JP2686327B2 - 揮発性有機物の圧力スイング式分離回収方法 - Google Patents

揮発性有機物の圧力スイング式分離回収方法

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JP2686327B2 JP1271829A JP27182989A JP2686327B2 JP 2686327 B2 JP2686327 B2 JP 2686327B2 JP 1271829 A JP1271829 A JP 1271829A JP 27182989 A JP27182989 A JP 27182989A JP 2686327 B2 JP2686327 B2 JP 2686327B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は化学工業、電子工業、機械工業等で広く用い
られるフルオロカーボン、トリクロールエタン等のハロ
ゲン化有機物、アセトン、トルエン等揮発性炭化水素等
の揮発性有機物の分離回収方法に関する。
〔従来の技術〕
化学工業、電子工業、機械工業等の機械部品、電子回
路等の洗浄に使われるフルオロカーボン、トリクロール
エタン、ジメチルエチレン等の有機溶剤はその排出が規
制されており、又その価格が極めて高価なことから分離
濃縮して回収した後再使用に供されることが望まれてい
る。
この目的にかなった方法として最も普及しているのが
活性炭吸着−蒸気再生の工程から構成される溶剤回収法
である。
活性炭は疎水性を示す吸着剤であり、水分を共存する
希薄有機溶剤ガスが流過しても選択的に有機溶剤を吸着
する。吸着剤が有機溶剤で飽和状態になった時には向流
的に高温の水蒸気を流過させると吸着剤は昇温され、か
つ吸着剤は向流の水蒸気流れにさらされることから有機
溶剤は離脱するので吸着剤を低温の乾燥空気で冷却する
と吸着剤は再使用可能な状態となる。
一方、水蒸気とともに脱着した有機溶剤は、凝縮機で
凝縮すると有機溶剤と水相の液々二相に分かれて取り出
される。又、混合液として取り出される場合は精留操作
によって有機溶剤と水分を分離して有機溶剤が回収する
こととなる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来方法では再生に水蒸気を使うことから変動費
の大半がこれにあてられる。又、系によっては水蒸気は
往々にして入手できない場合があり、そのような場合に
はプラントサイトに新たに水蒸気発生器を設置する必要
がある。
水蒸気の使用は有機溶剤吸着剤の側からも必ずしも好
ましくなく、高温を使用するための有機溶剤の熱変
質。熱変質物の吸着剤への蓄積による吸着性能の低
下、凝縮時の有機溶剤と水分の分離の必要なこと、
水相に溶解した有機溶剤及び分解生成物のプラント材料
への腐食、スケーリングの問題、水相に溶解した有機
溶剤の環境汚染等の主として化学的な問題を有してい
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記技術水準に鑑み、従来技術におけるよう
な問題点を解消したフルオロカーボン、トリクロールエ
タン等のハロゲン化有機物、アセトン、トルエン等の揮
発性有機物を回収する方法を提供せんとするもので、下
記構成(1)〜(4)を有する揮発性有機物の圧力スイ
ング式分離方法である。
(1)揮発性有機物及び水分を含有するガスを流量G
0で、かつ1〜2atmの吸着圧力Paで高シリカゼオライト
又はシリカ超微粒子の吸着剤層に流過させて揮発性有機
物及び水分を該吸着剤層に吸着させて揮発性有機物及び
水分を実質上含有しないガスを該吸着剤層より放出し、
該吸着剤層に吸着した揮発性有機物及び水分を前記吸着
圧力Paの1/10以下の減圧状態の再生圧力Pdの下で、かつ
