JP2687923B2 - 光非相反回路とその製造方法 - Google Patents
光非相反回路とその製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光非相反回路(、以下光
アイソレータ)に関し、特に磁気光学材料を用いること
なく、しかも半導体レーザや光導波路と共に半導体基板
上にモノリシックに集積化が可能な光アイソレータとそ
の製造方法に関する。
アイソレータ)に関し、特に磁気光学材料を用いること
なく、しかも半導体レーザや光導波路と共に半導体基板
上にモノリシックに集積化が可能な光アイソレータとそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】反射戻り光を阻止する目的で用いられる
光アイソレータは、磁気光学結晶を用いて構成される。
図5は従来の光アイソレータの構造と動作原理を示す図
である。この光アイソレータは、基本的には2枚の偏光
板11,12と、その間に配置された磁気光学効果(フ
ァラデー効果)を示すYIGのような磁気効果結晶13
と、これに磁界を与える永久磁石(図示せず)とで構成
される。2枚の偏光板11,12は偏光面が45°異な
るように配置されており、磁気光学結晶13は透過光の
偏光面を進行方向に対して右回り方向に45°回転させ
るものを用いる。
光アイソレータは、磁気光学結晶を用いて構成される。
図5は従来の光アイソレータの構造と動作原理を示す図
である。この光アイソレータは、基本的には2枚の偏光
板11,12と、その間に配置された磁気光学効果(フ
ァラデー効果)を示すYIGのような磁気効果結晶13
と、これに磁界を与える永久磁石(図示せず)とで構成
される。2枚の偏光板11,12は偏光面が45°異な
るように配置されており、磁気光学結晶13は透過光の
偏光面を進行方向に対して右回り方向に45°回転させ
るものを用いる。
【0003】したがって、このアイソレータに順方向
(図の左から右に向けて)に入射する光に対しては、同
図(a)のように、入射側の偏光板11を透過し、磁気
光学結晶13により偏光面が進行方向に対して右回り方
向に45°回転されるため、出力側の偏光板12を透過
する。一方、逆方向に入射する光は、同図(b)のよう
に、偏光板12を透過した後、磁気光学結晶13により
進行方向に対して右回りに45°回転されるため、透過
後は偏光板11に対して直交する偏光方向とされ、偏光
板11を透過することができなくなる。したがって、光
の入射方向に非相反性が生じ、アイソレーション動作が
得られる。
(図の左から右に向けて)に入射する光に対しては、同
図(a)のように、入射側の偏光板11を透過し、磁気
光学結晶13により偏光面が進行方向に対して右回り方
向に45°回転されるため、出力側の偏光板12を透過
する。一方、逆方向に入射する光は、同図(b)のよう
に、偏光板12を透過した後、磁気光学結晶13により
進行方向に対して右回りに45°回転されるため、透過
後は偏光板11に対して直交する偏光方向とされ、偏光
板11を透過することができなくなる。したがって、光
の入射方向に非相反性が生じ、アイソレーション動作が
得られる。
【0004】しかしながら、この光アイソレータは、磁
気光学効果を利用するために、磁気光学結晶、一対の偏
光板、永久磁石等の部品が必要であり、構造が複雑にな
るとともに、小型化が難しいという問題がある。また、
磁気光学結晶が必要とされるために、半導体基板上に半
導体装レーザや光導波路と共にモノリシックに集積化す
ることが難しいという問題がある。
気光学効果を利用するために、磁気光学結晶、一対の偏
光板、永久磁石等の部品が必要であり、構造が複雑にな
るとともに、小型化が難しいという問題がある。また、
磁気光学結晶が必要とされるために、半導体基板上に半
導体装レーザや光導波路と共にモノリシックに集積化す
ることが難しいという問題がある。
【0005】このような問題に対し、特開平5−580
9号公報では、ニオブ酸リチウム結晶基板に光導波路を
形成し、この光導波路の一部にプロトン交換法により形
成した光導波路を構成した光アイソレータが提案されて
いる。この構成では、プロトン交換法光導波路における
異常光と常光に対する屈折率の相違とこの光導波路の断
面形状を利用することで、透過される光に非相反性を持
たせることができる。したがって、この公報に記載のも
のによれば、少なくとも磁気光学効果を利用して光アイ
