JP2688557B2 - ポリビニルアルコール系フィルム - Google Patents

ポリビニルアルコール系フィルム

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JP2688557B2
JP2688557B2 JP4238125A JP23812592A JP2688557B2 JP 2688557 B2 JP2688557 B2 JP 2688557B2 JP 4238125 A JP4238125 A JP 4238125A JP 23812592 A JP23812592 A JP 23812592A JP 2688557 B2 JP2688557 B2 JP 2688557B2
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勉 根橋
靖之 藤井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリビニルアルコール
系フィルムに関する。更に詳しくは、フィルム化時、乾
燥ドラム或いは乾燥ベルトからの剥離性が向上され、収
縮率が少なく、“むら”や“しわ”の生じないポリビニ
ルアルコール系フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
洗剤、殺菌剤、染剤、農薬などの包装に水溶性フィルム
が利用されている。水溶性フィルムの製造における代表
的な水溶性フィルム原料としてポリビニルアルコールが
使用されている。
【0003】通常、キャスティング方式でフィルムを製
膜する場合、原料ポリビニルアルコールは濃度10〜20重
量%で水に溶解され、製膜原液とされる。この原液は、
回転する乾燥ドラム又は乾燥ベルトの上にスリットを通
じて流延されるか、ロールコーターによって塗布され
る。塗布された原液は、乾燥ドラム又は乾燥ベルト上で
水分を蒸発して乾燥されたフィルムとなる。この時、剥
離剤、更に均一化剤用途として、使用する原料ポリビニ
ルアルコールに応じて、それに適した界面活性剤或いは
同様の効果を与える化合物を製膜原液に配合するのが常
である。特開昭49−55748 号公報、特開昭49−81889 号
公報、特公昭50−38653 号公報では、リン酸モノエステ
ル、或いはジエステル系の化合物をポリビニルアルコー
ルに添加したり、金属ドラム面に塗布したりすることに
より、剥離性の向上が得られることを開示している。ま
た、特公昭52−2416号公報にはポリアミン系カチオン活
性剤、特公昭52−22856 号公報にはポリオキシエチレン
アルキルアミン類によっても同様の効果が得られること
が開示されている。また、高級脂肪族アミンの使用も知
られている。
【0004】近年、前記の用途、分野において生産性向
上、省力化等の技術革新、産業構造の変化、製品や素材
の変化等に伴い、代表的な水溶性フィルム原料であるポ
リビニルアルコールに対する要求も高度になり、且つ多
様化している。このようなニーズの変化に対し、従来の
“重合度”と”ケン化度”の組み合わせによるポリビニ
ルアルコールの改良だけでは、性能的に限界がある為、
新しいタイプのアニオン基変性ポリビニルアルコールが
開発されつつある。その中でも、酢酸ビニルとアニオン
基を有するビニルモノマーとを必須モノマー単位とする
共重合体をケン化して得られるアニオン基変性ポリビニ
ルアルコールは、洗剤用フィルム原料として溶解性に優
れており、今後新しい水溶性フィルム原料として期待さ
れている。
【0005】しかし、アニオン基変性ポリビニルアルコ
ールを用いて水溶性フィルムを製造するにあたり、上記
化合物を配合しても、製膜原液に濁りを生じたり、また
剥離性及びフィルムの表面状態の面でも満足する結果を
与えなかった。また、金属ドラム面に上記化合物を塗布
しても結果は同じであった。従って、アニオン基変性ポ
リビニルアルコールを原料とするフィルムにおいては、
剥離性が良く、収縮率が少なく、表面状態の優れたフィ
ルムは得られていないのが現状である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究の結果、ポリビニルアルコール、特
にアニオン基変性ポリビニルアルコールに特定量の両性
界面活性剤を配合してなる組成物から得られるフィルム
