JP2690043B2 - 赤外線検出装置 - Google Patents
赤外線検出装置Info
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- infrared detection
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、赤外線検出装置に関するものであり、赤外
線を検出して人体や炎などを検知する用途に適するもの
である。
線を検出して人体や炎などを検知する用途に適するもの
である。
[従来の技術] 第1図は従来の一般的な赤外線検出装置のブロック回
路図である。人体Mから放射される赤外線の変化分は焦
電素子1により検出され、直流阻止用のコンデンサCcを
介して増幅器2により変化分のみを増幅され、比較器3
により所定の基準電圧Vsと比較される。変化分が所定の
基準電圧Vsよりも大きければ、比較器3から検出出力が
得られる。これによって、人体Mの移動や炎の揺らぎな
どに起因する赤外線の変化分を検知し、人体Mや炎の存
在を検知することができる。
路図である。人体Mから放射される赤外線の変化分は焦
電素子1により検出され、直流阻止用のコンデンサCcを
介して増幅器2により変化分のみを増幅され、比較器3
により所定の基準電圧Vsと比較される。変化分が所定の
基準電圧Vsよりも大きければ、比較器3から検出出力が
得られる。これによって、人体Mの移動や炎の揺らぎな
どに起因する赤外線の変化分を検知し、人体Mや炎の存
在を検知することができる。
上記のような赤外線検出装置は、例えば人体の侵入警
報や火災警報等に用いられるものであるから、その誤動
作の低減が望まれる。それには、赤外線検出装置のS/N
比を向上させる必要がある。ここで、赤外線検出装置の
S/N比とは、焦電素子1による赤外線検出信号Sと、焦
電素子1及び増幅器2による雑音Nとの比である。この
S/N比を向上させる方法としては、従来、増幅器2の周
波数帯域を制限し、赤外線を検出するのに不要な周波数
帯域の信号成分をカットする方法が一般的に用いられて
いる。つまり、赤外線検出信号S以外の周波数帯域を制
限することにより、雑音Nを低減し、S/N比を向上させ
ていたものである。
報や火災警報等に用いられるものであるから、その誤動
作の低減が望まれる。それには、赤外線検出装置のS/N
比を向上させる必要がある。ここで、赤外線検出装置の
S/N比とは、焦電素子1による赤外線検出信号Sと、焦
電素子1及び増幅器2による雑音Nとの比である。この
S/N比を向上させる方法としては、従来、増幅器2の周
波数帯域を制限し、赤外線を検出するのに不要な周波数
帯域の信号成分をカットする方法が一般的に用いられて
いる。つまり、赤外線検出信号S以外の周波数帯域を制
限することにより、雑音Nを低減し、S/N比を向上させ
ていたものである。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、従来技術においては、焦電素子1と増
幅器2とを総合したときのS/N比を改善することについ
ては何ら考察されていない。このため、焦電素子1と増
幅器2とを組み合わせたときに、必ずしも最高のS/N比
を達成できるとは限らなかった。
幅器2とを総合したときのS/N比を改善することについ
ては何ら考察されていない。このため、焦電素子1と増
幅器2とを組み合わせたときに、必ずしも最高のS/N比
を達成できるとは限らなかった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところは、焦電素子と増幅器とを組み合
わせたときのS/N比が高い赤外線検出装置を提供するこ
とにある。
その目的とするところは、焦電素子と増幅器とを組み合
わせたときのS/N比が高い赤外線検出装置を提供するこ
とにある。
[課題を解決するための手段] 本発明に係る赤外線検出装置にあっては、上記の課題
を解決するために、焦電素子1が発生する赤外線検出信
号S及び雑音NDが、焦電素子1の各パラメータにより受
ける変化と、これらの信号S及びNDを増幅する増幅器2
の発生する雑音Naとの関係に基づいて、焦電素子1と増
幅器2を組み合わせたときの総合的なS/N比を高めるよ
うに、焦電素子1の各パラメータを決定したものであ
る。
を解決するために、焦電素子1が発生する赤外線検出信