ソレータに比較すれば磁気光学結晶等の部品が不要とな
り、構造の簡易化を図る上では有効となる。
9号公報では、ニオブ酸リチウム結晶基板に光導波路を
形成し、この光導波路の一部にプロトン交換法により形
成した光導波路を構成した光アイソレータが提案されて
いる。この構成では、プロトン交換法光導波路における
異常光と常光に対する屈折率の相違とこの光導波路の断
面形状を利用することで、透過される光に非相反性を持
たせることができる。したがって、この公報に記載のも
のによれば、少なくとも磁気光学効果を利用して光アイ
ソレータに比較すれば磁気光学結晶等の部品が不要とな
り、構造の簡易化を図る上では有効となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この公
報に記載のものは、ニオブ酸リチウム結晶基板を利用し
ているため、前記した後者の問題点、すなわち半導体レ
ーザ等と共に半導体基板にモノリシックに集積化すると
いう要求を満たすことはできない。また、光導波路の一
部に特定された形状のプロトン交換法光導波路を作製す
る必要があるために、製造が極めて煩雑でかつ難しいと
いう問題もある。
報に記載のものは、ニオブ酸リチウム結晶基板を利用し
ているため、前記した後者の問題点、すなわち半導体レ
ーザ等と共に半導体基板にモノリシックに集積化すると
いう要求を満たすことはできない。また、光導波路の一
部に特定された形状のプロトン交換法光導波路を作製す
る必要があるために、製造が極めて煩雑でかつ難しいと
いう問題もある。
【0007】
【発明の目的】本発明の目的は、半導体基板にモノリシ
ックに形成することが可能で、かつその製造方法が容易
な光アイソレータとその製造方法を提供することにあ
る。
ックに形成することが可能で、かつその製造方法が容易
な光アイソレータとその製造方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の光アイソ
レータは、平面基板の表面に沿って形成された光導波路
と、この光導波路に臨んで形成され、光導波路内での光
の進行方向とある角度をなすように形成された回折格子
とを備え、かつ光導波路の光の進行方向に対する左右の
側面の反射率が相違するように構成する。
レータは、平面基板の表面に沿って形成された光導波路
と、この光導波路に臨んで形成され、光導波路内での光
の進行方向とある角度をなすように形成された回折格子
とを備え、かつ光導波路の光の進行方向に対する左右の
側面の反射率が相違するように構成する。
【0009】また、本発明の第2の光アイソレータは、
平面基板の表面に沿って形成された光導波路と、この光
導波路に臨んで形成され、光導波路内での光の進行方向
とある角度をなすように形成された回折格子とを備え、
かつ光導波路の光の進行方向に対する左右の側面におけ
る光損失が相違するように構成する。
平面基板の表面に沿って形成された光導波路と、この光
導波路に臨んで形成され、光導波路内での光の進行方向
とある角度をなすように形成された回折格子とを備え、
かつ光導波路の光の進行方向に対する左右の側面におけ
る光損失が相違するように構成する。
【0010】さらに、本発明の光アイソレータの製造方
法は、半導体基板の表面に画成された細長い領域に、そ
の長手方向に対して所要の角度をなすように回折格子を
形成し、この回折格子を形成した領域上に光透過素材に
よりリッジ型の光導波路を形成し、このリッジ光導波路
の一方の側面に高反射率コーティング膜を形成し、他方
の側面に低反射率コーティング膜を形成する工程とを含
む。
法は、半導体基板の表面に画成された細長い領域に、そ
の長手方向に対して所要の角度をなすように回折格子を
形成し、この回折格子を形成した領域上に光透過素材に
よりリッジ型の光導波路を形成し、このリッジ光導波路
の一方の側面に高反射率コーティング膜を形成し、他方
の側面に低反射率コーティング膜を形成する工程とを含
む。
【0011】あるいは、本発明の光アイソレータの製造
方法は、半導体基板の表面に画成された細長い領域に、
その長手方向に対して所要の角度をなすように回折格子
を形成し、この回折格子を形成した領域上に光透過素材
によりリッジ型の光導波路を形成し、このリッジ光導波
路の一方の側面の表面をエッチング処理してその表面を
粗面に形成する工程とを含む。
方法は、半導体基板の表面に画成された細長い領域に、
その長手方向に対して所要の角度をなすように回折格子
を形成し、この回折格子を形成した領域上に光透過素材
