JP2685994B2 - 高速増殖炉の炉心構造 - Google Patents
高速増殖炉の炉心構造Info
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- Y02E30/00—Energy generation of nuclear origin
- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
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- Structure Of Emergency Protection For Nuclear Reactors (AREA)
Description
高速増殖炉の炉心構造に係り、特にその炉心構造を改良
した液体金属冷却型高速増殖炉の炉心構造に関する。
核分裂性物質を充填した多数の燃料集合体を装荷して炉
心を構成しており、主にナトリウムが燃料からの熱除去
を行なう冷却材として使用される。
は、何等かの原因により冷却材流量の減少が生じると、
冷却材温度が上昇して冷却材密度が減少し、反応度が投
入される。高速増殖炉の反応度は原子炉の出力規模に依
存し、小型炉では負であるが、中型炉や大型炉では正の
反応度となり冷却材密度の減少により炉出力を上昇させ
るおそれがある。
ムが蒸発してボイド化することはないが、万一の事故を
想定し、ナトリウムがボイド化した場合でも、原子炉が
安全に停止し、炉心の安全性が保たれる設計となってい
る。
の原子炉の応答としては、炉心が小型の場合は、中性子
の炉心からの洩れが大きいため、上述したように、負の
反応度となって炉心を安全に停止させることができる。
ると、炉心からの中性子洩れが少なくなり、冷却材であ
るナトリウムがボイド化したときの反応度が正となる。
この正の反応度状態のときに、炉心が安全に停止するか
否かは、他の反応度要因を含めて詳細な解析を行なっ
て、炉心の安全性を確認する必要がある。
は、炉心からの中性子洩れの増大や中性子スペクトルの
軟化により低減できる関係上、従来から反応度を抑制し
て小さくするために、炉心内に中性子吸収物質を装荷し
たり、炉心高さを低くして偏平化を図って中性子洩れを
増大させたり、あるいはベリリウムや水素化ジルコニウ
ム等の中性子減速材を装荷して中性子スペクトルを軟化
させる手段が採られてきた。いずれにしても、冷却材で
あるナトリウムのボイド反応度を小さくできれば、炉心
の安全性・信頼性がより一層向上し、原子炉の安全設計
上非常に価値がある。
のような原子力プラントにおいては、プラントの設計
上、炉心安全性の見地から炉心出力を極度に小さく設計
することは、発電コストの点で好ましくない。
ド化した場合でも、炉心の反応度を負にするには、炉心
出力を例えば、100MWe程度の小型炉にしなければ
ならず、この炉心出力を上廻るとナトリウムのボイド化
反応度が正になるという問題が生じることになる。
たもので、冷却材による炉心のボイド反応度を零または
負に保ちつつ、より大きな出力の炉心を得ることができ
る高速増殖炉の炉心構造を提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
の炉心構造は、上述した課題を解決するために、核分裂
性物質を充填した多数の燃料集合体を装荷して炉心領域
を形成し、この炉心領域の上下に軸ブランケット領域を
備えた高速増殖炉の炉心構造において、前記炉心領域の
燃料集合体間に、内部に筒状の冷却材流路を形成し、不
活性ガス等の封入気体が封入されたキャビティ集合体を
軸ブランケット領域を貫通して装荷するとともに、この
キャビティ集合体は冷却材流路に冷却材を出し入れ可能
な冷却材連通孔を炉心下部の高圧プレナムに開口させて
設け、前記冷却材の圧力変化により冷却材流路の冷却材
液面が炉心軸方向に変動するように設定されたものであ
る。
請求項2に記載したように、キャビティ集合体の冷却材
流路への冷却材連通孔を燃料集合体への冷却材流入孔よ
り上方位置に設けたものである。
た炉心領域の各燃料集合体間に、内部に筒状の冷却材流
路を形成し、不活性ガス等の封入気体が封入されたキャ
ビティ集合体を装荷し、キャビティ集合体内の冷却材流
路は、冷却材の液面が冷却材の圧力変化により変動する
ようにしたから、冷却材であるナトリウムのボイド反応
度を、キャビティ集合体を装荷しない炉心に較べ低減で
き、安全性や信頼性をより一層向上させることができ
る。
