使用する場合は、50〜 200℃程度の温度範
囲による処理が好ましく、一般には50〜 150℃程度で処
理される。加熱時間は、一般に10分から 2時間程度の範
囲から任意に選ばれる。
【0081】以下に、上述した本発明の濃縮型フィルタ
の具体例およびその評価結果について述べる。
の具体例およびその評価結果について述べる。
【0082】実施例1〜4、比較例A 表1に示す組成で処理液をそれぞれ調製し、これらの処
理液に細孔の平均孔径が 0.5μm のセラミックスフィル
タ・MEMBRALOX(商品名、東芝セラミックス株式会社製:
高純度アルミナセラミックスフィルタ、Al2 O 3 純度=9
9.9%)をそれぞれ 3時間浸漬し、風乾後、50℃で 1時間
加熱硬化させた。
理液に細孔の平均孔径が 0.5μm のセラミックスフィル
タ・MEMBRALOX(商品名、東芝セラミックス株式会社製:
高純度アルミナセラミックスフィルタ、Al2 O 3 純度=9
9.9%)をそれぞれ 3時間浸漬し、風乾後、50℃で 1時間
加熱硬化させた。
【0083】このようにして得た各セラミックスフィル
タを用い、油水混合液としてシリコーンオイル(オクタ
メチルシクロテトラシロキサン)と水の等量混合物を室
温にて循環濾過した。循環濾過は撹拌機を有するタンク
内に上記油水混合液を収容し、この油水混合液をセラミ
ックスフィルタを介して循環させることによって行っ
た。なお、濾液であるシリコーンオイルおよび濾過残液
は、それぞれ元のタンクに回収した。このような循環濾
過試験を行い、濾液側に水分が漏れ出したり、目詰まり
が発生する等によって濾過不能になるまでの時間から耐
久性を測定した。また、上記と同様な孔径と成分よりな
る円形(直径6cm)のセラミックスフィルタ板を底部に有
する円筒状容器に水を入れてゆき、フィルタに浸透して
水が漏れ出すときの水深から耐水圧を測定した。それら
結果を併せて表1に示す。
タを用い、油水混合液としてシリコーンオイル(オクタ
メチルシクロテトラシロキサン)と水の等量混合物を室
温にて循環濾過した。循環濾過は撹拌機を有するタンク
内に上記油水混合液を収容し、この油水混合液をセラミ
ックスフィルタを介して循環させることによって行っ
た。なお、濾液であるシリコーンオイルおよび濾過残液
は、それぞれ元のタンクに回収した。このような循環濾
過試験を行い、濾液側に水分が漏れ出したり、目詰まり
が発生する等によって濾過不能になるまでの時間から耐
久性を測定した。また、上記と同様な孔径と成分よりな
る円形(直径6cm)のセラミックスフィルタ板を底部に有
する円筒状容器に水を入れてゆき、フィルタに浸透して
水が漏れ出すときの水深から耐水圧を測定した。それら
結果を併せて表1に示す。
【0084】
【表1】 なお、表1に示した耐久性(時間)は、フィルター内の
液流が一定方向の場合の結果である。実際の装置では、
前述したような逆洗を行うことによって、実質的な耐久
性が永続的になるように使用することができる。
液流が一定方向の場合の結果である。実際の装置では、
前述したような逆洗を行うことによって、実質的な耐久
性が永続的になるように使用することができる。
【0085】実施例5〜7、比較例B 表2に示す組成で処理液をそれぞれ調製し、細孔の平均
孔径が 2.0μm (走査型電子顕微鏡写真(倍率:1000
倍)を任意の 5箇所で撮り、各写真の任意の細孔10点を
測定したときの正規分布より求めた値)のセラミックス
フィルタを用い、加熱硬化条件を 100℃で 1時間とする
以外は、実施例1と同様にして疎水化処理を行い、それ
らの耐久性を実施例1と同様にして測定した。その結果
を併せて表2に示す。
孔径が 2.0μm (走査型電子顕微鏡写真(倍率:1000
倍)を任意の 5箇所で撮り、各写真の任意の細孔10点を
測定したときの正規分布より求めた値)のセラミックス
フィルタを用い、加熱硬化条件を 100℃で 1時間とする
以外は、実施例1と同様にして疎水化処理を行い、それ
らの耐久性を実施例1と同様にして測定した。その結果
を併せて表2に示す。
【0086】
【表2】 実施例8〜11 表3に示す組成で処理液をそれぞれ調製し、実施例1と
