JP2686495B2 - 銀の変色除去装置 - Google Patents
銀の変色除去装置Info
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- JP2686495B2 JP2686495B2 JP3164096A JP16409691A JP2686495B2 JP 2686495 B2 JP2686495 B2 JP 2686495B2 JP 3164096 A JP3164096 A JP 3164096A JP 16409691 A JP16409691 A JP 16409691A JP 2686495 B2 JP2686495 B2 JP 2686495B2
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- silver
- container
- acid
- discoloration
- electrolytic solution
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C25—ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
- C25F—PROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC REMOVAL OF MATERIALS FROM OBJECTS; APPARATUS THEREFOR
- C25F1/00—Electrolytic cleaning, degreasing, pickling or descaling
- C25F1/02—Pickling; Descaling
- C25F1/04—Pickling; Descaling in solution
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Electrochemistry (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
- Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銀材や、銀製若しくは
銀メッキ製の食器等各種物品に生ずる褐色乃至黒色の変
色を物理的研磨処理に依らずして、電気化学的処理に依
り、除去する装置に係る。
銀メッキ製の食器等各種物品に生ずる褐色乃至黒色の変
色を物理的研磨処理に依らずして、電気化学的処理に依
り、除去する装置に係る。
【0002】
【従来の技術】銀材や銀製品は、保管若しくは使用中
に、空気に触れることによりその表面に褐色乃至黒色の
被膜で覆われて変色し、銀本来の美麗な輝きを失うこど
は衆知である。これは空気中の硫化水素、亜硫酸ガスな
どの硫黄化合物が銀と反応して硫化銀を銀表面に被膜と
して形成することに依る。従来、このような硫化銀に依
る変色の除去方法としては、1.柔らかい微粒子の入っ
た研磨剤で磨く物理的手法。2.チオ尿素に塩酸,硫
酸,グリコール酸又は酒石酸などを配合した水溶液中に
浸漬することにより変色被膜を溶解除去する化学的手
法。3.炭酸ナトリウムのアルカリ性溶液を入れたホー
ロー製容器の中に処理すべき銀製品をアルミ箔又は亜鉛
片と接触させた状態で収容し、且上記溶液を65℃以上
好ましくは沸騰温度に加熱保持することにより銀の硫化
銀による変色を金属銀に還元させる自然発生電位差を応
用した電気化学的手法などがあった。
に、空気に触れることによりその表面に褐色乃至黒色の
被膜で覆われて変色し、銀本来の美麗な輝きを失うこど
は衆知である。これは空気中の硫化水素、亜硫酸ガスな
どの硫黄化合物が銀と反応して硫化銀を銀表面に被膜と
して形成することに依る。従来、このような硫化銀に依
る変色の除去方法としては、1.柔らかい微粒子の入っ
た研磨剤で磨く物理的手法。2.チオ尿素に塩酸,硫
酸,グリコール酸又は酒石酸などを配合した水溶液中に
浸漬することにより変色被膜を溶解除去する化学的手
法。3.炭酸ナトリウムのアルカリ性溶液を入れたホー
ロー製容器の中に処理すべき銀製品をアルミ箔又は亜鉛
片と接触させた状態で収容し、且上記溶液を65℃以上
好ましくは沸騰温度に加熱保持することにより銀の硫化
銀による変色を金属銀に還元させる自然発生電位差を応
用した電気化学的手法などがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、上記1.
