JP2660576B2 - レーザーダイオードポンピング固体レーザー - Google Patents

レーザーダイオードポンピング固体レーザー

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JP2660576B2 JP1144609A JP14460989A JP2660576B2 JP 2660576 B2 JP2660576 B2 JP 2660576B2 JP 1144609 A JP1144609 A JP 1144609A JP 14460989 A JP14460989 A JP 14460989A JP 2660576 B2 JP2660576 B2 JP 2660576B2
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    • H01S3/00Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、固体レーザーロッドを半導体レーザー(レ
ーザーダイオード)によってポンピングするレーザーダ
イオードポンピング固体レーザーに関し、特に詳細には
その共振器内に配した光波長変換素子によって、固体レ
ーザー発振ビームと別のレーザービームをそれらの和周
波に波長変換するようにしたレーザーダイオードポンピ
ング固体レーザーに関するものである。
(従来の技術) 例えば特開昭62−189783号公報に示されるように、ネ
オジム等の希土類がドーピングされた固体レーザーロッ
ドを半導体レーザーによってポンピングするレーザーダ
イオードポンピング固体レーザーが公知となっている。
この種のレーザーダイオードポンピング固体レーザーに
おいては、より短波長のレーザー光を得るために、その
共振器内に、固体レーザー発振ビームを波長変換する非
線形光学材料のバルク単結晶を配設して、固体レーザー
発振ビームを第2高調波等に波長変換することも行なわ
れている。さらには、例えばApplied Physics Letter
Vol.52,No.2,11 January 1988に記載されているよ
うに、上述の位置に配した非線形光学材料のバルク単結
晶により、固体レーザー発振ビームとポンピング光とを
和周波に波長変換することも提案されている。
(発明が解決しようとする課題) ところが、このような波長変換機能を備えた従来のレ
ーザーダイオードポンピング固体レーザーにおいては、
非線形光学材料としてKTP、LiNbO3等の無機非線形光学
材料を用いていたため、波長変換効率が低いという問題
が有った。具体的な数値を示すと、KTPを用いた青色領
域の和周波発生の場合は、現状では出力100μW程度の
和周波しか得られていない。これはKTPの性能指数が非
常に低いからである。
このように波長変換効率が低いと、当然エネルギー利
用効率が低くなるし、また、波長変換(短波長化)され
た高強度のレーザービームが必要な場合には、ポンピン
グ源として例えば200mW以上と極めて高出力の高価な半
導体レーザーが必要になる。そして、高出力の半導体レ
ーザーを用いると、そこからの発熱量も当然大きくなる
ので、半導体レーザーの放熱、冷却のために大がかりで
高価な装置が必要になるという不都合も生じる。
非線形光学材料のバルク単結晶として、光の通過長よ
り長くなる大きな結晶を用いれば、上記波長変換効率を
向上させることができるが、そのような大きな結晶を形
成することは技術的にも困難であるし、また多大なコス
トを要することにもなる。
一方、非線形光学材料としてより大きな非線形光学定
数を有するものを用いることによって、波長変換効率を
向上させることも考えられる。無機の非線形光学材料で
前述のKTPに比べれば非線形光学定数が大きいものとし
ては、例えばLiNbO3、BNNB、さらにはOptics Letters
Vol.13 p137(1988)に示されるKNbO3等が挙げられる
が、これらの無機非線形光学材料は、温度変化によって
位相整合角のズレが生じやすいので、KTPのように広い
温度範囲に亘って安定した波長変換効率を得ることは困
難となっている。
また、半導体レーザーによる固体レーザーの発振効率
がより高ければ、非線形光学材料に入射する固体レーザ
ー発振ビームの強度が高くなって、より高強度の波長変
換ビームを得ることが可能となる。しかし従来のレーザ
ーダイオードポンピング固体レーザーにおいては一般に
ポンピング源としてアレイレーザーを用いており、その
スペクトル線幅は10nm程度もあるため、固体レーザーの
発振効率が低く、このことはエネルギー利用効率の低下
につながっていた。