によりリッジ型の光導波路を形成し、このリッジ光導波
路の一方の側面の表面をエッチング処理してその表面を
粗面に形成する工程とを含む。
【0012】
【作用】第1の光アイソレータでは、光導波路内を進行
される光は、回折格子によって光導波路の側面方向に回
折されるが、その回折方向の光導波路の側面が高反射率
の場合には光が透過されないため回折による光の減衰は
生じない。回折方向の光導波の側面が低反射率の場合に
は光が透過されて回折による光の減衰が生じ、これによ
り光の非相反性が生じ、光アイソレータとして機能され
る。
される光は、回折格子によって光導波路の側面方向に回
折されるが、その回折方向の光導波路の側面が高反射率
の場合には光が透過されないため回折による光の減衰は
生じない。回折方向の光導波の側面が低反射率の場合に
は光が透過されて回折による光の減衰が生じ、これによ
り光の非相反性が生じ、光アイソレータとして機能され
る。
【0013】第2の光アイソレータでは、光導波路内を
進行される光は、回折格子によって進行方向に対して側
面方向に偏った状態で進行されるが、その偏った側の光
導波路の側面の光損失が小さい場合には光の減衰は生じ
ない。偏った側の光導波の側面の光損失が大きい場合に
は光の減衰が生じ、これにより光の非相反性が生じ、光
アイソレータとして機能される。
進行される光は、回折格子によって進行方向に対して側
面方向に偏った状態で進行されるが、その偏った側の光
導波路の側面の光損失が小さい場合には光の減衰は生じ
ない。偏った側の光導波の側面の光損失が大きい場合に
は光の減衰が生じ、これにより光の非相反性が生じ、光
アイソレータとして機能される。
【0014】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1(a)は本発明の第1実施例の光アイソレー
タの斜視図であり、図2にその製造方法を工程順に示し
ている。ここでは、長波長帯半導体レーザとのモノリシ
ック集積化が可能とされるように、InP基板上に光ア
イソレータを形成した例を示している。先ず、図2
(a)のように、InP基板1上の<011>方向に細
長く、幅約1.5μmの窓11aを開けたガラスマスク
11を通常のフォトリソグラフィ技術により形成する。
そして、この窓11aに露呈されたInP基板1の表面
に、電子ビーム(EB)露光技術等を用いて回折格子2
を形成する。この回折格子2は、ピッチ寸法が3900
Åで、<011>方向に対して73°の角度を成す方向
に形成される。
する。図1(a)は本発明の第1実施例の光アイソレー
タの斜視図であり、図2にその製造方法を工程順に示し
ている。ここでは、長波長帯半導体レーザとのモノリシ
ック集積化が可能とされるように、InP基板上に光ア
イソレータを形成した例を示している。先ず、図2
(a)のように、InP基板1上の<011>方向に細
長く、幅約1.5μmの窓11aを開けたガラスマスク
11を通常のフォトリソグラフィ技術により形成する。
そして、この窓11aに露呈されたInP基板1の表面
に、電子ビーム(EB)露光技術等を用いて回折格子2
を形成する。この回折格子2は、ピッチ寸法が3900
Åで、<011>方向に対して73°の角度を成す方向
に形成される。
【0015】次いで、図2(b)のように、前記ガラス
マスク11を再度利用して前記回折格子2を設けたIn
P基板1の表面に、選択的にバンドギャップ波長1.1
3μm組成のInGaAsPを約1μm成長し、リッジ
を形成する。これにより、このリッジ形状の部分がリッ
ジ型の光導波路3として構成される。
マスク11を再度利用して前記回折格子2を設けたIn
P基板1の表面に、選択的にバンドギャップ波長1.1
3μm組成のInGaAsPを約1μm成長し、リッジ
を形成する。これにより、このリッジ形状の部分がリッ
ジ型の光導波路3として構成される。
【0016】次いで、前記ガラスマスク11を除去した
後、図2(c)のように、リッジ光導波路3の片方の側
面に反射率が90%以上となるような高反射膜4をコー
ティング形成する。また、他方の側面には低反射膜5を
コーティング形成する。そして、この構成を形成したI
nPウェハから300μm長に素子を切り出すことで、
図1(a)のような10dB程度のアイソレーションを
有する光アイソレータを得ることができる。
後、図2(c)のように、リッジ光導波路3の片方の側
面に反射率が90%以上となるような高反射膜4をコー
ティング形成する。また、他方の側面には低反射膜5を
