JP2695292B2 - 神経保護性3,4−ジヒドロ−(1h)−キノロン化合物 - Google Patents

神経保護性3,4−ジヒドロ−(1h)−キノロン化合物

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JP2695292B2 JP6511033A JP51103394A JP2695292B2 JP 2695292 B2 JP2695292 B2 JP 2695292B2 JP 6511033 A JP6511033 A JP 6511033A JP 51103394 A JP51103394 A JP 51103394A JP 2695292 B2 JP2695292 B2 JP 2695292B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、下記の式Iによって定義される神経保護性
(興奮性アミノ酸受容体阻害性)6−[2−(4−ヒド
ロキシ−4−フェニルピペリジノ)−1−ヒドロキシプ
ロピル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キノロン化合
物;式Iの化合物の光学異性体;医薬上許容可能なその
塩;式Iの化合物を含む医薬組成物;及び卒中、耽溺、
疼痛、癲癇、水に溺れることや、外傷性頭部損傷、心拍
停止、心臓手術若しくは神経外科処置などに起因する外
傷性脳損傷、又はアルツハイマー型老人性痴呆、多梗塞
性痴呆、ハンチントン病、エイズ痴呆、筋委縮性側索硬
化症及びパーキンソン病のようなCNS変性疾患の治療に
おけるこれらの化合物の使用法に関する。
グルタメートはヒトの中枢神経系における主要な興奮
性神経伝達物質であると認められている。過度な量のグ
ルタメートに神経細胞を暴露すると神経に対し毒になる
ことも実証されている。このように、過剰なグルタメー
トの放出を招き得る症状(外傷性脳損傷、癲癇、パーキ
ンソン病、アルツハイマー型老人性痴呆、虚血など)は
神経変性のひきがねとなり得る。従って、グルタメート
受容体を阻害し得る薬剤はこれらの疾患及び症状に対し
て保護を与える。このエトキシトトキシン(excitotoxi
n)仮説及び興奮性アミノ酸受容体拮抗剤の潜在的有用
性については当該分野において周知であり、文献に記載
されている(例えば、Olney,Drug Dev.Res.,1989,17,29
9;Meldrum,Clinical Sci.,1985,68,113を参照された
い)。
イフェンプロジルは、相対立体化学式(relative ste
reochemical formula): で示される構造を有するラセミ体、いわゆるdlエリトロ
化合物であり、血圧降下剤として市販され、いくつもの
密接に類似した化合物がこのような用途を有している
{Carronら,米国特許第3,509,164号明細書;Carronら,D
rug Res.,第21巻,1992−1999ページ(1971)}。イフェ
ンプロジルは、抗虚血及び興奮性アミノ酸受容体阻害活
性を有することも示されている{Gottiら,J.Pharm.Exp.
Therap.,第247巻,1211−21ページ(1988);Carterら,
同上,1222−32ページ(1988)}。さらに欧州特許出願
公開第322,361号明細書及び仏国特許第2,546,166号明細
書も参照されたい。実質的に本発明により達成される目
標は、そのような神経保護活性が良好であると共に、血
圧低下活性が低いか又は有意な血圧低下活性を有してい
ない化合物を見いだすことであった。
特定の構造的に関連した1−フェニル−3−(4−ア
リール−4−アシルオキシピペリジノ)−1−プロパノ
ールも鎮痛剤として有用であると報告されており(米国
特許第3,294,804号明細書)、また1−[4−(アミノ
−及びヒドロキシアルキル)フェニル]−2−(4−ヒ
ドロキシ−4−トリルピペラジノ)−1−アルカノール
及びアルカノンは、鎮痛、抗高血圧症、向精神作用又は
抗炎症活性を有すると報告されている{特開昭第53−0
2,474号公報(CA 89:43498y;Derwent Abs.14858A)及び
特開昭第53−59,675号公報(CA 89:146938w;Derwent Ab
s.48671A}。
最近、欧州特許出願公開第351,282号明細書におい
て、式: 〔式中、Ra及びRbはそれぞれ独立に水素又は(C1−C3
アルキルであり、Rcはベンジル、フェノキシ、ベンジル
オキシ又はフェノキシメチルであり、ZaはCH2、C(C
H3又はCH2CH2である〕 を有するものを含む化合物が神経保護活性を有すると報
告された。
1991年11月14日に公開されたPCT出願第91−101470号
明細書は中でも、式: 〔式中、Aは、 であり; nは0又は1であり; mは0又は1〜6の範囲の整数であり; R、R1及びR2はそれぞれ独立に水素又は(C1−C3)ア
ルキルであり; R3及びR4はそれぞれ別々に水素であるか、又は一緒に
なってエチレンを表し; Xは、水素、(C1−C3)アルコキシ又は[(C1−C3
