JP2004252150A - 光アイソレータおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高価な磁気光学材料を使用することなく、かつ、レンズ系を用いることなく、製造が容易で安価な光アイソレータを提供する。
【解決手段】本発明の光アイソレータ10は、第1光ファイバF1に光学結合され、かつ入射端Aから出射端Dに向けてテーパー状に広がった第1導波路12と、第2光ファイバF2に光学結合され、かつ入射端Cから出射端Dに向けてテーパー状に狭まった第2導波路13と、第1導波路12と第2導波路13との間にスラブ導波路14を備えている。そして、第1導波路12の出射面Bと第2導波路13の入射面Cはスラブ導波路14を介して同位置となるように配置され、かつ第2導波路13は第1導波路12に対して角度がθだけ傾斜して配置されている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の光アイソレータ10は、第1光ファイバF1に光学結合され、かつ入射端Aから出射端Dに向けてテーパー状に広がった第1導波路12と、第2光ファイバF2に光学結合され、かつ入射端Cから出射端Dに向けてテーパー状に狭まった第2導波路13と、第1導波路12と第2導波路13との間にスラブ導波路14を備えている。そして、第1導波路12の出射面Bと第2導波路13の入射面Cはスラブ導波路14を介して同位置となるように配置され、かつ第2導波路13は第1導波路12に対して角度がθだけ傾斜して配置されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信システムなどに利用される半導体レーザ等に不要な反射戻り光を戻さないようにするための光アイソレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信の分野において、レーザー光源の安定、線路エコーの抑制、光増幅器の雑音発生防止等を目的として光アイソレータが使用されている。従来、この種の光アイソレータは個別部品を組み合わせたバルク型と呼ばれるものが実用に供されていた。図8は従来の光アイソレータの構造と動作原理を示す図である。この光アイソレータは、基本的には2枚の偏光板21,22と、その間に配置された磁気光学効果(ファラデー効果)を示すYIGのような磁気効果結晶23と、これに磁界を与える永久磁石(図示せず)とで構成される。2枚の偏光板21,22は偏光面が45°異なるように配置されており、磁気光学結晶23は透過光の偏光面を進行方向に対して右回り方向に45°回転させるものを用いる。
【0003】
したがって、このアイソレータに順方向(図の左から右に向けて)に入射する光に対しては、図8(a)のように、入射側の偏光板21を透過し、磁気光学結晶23により偏光面が進行方向に対して右回り方向に45°回転されるため、出力側の偏光板22を透過する。一方、逆方向に入射する光は、図8(b)のように、偏光板22を透過した後、磁気光学結晶23により進行方向に対して左回りに45°回転されるため、透過後は偏光板21に対して直交する偏光方向とされ、偏光板21を透過することができなくなる。したがって、光の入射方向に非相反性が生じ、アイソレーション動作が得られる。
【0004】
ところが、このような光アイソレータは、磁気光学結晶、一対の偏光板、永久磁石等の部品が必要であり、構造が複雑になるとともに、小型化が難しいという問題があった。また、磁気光学効果を利用するために磁気光学結晶が必要となる。このため、半導体基板上に半導体装レーザや光導波路と共にモノリシックに集積化することが難しいという問題があった。
そこで、特許文献1(特開平7−199119号公報)や特許文献2(特開平9−197346公報)等に示されるような光アイソレータが提案されるようになった。
【特許文献1】
特開平7−199119号公報
【特許文献2】
特開平9−197346公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特開平7−199119号公報や特開平9−197346公報において提案された光アイソレータにおいても、高価な磁気光学材料を使用するため、この種の光アイソレータが高価になるという問題を生じた。また、光アイソレータの構造も複雑になるため、製造が複雑で面倒になるという問題を生じた。さらに、一対のレンズ系を用いる必要があるため、透過光(順方向光)のロスが3dBと大きいとともに、非透過光(反射光あるいは戻り光)も一部が透過するという問題があった。
【0006】
本発明は上述したような問題点を解消するためになされものであって、高価な磁気光学材料を使用することなく、かつ、レンズ系を用いることなく、製造が容易で安価な光アイソレータを提供することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の如き目的を達成するため、本発明の光アイソレータは、第1の光ファイバに光学結合され、かつ入射面から出射面に向けてテーパー状に広がった第1導波路と、第2の光ファイバに光学結合され、かつ入射面から出射面に向けてテーパー状に狭まった第2導波路と、第1導波路と第2導波路との間にスラブ導波路を備え、第1導波路の出射面と第2導波路の入射面はスラブ導波路を介して同位置となるように配置され、かつ第2導波路は第1導波路に対して傾斜して配置されている。なお、本明細書における入射面(出射面)は、導波路の入射側端面(出射側端面)における導波路断面を意味する。
【0008】
ここで、第1導波路の入射面に順方向光が入射すると、この光は第1導波路の入射面からテーパー状に拡がりながら出射面に向けて進行し、スラブ導波路に入射する。すると、このスラブ導波路に対して同位置に入射面が配置された第2導波路に向けてスラブ導波路内を平行光となって伝搬しながら、第2導波路の入射面に入射する。第2導波路の入射面に入射した光は入射面から出射面に向けてテーパー状に狭まった第2導波路を伝搬して、この第2導波路に光学結合された第2の光ファイバに効率よく入射することとなる。
【0009】
一方、第2の光ファイバからの戻り光(逆方向の反射光)が第2導波路に入射すると、出射面(戻り光の入射面)から入射面(戻り光の出射面)に向けて第2導波路内をテーパー状に拡がりながら伝搬する。ところが、第2導波路は第1導波路に対して傾斜して配置されているため、第2導波路内をテーパー状に拡がりながら伝搬した光(逆方向の反射光)はスラブ導波路内を平行光となって伝搬するため、第1導波路の出射面(戻り光の入射面)に入射することができないこととなる。これにより、第1導波路に入射した光(順光)は第2導波路から効率よく出射させることが可能であるとともに、第2導波路に入射した戻り光(反射光)が第1導波路に入射するのを阻止することが可能となる。
【0010】
なお、第1導波路と第2導波路との傾斜角度が5〜10度であれば、第1導波路に入射した光(順光)を第2導波路に効率よく入射させることが可能になるとともに、第2導波路に入射した戻り光(反射光)が第1導波路に入射するのを阻止することが可能となる。このため、第1導波路と第2導波路との傾斜角度が5〜10度になるように設定するのが望ましい。また、スラブ導波路のコアの屈折率を変化させても、スラブ導波路の第1導波路からの出射面の幅およびスラブ導波路の第2導波路への出射面の幅が50μm以上(真空中での波長が1.5μmとなるレーザ光を用いた場合)であると、スポット径が入射面(あるいは出射面)の幅とほぼ等しくなることが分った。
【0011】
即ち、スラブ導波路への入射面(あるいは出射面)の幅が50μm以上であれば、スラブ導波路内ではほぼ平行光になることが分かった。このため、スラブ導波路の第1導波路からの出射面の幅およびスラブ導波路の第2導波路への出射面の幅は50μm以上であるのが望ましい。さらに、第1導波路と第2導波路とスラブ導波路は上クラッドと下クラッドに被覆されたコアであると、導波路型光アイソレータを構成することが可能となる。この場合、第1導波路と第2導波路とスラブ導波路は屈折率が1.50〜1.60のフッ素化ポリイミド樹脂からなるのが好ましい。
【0012】
上述のような構成となる光アイソレータを製造するには、表面に下クラッド層とコア層が形成された基板上にレジストを塗布するレジスト塗布工程と、入射端から出射端に向けてテーパー状に広がった第1導波路と、入射端から出射端に向けてテーパー状に狭まった第2導波路が所定の傾斜角度になるとともに、第1導波路と第2導波路との間にスラブ導波路が形成されるようにレジストをパターニングするパターニング工程と、パターニングされたレジストをマスクとしてコア層をドライエッチングするドライエッチング工程と、残存するレジストを除去するレジスト除去工程と、レジストが除去された表面に上クラッド層を形成する上クラッド形成工程とを備えるようにすればよい。
【0013】