号S及び雑音NDが、焦電素子1の各パラメータにより受
ける変化と、これらの信号S及びNDを増幅する増幅器2
の発生する雑音Naとの関係に基づいて、焦電素子1と増
幅器2を組み合わせたときの総合的なS/N比を高めるよ
うに、焦電素子1の各パラメータを決定したものであ
る。
[作用] 本発明にあっては、上記のように焦電素子1の各パラ
メータを決定したので、焦電素子1と増幅器2を組み合
わせたときの総合的なS/N比を高くすることができ、赤
外線検出装置の誤動作を低減し、感度を高く設定できる
ものである。
メータを決定したので、焦電素子1と増幅器2を組み合
わせたときの総合的なS/N比を高くすることができ、赤
外線検出装置の誤動作を低減し、感度を高く設定できる
ものである。
[実施例] 第1図に示す赤外線検出装置に用いる焦電素子1の外
観を第2図に示す。この焦電素子1の面積をA、厚さを
d、密度をρ、比熱をCpとすると、その熱容量Hは H=Cp・ρ・A・d となる。この焦電素子1に赤外線を照射した場合の素子
温度Tは、次の熱平衡式に基づいて求まる。
観を第2図に示す。この焦電素子1の面積をA、厚さを
d、密度をρ、比熱をCpとすると、その熱容量Hは H=Cp・ρ・A・d となる。この焦電素子1に赤外線を照射した場合の素子
温度Tは、次の熱平衡式に基づいて求まる。
ηI=H・(dT/dt)+G・T … 上式において、ηは輻射率、Iは赤外線強度、Hは熱
容量、Gは熱放射係数である。ここで、赤外線強度I
は、定常項I0と変動項Im・exp(jωt)の和として次
式により与えられるものとする。
容量、Gは熱放射係数である。ここで、赤外線強度I
は、定常項I0と変動項Im・exp(jωt)の和として次
式により与えられるものとする。
I=I0+Im・exp(jωt) 上記式の微分方程式で示される熱平衡状態を電気回
路に置き換えた等価回路を第3図に示す。同図の等価回
路において、熱源ηIから見たアドミタンスYは、次式
で与えられる。
路に置き換えた等価回路を第3図に示す。同図の等価回
路において、熱源ηIから見たアドミタンスYは、次式
で与えられる。
Y=G+jωH したがって、素子温度Tは、 T=ηI/(G+jωH) =ηI・exp(−jψ)/(G2+ω2H2)1/2 … |T|=η|I|/G(1+ω2τT 2)1/2 … 但し、ψ=tan-1(ωH/G),τT=H/G 一方、焦電素子1の表面電荷密度をPsとすると、表面
電荷qは次式で与えられる。
電荷qは次式で与えられる。
q=A・Ps 故に、焦電素子1から得られる電流iは次式で与えら
れる。
れる。
i=dq/dt =A(dPs/dT)(dT/dt) … ここで、式より、I=I0+Im・eXP(Jωt)であ
るから、 上式を(dT/dt)=ω・Tmと略記すると、式と式
より、焦電素子1から得られる電流iは、 i=A(dPs/dT)ω・Tm … となる。上式において、Tmは素子温度Tの変動項であ
り、素子温度Tの定常項をT0とすると、 T=T0+Tm となる。ここで、 温度変化(dT/dt)により生じた電流iは、第4図に
示す等価回路により素子電圧Vとなる。図中、Rは焦電
素子1の全抵抗、Cは焦電素子1の全容量である。上記
等価回路における素子電圧Vは、 式より、 したがって、赤外線強度の変動項Imに対する電圧感度
Rvは、次式で与えられる。
るから、 上式を(dT/dt)=ω・Tmと略記すると、式と式
より、焦電素子1から得られる電流iは、 i=A(dPs/dT)ω・Tm … となる。上式において、Tmは素子温度Tの変動項であ
り、素子温度Tの定常項をT0とすると、 T=T0+Tm となる。ここで、 温度変化(dT/dt)により生じた電流iは、第4図に
示す等価回路により素子電圧Vとなる。図中、Rは焦電
素子1の全抵抗、Cは焦電素子1の全容量である。上記
等価回路における素子電圧Vは、 式より、 したがって、赤外線強度の変動項Imに対する電圧感度
Rvは、次式で与えられる。
但し、τE=R・C=1/ωE τT=H/G=1/ωT 式におけるωの関数部分をZ(ω)とおくと、 となる。この関数Z(ω)の定性的変化を第5図乃至第
8図に示す。第5図は焦電素子1の静電容量Cにより電
気時定数τEの逆数ωEを、第6図は焦電素子1の熱容量
Hにより熱時定数τTの逆数ωTを、第7図は焦電素子1