同様のセラミックスフィルタに同様にして疎水化処理を
行い、これらセラミックスフィルタを用いて、油水混合
液の温度を60℃とする以外は実施例1と同様に耐久性を
測定した。その結果を併せて表3に示す。
同様のセラミックスフィルタに同様にして疎水化処理を
行い、これらセラミックスフィルタを用いて、油水混合
液の温度を60℃とする以外は実施例1と同様に耐久性を
測定した。その結果を併せて表3に示す。
【0087】
【表3】 実施例12 上記実施例5と同一組成で処理液を調製し、この処理液
に細孔の平均孔径が3.0μm (走査型電子顕微鏡写真
(倍率:1000倍)を任意の 5箇所で撮り、各写真の任意
の細孔10点を測定したときの正規分布より求めた値)の
ガラスフィルタを 2時間浸漬し、風乾後、 100℃で 1時
間加熱硬化させた。このようにして得たガラスフィルタ
を用いて、実施例1と同様に耐久性を測定した。その結
果、耐久時間 620時間という良好な結果が得られた。
に細孔の平均孔径が3.0μm (走査型電子顕微鏡写真
(倍率:1000倍)を任意の 5箇所で撮り、各写真の任意
の細孔10点を測定したときの正規分布より求めた値)の
ガラスフィルタを 2時間浸漬し、風乾後、 100℃で 1時
間加熱硬化させた。このようにして得たガラスフィルタ
を用いて、実施例1と同様に耐久性を測定した。その結
果、耐久時間 620時間という良好な結果が得られた。
【0088】実施例13 上記実施例1と同一組成で処理液を調製し、この処理液
に細孔の平均孔径が0.5μm (走査型電子顕微鏡写真
(倍率: 10000倍)を任意の10箇所で撮り、各写真の任
意の細孔10点を測定したときの正規分布より求めた値)
のガラスフィルタを 3時間浸漬し、風乾後、50℃で 1時
間加熱硬化させた。このようにして得たガラスフィルタ
を用いて、実施例1と同様に耐久性を測定した。その結
果、耐久時間 500時間という良好な結果が得られた。
に細孔の平均孔径が0.5μm (走査型電子顕微鏡写真
(倍率: 10000倍)を任意の10箇所で撮り、各写真の任
意の細孔10点を測定したときの正規分布より求めた値)
のガラスフィルタを 3時間浸漬し、風乾後、50℃で 1時
間加熱硬化させた。このようにして得たガラスフィルタ
を用いて、実施例1と同様に耐久性を測定した。その結
果、耐久時間 500時間という良好な結果が得られた。
【0089】実施例14 上記実施例10と同一組成で処理液を調製し、この処理
液に有機高分子系フィルタ(ポリアミド繊維を束ねたフ
ィルタ、純水製造用:三菱化成工業(株)製)を 1時間
浸漬し、風乾後、50℃で 2時間加熱硬化させた。このよ
うにして得た有機高分子系フィルタを用いて、実施例1
と同様に耐久性を測定した。その結果、耐久時間 720時
間という良好な結果が得られた。
液に有機高分子系フィルタ(ポリアミド繊維を束ねたフ
ィルタ、純水製造用:三菱化成工業(株)製)を 1時間
浸漬し、風乾後、50℃で 2時間加熱硬化させた。このよ
うにして得た有機高分子系フィルタを用いて、実施例1
と同様に耐久性を測定した。その結果、耐久時間 720時
間という良好な結果が得られた。
【0090】実施例15 上記実施例1と同一組成で処理液を調製し、この処理液
に細孔の平均孔径が1.0μm の有機高分子系フィルタ・
セルポアW-01(商品名、積水化学工業(株)製:ポリエ
チレン樹脂製フィルタ)を 3時間浸漬し、風乾後、50℃
で 1時間加熱硬化させた。このようにして得た有機高分
子系フィルタを用いて、実施例1と同様に耐久性を測定
した。その結果、耐久時間 300時間という良好な結果が
得られた。
に細孔の平均孔径が1.0μm の有機高分子系フィルタ・
セルポアW-01(商品名、積水化学工業(株)製:ポリエ
チレン樹脂製フィルタ)を 3時間浸漬し、風乾後、50℃
で 1時間加熱硬化させた。このようにして得た有機高分
子系フィルタを用いて、実施例1と同様に耐久性を測定
した。その結果、耐久時間 300時間という良好な結果が
得られた。
【0091】実施例16 上記実施例2と同一組成で処理液を調製し、この処理液