コーティング形成する。そして、この構成を形成したI
nPウェハから300μm長に素子を切り出すことで、
図1(a)のような10dB程度のアイソレーションを
有する光アイソレータを得ることができる。
【0017】この構成の光アイソレータでは、図1
(a)において、リッジ光導波路3に光を+z方向(同
図の手前から奥に向かう方向)に順方向の光を入射させ
ると、入射光はリッジ導波路3内において回折格子2に
より回折を受ける。このとき、回折格子2の前記したピ
ッチ寸法と角度により90°の方向、すなわち−y方向
に向けて回折を受ける。しかしながら、リッジ光導波路
3の図示左側面には高反射膜4が形成されているため、
この方向の回折が生じることはなく、結局入射された光
は略全てがリッジ光導波路3を通過されることになる。
(a)において、リッジ光導波路3に光を+z方向(同
図の手前から奥に向かう方向)に順方向の光を入射させ
ると、入射光はリッジ導波路3内において回折格子2に
より回折を受ける。このとき、回折格子2の前記したピ
ッチ寸法と角度により90°の方向、すなわち−y方向
に向けて回折を受ける。しかしながら、リッジ光導波路
3の図示左側面には高反射膜4が形成されているため、
この方向の回折が生じることはなく、結局入射された光
は略全てがリッジ光導波路3を通過されることになる。
【0018】一方、リッジ光導波路3に逆方向、即ち−
z方向の光を入射させると、入射光はリッジ光導波路3
内において回折格子2により回折を受ける。このときに
は、+y方向に向けて回折を受けることになるが、この
方向、即ちリッジ光導波路3の図示右側面には低反射膜
5が形成されているため、この側面を通して空間中に射
出され、回折が行われ、この回折により光が減衰される
ことになる。したがって、リッジ光導波路3を通過する
順方向と逆方向の各光に対して回折の非相反性が生じ、
光のアイソレーション動作が得られることになる。
z方向の光を入射させると、入射光はリッジ光導波路3
内において回折格子2により回折を受ける。このときに
は、+y方向に向けて回折を受けることになるが、この
方向、即ちリッジ光導波路3の図示右側面には低反射膜
5が形成されているため、この側面を通して空間中に射
出され、回折が行われ、この回折により光が減衰される
ことになる。したがって、リッジ光導波路3を通過する
順方向と逆方向の各光に対して回折の非相反性が生じ、
光のアイソレーション動作が得られることになる。
【0019】この順方向と逆方向の光の回折の非相反性
の関係を各波数ベクトルの関係として図1(b)に示
す。リッジ光導波路3に入射する光の波数ベクトルと回
折格子2の波数ベクトルの合成が、+y方向となる逆方
向の光に対しては光の回折が起こり、これらの合成ベク
トルが−y方向となる順方向の光に対しては光を放射で
きないので回折は起こらない。したがって、順方向の光
は回折されずにそのまま伝搬し、逆方向の光は回折され
るので弱くなり、アイソレーション動作が得られる。
の関係を各波数ベクトルの関係として図1(b)に示
す。リッジ光導波路3に入射する光の波数ベクトルと回
折格子2の波数ベクトルの合成が、+y方向となる逆方
向の光に対しては光の回折が起こり、これらの合成ベク
トルが−y方向となる順方向の光に対しては光を放射で
きないので回折は起こらない。したがって、順方向の光
は回折されずにそのまま伝搬し、逆方向の光は回折され
るので弱くなり、アイソレーション動作が得られる。
【0020】この光アイソレータでは、InP基板上に
一体的に形成できるため、InP基板に形成される半導
体レーザとのモノリシックによる集積化が可能となる。
また、その製造工程においても、半導体レーザ等を製造
する際のフォトリソグラフィ技術、EB露光技術、薄膜
形成技術等を用いることにより形成でき、製造を容易に
行うことが可能となる。
一体的に形成できるため、InP基板に形成される半導
体レーザとのモノリシックによる集積化が可能となる。
また、その製造工程においても、半導体レーザ等を製造
する際のフォトリソグラフィ技術、EB露光技術、薄膜
形成技術等を用いることにより形成でき、製造を容易に
行うことが可能となる。
【0021】図3(a)は本発明の第2実施例の斜視図
である。この実施例においてもInP基板に光アイソレ
ータを構成した例を示している。先ず、図4(a)のよ
うに、InP基板1上の<011>方向に細長く、幅約
3μmの窓11aを開けたガラスマスク11を通常のフ
