JP3023572B2 - 偏光素子 - Google Patents

偏光素子

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JP3023572B2 JP3311977A JP31197791A JP3023572B2 JP 3023572 B2 JP3023572 B2 JP 3023572B2 JP 3311977 A JP3311977 A JP 3311977A JP 31197791 A JP31197791 A JP 31197791A JP 3023572 B2 JP3023572 B2 JP 3023572B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、偏光素子に関するもの
である。
【0002】
【従来技術】従来の偏光素子としては、複屈折性の大き
な結晶で構成されたグラントムソンプリズムやロション
プリズムに代表される偏光プリズムや、ブリュースター
条件を利用して偏光成分を分離するPBS(偏光ビーム
スプリッタ)や、高分子を一方向に配向させ一方向の偏
光成分を吸収する偏光フィルムが主流を占めていた。
【0003】また最近、誘電体媒質中に金属を分散させ
ることによって偏光を吸収させる偏光素子や、誘電体膜
と金属膜を積層させ金属膜による損失によって偏光を得
る偏光素子が報告されている。
【0004】また異なる2種類の誘電体を光の波長より
も十分短い距離で規則的に配列した場合に生じる複屈折
性と回折格子とを組み合わせた偏光素子もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記偏光
プリズムにおいては、天然に存在する結晶は大型のもの
が得にくいため、偏光素子の大面積化が困難である上に
大変高価であった。またPBSや偏光フイルムにおいて
は、安価であるが消光比が低く耐久性に問題があった。
【0006】また金属を分散させた偏光素子において
は、一方の偏光成分を吸収するため波長依存性が大き
く、所望する波長帯に合わせて作製条件をその都度設定
しなければならない。また誘電体膜と金属膜を積層させ
た偏光素子においては、積層数に限りがあり、その大型
化が困難であった。
【0007】さらに2種類の誘電体を規則的に配列した
偏光素子においては、周期的な格子を精度良く作製しな
ければならず、大型の基板に一度に製作することが課題
となっていた。
【0008】本発明は上述の点に鑑みてなされたもので
あり、安価で製造が容易で大面積化が図れる偏光素子を
提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め本発明にかかる偏光素子は、等方性の基板10上に断
面が三角形状の溝11を入射光の波長の数倍程度以上の
間隔で周期的に多数個形成し、各溝11の二つの側面の
内の一方の側面上のみに該側面と平行に屈折率の異なる
複数種類の誘電体層13,15を交互に積層し且つ該
積層の周期を入射光の波長の1/2以下として複屈折性
を持たせて構成した。
【0010】
【作用】基板10の溝11に設けた誘電体層13,15
からなる積層構造部は、複屈折性を有している。従って
この積層構造部に光を入射すると、該入射光は直交する
2つの直線偏光に分離されてそれぞれの直線偏光に異な
った方向が与えられたり、異なった位相差が与えられた
りする。
【0011】そしてこの複屈折性は、基板10の各溝1
1において生じる。つまり溝11を設けた全ての部分で
複屈折性が生じ、結局、大面積の偏光素子が容易に実現
できる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1は本発明にかかる偏光素子の要部を示
す側面図である。同図に示すようにこの偏光素子は、基
板10上に三角形状の溝11を周期的に多数個形成し、
各溝11内に屈折率の異なる2種類の誘電体層13,1
5を交互に積層して構成されている。以下各構成部分に
ついて説明する。
【0013】基板10は等方性の材料、例えばGGG,
GaAs,Siなどで構成されている。
【0014】またこの基板10上に形成される溝11