スペクトル線幅が小さい半導体レーザーとして、単一
横モード単一縦モード半導体レーザーが知られており
(スペクトル線幅は通常約0.1nm程度)、この単一横モ
ード単一縦モード半導体レーザーをペルチェ素子等で温
度調節してその発振波長を固体レーザーの吸収ピーク値
に合わせれば、固体レーザーの発振効率を高めることが
できる。しかし現在提供されている単一横モード単一縦
モード半導体レーザーは、アレイレーザー等に比べれば
低出力であるので、ある程度高強度の波長変換ビームを
得るためには、複数の単一横モード単一縦モード半導体
レーザーから出射したレーザービームを合波してポンピ
ング光として使用せざるを得ない。そのようにすると、
コストアップ、信頼性低下の問題が生じることになる。
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであ
り、波長変換効率が高く、また温度変化に対する安定性
も高く、そしてエネルギー利用効率の良いレーザーダイ
オードポンピング固体レーザーを提供することを目的と
するものである。
(課題を解決するための手段及び作用) 本発明の第1のレーザーダイオードポンンピング固体
レーザーは、 前述したようにネオジム等の希土類がドーピングされ
た固体レーザーロッドを半導体レーザーによってポンピ
ングし、 そしてその共振器内に、固体レーザー発振ビームとポ
ンピング用レーザービームをそれらの和周波に波長変換
する非線形光学材料のバルク単結晶を備えたレーザーダ
イオードポンピング固体レーザーにおいて、 上記バルク単結晶として、有機非線形光学材料のバル
ク単結晶が用いられたことを特徴とするものである。
また本発明の第2のレーザーダイオードポンピング固
体レーザーは、 上記と同様にネオジム等の希土類がドーピングされた
固体レーザーロッドを半導体レーザーによってポンピン
グするレーザーダイオードポンピング固体レーザーにお
いて、 その共振器内にレーザービームを入射させる、上記ポ
ンピング用半導体レーザーとは別のレーザー光源が設け
られるとともに、 上記共振器内に、固体レーザー発振ビームと上記レー
ザー光源が発したレーザービームをそれらの和周波に波
長変換する有機非線形光学材料のバルク単結晶が配設さ
れたことを特徴とするものである。
上記の有機非線形光学材料としては、例えば特開昭60
−250334号公報等に示されるMNA(2−メチル−4−ニ
トロアニリン)、J.Opt.Soc.Am.B.に記載されているNPP
(N−(4−ニトロフェニル)−L−プロリノール)、
NPAN(N−(4−ニトロフェニル)−N−メチルアミノ
アセトニトリル)、MAP、m−NA等を用いることができ
る。これらのMNAやNPP等の有機の非線形光学材料は、Li
NbO3やKTP等の無機の非線形光学材料と比べると、非線
形光学定数が極めて大きいので、高い波長変換効率を得
ることができる。またこのような有機非線形光学材料
は、無機の非線形光学材料と比べると、誘電破壊しきい
値が大きい、光損傷が小さい等の長所も有している。
また上記有機非線形光学材料として、下記の分子式 で示される非線形光学材料(3.5−ジメチル−1−(4
−ニトロフェニル)ピラゾール:以下PRAと称する)を
特に好適に用いることができる。このPRAは特開昭62−2
10432号公報に開示されているものであり、極めて大き
な非線形光学定数を有することが分かっている。
一方、上述したような各種の有機非線形光学材料は、
KTPと同じように、温度変化に対する位相整合角のズレ
量が非常に小さいものとなっている。すなわち、有機材
料の屈折率変化は主に体積膨張による屈折率低下である
ため、複屈折率の温度依存性は零に近くなり、その結果
位相整合角のズレがほとんど無くなるのである。
本発明のレーザーダイオードポピング固体レーザーに
おいて、好ましくは、ポンピング用半導体レーザーとし
て、単一横モード単一縦モード半導体レーザーが用いら
れる。本発明においては上述のように波長変換効率が高
い有機非線形光学材料を用いて光波長交換を行なうの
で、この非線形光学材料に入射させる基本波としての固
体レーザー発振ビームの強度が比較的低くても、十分高
強度の波長変換ビームを得ることができる。したがっ
て、前述したように現在のところ比較的低出力のものし
か提供されていない単一横モード単一縦モード半導体レ
ーザーをポンピング源として用いても、十分高強度の波
長変換ビームを得ることができる。先に述べた通り、ス
ペクトル線幅が小さいこの単一横モード単一縦モード半
導体レーザーを用いれば、固体レーザーの発振効率を高
めることができ、よってエネルギー利用効率を向上させ
ることができる。