アルコキシ]カルボニルであり; YはCH2又は酸素であり;且つ Z及びZ1はそれぞれ独立に、水素、(C1−C3)アルキ
ル、(C1−C3)アルコキシ、フルオロ、クロロ又はブロ
モである〕 を有する化合物を開示している。
発明の要旨 本発明は、式: 〔式中、Rは、F、−CF3、−OCH3、1〜3個のフッ素
原子で置換された−O(C1)アルキル、1〜5個のフッ
素原子で置換された−O(C2)アルキル及び1〜7個の
フッ素原子で置換された−O(C3)アルキルからなる群
から選択される〕 を有するセラミ混合物又は純粋な鏡像異性体化合物及び
その医薬上許容可能な酸付加塩に関する。
本発明の好ましい化合物は、式I〔式中、RはF、−
CF3又は−OCH3である〕を有する化合物である。分子の
1−ヒドロキシプロピル中心部の好ましい立体構造は、 と表わされ、(1S*,2S*)又は(1R*,2R*)と規定さ
れる。
本発明はさらに、式Iの化合物を含む医薬組成物、及
び式Iの化合物を用いて、卒中、耽溺、疼痛、癲癇、精
神病や、水に溺れることや、外傷性頭部損傷、心拍停
止、心臓手術若しくは神経外科処置などに起因する外傷
性脳損傷、又はアルツハイマー型老年痴呆、多梗塞性痴
呆、ハンチントン病、エイズ痴呆、筋委縮性側索硬化症
及びパーキンソン病のようなCNS変性疾患を治療する方
法に関する。本発明の化合物及び医薬上許容可能なその
塩は、経口投与すると、それらが予期せぬ効能を示すた
めに前記方法において特に有用なものである。
「医薬上許容可能な酸付加塩」という用語は、塩酸
塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸水素
塩、マンデル酸塩、リン酸二水素塩、メシル酸塩、マレ
イン酸塩及びコハク酸塩のような塩を含むが、それらに
は限定されないものとする。そのような塩は、通常、溶
媒中、遊離塩基形態の式Iの化合物を通常1モル当量の
適切な酸と反応させることにより合成する。直接には沈
殿しないそれらの塩は一般に溶媒の濃縮及び/又は非溶
媒の添加により分離する。
式Iの化合物は、アルカノールのC−2炭素位置に不
斉C−1炭素及び第2の不斉中心を有していることが認
められよう。従って有機化学の分野の当業者には、その
ような化合物が大きさは等しくはあっても逆の平面偏光
を示す光学異性体に分離し得ることが明白であろう。例
えば、これらの化合物は全て、以下に例示するように光
学的に活性な酸とのジアステレオマー付加塩を分別結晶
することにより分離できる可能性がある。アルコール型
化合物も、光学的に活性な酸の光学活性化された形態又
は随時光学的に活性なイソシアン酸塩との反応により誘
導されたエステル若しくはウレタンのクロマトグラフィ
ー又は分別結晶によって分離できる可能性がある。従っ
て、本発明は本発明の化合物のラセミ型のものに限定さ
れるべきではなく、個々の異性体をも包含するものとす
る。
発明の詳細な説明 上記に定義された式Iを有する本発明の化合物の合成
は容易である。本発明の化合物の合成に必要な出発物質
及び試薬は、市販品として、又は文献に記載の方法によ
り、又は下記の合成法に類似の方法によって容易に得ら
れる。
「反応不活性溶媒」という用語は、本明細書に用いら
れる場合、出発物質、試薬、中間体又は生成物と反応や
所望の生成物の収率に悪影響を与えるような相互作用を
しないようないかなる溶媒をも意味する。
前躯体ケトン類は一般に、適切に置換された2−ハ
ロ、2−アルカンスルホニルオキシ又は2−アリールス
ルホニルオキシ−1−アルカノンを、適切に置換された
ピペリジン誘導体と求核置換反応、例えば下の式のよう
な反応をすることにより合成される。
〔式中、Xは典型的にはクロロ、ブロモ、メシルオキシ
又はトシルオキシであり、Rは上記に定義の通りであ
る〕。この反応は、一般的には求核置換において典型的
な条件下に行う。2種の反応物の入手可能性がほぼ等し
い場合、実質的に等モル量を用いてよいが、一方がより
入手し易い場合、この2分子反応を短時間で完了させる
ために、一般に入手し易い方を過剰に用いるのが通常好
ましい。反応は一般に、エタノールのような反応不活性
溶媒中、1モル当量以上の塩基、容易に入手し得る場合
にはピペリジン誘導体そのものであるがより一般的には
少なくとも求核性のピペリジンに塩基性の強さが匹敵し
得る第3級アミンの存在下に行う。所望なら、1モル当
量まで又はそれ以上のヨウ酸塩(例えば、Na1、K1)を
添加して反応を触媒する。温度は重要ではないが、短時
間で反応を完了させるために幾分高くすることが一般的
であるが、分解が余り多くなるほどには高くはしない。
一般に50〜120℃の範囲の温度が妥当である。反応混合
物の還流温度であれば便利である。
得られたケトン中間体を、一般に過剰なNaBH4を用
い、メタノール又はエタノールのようなプロトン性溶媒
中、一般的には約15〜45℃の範囲の温度で慣用的に還元
して対応アルコールに転換するのが便利である。
式Iを有する最終生成物は、当該分野において公知の
慣用法により、その遊離塩基の形態から医薬上許容可能
な塩の形態に転換し得る。例えば、メシル酸塩の形成が
典型的な手順であり、該手順は下記のように行う。式I
