JP2687451B2 - 偏光素子 - Google Patents
偏光素子Info
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- JP2687451B2 JP2687451B2 JP63158107A JP15810788A JP2687451B2 JP 2687451 B2 JP2687451 B2 JP 2687451B2 JP 63158107 A JP63158107 A JP 63158107A JP 15810788 A JP15810788 A JP 15810788A JP 2687451 B2 JP2687451 B2 JP 2687451B2
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- Japan
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- region
- grating
- polarizing element
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- light
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、光ファイバ通信や光ディスク用光ヘッド
などのアイソレータや光サーキュレータを構成するため
に偏光ビームスプリッタとして使われる偏光素子に関す
る。
などのアイソレータや光サーキュレータを構成するため
に偏光ビームスプリッタとして使われる偏光素子に関す
る。
従来、光アイソレータや光サーキュレータ用の偏光ビ
ームスプリッタとしては、グラントムソンプリズムやロ
ッションプリズムが使われてきた。これらのプリズム
は、水晶や方解石などの複屈折性結晶の結晶軸の異なる
2つの三角プリズムをはり合わせたものである。これら
のプリズムについては、吉原邦夫著「物理光学」(共立
出版,昭和41年発行)の第213〜216頁に詳細に説明され
ている。
ームスプリッタとしては、グラントムソンプリズムやロ
ッションプリズムが使われてきた。これらのプリズム
は、水晶や方解石などの複屈折性結晶の結晶軸の異なる
2つの三角プリズムをはり合わせたものである。これら
のプリズムについては、吉原邦夫著「物理光学」(共立
出版,昭和41年発行)の第213〜216頁に詳細に説明され
ている。
上述した従来の偏光素子では、複屈折性結晶を用いて
いるので材料が高価なうえ、このような偏光素子は、4
面を研磨して、さらに接着するという工程を必要とする
ので製作工数がかかり高価で量産向きでないという問題
があった。さらに2つの三角プリズムをはり合わせた構
造のため大型になり、光アイソレータや光サーキュレー
タの小型化の障害になっていた。
いるので材料が高価なうえ、このような偏光素子は、4
面を研磨して、さらに接着するという工程を必要とする
ので製作工数がかかり高価で量産向きでないという問題
があった。さらに2つの三角プリズムをはり合わせた構
造のため大型になり、光アイソレータや光サーキュレー
タの小型化の障害になっていた。
本発明の目的は、上記問題点を解消して、小型,薄型
でかつ低価格で、量産性にすぐれた偏光素子を提供する
ことにある。
でかつ低価格で、量産性にすぐれた偏光素子を提供する
ことにある。
本発明の偏光素子は、光の波長の1/2よりも小さいピ
ッチを有する表面凹凸型の1次元周期構造を有する第1
の領域と平坦な表面を有する第2の領域とを交互に配置
した回折格子であって、偏光によって前記回折格子の回
折効率が変化するように、前記第1の領域と前記第2の
領域の位相関係を付与するために、前記第2の領域の厚
さを前記第1の領域と異なるようにしたことを特徴とす
る。
ッチを有する表面凹凸型の1次元周期構造を有する第1
の領域と平坦な表面を有する第2の領域とを交互に配置
した回折格子であって、偏光によって前記回折格子の回
折効率が変化するように、前記第1の領域と前記第2の
領域の位相関係を付与するために、前記第2の領域の厚
さを前記第1の領域と異なるようにしたことを特徴とす
る。
本発明の作用原理は次の通りである。本発明では、回
折格子を用い、その0次回折効率すなわち透過率が特定
の偏光に対して100%で、これに直交する偏光に対して
0%となるようにすることで、偏光ビームスプリッタ機
能の偏光素子を構成している。
折格子を用い、その0次回折効率すなわち透過率が特定
の偏光に対して100%で、これに直交する偏光に対して
0%となるようにすることで、偏光ビームスプリッタ機
能の偏光素子を構成している。
矩形断面の位相格子の0次回折光の回折効率は、 で与えられる。ここにγは、格子部で光が受ける位相差
であり、 γ=2πt・Δn/λ (2) で表される。(2)式で、tは格子の厚さ、Δnは位相
格子を構成している2つの媒質の屈折率の差、λは光の
波長である。
であり、 γ=2πt・Δn/λ (2) で表される。(2)式で、tは格子の厚さ、Δnは位相
格子を構成している2つの媒質の屈折率の差、λは光の
波長である。
上述のような0次回折効率の変化を得るためには、格
子の位相差γが偏光によって γ⊥=π(ここで ⊥は格子溝に平行および垂直な偏光を各々表す。)の変
化をする必要があり、(2)式でΔnが偏光によって変
化しなければならず、通常は複屈折性の材料を必要とす
る。
子の位相差γが偏光によって γ⊥=π(ここで ⊥は格子溝に平行および垂直な偏光を各々表す。)の変
化をする必要があり、(2)式でΔnが偏光によって変
化しなければならず、通常は複屈折性の材料を必要とす
る。
本発明では、高価な複屈折性結晶を用いることなく、
