JP2690018B2 - グルコサミン誘導体よりなる放射性診断剤 - Google Patents
グルコサミン誘導体よりなる放射性診断剤Info
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- A61K51/02—Preparations containing radioactive substances for use in therapy or testing in vivo characterised by the carrier, i.e. characterised by the agent or material covalently linked or complexing the radioactive nucleus
- A61K51/04—Organic compounds
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、放射性診断剤に関するものであり、特に放
射性ヨウ素標識グルコサミン誘導体を有効成分とするこ
とにより、糖輸送能、及びグルコールリン酸化能を評価
し、脳、心臓、腫瘍等の各種臓器、組織の疾患の診断を
行うのに有用な放射性診断剤に関するものである。
射性ヨウ素標識グルコサミン誘導体を有効成分とするこ
とにより、糖輸送能、及びグルコールリン酸化能を評価
し、脳、心臓、腫瘍等の各種臓器、組織の疾患の診断を
行うのに有用な放射性診断剤に関するものである。
一般にグルコースが脳、心臓、腫瘍等において主なエ
ネルギー源であることから、これら臓器組織の診断にグ
ルコースの動的な変化を追跡することが有用であると考
えられ、グルコースの2位の水酸基をフッ素−18で置換
した18F−標識デオキシグルコース(18F−FDG)が研
究開発されている(B.M.Gallagher 他、Journal of Nu
clear Medicine,19巻,1154頁,1978)。この18F−FDGは
グルコースと同様な挙動を示し、グルコースキャリアシ
ステムにより細胞膜を通過し、細胞内部でヘキソキナー
ゼにより6位にリン酸化を受け細胞内に貯留される。
ネルギー源であることから、これら臓器組織の診断にグ
ルコースの動的な変化を追跡することが有用であると考
えられ、グルコースの2位の水酸基をフッ素−18で置換
した18F−標識デオキシグルコース(18F−FDG)が研
究開発されている(B.M.Gallagher 他、Journal of Nu
clear Medicine,19巻,1154頁,1978)。この18F−FDGは
グルコースと同様な挙動を示し、グルコースキャリアシ
ステムにより細胞膜を通過し、細胞内部でヘキソキナー
ゼにより6位にリン酸化を受け細胞内に貯留される。
このように18F−FDGはグルコースの動態機能に基づ
く核医学診断を目的として開発された放射性医薬品であ
り、実際脳や心臓の局所機能診断、腫瘍の検出及び悪性
度の判定などに有用であるとの評価を得ている。
く核医学診断を目的として開発された放射性医薬品であ
り、実際脳や心臓の局所機能診断、腫瘍の検出及び悪性
度の判定などに有用であるとの評価を得ている。
また局所脳循環代謝の測定に関して、正常では血流
量、酸素消費量、グルコース消費量のいずれも神経細胞
の豊富な灰白質で高く、逆に白質では低い値を示すなど
血流と代謝の一致がみられており、このことからグルコ
ース等の代謝の測定ではなく、代謝を反映しているであ
ろうと推測される血流量の測定を行うことも試みられて
おり、123I−標識アンフェタミン誘導体は血液脳関門
を通過して、核医学的検査に必要とするに十分な時間脳
内にとどまることから局所脳血流を測定する放射性診断
剤として使用されている。
量、酸素消費量、グルコース消費量のいずれも神経細胞
の豊富な灰白質で高く、逆に白質では低い値を示すなど
血流と代謝の一致がみられており、このことからグルコ
ース等の代謝の測定ではなく、代謝を反映しているであ
ろうと推測される血流量の測定を行うことも試みられて
おり、123I−標識アンフェタミン誘導体は血液脳関門