の電気抵抗Rにより電気時定数τEの逆数ωEを、第8図
は焦電素子1の熱放射係数Gにより熱時定数τTの逆数
ωTをそれぞれ変化させた場合の関数Z(ω)の定性的
変化を示している。
8図に示す。第5図は焦電素子1の静電容量Cにより電
気時定数τEの逆数ωEを、第6図は焦電素子1の熱容量
Hにより熱時定数τTの逆数ωTを、第7図は焦電素子1
の電気抵抗Rにより電気時定数τEの逆数ωEを、第8図
は焦電素子1の熱放射係数Gにより熱時定数τTの逆数
ωTをそれぞれ変化させた場合の関数Z(ω)の定性的
変化を示している。
ここで、静電容量Cにより電気時定数τEの逆数ωEを
変化させた場合において、ある信号周波数ωSを焦電素
子1に入力した場合の赤外線検出信号Sと、焦電素子1
が発生する雑音NDを求めたグラフを第9図に示す。同図
から明らかなように、焦電素子1から得られる信号S
は、電気時定数τEの逆数ωEが低周波から信号周波数ω
Sに近付くにつれて増加し、ωEがωSよりも高くなると
一定値となる。また、焦電素子1が発生する雑音NDは、
ωEが高くなるほど増加する。したがって、この焦電素
子1のS/N比特性は、第9図のSN0となる。一方、増幅器
2の雑音NaはωEの値に拘わらず一定であるので、例え
ば、Na1,Na2,Na3のようになる。これは、信号周波数
ωSにおける雑音NDよりも増幅器2の雑音Na3が高い場
合、信号周波数ωSにおける雑音NDよりも増幅器2の雑
音Na2が低い場合、信号周波数ωSにおける雑音NDと増幅
器2の雑音Na1が同じ場合の3通りを示している。そし
て、各場合について、焦電素子1と増幅器2を組み合わ
せた赤外線検出装置全体としての総合的なS/N比は、第
9図のSN3,SN2,SN1のようになる。図から分かるよう
に、各場合についてS/N比は或るピークを持つ領域が必
ず存在する。このピーク領域のS/N比を達成するための
条件は、ある信号周波数ωSにおける素子雑音NDSとした
場合、 NDS=Na1のときには、ωEはND=Na1となる点aに選べ
ば、SN1は最高となる。
変化させた場合において、ある信号周波数ωSを焦電素
子1に入力した場合の赤外線検出信号Sと、焦電素子1
が発生する雑音NDを求めたグラフを第9図に示す。同図
から明らかなように、焦電素子1から得られる信号S
は、電気時定数τEの逆数ωEが低周波から信号周波数ω
Sに近付くにつれて増加し、ωEがωSよりも高くなると
一定値となる。また、焦電素子1が発生する雑音NDは、
ωEが高くなるほど増加する。したがって、この焦電素
子1のS/N比特性は、第9図のSN0となる。一方、増幅器
2の雑音NaはωEの値に拘わらず一定であるので、例え
ば、Na1,Na2,Na3のようになる。これは、信号周波数
ωSにおける雑音NDよりも増幅器2の雑音Na3が高い場
合、信号周波数ωSにおける雑音NDよりも増幅器2の雑
音Na2が低い場合、信号周波数ωSにおける雑音NDと増幅
器2の雑音Na1が同じ場合の3通りを示している。そし
て、各場合について、焦電素子1と増幅器2を組み合わ
せた赤外線検出装置全体としての総合的なS/N比は、第
9図のSN3,SN2,SN1のようになる。図から分かるよう
に、各場合についてS/N比は或るピークを持つ領域が必
ず存在する。このピーク領域のS/N比を達成するための
条件は、ある信号周波数ωSにおける素子雑音NDSとした
場合、 NDS=Na1のときには、ωEはND=Na1となる点aに選べ
ば、SN1は最高となる。
NDS>Na2のときには、ωEはND=Na2となる点bとωE
=ωSとなる点aの間に選べば、SN2は最高となる。
=ωSとなる点aの間に選べば、SN2は最高となる。
NDS>Na3のときには、ωEはND=Na3となる点cとωE
=ωSとなる点aの間に選べば、SN3は最高となる。
=ωSとなる点aの間に選べば、SN3は最高となる。
以上のように、信号周波数ωEにおける素子雑音NDSと
増幅器2の雑音Naの大小関係に応じて最適のωEを選択
することによって、最高のS/N比を達成することができ
る。
増幅器2の雑音Naの大小関係に応じて最適のωEを選択
することによって、最高のS/N比を達成することができ
る。
第9図の例では、最適のωEを選択するために、焦電
素子1の静電容量Cを選択したが、他のパラメータ、つ
まり電気抵抗Rにより最適のωEを選択しても構わな