を有する化合物の遊離塩基をメタノール中でメタンスル
ホン酸と混合する。溶媒を除去し、残留物をエタノール
/エーテルですり砕いて、結晶又は固体としてメシル酸
塩を得る。
上述のような式Iの化合物は、光学活性中心において
1S、2S又はIR、2Rの絶対立体構造を有する純粋な鏡像異
性体に分離可能である。典型的な分離方法を、式I〔式
中、RはFである〕の化合物をその2つの鏡像異性体に
分離する下記の方法で示す。遊離塩基の形態の鏡像異性
体混合物を、大量のメチルエチルケトン中、(S)−
(+)−マンデル酸又は(R)−(−)−マンデル酸と
混合する。(S)−(+)−マンデル酸を用いると1R、
2R異性体が分離され、(R)−(−)−マンデル酸を用
いると1S、2S異性体が分離される。混合物を還流、濾過
して、全ての不溶粒状物を除去する。次いで混合物を煮
詰めて初期量の1/4にし、室温に冷却する。得られた結
晶を濾過して分離する。結晶をメチルエチルケトン中で
再結晶してさらに精製することが可能である。さらに4
回再結晶してそれぞれ純粋な鏡像異性体を得た。式Iの
鏡像異性体として純粋な化合物のマンデル酸塩を飽和重
炭酸ナトリウム溶液中で撹拌してその遊離塩基形態に転
換する。次いで式Iの鏡像異性体として純粋な遊離塩基
を上記の方法によりそのメシル酸塩形態に転換する。
本発明の式Iの化合物は、興奮性アミノ酸受容体を阻
害するそれらの能力に基づく選択的な神経保護活性を有
しているが、同時に一般に血圧低下活性が低いか又は有
意な血圧低下活性を有していない。本発明の化合物の神
経保護及び興奮性アミノ酸拮抗活性は、公知の試験管内
法、例えば、Shalaby,Chenard,Prochniak及びButler,J.
Pharm.Exp.Ther.,1992,260,925ページに従って決定され
る。17日齢のラット胎児(CD,Charles River)海馬細胞
をPRIMARIA培養プレート(Falcon Co.,Lincoln Park,Ne
w Jersey,USA)上で血清含有培養基(グルタミン2mM、
グルコース21mM、ペニシリン/ストレプトマイシン〔各
5000単位〕、10%ウシ胎児〔1〜7日齢〕及びウマ〔1
〜21日齢〕胎児血清を含有する、非必須アミノ酸を含む
最少必須培地)中で2〜3週間培養する。1ウエル当た
り80,000個の細胞の密度の96ウエルマイクロ力価プレー
ト上又は1ウエル当たり250,000個の細胞の密度の24ウ
エル培養プレート上に細胞をのせた。培養細胞を5%の
CO2及び95%の空気を含む加湿CO2中で組織培養インキュ
ベーター中37℃で増殖させる。培養6〜8日目から、20
μMのウリジン及び20μMの5−フルオロ−2−デオキ
シウリジン(Sigma Chemical Co.,St.Louis,Missouri)
を添加して、非神経細胞の増殖を抑制した。2〜3日毎
に培養基を新鮮なストックと交換する。
最初の培養から2〜3週目に培養細胞についてグルタ
メート毒性について評価する。培養基を除去し、培養細
胞を制限塩溶液(CSS){NaCl(120mM);KCl(5.4mM);
MgCl2(0.8mM);CaCl2(1.8mM);グルコース(15m
M);及びHEPES(25mM,pH7.4)}で2回すすぐ。次いで
培養細胞を15分間(37℃)種々の濃度のグルタメートに
暴露する。このインキュベーションの後、グルタメート
を含まないCSSで3回、血清を含まない新鮮な培養基で
2回培養細胞をすすぐ。次いで血清を含まない培養基中
20〜24時間培養細胞をインキュベートする。グルタメー
トに暴露する2分前及び15分間の暴露の間に化合物を添
加する。いくつかの実験では、グルタメート暴露後及び
それに続く20〜24時間の間の異なる時間に薬剤を添加す
る。
エキシトトキシン暴露後20〜24時間の間に、細胞質ゾ
ル酵素ラクテートデヒドロゲナーゼ(LDH)の活性を測
定して細胞の生存度を規定通りに評価する。マイクロ力
価プレートの96ウエルそれぞれの培養基からLDH活性を
決定する。等量のピルビン酸ナトリウム1.32mM及びNADH
2.9mMを含む同体積のリン酸ナトリウム緩衝液(0.1M,pH
7.4)に、50μlの培養基の試料を添加する。自動分光
光度計マイクロ力価プレート読取り機(Molecular Devi
ces;Menlo Park California)により、2分間の間5秒
おきに96ウエルそれぞれについて全反応混合物の340nm
吸光度をモニターする。IBMのSOFTmaxプログラム(vers
ion 1.01;Molecular Devices)を用い、Wroblewskiら,P
roc.Soc.Exp.Biol.Med.,第90巻,210ページ,1955の方法
に従って負の速度論的分析(negative kinetics analys
is)により吸光率を自動的に計算し、LDH活性の指数と
して用いる。
位相差顕微鏡を用いて神経細胞の生存度の形態的評価
をする。96ウエル培養フレートでは良好な位相差画像が
得られないので、24ウエルプレート上で培養した細胞を
この目的に用いる。定量分析によると、両培養コロニー
ともグルタメートの毒性に対して等しく敏感であり、0.