の手法では、銀表面に研磨剤による擦り傷が付くのみな
らず、研磨する手間労力を必要とし、作業性が甚だ悪
い。上記2.の手法に依れば、使用する薬品の特性上、
チオ尿素を主剤とする溶解液には毒性があり、食器類へ
の適用には安全衛生面で問題であり、当然採用範囲が限
定される。又上記3.の手法の場合は、やはり炭酸ナト
リウムというアルカリ性で取扱い要注意の薬品を用いる
こと、而も65℃以上好ましくは沸騰液温に加熱保持す
る必要があるのみならず、同法はアルミニウムが炭酸ナ
トリウムに溶けることにより反応作用するものであり、
反応と同時に瞬間的に反応するが、アルミニウムが炭酸
ナトリウム中に溶け込むとたちまち反応しなくなり、く
もり取り効果は早期に消失する欠点があり、大量の銀製
品のくもり除去には全く不向きである。一方、最近は大
気汚染が益々進行し、これに起因して銀製品の変色が各
家庭においても多発する傾向が見受けられ、殊に多数の
銀製若しくは銀メッキ製の食器類を取扱うホテルやレス
トラン,喫茶店などでは、その変色除去、清浄化に人手
不足も手伝って困窮している現状であり、早急にあまり
人手、労力を要せず、より早く、よりきれい、より安全
にしかも多量の銀製品を一度に処理可能な変色除去装置
の出現を強く待ち望んでいる。
の手法では、銀表面に研磨剤による擦り傷が付くのみな
らず、研磨する手間労力を必要とし、作業性が甚だ悪
い。上記2.の手法に依れば、使用する薬品の特性上、
チオ尿素を主剤とする溶解液には毒性があり、食器類へ
の適用には安全衛生面で問題であり、当然採用範囲が限
定される。又上記3.の手法の場合は、やはり炭酸ナト
リウムというアルカリ性で取扱い要注意の薬品を用いる
こと、而も65℃以上好ましくは沸騰液温に加熱保持す
る必要があるのみならず、同法はアルミニウムが炭酸ナ
トリウムに溶けることにより反応作用するものであり、
反応と同時に瞬間的に反応するが、アルミニウムが炭酸
ナトリウム中に溶け込むとたちまち反応しなくなり、く
もり取り効果は早期に消失する欠点があり、大量の銀製
品のくもり除去には全く不向きである。一方、最近は大
気汚染が益々進行し、これに起因して銀製品の変色が各
家庭においても多発する傾向が見受けられ、殊に多数の
銀製若しくは銀メッキ製の食器類を取扱うホテルやレス
トラン,喫茶店などでは、その変色除去、清浄化に人手
不足も手伝って困窮している現状であり、早急にあまり
人手、労力を要せず、より早く、よりきれい、より安全
にしかも多量の銀製品を一度に処理可能な変色除去装置
の出現を強く待ち望んでいる。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述の諸々の課題に鑑
み、これらを解決するための手段として、次の如く提案
する。即ちその要旨とするところは、重炭酸,炭酸,ク
エン酸,リンゴ酸,グルコン酸又はグリコール酸夫々の
ナトリウム塩,カリウム塩若しくはアンモニウム塩のい
ずれか一種又は二種以上を含む水溶液を電解液とし、こ
の電解液を収容した金属製の容器と、該容器と電気的に
非接触の状態で、該容器内の電解液中に浸漬され、且つ
処理すべき銀製品を収納する網状又は多孔状の金属製籠
と、前記容器を陽極とし、前記籠を陰極とするよう接続
した直流電源とからなることを特徴とする銀の変色除去
装置にある。
み、これらを解決するための手段として、次の如く提案
する。即ちその要旨とするところは、重炭酸,炭酸,ク
エン酸,リンゴ酸,グルコン酸又はグリコール酸夫々の
ナトリウム塩,カリウム塩若しくはアンモニウム塩のい
ずれか一種又は二種以上を含む水溶液を電解液とし、こ
の電解液を収容した金属製の容器と、該容器と電気的に
非接触の状態で、該容器内の電解液中に浸漬され、且つ
処理すべき銀製品を収納する網状又は多孔状の金属製籠
と、前記容器を陽極とし、前記籠を陰極とするよう接続
した直流電源とからなることを特徴とする銀の変色除去
装置にある。
【0005】
【作用】上記組成の電解液中において、被処理材の銀を
陰極とし、一方の陽極との間で直流による電解処理を行
うと、陽極側からは酸素ガスが発生し、陰極側である銀
