JP2694559B2 - 光波長変換方法 - Google Patents

光波長変換方法

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JP2694559B2 JP1144608A JP14460889A JP2694559B2 JP 2694559 B2 JP2694559 B2 JP 2694559B2 JP 1144608 A JP1144608 A JP 1144608A JP 14460889 A JP14460889 A JP 14460889A JP 2694559 B2 JP2694559 B2 JP 2694559B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、光源から発生させた2つの基本波を光波長
変換素子によって和周波に変換する光波長変換方法に関
するものである。
(従来の技術) 従来より、互いに異なる波長λ、λの2種の基本
波を非線形光学材料に入射させ、波長λ (1/λ=1/λ+1/λ) の和周波を取り出す試みが種々なされている。このよう
にして波長変換を行なう光波長変換素子として具体的に
は、バルク結晶型のものがよく知られている。なおJ.Ap
pl.Phys.Vol.55,p65(1984)にはYaoらによって、2軸
性結晶であるKTPによる第2高調波発生時の位相整合方
法に関する内容が詳細に記述されている。
上述のようなバルク結晶型の光波長変換素子を形成す
る非線形光学材料として従来より、無機材料ではLiNbO3
やKTP、有機材料では例えば特開昭60-250334号公報等に
示されるMNA(2−メチル−4−ニトロアニリン)、J.O
pt.Soc.Am.B.に記載されているNPP(N−(4−ニトロ
フェニル)−L−プロリノール)、NPAN(N−(4−ニ
トロフェニル)−N−メチルアミノアセトニトリル)等
が知られている。このMNAやNPP等の有機の非線形光学材
料は、LiNbO3やKTP等の無機の非線形光学材料と比べる
と、非線形光学定数が大きいので波長変換効率が高い、
誘電破壊しきい値が大きい、光損傷が小さい等の長所を
有している。
(発明が解決しようとする課題) ところが、これらの有機非線形光学材料の吸収端は、
例えばMNAで450nm、NPPでは480nm近辺に存在するので、
青色領域の和周波を発生させることは困難となってい
る。さらに無機材料であるKTP、LiNbO3等は、吸収端が4
00nm以下であり、青色領域の和周波を得ることはできる
が、その波長変換の性能指数が有機材料に比べて1桁以
上低いことが欠点となっていた。また同様にして、緑、
赤等の長波長領域の和周波を得る際にも、その性能指数
が小さいため波長変換効率が低いという欠点があった。
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであ
り、高い波長変換効率が得られ、その一方青色領域の和
周波も容易に得ることができる光波長変換方法を提供す
ることを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明の光波長変換方法は、先に述べたようなバルク
結晶型の光波長変換素子として下記の分子式 で示される非線形光学材料(3.5−ジメチル−1−(4
−ニトロフェニル)ピラゾール:以下PRAと称する)の
単結晶を用いた上で、それぞれ波長が450〜4000nmの間
にある直線偏光した基本波をこのバルク単結晶に入射
し、タイプIの角度位相整合を取ることによって、その
和周波を得ることを特徴とするものである。
(作用) 上記PRAは、特開昭62-210432号公報に開示されている
ものであり、非線形光学効果を有することも該公報中に
示されているが、実際にバルク結晶型の光波長変換素子
を形成して利用する上で、どのようにすれば基本波と和
周波との間で良好に位相整合が取れるかは、不明であっ
た。
本発明方法においてタイプIの角度位相整合が取れる
点等について、以下に説明する。前記PRAの結晶構造を
第2A、2Bおよび2C図に示す。また第3図には、そのバル
ク結晶構造を示す。このPRAの結晶は斜方晶系をなし、
点群はmm2である。したがって非線形光学定数のテンソ
ルは、 となる。ここでd31は、第3図に示すように結晶軸a、
b、cに対して定まる光学軸X、Y、Zを考えたとき、
X方向に直線偏光した光(以下、X偏光という。Y、Z
についても同様。)を基本波として入射させてZ偏光の
和周波を取り出す場合の非線形光学定数であり、同様に
d32はY偏光の基本波を入射させてZ偏光の和周波を取
り出す場合の非線形光学定数、d33はZ偏光の基本波を