ォトリソグラフィ技術により形成する。ついで、窓11
aに露呈されたInP基板1の表面にEB露光技術等を
用いて回折格子2Aを形成する。この回折格子2Aのピ
ッチ寸法は25μmで、<011>方向に対して5°の
角度をなすように形成する。
である。この実施例においてもInP基板に光アイソレ
ータを構成した例を示している。先ず、図4(a)のよ
うに、InP基板1上の<011>方向に細長く、幅約
3μmの窓11aを開けたガラスマスク11を通常のフ
ォトリソグラフィ技術により形成する。ついで、窓11
aに露呈されたInP基板1の表面にEB露光技術等を
用いて回折格子2Aを形成する。この回折格子2Aのピ
ッチ寸法は25μmで、<011>方向に対して5°の
角度をなすように形成する。
【0022】次いで、図4(b)のように、前記ガラス
マスク11を利用してInP基板1上の回折格子2Aを
形成した上に、選択的にバンドギャップ波長1.13μ
m組成のInGaAsPを約1μm成長し、リッジ光導
波路3Aを形成する。
マスク11を利用してInP基板1上の回折格子2Aを
形成した上に、選択的にバンドギャップ波長1.13μ
m組成のInGaAsPを約1μm成長し、リッジ光導
波路3Aを形成する。
【0023】次いで、前記ガラスマスクを除去した後、
図4(c)のように、リッジ光導波路3Aの上面から片
側の側面を覆うようにRIE(リアクティブ・イオン・
エッチング)用ガラスマスク12を形成し、このガラス
マスク12を用いてリッジ光導波路3Aの露呈されてい
る側面を粗く削り取るようにRIEエッチングする。こ
れにより、このエッチングにより粗面された側面はこの
側面近傍のリッジ光導波路を透過する光に散乱損失を生
じさせる高損失面5Aとして形成される。その後、RI
E用ガラスマスク12は除去する。これにより、リッジ
光導波路3Aの反対側の側面は平坦な面のままであり、
低損失面4Aとして構成される。その後、このInP基
板1のウェハから300μm長に素子を切り出せば、1
0dB程度のアイソレーションを有する光アイソレータ
を得ることができる。
図4(c)のように、リッジ光導波路3Aの上面から片
側の側面を覆うようにRIE(リアクティブ・イオン・
エッチング)用ガラスマスク12を形成し、このガラス
マスク12を用いてリッジ光導波路3Aの露呈されてい
る側面を粗く削り取るようにRIEエッチングする。こ
れにより、このエッチングにより粗面された側面はこの
側面近傍のリッジ光導波路を透過する光に散乱損失を生
じさせる高損失面5Aとして形成される。その後、RI
E用ガラスマスク12は除去する。これにより、リッジ
光導波路3Aの反対側の側面は平坦な面のままであり、
低損失面4Aとして構成される。その後、このInP基
板1のウェハから300μm長に素子を切り出せば、1
0dB程度のアイソレーションを有する光アイソレータ
を得ることができる。
【0024】この光アイソレータでは、図3(a)のよ
うに、リッジ光導波路3Aに光を+z方向(同図の手前
から奥に向かう方向)に順方向の光を入射させると、入
射光はリッジ光導波路3A内において回折格子2Aによ
り回折を受ける。この回折は、光の進行方向に対して5
°の角度で僅かに左寄りに回折を受けるため、リッジ光
導波路3A内では光は図示の左側面に沿って伝搬される
ことになる。そして、この左側面は平坦な低損失面4A
として形成されているため、光の伝搬に影響を受けるこ
とは少なく、伝搬損失が少ない状態でリッジ光導波路3
Aを通過されることになる。
うに、リッジ光導波路3Aに光を+z方向(同図の手前
から奥に向かう方向)に順方向の光を入射させると、入
射光はリッジ光導波路3A内において回折格子2Aによ
り回折を受ける。この回折は、光の進行方向に対して5
°の角度で僅かに左寄りに回折を受けるため、リッジ光
導波路3A内では光は図示の左側面に沿って伝搬される
ことになる。そして、この左側面は平坦な低損失面4A
として形成されているため、光の伝搬に影響を受けるこ
とは少なく、伝搬損失が少ない状態でリッジ光導波路3
Aを通過されることになる。
【0025】一方、リッジ光導波路3Aに逆方向、即ち
−z方向の光を入射させると、入射光はリッジ光導波路
3A内において回折格子2Aにより5°の角度だけ僅か
左寄りに回折を受ける。このため、リッジ光導波路3A
内では光は図示の右側面に沿って伝搬されることにな
る。そして、この右側面は前記したように光に散乱損失
を生じさせる高損失面5Aとして構成されているため、
