JP2691368B2 - ステンレス鋼の電解亜鉛被覆方法 - Google Patents

ステンレス鋼の電解亜鉛被覆方法

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JP2691368B2
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マレッシュ ゲラルド
クルーピカ ウールリッヒ
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マシーネンファブリック アンドリッツ アクチエンゲゼルシャフト
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    • C25D3/00Electroplating: Baths therefor
    • C25D3/02Electroplating: Baths therefor from solutions
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ステンレス鋼の1面又は2面に亜鉛を電解
被覆する方法に関するものである。
〔従来の技術〕
ステンレス鋼の電解亜鉛被覆方法は、古くから公知で
あり、文献に色々な具体例が詳細に記載されている。
しかし、今日に至るまでステンレス鋼の細長片(スト
リップ)の電解亜鉛被覆についてほんの僅かしか知られ
ていない。その理由は、試験結果が示すように、極めて
狭い条件範囲でしかこの種の方法を利用することができ
ないからである。
普通鋼の細長片に対しては、一般に、この方法は1〜
約4以下のpH値範囲、40〜70℃の温度、200A/dm2にも達
する電流密度で行われる。この範囲は、ステンレス鋼に
対して行う場合には著しく制限しなければならない。
pH値が1.5以下の酸濃度のものを使用すると、ステン
レス鋼は酸に腐食され光沢がなくなり、走査電子顕微鏡
で見ると、明瞭にくぼみ(凹凸)が認められる。これに
対して、2.5以上のpH値では、ステンレス鋼に対する亜
鉛の付着が極めて不良で、被覆が箔のように剥離する可
能性がある。そのうえ、ステンレス鋼の種々の合金元素
が付着を弱める望ましくない特性を持っている。
また、ステンレス鋼は普通鋼の約1/5という低い比導
電率しか持たないので、堆積させるための電流密度を得
ることが経済的な理由から制約される。
〔発明が解決しようとする課題〕
したがって、本発明の課題(目的)は、上述の問題点
を解消し、亜鉛の被覆金属薄層を接触により腐食するこ
とがない、特に自動車工業用のステンレス鋼の亜鉛被覆
方法を提供することである。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
本発明の特徴は、ステンレス鋼を電解槽内の連続的に
走行するステンレス鋼の細長片の形のカソードとして接
続し、pH値が1.0〜2.5の亜鉛塩の水溶液から該ステンレ
ス鋼の細長片の上に金属亜鉛を堆積させ、堆積した金属
亜鉛で被覆されたステンレス鋼を100〜400℃の温度で1
〜30分間引続き加熱処理をすることである。
本発明の他の特徴は、被覆が定電流密度で行われるこ
とである。この特徴により、低い電流強度で予備処理を
する必要がないので、所要時間が著しく短縮される利点
がある。更に、予備処理のための部門を省略できるの
で、亜鉛被覆工場の大きさが小さくて済む。
本発明で使用する電流密度は、1面に被覆するときは
25〜200A/dm2、好ましくは50〜150A/dm2であり、両面に
被覆するときは10〜100A/dm2、好ましくは25〜75A/dm2
である。
溶液から堆積する亜鉛は、溶解所において亜鉛金属又
は亜鉛酸化物を溶液に溶解して補充する。
本発明の更に他の特徴は、亜鉛塩が硫酸亜鉛として存
在し、溶液に溶解した亜鉛イオンの濃度が20〜150g/l、
好ましくは100〜130g/l、好ましくは100〜130g/lである
ことである。
また、電解液の温度は、20〜90℃、好ましくは45〜60
℃とする。
しかし、電解液の温度を上げると、特にpH値が上記範
囲の下限値に近い場合に、腐食によるくぼみの発生も多
くなる。
本発明の別の特徴は、使用するアノードが鉛、鉛合金
又は貴金属で被覆したチタンより成る不溶性アノードで
あることである。
堆積した亜鉛被覆の付着力は、あとの熱処理で増すこ
とができる。すなわち、ステンレス鋼の細長片を例えば
普通の赤外線炉内で100〜400℃、特に200〜300℃の温度
に加熱するとよい。
この熱処理の持続時間は、加える温度に関係するが、
1〜30分の範囲である。すなわち、処理温度の上限では
1分間、下限の温度では30分間がよい。しかし、処理時
間の値は、電解亜鉛被覆の場合、選択するパラメータ
(条件)により指示された値の範囲内で変えることがで
きる。
〔実施例〕
以下、本発明の詳細及び利点を更に試験例、比較例及
び実施例により説明する。
(試験例1) 光輝焼きなまし工場からのステンレスフェライト鋼の
冷たい細長片をまずグリースを除いて両面をきれいに
し、被覆すべき面を酸洗いし、濯(すす)いで重力方式
(Gravitel system)電解槽を使用する電解亜鉛被覆工
場に入れた。被覆用のアノードとしてチタン担体物質上
の不溶性貴金属アノードを使用し、電解液は硫酸亜鉛水