1〜1.0mMのグルタメートへの暴露後24時間の間にLDH活
性が2〜3倍増大する。
ハロペリドールはResearch Biochemicals Inc.(Nati
ck,Massachusetts)から購入した。ウマとウシの胎児の
血清はHyclone(Logan,Utah)から購入した。培養基、
グルタミン及びペニシリン/ストレプトマイシンはGibc
o Co.(Grand Island,New York)から購入した。
グルタメートへの暴露後20〜24時間して培養基中に存
在するLDH活性を測定し、神経毒性を定量する。培養基
中のLDH活性は、ニューロンの破壊及び退化と相関関係
を有する。何故ならば、実際のLDHレベルは異なる培養
細胞毎に変化するが、データは決まって同一の培養プレ
ートの緩衝液処理された姉妹ウエルに関連して表現され
るからである。グルタメート及び化合物で処理された培
養細胞からLDH活性指数を得るために、対照培養細胞のL
DH値を処理グループの値から減算する。薬剤で処理した
細胞のデータは、各実験についてグルタメート(又はNM
DA)1mMにより誘発されるLDHの増大%として表す。エキ
シトトキシンにより誘発されるLDHの増大を50%阻害す
るに要するNMDA拮抗剤の濃度(IC50)は、3回の別個の
実験結果を集積したものからログプロビット分析を用い
て計算する。異なる処理グループを二端(two−taile
d)t−テストを用いて比較する。
化合物における経口活性の効力レベルが高いことは、
多岐にわたる治療形態を取ることが可能であること、慢
性疾患、例えば、パーキンソン病、アルツハイマー病、
ハンチントン病などの治療期間にわたって必要とされる
連続的な投与が容易であること、及び経口活性率が低い
化合物を高用量で用いたときに生ずるような副作用が回
避されることを含む多くの理由から重要である。公知の
方法、例えば、Mehta,Ticku,Life Sciences,1990,46,37
−42ページ及びSchmidt,Bubser,Pharmacology,Biochemi
stry and Behavior,1989,32,621−623ページに従って、
式(I)の化合物を生体内の経口活性について評価す
る。
雄のCDラット(到着時150〜170g)を約6日間動物飼
育施設に順応させ、実験前18〜24時間絶食させる。動物
を1つの箱に3匹ずつ収容し、試験室に入れる。動物に
先ず試験化合物を(皮下又は経口)投与し、その直後に
ハロペリドール(1mg/kg,皮下)を投与する。典型的に
は、ハロペリドールのみを与えた6匹の動物からなる対
照グループと共に、6匹の動物を化合物の各用量につい
て試験する。30分後、各ラットを平坦な面上に置き、そ
の前足を該面より10cm高い1cmのバーの上に乗せる。ラ
ットがバーから前足をはずすまでの時間がカタレプシー
の大きさである。動物を30秒間観察する。30秒までに応
答しない全ての動物は、30秒で試験を終了し、該動物に
は30という試験点を与えた。実験者には試験化合物の用
量がわからないようにする。Kruskall−Wallisテストを
用いて非パラメトリカルにデータを分析する。プロビッ
ト分析を用いてED50を計算する。
公知の方法、例えば、上記にも引用されているCarron
らの方法により、望ましくない血圧低下活性も決定す
る。
本発明の化合物は、そのような選択的神経保護及び興
奮性アミノ酸阻害活性を有し、過度の血圧低下を併発す
る可能性がほとんどないので、卒中、外傷性脳損傷及び
変性CNS(中枢神経系)疾患、例えば、アルツハイマー
型老人性痴呆、筋委縮性側索硬化症、パーキンソン病及
びハンチントン病などの治療において価値がある。神経
保護量の式(I)の化合物を用いたそのような疾患の全
身的治療における用量は、投与経路に関係なく、1回又
は分割投与で1日当たり約0.02〜10mg/kg(典型的な体
重50kgのヒトの場合、1日当たり1〜500mg)の範囲が
典型的である。化合物の正確な種類及び個々の病気の正
確な性質によっては、この範囲以外の用量を担当医師が
処方してよいことは勿論である。経口投与経路が好まし
い。しかし、患者が呑み込めなかったり、又は経口吸収
が損なわれているような場合には、好ましい投与経路は
非経口(以下、筋肉内、血管内)であろう。
本発明の化合物は一般に、医薬上許容可能な賦形剤又
は希釈剤と共に1種以上の式(I)の化合物からなる医
薬組成物の形態で投与される。そのような組成物は一般
に所望の投与モードに適切である固体若しくは液体の賦
形剤又は希釈剤を用いて慣用法により処方する。経口投
与用には、錠剤、硬質若しくは軟質ゼラチンカプセル
剤、懸濁剤、顆粒、粉末などの形態で、非経口投与用に
は、注射用溶液若しくは懸濁剤などの形態で、及び局所
投与用には、溶液、ローション、軟膏、膏薬などの形態
に処方する。
