JP2692165B2 - ディンプルプレートの成形方法 - Google Patents

ディンプルプレートの成形方法

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JP2692165B2 JP63203607A JP20360788A JP2692165B2 JP 2692165 B2 JP2692165 B2 JP 2692165B2 JP 63203607 A JP63203607 A JP 63203607A JP 20360788 A JP20360788 A JP 20360788A JP 2692165 B2 JP2692165 B2 JP 2692165B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、緩衝、断熱に利用できる凹凸を有したデ
ィンプルプレートの成形方法に関するものである。
(従来技術) 従来、多数の凹凸が形成された第4図、第5図に示す
ようなディンプルプレートの成形方法としては、凹凸と
同様な形状を形成した上型、下型をもつ成形型を用いて
プレス成形をしていた。
(発明が解決すべき課題) しかしながら、このような成形型は型面が複雑で摺り
合せ、型合せが大変で型製作費が嵩んでいたし、素材プ
レートの材質、肉厚等によっては成形が困難で例えば破
れてしまったりしていた。
(課題を解決するための手段) 上記課題を解決するため、この発明は上型と下型との
対向面のそれぞれに複数本の棒状突起が対向面に向って
互いにずれた位置で植設された成形型を使用し、前記上
下型の前記棒状突起間に素材プレートを挿入して挟み、
前記成形型を真空中で前記素材プレートのクリープ温度
まで加熱し、前記上型の自重ないし加えられた荷重によ
る静荷重で凹凸面を形成することを特徴とするディンプ
ルプレートの成形方法としている。
(作用) 真空炉でクリープ温度の温度まで真空加熱をすること
により、素材が酸化されることなく素材プレートは伸び
が著しく大きくなり、破れることなく複雑な凹凸形状の
ディンプルプレートを成形することができる。
(実施例) 次に、この発明の成形方法を添付図面に基づいて説明
する。
第1図〜第3図はこの成形方法に使用する成形型の一
例を示しており、第4図および第5図はこの成形型によ
って成形されるディンプルプレートの一例を示してい
る。
この成形型は、上型10と下型20とから構成されてお
り、下型20に植設された各コーナー部2本計8本のガイ
ドピラー21に案内されて上型10が上下に移動される。
下型20は略矩形プレートで、その上面のガイドピラー
21に囲まれた内側に凹凸を成形可能な面積と凹凸の高さ
を規定する深さの凹所22が形成されている。この凹所22
には第5図に示すディンプルプレート30の凹凸の位置
(理解容易のため第2図および第4図において○印と●
印とで対応させて示している)の凸位置(●印)に多数
の棒状突起23が下型20の上面に垂直(上型10の移動方
向)に植設されている。この棒状突起23の頂点は下型20
の上面と一致する高さに揃えられており、また、成形性
を考慮した適当な面取りがなされるのは勿論である。
一方、上型10はガイドピラー21に第2図に示すように
案内される矩形部11とその上端で下型20と同じ大きさま
で張り出されたフランジ部12とからなっており、その矩
形部11の下面には下型20と同様に多数の棒状突起13が○
印の位置に植設されている。この全棒状突起13の高さは
成形品30の高さに等しくされており、その頂点の面取り
も下型の場合と同様に施されている。
したがって、この成形型は、上型10と下型20との対向
面のそれぞれに複数本の棒状突起13,23が対向面に向っ
て互いにずれた位置に植設されている。
また、上型10の上面には適当な静荷重を上型10に掛け
るための鐘り14を載せる凹所15が設けられている。
さらに静荷重の掛け方に工夫を要するような材質や形
状等の場合のために、上型10を支持するスプリング16,1
7が適宜設けられている。このスプリング16,17の材質
は、後で述べる材質のクリープ現象を利用した成形のた
めに成形される素材プレートの材質と同一のものを用い
ている。
次にこの成形型を用いた成形方法の一例を説明する。
まず、上型10を取り除いた状態の下型20に、素材プレ
ート30を例えば第2図に示すようにガイドピラー21に囲
まれた内側の四角部とガイドピラー21間から四方に延び
た部分とからなる十字型に切断されたものを用意する。
スプリング16,17を利用する場合には、その部分も切欠
する必要がある。