の表面からは水素ガスが発生する。この際、銀表面に生
成している変色成分である硫化銀は、この水素ガスと化
学反応して、次式で示すように、
陰極とし、一方の陽極との間で直流による電解処理を行
うと、陽極側からは酸素ガスが発生し、陰極側である銀
の表面からは水素ガスが発生する。この際、銀表面に生
成している変色成分である硫化銀は、この水素ガスと化
学反応して、次式で示すように、
【0006】
【化1】 還元反応により、硫化銀(Ag2S)は銀(Ag)に還
元され、同時に硫化銀中の硫黄(S)は水素(H2)と
反応して硫化水素(H2S)として飛散し、硫化銀の一
部は水素ガスによりその密着性を失って銀表面から剥離
し、液中に脱落するものと思考される。このように本願
発明になる銀の変色除去装置は、変色成分の硫化銀を直
接、電解による還元反応によって金属銀に還元するもの
であるから、従来の研磨剤による機械的手法と相違し、
銀表面の損耗は全くなく、勿論研磨手法によるような擦
り疵の発生は皆無であり、極めて美麓な銀本来の輝きに
復元できる。然も、本発明装置では、薬液の老化がな
く、長時間の施工及び大量の処理が可能のみならず、反
応時間が極めて早く、素早く処理でき、又電圧条件を変
えることにより仕上り条件を適宜調節できるなど数々の
優れた特徴を有する。更に、被処理物は食器関係が殆ど
であるが、本発明に使用する薬品が食品添加物級若しく
は食品級であるから仮令洗浄不十分でも経口的にも安全
である。本発明装置に必要とする直流電源は、乾電池の
みならず、その他の直流電源の使用を妨げない。又、供
給電圧と薬液(電解液)の濃度は仕上がり時間に関係す
るだけで、必ずしも電圧と濃度範囲の限定を必要としな
いが、実質的には、電圧は約3V以上20V、薬液の濃
度は約1%以上20%程度までが好ましい。又、液温は
常温でも差し支えないが、50〜60℃程度に加温した
方がより反応速度を速めて有効である。但しこれ以上の
加温は必要としない。尚、陽極材としてはステンレス,
黒鉛,鉛などの不溶性材質のものが使用できる。
元され、同時に硫化銀中の硫黄(S)は水素(H2)と
反応して硫化水素(H2S)として飛散し、硫化銀の一
部は水素ガスによりその密着性を失って銀表面から剥離
し、液中に脱落するものと思考される。このように本願
発明になる銀の変色除去装置は、変色成分の硫化銀を直
接、電解による還元反応によって金属銀に還元するもの
であるから、従来の研磨剤による機械的手法と相違し、
銀表面の損耗は全くなく、勿論研磨手法によるような擦
り疵の発生は皆無であり、極めて美麓な銀本来の輝きに
復元できる。然も、本発明装置では、薬液の老化がな
く、長時間の施工及び大量の処理が可能のみならず、反
応時間が極めて早く、素早く処理でき、又電圧条件を変
えることにより仕上り条件を適宜調節できるなど数々の
優れた特徴を有する。更に、被処理物は食器関係が殆ど
であるが、本発明に使用する薬品が食品添加物級若しく
は食品級であるから仮令洗浄不十分でも経口的にも安全
である。本発明装置に必要とする直流電源は、乾電池の
みならず、その他の直流電源の使用を妨げない。又、供
給電圧と薬液(電解液)の濃度は仕上がり時間に関係す
るだけで、必ずしも電圧と濃度範囲の限定を必要としな
いが、実質的には、電圧は約3V以上20V、薬液の濃
度は約1%以上20%程度までが好ましい。又、液温は
常温でも差し支えないが、50〜60℃程度に加温した
方がより反応速度を速めて有効である。但しこれ以上の
加温は必要としない。尚、陽極材としてはステンレス,
黒鉛,鉛などの不溶性材質のものが使用できる。
【0007】
【実施例】実施例1.表面に硫化銀によるくもりを生じ
た銀製スプーンを−極とし、+極の対極にはSUS30
4板を用い、直流電源として単一電池を4個直列に連結
した6Vを使用して、上記被処理材と対極間に印荷し、
一方電解液に重炭酸ナトリウムを用い、その濃度を0.
05%乃至5%の範囲で種々変え、液温は室湿(18
℃)でテストした結果、電解液濃度0.05%では極く
わずか作用してくもりが取れるが実用性なく、濃度0.