又は、表面に下クラッド層とコア層が形成された基板上にドライエッチングにより除去される厚みにレジストを塗布するレジスト塗布工程と、入射端から出射端に向けてテーパー状に広がった第1導波路と、入射端から出射端に向けてテーパー状に狭まった第2導波路が所定の傾斜角度になるとともに、第1導波路と第2導波路との間にスラブ導波路が形成されるようにレジストをパターニングするパターニング工程と、パターニングされたレジストをマスクとしてコア層をドライエッチングするとともにレジストを除去するドライエッチング工程と、レジストが除去された表面に上クラッド層を形成する上クラッド形成工程とを備えるようにしてもよい。
【0014】
あるいは、表面に下クラッド層とコア層が形成された基板上にスパッタリングによりアルミニウム膜を成膜する成膜工程と、成膜されたアルミニウム膜の上にレジストを塗布するレジスト塗布工程と、入射端から出射端に向けてテーパー状に広がった第1導波路と、入射端から出射端に向けてテーパー状に狭まった第2導波路が所定の傾斜角度になるとともに、第1導波路と第2導波路との間にスラブ導波路が形成されるようにレジストおよびアルミニウム膜をパターニングするパターニング工程と、パターニングされたレジストおよびアルミニウム膜をマスクとしてコア層およびレジストをドライエッチングするドライエッチング工程と、残存するアルミニウム膜を除去するアルミニウム膜除去工程と、アルミニウム膜が除去された表面に上クラッド層を形成する上クラッド形成工程とを備えるようにしてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
ついで、本発明の一実施の形態を図1〜図7に基づいて説明するが、本発明はこの実施の形態に何ら限定されるものでなく、本発明の目的を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。なお、図1は本発明の光アイソレータを模式的に示す上面図である。図2は図1の光アイソレータに光が入射した状態を模式的に示す図であり、図2(a)は順方向の光が入射した状態を模式的に示す上面図であり、図2(b)は戻り光(逆方向の反射光)が入射した状態を模式的に示す上面図である。図3はスラブ導波路の入射面での入射導波路幅と、これより1mm先での入射光のスポット径の関係を示す図である。図4は変形例の光アイソレータに戻り光(逆方向の反射光)が入射した状態を模式的に示す上面図である。図5は本発明の光アイソレータの第1実施例の製造工程を模式的に示す図である。図6は本発明の光アイソレータの第2実施例の製造工程を模式的に示す図である。図7は本発明の光アイソレータの第3実施例の製造工程を模式的に示す図である。
【0016】
1.光アイソレータ
本実施の形態の光アイソレータ10は、図1に示すように、シリコン基板11上に形成された、第1の光ファイバF1からのレーザ光が入射される第1導波路12と、第2の光ファイバF2へ導出する第2導波路13と、第1導波路と第2導波路13とを結合するスラブ導波路14とから構成されている。なお、シリコン基板11に代えて石英基板を用いるようにしてもよい。
【0017】
第1導波路12は、屈折率が1.6(n=1.6)のフッ素化ポリイミド樹脂から構成されており、後述する屈折率が1.5(n=1.5)のフッ素化ポリイミド樹脂からなる下クラッド11aと、後述する屈折率が1.5(n=1.5)のフッ素化ポリイミド樹脂からなる上クラッド11e(11h,11l)で覆われている。この第1導波路12は、高さ(厚み)が10μmで、直径が10μmの第1光ファイバF1からの入射面の幅(入射幅)は10μmで、スラブ導波路14との接続部(入射面)の幅(出射幅)が50μmになるようにテーパー状に拡大するように形成されている。そして、スラブ導波路14との接続部(入射面)までの長さは1000μmになるように形成されている。
【0018】
また、第2導波路13は、屈折率が1.6(n=1.6)のフッ素化ポリイミド樹脂から構成されており、後述する屈折率が1.5(n=1.5)のフッ素化ポリイミド樹脂からなる下クラッド11aと、後述する屈折率が1.5(n=1.5)のフッ素化ポリイミド樹脂からなる上クラッド11e(11h,11l)で覆われている。この場合、この第2導波路13は、高さ(厚み)が10μmで、スラブ導波路14との接続部(出射面)の幅(入射幅)が50μmで、直径が10μmの第2光ファイバF2への入射面の幅(出射幅)が10μmになるようにテーパー状に狭まるように形成されている。そして、スラブ導波路14との接続部(出射面)までの長さは1000μmになるように形成されている。
【0019】
スラブ導波路14は、第1導波路12および第2導波路13と同様に、屈折率が1.6(n=1.6)のフッ素化ポリイミド樹脂から構成されており、後述する屈折率が1.5(n=1.5)のフッ素化ポリイミド樹脂からなる下クラッド11aと、後述する屈折率が1.5(n=1.5)のフッ素化ポリイミド樹脂からなる上クラッド11e(11h,11l)で覆われている。このスラブ導波路14は幅が500μmで、長さが1000μmになるように形成されている。
【0020】
ここで、第1導波路12とスラブ導波路14との境界(第1導波路12の出射面)Bと、第2導波路13とスラブ導波路14との境界(第2導波路13の入射面)Cとは、同位置になるように形成されている。また、第2導波路13の光軸Yは第1導波路12の光軸Xに対して所定の角度θだけ傾斜するように形成されている。この場合は、θ=5°になるように形成しているが、5°に限らず、5°≦θ≦10°の範囲内になるように形成すればよい。これは、θが10°以下であれば順方向での損失が0.5dB以下と少なく、θが5°以上であれば逆方向での損失が30dB以上と大きくなるためである。
【0021】
2.光アイソレータの動作
ついで、上述のような構成となる光アイソレータ10の動作について説明する。まず、レーザ光が順光として第1の光ファイバ(直径10μm)F1から10μm幅の第1導波路12の入射面Aに入射すると、この入射光は第1導波路12内をテーパー状に拡がりながら伝搬する。すると、幅が50μmに設定された第1導波路12の出射面Bから、スポット直径が50μmの光束としてスラブ導波路14に入射する。
【0022】
スラブ導波路14に入射した光は、50μmのスポット直径を維持したまま、図2(a)の矢印に示すように、スラブ導波路14内を平行光となって伝搬する。この後、このスラブ導波路14に対して第1導波路12の出射面Bと同位置に入射面Cが配置された第2導波路13の入射面Cに向けて伝搬し、やがては、幅が50μmに設定された第2導波路13の入射面Cに入射する。そして、第2導波路13の入射面Cに入射した光は入射面Cから出射面Dに向けてテーパー状に狭まった第2導波路13を伝搬して、この第2導波路13に光学結合された第2の光ファイバF2に効率よく入射することとなる。
【0023】
ここで、第2導波路13の光軸Yは、第1導波路12の光軸Xに対して5°(θ=5°)だけ傾斜しているが、全反射角より浅い角度で光が第2導波路13に進入するため、第2導波路13に進入した光の殆どが、この第2導波路13に光学結合された第2光ファイバF2に効率よく入射することとなる。このとき、スラブ導波路14から第2導波路13に入射する際に多少のロスが生じるが、そのロスは小さくて約0.5dBという測定結果が得られた。
【0024】
一方、第2の光ファイバ(直径10μm)F2から出射された光が戻り光(反射光)となって、第2の光ファイバF2から10μm幅の第2導波路13の出射面(戻り光の入射面)Dに入射すると、この戻り光(反射光)は第2導波路13内をテーパー状に拡がりながら伝搬する。すると、幅が50μmに設定された第2導波路13の入射面(戻り光の出射面)Cから、スポット直径が50μmの光束としてスラブ導波路14に入射する。
【0025】
すると、スラブ導波路14に入射した戻り光(反射光)は、50μmのスポット直径を維持したまま、図2(b)の矢印に示すように、スラブ導波路14内を平行光となって伝搬することとなる。ところが、第2導波路13の光軸Yは、第1導波路12の光軸Xに対して5°(θ=5°)だけ傾斜している。このため、スラブ導波路14に入射した戻り光(反射光)は、第1導波路12の出射面(戻り光の入射面)Bに直接入射することなくスラブ導波路14の界面14αを透過する。
【0026】
しかしながら、図2(b)の矢印に示すように、残りの一部はスラブ導波路14の界面14αで反射した後、スラブ導波路14の界面14βを透過する。さらに、残りの一部は再度、界面14βで反射した後、スラブ導波路14の界面14βを透過する。このような反射を繰り返す内に、やがては、一部の反射光は第1導波路12の出射面(戻り光の入射面)Bに入射することとなる。この結果、第2導波路13の出射面(戻り光の入射面)Dに入射した一部の戻り光のみが第1導波路12に入射することとなって、大部分の戻り光は第1導波路12の出射面(戻り光の入射面)Bに入射することなく、阻止されることとなる。この過程でのロスの測定結果は38dBであった。
【0027】
3.第1導波路(第2導波路)のスラブ導波路への入射幅についての検討