透過光はその散乱損失を受け、かつこの散乱損失が大き
いためにリッジ光導波路3Aを殆ど透過されなくなる。
これにより、順方向と逆方向の光の透過についての非相
反性が生じ、光のアイソレーション動作が得られること
になる。
−z方向の光を入射させると、入射光はリッジ光導波路
3A内において回折格子2Aにより5°の角度だけ僅か
左寄りに回折を受ける。このため、リッジ光導波路3A
内では光は図示の右側面に沿って伝搬されることにな
る。そして、この右側面は前記したように光に散乱損失
を生じさせる高損失面5Aとして構成されているため、
透過光はその散乱損失を受け、かつこの散乱損失が大き
いためにリッジ光導波路3Aを殆ど透過されなくなる。
これにより、順方向と逆方向の光の透過についての非相
反性が生じ、光のアイソレーション動作が得られること
になる。
【0026】この順方向と逆方向の光の回折の非相反性
の関係を各波数ベクトルの関係として図3(b)に示
す。リッジ光導波路3Aに入射する順方向及び逆方向の
光の波数ベクトルと回折格子2Aの波数ベクトルの合成
により、それぞれ−y方向、+y方向に偏倚されること
が判る。
の関係を各波数ベクトルの関係として図3(b)に示
す。リッジ光導波路3Aに入射する順方向及び逆方向の
光の波数ベクトルと回折格子2Aの波数ベクトルの合成
により、それぞれ−y方向、+y方向に偏倚されること
が判る。
【0027】したがって、この第2実施例の光アイソレ
ータにおいても、InP基板上に一体的に形成できるた
め、InP基板に形成される半導体レーザとのモノリシ
ックによる集積化が可能となる。また、その製造工程に
おいても、半導体レーザ等を製造する際のフォトリソグ
ラフィ技術、EB露光技術、薄膜形成技術等を用いるこ
とにより形成でき、製造を容易に行うことが可能とな
る。
ータにおいても、InP基板上に一体的に形成できるた
め、InP基板に形成される半導体レーザとのモノリシ
ックによる集積化が可能となる。また、その製造工程に
おいても、半導体レーザ等を製造する際のフォトリソグ
ラフィ技術、EB露光技術、薄膜形成技術等を用いるこ
とにより形成でき、製造を容易に行うことが可能とな
る。
【0028】なお、この第2実施例においては、リッジ
光導波路の高損失面5Aおける光の散乱損失を更に大き
くするために、この側面に光の吸収媒質を接触させるよ
うに構成してもよい。また、前記各実施例においては、
半導体基板上にリッジを設けたリッジ光導波路として構
成した例を示しているが、例えば半導体基板の表面に拡
散により形成されたチャネル構造の導波路や、チャネル
に埋め込み形成した導波路として形成してもよい。この
場合、拡散により形成するときには、チャネル構造の導
波路の上面に回折格子を形成する。また、埋め込みによ
り形成するときには、半導体基板に形成したチャネルの
底面に回折格子を形成し、チャネルの側面に反射コーテ
ィング膜や粗面を形成するようにする。
光導波路の高損失面5Aおける光の散乱損失を更に大き
くするために、この側面に光の吸収媒質を接触させるよ
うに構成してもよい。また、前記各実施例においては、
半導体基板上にリッジを設けたリッジ光導波路として構
成した例を示しているが、例えば半導体基板の表面に拡
散により形成されたチャネル構造の導波路や、チャネル
に埋め込み形成した導波路として形成してもよい。この
場合、拡散により形成するときには、チャネル構造の導
波路の上面に回折格子を形成する。また、埋め込みによ
り形成するときには、半導体基板に形成したチャネルの
底面に回折格子を形成し、チャネルの側面に反射コーテ
ィング膜や粗面を形成するようにする。
【0029】また、前記各実施例ではInP基板にIn
GaAsPを成長してリッジ光導波路を形成している
が、他の半導体基板に他の組成のリッジ構造やチャネル
構造を形成して導波路を構成してもよい。
GaAsPを成長してリッジ光導波路を形成している
が、他の半導体基板に他の組成のリッジ構造やチャネル
構造を形成して導波路を構成してもよい。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明の第1の光ア
イソレータは、平面基板の表面に沿って光導波路を有
し、この光導波路に光の進行方向とある角度をなすよう
な回折格子を有し、かつ光導波路の光の進行方向に対す
る左右の側面の反射率が相違するように構成しているの
で、光導波路内を進行される光は、回折格子によって側