は、その断面形状が二等辺三角形の形状とされ、また溝
11と溝11の周期Lは、この基板10に入射してくる
光の波長に対して十分長い長さ(該溝11による複屈折
や回折が防止できる程度の長さであり、少なくとも光の
波長の数倍程度以上の長さで、通常百倍程度以上の長さ
である)に構成されている。なおこの溝11の深さはh
とされ、また基板10の法線に対する溝11の角度はθ
とされている。
【0015】ここで図2は1つの溝11内における誘電
体層13,15の積層状態を示す拡大図である。同図に
示すように屈折率の異なる(即ち誘電率の異なる)2種
類の誘電体層13,15は、溝11の左側の側面と平行
となるように、該側面上に交互に周期的に積層されてい
る。そして誘電体層13,15の積層の周期pは、入射
光の波長の1/2以下となるように構成されている。こ
のように構成すれば、この誘電体層の周期構造は複屈折
性を示す。なお誘電体層13,15としては、例えばS
iO2,a−Si,TiO2等を用いる。
【0016】なおここでこの周期構造の屈折率は、これ
に入射する2つの直交する偏光成分に対して異なるが、
この実施例においては、常光線a(図2に示す紙面に垂
直な方の偏光成分)に対する屈折率naと、異常光線b
(紙面に対して平行な方向の偏光成分)に対する屈折率
bは、以下のようになる。 na=〔n1 2q+n2 2(1−q)〕1/2 ・・・(1) nb=〔(1/n1 2)q+(1/n2 2)(1−q)〕 -1/2 ・・・(2) ただし、n1:誘電体層13の屈折率 n2:誘電体層15の屈折率 q:積層の周期pに対する誘電体層13の充填率
【0017】そしてこの実施例の場合は、常光線aに対
する屈折率naが基板10の屈折率n0と同一になるよう
に、n1とn2とqを定めることとした。
【0018】一方この偏光素子の製造は、図1に示すよ
うに、基板10に設けた各溝11に矢印Aで示す方向か
ら斜め蒸着を行い、該溝11内に誘電体層13,15を
積層・充填し、その後基板10の表面を光学研磨するこ
とによって行なわれる。
【0019】次にこの偏光素子の作用について説明す
る。ここで図3は1つの溝11に上方から垂直に光が入
射した場合の状態を示す図である。同図に示すように基
板10に対して垂直上方から光が入射した場合、常光線
aは、積層した誘電体層13,15からなる周期構造
と、基板10をそのまま直進していく。該周期構造と基
板10の境界面を光が直進するのは、該周期構造の常光
線aに対する屈折率naを基板10の屈折率n0と同一と
したからである。
【0020】一方、異常光線bは、積層した誘電体層1
3,15からなる周期構造に入射した際、該周期構造は
異常光線bに対して所定角度θだけ傾いているので屈折
し(分離角φ)、常光線aとは分離されて基板10に入
射し(このとき屈折するが図3では省略している)該基
板10から出射される。なおこの分離角φは、前記
1,n2,q,θのパラメータによって異なるので、こ
れらのパラメータを適当に選ぶことによって所望の分離
角φが得られる。
【0021】以上の現象(複屈折性)は、図1に示す基
板10の上方から光を入射した場合、各溝11において
生じる。つまり溝11を設けた全ての部分で上記現象が
生じ、結局、大面積の偏光素子が容易に実現できるので
ある。
【0022】なおここで上記実施例の具体例を示す。即
ち基板10の材料としてYIG(nsub=2.2)、誘
電体層13,15の材料としてそれぞれMgF2(n1
1.38),GaAs(n2=3.42)を用いる。そ
して誘電体層13の充填率qをq=0.7とする。
【0023】これによって常光線aの屈折率naは、前
記式(1) より、na=2.20、異常光線bの屈折率nb
は、前記式(2) より、nb=1.59となる。
【0024】従って、常光線aはその屈折率naが基板
10の屈折率nsubと同一なので直進する。
【0025】一方この基板10に設けた溝11の角度θ
をθ=54.0°とすると、異常光線bの分離角φはφ
=18.1°となる(計算式は省略する)。そして基板
10の厚みを500μmとすると、該基板10から出射
する常光線aと異常光線bの離間距離lはl≒209.