1%では徐々に作用効果が増進するが未だ実用性に乏し
く、濃度0.5%では可成りくもり取り効果あるも、処
理に約10分程度を要し、尚不充分、濃度1%では1分
処理で可成りくもりが取れ実用性あり、濃度3%では1
5秒の電解処理で完全にくもりが取れ、更に濃度5%で
は10秒の電解処理で完全にくもりの除去に成功した。
実施例2.実施例1の結果から明らかなように、仮令室
温程度の電解液の液温であっても、電解液の濃度と、電
解電圧を適正に選択すれば、銀製品のくもり取りの目的
は充分に満足できるが、この実施例では実施例1と同じ
電圧及び電解液を使用し、液温を60℃で処理、テスト
比較した結果、当然乍ら反応速度が早まり、濃度0.5
%でも1分処理で完全にくもりが取れて、液温による効
果も認められた。但し、60℃以上の液温は取扱い上火
傷の危険が高まるし、又電解処理条件としてその必要も
ない。実施例3.実施例1と同じ電解条件で、電解液の
重炭酸ナトリウムに代えて炭酸ナトリウムを用いて比較
した結果、室温(18℃)でも液濃度1%で1分間処理
した結果、完全にくもりが取れ、重炭酸ナトリウムより
も若干強力なことが認められた。実施例4.実施例1と
同様な電解条件で、電解液濃度5%に設定し、直流電圧
のみ、変えてテストした結果、電圧1.5Vでは極く若
干のくもり取り効果は認められるものの、全く実用性は
なく、3V付近より効果が増大、更に4.5V,6Vと
電圧を上げるに伴って処理時間が大巾に短縮されること
を確認した。且つ、実用的には20V以下で充分であ
り、これ以上の高電圧は必要としない。その他の実施例
として、電解液の成分をクエン酸,酒石酸,リンゴ酸,
グルコン酸,グリコール酸夫々のナトリウム塩,カリウ
ム塩又はアンモニウム塩の一種又は二種以上を含む水溶
液につき濃度及び電圧の変更によるくもり取り効果を確
かめたが、前記実施例と略々同等の効果を確認した。前
記各実施例を実施するための装置につき図面を参照して
説明する。図1においては、1は金属製例えばステンレ
ス製の容器、2は同じく金属製(ステンレス)の目の荒
い網で形成した籠(笊を含む)3は同籠2の底部を被覆
した任意の電気絶縁材、4,4‥‥‥は、同籠2内に収
容した処理すべき銀製品、5は最高20Vの可変電圧直
流電源器にして、その+極は上記容器1の端部に接続さ
れ、又その−極は上記籠2の端部に接続されている。6
は容器1内に収容されている重炭酸ナトリウムの電解液
である。このような装置において、電圧を任意に例え
ば、3Vに設定し通電すると、陽極側の容器1と陰極側
の籠2に接触した銀製品4,4‥‥‥との間で電気分解
作用が生起し、陰極側に発生する水素ガスにより銀製品
表面の硫化銀が金属銀に還元されくもりが除去される。
尚、上記直流電源器5は乾電池でも、その他型式の電池
でも採用できる。図2に乾電池を採用した一実施例につ
き説明すると、10は任意の形状、例えば有底中空のス
テンレス製、乾電池容器であって、収容する乾電池11
の−極と該容器10とが電気的に接続するように構成さ
れ、一方乾電池の+極は前記容器1に導線12を介し、
クリップ13により接続される。電源器を除くその他の
構成は図1に示すものと同様である。この乾電池容器1
0を図2に示すように、籠2内に立て掛ければ、籠2及
び収納した銀製品4,4‥‥‥は−極側となり、+極側
の容器1との間で電気分解を生起させることができる。
その作用及び効果は前述した通りである。尚、前記した
銀製品を収容する籠(笊を含む)2と電解液を収容する
容器1との間の絶縁にはゴム板、布等を両者間に介在さ
せるようにしてもよろしい。
た銀製スプーンを−極とし、+極の対極にはSUS30
4板を用い、直流電源として単一電池を4個直列に連結
した6Vを使用して、上記被処理材と対極間に印荷し、
一方電解液に重炭酸ナトリウムを用い、その濃度を0.
05%乃至5%の範囲で種々変え、液温は室湿(18
℃)でテストした結果、電解液濃度0.05%では極く
わずか作用してくもりが取れるが実用性なく、濃度0.