を通過して、核医学的検査に必要とするに十分な時間脳
内にとどまることから局所脳血流を測定する放射性診断
剤として使用されている。
上記の如く、グルコース代謝を測定し得る18F−FDG
に用いられているフッ素−18はポジロン放出核種である
ことから、この核種を用いた放射性診断に際しては、ポ
ジトロンエミッション・トモグラフィー(PET)と呼ば
れる特殊な撮像方法、装置を必要とする。またフッ素−
18は半減期が109分という短寿命核種であることから、
製薬工場において製造され品質検査の上、使用場所であ
る医療施設に輸送供給する上での時間的制約をまぬがれ
得ない欠点を有しており、18F標識化合物の臨床利用に
使用現場での合成も必要となる。
に用いられているフッ素−18はポジロン放出核種である
ことから、この核種を用いた放射性診断に際しては、ポ
ジトロンエミッション・トモグラフィー(PET)と呼ば
れる特殊な撮像方法、装置を必要とする。またフッ素−
18は半減期が109分という短寿命核種であることから、
製薬工場において製造され品質検査の上、使用場所であ
る医療施設に輸送供給する上での時間的制約をまぬがれ
得ない欠点を有しており、18F標識化合物の臨床利用に
使用現場での合成も必要となる。
また、代謝を反映しているであろうと推定される血流
の測定においては血流と代謝が一致して変化する疾患に
おいては血流測定の意義があるものの、代謝そのものの
測定はできない。
の測定においては血流と代謝が一致して変化する疾患に
おいては血流測定の意義があるものの、代謝そのものの
測定はできない。
上記のような観点から、より利用の広汎性の高いシン
グルフォトン放出核種により標識された、代謝そのもの
を測定することのできる化合物の使用が望まれている。
グルフォトン放出核種により標識された、代謝そのもの
を測定することのできる化合物の使用が望まれている。
しかしながら、ポジトロン核種である炭素−11、窒素
−13、酸素−15等は代謝物質そのものを構成する元素で
あるので、元の化合物の構造を変化させることなく標識
することができるのに対し、シングルフォトン放出核種
であるテイネチウム−99m、ヨウ素−123等は生体そのも
のにとっては異種の元素であるので、このような元素で
標識すれば、必ず元の化合物の性質は大きく変化する。
−13、酸素−15等は代謝物質そのものを構成する元素で
あるので、元の化合物の構造を変化させることなく標識
することができるのに対し、シングルフォトン放出核種
であるテイネチウム−99m、ヨウ素−123等は生体そのも
のにとっては異種の元素であるので、このような元素で
標識すれば、必ず元の化合物の性質は大きく変化する。
そこで、代謝そのものを追跡するのではなく、代謝に
関連した機能を評価する放射性医薬品の開発が可能であ
ると考え、グルコース輸送能及びヘキソキナーゼによる
グルコースリン酸化能のグルコース代謝に関連した機能
を評価し得る放射性医薬品の研究を重ねた。その結果、
グルコサミンのN−アシル体がヘキソキナーゼとの反応
に関与すること、またグルコース誘導体の炭素鎖への直
接ヨウ素の標識は不安定であって体内で脱ヨウ素化が観
測されることから、ヨウ素の結合状態が安定なヨードベ
ンゾイル基を導入したN−メタ−ヨウドベンゾイル−D
−グルコサミン(BGA)をデザインした。BGAのマウス体
内分布の結果から、体内での脱ヨウ素化の指標となる胃
の集積も低く、その高い安定性が示され、また、ヘキソ
キナーゼによるリン酸化は受けないものの、グルコース
のリン酸化に対しては非拮抗的阻害作用を示し、ATPの
作用に対しては拮抗的阻害作用を示した。
関連した機能を評価する放射性医薬品の開発が可能であ
ると考え、グルコース輸送能及びヘキソキナーゼによる
グルコースリン酸化能のグルコース代謝に関連した機能
を評価し得る放射性医薬品の研究を重ねた。その結果、
グルコサミンのN−アシル体がヘキソキナーゼとの反応
に関与すること、またグルコース誘導体の炭素鎖への直
接ヨウ素の標識は不安定であって体内で脱ヨウ素化が観
測されることから、ヨウ素の結合状態が安定なヨードベ
ンゾイル基を導入したN−メタ−ヨウドベンゾイル−D