ここで、第1導波路12のスラブ導波路14への入射面(反射光における第2導波路13のスラブ導波路14への入射面も同様である)の幅を、上述のように50μmに設定した理由を以下に述べる。そこで、真空中での波長が1.5μmとなるレーザ光を用いて、スラブ導波路(この場合のコアの屈折率nは1.6(n=1.6)であり、上クラッドおよび下クラッドの屈折率nは1.5(n=1.5)である)14への入射面B(C)の幅を5μm間隔で10μm〜100μmまで変化させた場合の1mm(1000μm)先の入射面C(B)の幅、即ち、スポット径を測定すると図3の○印で示すような結果が得られた。
【0028】
また、スラブ導波路14のコアの屈折率nを2.0(例えば、Si3N4からなる)、3.4(例えば、シリコンからなる)と変化させたときの第1導波路12のスラブ導波路14への入射面の幅を5μm間隔で10μm〜100μmまで変化させた場合の1mm(1000μm)先の入射面C(B)の幅、即ち、スポット径を測定すると図3の□印(n=2.0の場合)、△印(n=3.4の場合)で示すような結果が得られた。この場合、上クラッドおよび下クラッドの屈折率nは1.5で上述と同じである。
【0029】
図3の結果から明らかなように、スラブ導波路14のコアの屈折率nを変化させても、スラブ導波路14への入射面B(C)の幅が50μm以上であると、スポット径(入射面C(B)の幅)が入射面B(C)の幅とほぼ等しくなることが分かる。即ち、スラブ導波路14への入射面B(C)の幅が50μm以上であれば、スラブ導波路14内ではほぼ平行光になることが分かる。この場合、スラブ導波路14への入射面B(C)の幅が大きくなると、スラブ導波路14自体の幅も大きくなるため、できる限り50μmに近づけるのが望ましいということができるが、50μmに限定する必要はなく、50μm以上であればよい。なお、ここでのスポット径は、入射光の入射面B(C)での振幅(光の強度)の最大値が1/eとなる光の幅を意味するため、入射面B(C)での導波路の幅よりも光の幅の方が小さくなる結果となった。
【0030】
4.変形例
上述した例においては、平面形状を長方形状に形成したスラブ導波路14を用いる例について説明したが、スラブ導波路としては長方形状以外の他の形状に形成して、戻り光(反射光)が第1導波路12に入射するのをより以上に阻止することが可能にすることができる。この場合、図4に示すような光アイソレータ10aが考えられる。本変形例の光アイソレータ10aは、シリコン基板11上に形成された第1導波路12aと、第2導波路13aと、第1導波路12aと第2導波路13aとを結合するスラブ導波路14aとから構成される。なお、シリコン基板11、第1導波路12aおよび第2導波路13aは上述と同様であるので、その説明は省略する。
【0031】
ここで、本変形例におけるスラブ導波路14aにおいては、スラブ導波路14aの一部の界面を突出させた突起部14a−1を形成したことに特徴を有する。このような突起部14a−1を備えるようにすると、図4の矢印で示すように、スラブ導波路14aに入射した戻り光(反射光)は突起部14a−1で多重反射を繰り返しながら減衰するようになる。このため、この光アイソレータ10aに入射した戻り光(反射光)のロスは42dBとなり、さらに改善されることとなる。
【0032】
5.光アイソレータの作製法
(1)実施例1
ついで、上述のような構成となる光アイソレータ10の実施例1の作製方法について以下に説明する。まず、図5(a)に示すように、シリコンウェハ(シリコン基板)11を用意し、このシリコン基板(厚みは約625μm)11の上に屈折率が1.5(n=1.5)のフッ素化ポリイミド樹脂を10μmの厚みに塗布した後、窒素雰囲気中で室温から2時間で250℃に昇温し、1時間保持し、さらに30分で350℃に昇温し、2時間保持して焼成した後、室温に戻すようにして下部クラッド層11aを形成した。この後、この屈折率が1.5のフッ素化ポリイミド樹脂よりなる下部クラッド層11aの上に、屈折率が1.6(n=1.6)のフッ素化ポリイミド樹脂を10μmの厚みに塗布した。
【0033】
ついで、窒素雰囲気中で室温から2時間で250℃に昇温し、1時間保持し、さらに30分で350℃に昇温し、2時間保持して焼成した後、室温に戻すようにしてコア層11bを形成した。この後、屈折率が1.6のフッ素化ポリイミド樹脂よりなるコア層11bの上に、レジスト(例えば、ノボラック系レジストよりなる)を15μmの厚みに塗布してレジスト層11cを形成した。この後、このレジスト層11cをステッパー(縮小投影型露光装置)を用いて、パターニングした後現像して、図5(b)に示すように、テーパー状の第1導波路および第2導波路とスラブ導波路のパターン11dを形成した。この場合、図1に示されるような、テーパー状の第1導波路および第2導波路と、スラブ導波路が形成されるようにパターニングした。
【0034】
ついで、形成されたレジストよりなるパターン11dをマスクとして、O2ガスによるRIE(Reactive Ion Etching)を施した。このとき、コア層11bのフッ素化ポリイミド樹脂を10μmの厚みだけエッチングした。これにより、図5(c)に示すような、テーパー状の第1導波路12および第2導波路13と、スラブ導波路14(図1参照)が形成されることとなる。この後、残存したレジストパターン11dをアセトンにより除去して、図5(d)に示すように、テーパー状の第1導波路12および第2導波路13と、スラブ導波路14を露出させる。
【0035】
ついで、図5(e)に示すように、これらの上に屈折率が1.5(n=1.5)のフッ素化ポリイミド樹脂を10μmの厚みに塗布した後、窒素雰囲気中で室温から2時間で250℃に昇温し、1時間保持し、さらに30分で350℃に昇温し、2時間保持して焼成した後、室温に戻すようにして上部クラッド層11eを形成した。この後、所定の形状になるよう切断して光アイソレータ10を作製した。
【0036】
上述した実施例1の光アイソレータ10の作製方法においては、第1導波路12、第2導波路13およびスラブ導波路14が、レジストをマスクとしてエッチングにより簡単かつ正確に形成されることとなる。しかしながら、残存したレジストをアセトンにより除去する必要があるため、このアセトンにより第1導波路12、第2導波路13およびスラブ導波路14がダメージを受ける恐れが生じる。そこで、以下の実施例においては、アセトンによりレジストを除去する必要がない方法を提案した。
【0037】
(2)実施例2
ついで、上述のような構成となる光アイソレータ10の実施例2の作製方法について以下に説明する。まず、図6(a)に示すように、上述と同様に、シリコン基板11上にフッ素化ポリイミド樹脂(n=1.5)を10μmの厚みに塗布した後、窒素雰囲気中で室温から2時間で250℃に昇温し、1時間保持し、さらに30分で350℃に昇温し、2時間保持して焼成した後、室温に戻すようにして下部クラッド層11aを形成した。この後、この上に屈折率が1.6のフッ素化ポリイミド樹脂を10μmの厚みに塗布した後、窒素雰囲気中で160℃の温度で1時間焼成してコア層11bを形成した。
【0038】
ついで、コア層11bの上に、レジスト(例えば、ノボラック系レジストよりなる)を10μmの厚みに塗布してレジスト層11fを形成した。この後、このレジスト層11fをステッパー(縮小投影型露光装置)を用いて、パターニングした後現像して、図6(b)に示すように、テーパー状の第1導波路および第2導波路とスラブ導波路のパターン11gを形成した。この後、パターン11gをマスクとして、O2ガスによるRIE(Reactive Ion Etching)を施して、コア層11bのフッ素化ポリイミド樹脂を10μmの厚みだけエッチングした。
【0039】
これにより、図6(c)に示すような、テーパー状の第1導波路12および第2導波路13と、スラブ導波路14(図1参照)が形成されるとともに、レジストパターン11gも除去されることとなる。ついで、図6(d)に示すように、これらの上に屈折率が1.5(n=1.5)のフッ素化ポリイミド樹脂を10μmの厚みに塗布した後、窒素雰囲気中で室温から2時間で250℃に昇温し、1時間保持し、さらに30分で350℃に昇温し、2時間保持して焼成した後、室温に戻すようにして上部クラッド層11hを形成した。この後、所定の形状になるよう切断して光アイソレータ10を作製した。
【0040】
上述した実施例2の光アイソレータ10の作製方法においては、第1導波路12、第2導波路13およびスラブ導波路14が、レジストをマスクとしてエッチングされるとともに、同時にレジストも除去されるため、残存したレジストをアセトンにより除去する工程が不必要となる。この結果、第1導波路12、第2導波路13およびスラブ導波路14が、実施例1よりは簡単かつ容易に形成されることとなる。しかしながら、レジスト層11fの厚みを正確にコントロールすることが困難であるために、第1導波路12、第2導波路13およびスラブ導波路14を正確に形成できないという恐れが生じる。そこで、以下の実施例においては、アセトンによりレジストを除去する必要がなく、かつレジスト層の厚みを正確に制御する必要がない方法を提案した。
【0041】
(3)実施例3