揮発性有機物及び水分を含まないパージガスを式Gp≧G0
×(Pd/Pa)で表される流量Gpで吸着時のガスの流れと
向流的に流過させて吸着剤層から離脱させて減容濃縮さ
れた揮発性有機物及び水分を含有するガスを得ると同時
に、吸着剤層を再生する第1工程と、第1工程で得られ
た減容濃縮された揮発性有機物及び水分を含有するガス
をK−A型又はNa−A型ゼオライトよりなる水分吸着剤
によって水分のみを吸着除去した後、加圧して水分を含
有しない揮発性有機物を液化して回収すると共に、水分
を吸着した水分吸着剤層は減圧して水分を離脱させて再
生する第2工程とよりなることを特徴とする揮発性有機
物の圧力スイング式分離回収方法。
(2)請求項(1)の第1工程で得られた減容濃縮され
た揮発性有機物及び水分を含有するガスを少なくとも2
塔からなる蓄冷材塔の1塔に流過させて該ガスを降温し
て水分を結露又は氷として除去した後、水分を除去され
た揮発性有機物含有ガスを最寒冷却部で液化凝縮して回
収し、回収後の不凝縮ガスを減圧下にある他の蓄冷材塔
に水分除去時の流れと向流的に流過させて、水分除去時
に昇温した蓄冷材を冷却して冷熱を回収すると共に、該
不凝縮ガスは昇温して結露した水分又は氷を蒸発、昇華
させて蓄冷材塔を再使用可能な状態に再生することを特
徴とする揮発性有機物の圧力スイング式分離回収方法。
(3)請求項(2)の方法の降温、液化凝縮過程による
水分除去、液体有機物の回収を加圧条件で行ない、不凝
縮ガスの昇温及び水分の蒸発、昇華過程は減圧条件で行
うことを特徴とする揮発性有機物の圧力スイング式分離
回収方法。
(4)請求項(2)又は(3)の方法において、蓄冷材
塔の蓄冷材の前方にK−A型又はNa−A型ゼオライトか
らなる水分吸着剤層を設置することを特徴とする揮発性
有機物の圧力スイング式分離回収方法。
〔作用〕
フルオロカーボン、トリクロールエタン、アセトン、
トルエン等の溶剤、冷媒等として多用される揮発性有機
物及び水分とを含有するガスを高シリカゼオライト又は
シリカ超微粒子の吸着剤層に流過させると当該有機物及
び水分はそれぞれの分圧に応じて吸着塔前方から逐次吸
着され、後方から当該有機物及び水分を含有しないガス
が塔後方から放出される。本発明は揮発性有機物の分離
回収を目的とするので、以下揮発性有機物の挙動を主体
に説明する。ここで吸着剤の当該有機物の吸着量は分圧
が大きい程増大する。このため、通常吸着圧力は高圧に
設定するが、揮発性有機物のように上限値が蒸気圧で設
定され、又1vo1%以下の低濃度ガスの処理が対象となる
場合が多いと高圧化は消費電力の増大を伴ない得策では
なく、大気圧近傍で吸着させるのが望ましい。
吸着が進行すると該有機物が流過してくるようになる
ので、それ以前に塔前方から減圧状態に導いて吸着した
該有機物及び水分の離脱再生を計るようにする。この時
の減圧条件としては脱着時の到達圧力が、吸着時の分圧
(すなわち、吸着圧力と該揮発性有機物濃度の積)を下
廻ることが必要である。これは相当な高真空を要求する
こととなり、別法としては該有機物を除去されたガスな
どの揮発性有機物及び水分を含有しないガスを減圧工程
で吸着時のガスを流れと向流的にパージガスとして流過
して塔内の分圧を減少させて脱着する方法がある。
しかし本発明では減容濃縮も吸着除去と同じく目的の
一部に含まれるため、パージガスの使用量を極力抑える
こととして、できる限り高真空(低圧)で脱着すること
とした。
ここで吸着圧力Pa〔atm〕、再生圧力Pd〔atm〕、パー
ジガス量Gp〔Nm3/h〕、入口ガス量G0〔Nm3/h〕、除去後
のガス量G1〔Nm3/h〕の間には G1=G0−Gp (2) の関係であることが圧力スイング法の提唱者Skarstrom
により提案されており、吸着圧力と再生圧力の比率Pa/P
dが脱着ガスの濃縮率の最大値になることとなる。又、P