が上記課題を充分満足することを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0007】すなわち本発明は、ポリビニルアルコール
100 重量部に対して、両性界面活性剤を0.01〜3.0 重量
部配合してなる組成物から製造されることを特徴とする
水溶性ポリビニルアルコール系フィルムを提供するもの
である。
【0008】本発明に用いられるポリビニルアルコール
は酢酸ビニルを重合し、ケン化することによって得られ
るものである。ポリビニルアルコールとしては、特に、
酢酸ビニルとアニオン基を有するビニルモノマーとを必
須とする共重合体をケン化して得られる平均重合度が 5
00〜3000のアニオン基変性ポリビニルアルコールが好ま
しい。共重合変性に用いられるアニオン基を有するビニ
ルモノマーとしては、アクリル酸、クロトン酸、マレイ
ン酸、フマール酸、イタコン酸などの不飽和カルボン
酸、あるいはこれらのエステルもしくは無水物、ビニル
スルホン酸、アクリルスルホン酸などの不飽和スルホン
酸が挙げられる。アニオン基変性ポリビニルアルコール
は、平均重合度 500〜3000のものが使用され、平均重合
度が500 より小さいとフィルムとしての強度が劣る。ま
た平均、重合度が3000より大きいと製膜性が悪くなる。
またケン化度が80%未満であるとフィルムの強度が劣る
傾向にある。
【0009】本発明に用いられる両性界面活性剤として
は、少なくとも1つの炭素数8以上のアルキル基、アル
ケニル基或いはカルボン酸塩型の両性界面活性剤、アル
キル(炭素数8以上)アルキレングリコール基を有する
硫酸エステル塩型、スルホン酸塩型、リン酸エステル塩
型の両性界面活性剤が挙げられる。特にカルボン酸塩型
の両性界面活性剤が好ましい。カルボン酸塩型両性界面
活性剤の中には、アミノ酸型、ベタイン型の両性界面活
性剤等があるが、特に限定されず、例えば第2級或いは
第3級アミン骨格を有するアミノ酸型の両性界面活性
剤、ヒドロキシル基を含有する或いはイミダゾリン骨格
を有するベタイン型の両性界面活性剤等がいずれも有効
である。また、両性界面活性剤は単独でも2種以上を併
用してもよい。両性界面活性剤はポリビニルアルコール
100 重量部に対して、0.01〜3.0 重量部、好ましくは0.
05〜2.0 重量部配合される。
【0010】本発明においては、両性界面活性剤以外の
界面活性剤を併用することもできる。併用できる界面活
性剤としては、ノニオン界面活性剤が好ましく、特にポ
リアルキレングリコール型或いは多価アルコール型ノニ
オン界面活性剤等が好ましい。本発明では特にアルキル
鎖部分の炭素数8〜22でエチレンオキサイド平均付加モ
ル数が30以下の正数であるポリオキシエチレンアルキル
エーテル型ノニオン界面活性剤が好ましい。ノニオン界
面活性剤を併用することにより、むら、しわの発生を抑
制し、フィルム製造条件の自由度をより広げることがで
きる。ここでいう“むら”とは添加した界面活性剤とポ
リビニルアルコールとの相溶性が悪く、フィルム厚みに
厚薄差が生じることであり、また“しわ”とはフィルム
形成時に部分的に伸ばされてすじ状にできた歪のことを
いう。本発明に係る両性界面活性剤とノニオン界面活性
剤の重量比は特に限定されないが、両性/ノニオン=9
/1〜1/9、好ましくは4/1〜1/3であり、その
際の両性界面活性剤及びノニオン界面活性剤の合計はポ
リビニルアルコール100 重量部に対して 3.0重量部を超
えてはならない。
【0011】フィルムに柔軟性が要求される場合には、
本発明のポリビニルアルコール系フィルムを製造するた
めの組成物に可塑剤を配合してもよい。使用される可塑
剤は特に限定されず、種々の公知のものを用い得るが、
特に多価アルコール系可塑剤が好ましい。多価アルコー
ル系可塑剤としては、例えば、エチレングリコール、ト
リエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピ
レングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、3−メチルペンタン−1,
3,5 −トリオール、ジグリセリン等が挙げられる。これ
らの可塑剤は一種でもよく、二種以上を併用してもよ
く、通常、本発明に係るアニオン基変性ポリビニルアル