ついで、上述のような構成となる光アイソレータ10の実施例3の作製方法について以下に説明する。まず、図7(a)に示すように、上述と同様に、シリコン基板11上にフッ素化ポリイミド樹脂(n=1.5)を10μmの厚みに塗布した後、窒素雰囲気中で室温から2時間で250℃に昇温し、1時間保持し、さらに30分で350℃に昇温し、2時間保持して焼成した後、室温に戻すようにして下部クラッド層11aを形成した。この後、この上に屈折率が1.6のフッ素化ポリイミド樹脂を10μmの厚みに塗布した後、窒素雰囲気中で室温から2時間で250℃に昇温し、1時間保持し、さらに30分で350℃に昇温し、2時間保持して焼成した後、室温に戻すようにしてしてコア層11bを形成した。
【0042】
ついで、図7(b)に示すように、コア層11bの上に、アルミニウム(Al)膜11iをスパッタにより200Åの厚みに成膜した後、この上にレジスト(例えば、ノボラック系レジストよりなる)を2μmの厚みに塗布してレジスト層11jを形成した。この後、このレジスト層11jをステッパー(縮小投影型露光装置)を用いて、パターニングした後、現像して、図7(c)に示すように、テーパー状の第1導波路および第2導波路とスラブ導波路のパターン11kを形成した。この場合、図1に示されるような、テーパー状の第1導波路および第2導波路と、スラブ導波路が形成されるようにパターニングした。なお、この現像により、レジスト層11jが付着していないアルミニウム(Al)膜11iはエッチングされて、アルミニウム(Al)膜11iにもパターン11kが転写される。
【0043】
ついで、O2ガスによるRIE(Reactive Ion Etching)を施した。このとき、レジストパターン11kはRIEにより除去されるため、図7(d)に示すように、Al膜11iをマスクとして、コア層11bのフッ素化ポリイミド樹脂を10μmの厚みだけエッチングした。この後、レジスト現像液に浸漬して、Al膜11iを浸食して除去して図7(e)に示すように、テーパー状の第1導波路12および第2導波路13と、スラブ導波路14を露出させた。
【0044】
ついで、図7(f)に示すように、これらの上に屈折率が1.5(n=1.5)のフッ素化ポリイミド樹脂を10μmの厚みに塗布した後、窒素雰囲気中で室温から2時間で250℃に昇温し、1時間保持し、さらに30分で350℃に昇温し、2時間保持して焼成した後、室温に戻すようにして上部クラッド層11lを形成した。この後、所定の形状になるよう切断して光アイソレータ10を作製した。
【0045】
上述した実施例3の光アイソレータ10の作製方法においては、アセトンによりレジストを除去する必要がなく、かつレジスト層の厚みを正確に制御する必要がないため、上述した実施例1,2より精度良く、かつ、簡単、容易に第1導波路12、第2導波路13およびスラブ導波路14を形成することが可能となる。しかしながら、RIEの際にアルミニウムが第1導波路12、第2導波路13およびスラブ導波路14に進入して不純物として悪影響を及ぼす恐れがある。
【0046】
【発明の効果】
上述したように、本発明においては、第1導波路12の出射面Bと第2導波路13の入射面Cはスラブ導波路14を介して同位置となるように配置され、かつ第2導波路13は第1導波路12に対して角度がθだけ傾斜して配置されている。このため、レーザ光が順光として第1導波路12の入射面Aに入射されると、この入射光は第1導波路12内を拡がりながら伝搬し、スポット直径が50μmの光束としてスラブ導波路14に入射する。このスラブ導波路14に入射した光は50μmのスポット直径を維持したまま、スラブ導波路14内を平行光として伝搬して第2導波路13に入射する。この場合、第2導波路13の光軸Yは、第1導波路12の光軸Xに対してθ(5≦θ≦10)の角度だけ傾斜しているが、全反射角より浅い角度で光が第2導波路13に進入する。このため、第1導波路12より出射された光の殆どは、第2導波路13に効率よく入射することとなる。
【0047】
一方、第2の光ファイバF2から出射された光が戻り光(反射光)となって、第2導波路13に入射すると、この戻り光(反射光)は第2導波路13内を拡がりながら伝搬し、スポット直径が50μmの光束としてスラブ導波路14に入射する。このとき、第2導波路13の光軸Yは、第1導波路12の光軸Xに対してθ(5≦θ≦10)の角度だけ傾斜しているため、スラブ導波路14に入射した戻り光(反射光)は50μmのスポット直径を維持し、かつ光軸Xに対してθ(5≦θ≦10)の角度だけ傾斜した平行光になってスラブ導波路14内を伝搬することとなる。この結果、スラブ導波路14に入射した戻り光(反射光)が直接第1導波路12に入射することが防止できるようになる。
【0048】
なお、上述した実施の形態においては、第1光ファイバおよび第2光ファイバの径が10μmであるために、第1導波路12の入射面Aの入射幅および第2導波路13の出射面Dの出射幅を10μmとする例について説明したが、第1導波路の入射面の入射幅および第2導波路の出射面の出射幅はこれに限られず、用いる光ファイバの径に合わせるようにすればよい。
【0049】
また、上述した実施の形態においては、下部クラッド層および上部クラッド層を形成する材料として屈折率nが1.5のフッ素化ポリイミド樹脂を用い、コア層を形成する材料として屈折率が1.6のフッ素化ポリイミド樹脂を用いる例について説明したが、下部クラッド材、上部クラッド材およびコア材としてはこれに限らず、透明な光学材料であれば何でも良く、例えば屈折率nが1.44〜1.51の二酸化珪素系材料を用いるようにしてもよい。但し、コア材の屈折率nの方が下部クラッド材および上部クラッド材の屈折率nよりも大きいものを用いる必要がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光アイソレータを模式的に示す上面図である。
【図2】図1の光アイソレータに光が入射した状態を模式的に示す図であり、図2(a)は順方向の光が入射した状態を模式的に示す上面図であり、図2(b)は戻り光(逆方向の反射光)が入射した状態を模式的に示す上面図である。
【図3】スラブ導波路の入射面での入射導波路幅と、これより1mm先での入射光のスポット径の関係を示す図である。
【図4】変形例の光アイソレータに戻り光(逆方向の反射光)が入射した状態を模式的に示す上面図である。
【図5】本発明の光アイソレータの第1実施例の製造工程を模式的に示す図である。
【図6】本発明の光アイソレータの第2実施例の製造工程を模式的に示す図である。
【図7】本発明の光アイソレータの第3実施例の製造工程を模式的に示す図である。
【図8】従来の光アイソレータの構造と動作原理を示す図である。
【符号の説明】
10…光アイソレータ、10a…光アイソレータ、11…シリコン基板、11a…下部クラッド層、11b…コア層、11c…レジスト層、11d…レジストパターン、11e…上部クラッド層、11f…レジスト層、11g…レジストパターン、11h…上部クラッド層、11i…層、11j…レジスト層、11k…レジストパターン、11l…上部クラッド層、12…第1導波路、13…第2導波路、14…スラブ導波路、12a…第1導波路、13a…第2導波路、14a…スラブ導波路、14a−1…突起部、A…第1導波路の入射面、B…第1導波路の出射面、C…第2導波路の入射面、D…第2導波路の出射面、F1…第1光ファイバ、F2…第2光ファイバ、X…第1導波路の光軸、Y…第2導波路の光軸
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信システムなどに利用される半導体レーザ等に不要な反射戻り光を戻さないようにするための光アイソレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信の分野において、レーザー光源の安定、線路エコーの抑制、光増幅器の雑音発生防止等を目的として光アイソレータが使用されている。従来、この種の光アイソレータは個別部品を組み合わせたバルク型と呼ばれるものが実用に供されていた。図8は従来の光アイソレータの構造と動作原理を示す図である。この光アイソレータは、基本的には2枚の偏光板21,22と、その間に配置された磁気光学効果(ファラデー効果)を示すYIGのような磁気効果結晶23と、これに磁界を与える永久磁石(図示せず)とで構成される。2枚の偏光板21,22は偏光面が45°異なるように配置されており、磁気光学結晶23は透過光の偏光面を進行方向に対して右回り方向に45°回転させるものを用いる。
【0003】
したがって、このアイソレータに順方向(図の左から右に向けて)に入射する光に対しては、図8(a)のように、入射側の偏光板21を透過し、磁気光学結晶23により偏光面が進行方向に対して右回り方向に45°回転されるため、出力側の偏光板22を透過する。一方、逆方向に入射する光は、図8(b)のように、偏光板22を透過した後、磁気光学結晶23により進行方向に対して左回りに45°回転されるため、透過後は偏光板21に対して直交する偏光方向とされ、偏光板21を透過することができなくなる。したがって、光の入射方向に非相反性が生じ、アイソレーション動作が得られる。
【0004】