い。また、熱時定数τTの逆数ωTについても、最高のS/
N比を達成するための値又は範囲が存在し、焦電素子1
の熱容量H又は熱放射係数Gにより最適のωTを選択す
ることができる。以下、各パラメータによるωE又はωT
の選択について説明する。
素子1の静電容量Cを選択したが、他のパラメータ、つ
まり電気抵抗Rにより最適のωEを選択しても構わな
い。また、熱時定数τTの逆数ωTについても、最高のS/
N比を達成するための値又は範囲が存在し、焦電素子1
の熱容量H又は熱放射係数Gにより最適のωTを選択す
ることができる。以下、各パラメータによるωE又はωT
の選択について説明する。
第10図は熱容量Hにより熱時定数τTの逆数ωTを変化
させたときのS/N比の変化を示している。第11図は電気
抵抗Rにより電気時定数τEの逆数ωEを変化させたとき
のS/N比の変化を示している。第12図は熱放射係数Gに
より熱時定数τTの逆数ωTを変化させたときのS/N比の
変化を示している。上記各図において、Sは焦電素子1
による赤外線検出信号、NDは焦電素子1が発生する雑
音、SN0は焦電素子1のS/N比特性、Na1,Na2,Na3は増
幅器2の雑音、SN1,SN2,SN3は焦電素子1と増幅器2
を組み合わせたときのS/N比特性である。
させたときのS/N比の変化を示している。第11図は電気
抵抗Rにより電気時定数τEの逆数ωEを変化させたとき
のS/N比の変化を示している。第12図は熱放射係数Gに
より熱時定数τTの逆数ωTを変化させたときのS/N比の
変化を示している。上記各図において、Sは焦電素子1
による赤外線検出信号、NDは焦電素子1が発生する雑
音、SN0は焦電素子1のS/N比特性、Na1,Na2,Na3は増
幅器2の雑音、SN1,SN2,SN3は焦電素子1と増幅器2
を組み合わせたときのS/N比特性である。
第10図の場合において、最高のS/N比を達成するため
の条件は、ある信号周波数ωSにおける素子雑音をNDSと
した場合、 NDS=Na1のときには、ωTはND=Na1となる点aに選べ
ば、SN1は最高となる。
の条件は、ある信号周波数ωSにおける素子雑音をNDSと
した場合、 NDS=Na1のときには、ωTはND=Na1となる点aに選べ
ば、SN1は最高となる。
NDS>Na2のときには、ωTはND=Na2となる点bとωT
=ωSとなる点aの間に選べば、SN2は最高となる。
=ωSとなる点aの間に選べば、SN2は最高となる。
NDS<Na3のときには、ωTはND=Na3となる点cとωT
=ωSとなる点aの間に選べば、SN3は最高となる。
=ωSとなる点aの間に選べば、SN3は最高となる。
上記のようにすれば、焦電素子1の熱容量Hにより最
適のωTを選択し、最高のS/N比を達成することができ
る。
適のωTを選択し、最高のS/N比を達成することができ
る。
第11図の場合において、最高のS/N比を達成するため
の条件は、ある信号周波数ωSにおける素子雑音をNDSと
した場合、 NDS=Na1のときには、ωEはND=Na1となる点aに選べ
ば、SN1は最高となる。
の条件は、ある信号周波数ωSにおける素子雑音をNDSと
した場合、 NDS=Na1のときには、ωEはND=Na1となる点aに選べ
ば、SN1は最高となる。
NDS>Na2のときには、ωEはND=Na2となる点bとωE
=ωSとなる点aの間に選べば、SN2は最高となる。
=ωSとなる点aの間に選べば、SN2は最高となる。
NDS<Na3のときには、ωEはND=Na3となる点cとωE
=ωSとなる点aの間に選べば、SN3は最高となる。
=ωSとなる点aの間に選べば、SN3は最高となる。
上記のようにすれば、焦電素子1の電気抵抗Rにより
最適のωEを選択し、最高のS/N比を達成することができ
る。
最適のωEを選択し、最高のS/N比を達成することができ
る。
第12図の場合において、最高のS/N比を達成するため
の条件は、ある信号周波数ωSにおける素子雑音をNDSと
した場合、 NDS=Na1のときには、ωTはND=Na1となる点aに選べ
ば、SN1は最高となる。
の条件は、ある信号周波数ωSにおける素子雑音をNDSと
した場合、 NDS=Na1のときには、ωTはND=Na1となる点aに選べ
ば、SN1は最高となる。
NDS>Na2のときには、ωTはND=Na2となる点bとωT
=ωSとなる点aの間に選べば、SN2は最高となる。