面方向に回折されることになり、その回折方向の光導波
路の側面の反射率の相違によって回折による光の減衰量
に差が生じるため、光導波路内を進行される光に非相反
性が生じ、光アイソレータとして機能される。
イソレータは、平面基板の表面に沿って光導波路を有
し、この光導波路に光の進行方向とある角度をなすよう
な回折格子を有し、かつ光導波路の光の進行方向に対す
る左右の側面の反射率が相違するように構成しているの
で、光導波路内を進行される光は、回折格子によって側
面方向に回折されることになり、その回折方向の光導波
路の側面の反射率の相違によって回折による光の減衰量
に差が生じるため、光導波路内を進行される光に非相反
性が生じ、光アイソレータとして機能される。
【0031】また、本発明の第2の光アイソレータは、
平面基板の表面に沿って光導波路を有し、この光導波路
に光の進行方向とある角度をなすような回折格子を有
し、かつ光導波路の光の進行方向に対する左右の側面に
おける光損失が相違するように構成しているので、光導
波路内を進行される光は、回折格子によって側面方向に
偏った状態で進行されることになり、その偏った側の光
導波路の側面における光損失の相違によって光の減衰量
に差が生じるため、光導波路内を進行される光に非相反
性が生じ、光アイソレータとして機能される。
平面基板の表面に沿って光導波路を有し、この光導波路
に光の進行方向とある角度をなすような回折格子を有
し、かつ光導波路の光の進行方向に対する左右の側面に
おける光損失が相違するように構成しているので、光導
波路内を進行される光は、回折格子によって側面方向に
偏った状態で進行されることになり、その偏った側の光
導波路の側面における光損失の相違によって光の減衰量
に差が生じるため、光導波路内を進行される光に非相反
性が生じ、光アイソレータとして機能される。
【0032】さらに、本発明の光アイソレータの製造方
法は、半導体基板の表面に画成された細長い領域に、そ
の長手方向に対して所要の角度をなすように回折格子を
形成し、この回折格子を形成した領域上に光透過素材に
よりリッジ型の光導波路を形成し、このリッジ光導波路
の一方の側面に高反射率コーティング膜を形成し、他方
の側面に低反射率コーティング膜を形成する工程とを含
むことで、前記第1の発明の光アイソレータの製造が実
現される。
法は、半導体基板の表面に画成された細長い領域に、そ
の長手方向に対して所要の角度をなすように回折格子を
形成し、この回折格子を形成した領域上に光透過素材に
よりリッジ型の光導波路を形成し、このリッジ光導波路
の一方の側面に高反射率コーティング膜を形成し、他方
の側面に低反射率コーティング膜を形成する工程とを含
むことで、前記第1の発明の光アイソレータの製造が実
現される。
【0033】あるいは、本発明の光アイソレータの製造
方法は、半導体基板の表面に画成された細長い領域に、
その長手方向に対して所要の角度をなすように回折格子
を形成し、この回折格子を形成した領域上に光透過素材
によりリッジ型の光導波路を形成し、このリッジ光導波
路の一方の側面の表面をエッチング処理してその表面を
粗面に形成する工程とを含むことで、前記第2の発明の
光アイソレータの製造が実現される。
方法は、半導体基板の表面に画成された細長い領域に、
その長手方向に対して所要の角度をなすように回折格子
を形成し、この回折格子を形成した領域上に光透過素材
によりリッジ型の光導波路を形成し、このリッジ光導波
路の一方の側面の表面をエッチング処理してその表面を
粗面に形成する工程とを含むことで、前記第2の発明の
光アイソレータの製造が実現される。
【図1】本発明の第1実施例の斜視図とその動作原理を
説明するための図である。
説明するための図である。
【図2】第1実施例の製造方法を工程順に示す斜視図で
ある。
ある。
【図3】本発明の第2実施例の斜視図とその動作原理を
説明するための図である。
説明するための図である。
【図4】第2実施例の製造方法を工程順に示す斜視図で
ある。
ある。
【図5】従来の磁気光学効果を利用した光アイソレータ
の動作を説明するための模式的な構造図である。
の動作を説明するための模式的な構造図である。
1 InP基板 2,2A 回折格子 3,3A リッジ光導波路 4 高反射膜 4A 低損失面 5 低反射膜 5A 高損失面
Claims (8)
- 【請求項1】 平面基板の表面に沿って形成された光導
波路と、この光導波路に臨んで形成され、光導波路内で
の光の進行方向とある角度をなすように形成された回折