に細孔の平均孔径が2.0μm (走査型電子顕微鏡写真
(倍率:1000倍)を任意の 5箇所で撮り、各写真の任意
の細孔10点を測定したときの正規分布より求めた値)の
複合系フィルタ(架橋型ポリビニルアルコールとアルミ
ナセラミックスとの混合系フィルタ)を4時間浸漬し、
風乾後、40℃で 2時間加熱硬化させた。このようにして
得た複合系フィルタを用いて、実施例1と同様に耐久性
を測定した。その結果、耐久時間550時間という良好な
結果が得られた。
に細孔の平均孔径が2.0μm (走査型電子顕微鏡写真
(倍率:1000倍)を任意の 5箇所で撮り、各写真の任意
の細孔10点を測定したときの正規分布より求めた値)の
複合系フィルタ(架橋型ポリビニルアルコールとアルミ
ナセラミックスとの混合系フィルタ)を4時間浸漬し、
風乾後、40℃で 2時間加熱硬化させた。このようにして
得た複合系フィルタを用いて、実施例1と同様に耐久性
を測定した。その結果、耐久時間550時間という良好な
結果が得られた。
【0092】実施例17 上記実施例1と同一組成で処理液を調製し、この処理液
に細孔の平均孔径が1.0μm (走査型電子顕微鏡写真
(倍率:1000倍)を任意の 5箇所で撮り、各写真の任意
の細孔10点を測定したときの正規分布より求めた値)の
複合系フィルタ(ポリフェニレンスルフィドとガラスと
の混合系フィルタ)を 3時間浸漬し、風乾後、50℃で 1
時間加熱硬化させた。このようにして得た複合系フィル
タを用いて、実施例1と同様に耐久性を測定した。その
結果、耐久時間 350時間という良好な結果が得られた。
に細孔の平均孔径が1.0μm (走査型電子顕微鏡写真
(倍率:1000倍)を任意の 5箇所で撮り、各写真の任意
の細孔10点を測定したときの正規分布より求めた値)の
複合系フィルタ(ポリフェニレンスルフィドとガラスと
の混合系フィルタ)を 3時間浸漬し、風乾後、50℃で 1
時間加熱硬化させた。このようにして得た複合系フィル
タを用いて、実施例1と同様に耐久性を測定した。その
結果、耐久時間 350時間という良好な結果が得られた。
【0093】上記した具体例の評価結果からも明らかな
ように、 (1)式で表される加水分解性シランを含む疎水
性処理剤で疎水化した多孔質フィルタ(濃縮型フィル
タ)は、油相中に含まれる水分の分離、あるいは油分の
抽出を効率よく行うことができ、さらに疎水性能の耐久
性に優れることが分かる。よって、水切り洗浄装置の水
分離機構における疎水性フィルタとして用いることによ
って、水切り洗浄をより効率よく行うことが可能とな
る。また、上記加水分解性シランは、多孔質フィルタの
処理が容易で、比較的低温での硬化が可能であるため、
処理工程上の効果も大きい。
ように、 (1)式で表される加水分解性シランを含む疎水
性処理剤で疎水化した多孔質フィルタ(濃縮型フィル
タ)は、油相中に含まれる水分の分離、あるいは油分の
抽出を効率よく行うことができ、さらに疎水性能の耐久
性に優れることが分かる。よって、水切り洗浄装置の水
分離機構における疎水性フィルタとして用いることによ
って、水切り洗浄をより効率よく行うことが可能とな
る。また、上記加水分解性シランは、多孔質フィルタの
処理が容易で、比較的低温での硬化が可能であるため、
処理工程上の効果も大きい。
【0094】なお、上述した本発明の濃縮型フィルタは
水切り洗浄に限らず、各種の油相中の水分の分離や油分
の抽出に有効に利用することができる。
水切り洗浄に限らず、各種の油相中の水分の分離や油分
の抽出に有効に利用することができる。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の濃縮型フ
ィルタによれば、油相中の水分分離や油分の抽出を、長
時間にわたって安定して実施することができるため、各
種の油相中の水分の分離や油分の抽出に有効に利用する
ことが可能である。従って、このような本発明の濃縮型
フィルタを水切り洗浄剤中からの水の除去に使用するこ
とによって、水切り洗浄剤中の水濃度をたえず一定値以
下に保つことができ、たえず安定した水切り洗浄品質を