入射させてZ偏光の和周波を取り出す場合の非線形光学
定数、d24はYとZ偏光の基本波を入射させてY偏光の
和周波を取り出す場合の非線形光学定数、d15はXとZ
偏光の基本波を入射させてX偏光の和周波を取り出す場
合の非線形光学定数である。各非線形光学定数の大きさ
を下表に示す。
なお上の表においてはX線結晶構造解析による値、
はMarker Fringe法による実測値であり、単位は双方
とも[×10-9esu]である。
この値よりKTPの実効的非線形定数deffと性能指数を
比較するとPRAのd32は約100倍となる。
またPRAは斜方晶系で2軸性結晶となっているので、
光の偏光面が光学軸であるX軸(結晶軸でc軸)方向で
あるときの屈折率nXと、このX軸に直角なY軸(結晶軸
でb軸)方向であるときの屈折率nY、およびX、Y両軸
に直角なZ軸(結晶軸でa軸)方向であるときの屈折率
nZを有する。これらの屈折率nX、nY、nZの波長分散を第
4図に示す。
基本波の波長が4000nmを超えるとPRA分子の振動準位
にかかり、PRA分子による基本波の吸収が生じると予想
できる。それにより、本発明においては、基本波の波長
上限値を4000nmとする。一方後述するように、PRAは波
長400nmよりも低波長の光を多く吸収してしまうから、
得られる和周波の波長λは400nm以上としなければな
らない。そこで安全を見て和周波波長λの下限値を40
5nmとすると、このとき一方の基本波の波長λは最大
で上記上限値=4000nmであり、その場合他方の基本波の
波長λは約450nm(小数点以下切捨て)となる。和周
波の波長λを上記の下限値=405nm以上とするために
は、基本波波長λを450nmよりも下げると、一方の基
本波波長λを4000nmよりも高く設定せざるを得ないこ
とになる。そこで本発明においては、基本波の波長下限
値を450nmとする。
2軸性結晶による第2高調波発生時の位相整合方法に
関しては、前述のYao等による論文に詳細な記載がなさ
れているが、これを基に、和周波発生の場合の位相整合
を以下の式に展開して説明する。すなわち第5図に示す
ように、φを結晶内の光の進行方向と結晶の光学軸Zと
のなす角度とし、θを光学軸X、Yを含む面においてX
軸からの上記進行方向の角度とする。ここで、任意の角
度で入射したときの各基本波に対する屈折率をnω1
ω2、和周波に対する屈折率をnω3として、各軸の
基本波および和周波に対する屈折率をそれぞれ kX=sinφ・cosθ kY=sinφ・sinθ kZ=cosφ としたとき、 上記(1−1)、(1−2)、および(1−3)式の解
が位相整合条件となる。
B1=−kX 2(b1+c1) −kY 2(a1+c1) −kZ 2(a1+b1) C1=kX 2b1c1+kY 2a1c1 +kZ 2a1b1 B2=−kX 2(b2+c2) −kY 2(a2+c2) −kZ 2(a2+b2) C2=kX 2b2c2+kY 2a2c2 +kZ 2a2b2 B3=−kX 2(b3+c3) −kY 2(a3+c3) −kZ 2(a3+b3) C3=kX 2b3c3+kY 2a3c3 +kZ 2a3b3 とおいたとき(1−1)、(1−2)、および(1−
3)式の解は、 (復号はi=1のとき+、i=2のとき−)となる。
タイプIの位相整合条件は nω1/λ+nω2/λ=nω3/λ
……(1−4)となる。
したがって本発明の場合は、(1−4)式を満たす角
度φとθとが存在するときに、タイプIの位相整合が取
れることになる。そこで第4図に示されるPRAの屈折率
を用いることで、(1−4)式を満たすような2つの基
本波およびその和周波における位相整合角θ,φを決定
することができる。
また、PRAの200μmの薄膜の透過スペクトルを第6図
に示すが、図示されるようにこのPRAは、波長400nm近辺
の光を多く吸収することがない。したがって、このPRA
のバルク結晶を用いた光波長変換素子によれば、青色領
域の和周波を効率良く発生させることができる。
(実施例) 以下、図面に示す実施例に基づいて本発明を詳細に説
明する。
〈第1実施例〉 第1図は、本発明の方法によって、2つの基本波を和
周波に変換する装置を示している。最初に、バルク単結
晶型の光波長変換素子10を作成する方法について説明す
る。素子10は通常のブリッジマン法により作成すること
ができる。まず、融液状態のPRAを適当な型に流し、次
いで急冷させると、このPRAが多結晶化する。その後こ
のPRAを、その融点102℃より高い温度(例えば105℃)
に保たれた炉内から、該融点より低い温度に保たれた炉
外に徐々に引き出すことにより、溶融状態のPRAを炉外
への引出し部分から単結晶化させる。それにより、50mm