−グルコサミン(BGA)をデザインした。BGAのマウス体
内分布の結果から、体内での脱ヨウ素化の指標となる胃
の集積も低く、その高い安定性が示され、また、ヘキソ
キナーゼによるリン酸化は受けないものの、グルコース
のリン酸化に対しては非拮抗的阻害作用を示し、ATPの
作用に対しては拮抗的阻害作用を示した。
しかしながらBGAの体内分布の検討においてはBGAの脳
からの放射能の消失は血液クリアランスと平行であり、
in vivoにおいてBGAは血液脳関門(BBB)を通過しにく
く、脳内に移行しにくいことが認められた。
からの放射能の消失は血液クリアランスと平行であり、
in vivoにおいてBGAは血液脳関門(BBB)を通過しにく
く、脳内に移行しにくいことが認められた。
[課題を解決するための手段〕 そこで、血液脳関門(BBB)を通過して脳内に移行
し、かつ診断に充分な時間、脳内に保持され、グルコー
スリン酸化能を評価しうる放射性医薬品を求めてさらに
研究を重ねた。その結果、BGAをエステル化して得られ
るエステル体は脂溶性を高めてBBBを通過し、かつ脳内
に取り込まれた後、脳内エステラーゼによりグルコース
リン酸化能を評価しうるBGAに変換され、脳内に長時間
保持される事実が明らかとなった。
し、かつ診断に充分な時間、脳内に保持され、グルコー
スリン酸化能を評価しうる放射性医薬品を求めてさらに
研究を重ねた。その結果、BGAをエステル化して得られ
るエステル体は脂溶性を高めてBBBを通過し、かつ脳内
に取り込まれた後、脳内エステラーゼによりグルコース
リン酸化能を評価しうるBGAに変換され、脳内に長時間
保持される事実が明らかとなった。
本発明は上記知見に基づいて完成されたものであって
その要旨は、 式 (式中AcはCH3CO-、Xは放射性ヨウ素原子を表す。) で表されるグルコサミン誘導体を有効成分とする放射
性診断剤に存する。
その要旨は、 式 (式中AcはCH3CO-、Xは放射性ヨウ素原子を表す。) で表されるグルコサミン誘導体を有効成分とする放射
性診断剤に存する。
[作用] 本発明にかかわるグルコース誘導体は、BGAをエステ
ル化する点に化学構造上の特徴を有し、その結果BGAに
おいては通過しにくい血液脳関門を通過させることが出
来るようになり、また、脳内エステラーゼにより、本来
有しているグルコースリン酸化能を評価しうるBGAに変
換し、脳内に滞留せしめることが可能になった。以下に
本発明について、実施例を用いてさらに具体的に説明す
る。
ル化する点に化学構造上の特徴を有し、その結果BGAに
おいては通過しにくい血液脳関門を通過させることが出
来るようになり、また、脳内エステラーゼにより、本来
有しているグルコースリン酸化能を評価しうるBGAに変
換し、脳内に滞留せしめることが可能になった。以下に
本発明について、実施例を用いてさらに具体的に説明す
る。
実施例1 (N−(m−ヨードベンゾイル)−1,3,4,6−テトラ−
O−アセチル−D−グルコサミンの製造) グルコサミン塩酸塩9g(0.042mol)を1N水酸化ナトリ
ウム溶液42.3mlに溶解し、アニスアルデヒド5.76g(0.0
42mol)を加えた後、室温で3時間撹拌しさらに0℃で3
0分間冷却し、析出した結晶をろ取し、冷水次いでエタ
ノール:エーテル=1:1溶液で洗浄し、N−p−メトオ
キシベンジリデン−D−グルコサミンを得た。収量9.6g このようにして得られたN−p−メトオキシ−ベンジ
リデン−D−グルコサミン5g(0.017mol)を無水酢酸15
mlに懸濁し、氷冷下乾燥ピリジン27mlを加えて5分間撹
拌後、室温にて24時間放置後、反応液を氷水85mlに加
え、2時間放置し、析出した結晶をろ取し、冷水で洗浄
の後、メタノールより再結晶し、N−p−メトオキシ−
ベンジリデン−1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−D−
グルコサミンを得た。収量7.1g このN−p−メトオキシ−ベンジリデン−1,3,4,6−
テトラ−O−アセチル−D−グルコサミン5g(0.010mo
l)をアセトン25mlに加熱溶解しこれに濃塩酸1mlを加