(実 施 例) 以下、図面に示す実施例に基づいて本発明を詳細に説
明する。
第1図は、本発明の第1実施例によるレーザーダイオ
ードポンピング固体レーザー10を示すものである。この
レーザーダイオードポンピング固体レーザー10は、ポン
ピング光としてのレーザービーム11を発する半導体レー
ザー(フェーズドアレイレーザー)12と、発散光である
上記レーザービーム11を平行光化するコリメーターレン
ズ13と、平行光化されたレーザービーム11を集束させる
集光レンズ14と、ネオジム(Nd)がドーピングされた固
体レーザーロッドとしてのYAGロッド(以下、Nd:YAGロ
ッドと称する)15と、このNd:YAGロッド15の前方側(図
中右方側)および後方側にそれぞれ配された共振器16
A、16Bと、共振器16BとNd:YAGロッド15の間に配された
光波長変換素子17とからなる。以上述べた各要素12〜17
は、共通の筐体(図示せず)にマウントされて一体化さ
れている。なおフェーズドアレイレーザー12は、ペルチ
ェ素子19と図示しない温調回路により、所定温度に温調
される。
このフェーズドアレイレーザー12は、波長λ=810n
mのレーザービーム11を発するものが用いられている。
一方Nb:YAGロッド15は、上記レーザービビーム11によっ
てネオジム原子が励起されることにより、波長λ=16
4nmのレーザービーム18を発する。
入射側共振器16BのNd:YAGロッド15側の面16bは球面の
一部をなす形状とされ、その表面には、波長1064nmのレ
ーザービーム18は良好に反射させ、波長810nmのポンピ
ング用レーザービーム11は良好に透過させるコーティン
グが施されている。一方出力側共振器16AのNd:YAGロッ
ド15側の面16aも球面の一部をなす形状とされ、その表
面には、波長1064nmのレーザービーム18および波長810n
mのレーザービーム11は良好に反射させ、そして後述す
る波長460nmの和周波20は良好に透過させるコーティン
グが施されている。したがって波長1064nmのレーザービ
ーム18は、上記共振器16A、16Bの各面16a、16b間に閉じ
込められて、レーザー発振を引き起こす。このレーザー
ビーム18は光波長変換素子17に入射し、同じくこの素子
17に入射したポンピング用レーザービーム11とこのレー
ザービーム18が、波長λ=460nmの和周波20に波長変
換される。なお、1/λ=1/λ+1/λである。
以下、上記光波長変換素子17について詳しく説明す
る。この光波長変換素子17は、前述したPRAのバルク単
結晶からなる。このPRAの結晶構造を第2A、2Bおよび2C
図に示し、またそのバルク結晶構造を第3図に示す。こ
の光波長変換素子17は、通常のブリッジマン法により作
成することができる。まず、融液状態のPRAを適当な型
に流し、次いで急冷させると、このPRAが多結晶化す
る。その後このPRAを、その融点102℃より高い温度(例
えば105℃)に保たれた炉内から、該融点より低い温度
に保たれた炉外に徐々に引き出すことにより、溶融状態
のPRAを炉外への引出し部分から単結晶化させる。それ
により、50mm以上もの長い範囲にわたって単結晶状態と
なり、結晶方位も一定に揃ったPRAが形成され、光波長
変換素子17を十分に長くすることができる。周知のよう
にこの種の光波長変換素子の波長交換効率は素子の長さ
の2乗に比例するので、光波長変換素子は長いほど実用
的価値が高くなる。
以上述べたようにして形成したPRA単結晶を、光通過
面とされる2つの面が互いに平行で、かつこれら両光通
過面間の厚さが5mmとなるようにカットして、バルク単
結晶型の光波長変換素子17を形成した。
この光波長変換素子17に対してレーザービーム11およ
び18は、第1図図示の通り、結晶内部でのその進行方向
とZ軸とが8゜の角度をなし、またその入射方向がZ−
X面と平行になる状態で入射される。このようにしてレ
ーザービーム11、18を光波長変換素子17に入射させるこ
とにより、基本波としてのこれらレーザービーム11、18
と和周波20との間でタイプIの位相整合が取られ、光波
長変換素子17からはこれらのレーザービーム11、18と和
周波20とが混合したビームが出射する。なおこの位相整
合については、後に詳しく説明する。共振器16Aの面16a
には前述した通りのコーティングが施されているので、
この共振器16Aからは、ほぼ和周波20(波長λ=460n
m)のみが取り出される。
以上説明したPRAからなる光波長変換素子17における
位相整合状態は、±30℃を超える温度範囲において十分
に安定していることが確認された。またこのPRAの性能