本発明を下記の実施例により説明するが、本発明はそ
の詳細には限定されないものとする。
全ての非水性反応を便利なことと収率を向上させるた
めに窒素雰囲気下に行った。全ての非プロトン性溶媒
は、脱水したもの(Aldrich Sure−Seal)を購入する
か、又は慣用手順に従って脱水した。
実施例1 6−[2S*−(4−ヒドロキシ−4−(4−トリフルオ
ロメチルフェニル)ピペリジノ)−1S*−ヒドロキシプ
ロピル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キノロンメシレ
ート エタノール(75ml)中で、4−ヒドロキシ−4−(4
−トリフルオロメチルフェニル)ピペリジン(2.0g,8.1
6mmol)、6−(2−クロロプロピオニル)−3,4−ジヒ
ドロ−2(1H)−キノロン(1.93g,8.12mmol)及びトリ
エチルアミン(2.3ml,16.5mmol)の混合物を一晩(18時
間)還流した。反応混合物を濃縮し、茶色の残留物を水
75ml及びエーテル75mlと共に1.5時間撹拌した。6−[2
S*−(4−ヒドロキシ−4−(4−トリフルオロメチ
ルフェニル)ピペリジノ−1S*−プロピオニル]−3,4
−ジヒドロ−2(1H)−キノロンからなる(formed)褐
色固体を回収し、エーテルですすぎ、風乾した(2.45g,
67%)。生成物は、次段階に直接用いるのに十分なほど
純粋なものであった。エタノール/塩化メチレン/エー
テルから再結晶した試料はクリーム色であり、融点は20
1.5〜202.5℃であった。C24H25F3N2O3の元素分析:計算
値:C,64.57;H,5.64;N,6.27;実測値:C,64.13;H,5.65;N,
6.16。
ホウ水素化ナトリウム(0.17g,4.49mmol)をエタノー
ル(50ml)中で15分間撹拌し一部溶解させた。6−[2S
*−(4−ヒドロキシ−4−(4−トリフルオロメチル
フェニル)ピペリジノ)−1S*−プロピオニル]−3,4
−ジヒドロ−2(1H)−キノロン(2.0g,4.48mmol)を
エタノール(200ml)に溶解した溶液を添加し、溶液を
2時間撹拌した。この時点及びさらに4時間後に追加の
ホウ水素化ナトリウム(0.17g)を添加し、一晩撹拌を
継続した。水(50ml)を加え、反応混合物を濃縮して茶
色の泡状物を得た。水(100ml)及びエーテル(100ml)
を添加し、30分間激しく撹拌すると固体が生成した。固
体を回収し、水、次いでエーテルですすぎ、風乾した
(1.33g,66%)。生成物をエタノールから再結晶してさ
らに精製した(0.72gのクリーム色の固体)。メタノー
ル(15ml)中で、6−[2S*−(4−ヒドロキシ−4−
(4−トリフルオロメチルフェニル)ピペリジノ)−1S
*−ヒドロキシプロピル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)
−キノロン0.5g及びメタンスルホン酸(0.072ml,1.11mm
ol)からメタンスルホン酸塩を合成した。溶媒を除去
し、残留物をエタノール/エーテルですり砕いて、灰白
色固体0.594gを得た(融点:237−238℃)。C24H27F3N2O
3・CH4SO3・0.25H2Oの元素分析:計算値:C,54.69;H,5.7
8;N,5.10;実測値:C,54.72;H,5.73;N,4.96。
実施例2 6−[2S*−(4−ヒドロキシ−4−(4−メトキシフ
ェニル)ピペリジノ)−1S*−ヒドロキシプロピル]−
3,4−ジヒドロ−2(1H)−キノロンメシレート エタノール(75ml)中で、4−ヒドロキシ−4−(4
−メトキシフェニル)ピペリジン(2.1g,10.13mmol)、
6−(2−クロロプロピオニル−3,4−ジヒドロ−2(1
H)−キノロン(2.40g,10.1mmol)及びトリエチルアミ
ン(2.9ml,20.8mmol)の混合物を一晩(18時間)還流し
た。冷却すると、6−[2S*−(4−ヒドロキシ−4−
(4−メトキシフェニル)ピペリジノ)−1S*−プロピ
オニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キノロンが褐色
固体として沈殿したが、これは次段階に用いるのに好適
なものであった。試料をエタノール/塩化メチレンから
再結晶して、橙茶色の針状物を得た(融点:193.5−197
℃)。C24H28N2O4・0.75H2Oの元素分析:計算値:C,68.3
1;H,7.05;N,6.64;実測値:C,68.18;H,6.70;N,6.58。
ホウ水素化ナトリウム(0.19g,5.02mmol)をエタノー
ル(50ml)中で15分間撹拌し一部溶解させた。6−[2S
*−(4−ヒドロキシ−4−(4−メトキシフェニル)
ピペリジノ)−1S*−プロピオニル]−3,4−ジヒドロ
−2(1H)−キノロン(2.0g,4.9mmol)のエタノール