7μmとなる。
【0026】なお上記実施例においては、常光線aが誘
電体層13,15と基板10を直進するように構成した
が、本発明はこれに限られない。つまり本発明において
は2つの偏光成分が分離できれば良く、必ずしも一方の
偏光成分が直進しなくても良いのである。
【0027】図4は本発明の他の実施例にかかる偏光素
子の要部を示す拡大側面図である。同図に示すようにこ
の偏光素子の場合は、基板10′に設ける溝11′の形
状を直角三角形とし、基板10′の面に垂直な側面上に
該側面と平行に誘電体層13′,15′を交互に周期的
に積層して構成されている。その他の条件は上記図1に
示す実施例と同様である。
【0028】この実施例においては、この基板10′の
上方から垂直に光を入射した場合、積層した誘電体層1
3′,15′は該入射光の入射方向に対して平行とな
る。このため、該入射光の直交する2つの偏光成分は、
そのまままっすぐこの誘電体層13′,15′を通過し
ていく。但し、この場合2つの偏光成分には位相のズレ
が生じる。なおこの位相のズレの量は、この溝11の深
さh′や基板10の法線に対する溝11の角度θ′等に
よって調整できる。従ってこの偏光素子は例えば1/2
波長板や1/4波長板として利用できる。
【0029】この偏光素子も図4に示す矢印B方向から
斜め蒸着を行って溝11′内に誘電体層13′,15′
を設け、該基板10′の表面を光学研磨して製造され
る。
【0030】図5は本発明にかかる偏光素子の他の製造
方法を示す図である。偏光素子を製造するには、同図に
示すように、まず基板10″を斜めに固定する。これに
よって溝11″の左側の側面を水平にする。そしてこの
状態で同図に矢印Cで示す方向から真空蒸着を行って、
溝11″内の水平とした側面上に誘電体層13″,1
5″の積層周期構造を形成していく。そして最後に基板
10″の上面が水平となるようにD−D線上を光学研磨
すれば、この偏光素子が完成するのである。
【0031】なお誘電体層13″,15″を積層してい
く時に、各誘電体層13″,15″の一端は溝11″の
水平でない側の側面(右側の側面)に支えられる。この
ため同図に矢印Eで示す方向の膜応力が緩和され、これ
によって誘電体層13″,15″の積層数を増加させる
ことが可能となる。なおこの効果は上記図1,図4にお
いて斜め蒸着を行った場合にも同様に生じる。なお従来
の薄膜を積層して構成する偏光素子は、該薄膜を平らな
広い基板面に対して垂直方向に積層していたため膜応力
がかかり、その積層数に限界が生じ、且つ膜厚の制御も
困難となっていた。
【0032】なお上記実施例においては誘電体層を積層
する方法として蒸着手段を用いたが、本発明においては
他の積層手段、例えばスパッタリングを用いて積層して
もよい。
【0033】また基板に設ける溝は三角形状のものであ
れば、上記各実施例と異なる形状であってもよい。すな
わち例えば他の形状ののこぎり形格子やブレーズド格子
であってもよい。
【0034】また上記実施例においては2種類の誘電体
層を交互に積層したが、本発明はこれに限られず、屈折
率の異なる3種類以上の誘電体層を交互に積層してもよ
い。
【0035】また上記図1に示す実施例においては、基
板10の屈折率n0を積層した誘電体層13,15の常
光線aに対する屈折率naと同一としたが、該基板10
の屈折率n0は異常光線bに対する屈折率nbと同一にし
てもよい。
【0036】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる偏光素子によれば、以下のような優れた効果を有す
る。 誘電体層を積層する溝は各々小区間に分割されている
ので、基板の面積を大きくして該基板に設ける溝の数を
増やすことによって容易に偏光素子の大面積化が図れ
る。
【0037】基板に設けた溝内に誘電体層を積層した
ので、誘電体層の片側が該溝の側面に支えられ、該誘電
体層の膜応力を緩和できるばかりか膜厚の制御も容易と
なり、その積層数が容易に増加できる。
【0038】本発明によれば、誘電体の積層方向を基
板の面に対して容易に傾けることができ、従って、基板
に垂直に入射した光を容易に誘電体に対して斜めに入射
させることができる。従って、従来の偏光プリズムのよ
うに結晶軸を考慮してカットする工程は不必要となる。
【0039】製造が容易で量産性に優れ、安価に製造
できる。
【0040】複屈折性を有する誘電体の積層部分に入
射した光をそれぞれの偏光成分に分離する分離角が溝形
状や誘電体の種類や誘電体の充填率等により様々に設定
できる。つまり自由度がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる偏光素子の要部を示す側面図で
ある。
【図2】1つの溝11内における誘電体層13,15の
積層状態を示す拡大図である。
【図3】1つの溝11に上方から光が入射した場合の状
態を示す図である。
【図4】本発明の他の実施例にかかる偏光素子の要部を
示す側面図である。
【図5】本発明にかかる偏光素子の他の製造方法を示す
図である。
【符号の説明】
10 基板 11 溝 13,15 誘電体層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/18 G02B 5/30 G02B 5/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 等方性の基板上に断面が三角形状の溝を
    入射光の波長の数倍程度以上の間隔で周期的に多数個形
    成し、各溝の二つの側面の内の一方の側面上のみに該側
    面と平行に屈折率の異なる複数種類の誘電体層を交互に
    積層し且つ該積層の周期を入射光の波長の1/2以下
    として複屈折性を持たせたことを特徴とする偏光素子。
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