指数は、前述したKTPのそれの100倍であり、よって光波
長変換素子17による波長交換効率は十分に高いものとな
る。例えば本実施例の装置において、ポンピング光であ
るレーザービーム11の出力を100mWとしたとき、和周波2
0の出力は約1mWとなった。
また先に述べた通り、有機非線形光学材料であるPRA
は、誘電破壊しきい値が高く、そして光損傷も小さいの
で、上述のように高出力のレーザーダイオードポンピン
グ固体レーザー10が実現可能となる。
比較例として、第1図の装置において光波長変換素子
17をKTPのバルク結晶からなる光波長変換素子に代え、
その装置における和周波の発生を調べた。この場合、ポ
ンピング光であるレーザービーム11の出力を100mWとし
たとき、和周波の出力は約0.1mWとなった。この出力約
0.1mWに比べると、上記実施例における和周波20の出力
約1mWは極めて大きな値となっており、本発明によれば
高い波長変換効率が得られることが裏付けられた。
ここで、基本波であるレーザービーム11、18と和周波
20との位相整合について詳しく説明する。このPRAの結
晶は斜方晶系をなし、点群はmm2である。したがって非
線形光学定数のテンソルは、 となる。ここでd31は、第3図に示すように結晶軸a、
b、cに対して定まる光学軸X、Y、Zを考えたとき、
X方向に直線偏光した光(以下、X偏光という。Y、Z
についても同様。)を基本波として入射させてZ偏光の
和周波を取り出す場合の非線形光学定数であり、同様に
d32はY偏光の基本波を入射させてZ偏光の和周波を取
り出す場合の非線形光学定数、d33はZ偏光の基本波を
入射させてZ偏光の和周波を取り出す場合の非線形光学
定数、d24はYとZ偏光の基本波を入射させてY偏光の
和周波を取り出す場合の非線形光学定数、d15はXとZ
偏光の基本波を入射させてX偏光の和周波を取り出す場
合の非線形光学定数である。各非線形光学定数の大きさ
を下表に示す。
なお下の表においてはX線結晶構造解析による値、
はMarker Fringe法による実測値であり、単位は双方
とも[×10-9esu]である。
この値よりLiNbO3のd31と性能指数を比較するとPRAの
d32は260倍となる。さらに、KTPのdeff(実効非線形定
数)と性能指数を比較するとPRAのd32は約100倍とな
る。
またPRAは斜方晶系で2軸性結晶となっているので、
光の偏光面が光学軸であるX軸(結晶軸でc軸)方向で
あるときの屈折率nXと、このX軸に直角なY軸(結晶軸
でb軸)方向であるときの屈折率nY、およびX、Y両軸
に直角なZ軸(結晶軸でa軸)方向であるときの屈折率
nZを有する。これらの屈折率nX、nY、nZの波長分散を第
4図に示す。
基本波の波長が4000nmを超えるとPRA分子の振動準位
にかかり、PRA分子による基本波の吸収が生じると予想
できる。それにより、本発明においてPRAを用いる場合
は、基本波と波長上限値を4000nmとする。一方後述する
ように、PRAは波長400nmよりも低波長の光を多く吸収し
てしまうから、得られる和周波の波長λは、400nm以
上としなければならない。そこで、同じくPRAを用いる
場合は、安全を見て和周波波長λの下限値を405nmと
すると、このとき一方の基本波の波長λは最大で上記
上限値=4000nmであり、その場合他方の基本波の波長λ
は約450nm(小数点以下切捨て)となる。和周波の波
長λを上記の下限値=405nm以上とするためには、基
本波波長λを450nmよりも下げると、一方の基本波波
長λを4000nmよりも高く設定せざるを得ないことにな
る。そこで本発明においてPRAを用いる場合は、基本波
の波長下限値を450nmとする。
2軸性結晶による第2高調波発生時の位相整合方法に
関しては、J.Appl.Phys.Vol.55,p65(1984)のYao等に
よる論文に詳細な記載がなされているが、これを基に、
和周波発生の場合の位相整合を以下の式に展開して説明
する。すなわち第5図に示すように、φを結晶内の光の
進行方向の結晶の光学軸Zとのなす角度とし、θを光学
軸X、Yを含む面においてX軸からの上記進行方向の角
度とする。ここで、任意の角度で入射したときの各基本
波に対する屈折率をnω1、nω2、和周波に対する屈
折率をnω3として、各軸の基本波および和周波に対す
る屈折率をそれぞれ とする。次に、 kX=sinφ・cosθ kY=sinφ・cosθ kZ=cosφ としたとき、 上記(1−1)、(1−2)、および(1−3)式の解
が位相整合条件となる。