ところが、このような光アイソレータは、磁気光学結晶、一対の偏光板、永久磁石等の部品が必要であり、構造が複雑になるとともに、小型化が難しいという問題があった。また、磁気光学効果を利用するために磁気光学結晶が必要となる。このため、半導体基板上に半導体装レーザや光導波路と共にモノリシックに集積化することが難しいという問題があった。
そこで、特許文献1(特開平7−199119号公報)や特許文献2(特開平9−197346公報)等に示されるような光アイソレータが提案されるようになった。
【特許文献1】
特開平7−199119号公報
【特許文献2】
特開平9−197346公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特開平7−199119号公報や特開平9−197346公報において提案された光アイソレータにおいても、高価な磁気光学材料を使用するため、この種の光アイソレータが高価になるという問題を生じた。また、光アイソレータの構造も複雑になるため、製造が複雑で面倒になるという問題を生じた。さらに、一対のレンズ系を用いる必要があるため、透過光(順方向光)のロスが3dBと大きいとともに、非透過光(反射光あるいは戻り光)も一部が透過するという問題があった。
【0006】
本発明は上述したような問題点を解消するためになされものであって、高価な磁気光学材料を使用することなく、かつ、レンズ系を用いることなく、製造が容易で安価な光アイソレータを提供することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の如き目的を達成するため、本発明の光アイソレータは、第1の光ファイバに光学結合され、かつ入射面から出射面に向けてテーパー状に広がった第1導波路と、第2の光ファイバに光学結合され、かつ入射面から出射面に向けてテーパー状に狭まった第2導波路と、第1導波路と第2導波路との間にスラブ導波路を備え、第1導波路の出射面と第2導波路の入射面はスラブ導波路を介して同位置となるように配置され、かつ第2導波路は第1導波路に対して傾斜して配置されている。なお、本明細書における入射面(出射面)は、導波路の入射側端面(出射側端面)における導波路断面を意味する。
【0008】
ここで、第1導波路の入射面に順方向光が入射すると、この光は第1導波路の入射面からテーパー状に拡がりながら出射面に向けて進行し、スラブ導波路に入射する。すると、このスラブ導波路に対して同位置に入射面が配置された第2導波路に向けてスラブ導波路内を平行光となって伝搬しながら、第2導波路の入射面に入射する。第2導波路の入射面に入射した光は入射面から出射面に向けてテーパー状に狭まった第2導波路を伝搬して、この第2導波路に光学結合された第2の光ファイバに効率よく入射することとなる。
【0009】
一方、第2の光ファイバからの戻り光(逆方向の反射光)が第2導波路に入射すると、出射面(戻り光の入射面)から入射面(戻り光の出射面)に向けて第2導波路内をテーパー状に拡がりながら伝搬する。ところが、第2導波路は第1導波路に対して傾斜して配置されているため、第2導波路内をテーパー状に拡がりながら伝搬した光(逆方向の反射光)はスラブ導波路内を平行光となって伝搬するため、第1導波路の出射面(戻り光の入射面)に入射することができないこととなる。これにより、第1導波路に入射した光(順光)は第2導波路から効率よく出射させることが可能であるとともに、第2導波路に入射した戻り光(反射光)が第1導波路に入射するのを阻止することが可能となる。
【0010】
なお、第1導波路と第2導波路との傾斜角度が5〜10度であれば、第1導波路に入射した光(順光)を第2導波路に効率よく入射させることが可能になるとともに、第2導波路に入射した戻り光(反射光)が第1導波路に入射するのを阻止することが可能となる。このため、第1導波路と第2導波路との傾斜角度が5〜10度になるように設定するのが望ましい。また、スラブ導波路のコアの屈折率を変化させても、スラブ導波路の第1導波路からの出射面の幅およびスラブ導波路の第2導波路への出射面の幅が50μm以上(真空中での波長が1.5μmとなるレーザ光を用いた場合)であると、スポット径が入射面(あるいは出射面)の幅とほぼ等しくなることが分った。
【0011】
即ち、スラブ導波路への入射面(あるいは出射面)の幅が50μm以上であれば、スラブ導波路内ではほぼ平行光になることが分かった。このため、スラブ導波路の第1導波路からの出射面の幅およびスラブ導波路の第2導波路への出射面の幅は50μm以上であるのが望ましい。さらに、第1導波路と第2導波路とスラブ導波路は上クラッドと下クラッドに被覆されたコアであると、導波路型光アイソレータを構成することが可能となる。この場合、第1導波路と第2導波路とスラブ導波路は屈折率が1.50〜1.60のフッ素化ポリイミド樹脂からなるのが好ましい。
【0012】
上述のような構成となる光アイソレータを製造するには、表面に下クラッド層とコア層が形成された基板上にレジストを塗布するレジスト塗布工程と、入射端から出射端に向けてテーパー状に広がった第1導波路と、入射端から出射端に向けてテーパー状に狭まった第2導波路が所定の傾斜角度になるとともに、第1導波路と第2導波路との間にスラブ導波路が形成されるようにレジストをパターニングするパターニング工程と、パターニングされたレジストをマスクとしてコア層をドライエッチングするドライエッチング工程と、残存するレジストを除去するレジスト除去工程と、レジストが除去された表面に上クラッド層を形成する上クラッド形成工程とを備えるようにすればよい。
【0013】
又は、表面に下クラッド層とコア層が形成された基板上にドライエッチングにより除去される厚みにレジストを塗布するレジスト塗布工程と、入射端から出射端に向けてテーパー状に広がった第1導波路と、入射端から出射端に向けてテーパー状に狭まった第2導波路が所定の傾斜角度になるとともに、第1導波路と第2導波路との間にスラブ導波路が形成されるようにレジストをパターニングするパターニング工程と、パターニングされたレジストをマスクとしてコア層をドライエッチングするとともにレジストを除去するドライエッチング工程と、レジストが除去された表面に上クラッド層を形成する上クラッド形成工程とを備えるようにしてもよい。
【0014】
あるいは、表面に下クラッド層とコア層が形成された基板上にスパッタリングによりアルミニウム膜を成膜する成膜工程と、成膜されたアルミニウム膜の上にレジストを塗布するレジスト塗布工程と、入射端から出射端に向けてテーパー状に広がった第1導波路と、入射端から出射端に向けてテーパー状に狭まった第2導波路が所定の傾斜角度になるとともに、第1導波路と第2導波路との間にスラブ導波路が形成されるようにレジストおよびアルミニウム膜をパターニングするパターニング工程と、パターニングされたレジストおよびアルミニウム膜をマスクとしてコア層およびレジストをドライエッチングするドライエッチング工程と、残存するアルミニウム膜を除去するアルミニウム膜除去工程と、アルミニウム膜が除去された表面に上クラッド層を形成する上クラッド形成工程とを備えるようにしてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
ついで、本発明の一実施の形態を図1〜図7に基づいて説明するが、本発明はこの実施の形態に何ら限定されるものでなく、本発明の目的を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。なお、図1は本発明の光アイソレータを模式的に示す上面図である。図2は図1の光アイソレータに光が入射した状態を模式的に示す図であり、図2(a)は順方向の光が入射した状態を模式的に示す上面図であり、図2(b)は戻り光(逆方向の反射光)が入射した状態を模式的に示す上面図である。図3はスラブ導波路の入射面での入射導波路幅と、これより1mm先での入射光のスポット径の関係を示す図である。図4は変形例の光アイソレータに戻り光(逆方向の反射光)が入射した状態を模式的に示す上面図である。図5は本発明の光アイソレータの第1実施例の製造工程を模式的に示す図である。図6は本発明の光アイソレータの第2実施例の製造工程を模式的に示す図である。図7は本発明の光アイソレータの第3実施例の製造工程を模式的に示す図である。
【0016】
1.光アイソレータ
本実施の形態の光アイソレータ10は、図1に示すように、シリコン基板11上に形成された、第1の光ファイバF1からのレーザ光が入射される第1導波路12と、第2の光ファイバF2へ導出する第2導波路13と、第1導波路と第2導波路13とを結合するスラブ導波路14とから構成されている。なお、シリコン基板11に代えて石英基板を用いるようにしてもよい。
【0017】
第1導波路12は、屈折率が1.6(n=1.6)のフッ素化ポリイミド樹脂から構成されており、後述する屈折率が1.5(n=1.5)のフッ素化ポリイミド樹脂からなる下クラッド11aと、後述する屈折率が1.5(n=1.5)のフッ素化ポリイミド樹脂からなる上クラッド11e(11h,11l)で覆われている。この第1導波路12は、高さ(厚み)が10μmで、直径が10μmの第1光ファイバF1からの入射面の幅(入射幅)は10μmで、スラブ導波路14との接続部(入射面)の幅(出射幅)が50μmになるようにテーパー状に拡大するように形成されている。そして、スラブ導波路14との接続部(入射面)までの長さは1000μmになるように形成されている。