得ることが可能となる。
ィルタによれば、油相中の水分分離や油分の抽出を、長
時間にわたって安定して実施することができるため、各
種の油相中の水分の分離や油分の抽出に有効に利用する
ことが可能である。従って、このような本発明の濃縮型
フィルタを水切り洗浄剤中からの水の除去に使用するこ
とによって、水切り洗浄剤中の水濃度をたえず一定値以
下に保つことができ、たえず安定した水切り洗浄品質を
得ることが可能となる。
【図1】 本発明の濃縮型フィルタを適用した洗浄装置
の概略構成を示す図である。
の概略構成を示す図である。
【図2】 図1に示す洗浄装置における第1の洗浄槽の
他の構成例を示す図である。
他の構成例を示す図である。
【図3】 本発明の濃縮型フィルタの概要を示す図であ
る。
る。
【図4】 図1に示す洗浄装置に用いた濃縮型フィルタ
の機能を説明するための断面図である。
の機能を説明するための断面図である。
【図5】 図1に示す洗浄装置に用いた濃縮型フィルタ
の逆洗機構を概略的に示す図である。
の逆洗機構を概略的に示す図である。
【図6】 図1に示す洗浄装置における水分離動作の疎
水性フィルタを用いた際の状態を説明するための図であ
る。
水性フィルタを用いた際の状態を説明するための図であ
る。
【図7】 図1に示す洗浄装置における水分離動作の親
水性フィルタを用いた際の状態を説明するための図であ
る。
水性フィルタを用いた際の状態を説明するための図であ
る。
【図8】 図1に示す洗浄装置における水分離機構とし
て濃縮型フィルタと水吸収剤とを併用した機構を示す図
である。
て濃縮型フィルタと水吸収剤とを併用した機構を示す図
である。
12……濃縮型フィルタ(疎水性フィルタ) 12a…疎水性フィルタエレメント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 信宏 群馬県太田市鳥山908−10 (56)参考文献 特開 昭63−294915(JP,A) 特公 昭58−33002(JP,B2)
Claims (5)
- 【請求項1】 一般式: Rn Si X4-n (式中、 Rは炭素数 1〜18の 1価の炭化水素基を、 Xは
加水分解性基を、 nは 1〜 3の整数を示す)で表される
加水分解性オルガノシランを少なくとも含む液状系の疎
水性処理剤で処理された多孔質フィルタを有することを
特徴とする濃縮型フィルタ。 - 【請求項2】 請求項1記載の濃縮型フィルタにおい
て、 前記多孔質フィルタはセラミックスフィルタであること
を特徴とする濃縮型フィルタ。 - 【請求項3】 請求項1記載の濃縮型フィルタにおい
て、 前記一般式中の Rは炭素数 3〜16のアルキル基であるこ
とを特徴とする濃縮型フィルタ。 - 【請求項4】 請求項1記載の濃縮型フィルタにおい
て、 疎水性水切り洗浄剤中に混入した水または水系洗浄剤の
除去に用いられることを特徴とする濃縮型フィルタ。 - 【請求項5】 一般式: Rn Si X4-n (式中、 Rは炭素数 1〜18の 1価の炭化水素基を、 Xは
加水分解性基を、 nは 1〜 3の整数を示す)で表される
加水分解性オルガノシランを少なくとも含む液状系の疎
水性処理剤中に多孔質フィルタを浸漬、あるいは前記液
状系の疎水性処理剤を前記多孔質フィルタ中に圧送した
後、前記液状系の疎水性処理剤を加熱硬化させることを
特徴とする濃縮型フィルタの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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WO2009093319A1 (ja) * | 2008-01-24 | 2009-07-30 | Yuken Industry Co., Ltd. | 防錆塗料組成物およびその組成物を用いた防錆塗膜を有する部材の製造方法 |
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1995
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