B1=−kX 2(b1+c1)−kY 2(a1+c1)−kZ 2(a1+b1) C1=kX 2b1c1+kY 2a1c1+kZ 2a1b1 B2=−kX 2(b2+c2)−kY 2(a2+c2)−kZ 2(a2+b2) C2=kX 2b2c2+kY 2a2c2+kZ 2a2b2 B3=−kX 2(b3+c3)−kY 2(a3+c3)−kZ 2(a3+b3) C3=kX 2b3c3+kY 2a3c3+kZ 2a3b3 とおいたとき(1−1)、(1−2)、および(1−
3)式の解は、 (複号はi=1のとき+、i=2のとき−) となる。
タイプIの位相整合条件は nω1 ,2/λ+nω2 ,2/λ=nω3 ,1/λ……
(1−4)となる。
したがって本発明の場合は、(1−4)式を満たす角
度φとθとが存在するときに、タイプIの位相整合が取
れることになる。そこで第4図に示されるPRAの屈折率
を用いることで、(1−4)式を満たすような2つの基
本波およびその和周波における位相整合角θ,φを決定
することができる。
また、PRAの200μmの薄膜の透過スペクトルを第6図
に示すが、図示されるようにこのPRAは、波長400nm近辺
の光を多く吸収することがない。したがって、このPRA
のバルク結晶を用いた光波長変換素子によれば、青色領
域の和周波を効率良く発生させることができる。
次に、第7図を参照して本発明の第2実施例について
説明する。なおこの第7図において、前記第1図中の要
素と同等の要素には第1図中と同番号を付し、それらに
ついての説明は省略する。この第2実施例のレーザーダ
イオードポンピング固体レーザー30においては、ポンピ
ング源として単一横モード単一縦モード半導体レーザー
(単一ストライプレーザー)22が用いられている。この
半導体レーザー22は、波長810nmのレーザービーム21を
発する。またコリメーターレンズ13と集光レンズ14との
間にはビームスプリッタ23が配され、このビームスプリ
ッタ23には、もう1つの半導体レーザー24から発せられ
コリメーターレンズ25によって平行光とされた波長830n
mのレーザービーム26が入射せしめられる。このレーザ
ービーム26はビームスプリッタ23により、ポンピング光
であるレーザービーム21と合波され、光波長変換素子31
に入射する。
なお上記単一横モード単一縦モード半導体レーザー22
と半導体レーザー24は各々、ペルチェ素子27、28と図示
しない温調回路により、所定温度に温調される。単一横
モード単一縦モード半導体レーザー22は一例として±0.
1℃の精度で、一方半導体レーザー24は±1℃の精度で
温調される。単一横モード単一縦モード半導体レーザー
22から発せられるレーザービーム21のスペクトル線幅は
例えば1nm程度と十分に小さく、そして上記のようにし
て単一横モード単一縦モード半導体レーザー22を温度調
節することにより、その波長を正確にNd:YAGロッド15の
吸収ピーク波長(810nm)に合わせることが可能とな
る。それにより、YAGレーザー(レーザービーム18)の
発振効率を高めることができる。
光波長変換素子31に入射した波長λ=830nmのレー
ザービーム26と波長λ=1064nmのレーザービーム18
は、この光波長変換素子31により波長λ=466nmの和
周波29に波長変換される。この光波長変換素子31も前述
のPRA単結晶からなるものであるが、第1実施例の光波
長変換素子17とは異なり、光通過面とされる2つの面が
Y−Z面と平行で、かつこれら両光通過面間の厚さが5m
mとなるようにカットされている。
この光波長変換素子31に対してレーザービーム26およ
び18は、結晶内部でのその進行方向とZ軸とのなす角度
φが90゜で、またX−Y面においてX軸と進行方向とが
なす角度θが0゜になる状態で入射される。このように
してレーザービーム26、18を光波長変換素子31に入射さ
せることにより、基本波としてのこれらレーザービーム
26、18と和周波29との間でタイプIの位相整合が取られ
る。この第2実施例の装置において、レーザービーム2
1、26の出力をそれぞれ100mWとしたとき、出力30mWの和
周波29が得られた。
以上、光波長変換素子としてPRAのバルク単結晶から
なるものを用いた実施例について説明したが、本発明に
おいてはその他の有機非線形光学材料、すなわち前述し
たMNAやNPP、MAP等のバルク単結晶からなる光波長変換
素子を用いることも勿論可能である。
またポンピング源として単一横モード単一縦モード半
導体レーザーを用いる場合は、先に述べた単一ストライ
プレーザー22に限らず、DFBレーザー、外部共振器レー
ザー等を用いることもできる。
(発明の効果) 以上詳細に説明した通り本発明のレーザーダイオード