a/Pdを大きく採る程吸着剤の使用量は小さくてもよい。
このため、発明者等は後述する実施例に基き経済性を検
討しPa/Pdを10倍以上に設定して、減容率を1/10(濃縮
率10倍と同義)に設定した。
ここで揮発性有機物が極めて強く吸着されるため、吸
着剤としては比較的吸着力の弱い吸着剤が望ましい。こ
のための吸着剤としては高シリカゼオライト又はシリカ
超微粒子が好適である。通常圧力スイング法に多用され
るCa−A、Na−X、Ca−X型ゼオライト等の低シリカア
ルミナ系のゼオライトは吸着時に窒素の共吸着が多く、
又有機物との強い吸着のため、脱着が良好でないので真
空ポンプに多大な負担をかけるので好ましくない。
減容率1/10、濃縮率を10倍以上にすると、入口該有機
物濃度が高濃度であれば真空ポンプ出口の分圧が蒸気圧
を超えて凝縮するので、これを回収すればよいが、通常
は入口有機物濃度はかなり低い為、加圧、降温を併用し
て濃縮後のガスの分圧を上げるか、濃縮後のガスの蒸気
圧を下げて凝縮の高効率化を計る必要がある。
先ず最も簡単な方法は圧縮することである。但し、こ
の場合も濃縮ガス中に水分が共存しているので、先ずK
−A型又はNa−A型ゼオライトのような水分は吸着する
が該有機物は吸着しない水分吸着剤を充填した少なくと
も2塔から構成される吸着塔を流過させて、あらかじめ
水分を除去する。この後、他の1塔では吸着剤が水分で
飽和するので減圧に導いて水分を離脱させる。つまり、
水分除去にも圧力スイング法を用いるのである。再生が
不充分な場合、吸着剤を多量に用いる必要があったり、
完全な水分除去が計れないので、更に減圧に導いたり凝
縮回収後の不凝縮ガスをパージガスとして向流に流すこ
ともある。
次に考えられるのは冷却方式を採用することである。
濃縮された該有機物ガスを金網、鉄球塔を蓄冷材として
充填した再生式熱交換器(蓄冷材塔)に流過すると蓄冷
材と濃縮ガス間の熱交換で逐次降温して、先ず水分が結
露し、更に0℃以下になると氷結して、その後−5〜20
℃で該有機物ガスが凝縮する。この後、不凝縮ガスを向
流に蓄冷材に流過すると蓄冷材を冷却してガスは昇温
し、蓄冷材表面に結露、凝縮した水分を昇華、蒸発させ
て冷熱の回収と水分の除去が計られることとなる。
この時、降温の過程を加圧で行ない、昇温の過程を減
圧で行なうとより高効率に水分の除去、該有機物の凝縮
回収、冷熱の回収が行なわれることとなる。
〔実施例1〕 以下、本発明の一実施態様を第1図によって説明す
る。
機械部品の洗浄装置1では洗浄剤としてフロン113を
使用しており、その揮発性のため、流路2から1Nm3/分
のフロン113を5000ppm含むプロセスオフガスが排出され
る。洗浄装置1内のパージガスには外気を抽気して使用
しているため、オフガス中には1〜3vo1%の水分が共存
する。
このフロン113及び水分を含むオフガスは圧縮機3で
最大3atmまで加圧され、開状態のバルブ4aから吸着剤6
の充填された吸着塔5aを流過し、入口から水分及びフロ
ン113がほぼ同等吸着され、開状態のバルブ7a、流路8
からフロン113及び水分を含まないガスが放出される。
一方、吸着塔5bの吸着剤6はフロン113及び水分で飽和
しており、開状態のバルブ9b、流路12、真空ポンプ13か
ら吸着塔5bを減圧条件に導くと、フロン113及び水分が
離脱して吸着剤は再生される。再生の条件としては吸着
工程の塔内各点のフロン分圧を再生工程の塔内フロン分
圧が下廻る必要があり、高度な真空又は開状態のバルブ
10a、減圧弁11、バルブ10bを通じての向流のフロンを含
まないガスによる向流パージを減圧条件下で行なう必要
がある。
パージ量については圧力スイング法の提唱者Skarstro
mにより吸着工程の圧力をPa〔atm〕、再生工程の圧力Pd