え、24時間放置後、析出した結晶をろ取、冷エーテルで
洗浄し、得られた結晶を2M酢酸ナトリウム溶液50mlに懸
濁し、クロロホルム3倍量を加え抽出し、再結晶し、1,
3,4,6−テトラ−O−アセチル−D−グルコサミンを得
た。収量2.9g m−ヨウ化安息香酸1.6g(6.45×10-3mol)に塩化チ
オニル10mlを加えて65℃で24時間撹拌し、さらにベンゼ
ンを加えて過剰の塩化チオニルを減圧留去し、得られた
m−ヨウ化安息香酸クロライドをベンゼン2mlに溶解
し、上記1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−D−グルコ
サミン2g(5.76×10-3mol)を含むベンゼン10mlおよび
ピリジン2ml混合溶液に加えて48時間撹拌の後、0.1N塩
酸で中和したのち、クロロホルムで抽出し、メタノール
より再結晶し、N−(m−ヨードベンゾイル)−1,3,4,
6−テトラ−O−アセチル−D−グルコサミン(ABGA)
を得た。収量1.50g 本品について、以下の分析結果によりABGAであること
を確認した。
O−アセチル−D−グルコサミンの製造) グルコサミン塩酸塩9g(0.042mol)を1N水酸化ナトリ
ウム溶液42.3mlに溶解し、アニスアルデヒド5.76g(0.0
42mol)を加えた後、室温で3時間撹拌しさらに0℃で3
0分間冷却し、析出した結晶をろ取し、冷水次いでエタ
ノール:エーテル=1:1溶液で洗浄し、N−p−メトオ
キシベンジリデン−D−グルコサミンを得た。収量9.6g このようにして得られたN−p−メトオキシ−ベンジ
リデン−D−グルコサミン5g(0.017mol)を無水酢酸15
mlに懸濁し、氷冷下乾燥ピリジン27mlを加えて5分間撹
拌後、室温にて24時間放置後、反応液を氷水85mlに加
え、2時間放置し、析出した結晶をろ取し、冷水で洗浄
の後、メタノールより再結晶し、N−p−メトオキシ−
ベンジリデン−1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−D−
グルコサミンを得た。収量7.1g このN−p−メトオキシ−ベンジリデン−1,3,4,6−
テトラ−O−アセチル−D−グルコサミン5g(0.010mo
l)をアセトン25mlに加熱溶解しこれに濃塩酸1mlを加
え、24時間放置後、析出した結晶をろ取、冷エーテルで
洗浄し、得られた結晶を2M酢酸ナトリウム溶液50mlに懸
濁し、クロロホルム3倍量を加え抽出し、再結晶し、1,
3,4,6−テトラ−O−アセチル−D−グルコサミンを得
た。収量2.9g m−ヨウ化安息香酸1.6g(6.45×10-3mol)に塩化チ
オニル10mlを加えて65℃で24時間撹拌し、さらにベンゼ
ンを加えて過剰の塩化チオニルを減圧留去し、得られた
m−ヨウ化安息香酸クロライドをベンゼン2mlに溶解
し、上記1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−D−グルコ
サミン2g(5.76×10-3mol)を含むベンゼン10mlおよび
ピリジン2ml混合溶液に加えて48時間撹拌の後、0.1N塩
酸で中和したのち、クロロホルムで抽出し、メタノール
より再結晶し、N−(m−ヨードベンゾイル)−1,3,4,
6−テトラ−O−アセチル−D−グルコサミン(ABGA)
を得た。収量1.50g 本品について、以下の分析結果によりABGAであること
を確認した。
元素分析:C21H24O10NI C H N 分析値 43.67% 4.21% 2.33% 理論値 43.69% 4.19% 2.43% NMR:溶媒として重クロロホルム(CDCl3)、内部標準と
してテトラメチルシラン(TMS)を用いた。
してテトラメチルシラン(TMS)を用いた。
ppm 2.04(s,3H) 4.30(dd,1H) 6.57(d,1H) 2.08(s,6H) 4.58(ddd,1H) 7.13(t,1H) 2.11(s,3H) 5.22(t,1H) 7.65(dt,1H) 3.90(ddd,1H) 5.36(dd,1H) 7.83(dt,1H) 4.17(d,1H) 5.80(d,1H) 8.06(t,1H) 実施例2 放射性ヨウ素の標識 実施例1で得られたN−(m−ヨードベンゾイル)−