因として、冷却材流量が減少し、ナトリウム温度が上昇
して沸騰する場合と、炉心外で大量の気体が冷却材に混
入し炉心に流れ込む場合が考えられる。
内の冷却材圧力の減少により封入気体が膨張し、冷却材
流路の液面が炉心頂部レベルより下部に低下し空洞を形
成する。同時に、または続いて燃料集合体内の冷却材も
冷却材温度の上昇によりボイド化しようとするが、キャ
ビティ集合体の内部がボイド化しているため、燃料集合
体で発生した中性子はキャビティ集合体から主に炉心上
方向に漏洩し、負の反応度となる。
ティ集合体の冷却材連通孔が燃料集合体の冷却材流入孔
より上方に形成されているので、キャビティ集合体の冷
却材流路に気体が燃料集合体よりも流入することで、冷
却材流量減少の場合と同様の作用となる。
一実施例について添付図面を参照して説明する。
体金属冷却型高速増殖炉の一例を示す断面図である。高
速増殖炉は原子炉建屋1のキャビティウォール1a内に
設けられた原子炉安全容器2を有し、この安全容器2内
に原子炉容器3が収容され、二重の容器構造に構成され
る。
部4が収容される。炉心部4は原子炉容器3内に満たさ
れた液体金属冷却材であるナトリウム5中に浸漬状態で
設置され、炉心支持構造物6により支持される。原子炉
容器3内はこの支持構造物6を境にして上部プレナム7
と下部プレナム8とに区画される。炉心部4の上方に
は、制御棒駆動機構等を収容した炉心上部機構10が設
置される一方、炉心部4の周りには一次冷却材と二次冷
却材とを熱交換させる中間熱交換器11や一次冷却材を
原子炉容器3内で強制循環させる循環ポンプ12が設置
される。
原子炉容器の上部を覆う上部蓋13およびルーフスラブ
14に吊設状態で支持される。ルーフスラブ14の中央
部には回転プラク15が回転自在に設けられ、この回転
プラグ15の偏心位置に小回転プラグ16が回転自在に
支持される。符号17はカバーガス空間であり、この空
間17内に不活性ガスであるカバーガスが充填される。
す炉心構成の炉心20を備えている。この炉心20は核
分裂性物質を充填した多数の燃料集合体21(図3およ
び図4参照)を多数装荷した炉心領域22を中央部に形
成しており、この炉心領域22の外周側には径方向ブラ
ンケット集合体23を環状に装荷した径ブランケット領
域24が形成され、この径ブランケット領域24の外側
に中性子遮蔽体25を装荷した中性子遮蔽領域26が形
成される。
は上部に親物質が装荷された上部軸ブランケット領域2
8が、その下部には下部軸ブランケット領域29がそれ
ぞれ形成され、上部軸ブランケット領域28の上方にガ
スプレナム領域30が設けられる。下部軸ブランケット
領域29の下方はガスプレナム領域あるいは中性子遮蔽
領域31として構成される。
には、図1および図2に示すようにキャビティ集合体3
3が複数体装荷される。燃料集合体21およびキャビテ
ィ集合体33は炉心支持板34の上部支持板35上に支
持され、この上部支持板35と下部支持板36との間に
高圧プレナム37が形成される。高圧プレナム37には
循環ポンプから吐出される一次冷却材であるナトリウム
5が供給されるようになっている。
状の冷却材流路40が形成されるとともに、この流路4
0の上方には封入気体が封入されたキャビティチャンネ
ル41として形成される。封入気体はアルゴン等の不活
性ガスが適当であるが特に制限はない。
その脚部(エントランスノズル部)43に形成された冷
却材連通孔44を介して高圧プレナム37に連通してお
り、この冷却材連通孔44は燃料集合体21のエントラ
ンスノズル部45に形成された冷却材流入孔46より上
方に形成される。
流入された冷却材の液面(自由液面)は、高圧プレナム
37内の冷却材の圧力により炉心軸方向に変動せしめら
れるが、高速増殖炉の通常運転時には冷却材液面の高さ
は、炉心頂部レベル(炉心領域22の上端)より高く、
冷却材の流量低下事故時には、冷却材液面が低くなるよ
うに冷却材流路40の内部形状や封入気体の量が設定さ
れる。具体的な冷却材流路40の冷却材液面は、定常運
転時には上部軸ブランケット領域28より上部とし、冷
却材流量低下時には、炉心20の軸方向中心部付近に位
置するように設定することで、燃料集合体21からキャ
ビティ集合体33への中性子洩れを増大させ、負の反応
度効果を大きくできるが、特に制限はない。
(炉心領域の上面位置)、CPは炉心中心位置、LPは
炉心下端位置をそれぞれ示す。
リウムがボイド化する要因として、冷却材流量の減少に
よりナトリウム温度が上昇して、沸騰する場合と、炉心
