JP2687357B2 - スリツプリングコンタクト - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はビデオテープレコーダ（VTR）において、回
転ドラムにアンプ用プリント基板（以下、単にプリント
基板という）を搭載した場合に、プリント基板や磁気ヘ
ッドに、所謂固定側から電源電流を供給したり、プリン
ト基板との間で信号を授受したりするのに使用するスリ
ップリングコンタクトに関するものである。 ［発明の概要］ 本発明は、導電性素材で作られたスリップリングを、
非導電性素材で作られたロッドの周面に取付けると共
に、該ロッドの下端にはスリップリングリード導出部を
形成し、該スリップリングリード導出部を回転軸側に設
けたコネクタに嵌合することにより、回転軸側に取付け
られるようになっているスリップリングコンタクトにお
いて、 前記スリップリングリード導出部の周面には、スリッ
プリングリード端子を設けると共に、該スリップリング
リード端子と前記スリップリングをロッド及びスリップ
リングリード導出部内で互いに接続しておくとともに、
前記コネクタの内周には、前記スリップリングリード端
子に接触するコネクタピンを設けることにより、 前記スリップリング導出部を、回転軸側に設けたコネ
クタに嵌合することにより、コネクタとスリップリング
コンタクトとの機械的接続と電気的接続を同時に、かつ
簡単に行うことができるようにしたものである。 ［従来の技術］ VTRにおいて、回転ドラム側にプリント基板を搭載し
た場合に、プリント基板や磁気ヘッドに電源電流を供給
したり、プリント基板との間で信号を授受したりするの
にスリップリングコンタクトが使用されている。 スリップリングコンタクトは一般に第11図に示したよ
うに、銅などの導電性素材で作られたスリップリング１
…１と、これらスリップリング１…１を周面に取付けて
いるプラスチックなどの非導電性素材で作られたロッド
２と、該ロッド２の下端に設けられているスリップリン
グコード導出部３とを備えていて、前記スリップリング
１…１に接触しているブラシ４を介して固定側から導入
した電源電流を前記スリップリングリード導出部３から
プリント基板５に供給したり、プリント基板５との間で
信号を授受したりするようになっている。 ［発明が解決しようとする問題点］ ところで従来のスリップリングコンタクト６は第11図
に示したように、スリップリングリード導出部３の下端
に設けたビス受フランジ７を使用して、ビス８…８で回
転ドラム９の回転軸受部材10に取付けられるようになっ
ていると共に、スリップリングリード導出部３の周面に
設けたリード線導出口11から、一端側を前記スリップリ
ング１…１に電気的に接続したスリップリングリード線
12…12の他端側を引き出して、その先端をハンダ13でプ
リント基板５に電気的に接続するようになっていたため
に次に述べるような問題点があった。 （１）ビス８…８を使用するために、回転軸受部材10へ
のスリップリングコンタクト６の取付作業が面倒であ
る。 （２）スリップリングコンタクト６の機械的な取付作業
と、電気的な接続作業とを別々に行うため、作業性が悪
い。 （３）スリップリングコンタクト６を新しいものに取替
えなければならないような場合に、いちいちハンダ13…
13を溶かして、スリップリングリード線12…12をプリン
ト基板５から外さなければならないため、取付乃至取替
作業が面倒である。 （４）スリップリングリード線12…12の輻射によるカブ
リ影響が出やすい。 上記のような問題点を少しでも解決するために、回転
軸受部材10に筒状のコネクタを取付け、該コネクタにス
リップリングリード導出部３を嵌合して、スリップリン
グコンタクトを回転軸受部材10に取付ける方法も開発さ
れるに至ったが、これはコネクタにスリップリングリー
ド導出部３を嵌合するという性質上、従来のビスを使用
するものに較べて簡単にスリップリングコンタクトを回
転軸受部材側に機械的に取付けることができるという長
所はあるが、上記（２），（３）項で述べた問題点を解
決するまでには至っていない。 本発明は上記（２），（３）項の問題点をも簡単に解
決できるスリップリングコンタクトを提供することを目
的として為されたものである。 ［問題点を解決するための手段］ 導電性素材で作られたスリップリングと、該スリップ
リングを周面に取付けている非導電性素材で作られたロ
ッドと、該ロッドの下端に設けられているスリップリン
グリード導出部とを備えていて、該スリップリングリー
ド導出部を回転軸受部材やプリント基板等に設けた筒状
のコネクタに嵌合して、これら回転軸受部材やプリント