以上もの長い範囲に亘って単結晶状態となり、結晶方位
も一定に揃ったPRAが形成され、光波長変換素子10を十
分に長くすることができる。周知のようにこの種の光波
長変換素子の波長変換効率は素子の長さの2乗に比例す
るので、光波長変換素子は長いほど実用的価値が高くな
る。
以上述べたようにして形成したPRA単結晶を、光学軸
YとZ軸(結晶軸ではb軸とa軸)を含むY−Z面でカ
ットし、X軸(結晶軸ではc軸)方向に厚さ2mmに切り
出して、バルク単結晶型の光波長変換素子10を形成し
た。
この光波長変換素子10には、第1図図示のようにして
基本波15が入射される。本例においては、基本波を発生
する光源として半導体レーザー11とYAGレーザー21とが
用いられ、それらから各々発せられた波長λ=830n
m、λ=1064nmのレーザー光(基本波)15A、15Bは、
ビームスプリッタ22で合波された上で光波長変換素子10
に入射される。この際両基本波15A、15Bは、入射方向が
PRA結晶内部でX軸からY軸側に0.6°(=θ)傾く状態
にして入射される。また本実施例ではφ=90°である。
第4図に示すPRAの屈折率の波長分散より、波長830nm
の光に対しては、 nX=1.5132 nY=1.7979 nZ=1.6991 であり、波長1064nmの光に対しては、 nX=1.5077 nY=1.7806 nZ=1.6890 である。そしてθ=0.6°、φ=90°であるとき、波長
λ=830nmの基本波15AはnXとnYの中間的な屈折率を感
じ、 nω1=1.7978 となる。波長λ=1064nmの基本波15BもnXとnYの中間
的な屈折率を感じ、 nω2=1.7805 となる。
このようにしてPRAからなる光波長変換素子10に入射
された基本波15A、15Bは、波長が466nmの和周波15′に
変換される。したがって光波長変換素子10からは、この
和周波15′と基本波15A、15Bが混合したビームが出射す
る。この出射ビームは、波長466nmの和周波15′は良好
に透過させる一方、波長830nmの基本波15Aと波長1064nm
の基本波15Bは吸収するバンドパスフィルター13に通さ
れ、和周波15′のみが取り出される。この和周波15′
は、Z偏光であることが確認された。したがって本例で
は、前述の(1−4)式が満たされて、基本波15A、15B
と和周波15′との位相整合が取られている。そして非線
形光学定数としては、前述したように高い値のd32が利
用されていることになる。
第4図に示すPRAの屈折率の波長分散より、波長466nm
の光に対しては、 nX=1.5553 nY=1.9475 nZ=1.7902 であり、この場合、和周波15′はZ偏光であるから、波
長λ=466nmの和周波15′に対しては、 nω3=nZ=1.7902 である。
以上示したλ=830nm、λ=1064nm、λ=466n
m、およびnω1=1.7978、nω2=1.7805、nω3
1.7902の値は、先に説明した(1−4)の位相整合条件
式を満足する。
以上はφ=90°の場合について説明したが、φ=90°
の場合のみでなく、その他にも位相整合の取れる角度
θ、φが存在する。
比較例として、厚さ2mmのKTPのバルク単結晶を形成
し、第1図の装置と同じ装置でこのバルク単結晶に基本
波15A、15Bを入射させ、和周波を発生させた。この比較
例と上記実施例における和周波15′(バンドパスフィル
ター13を通過したもの)の光強度を測定したが、上記実
施例における和周波の光強度は、比較例のものに比べて
1桁以上高かった。
〈第2実施例〉 第1実施例におけるのと同様にして、PRAのバルク単
結晶を作成した。基本波を発生する光源としてHe−Neレ
ーザーと半導体レーザーとを用い、それらから各々発せ
られた波長λ=633nm、λ=1550nmのレーザー光
(基本波)を光波長変換素子10に入射させた。この際両
基本波について、θ=2.28°、φ=90°である。波長63
3nmの光に対しては、 nX=1.5236 nY=1.8320 nZ=1.7193 であり、波長1550nmの光に対しては、 nX=1.5012 nY=1.7604 nZ=1.6773 である。そして、上記のようにθ=2.28°、φ=90°で
あるとき、波長λ=633nmの基本波はnXとnYの中間的
な屈折率を感じ、 nω1=1.8314 となる。波長λ=1550nmの基本波も、nXとnYの中間的
な屈折率を感じ、 nω2=1.7599 となる。
このようにしてPRAからなる光波長変換素子10に入射
された基本波は、波長λ=449nmの和周波に変換され
る。波長449nmの光に対しては、 nX=1.5632 nY=1.9792 nZ=1.8107 である。この場合和周波はZ偏光となり、したがって波