〔atm〕、入口オフガス量G0〔Nm3/h〕、パージガス量Gp
〔Nm3/h〕とすると、 となるので吸着圧力は高圧に再生圧力は低圧に設定する
程Gpは小さくなる。流路12からの脱着ガス量G2〔Nm3/
h〕は脱着ガス量Gd〔Nm3/h〕、塔内空隙容積Gv〔Nm3/
h〕とGpの合量だが、通常GD≫Gd,GvなのでG2≒Gpとな
り、Gpが小さい程濃縮率は高く減容効果は大きくなる。
減容濃縮された脱着ガスG2は流路14から開状態のバル
ブ14aを通じて吸着塔15aに入る。吸着塔15aの前方部16
にはK−A型ゼオライトが入っており、K−A型ゼオラ
イトは水分は吸着するが、フロン113を吸着しないた
め、水分が除去さ乾燥状態となって後方の蓄冷剤17に入
る、蓄冷材17としては直径1mmφの鉄球を使用した。蓄
冷材17との接触で濃縮ガスは降温し、バルブ18a、流路1
9を経て最寒冷部の冷凍機21で−20℃に達し、フロン113
は液化する。液化したフロン113は凝縮器20の低部のド
レンライン22から回収される。
一方、冷凍機21における不凝縮ガスは流路23から減圧
弁24を通じて開状態のバルブ25bから吸着塔15bに入る。
吸着塔15bの後方部の蓄冷材17は、先の工程の減容濃
縮ガスとの接触で昇温しているが、続いてくる不凝縮ガ
スとの接触で再び後方から徐々に降温し、一方不凝縮ガ
スは昇温して冷熱の80%以上が回収される。この後、前
方部のK−A型ゼオライト16と接触すると不凝縮ガスは
水分を全く含まないため、吸着剤と不凝縮ガスの水分分
圧差により水分は不凝縮ガス中に移行してK−A型ゼオ
ライトは再生される。
水分を含んだ不凝縮ガスは開状態のバルブ26bから流
路27、真空ポンプ28を通じて減圧条件で離脱される。
ここで物質収支について検討するとこのシステムでは
入口流路2からフロン113を5000ppm含むガスが60Nm3/h
(1Nm3/分)の流量で流入すると、流路12からはフロン1
13濃度5vo1%の減容濃縮ガス6Nm3/hが回収される。この
後、この減容濃縮ガスは吸着塔15aで水分が除去され、
流路19から凝縮器20へ−15℃で流入し、冷凍機21にて−
20℃で最寒冷されると流入したフロン113の80%は液化
して分離され、流路23からはフロン113濃度1vol%の不
凝縮ガス5.5Nm3/hが流出する。このガスは高濃度でフロ
ン113を含み大気放散は好ましくないので、吸着塔15bで
蓄冷材17及びK−A型ゼオライトと接触させて冷熱回収
と再生を行ったのち、流路29から流路2へ結ぶと流路2
から吸着塔へ供給されるガスのフロン113濃度は5100pp
m、流量は65.5Nm3/hへわずかに増大するだけで定常状態
となり、フロン113は第1図の閉鎖系を構成して、フロ
ン113を含有しないガスが流路8から得られ、フロン113
は液化フロン113(約2.5kg/h)として流路22から有機物
として再利用可能な形で回収される。
真空ポンプ28の減圧の程度について言及すると、吸着
塔15a,15bに関して入口ガス量は6Nm3/h(流路14)、不
凝縮ガスは5.5Nm3/h(流路23)なので入口ガスの80%以
上のガスがパージガスとして流過するので、わずかに減
圧にすれば蓄冷材17及び脱湿剤16の熱、物質交換サイク
ルは成立することとなる。
又、K−A型ゼオライトを水分選択型吸着剤として使
用したが、Na−A型ゼオライトを使用してもかまわな
い。
第1図の一実施態様の効果を実証するため、フロン11
3吸着剤の性能を各種操作条件を変更して検討した。
第2図は再生圧力を0.05atm、吸着湿度を25℃として
流路8からのフロン113の出口濃度を10ppm以下に維持す
るようにパージガス量を可変とし、吸着圧力を1〜3atm
で変更した時の、γ−アルミナ、活性炭、高シリカゼオ
ライト、シリカ超微粒子、Ca−A型ゼオライトの各吸着