基板等への取付けを行うようになっているスリップリン
グコンタクトにおいて、 前記スリップリングリード導出部の周面には、スリッ
プリングリード端子を設けると共に、該スリップリング
リード端子と前記スリップリングをロッド及びスリップ
リングリード導出部内でリード線により互いに接続する
とともに、前記コネクタの内周には、前記スリップリン
グリード端子に接触するコネクタピンを設けた。 ［作用］ スリップリングリード導出部をコネクタに嵌合するこ
とにより、スリップリングコンタクトの回転軸受部材や
プリント基板側への機械的な取付けを行うことができる
と共に、スリップリングリード導出部の周面にはスリッ
プリングリード端子を設けたので、予めプリント基板に
接続してあるプリント基板側のリード端子の一端側をコ
ネクタの内周面側に突出させておき、コネクタにスリッ
プリングリード導出部を嵌め込んだときに、これらスリ
ップリングリード端子とプリント基板側のコネクタ端子
が互いに接触するようにしておけば、コネクタへスリッ
プリングリード導出部を挿入することにより、スリップ
リングコンタクトの機械的取付けと、電気的接続を同時
に行うことができる。 ［実施例］ 次に本発明を第１〜10図を参照して説明する。第１図
において、21が本発明のスリップリングコンタクトであ
る。このスリップリングコンタクト21は、銅などの導電
性素材で作られたスリップリング22…22と、これらスリ
ップリング22…22を所定の間隔ｄをもって周面に取付け
ているプラスチックなどの非導電性素材で作られた円柱
状のロッド23と、該ロッド23の下端に連設されたスリッ
プリングリード導出部24とを備えている。前記スリップ
リングリード導出部24はロッド23同質材により、該ロッ
ド23よりも大径の円柱状に形成されていて、その周面に
は、前記スリップリング22…22に対応する数のスリップ
リングリード端子25…25が放射状に設けられている。そ
して、これらスリップリング22…22とスリップリングリ
ード端子25…25はロッド23及びスリップリングリード導
出部24内でリード線26…26によって互いに接続されてい
る。 前記スリップリングコンタクト21の製造方法の一例を
簡単に説明すると、先ず第４図に示したようにスリップ
リングリード端子25…25となる突条28…28を内周面に放
射状に設けた円筒体29を形成し、前記突条28…28とスリ
ップリング22…22をリード線26…26で接続する。そし
て、これら円筒体29乃至スリップリング22…22を第５図
に示したようにプラスチック成形金型30内にセットする
と共に、これらスリップリング22…22乃至円筒体29の中
心部には下端に回転軸嵌合部31を設けた芯金32をセット
し、しかるのち、第６図に示したように前金型30内に溶
融プラスチックを注入し、固化させれば第７図に示すよ
うな部材33ができる。そこで前記突条28…28部分を残し
て円筒体29の環状部分34を切削，削除すると共にスリッ
プリング22…22の周面にブラシ受溝を切削すれば第２図
に示すように、前記スリップリング22…22と、スリップ
リングリード端子25…25を接続しているリード線26…26
がプラスチック内に埋め込まれて、リード線26…26の接
続が外れるのをほぼ完全に防止することができるスリッ
プリングコンタクト21が形成されることになるのであ
る。35はスリップリングリード導出部24の周面にスリッ
プリングリード端子25と並行に設けられた位置決め用の
凹溝である。 そして前記スリップリングコンタクト21は次に述べる
コネクタ36にスリップリングリード導出部24を嵌合する
ことによりプリント基板37側に取付けられて使用される
ようになっている。 前記コネクタ36は非導電性プラスチックで円筒状に形
成されていて、その軸心が回転軸38の軸心と一致するよ
うにプリント基板37乃至回転ドラム39の回転軸受部材40
に取付けられている。またコネクタ36の内周面には第８
図に示したように位置決め用の凸条41が形成されてい
て、該コネクタ36にスリップリングリード導出部24を挿
入すると、前記位置決め用の凹溝35に凸条41が嵌まり込
んでスリップリングリード導出部24の位置決めが為され
ると共に、回転軸嵌合部31に回転軸38の先端が嵌まり込
むようになっている。またコネクタ36には、これに挿入
したスリップリングリード導出部24のスリップリングリ
ード端子25…25と対応する位置にコネクタピン42…42が
取付けられている。これらコネクタピン42…42は第10図
に示したように一端側にプリント基板37への接続片43を
設けた導電性の筒状基部44と、該筒状基部44に出没可能
に嵌合されている導電性の頭部45と、前記筒状基部44内