長λ=449nmの和周波に対しては、 nω3=nZ=1.8107 である。
上述したλ、λ、λおよびnω1、nω2、n
ω3の値も、先に説明した(1−4)の位相整合条件式
を満足する。
〈第3実施例〉 第1実施例におけるのと同様にして、PRAのバルク単
結晶を作成した。基本波を発生する光源として色素レー
ザーと赤外レーザーを用い、それらから各々発せられた
波長λ=450nm、λ=4000nmのレーザー光(基本
波)を光波長変換素子10に入射させた。この際両基本波
について、θ=10.56°、φ=90°である。波長450nmの
光に対しては、 nX=1.5629 nY=1.9780 nZ=1.8099 であり、波長4000nmの光に対しては、 nX=1.4626 nY=1.6401 nZ=1.6070 である。そして上記のようにθ=10.56°、φ=90°で
あるとき、波長λ=450nmの基本波は、nXとnYの中間
的な屈折率を感じ、 nω1=1.9584 となる。波長λ=4000nmの基本波も、nXとnYの中間的
な屈折率を感じ、 nω2=1.6330 となる。
このようにしてPRAからなる光波長変換素子10に入射
された基本波は、波長λ=400nmの和周波に変換され
る。波長400nmの光に対しては、 nX=1.6001 nY=2.1479 nZ=1.9256 である。この場合和周波はZ偏光となり、したがって波
長λ=400nmの和周波に対しては、 nω3=nZ=1.9256 である。
上述したλ、λ、λおよびnω1、nω2、n
ω3の値も、先に説明した(1−4)の位相整合条件式
を満足する。
〈第4実施例〉 第1実施例におけるのと同様にして、PRAのバルク単
結晶を作成した。基本波を発生する2つの光源としてそ
れぞれ半導体レーザーを用い、それらから発せられた波
長λ=830nm、λ=1500nmのレーザー光(基本波)
を光波長変換素子10に入射させた。この際両基本波につ
いて、θ=19.8°、φ=90°である。波長830nmの光に
対しては、 nX=1.5132 nY=1.7979 nZ=1.6991 であり、波長1500nmの光に対しては、 nX=1.5018 nY=1.7622 nZ=1.6783 である。そして、上記のようにθ=19.8°、φ=90°で
あるとき、波長λ=830nmの基本波はnXとnYの中間的
な屈折率を感じ、 nω1=1.7568 となる。波長λ=1500nmの基本波も、nXとnYの中間的
な屈折率を感じ、 nω2=1.7253 となる。
このようにしてPRAからなる光波長変換素子10に入射
された基本波は、波長λ=534nmの和周波に変換され
る。波長534nmの光に対しては、 nX=1.5362 nY=1.8758 nZ=1.7456 である。この場合、和周波はZ偏光であり、波長λ
534nmの和周波に対しては、 nω3=nZ=1.7456 である。
上述したλ、λ、λおよびnω1、nω2、n
ω3の値も、先に説明した(1−4)の位相整合条件式
を満足する。
〈第5実施例〉 第1実施例におけるのと同様にして、PRAのバルク単
結晶を作成した。基本波を発生する2つの光源としてそ
れぞれ半導体レーザーを用い、それらから発せられた波
長λ=900nm、λ=1300nmのレーザー光(基本波)
を光波長変換素子10に入射させた。この際両基本波につ
いて、θ=18.88°、φ=90°である。波長900nmの光に
対しては、 nX=1.5111 nY=1.7914 nZ=1.6954 であり、波長1300nmの光に対しては、 nX=1.5042 nY=1.7698 nZ=1.6827 である。そして上記のようにθ=18.88°、φ=90°で
あるとき、波長λ=900nmの基本波は、nXとnYの中間
的な屈折率を感じ、 nω1=1.7545 となる。波長λ=1300nmの基本波も、nXとnYの中間的
な屈折率を感じ、 nω2=1.7352 となる。
このようにしてPRAからなる光波長変換素子10に入射
された基本波は、波長λ=532nmの和周波に変換され
る。波長532nmの光に対しては、 nX=1.5367 nY=1.8776 nZ=1.7467 である。この場合、和周波はZ偏光であり、波長λ
532nmの和周波に対しては、 nω3=nZ=1.7467 である。
上述したλ、λ、λおよびnω1、nω2、n
ω3の値も、先に説明した(1−4)の位相整合条件式
を満足する。
〈第6実施例〉 第1実施例におけるのと同様にして、PRAのバルク単
結晶を作成した。基本波を発生する2つの光源としてそ
れぞれ半導体レーザーを用い、それらから発せられた波
長λ=1200nm、λ=1300nmのレーザー光(基本波)