複屈折性を得るために、稠密な周期構造を利用してい
る。ピッチが光の波長の1/2より小さい位相格子では、
回折光を生じず複屈折性を示す。表面凹凸格子の溝に平
行な方向の実行屈折率を 溝に垂直な方向の実効屈折率をn⊥とすると、 n⊥=〔(1/n1 2)q+(1/n2 2)(1−q)〕
−1/2 (4) となる。ここで、n1は溝部の屈折率、n2はランド部の屈
折率、qは格子ピッチに対する溝部の幅の比である。こ
の複屈折を利用して、偏光によって回折効率を変化させ
る。
複屈折性を得るために、稠密な周期構造を利用してい
る。ピッチが光の波長の1/2より小さい位相格子では、
回折光を生じず複屈折性を示す。表面凹凸格子の溝に平
行な方向の実行屈折率を 溝に垂直な方向の実効屈折率をn⊥とすると、 n⊥=〔(1/n1 2)q+(1/n2 2)(1−q)〕
−1/2 (4) となる。ここで、n1は溝部の屈折率、n2はランド部の屈
折率、qは格子ピッチに対する溝部の幅の比である。こ
の複屈折を利用して、偏光によって回折効率を変化させ
る。
第2図は稠密格子を用いた格子型偏光素子を示す。稠
密格子を第1の領域1に用いて、平坦な表面を有する第
2の領域2と交互に配置した格子を基板3上に構成す
る。光の進行方向を矢印4の方向とすると、基板屈折率
はn2であるから、格子溝に平行な方向の偏光に対する第
1領域と第2領域の屈折率差は、 格子溝に垂直な方向の偏光に対しては(Δn)⊥=n2−
n⊥となる。しかし、このΔnの変化だけでは、格子厚
さtを選んでも(2)式のγを両偏光に対して γ⊥=πの両方を満たせない。
密格子を第1の領域1に用いて、平坦な表面を有する第
2の領域2と交互に配置した格子を基板3上に構成す
る。光の進行方向を矢印4の方向とすると、基板屈折率
はn2であるから、格子溝に平行な方向の偏光に対する第
1領域と第2領域の屈折率差は、 格子溝に垂直な方向の偏光に対しては(Δn)⊥=n2−
n⊥となる。しかし、このΔnの変化だけでは、格子厚
さtを選んでも(2)式のγを両偏光に対して γ⊥=πの両方を満たせない。
そこで、本発明では第2図に示す格子の第2の領域を
位相調整用に厚さを変えた第1図の構造をとっている。
第1図において、第1の領域1の凹凸溝深さをt1、第2
の領域2の深さをt2とすると、各偏光に対する両領域の
位相差は、 で与えられる。(5),(6)式で、 γ⊥=πの両条件を満たすt1,t2が存在する。
位相調整用に厚さを変えた第1図の構造をとっている。
第1図において、第1の領域1の凹凸溝深さをt1、第2
の領域2の深さをt2とすると、各偏光に対する両領域の
位相差は、 で与えられる。(5),(6)式で、 γ⊥=πの両条件を満たすt1,t2が存在する。
以上が本発明の原理である。溝深さt1,t2を浅く、す
なわち容易に製作するためには、 が大きいことが必要であり、そのためには屈折率n2の大
きい材料を用いることが得策である。
なわち容易に製作するためには、 が大きいことが必要であり、そのためには屈折率n2の大
きい材料を用いることが得策である。
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。
る。
第1図は本発明の実施例の基本構成を示す部分斜視図
である。上述したように基板3の材料としては屈折率が
大きい方が好ましいので、光波長1.3μmの長波光通信
用にシリコン(Si)結晶を用いた。この波長ではシリコ
ンは透明で、屈折率はn2=3.5である。稠密格子のピッ
チに対する溝幅比q=0.5とすると、(3),(4)式
から n⊥=1.3598となる。稠密格子のピッチとしては、λ/2
より小さければよいので0.6μmとした。また、第1の
領域1と第2の領域2とからなる格子構造の周期は、所
望の0次回折光と他次回折光の分離がとれることが設計
条件となり、本実施例では50μmとした。
である。上述したように基板3の材料としては屈折率が
大きい方が好ましいので、光波長1.3μmの長波光通信
用にシリコン(Si)結晶を用いた。この波長ではシリコ
ンは透明で、屈折率はn2=3.5である。稠密格子のピッ
チに対する溝幅比q=0.5とすると、(3),(4)式
から n⊥=1.3598となる。稠密格子のピッチとしては、λ/2
より小さければよいので0.6μmとした。また、第1の
領域1と第2の領域2とからなる格子構造の周期は、所
望の0次回折光と他次回折光の分離がとれることが設計
条件となり、本実施例では50μmとした。
上述のn2=3.5 n⊥=1.3598を用いて(5),(6)式を解くと、t1=
0.535μm,t2=0.198μmとなるので、各々t1=0.54μm,
t2=0.2μmの格子を製作した。0.6μmの稠密格子は、
ホログラフィー干渉でレジストをパターニングし、基板
3への稠密格子及び第2の領域2の形成には反応性イオ
ンエッチングを用いた。
0.535μm,t2=0.198μmとなるので、各々t1=0.54μm,
t2=0.2μmの格子を製作した。0.6μmの稠密格子は、
ホログラフィー干渉でレジストをパターニングし、基板
3への稠密格子及び第2の領域2の形成には反応性イオ
ンエッチングを用いた。
本実施例の偏光素子によれば、格子溝に平行な偏光と
直交する偏光との間の消光比は20dBがとれた。
直交する偏光との間の消光比は20dBがとれた。
なお、本実施例では格子型偏光素子の第1の領域と第
2の領域の境界面に対して、第1の領域内の稠密格子の
周期方向が垂直な場合を示したが、第1の領域内の稠密
格子の周期方向は第1の領域と第2の領域の境界面に対
して任意の角度で良いことは上述の作用の項での説明か
ら明らかである。
2の領域の境界面に対して、第1の領域内の稠密格子の