ポンピング固体レーザーは、固体レーザー発振ビームと
もう1つの基本波を和周波に波長変換する光波長変換素
子として、有機非線形光学材料のバルク単結晶からなる
ものを用いたことにより、波長変換効率が向上して極め
て高強度の短波長レーザーを得ることが可能となり、ま
た温度安定性にも優れたものとなり得る。
そして本発明のレーザーダイオードポンピング固体レ
ーザーにおいては、上述のように波長変換効率が高くな
るから、現在のところ比較的出力が低い単一横モード単
一縦モード半導体レーザーをポンピング源として用いて
も、十分高強度の短波長レーザーを得ることが可能とな
る。こうして単一横モード単一縦モード半導体レーザー
をポンピング源として用いれば、固体レーザーの発振効
率が高くなるので、この場合はエネルギー利用効率が特
に高くなる。
また、上記のように比較的低出力の半導体レーザーを
ポンピング源として用いても、十分高強度の短波長レー
ザーを得ることができるから、本発明のレーザーダイオ
ードポンピング固体レーザーは従来装置と比べて、同一
強度の波長交換ビームを得る場合は、より低出力で安価
な半導体レーザーを使用可能となり、コストダウンが実
現される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例を示す概略図、 第2A、2Bおよび2C図はそれぞれ、本発明に用いられるPR
Aのc軸、a軸、b軸方向の結晶構造図、 第3図は上記PRAのバルク結晶構造図、 第4図は上記PRAの屈折率の波長分散を示すグラフ、 第5図は、本発明に係わる結晶内部での基本波進行方向
と光学軸Zとがなす角度φ、および基本波進行方向と光
学軸Xとがなす角度θを説明する説明図、 第6図は上記PRAの透過スペクトルを示すグラフ、 第7図は本発明の第2実施例を示す概略図である。 10、30……レーザーダイオードポンピング固体レーザー 11、21……レーザービーム(ポンピング光) 12……フェーズドアレイレーザー 15……Nd:YAGロッド、16A、16B……共振器 17、31……光波長変換素子 18……レーザービーム(YAGレーザー) 20、29……和周波 22……単一横モード単一縦モード半導体レーザー 23……ビームスプリッタ、24……半導体レーザー 26……レーザービーム(基本波)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ネオジム等の希土類がドーピングされた固
    体レーザーロッドを半導体レーザーによってポンピング
    するレーザーダイオードポンピング固体レーザーにおい
    て、 その共振器内に、固体レーザー発振ビームと前記半導体
    レーザーが発したポンピング用レーザービームをそれら
    の和周波に波長変換する有機非線形光学材料のバルク単
    結晶が配設されていることを特徴とするレーザーダイオ
    ードポンピング固体レーザー。
  2. 【請求項2】ネオジム等の希土類がドーピングされた固
    体レーザーロッドを半導体レーザーによってポンピング
    するレーザーダイオードポンピング固体レーザーにおい
    て、 その共振器内に固体レーザービームを入射させる、前記
    半導体レーザーとは別のレーザー光源が設けられるとと
    もに、 前記共振器内に、固体レーザー発振ビームと前記レーザ
    ー光源が発したレーザービームをそれらの和周波に波長
    変換する有機非線形光学材料のバルク単結晶が配設され
    ていることを特徴とするレーザーダイオードポンピング
    固体レーザー。
  3. 【請求項3】前記有機非線形光学材料として下記の分子
    で示される非線形光学材料のバルク単結晶が用いられて
    いることを特徴とする請求項1または2記載のレーザー
    ダイオードポンピング固体レーザー。
  4. 【請求項4】前記固体レーザーおよび、前記半導体レー
    ザーあるいはレーザー光源として波長450〜4000nmのレ
    ーザービームを発するものが用いられ、前記バルク単結
    晶が、タイプIの角度位相整合を取ることによって前記
    和周波を得るように配設されていることを特徴とする請
    求項3記載のレーザーダイオードポンピング固体レーザ
    ー。
  5. 【請求項5】前記ポンピング用の半導体レーザーとし
    て、単一横モード単一縦モード半導体レーザーが用いら
    れていることを特徴とする請求項1から4いずれか1項
    記載のレーザーダイオードポンピング固体レーザー。
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