剤のフロン113の濃縮倍率を示している。第2図中γ−
アルミナは◎、活性炭は○、高シリカゼオライトは△、
シリカ超微粒子は●、Ca−A型ゼオライトは□で表わし
ている。
シリカ超微粒子とは2000℃以上の高温気相SiO2蒸気を
急冷して得られる0.1μm以下の超微粒子を造粒成形し
た1.5mmφのビードである。
吸着圧力の増大に伴ないγ−アルミナ、活性炭、高シ
リカゼオライト、シリカ超微粒子の濃縮率は増大し、吸
着圧力1atmの15倍から3atmの30倍へと増大する。
Ca−A型ゼオライトは濃縮率は2倍程度と極端に悪い
が、これは強い吸着量のため、共存する主成分の窒素を
も共吸着するためである。ゼオライトは窒素を吸着する
ので高シリカゼオライトのような吸着の抑制された例外
を除いては使用できない。
第3図は第2図と同一条件でのγ−アルミナ(◎)、
活性炭(○)、高シリカゼオライト(△)、シリカ超微
粒子(●)の吸着圧力と減容濃縮ガス1Nm3/h当りの消費
電力(KW)の関係を示す。いずれの吸着剤も似た挙動を
示し、吸着圧力の増大に伴ない消費電力は増大するの
で、塔内圧損程度の昇圧に停めた1.05〜1.2atm程度の吸
着圧力が望ましいことが判る。
第4図は吸着圧力を1.05atm、流路8からフロン113出
口濃度を10ppm以下に維持するようにパージガス量を可
変として塔温度を25℃とした時の再生圧力と濃縮倍率の
関係を示す。
再生圧力を低圧にする程、濃縮倍率は増大する。
第5図は第4図と同一条件での再生圧力と脱着ガス中
のフロン113 1Nm3/h当りの消費電力(KW)の関係を示
す。低圧にする程排気ガス量1Nm3/h当りの消費電力は脱
着圧力の0.29乗に比例して増大するのに対し、パージガ
ス量は脱着圧力に反比例して減少するので総括的には低
圧にする程有利である。但し、真空ポンプの特性、吸着
特性から下限値は1Torr(1.3×10-3atm)程度となろ
う。
第6図は吸着圧力1.05atm、再生圧力0.01atmとした時
のγ−アルミナ、活性炭、高シリカゼオライト、シリカ
超微粒子の温度25〜100℃での塔温度と濃縮倍率の関係
を示す。
いずれも広い温度域で濃縮倍率80倍を上廻っている。
〔実施例2〕 第1図の吸着塔15a,bの全塔に蓄冷材を充填し、K−
A型ゼオライトの使用をやめたが、蓄冷材の前方部での
水分の結露、後方での氷結、再生工程での水分の昇華、
蒸発で脱湿剤を用いずともフロン113を回収することが
できた。
〔実施例3〕 第1図の真空ポンプ13の出口圧力を2atm以上に昇圧し
てフロン113の分圧を上昇することでフロン113回収率を
1.1atm、80%から90%へと向上させることができた。
又、脱湿剤16の使用量を40%削減できた。
〔実施例4〕 実施例1のフローシート(第1図)で揮発性有機物及
び吸着剤を下表のように代えて行ったが、本発明に係る
高シリカゼオライト及びシリカ超微粒子を使用した場合
がγ−アルミナ及び活性炭を使用した場合に比較して濃
縮率が高く、良好に揮発性有機物を分離し得ることを確
認した。
上記倍率で濃縮した揮発性有機物は実施例1で示した
2塔式蓄冷材塔で冷却水分除去を行なった後、−30℃の
最寒冷部で液化凝縮して回収し、不凝縮ガスは第1段入
口に戻して再回収して行った。このため回収率は99%以
上を維持した。
〔発明の効果〕
本発明による圧力スイング式分離回収方法によれば、
揮発性有機物及び水分を含むガスから揮発性有機物を高
効率で回収することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施態様のフローシートを説明する
概略図、第2図は吸着圧力とフロン113濃縮倍率の関係
を示す図表、第3図は吸着圧力と回収フロン113の消費
電力の関係を示す図表、第4図は再生圧力とフロン113