周期方向が垂直な場合を示したが、第1の領域内の稠密
格子の周期方向は第1の領域と第2の領域の境界面に対
して任意の角度で良いことは上述の作用の項での説明か
ら明らかである。
本発明の偏光素子は複屈折性結晶を必要とせず、シリ
コンなどの容易に、しかも安価に入手できる材料で構成
されているうえに、フォトリソグラフィの手法で簡単に
多数個同時に製作でき、しかも組立てを必要としないの
で極めて安価である。
コンなどの容易に、しかも安価に入手できる材料で構成
されているうえに、フォトリソグラフィの手法で簡単に
多数個同時に製作でき、しかも組立てを必要としないの
で極めて安価である。
また、本発明の偏光素子は、本質的に薄膜素子であ
り、素子の強度を持たせるだけの基板厚さがあればよい
ので、100μm程度と極めて薄く、軽量な素子を構成す
ることができる。
り、素子の強度を持たせるだけの基板厚さがあればよい
ので、100μm程度と極めて薄く、軽量な素子を構成す
ることができる。
第1図は本発明の実施例の部分斜視図、 第2図は本発明の原理を説明するための格子の部分斜視
図である。 1……第1の領域 2……第2の領域 3……基板 4……光の進行方向を示す矢印
図である。 1……第1の領域 2……第2の領域 3……基板 4……光の進行方向を示す矢印
Claims (1)
- 【請求項1】光の波長の1/2よりも小さいピッチを有す
る表面凹凸型の1次元周期構造を有する第1の領域と平
坦な表面を有する第2の領域とを交互に配置した回折格
子であって、偏光によって前記回折格子の回折効率が変
化するように、前記第1の領域と前記第2の領域の位相
関係を付与するために、前記第2の領域の厚さを前記第
1の領域と異なるようにしたことを特徴とする偏光素
子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63158107A JP2687451B2 (ja) | 1988-06-28 | 1988-06-28 | 偏光素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63158107A JP2687451B2 (ja) | 1988-06-28 | 1988-06-28 | 偏光素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH028802A JPH028802A (ja) | 1990-01-12 |
JP2687451B2 true JP2687451B2 (ja) | 1997-12-08 |
Family
ID=15664456
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63158107A Expired - Lifetime JP2687451B2 (ja) | 1988-06-28 | 1988-06-28 | 偏光素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2687451B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE4011718A1 (de) * | 1990-04-11 | 1991-10-17 | Heidenhain Gmbh Dr Johannes | Integriert-optische sensoreinrichtung |
JP2532818B2 (ja) * | 1993-02-01 | 1996-09-11 | 松下電器産業株式会社 | 対物レンズおよび光ヘッド装置 |
JP3371846B2 (ja) * | 1999-04-06 | 2003-01-27 | 日本電気株式会社 | ホログラム素子 |
EP1269224A1 (en) * | 1999-12-08 | 2003-01-02 | OTM Technologies, Ltd. | Improved motion detector and components suitable for use therein |
JP4336665B2 (ja) | 2005-05-12 | 2009-09-30 | 株式会社エンプラス | 光学素子およびこれを備えた光ピックアップ装置 |
JP2010261999A (ja) * | 2009-04-30 | 2010-11-18 | Ricoh Co Ltd | 光学素子、偏光フィルタ、光アイソレータ、光学装置 |
JP4491555B1 (ja) * | 2009-06-29 | 2010-06-30 | ナルックス株式会社 | 光学素子及びその製造方法 |
-
1988
- 1988-06-28 JP JP63158107A patent/JP2687451B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH028802A (ja) | 1990-01-12 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070822 Year of fee payment: 10 |
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FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080822 Year of fee payment: 11 |
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EXPY | Cancellation because of completion of term |