溶液で、溶液中の溶解イオン濃度は125g/lであった。70
A/dm2の電流密度、60℃の電解液温度、pH値が1.2の電解
液で、ステンレス鋼の1面に厚さが15μmの亜鉛層が被
覆された。引続き生成された物質を分析したところ、担
体物質への亜鉛層の付着状態は極めて良好であった。こ
れに対し、裏面には僅かにくぼみが生じていた。
(試験例2) 試験例1と同様にステンレスフェライト鋼の冷たい細
長片を処理し、次の電解液温度条件の下で被覆した。す
なわち、亜鉛電解液の温度を50℃に下げた。やはり亜鉛
層の付着は極めて良好であり、くぼみも余り目立たなか
った。
(試験例3) 試験例1及び2と他の点で類似の条件で、pH値を1.7
に上げた。指示された2つの温度において、優れた付着
力を示し、腐食によるくぼみの形跡もなかった。
(試験例4) 他の条件は上述の試験例と同じにしてpH値を2.2に上
げたところ、60℃と50℃の両方の温度では亜鉛被覆の付
着状態は低下した(エリクセン試験により測定)。
(比較例1) 他の値はすべて試験例1と同じにして電解液のpH値を
3.2に上げたところ、亜鉛被覆は箔のように完全にステ
ンレス鋼の細長片より剥離した。
(試験例5) 今度は亜鉛被覆工場を2面被覆用に切替え、類似の品
質のステンレス鋼の細長片の両面を7.5μmの厚さに被
覆した。どちらの面にも同一の予備処理をした。電流密
度は35A/dm2で、亜鉛イオン濃度はまた125g/lであっ
た。1.2及び1.7のpH値では、生成された試験片はともに
50℃及び60℃で問題点はなく、被覆の付着は極めて良好
であった。
(試験例6) pH値が2.2の電解液、50℃の温度では、試験片は同様
に問題点がなかった。
(試験例7) 他の条件を試験例5及び6と同一にし、pH値を2.2と
し温度を60℃にすると、担体物質に対する亜鉛被覆の付
着力が減少した。
(比較例2) pH値を3.2に上げると、50℃及び60℃の両方の温度で
も付着力は減少した。
(比較例3) 更に、試験例1と同じ予備処理をしたのち、高品質AI
SI 410 Cbのステンレス鋼を亜鉛被覆したところ、意外
なことに、試験例1〜比較例2において使用したパラメ
ータ(条件)のすべての範囲に対して亜鉛被覆の付着の
減少が見られた。
(実施例1) 比較例3における被覆物質を220℃の赤外線炉で20分
間加熱によるあと処理をしたところ、被覆の付着を改善
することができた。すなわち、試験例4又は試験例6で
示した方法パラメータによりステンレスフェライト鋼の
冷たい細長片について達成した値にまで改善された。
(実施例2) 試験例7で生成された試験片について、同様な熱あと
処理を行った。すなわち、その材料を300℃の赤外線炉
で約1〜5分間加熱した。そうすると、担体物質に対す
る亜鉛被覆の同様に良好な付着が認められた。
〔発明の効果〕
以上説明した発明の効果をまとめると、次のとおりで
ある。
(イ)pHが1.5以下の場合でも、腐食によるくぼみがな
くなるか又は非常に減少する。
(ロ)本発明によるpHが1.0〜2.5の範囲では、亜鉛層の
被覆状態は極めて良好である。
(ハ)pHが2.2で温度が60℃の場合、亜鉛被覆の付着力
が減少することがあるが、あとで熱処理をすることによ
り付着力を良好な状態にまで強めることができる。
(ニ)ステンレス鋼の比導電率が低いにも拘らず、普通
鋼の場合より低いか高くても同じ位の電流密度で被覆を
行うことができる。
(ホ)被覆を定電流密度で行うので、所要時間が短縮さ
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−39395(JP,A) 特開 昭61−127891(JP,A) 特開 昭57−43994(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステンレス鋼の少なくとも一方の面に亜鉛
    を電解被覆する方法であって、 a)上記ステンレス鋼を電解槽内の連続的に走行するス
    テンレス鋼の細長片の形のカソードとして接続するステ
    ップと、 b)pH値が1.0〜2.5の亜鉛塩の水溶液から上記ステンレ
    ス鋼細長片の上に金属亜鉛を堆積させるステップと、 c)ステップb)の堆積した金属亜鉛で被覆されたステ
    ンレス鋼を100〜400℃の温度で1〜30分間引続き加熱処
    理するステップと を含むステンレス鋼の電解亜鉛被覆方法。
  2. 【請求項2】上記被覆が定電流密度で行われる請求項1
    の方法。
  3. 【請求項3】上記電流密度は、上記ステンレス鋼の一方
    の面に被覆するとき25〜200A/dm2とし、上記ステンレス
    鋼の両方の面に被覆するとき10〜100A/dm2とする請求項
    2の方法。
  4. 【請求項4】上記亜鉛塩として硫酸亜鉛を使用し、上記
    水溶液中に溶解した亜鉛イオンの濃度を20〜150g/lとす
    る請求項1の方法。
  5. 【請求項5】電解液の温度を20〜90℃とする請求項1の
    方法。
  6. 【請求項6】アノードとして鉛、鉛合金又は貴金属で被
    覆されたチタンを含む不溶性アノードを使用する請求項
    1の方法。
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