1%では徐々に作用効果が増進するが未だ実用性に乏し
く、濃度0.5%では可成りくもり取り効果あるも、処
理に約10分程度を要し、尚不充分、濃度1%では1分
処理で可成りくもりが取れ実用性あり、濃度3%では1
5秒の電解処理で完全にくもりが取れ、更に濃度5%で
は10秒の電解処理で完全にくもりの除去に成功した。
実施例2.実施例1の結果から明らかなように、仮令室
温程度の電解液の液温であっても、電解液の濃度と、電
解電圧を適正に選択すれば、銀製品のくもり取りの目的
は充分に満足できるが、この実施例では実施例1と同じ
電圧及び電解液を使用し、液温を60℃で処理、テスト
比較した結果、当然乍ら反応速度が早まり、濃度0.5
%でも1分処理で完全にくもりが取れて、液温による効
果も認められた。但し、60℃以上の液温は取扱い上火
傷の危険が高まるし、又電解処理条件としてその必要も
ない。実施例3.実施例1と同じ電解条件で、電解液の
重炭酸ナトリウムに代えて炭酸ナトリウムを用いて比較
した結果、室温(18℃)でも液濃度1%で1分間処理
した結果、完全にくもりが取れ、重炭酸ナトリウムより
も若干強力なことが認められた。実施例4.実施例1と
同様な電解条件で、電解液濃度5%に設定し、直流電圧
のみ、変えてテストした結果、電圧1.5Vでは極く若
干のくもり取り効果は認められるものの、全く実用性は
なく、3V付近より効果が増大、更に4.5V,6Vと
電圧を上げるに伴って処理時間が大巾に短縮されること
を確認した。且つ、実用的には20V以下で充分であ
り、これ以上の高電圧は必要としない。その他の実施例
として、電解液の成分をクエン酸,酒石酸,リンゴ酸,
グルコン酸,グリコール酸夫々のナトリウム塩,カリウ
ム塩又はアンモニウム塩の一種又は二種以上を含む水溶
液につき濃度及び電圧の変更によるくもり取り効果を確
かめたが、前記実施例と略々同等の効果を確認した。前
記各実施例を実施するための装置につき図面を参照して
説明する。図1においては、1は金属製例えばステンレ
ス製の容器、2は同じく金属製(ステンレス)の目の荒
い網で形成した籠(笊を含む)3は同籠2の底部を被覆
した任意の電気絶縁材、4,4‥‥‥は、同籠2内に収
容した処理すべき銀製品、5は最高20Vの可変電圧直
流電源器にして、その+極は上記容器1の端部に接続さ
れ、又その−極は上記籠2の端部に接続されている。6
は容器1内に収容されている重炭酸ナトリウムの電解液
である。このような装置において、電圧を任意に例え
ば、3Vに設定し通電すると、陽極側の容器1と陰極側
の籠2に接触した銀製品4,4‥‥‥との間で電気分解
作用が生起し、陰極側に発生する水素ガスにより銀製品
表面の硫化銀が金属銀に還元されくもりが除去される。
尚、上記直流電源器5は乾電池でも、その他型式の電池
でも採用できる。図2に乾電池を採用した一実施例につ
き説明すると、10は任意の形状、例えば有底中空のス
テンレス製、乾電池容器であって、収容する乾電池11
の−極と該容器10とが電気的に接続するように構成さ
れ、一方乾電池の+極は前記容器1に導線12を介し、
クリップ13により接続される。電源器を除くその他の
構成は図1に示すものと同様である。この乾電池容器1
0を図2に示すように、籠2内に立て掛ければ、籠2及
び収納した銀製品4,4‥‥‥は−極側となり、+極側
の容器1との間で電気分解を生起させることができる。
その作用及び効果は前述した通りである。尚、前記した
銀製品を収容する籠(笊を含む)2と電解液を収容する
容器1との間の絶縁にはゴム板、布等を両者間に介在さ
せるようにしてもよろしい。
【0008】
【発明の効果】本発明装置に依れば、食品級乃至食品添
加物級の中性塩水溶液を電解液とし、外部に設けた直流
電源(乾電池容器型式の電源を含む)から一定電圧以上
の電流を供給して電解処理するものであるから、次のよ
うな卓越した効果が期待できる。 1.重炭酸ナトリウムのような略々中性に近くて極めて
安全な食品添加物級のものや、クエン酸のような食品級
の有機酸のしかもその中性塩を用いて銀の変色が除去で
きて極めて安全、無害である。 2.変色除去反応速度が極めて早い。 3.電解処理電圧を調節することによって被処理物に応
じて処理時間をコントロールできる。 4.従来の自然発生電位差を利用する電気化学的手法の
必要条件とする処理液の加温(65℃以上好ましくは沸
騰温度)を必要とせず、常温でも極めて迅速に処理でき
るので、火傷の心配がなく取扱いが安全、容易である。 5.硫化銀の還元反応のため、銀表面は極めて自然に銀
本来の光沢を取りもどし、他の何れの方法よりも仕上が