濃縮倍率の関係を示す図表、第5図は再生圧力とフロン
113の消費電力の関係を示す図表、第6図は吸着塔温度
とフロン113濃縮倍率の関係を示す図表である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大嶋 一晃 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重 工業株式会社長崎造船所内 (72)発明者 荒木 公一 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重 工業株式会社長崎造船所内 (72)発明者 武田 和三 東京都千代田区丸の内2丁目5番1号 三菱重工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭50−44176(JP,A) 特公 昭38−25969(JP,B1)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】揮発性有機物及び水分を含有するガスを流
    量G0で、かつ1〜2atmの吸着圧力Paで高シリカゼオライ
    ト又はシリカ超微粒子の吸着剤層に流過させて揮発性有
    機物及び水分を該吸着剤層に吸着させて揮発性有機物及
    び水分を実質上含有しないガスを該吸着剤層より放出
    し、該吸着剤層に吸着した揮発性有機物及び水分を前記
    吸着圧力Paの1/10以下の減圧状態の再生圧力Pdの下で、
    かつ揮発性有機物及び水分を含まないパージガスを式GP
    ≧G0×(Pd/Pa)で表される流量Gpで吸着時のガスの流
    れと向流的に流過させて吸着剤層から離脱させて減容濃
    縮された揮発性有機物及び水分を含有するガスを得ると
    同時に、吸着剤層を再生する第1工程と、第1工程で得
    られた減容濃縮された揮発性有機物及び水分を含有する
    ガスをK−A型又はNa−A型ゼオライトよりなる水分吸
    着剤によって水分のみを吸着除去した後、加圧して水分
    を含有しない揮発性有機物を液化して回収すると共に、
    水分を吸着した水分吸着剤層は減圧して水分を離脱させ
    て再生する第2工程とよりなることを特徴とする揮発性
    有機物の圧力スイング式分離回収方法。
  2. 【請求項2】請求項(1)の第1工程で得られた減容濃
    縮された揮発性有機物及び水分を含有するガスを少なく
    とも2塔からなる蓄冷材塔の1塔に流過させて該ガスを
    降温して水分を結露又は氷として除去した後、水分を除
    去された揮発性有機物含有ガスを最寒冷却部で液化凝縮
    して回収し、回収後の不凝縮ガスを減圧下にある他の蓄
    冷材塔に水分除去時の流れと向流的に流過させて、水分
    除去時に昇温した蓄冷材を冷却して回収すると共に、該
    不凝縮ガスは昇温して結露した水分又は氷を蒸発、昇華
    させて蓄冷材塔を再使用可能な状態に再生することを特
    徴とする揮発性有機物の圧力スイング式分離回収方法、
  3. 【請求項3】請求項(2)の方法の降温、液化凝縮過程
    による水分除去、液体有機物の回収を加圧条件で行な
    い、不凝縮ガスの昇温及び水分の蒸発、昇華過程は減圧
    条件で行うことを特徴とする揮発性有機物の圧力スイン
    グ式分離回収方法。
  4. 【請求項4】請求項(2)又は(3)の方法において、
    蓄冷材塔の蓄冷材の前方にK−A型又はNa−A型ゼオラ
    イトからなる水分吸着剤層を設置することを特徴とする
    揮発性有機物の圧力スイング式分離回収方法。
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