=ωSとなる点aの間に選べば、SN2は最高となる。
NDS<Na3のときには、ωTはND=Na3となる点cとωT
=ωSとなる点aの間に選べば、SN3は最高となる。
=ωSとなる点aの間に選べば、SN3は最高となる。
上記のようにすれば、焦電素子1の熱放射係数Gによ
り最適のωTを選択し、最高のS/N比を達成することがで
きる。
り最適のωTを選択し、最高のS/N比を達成することがで
きる。
以上のことをまとめると、第1図に示すような赤外線
検出装置を構成する場合に、或る入力信号周波数ω
S(人体Mの移動では約2πrad)における素子雑音NDS
と増幅器3の雑音Naの大小関係に基づいて、それぞれ最
適の素子パラメータωE,ωTを選択することにより最高
のS/N比を達成することができる。現実には、各素子の
製造条件や設計条件によって選択可能なパラメータが決
まってくるため、そのパラメータについて最適の条件を
満たすようにすれば良いわけである。
検出装置を構成する場合に、或る入力信号周波数ω
S(人体Mの移動では約2πrad)における素子雑音NDS
と増幅器3の雑音Naの大小関係に基づいて、それぞれ最
適の素子パラメータωE,ωTを選択することにより最高
のS/N比を達成することができる。現実には、各素子の
製造条件や設計条件によって選択可能なパラメータが決
まってくるため、そのパラメータについて最適の条件を
満たすようにすれば良いわけである。
次に、具体例として焦電素子1の静電容量Cによるω
Eの制御について検討する。
Eの制御について検討する。
近年の焦電素子は、その機能・性能向上のために、1
パッケージ内に2素子あるいは4素子を備えるものがあ
り、多素子化される傾向にある。そこで、多素子間の接
続を工夫することにより、最適なωEを達成する静電容
量Cを選択することが考えられる。例えば、第13図に示
すように、1パッケージ内に4素子1A〜1Dを備える焦電
素子1においては、第14図(a)〜(d)に示すような
4通りの接続例が考えられる。それによって、焦電素子
1として4通りの静電容量Cを選択することができる。
したがって、焦電素子の製造条件や設計条件によっては
最適の静電容量を1素子では達成できない場合でも、多
素子の組み合わせにより最適の静電容量Cを選択するこ
とが可能となる。また、多素子の組み合わせによっても
最適の静電容量Cを選択できない場合には、第15図
(a),(b)に示すように、焦電素子1A,1Bと並列に
又は直列にコンデンサ5又は6を接続することにより、
全体として最適の静電容量Cを選択することができる。
パッケージ内に2素子あるいは4素子を備えるものがあ
り、多素子化される傾向にある。そこで、多素子間の接
続を工夫することにより、最適なωEを達成する静電容
量Cを選択することが考えられる。例えば、第13図に示
すように、1パッケージ内に4素子1A〜1Dを備える焦電
素子1においては、第14図(a)〜(d)に示すような
4通りの接続例が考えられる。それによって、焦電素子
1として4通りの静電容量Cを選択することができる。
したがって、焦電素子の製造条件や設計条件によっては
最適の静電容量を1素子では達成できない場合でも、多
素子の組み合わせにより最適の静電容量Cを選択するこ
とが可能となる。また、多素子の組み合わせによっても
最適の静電容量Cを選択できない場合には、第15図
(a),(b)に示すように、焦電素子1A,1Bと並列に
又は直列にコンデンサ5又は6を接続することにより、
全体として最適の静電容量Cを選択することができる。
第16図は焦電素子1の静電容量Cにより電気時定数τ
Eの逆数ωEを変化させた場合のS/N比の計算例、第17図
は焦電素子1の熱容量Hにより熱時定数τTの逆数ωTを
変化させた場合のS/N比の計算例、第18図は焦電素子1
の電気抵抗Rにより電気時定数τEの逆数ωEを変化させ
た場合のS/N比の計算例、第19図は焦電素子1の熱放射
係数Gにより熱時定数τTの逆数ωTを変化させた場合の
S/N比の計算例を示している。上記各図においては、検
知信号周波数ωSをωS=2πrad(人体移動の場合の代
表的数値)とし、増幅器2の入力側に換算した雑音をNa
=2μV、検知信号周波数ωSにおける素子雑音をNDS=
6μV、素子信号をS=60μVとした場合のS/N比を示
す。第16図又は第17図の場合、ωE,ωTをそれぞれ約2.