り性がよく、すり疵の発生や銀自体の損耗がない。 6.処理量に制限がなく、特に一度に多量の銀製品の処
理や、大型の銀製品の連続処理にも極めて有効である。 7.電解液が食品添加物級又は食品級の中性塩水溶液の
ため、取り扱いが容易なばかりでなく、銀食器などの場
合、仮令水洗が不充分で液が残存しても経口的にも安
全、無害である。 8.処理装置が簡単で消耗品が少なく、且処理操作も極
めて単純容易であるので、特に多量の銀食器を取扱うホ
テルやレストランに採用して好適である。
加物級の中性塩水溶液を電解液とし、外部に設けた直流
電源(乾電池容器型式の電源を含む)から一定電圧以上
の電流を供給して電解処理するものであるから、次のよ
うな卓越した効果が期待できる。 1.重炭酸ナトリウムのような略々中性に近くて極めて
安全な食品添加物級のものや、クエン酸のような食品級
の有機酸のしかもその中性塩を用いて銀の変色が除去で
きて極めて安全、無害である。 2.変色除去反応速度が極めて早い。 3.電解処理電圧を調節することによって被処理物に応
じて処理時間をコントロールできる。 4.従来の自然発生電位差を利用する電気化学的手法の
必要条件とする処理液の加温(65℃以上好ましくは沸
騰温度)を必要とせず、常温でも極めて迅速に処理でき
るので、火傷の心配がなく取扱いが安全、容易である。 5.硫化銀の還元反応のため、銀表面は極めて自然に銀
本来の光沢を取りもどし、他の何れの方法よりも仕上が
り性がよく、すり疵の発生や銀自体の損耗がない。 6.処理量に制限がなく、特に一度に多量の銀製品の処
理や、大型の銀製品の連続処理にも極めて有効である。 7.電解液が食品添加物級又は食品級の中性塩水溶液の
ため、取り扱いが容易なばかりでなく、銀食器などの場
合、仮令水洗が不充分で液が残存しても経口的にも安
全、無害である。 8.処理装置が簡単で消耗品が少なく、且処理操作も極
めて単純容易であるので、特に多量の銀食器を取扱うホ
テルやレストランに採用して好適である。
【図1】本発明の基本的実施例装置の説明図である。
【図2】本発明装置の他の実施態様を示す説明図であ
る。
る。
1 容器 10 乾
電池容器 2 籠 11 乾
電池 3 電気絶縁材 12 導
線 4 銀製品 13 ク
リップ 5 可変電圧直流電源器 6 電解液
電池容器 2 籠 11 乾
電池 3 電気絶縁材 12 導
線 4 銀製品 13 ク
リップ 5 可変電圧直流電源器 6 電解液
Claims (1)
- 【請求項1】重炭酸,炭酸,クエン酸,リンゴ酸,グル
コン酸又はグリコール酸夫々のナトリウム塩,カリウム
塩若しくはアンモニウム塩のいずれか一種又は二種以上
を含む水溶液を電解液とし、この電解液を収容した金属
製の容器と、該容器と電気的に非接触の状態で、該容器
内の電解液中に浸漬され、且つ処理すべき銀製品を収納
する網状又は多孔状の金属製籠と、前記容器を陽極と
し、前記籠を陰極とするよう接続した直流電源とからな
ることを特徴とする銀の変色除去装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3164096A JP2686495B2 (ja) | 1991-04-08 | 1991-04-08 | 銀の変色除去装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3164096A JP2686495B2 (ja) | 1991-04-08 | 1991-04-08 | 銀の変色除去装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04311597A JPH04311597A (ja) | 1992-11-04 |
JP2686495B2 true JP2686495B2 (ja) | 1997-12-08 |
Family
ID=15786692
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3164096A Expired - Fee Related JP2686495B2 (ja) | 1991-04-08 | 1991-04-08 | 銀の変色除去装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2686495B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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1991
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