1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−D−グルコサミン(A
BGA)4mgをエタノール0.5ml及び蒸留水0.5mlの混合液に
溶解し、硫酸銅溶液、硫酸アンモニウム溶液及び125I
−NaI 1mCiを加え、85℃で3時間加熱し、冷却後、分解
産物および未反応の125I-を除くためクロロホルム:メ
タノール=8:2を溶出溶媒としてシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーを行い、125I−標識−N−(m−ヨー
ドベンゾイル)−1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−D
−グルコサミン(125I-ABGA)0.81mCiを得た。収率81.8
%±9.9% 実施例3125 I-ABGAの性質(1) オクタノールとPBS各3mlの混液に実施例2で得られた
125I-ABGAを加え、撹拌放置後、各層の放射能を測定
し、分配比を求めた結果を表1に示す。表1の結果より
125I-ABGAの脂溶性が認められた。
1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−D−グルコサミン(A
BGA)4mgをエタノール0.5ml及び蒸留水0.5mlの混合液に
溶解し、硫酸銅溶液、硫酸アンモニウム溶液及び125I
−NaI 1mCiを加え、85℃で3時間加熱し、冷却後、分解
産物および未反応の125I-を除くためクロロホルム:メ
タノール=8:2を溶出溶媒としてシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーを行い、125I−標識−N−(m−ヨー
ドベンゾイル)−1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−D
−グルコサミン(125I-ABGA)0.81mCiを得た。収率81.8
%±9.9% 実施例3125 I-ABGAの性質(1) オクタノールとPBS各3mlの混液に実施例2で得られた
125I-ABGAを加え、撹拌放置後、各層の放射能を測定
し、分配比を求めた結果を表1に示す。表1の結果より
125I-ABGAの脂溶性が認められた。
実施例4125 I-ABGAの性質(2) 125I-ABGAをDMSOに溶解し、pH5,pH7,pH9のバッファー
に加え37℃でインキュベーションし、一定時間後反応液
をTLCで分析した結果を表2に示す。表2より125I-ABGA
は高いpHになるとBGAにケン化されるとともに、脱ヨウ
素化がおこるのが認められたが、他のpHでは、3時間後
においても安定で、ケン化、脱ヨウ素化は認められなか
った。
に加え37℃でインキュベーションし、一定時間後反応液
をTLCで分析した結果を表2に示す。表2より125I-ABGA
は高いpHになるとBGAにケン化されるとともに、脱ヨウ
素化がおこるのが認められたが、他のpHでは、3時間後
においても安定で、ケン化、脱ヨウ素化は認められなか
った。
実施例5125 I-ABGAの性質(3) PBS pH7.4に豚肝臓エステラーゼ100Uを添加後125I-AB
GA 50kBqを加え、37℃でインキュベーションし、一定時
間後反応液をサンプリングし、エタノールを加え、遠沈
後、上清をTLCで分析した結果を表3に示す。表3の結
果よりアセチル体の125I-ABGAは非常に短時間内でエス
テルが開裂し、N−m−ヨードベンゾイル−D−グルコ
サミン(BGA)に変換されることが認められた。
GA 50kBqを加え、37℃でインキュベーションし、一定時
間後反応液をサンプリングし、エタノールを加え、遠沈
後、上清をTLCで分析した結果を表3に示す。表3の結
果よりアセチル体の125I-ABGAは非常に短時間内でエス
テルが開裂し、N−m−ヨードベンゾイル−D−グルコ