【0018】
また、第2導波路13は、屈折率が1.6(n=1.6)のフッ素化ポリイミド樹脂から構成されており、後述する屈折率が1.5(n=1.5)のフッ素化ポリイミド樹脂からなる下クラッド11aと、後述する屈折率が1.5(n=1.5)のフッ素化ポリイミド樹脂からなる上クラッド11e(11h,11l)で覆われている。この場合、この第2導波路13は、高さ(厚み)が10μmで、スラブ導波路14との接続部(出射面)の幅(入射幅)が50μmで、直径が10μmの第2光ファイバF2への入射面の幅(出射幅)が10μmになるようにテーパー状に狭まるように形成されている。そして、スラブ導波路14との接続部(出射面)までの長さは1000μmになるように形成されている。
【0019】
スラブ導波路14は、第1導波路12および第2導波路13と同様に、屈折率が1.6(n=1.6)のフッ素化ポリイミド樹脂から構成されており、後述する屈折率が1.5(n=1.5)のフッ素化ポリイミド樹脂からなる下クラッド11aと、後述する屈折率が1.5(n=1.5)のフッ素化ポリイミド樹脂からなる上クラッド11e(11h,11l)で覆われている。このスラブ導波路14は幅が500μmで、長さが1000μmになるように形成されている。
【0020】
ここで、第1導波路12とスラブ導波路14との境界(第1導波路12の出射面)Bと、第2導波路13とスラブ導波路14との境界(第2導波路13の入射面)Cとは、同位置になるように形成されている。また、第2導波路13の光軸Yは第1導波路12の光軸Xに対して所定の角度θだけ傾斜するように形成されている。この場合は、θ=5°になるように形成しているが、5°に限らず、5°≦θ≦10°の範囲内になるように形成すればよい。これは、θが10°以下であれば順方向での損失が0.5dB以下と少なく、θが5°以上であれば逆方向での損失が30dB以上と大きくなるためである。
【0021】
2.光アイソレータの動作
ついで、上述のような構成となる光アイソレータ10の動作について説明する。まず、レーザ光が順光として第1の光ファイバ(直径10μm)F1から10μm幅の第1導波路12の入射面Aに入射すると、この入射光は第1導波路12内をテーパー状に拡がりながら伝搬する。すると、幅が50μmに設定された第1導波路12の出射面Bから、スポット直径が50μmの光束としてスラブ導波路14に入射する。
【0022】
スラブ導波路14に入射した光は、50μmのスポット直径を維持したまま、図2(a)の矢印に示すように、スラブ導波路14内を平行光となって伝搬する。この後、このスラブ導波路14に対して第1導波路12の出射面Bと同位置に入射面Cが配置された第2導波路13の入射面Cに向けて伝搬し、やがては、幅が50μmに設定された第2導波路13の入射面Cに入射する。そして、第2導波路13の入射面Cに入射した光は入射面Cから出射面Dに向けてテーパー状に狭まった第2導波路13を伝搬して、この第2導波路13に光学結合された第2の光ファイバF2に効率よく入射することとなる。
【0023】
ここで、第2導波路13の光軸Yは、第1導波路12の光軸Xに対して5°(θ=5°)だけ傾斜しているが、全反射角より浅い角度で光が第2導波路13に進入するため、第2導波路13に進入した光の殆どが、この第2導波路13に光学結合された第2光ファイバF2に効率よく入射することとなる。このとき、スラブ導波路14から第2導波路13に入射する際に多少のロスが生じるが、そのロスは小さくて約0.5dBという測定結果が得られた。
【0024】
一方、第2の光ファイバ(直径10μm)F2から出射された光が戻り光(反射光)となって、第2の光ファイバF2から10μm幅の第2導波路13の出射面(戻り光の入射面)Dに入射すると、この戻り光(反射光)は第2導波路13内をテーパー状に拡がりながら伝搬する。すると、幅が50μmに設定された第2導波路13の入射面(戻り光の出射面)Cから、スポット直径が50μmの光束としてスラブ導波路14に入射する。
【0025】
すると、スラブ導波路14に入射した戻り光(反射光)は、50μmのスポット直径を維持したまま、図2(b)の矢印に示すように、スラブ導波路14内を平行光となって伝搬することとなる。ところが、第2導波路13の光軸Yは、第1導波路12の光軸Xに対して5°(θ=5°)だけ傾斜している。このため、スラブ導波路14に入射した戻り光(反射光)は、第1導波路12の出射面(戻り光の入射面)Bに直接入射することなくスラブ導波路14の界面14αを透過する。
【0026】
しかしながら、図2(b)の矢印に示すように、残りの一部はスラブ導波路14の界面14αで反射した後、スラブ導波路14の界面14βを透過する。さらに、残りの一部は再度、界面14βで反射した後、スラブ導波路14の界面14βを透過する。このような反射を繰り返す内に、やがては、一部の反射光は第1導波路12の出射面(戻り光の入射面)Bに入射することとなる。この結果、第2導波路13の出射面(戻り光の入射面)Dに入射した一部の戻り光のみが第1導波路12に入射することとなって、大部分の戻り光は第1導波路12の出射面(戻り光の入射面)Bに入射することなく、阻止されることとなる。この過程でのロスの測定結果は38dBであった。
【0027】
3.第1導波路(第2導波路)のスラブ導波路への入射幅についての検討
ここで、第1導波路12のスラブ導波路14への入射面(反射光における第2導波路13のスラブ導波路14への入射面も同様である)の幅を、上述のように50μmに設定した理由を以下に述べる。そこで、真空中での波長が1.5μmとなるレーザ光を用いて、スラブ導波路(この場合のコアの屈折率nは1.6(n=1.6)であり、上クラッドおよび下クラッドの屈折率nは1.5(n=1.5)である)14への入射面B(C)の幅を5μm間隔で10μm〜100μmまで変化させた場合の1mm(1000μm)先の入射面C(B)の幅、即ち、スポット径を測定すると図3の○印で示すような結果が得られた。
【0028】
また、スラブ導波路14のコアの屈折率nを2.0(例えば、Si3N4からなる)、3.4(例えば、シリコンからなる)と変化させたときの第1導波路12のスラブ導波路14への入射面の幅を5μm間隔で10μm〜100μmまで変化させた場合の1mm(1000μm)先の入射面C(B)の幅、即ち、スポット径を測定すると図3の□印(n=2.0の場合)、△印(n=3.4の場合)で示すような結果が得られた。この場合、上クラッドおよび下クラッドの屈折率nは1.5で上述と同じである。
【0029】
図3の結果から明らかなように、スラブ導波路14のコアの屈折率nを変化させても、スラブ導波路14への入射面B(C)の幅が50μm以上であると、スポット径(入射面C(B)の幅)が入射面B(C)の幅とほぼ等しくなることが分かる。即ち、スラブ導波路14への入射面B(C)の幅が50μm以上であれば、スラブ導波路14内ではほぼ平行光になることが分かる。この場合、スラブ導波路14への入射面B(C)の幅が大きくなると、スラブ導波路14自体の幅も大きくなるため、できる限り50μmに近づけるのが望ましいということができるが、50μmに限定する必要はなく、50μm以上であればよい。なお、ここでのスポット径は、入射光の入射面B(C)での振幅(光の強度)の最大値が1/eとなる光の幅を意味するため、入射面B(C)での導波路の幅よりも光の幅の方が小さくなる結果となった。
【0030】
4.変形例
上述した例においては、平面形状を長方形状に形成したスラブ導波路14を用いる例について説明したが、スラブ導波路としては長方形状以外の他の形状に形成して、戻り光(反射光)が第1導波路12に入射するのをより以上に阻止することが可能にすることができる。この場合、図4に示すような光アイソレータ10aが考えられる。本変形例の光アイソレータ10aは、シリコン基板11上に形成された第1導波路12aと、第2導波路13aと、第1導波路12aと第2導波路13aとを結合するスラブ導波路14aとから構成される。なお、シリコン基板11、第1導波路12aおよび第2導波路13aは上述と同様であるので、その説明は省略する。
【0031】
ここで、本変形例におけるスラブ導波路14aにおいては、スラブ導波路14aの一部の界面を突出させた突起部14a−1を形成したことに特徴を有する。このような突起部14a−1を備えるようにすると、図4の矢印で示すように、スラブ導波路14aに入射した戻り光(反射光)は突起部14a−1で多重反射を繰り返しながら減衰するようになる。このため、この光アイソレータ10aに入射した戻り光(反射光)のロスは42dBとなり、さらに改善されることとなる。
【0032】
5.光アイソレータの作製法
(1)実施例1