1〜6.3radの範囲に選択することにより、最高のS/N比を
達成することができる。また、第18図又は第19図の場
合、ωE,ωTをそれぞれ約6.3〜18.8radの範囲に選択す
ることにより、最高のS/N比を達成することができる。
Eの逆数ωEを変化させた場合のS/N比の計算例、第17図
は焦電素子1の熱容量Hにより熱時定数τTの逆数ωTを
変化させた場合のS/N比の計算例、第18図は焦電素子1
の電気抵抗Rにより電気時定数τEの逆数ωEを変化させ
た場合のS/N比の計算例、第19図は焦電素子1の熱放射
係数Gにより熱時定数τTの逆数ωTを変化させた場合の
S/N比の計算例を示している。上記各図においては、検
知信号周波数ωSをωS=2πrad(人体移動の場合の代
表的数値)とし、増幅器2の入力側に換算した雑音をNa
=2μV、検知信号周波数ωSにおける素子雑音をNDS=
6μV、素子信号をS=60μVとした場合のS/N比を示
す。第16図又は第17図の場合、ωE,ωTをそれぞれ約2.
1〜6.3radの範囲に選択することにより、最高のS/N比を
達成することができる。また、第18図又は第19図の場
合、ωE,ωTをそれぞれ約6.3〜18.8radの範囲に選択す
ることにより、最高のS/N比を達成することができる。
[発明の効果] 本発明にあっては、上述のように、焦電素子が発生す
る赤外線検出信号及び雑音が、焦電素子の各パラメータ
により受ける変化と、これらの信号を増幅する増幅器の
発生する雑音の関係に基づいて、焦電素子と増幅器を組
み合わせたときの総合的なS/N比を高めるように、焦電
素子の各パラメータを決定したので、赤外線検出装置全
体としてのS/N比が向上し、誤動作が低減され、また、
感度を高く設定できるという効果がある。
る赤外線検出信号及び雑音が、焦電素子の各パラメータ
により受ける変化と、これらの信号を増幅する増幅器の
発生する雑音の関係に基づいて、焦電素子と増幅器を組
み合わせたときの総合的なS/N比を高めるように、焦電
素子の各パラメータを決定したので、赤外線検出装置全
体としてのS/N比が向上し、誤動作が低減され、また、
感度を高く設定できるという効果がある。
なお、焦電素子のパラメータとして、焦電素子の容量
成分を用いれば、複数の焦電素子の直並列接続や外付け
のコンデンサの焦電素子への直並列接続によって赤外線
検出装置のS/N比を簡単に調整することができる。
成分を用いれば、複数の焦電素子の直並列接続や外付け
のコンデンサの焦電素子への直並列接続によって赤外線
検出装置のS/N比を簡単に調整することができる。
第1図は一般的な赤外線検出装置のブロック回路図、第
2図は同上に用いる焦電素子の外観を示す斜視図、第3
図は同上の熱的な等価回路図、第4図は同上の電気的な
等価回路図、第5図乃至第8図は焦電素子のパラメータ
の変化による感度周波数特性の変化を示す動作説明図、
第9図乃至第12図は焦電素子による赤外線検出信号と雑
音及び増幅器の雑音の周波数特性を示す動作説明図、第
13図は本発明の一実施例に用いる焦電素子の正面図、第
14図(a)乃至(d)及び第15図(a),(b)は同上
の接続例を示す回路図、第16図乃至第19図は本発明によ
るS/N比の計算例を示す説明図である。 1は焦電素子、2は増幅器である。
2図は同上に用いる焦電素子の外観を示す斜視図、第3
図は同上の熱的な等価回路図、第4図は同上の電気的な
等価回路図、第5図乃至第8図は焦電素子のパラメータ
の変化による感度周波数特性の変化を示す動作説明図、
第9図乃至第12図は焦電素子による赤外線検出信号と雑
音及び増幅器の雑音の周波数特性を示す動作説明図、第
13図は本発明の一実施例に用いる焦電素子の正面図、第
14図(a)乃至(d)及び第15図(a),(b)は同上
の接続例を示す回路図、第16図乃至第19図は本発明によ
るS/N比の計算例を示す説明図である。 1は焦電素子、2は増幅器である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭49−43993(JP,B1) 特公 昭49−44196(JP,B1) 特公 昭50−8676(JP,B1)
Claims (6)
- 【請求項1】赤外線を受光する焦電素子と、この焦電素
子から得られる電気信号を増幅する増幅器を備える赤外