サミン(BGA)に変換されることが認められた。
実施例6125 I-ABGAの性質(4) 125I-ABGAをddY系雄性マウスに尾静脈より投与し、各
時間経過後マウスを屠殺し血液を心臓採血により採取し
た後、脳を摘出した。血液及び脳は5% TCA 1mlを加え
ホモナイズし、3000rpm0℃で10分間遠心分離した後、各
試料の上清を展開溶媒クロロホルム:メタノール=7:3
を用いてTLCにより分析した結果を第1図に示す。
時間経過後マウスを屠殺し血液を心臓採血により採取し
た後、脳を摘出した。血液及び脳は5% TCA 1mlを加え
ホモナイズし、3000rpm0℃で10分間遠心分離した後、各
試料の上清を展開溶媒クロロホルム:メタノール=7:3
を用いてTLCにより分析した結果を第1図に示す。
第1図より脳内において投与後5分ではABGA及びBGA
のピークが認められ、時間の経過につれてABGAのピーク
が減少しており、投与初期にはABGAが脳に移行し、その
後エステルの開離及びその結果BGAとして挙動している
ことが認められた。
のピークが認められ、時間の経過につれてABGAのピーク
が減少しており、投与初期にはABGAが脳に移行し、その
後エステルの開離及びその結果BGAとして挙動している
ことが認められた。
実施例7125 I-ABGAのマウスにおける体内分布 ddY系雄性マウスに125I-ABGAを尾静脈より投与し、体
内分布を行った結果を表4に示す。
内分布を行った結果を表4に示す。
表4の結果よりABGAは血液からの速いクリアランスが
みとめられるものの、脳においてはBGAに比べ高い取込
みを示し、脳内におけるリテンションが認められ、時間
の経過とともに脳/血液比の増加が認められた。
みとめられるものの、脳においてはBGAに比べ高い取込
みを示し、脳内におけるリテンションが認められ、時間
の経過とともに脳/血液比の増加が認められた。
〔発明の効果〕 本発明のグルコサミン誘導体よりなる放射性診断剤は
血液脳関門を通過して脳内に移行し、脳内にてエステラ
ーゼにてBGAに変換されるのでグルコースリン酸化能を
評価し得る診断薬として有用であり、特にグルコース代
謝に関連する脳、心臓、腫瘍等の各種臓器、組織の疾患
の診断薬として極めて有用である。
血液脳関門を通過して脳内に移行し、脳内にてエステラ
ーゼにてBGAに変換されるのでグルコースリン酸化能を
評価し得る診断薬として有用であり、特にグルコース代
謝に関連する脳、心臓、腫瘍等の各種臓器、組織の疾患
の診断薬として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】 第1図Aは125I-ABGA投与後、脳のホモジネートをTLCに
より分析した結果を示した図である。実線は投与後5
分、点線は投与後60分、一点鎖線は投与後180分でのTLC
分析結果である。 第1図Bは、第1図Aと同様に125I-ABGA投与後の血液
のホモジネートをTLCにより分析した結果を示した図で
ある。
より分析した結果を示した図である。実線は投与後5
分、点線は投与後60分、一点鎖線は投与後180分でのTLC
分析結果である。 第1図Bは、第1図Aと同様に125I-ABGA投与後の血液
のホモジネートをTLCにより分析した結果を示した図で
ある。
Claims (2)
- 【請求項1】化学式 (式中AcはCH3CO-,Xは放射性ヨウ素原子を表す。) で表されるグルコサミン誘導体を有効成分とする放射性
診断剤。 - 【請求項2】XがI−123,I−125,I−131,I−132よりな
る放射性ヨウ素同位体の群から選ばれた原子である特許
請求の範囲第1項記載の放射性診断剤。
Priority Applications (9)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1181502A JP2690018B2 (ja) | 1989-07-13 | 1989-07-13 | グルコサミン誘導体よりなる放射性診断剤 |
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