ついで、上述のような構成となる光アイソレータ10の実施例1の作製方法について以下に説明する。まず、図5(a)に示すように、シリコンウェハ(シリコン基板)11を用意し、このシリコン基板(厚みは約625μm)11の上に屈折率が1.5(n=1.5)のフッ素化ポリイミド樹脂を10μmの厚みに塗布した後、窒素雰囲気中で室温から2時間で250℃に昇温し、1時間保持し、さらに30分で350℃に昇温し、2時間保持して焼成した後、室温に戻すようにして下部クラッド層11aを形成した。この後、この屈折率が1.5のフッ素化ポリイミド樹脂よりなる下部クラッド層11aの上に、屈折率が1.6(n=1.6)のフッ素化ポリイミド樹脂を10μmの厚みに塗布した。
【0033】
ついで、窒素雰囲気中で室温から2時間で250℃に昇温し、1時間保持し、さらに30分で350℃に昇温し、2時間保持して焼成した後、室温に戻すようにしてコア層11bを形成した。この後、屈折率が1.6のフッ素化ポリイミド樹脂よりなるコア層11bの上に、レジスト(例えば、ノボラック系レジストよりなる)を15μmの厚みに塗布してレジスト層11cを形成した。この後、このレジスト層11cをステッパー(縮小投影型露光装置)を用いて、パターニングした後現像して、図5(b)に示すように、テーパー状の第1導波路および第2導波路とスラブ導波路のパターン11dを形成した。この場合、図1に示されるような、テーパー状の第1導波路および第2導波路と、スラブ導波路が形成されるようにパターニングした。
【0034】
ついで、形成されたレジストよりなるパターン11dをマスクとして、O2ガスによるRIE(Reactive Ion Etching)を施した。このとき、コア層11bのフッ素化ポリイミド樹脂を10μmの厚みだけエッチングした。これにより、図5(c)に示すような、テーパー状の第1導波路12および第2導波路13と、スラブ導波路14(図1参照)が形成されることとなる。この後、残存したレジストパターン11dをアセトンにより除去して、図5(d)に示すように、テーパー状の第1導波路12および第2導波路13と、スラブ導波路14を露出させる。
【0035】
ついで、図5(e)に示すように、これらの上に屈折率が1.5(n=1.5)のフッ素化ポリイミド樹脂を10μmの厚みに塗布した後、窒素雰囲気中で室温から2時間で250℃に昇温し、1時間保持し、さらに30分で350℃に昇温し、2時間保持して焼成した後、室温に戻すようにして上部クラッド層11eを形成した。この後、所定の形状になるよう切断して光アイソレータ10を作製した。
【0036】
上述した実施例1の光アイソレータ10の作製方法においては、第1導波路12、第2導波路13およびスラブ導波路14が、レジストをマスクとしてエッチングにより簡単かつ正確に形成されることとなる。しかしながら、残存したレジストをアセトンにより除去する必要があるため、このアセトンにより第1導波路12、第2導波路13およびスラブ導波路14がダメージを受ける恐れが生じる。そこで、以下の実施例においては、アセトンによりレジストを除去する必要がない方法を提案した。
【0037】
(2)実施例2
ついで、上述のような構成となる光アイソレータ10の実施例2の作製方法について以下に説明する。まず、図6(a)に示すように、上述と同様に、シリコン基板11上にフッ素化ポリイミド樹脂(n=1.5)を10μmの厚みに塗布した後、窒素雰囲気中で室温から2時間で250℃に昇温し、1時間保持し、さらに30分で350℃に昇温し、2時間保持して焼成した後、室温に戻すようにして下部クラッド層11aを形成した。この後、この上に屈折率が1.6のフッ素化ポリイミド樹脂を10μmの厚みに塗布した後、窒素雰囲気中で160℃の温度で1時間焼成してコア層11bを形成した。
【0038】
ついで、コア層11bの上に、レジスト(例えば、ノボラック系レジストよりなる)を10μmの厚みに塗布してレジスト層11fを形成した。この後、このレジスト層11fをステッパー(縮小投影型露光装置)を用いて、パターニングした後現像して、図6(b)に示すように、テーパー状の第1導波路および第2導波路とスラブ導波路のパターン11gを形成した。この後、パターン11gをマスクとして、O2ガスによるRIE(Reactive Ion Etching)を施して、コア層11bのフッ素化ポリイミド樹脂を10μmの厚みだけエッチングした。
【0039】
これにより、図6(c)に示すような、テーパー状の第1導波路12および第2導波路13と、スラブ導波路14(図1参照)が形成されるとともに、レジストパターン11gも除去されることとなる。ついで、図6(d)に示すように、これらの上に屈折率が1.5(n=1.5)のフッ素化ポリイミド樹脂を10μmの厚みに塗布した後、窒素雰囲気中で室温から2時間で250℃に昇温し、1時間保持し、さらに30分で350℃に昇温し、2時間保持して焼成した後、室温に戻すようにして上部クラッド層11hを形成した。この後、所定の形状になるよう切断して光アイソレータ10を作製した。
【0040】
上述した実施例2の光アイソレータ10の作製方法においては、第1導波路12、第2導波路13およびスラブ導波路14が、レジストをマスクとしてエッチングされるとともに、同時にレジストも除去されるため、残存したレジストをアセトンにより除去する工程が不必要となる。この結果、第1導波路12、第2導波路13およびスラブ導波路14が、実施例1よりは簡単かつ容易に形成されることとなる。しかしながら、レジスト層11fの厚みを正確にコントロールすることが困難であるために、第1導波路12、第2導波路13およびスラブ導波路14を正確に形成できないという恐れが生じる。そこで、以下の実施例においては、アセトンによりレジストを除去する必要がなく、かつレジスト層の厚みを正確に制御する必要がない方法を提案した。
【0041】
(3)実施例3
ついで、上述のような構成となる光アイソレータ10の実施例3の作製方法について以下に説明する。まず、図7(a)に示すように、上述と同様に、シリコン基板11上にフッ素化ポリイミド樹脂(n=1.5)を10μmの厚みに塗布した後、窒素雰囲気中で室温から2時間で250℃に昇温し、1時間保持し、さらに30分で350℃に昇温し、2時間保持して焼成した後、室温に戻すようにして下部クラッド層11aを形成した。この後、この上に屈折率が1.6のフッ素化ポリイミド樹脂を10μmの厚みに塗布した後、窒素雰囲気中で室温から2時間で250℃に昇温し、1時間保持し、さらに30分で350℃に昇温し、2時間保持して焼成した後、室温に戻すようにしてしてコア層11bを形成した。
【0042】
ついで、図7(b)に示すように、コア層11bの上に、アルミニウム(Al)膜11iをスパッタにより200Åの厚みに成膜した後、この上にレジスト(例えば、ノボラック系レジストよりなる)を2μmの厚みに塗布してレジスト層11jを形成した。この後、このレジスト層11jをステッパー(縮小投影型露光装置)を用いて、パターニングした後、現像して、図7(c)に示すように、テーパー状の第1導波路および第2導波路とスラブ導波路のパターン11kを形成した。この場合、図1に示されるような、テーパー状の第1導波路および第2導波路と、スラブ導波路が形成されるようにパターニングした。なお、この現像により、レジスト層11jが付着していないアルミニウム(Al)膜11iはエッチングされて、アルミニウム(Al)膜11iにもパターン11kが転写される。
【0043】
ついで、O2ガスによるRIE(Reactive Ion Etching)を施した。このとき、レジストパターン11kはRIEにより除去されるため、図7(d)に示すように、Al膜11iをマスクとして、コア層11bのフッ素化ポリイミド樹脂を10μmの厚みだけエッチングした。この後、レジスト現像液に浸漬して、Al膜11iを浸食して除去して図7(e)に示すように、テーパー状の第1導波路12および第2導波路13と、スラブ導波路14を露出させた。
【0044】
ついで、図7(f)に示すように、これらの上に屈折率が1.5(n=1.5)のフッ素化ポリイミド樹脂を10μmの厚みに塗布した後、窒素雰囲気中で室温から2時間で250℃に昇温し、1時間保持し、さらに30分で350℃に昇温し、2時間保持して焼成した後、室温に戻すようにして上部クラッド層11lを形成した。この後、所定の形状になるよう切断して光アイソレータ10を作製した。
【0045】
上述した実施例3の光アイソレータ10の作製方法においては、アセトンによりレジストを除去する必要がなく、かつレジスト層の厚みを正確に制御する必要がないため、上述した実施例1,2より精度良く、かつ、簡単、容易に第1導波路12、第2導波路13およびスラブ導波路14を形成することが可能となる。しかしながら、RIEの際にアルミニウムが第1導波路12、第2導波路13およびスラブ導波路14に進入して不純物として悪影響を及ぼす恐れがある。
【0046】
【発明の効果】
上述したように、本発明においては、第1導波路12の出射面Bと第2導波路13の入射面Cはスラブ導波路14を介して同位置となるように配置され、かつ第2導波路13は第1導波路12に対して角度がθだけ傾斜して配置されている。このため、レーザ光が順光として第1導波路12の入射面Aに入射されると、この入射光は第1導波路12内を拡がりながら伝搬し、スポット直径が50μmの光束としてスラブ導波路14に入射する。このスラブ導波路14に入射した光は50μmのスポット直径を維持したまま、スラブ導波路14内を平行光として伝搬して第2導波路13に入射する。この場合、第2導波路13の光軸Yは、第1導波路12の光軸Xに対してθ(5≦θ≦10)の角度だけ傾斜しているが、全反射角より浅い角度で光が第2導波路13に進入する。このため、第1導波路12より出射された光の殆どは、第2導波路13に効率よく入射することとなる。