線検出装置において、焦電素子から得られる赤外線検出
信号の周波数で焦電素子が発生する雑音と増幅器が発生
する雑音の大小関係に応じて増幅器から出力される雑音
に対する赤外線検出信号の大きさが最大となるように、
焦電素子の電気時定数を焦電素子の静電容量値により設
定したことを特徴とする赤外線検出装置。 - 【請求項2】赤外線を受光する焦電素子と、この焦電素
子から得られる電気信号を増幅する増幅器を備える赤外
線検出装置において、焦電素子から得られる赤外線検出
信号の周波数で焦電素子が発生する雑音と増幅器が発生
する雑音の大小関係に応じて増幅器から出力される雑音
に対する赤外線検出信号の大きさが最大となるように、
焦電素子の電気時定数を焦電素子の電気抵抗値により設
定したことを特徴とする赤外線検出装置。 - 【請求項3】赤外線を受光する焦電素子と、この焦電素
子から得られる電気信号を増幅する増幅器を備える赤外
線検出装置において、焦電素子から得られる赤外線検出
信号の周波数で焦電素子が発生する雑音と増幅器が発生
する雑音の大小関係に応じて増幅器から出力される雑音
に対する赤外線検出信号の大きさが最大となるように、
焦電素子の熱時定数を焦電素子の熱容量により設定した
ことを特徴とする赤外線検出装置。 - 【請求項4】赤外線を受光する焦電素子と、この焦電素
子から得られる電気信号を増幅する増幅器を備える赤外
線検出装置において、焦電素子から得られる赤外線検出
信号の周波数で焦電素子が発生する雑音と増幅器が発生
する雑音の大小関係に応じて増幅器から出力される雑音
に対する赤外線検出信号の大きさが最大となるように、
焦電素子の熱時定数を焦電素子の熱放射係数により設定
したことを特徴とする赤外線検出装置。 - 【請求項5】複数個の焦電素子の直並列接続により焦電
素子の静電容量値を設定したことを特徴とする請求項1
記載の赤外線検出装置。 - 【請求項6】コンデンサの直並列接続により焦電素子の
静電容量値を設定したことを特徴とする請求項1記載の
赤外線検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1134394A JP2690043B2 (ja) | 1989-05-26 | 1989-05-26 | 赤外線検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1134394A JP2690043B2 (ja) | 1989-05-26 | 1989-05-26 | 赤外線検出装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02311721A JPH02311721A (ja) | 1990-12-27 |
JP2690043B2 true JP2690043B2 (ja) | 1997-12-10 |
Family
ID=15127375
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1134394A Expired - Lifetime JP2690043B2 (ja) | 1989-05-26 | 1989-05-26 | 赤外線検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2690043B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5796104A (en) * | 1996-03-07 | 1998-08-18 | Optum Corporation | Pyroelectric center of mass imaging |
JP6003179B2 (ja) * | 2012-04-19 | 2016-10-05 | セイコーエプソン株式会社 | テラヘルツカメラ、センサーデバイス、及び電子機器 |
-
1989
- 1989-05-26 JP JP1134394A patent/JP2690043B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02311721A (ja) | 1990-12-27 |
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