(200ml)溶液を加え、溶液を2時間撹拌した。追加の
ホウ水素化ナトリウム(0.17g)をこの時点及びさらに
4時間後に添加し、一晩撹拌を継続した。反応中に沈殿
した生成物を回収し、水及びエーテルで十分にすすい
だ。風乾して、褐色固体として生成物1.51g(75%)を
得た。該物質をエタノールから再結晶して、2群(crop
s)の生成物1.16gを得た。メタノール(20ml)中で、6
−[2S*−(4−ヒドロキシ−4−(4−メトキシフェ
ニル)ピペリジノ)−1S*−ヒドロキシプロピル]−3,
4−ジヒドロ−2(1H)−キノロン0.5g及びメタンスル
ホン酸(0.079ml,1.22mmol)からメタンスルホン酸塩を
合成した。溶媒を除去し、残留物をエタノール/エーテ
ルですり砕いて、白色固体0.40gを得た(融点:212−213
℃)。C24H30N2O4・CH4SO3の元素分析:計算値:C,59,2
7;H,6.76;N,5.53;実測値:C,59.19;H,6.51;N,5.42。
実施例3 6−[2S*−(4−ヒドロキシ−4−(4−フルオロフ
ェニル)ピペリジノ)−1S*−ヒドロキシプロピル]−
3,4−ジヒドロ−2(1H)−キノロンメシレート エタノール(1200ml)中で、4−ヒドロキシ−4−
(4−フルオロフェニル)ピペリジン(41.8g,214mmo
l)、6−(2−クロロプロピオニル)−3,4−ジヒドロ
−2(1H)−キノロン(50.8g,214mol)及びトリエチル
アミン(60ml,430mmol)の混合物を18時間還流した。反
応混合物を60℃に冷却し、濾過して茶色の残渣を除去し
た。溶媒を除去し、残留物を水500ml及びエーテル500ml
と共に激しく撹拌した。生成した固体を回収し、水とエ
ーテルで十分にすすぎ、次いで風乾して、褐色固体とし
て6−[2S*−(4−ヒドロキシ−4−(4−フルオロ
フェニル)ピペリジノ)−1S*−プロピオニル]−3,4
−ジヒドロ−2(1H)−キノロン(59.4g,70%)を得た
が、これは次段階における使用に好適なものであった。
試料を塩化メチレン/エーテルから再結晶して褐色固体
を得た(融点:191−192.5℃)。C23H25FN2O3・0.5H2Oの
元素分析:計算値:C,68.13;H,6.46;N,6.91;実測値:C,6
8.48;H,6.24;N,6.87。
隣り合ったフラスコ中で下記の反応を4回行い、次い
で合わせた反応混合物を互いに作用させた。ホウ水素化
ナトリウム(5.67g,150mmol)をエタノール(475ml)中
で15分間撹拌し一部溶解させた。エタノール(700ml)
中に6−[2S*−(4−ヒドロキシ−4−(4−フルオ
ロフェニル)ピペリジノ)−1S*−プロピオニル]−3,
4−ジヒドロ−2(1H)−キノロン(14.85g,37.5mmol)
を溶解した溶液を添加し、溶液を23時間撹拌した。4回
の反応の間に沈殿した生成物を回収し、風乾して、褐色
固体として生成物31.6g(58%)を得たが、これはメシ
ル酸塩の形成に好適なものであった。メタノール(30m
l)中で、6−[2S*−(4−ヒドロキシ−4−(4−
フルオロフェニル)ピペリジノ)−1S*−ヒドロキシプ
ロル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キノロン1.0g及び
メタンスルホン酸(0.163ml,2.51mmol)からメタンスル
ホン酸塩を合成した。溶媒を除去し、残留物をエタノー
ル/水から再結晶して、薄褐色固体0.94gを得た(融点:
251−252℃)。C23H27FN2O3・CH4SO3の元素分析:計算
値:C,58.28;H,6.32;N,5.66;実測値:C,58.36;H,5.99;N,
5.59。
実施例4 6−[2R−(4−ヒドロキシ−4−(4−フルオロフェ
ニル)ピペリジノ)−1R−ヒドロキシプロピル]−3,4
−ジヒドロ−2(1H)−キノロンメシレート 6−[2S*−(4−ヒドロキシ−4−(4−フルオロ
フェニル)ピペリジノ)−1S*−ヒドロキシプロピル]
−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キノロン(18.0g,45.2mmo
l)及び(S)−(+)−マンデル酸(6.88g,45.2mmo
l)をメチルエチルケトン(71)中で合わせた。混合物
を加熱還流し、濾過して、不溶粒状物を除去した。溶液
を煮詰めて1800mlにし、室温に冷却して一晩放置した。
橙白色結晶を回収し、エーテルで十分にすすぎ、乾燥し
て、結晶14.6gを得た。これらの結晶をメチルエチルケ
トンからさらに5回再結晶して、薄褐色針状物として6
−[2R−(4−ヒドロキシ−4−(4−フルオロフェニ
ル)ピペリジノ)−1R−ヒドロキシプロピル]−3,4−
ジヒドロ−2(1H)−キノロン−(+)マンデレート4.