【0047】
一方、第2の光ファイバF2から出射された光が戻り光(反射光)となって、第2導波路13に入射すると、この戻り光(反射光)は第2導波路13内を拡がりながら伝搬し、スポット直径が50μmの光束としてスラブ導波路14に入射する。このとき、第2導波路13の光軸Yは、第1導波路12の光軸Xに対してθ(5≦θ≦10)の角度だけ傾斜しているため、スラブ導波路14に入射した戻り光(反射光)は50μmのスポット直径を維持し、かつ光軸Xに対してθ(5≦θ≦10)の角度だけ傾斜した平行光になってスラブ導波路14内を伝搬することとなる。この結果、スラブ導波路14に入射した戻り光(反射光)が直接第1導波路12に入射することが防止できるようになる。
【0048】
なお、上述した実施の形態においては、第1光ファイバおよび第2光ファイバの径が10μmであるために、第1導波路12の入射面Aの入射幅および第2導波路13の出射面Dの出射幅を10μmとする例について説明したが、第1導波路の入射面の入射幅および第2導波路の出射面の出射幅はこれに限られず、用いる光ファイバの径に合わせるようにすればよい。
【0049】
また、上述した実施の形態においては、下部クラッド層および上部クラッド層を形成する材料として屈折率nが1.5のフッ素化ポリイミド樹脂を用い、コア層を形成する材料として屈折率が1.6のフッ素化ポリイミド樹脂を用いる例について説明したが、下部クラッド材、上部クラッド材およびコア材としてはこれに限らず、透明な光学材料であれば何でも良く、例えば屈折率nが1.44〜1.51の二酸化珪素系材料を用いるようにしてもよい。但し、コア材の屈折率nの方が下部クラッド材および上部クラッド材の屈折率nよりも大きいものを用いる必要がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光アイソレータを模式的に示す上面図である。
【図2】図1の光アイソレータに光が入射した状態を模式的に示す図であり、図2(a)は順方向の光が入射した状態を模式的に示す上面図であり、図2(b)は戻り光(逆方向の反射光)が入射した状態を模式的に示す上面図である。
【図3】スラブ導波路の入射面での入射導波路幅と、これより1mm先での入射光のスポット径の関係を示す図である。
【図4】変形例の光アイソレータに戻り光(逆方向の反射光)が入射した状態を模式的に示す上面図である。
【図5】本発明の光アイソレータの第1実施例の製造工程を模式的に示す図である。
【図6】本発明の光アイソレータの第2実施例の製造工程を模式的に示す図である。
【図7】本発明の光アイソレータの第3実施例の製造工程を模式的に示す図である。
【図8】従来の光アイソレータの構造と動作原理を示す図である。
【符号の説明】
10…光アイソレータ、10a…光アイソレータ、11…シリコン基板、11a…下部クラッド層、11b…コア層、11c…レジスト層、11d…レジストパターン、11e…上部クラッド層、11f…レジスト層、11g…レジストパターン、11h…上部クラッド層、11i…層、11j…レジスト層、11k…レジストパターン、11l…上部クラッド層、12…第1導波路、13…第2導波路、14…スラブ導波路、12a…第1導波路、13a…第2導波路、14a…スラブ導波路、14a−1…突起部、A…第1導波路の入射面、B…第1導波路の出射面、C…第2導波路の入射面、D…第2導波路の出射面、F1…第1光ファイバ、F2…第2光ファイバ、X…第1導波路の光軸、Y…第2導波路の光軸
Claims (8)
- 第1の光ファイバと第2の光ファイバとの間に配置されて、前記第1の光ファイバから入射した光を前記第2の光ファイバに透過させるとともに、該第2の光ファイバからの戻り光が前記第1の光ファイバに入射するのを阻止する光アイソレータであって、
前記第1の光ファイバに光学結合され、かつ入射面から出射面に向けてテーパー状に広がった第1導波路と、
前記第2の光ファイバに光学結合され、かつ入射面から出射面に向けてテーパー状に狭まった第2導波路と、
前記第1導波路と前記第2導波路との間にスラブ導波路を備え、
前記第1導波路の出射面と前記第2導波路の入射面は前記スラブ導波路を介して同位置となるように配置され、かつ前記第2導波路は前記第1導波路に対して傾斜して配置されていて、
前記第1導波路に入射した光を前記第2導波路から出射させるとともに、前記第2導波路に入射した戻り光が前記第1導波路に入射するのを阻止するようにしたことを特徴とする光アイソレータ。 - 前記第1導波路と前記第2導波路との傾斜角度は5〜10度であることを特徴とする請求項1に記載の光アイソレータ。
- 前記スラブ導波路の前記第1導波路からの出射面の幅および前記スラブ導波路の前記第2導波路への出射面の幅は50μm以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光アイソレータ。
- 前記第1導波路と前記第2導波路と前記スラブ導波路は上クラッドと下クラッドに被覆されたコアであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の光アイソレータ。
- 前記第1導波路、前記第2導波路および前記スラブ導波路を形成するコア材は屈折率が1.50〜1.60のフッ素化ポリイミド樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の光アイソレータ。
- 第1の光ファイバと第2の光ファイバとの間に配置されて、前記第1の光ファイバから入射した光を前記第2の光ファイバに透過させるとともに、該第2の光ファイバからの戻り光が前記第1の光ファイバに入射するのを阻止する光アイソレータの製造方法であって、
表面に下クラッド層とコア層が形成された基板上にレジストを塗布するレジスト塗布工程と、
入射面から出射面に向けてテーパー状に広がった第1導波路と、入射面から出射面に向けてテーパー状に狭まった第2導波路が所定の傾斜角度になるとともに、前記第1導波路と前記第2導波路との間にスラブ導波路が形成されるように前記レジストをパターニングするパターニング工程と、
前記パターニングされたレジストをマスクとして前記コア層をドライエッチングするドライエッチング工程と、
残存するレジストを除去するレジスト除去工程と、
前記レジストが除去された表面に上クラッド層を形成する上クラッド形成工程とを備えたことを特徴とする光アイソレータの製造方法。 - 第1の光ファイバと第2の光ファイバとの間に配置されて、前記第1の光ファイバから入射した光を前記第2の光ファイバに透過させるとともに、該第2の光ファイバからの戻り光が前記第1の光ファイバに入射するのを阻止する光アイソレータの製造方法であって、
表面に下クラッド層とコア層が形成された基板上にドライエッチングにより除去される厚みにレジストを塗布するレジスト塗布工程と、
入射面から出射面に向けてテーパー状に広がった第1導波路と、入射面から出射面に向けてテーパー状に狭まった第2導波路が所定の傾斜角度になるとともに、前記第1導波路と前記第2導波路との間にスラブ導波路が形成されるように前記レジストをパターニングするパターニング工程と、
前記パターニングされたレジストをマスクとして前記コア層をドライエッチングするとともに、前記レジストを除去するドライエッチング工程と、
前記レジストが除去された表面に上クラッド層を形成する上クラッド形成工程とを備えたことを特徴とする光アイソレータの製造方法。 - 第1の光ファイバと第2の光ファイバとの間に配置されて、前記第1の光ファイバから入射した光を前記第2の光ファイバに透過させるとともに、該第2の光ファイバからの戻り光が前記第1の光ファイバに入射するのを阻止する光アイソレータの製造方法であって、
表面に下クラッド層とコア層が形成された基板上にスパッタリングによりアルミニウム膜を成膜する成膜工程と、
前記成膜されたアルミニウム膜の上にレジストを塗布するレジスト塗布工程と、
入射面から出射面に向けてテーパー状に広がった第1導波路と、入射面から出射面に向けてテーパー状に狭まった第2導波路が所定の傾斜角度になるとともに、前記第1導波路と前記第2導波路との間にスラブ導波路が形成されるように前記レジストおよび前記アルミニウム膜をパターニングするパターニング工程と、
前記パターニングされたレジストおよびアルミニウム膜をマスクとして前記コア層およびレジストをドライエッチングするドライエッチング工程と、
残存するアルミニウム膜を除去するアルミニウム膜除去工程と、
前記アルミニウム膜が除去された表面に上クラッド層を形成する上クラッド形成工程とを備えたことを特徴とする光アイソレータの製造方法。
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