外で大量のカバーガス等の気体が冷却材に流入して炉心
20に流れ込む場合が考えられる。
37内の冷却材圧力が減少し、この圧力減少に伴ってキ
ャビティ集合体33内の冷却材圧力も減少し、封入気体
が膨脹する。この封入気体の膨脹により冷却材流路40
の液面が炉心頂部レベルより下方に移動し、キャビティ
チャンネル41が増大する。
却材圧力の減少に伴ってキャビティ集合体33内部が最
初にボイド化する。このボイド化と同時あるいは続いて
燃料集合体21内も冷却材温度の上昇によりボイド化す
る。
流路40がボイド化しているため、燃料集合体21で発
生した中性子は、キャビティ集合体33からキャビティ
チャンネル41を介して炉心上部方向に漏洩し、負の反
応度効果が得られる。
混入して炉心に流れ込む場合を考える。
集合体33の冷却材連通孔44が燃料集合体21の冷却
材流入孔46よりも鉛直方向上方に設けられている。一
方、循環ポンプ12から高圧プレナム37に吐出された
冷却材に混入する気体は、冷却材より軽いため、上部支
持板35付近の下部に蓄積される。
れた気体は燃料集合体21に流入する前にキャビティ集
合体33内に流入し、内部の冷却材流路40をボイド化
させる。続いて、燃料集合体21にも冷却材に混入して
気体が流入するが、冷却材流量の減少の場合と同様の作
用効果を奏する。
場合には、キャビティ集合体33の冷却材連通孔44と
燃料集合体21の冷却材流入孔46は位置関係は問われ
ない。
にキャビティ集合体33を装荷することにより、燃料集
合体21で生じた中性子がキャビティ集合体33の軸方
向上部のキャビティチャンネル41への漏洩を助長する
ため、キャビティチャンネル41の上部に中性子吸収体
48を図3に示すように配置するようにしてもよい。
イド反応度はキャビティ集合体の無い炉心に較べ低減で
き零または負になる。
300cmの偏平炉心の場合、キャビティ集合体が無い場
合の365日燃焼後の炉心高さ部におけるナトリウムボ
イド反応度は約3$であるが、キャビティ集合体33を
図4に示すように配置した場合の同一サイズの炉心での
ナトリウムボイド反応度はキャビティ集合体が上部軸ブ
ランケット領域(厚さ35cm)30の高さから炉心中心
高さまでボイド化し、燃料集合体21が炉心高さまでボ
イド化した場合には約−0.5$、キャビティ集合体3
3が上部軸ブランケット領域30の高さよりさらに30
cm上部までボイド化し、燃料集合体21が炉心高さまで
ボイド化した場合には約−2$となる。符号49は炉心
領域22に分散配置される制御棒である。
6を参照して説明する。
増殖炉の炉心構造は、図4に示された炉心構造に加えて
多数の燃料集合体21を装荷して構成される炉心領域2
2の中央部にキャビティ集合体33を複数体まとめて集
中的に配置したものである。他の炉心構成は、図2およ
び図4に示すものと基本的に異ならないので同一符号を
付して説明を省略する。
は、炉心中心部に炉心軸方向にまとめて配置されるキャ
ビティ集合体33により、冷却材であるナトリウムのボ
イド時に、炉心中心方向への中性子漏洩効果が助長され
る構成となっている。
の炉心領域22に配置される制御棒9に隣接して装荷し
たり、周方向に沿って環状に装荷することにより、制御
棒方向への中性子漏洩を積極的に利用することも考えら
れる。その際、図6に示すように燃料集合体21の上部
軸ブランケット領域50と炉心領域22の中間にガスプ
レナム領域51を配置するか、または軸方向ブランケッ
ト領域50を削除すると、上部方向への漏洩した中性子
がプレナム領域を通してより漏洩しやすくなる。
燃料集合体間にキャビティ集合体を配置した例を示した
が、キャビティ集合体の配置や、キャビティ集合体内の
構成は上記の例に限られるものではない。キャビティ集
合体の配置は冷却材であるナトリウムのボイド時にナト
リウムボイド反応度をほぼ零または負になるように配置
されればよく、その形状、構成は上記作用を満足するよ
うに設定されていれば良い。
増殖炉の炉心構造においては、多数の燃料集合体を装荷
して炉心領域を形成し、この炉心領域の燃料集合体間
に、内部に筒状の冷却材流路を形成し、不活性ガス等の
封入気体が封入されたキャビティ集合体を装荷するとと
もに、このキャビティ集合体は冷却材流路に冷却材を出
し入れ可能な冷却材連通孔を設け、前記冷却材の圧力変
化により冷却材流路の冷却材液面が炉心軸方向に変動す
るように設定したので、原子炉容器内を循環する冷却材
流量が減少すると、冷却材圧力が減少し、キャビティ集