コール100重量部に対し、1〜20重量部配合される。更
に、必要に応じて他の水溶性フィルム形成物質、あるい
はシリカ粉のような微粉末等も配合することができる。
【0012】また、本発明のポリビニルアルコール系フ
ィルムは、エンボッシングカレンダー等によりフィルム
の後加工で凹凸をつける工程においても、剥離性及び収
縮防止性の点で有効である。
【0013】本発明のポリビニルアルコール系フィルム
は、包装材としての良好な表面外観を有し、幅広い分野
に応用可能である。例えば衣料用洗剤、漂白剤、農薬等
の粉末、粒状、塊状の薬剤包装、ランドリーバックをは
じめとする使い捨て日用品、化粧品、生理用品等の包装
材として有用である。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、製膜や加工をする際、
乾燥ドラムや乾燥ベルト、加工用ロールなどからの剥離
性に優れ、フィルムの収縮率も少なく、“むら”や“し
わ”の生じない水溶性ポリビニルアルコール系フィルム
が得られる。
【0015】
【実施例】以下、本発明のポリビニルアルコール系フィ
ルムについて、実施例を挙げて詳しく説明するが、本発
明はこれらに何等限定されるものではない。
【0016】実施例1〜3及び比較例1〜6 <フィルムの製造及び物性評価>表1に示したモノマー
組成のポリビニルアルコール(表1中 PVAと表す)15重
量部を水85重量部に溶解し、グリセリンを1.2 重量部の
割合で配合した。
【0017】
【表1】
【0018】更に、この水溶液に、表2,3に示す界面
活性剤を、表2,3に示す割合で配合し、フィルム製造
用原液とした。この原液を、表面温度75℃の回転ドラム
上にキャスティングして乾燥させ、その後ドラムからの
剥離性及び剥離したフィルムの収縮率を求めた。結果を
表2,3に示す。フィルムの剥離性の評価基準は以下の
通りである。 ○…乾燥ドラムから容易に剥離可能 △…乾燥ドラムから剥離可能であるが、一部がドラムに
付着し、連続運転が困難になる ×…乾燥ドラムから剥離しない また、フィルムの収縮率は、次式により求めた。
【0019】
【数1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】表中、ノニオン界面活性剤のpは平均付加
モル数である。
【0023】実施例4〜6 前記の表1に示したモノマー組成のポリビニルアルコー
ル15重量部を水85重量部に溶解し、グリセリンを1.2 重
量部の割合で配合した。更に、この水溶液に、表4に示
す界面活性剤を、表4に示す割合で配合し、フィルム製
造用原液とした。この原液を、表面温度95℃の回転ドラ
ム上にキャスティングして乾燥させ、その後ドラムから
の剥離性及び剥離したフィルムの収縮率を前記と同様に
して求めた。また、剥離後のフィルムの表面状態(む
ら、しわ等)も観察した。結果を表4に示す。
【0024】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−145236(JP,A) 特開 昭53−49008(JP,A) 特開 平5−186635(JP,A) 特公 昭52−2416(JP,B2) 特公 昭52−22856(JP,B2)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコール100 重量部に対し
    て、両性界面活性剤を0.01〜3.0 重量部配合してなる組
    成物から製造されることを特徴とする水溶性ポリビニル
    アルコール系フィルム。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコールが、酢酸ビニルと
    アニオン基を有するビニルモノマーとを必須とする共重
    合体をケン化して得られるアニオン基変性ポリビニルア
    ルコールであって、その平均重合度が 500〜3000である
    ことを特徴とする請求項1記載の水溶性ポリビニルアル
    コール系フィルム。
  3. 【請求項3】 両性界面活性剤が、カルボン酸塩型両性
    界面活性剤であることを特徴とする請求項1又は2記載
    水溶性ポリビニルアルコール系フィルム。
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