格子とを備え、前記光導波路の光の進行方向に対する左
右の側面の反射率が相違するように構成したことを特徴
とする光非相反回路。 - 【請求項2】 光導波路は半導体基板の表面に形成され
た光透過素材からなるリッジ型の光導波路であり、回折
格子は前記半導体基板と前記リッジ型光導波路との界面
に形成され、リッジ型光導波路の一方の側面を光の高反
射率面として構成し、他方の側面を光の低反射率面とし
て構成してなる請求項1の光非相反回路。 - 【請求項3】 リッジ型光導波路は半導体基板の<01
1>方向に形成され、回折格子はリッジ型光導波路の延
長方向に対して73°の角度をなす方向に形成される請
求項2の光非相反回路。 - 【請求項4】 平面基板の表面に沿って形成された光導
波路と、この光導波路に臨んで形成され、光導波路内で
の光の進行方向とある角度をなすように形成された回折
格子とを備え、前記光導波路の光の進行方向に対する左
右の側面における光損失が相違するように構成したこと
を特徴とする光非相反回路。 - 【請求項5】 光導波路は半導体基板の表面に形成され
た光透過素材からなるリッジ型の光導波路であり、回折
格子は前記半導体基板と前記リッジ型光導波路との界面
に形成され、リッジ型光導波路の一方の側面を平滑面と
して構成し、他方の側面を粗面として構成してなる請求
項4の光非相反回路。 - 【請求項6】 リッジ型光導波路は半導体基板の<01
1>方向に形成され、回折格子はリッジ型光導波路の延
長方向に対して5°の角度をなす方向に形成される請求
項5の光非相反回路。 - 【請求項7】 半導体基板の表面に画成された細長い領
域に、その長手方向に対して所要の角度をなすように回
折格子を形成する工程と、この回折格子を形成した領域
上に光透過素材によりリッジ型の光導波路を形成する工
程と、このリッジ型光導波路の一方の側面に高反射率コ
ーティング膜を形成する工程と、他方の側面に低反射率
コーティング膜を形成する工程とを含むことを特徴とす
る光非相反回路の製造方法。 - 【請求項8】 半導体基板の表面に画成された細長い領
域に、その長手方向に対して所要の角度をなすように回
折格子を形成する工程と、この回折格子を形成した領域
上に光透過素材によりリッジ型の光導波路を形成する工
程と、このリッジ型光導波路の一方の側面の表面をエッ
チング処理してその表面を粗面に形成する工程とを含む
ことを特徴とする光非相反回路の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10791895A JP2687923B2 (ja) | 1995-04-08 | 1995-04-08 | 光非相反回路とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10791895A JP2687923B2 (ja) | 1995-04-08 | 1995-04-08 | 光非相反回路とその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08278423A JPH08278423A (ja) | 1996-10-22 |
JP2687923B2 true JP2687923B2 (ja) | 1997-12-08 |
Family
ID=14471355
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10791895A Expired - Lifetime JP2687923B2 (ja) | 1995-04-08 | 1995-04-08 | 光非相反回路とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2687923B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4786024B2 (ja) | 2000-11-20 | 2011-10-05 | 三菱電機株式会社 | 分布帰還型レーザおよびその製造方法 |
-
1995
- 1995-04-08 JP JP10791895A patent/JP2687923B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08278423A (ja) | 1996-10-22 |
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