を光波長変換素子10に入射させた。この際両基本波につ
いて、θ=18.88°、φ=90°である。波長1200nmの光
に対しては、 nX=1.5056 nY=1.7740 nZ=1.6852 であり、波長1300nmの光に対しては、 nX=1.5042 nY=1.7698 nZ=1.6827 である。そして上記のようにθ=18.88°、φ=90°で
あるとき、波長λ=1200nmの基本波は、nXとnYの中間
的な屈折率を感じ、 nω1=1.7545 となる。波長λ=1300nmの基本波も、nXとnYの中間的
な屈折率を感じ、 nω2=1.7352 となる。
このようにしてPRAからなる光波長変換素子10に入射
された基本波は、波長λ=624nmの和周波に変換され
る。波長624nmの光に対しては、 nX=1.5244 nY=1.8347 nZ=1.7209 である。この場合波長λ=624nmの和周波は、Z偏光
であり、 nω3=1.7209 となる。
上述したλ、λ、λおよびnω1、nω2、n
ω3の値も、先に説明した(1−4)の位相整合条件式
を満足する。
〈第7実施例〉 第1実施例におけるのと同様にして、PRAのバルク単結
晶を作成した。基本波を発生する2つの光源としてそれ
ぞれ半導体レーザーを用い、それらから発せられた波長
λ=1200nm、λ=1500nmのレーザー光(基本波)を
光波長変換素子10に入射させた。この際両基本波につい
て、θ=18.88°、φ=90°である。波長1200nmの光に
対しては、 nX=1.5056 nY=1.7740 nZ=1.6852 であり、波長1500nmの光に対しては、 nX=1.5018 nY=1.7622 nZ=1.6783 である。そして上記のようにθ=18.88°、φ=90°で
あるとき、波長λ=1200nmの基本波は、nXとnYの中間
的な屈折率を感じ、 nω1=1.7545 となる。波長λ=1500nmの基本波も、nXとnYの中間的
な屈折率を感じ、 nω2=1.7352 となる。
このようにしてPRAからなる光波長変換素子10に入射
された基本波は、波長λ=667nmの和周波に変換され
る。波長667nmの光に対しては、 nX=1.5209 nY=1.8232 nZ=1.7140 である。この場合波長λ=667nmの和周波は、Z偏光
であり、 nω3=1.7140 となる。
上述したλ、λ、λおよびnω1、nω2、n
ω3の値も、先に説明した(1−4)の位相整合条件式
を満足する。
以上7つの実施例について説明したが、基本波波長λ
、λの組合わせは上記実施例におけるものに限られ
ることなく種々設定可能であり、例えば以下のように設
定しても、タイプIの角度位相整合が可能である。な
お、各場合の和周波波長λも併せて示す。
(発明の効果) 以上詳細に説明した通り本発明の光波長変換方法にお
いては、PRA結晶に入射させる基本波の偏光方向を適切
に設定したことにより、基本波と和周波との角度位相整
合が取れるので、この方法によれば、PRAが有する高い
非線形光学定数を実際にバルク結晶型の非線形光学材料
において利用可能であり、極めて高い波長変換効率を実
現できる。またPRAは400nm近辺に吸収端を有するもので
あるから、このPRAのバルク単結晶を用いる本発明方法
によれば、青色領域の和周波を効率良く取り出すことも
可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法を実施する装置の一例を示す概略
図、 第2A、2Bおよび2C図はそれぞれ、本発明に用いられるPR
Aのc軸、a軸、b軸方向の結晶構造図、 第3図は上記PRAのバルク結晶構造図、 第4図は上記PRAの屈折率の波長分散を示すグラフ、 第5図は、本発明に係わる結晶内部での基本波進行方向
と光学軸Zとがなす角度φ、および基本波進行方向と光
学軸Xとがなす角度θを説明する説明図、 第6図は上記PRAの透過スペクトルを示すグラフであ
る。 10……光波長変換素子、11……半導体レーザー 15A、15B……基本波、15′……和周波 21……YAGレーザー

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の分子式 で示される非線形光学材料のバルク単結晶に直線偏光し
    た2つの基本波を入射させて、それらの和周波に変換さ
    せる光波長変換方法であって、 波長が450〜4000nmの間にある基本波を前記非線形光学
    材料に入射し、タイプIの角度位相整合を取ることによ
    って、和周波を得ることを特徴とする光波長変換方法。
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