16gを得た(融点:224−224.5℃)。[α]=−12.6゜
(メタノール中c=0.285)。C23H27FN2O3・C8H8O3の元
素分析:計算値:C,67.62;H,6.41;N,5.09;実測値:C,67.3
9;H,6.02;N,5.08。
上記のマンデレート塩(4.06g,7.24mmol)を飽和重炭
酸ナトリウム(500ml)と共に撹拌して、6−[2R−
(4−ヒドロキシ−4−(4−フルオロフェニル)ピペ
リジノ)−1R−ヒドロキシプロピル]−3,4−ジヒドロ
−2(1H)−キノロン遊離塩基を得た。該遊離塩基を混
合物から直接濾過し、水ですすぎ、風乾した。薄褐色固
体2.91g(99%)を得た(融点:243−244℃)。[α]
=−44.6゜(メタノール中c=0.280)。C23H27FN2O3
元素分析:計算値:C,69.33;H,6.83;N,7.03;実測値:C,6
8.95;H,6.55;N,6.96。
メタノール(100ml)中で、上記遊離塩基(2.81g,7.0
5mmol)及びメタンスルホン酸(0.458ml,7.06mmol)か
ら6−[2R−(4−ヒドロキシ−4−(4−フルオロフ
ェニル)ピペリジノ)−1R−ヒドロキシプロピル]−3,
4−ジヒドロ−2(1H)−キノロンメシレートを合成し
た。溶媒を除去し、残留物を95%エタノールから再結晶
して、褐色固体としてメシレート塩3.10g(89%、2
群)を得た(融点:249.5−250℃)。[α]=−49.7
゜(メタノール中c=0.290)。C23H27FN2O3・CH4SO3
元素分析:計算値:C,58.28;H,6.32;N,5.66;実測値:C,5
8.10:H,6.26;N,5.93。
実施例5 6−[2S−(4−ヒドロキシ−4−(4−フルオロフェ
ニル)ピペリジノ)−1S−ヒドロキシプロピル]−3,4
−ジヒドロ−2(1H)−キノロンメシレート 6−[2S*−(4−ヒドロキシ−4−(4−フルオロ
フェニル)ピペリジノ)−1S*−ヒドロキシプロピル]
−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キノロンから、実施例4
に記載のようにして、但しキラル酸として(R)−
(−)−マンデル酸を代わりに用いて標記化合物を合成
した。遊離塩基、(−)−マンデレート塩及びメシレー
ト塩は全て実施例4に記載したものと同一の物理特性を
有していたが、比旋光度は反対の符号のものであった。
下記にリストしたものは3種の生成物とそれらに対応す
る比旋光度である。
(−)マンデレート塩[α]=+14.9゜(メタノール中c=0.290) 遊離塩基 [α]=+45.9゜(メタノール中c=0.275) メシル酸塩 [α]=+50.2゜(メタノール中c=0.285) 製造例1 1−ベンジルオキシカルボニル−4−ピペリドン 4−ピペリドン塩酸塩水和物(50.0g,325mmol)と重
炭酸カリウム(181.9g,1.82mol)を、酢酸エチル(750m
l)と水(75ml)からなる二相混合物中で合わせた。撹
拌混合物にクロロギ酸ベンジル(49ml,343mmol)を10分
かけて滴下した。混合物を2.5時間撹拌し、次いで水(7
00ml)で希釈して二相に分離した。水性相を酢酸エチル
で抽出し、合わせた有機相を水と塩水で洗浄した。有機
相を硫酸マグネシウム上で脱水、濃縮して、薄黄色の油
状物を得た(76.75g,100%)。該物質は、分析したとこ
ろ純粋であり、さらに処理する必要なく次の転換に用い
るのに好適なものであることが判明した。C13H15NO3
元素分析:計算値:C,66.94;H,6.48;N,6.00;実測値:C,6
6.67;H6.48;N,5.90。
製造例2 6−(2−クロロプロピオニル)−3,4−ジヒドロ−2
(1H)−キノロン 塩化アルミニウム(109g,817mmol)を二硫化炭素(60
0ml)中でスラリーにし、2−クロロプロピオニルクロ
リド(16.8ml,173.07mmol)を添加した。この混合物
に、3,4−ジヒドロ−2(1H)−キノロン(20.0g,135.8
9mmol,J.Amer.Chem.Soc.,1944,66.1442)を加えた。混
合物を4時間還流、冷却し、二硫化炭素をあふれ出させ
て、廃棄した。赤みがかった残留物を氷水で注意深く反
応停止させたところ、生成物は固化した。固体を回収
し、水で十分にすすぎ、減圧乾燥、次いで真空下に乾燥
した。生成物は、重量が31.37g(97%)、融点が205−2
06℃であった。C12H12ClNO2の元素分析:計算値:C,60.6
4;H,5.09;N,5.89;実測値:C,60.20;H,4.89;N,5.78。
製造例3 4−ヒドロキシ−4−(4−トリフルオロメチルフェニ
ル)ピペリジン マグネシウム削りくず(1.25g,51.42mmol)にエーテ
ル(5ml)に溶解した4−ブロモベンゾトリフルオライ
ド(6.05ml,43.21mmol)を10分かけて滴下した。1.5時
間の撹拌の間に混合物は穏やかな発熱状態になり、赤茶
色に変色し、グリニャール試薬が形成された。混合物を
氷で冷却し、反応混合物に1−ベンジルオキシカルボニ
ル−4−ピペリドン(10.0g,42.87mmolをエーテル50ml
に溶解)を10分かけて滴下した。反応混合物を室温に温
め、一晩撹拌した。飽和塩化アンモニウムを用いて混合
物を反応停止させ、二相に分離した。水性層をエーテル
でさらに抽出した。合わせた有機相を水と塩水で洗浄
し、硫酸マグネシウム上で脱水、濃縮した。残留物をシ
リカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(3×6イ
ンチ、30%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、オ
レンジ色の油状生成物として1−ベンジルオキシカルボ
ニル−4−ヒドロキシ−4−(4−トリフルオロメチル
フェニル)ピペリジンを得、これを放置すると固化した
(12.48g,77%)。該物質は次段階における使用に好適
なものであった。試料をエーテル/ヘキサンから再結晶
した(融点:102−102.5℃)。C20H20F3NO3の元素分析:
計算値:C,63.32;H,5.31;N,3.69;実測値:C,63.25;H,5.2
7;N,3.71。
1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシ−4
−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピペリジン(1
2.3g,32.4mmol)、エタノール(150ml)及び10%パラジ
ウム−カーボン(1.4g)の混合物をParr装置で水素化し
た(初期の水素圧は48psiであった)。2.5時間後、セラ
イトを通して混合物を濾過、濃縮した。残留物をエーテ
ル/ヘキサンですり砕いて、白色固体として4−ヒドロ
キシ−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピペリ
ジン4.98g(63%)を得た(融点:130.5−132℃)。C12H
14F3NO・0.25H2Oの元素分析:計算値:C,57.71;H,5,85;
N,5.61;実測値:C,57.91;H,5.77;N,5.54。
製造例4 4−ヒドロキシ−4−(4−メトキシフェニル)ピペリ
ジン 4−ブロモアニソールを出発物質とし、製造例3に類
似の方法で標記化合物を合成した。1−ベンジルオキシ
カルボニル−4−ヒドロキシ−4−(4−メトキシフェ
ニル)ピペリジンを収率31%で得た。エーテル/ヘキサ
ンから再結晶した試料は白色固体であり、融点は96−9
7.5℃であった。C20H23NO4の元素分析:計算値:C,70.3
6;H,6.79;N,4.10;実測値:C,70.26;H,6.28;N,4.01。エー
テル/ヘキサンですり砕いた後、白色固体として4−ヒ
ドロキシ−4−(4−メトキシフェニル)ピペリジンを
収率80%で得た(融点:120−122℃)。C12H17NO2・0.25
H2Oの元素分析:計算値:C,68.06;H,8.33;N,6.61;実測
値:C,67.86;H,8.21;N,6.48。
製造例5 4−ヒドロキシ−4−(4−フルオロフェニル)ピペリ
ジン 4−ブロモフルオロベンゼンを出発物質として製造例
3に類似の方法で標記化合物を合成した。1−ベンジル
オキシカルボニル−4−ヒドロキシ−4−(4−フルオ
ロフェニル)ピペリジンを収率82%で得た。エーテル/
ヘキサンから再結晶した試料は白色固体であり、融点は
86−87℃であった。C19H20FNO3・0.25H2Oの元素分析:
計算値:C,68.35;H,6.19;N,4.20;実測値:C,68.69;H,6.0
1;N,4.26。エーテル/ヘキサンですり砕いた後で白色固
体として収率99%で4−ヒドロキシ−4−(4−フルオ
ロフェニル)ピペリジンを得た。該生成物は商品と同程
度の純度である。

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式I: 〔式中、Rは、F、CF3、−OCH3、1〜3個のフッ素原
    子で置換された−O(C1)アルキル、1〜5個のフッ素
    原子で置換された−O(C2)アルキル、及び1〜7個の
    フッ素原子で置換された−O(C3)アルキルからなる群
    から選択される〕 を有する化合物及び医薬上許容可能なその塩。
  2. 【請求項2】RがFである請求項1に記載の化合物又は
    医薬上許容可能なその塩。
  3. 【請求項3】絶対立体構造1R、2Rを有する請求項2に記
    載の化合物又は医薬上許容可能なその塩。
  4. 【請求項4】絶対立体構造1S、2Sを有する請求項2に記
    載の化合物又は医薬上許容可能なその塩。
  5. 【請求項5】Rが−OCH3である請求項1に記載の化合物
    又は医薬上許容可能なその塩。
  6. 【請求項6】絶対立体構造1R、2Rを有する請求項5に記
    載の化合物又は医薬上許容可能なその塩。
  7. 【請求項7】絶対立体構造1S、2Sを有する請求項5に記
    載の化合物又は医薬上許容可能なその塩。
  8. 【請求項8】Rが−CF3である請求項1に記載の化合物
    又は医薬上許容可能なその塩。
  9. 【請求項9】絶対立体構造1R、2Rを有する請求項8に記
    載の化合物又は医薬上許容可能なその塩。
  10. 【請求項10】絶対立体構造1S、2Sを有する請求項8に
    記載の化合物又は医薬上許容可能なその塩。
  11. 【請求項11】Rが−OCF3である請求項1に記載の化合
    物又は医薬上許容可能なその塩。
  12. 【請求項12】絶対立体構造1R、2Rを有する請求項11に
    記載の化合物又は医薬上許容可能なその塩。
  13. 【請求項13】絶対立体構造1S、2Sを有する請求項11に
    記載の化合物又は医薬上許容可能なその塩。
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