このようにして用意された素材プレート30は、第2図
のように下型プレート20の上に、すなわち、棒状突起23
の頂点にも支持されて載せられ、図外の押え装置で四方
に延在させられた部分がクランプされる。この状態で上
型10をガイドプラー21に案内させて静かに載せると第1
図の右半分のように棒状突起13の頂点が素材プレート30
上に接触して素材プレート30の強度で静止される。
このように上型10、下型20の棒状突起13,23間に素材
プレート30を挿入して挟みつけた成形型を真空中で加熱
するため、図示しない真空炉に入れる。一般に加熱する
ことにより、素材プレート30は酸化しやすくなり、製品
省化とともに成形時の伸びなどが悪くなるため、これを
防ぐことが目的である。
真空炉に入れた成形型および素材プレート30は、その
材質のもっているクリープ温度以上の温度まで加熱され
る。ここでクリープ温度とは、一定荷重のものに温度を
上昇させるとき、熱膨張ではなく、材質の組織が変るこ
とにより伸びが増大する現象が生ずる温度をいう。この
加熱の詳細な一例は、第6図に示すグラフで明らかなよ
うにまず常温toからクリープ温度tcより幾分低い温度t1
まで立上げて、ここで一定時間t1保持し、上型10、下型
20の容量が大きく、素材プレート30との温度上昇ばらつ
きが発生するのを防止する。成形型も含めてクリープ温
度tc近くの温度で均一となった後、再びクリープ温度tc
まで立上げて、この状態で所定時間Tc保持し、その後冷
却する。
このような加熱において、素材プレート30はクリープ
温度tc近くまでは、上型10の重さまたは加えられた鐘り
14の重さでもって温度上昇とともに伸び、したがって上
型10が徐々に下降していき、クリープ温度tcに達したと
きには大きく伸びて第1図の左側半分のように上型10と
下型20とが第3図の拡大図で示すように当接して第4図
および第5図に示したようなディンプルプレート30が破
れることなく成形される。
このとき、上型10の自重や鐘り14の荷重を静的に載せ
た状態での成形でも、伸びが短時間に大きく破れるよう
な場合には、スプリング16,17を利用する。このスプリ
ング16,17は素材プレート30と同一材料でできているた
め、素材プレート30の伸びとともにスプリング16,17の
支持力も弱まり、クリープ温度tcでは支持力が完全にな
くなる。したがって、急激な伸びが素材プレート30に与
えられることなく、各素材プレート30に合った伸びで完
全な成形が図れる。
特に、ステンレス系やチタン系などの薄板材料の成形
には大変に有効である。このステンレスの例えばSUS304
の場合には、 t1:700℃ T1:20分 tc:1050℃ Tc:60分 のとき、好ましい効果が得られた。
(効果) 以上説明してきたように、この発明によれば、粗材ク
リープ現象を利用するため、一般に成形が難しい材料で
かつ複雑で薄板のようなディンプルプレートも破れるこ
となく成形することができる。
素材プレートと同一材質を使用したスプリングを使用
したときには、より緩やかな成形により難しい形状や肉
厚のものも成形することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る成形方法に使用される成形型の
正面断面図、第2図は上型を取り除いた成形型の平面
図、第3図は成形部の拡大断面図、第4図はディンプル
プレートの正面図、第5図はディンプルプレートの斜視
図、第6図は成形1サイクルの温度条件を示すグラフで
ある。 10……上型、13,23……棒状突起、14……鐘り、16,17…
…スプリング、20……下型、21……ガイドピラー、30…
…素材プレート(ディンプルプレート)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上型と下型との対向面のそれぞれに複数本
    の棒状突起が対向面に向って互いにずれた位置で植設さ
    れた成形型を使用し、 前記上下型の前記棒状突起間に素材プレートを挿入して
    挟み、前記成形型を真空中で前記素材プレートのクリー
    プ温度まで加熱し、前記上型の自重ないし加えられた荷
    重による静荷重で凹凸面を形成することを特徴とするデ
    ィンプルプレートの成形方法。
  2. 【請求項2】第1請求項において、上型の支持をするス
    プリングに素材プレートと同一材質を用いることを特徴
    とするディンプルプレートの成形方法。
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