合体内の冷却材圧力が低下して封入気体が膨脹し、キャ
ビティ集合体内が初めにボイド化して冷却材流路の液面
が低下する。この液面低下により、燃料集合体で発生し
た中性子はキャビティ集合体から炉心上方向に主に漏洩
し、冷却材によるナトリウムホイド反応度を零または負
に保つことかができ、より大きな出力の炉心を得ること
ができるとともに、大型炉心であっても炉の安全性や健
全性を充分に保つことができる。
冷却材連通孔を燃料集合体への冷却材流入孔より上方位
置に設けると、炉心外のカバーガス等の気体が冷却材に
混入する場合でも、混入された気体は冷却材との密度差
により上方に貯溜され、キャビティ集合体の冷却材連通
孔から燃料集合体よりも前に流入するので、冷却材流量
減少の場合と同様な作用効果を奏する。
高速増殖炉を示す縦断面図。
を示す炉心構成図。
集合体の関係を示す図。
面図。
例を示す横断面図。
配置構成図。
Claims (2)
- 【請求項1】核分裂性物質を充填した多数の燃料集合体
を装荷して炉心領域を形成し、この炉心領域の上下に軸
ブランケット領域を備えた高速増殖炉の炉心構造におい
て、前記炉心領域の燃料集合体間に、内部に筒状の冷却
材流路を形成し、不活性ガス等の封入気体が封入された
キャビティ集合体を軸ブランケット領域を貫通して装荷
するとともに、このキャビティ集合体は冷却材流路に冷
却材を出し入れ可能な冷却材連通孔を炉心下部の高圧プ
レナムに開口させて設け、前記冷却材の圧力変化により
冷却材流路の冷却材液面が炉心軸方向に変動するように
設定されたことを特徴とする高速増殖炉の炉心構造。 - 【請求項2】 キャビティ集合体の冷却材流路への冷却
材連通孔を燃料集合体への冷却材流入孔より上方位置に
設けた請求項1記載の高速増殖炉の炉心構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3104448A JP2685994B2 (ja) | 1991-05-09 | 1991-05-09 | 高速増殖炉の炉心構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3104448A JP2685994B2 (ja) | 1991-05-09 | 1991-05-09 | 高速増殖炉の炉心構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04335191A JPH04335191A (ja) | 1992-11-24 |
JP2685994B2 true JP2685994B2 (ja) | 1997-12-08 |
Family
ID=14380920
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3104448A Expired - Lifetime JP2685994B2 (ja) | 1991-05-09 | 1991-05-09 | 高速増殖炉の炉心構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2685994B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4217907Y1 (ja) * | 1967-02-23 | 1967-10-17 | ||
US3781533A (en) * | 1972-04-07 | 1973-12-25 | Exxon Research Engineering Co | Constraint control system for optimizing performance of process units |
JPS5621089A (en) * | 1979-07-31 | 1981-02-27 | Tokyo Shibaura Electric Co | Safety device for fast breeder |
-
1991
- 1991-05-09 JP JP3104448A patent/JP2685994B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04335191A (ja) | 1992-11-24 |
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Legal Events
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