に取付けられていて、該筒状基部44の一端側から前記頭
部45を突出させているコイルスプリング46とからなって
いる。これらコネクタピン42…42は、前記接続片43をコ
ネクタ36の外周面から突出させ、頭部45をコネクタ36の
内周面から突出させた状態で取付けられていて、前記接
続片43はプリント基板37にハンダ47で接続されるように
なっている。そして、コネクタ36にスリップリングリー
ド導出部24を嵌合すると、その周面に設けたスリップリ
ングリード端子25…25がコネクタピン42…42の頭部45に
当接して、これら頭部45をコイルスプリング46のばね力
に抗して押し下げるようになっている。 なお第１図において、48は先端48aが前記スリップリ
ング22に当接しているブラシ、49と50は回転軸受部材40
を回転軸38に固着しているナットとワッシャ、51は固定
ドラム、52は固定ドラム51に対して回転軸38を回転可能
に支持しているベアリング、53はロータリートランスで
ある。 実施例のスリップリングコンタクトコンタクト21は上
記のような構成であるから、コネクタ36にスリップリン
グリード導出部24を押し込むと該導出部24の周面に設け
たスリップリングリード端子25…25がコネクタ36に設け
たコネクタピン42…42の頭部45…45に当接し、これら頭
部45…45はコイルスプリング46のばね力に抗して押し下
げられて、スリップリングリード導出部24がコネクタ36
内に嵌ま込む。従ってコネクタピン42…42の頭部45…45
に作用するコイルスプリング46…46のばね力で、スリッ
プリングリード導出部24はコネクタ36内にしっかりと取
付けられた状態、つまり機械的に接続された状態になる
と共に、スリップリングリード導出部24の周面に設けた
スリップリングリード端子25…25はコネクタピン42…42
を介してプリント基板37のリード端子と電気的にも接続
された状態になるのである。 なお図面に示す実施例では本発明のスリップリングコ
ンタクトをVTRの回転ドラム装置に使用した場合を示し
たが、これに限定されるものではない。 ［発明の効果］ 本発明のスリップリングコンタクトは以上、説明した
ような構成であるから次に述べるような効果がある。 （１）スリップリングとスリップリングリード端子を接
続するリード線はロッド及びスリップリングリード導出
部を構成するプラスチック素材等の内で完全に埋め込ま
れた状態になっているので、リード線の両端部のスリッ
プリング及びスリップリングリード端子との接続部の接
続が外れるのを防止することができる。 （２）スリップリング導出部を嵌合するコネクタの内周
に、スリップリングリード端子に圧接するコネクタピン
を設けておくことにより、スリップリングコンタクトの
コネクタへの機械的接続と電気的接続の双方を同時に行
うことができる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明のスリップリングコンタクト使用状態の
断面図、第２図はスリップリングコンタクトの正面図、
第３図は同平面図、第４図はスプリング及びスリップリ
ングリード端子となる突条を内周面に設けた円筒体の斜
視図、第５図はスリップリング及び円筒体を金型内にセ
ットした状態の断面図、第６図はは金型内に溶融樹脂を
充填した状態の断面図、第７図は仕上加工する前のスリ
ップリングコンタクトの正面図、第８図はコネクタの平
面図、第９図は第８図のIX−IX線断面図、第10図はコネ
クタピンの断面図、第11図は従来例の断面図である。 21……スリップリングコンタクト、22……スリップリン
グ、23……ロッド、24……スリップリング導出部、25…
…スリップリングリード端子。

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．導電性素材で作られたスリップリングと、該スリッ
   プリングを周面に取付けている非導電性素材で作られた
   ロッドと、該ロッドの下端に設けられているスリップリ
   ングリード導出部とを備えていて、該スリップリングリ
   ード導出部をコネクタに嵌合することにより、回転軸側
   に取付けられるようになっているスリップリングコンタ
   クトにおいて、 前記スリップリングリード導出部の周面には、スリップ
   リングリード端子を設け、該スリップリングリード端子
   と前記スリップリングをロッド及びスリップリングリー
   ド導出部内でリード線により互いに接続するとともに、
   前記コネクタの内周には、前記スリップリングリード端
   子に接触するコネクタピンを設けた ことを特徴とするスリップリングコンタクト。