JP2914805B2 - 高速炉の炉心 - Google Patents

高速炉の炉心

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JP2914805B2 JP3331056A JP33105691A JP2914805B2 JP 2914805 B2 JP2914805 B2 JP 2914805B2 JP 3331056 A JP3331056 A JP 3331056A JP 33105691 A JP33105691 A JP 33105691A JP 2914805 B2 JP2914805 B2 JP 2914805B2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Structure Of Emergency Protection For Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体金属を冷却する高
速増殖炉の炉心に係り、特にその炉心構造を改良した高
速増殖炉の炉心に関する。
【0002】
【従来の技術】液体金属を冷却材とする高速増殖炉は、
核燃料物質を充填した多数の燃料集合体を装荷して炉心
を構成しており、主にナトリウムが燃料からの熱除去を
行う冷却材として使用される。
【0003】この高速増殖炉においては、何等かの原因
により冷却材流量の減少が生じると、冷却材温度が上昇
して冷却材密度が減少し、反応度が投入される。高速増
殖炉の反応度は、原子炉の出力規模に依存し、小型炉で
は負になるが、中型炉や大型炉では正の反応度となり、
冷却材密度の減少により、炉出力を上昇させるおそれが
ある。
【0004】高速増殖炉は、通常冷却材であるナトリウ
ムが蒸発してボイド化することはないが、万一の事故を
想定し、ナトリウムがボイド化した場合でも、原子炉が
安全に停止し、炉心の安全性が保たれる設計となってい
る。
【0005】冷却材であるナトリウムがボイド化した時
の原子炉の応答としては、炉心が小型の場合は、中性子
の炉心からの漏れが大きいため、上述したように、負の
反応度となって炉心を安全に停止させることができる。
【0006】これに対し、高速炉の炉心が大型になる
と、炉心からの中性子漏れが少なくなり、冷却材である
ナトリウムがボイド化したときの反応度が正となる。こ
の正の反応度状態のときに、炉心が安全に停止するか否
かは、他の反応度要因を含めて詳細な解析を行って、炉
心の安全性を確認する必要がある。
【0007】冷却材であるナトリウムによる正の反応度
は、炉心からの中性子漏れの増大や中性子スペクトルの
軟化により低減できる。このため、従来から反応度を抑
制して小さくするために、炉心内に中性子吸収物質を装
荷したり、炉心高さを低くして偏平化を図って中性子漏
れを増大させたり、あるいはベリリウムや水素化ジルコ
ニウム等の中性子減速材を装荷して中性子スペクトルを
軟化させる手段がとられてきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】冷却材であるナトリウ
ムのボイド反応度を小さくできれば、炉心の安全性・信
頼性がより一層向上し、原子炉の安全設計上非常に効果
がある。
【0009】ところが、高速炉のような原子力プラント
においては、プラントの設計上、炉心安全性の見地から
炉心出力を極度に小さく設計することは、発電コストの
点で好ましくない。
【0010】また、冷却材であるナトリウムが万一ボイ
ド化した場合でも、炉心の反応度を負にするには、炉心
出力を例えば100 MWe程度の小型炉にしなければなら
ず、この炉心出力を上廻るとナトリウムのボイド化反応
度が正になるという課題が生じることになる。
【0011】本発明は上記の点を考慮してなされたもの
で、冷却材による炉心のボイド反応度を小さく抑えるこ
とにより、冷却材の流量低下時、炉心の過出力時、炉心
への気泡流入時等の異常の場合に、炉心の正の反応度投
入要因を低減することにより、安全性を向上しつつ、よ
り大きな出力の炉心を得ることができる高速炉の炉心を
提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、核分裂性物質を充填した燃料集
合体を複数本装荷して形成した炉心領域と、この炉心領
域を構成する燃料集合体の間に挿入したボイド化集合体
より形成されるボイド化領域とから成り、このボイド化
領域を構成するボイド化集合体は、本体内部に下部開放
容器を収容し、この下部開放容器内部の上部に気体を加
圧封入したガスキャビティ容器を配設し、このガスキャ
ビティ容器の開閉蓋を所定温度にて開動作させる形状記
憶合金で形成された開放機構を具備して成ることを特徴
とする高速炉の炉心を提供する。
【0013】
【作用】このように構成された高速炉の炉心において
は、核分裂性物質を充填した燃料集合体複数本間にボイ
ド集合体が挿入される。このボイド化集合体は、本体内
部に下部開放容器を収容し、この下部開放容器内部の上
部に気体を加圧封入したガスキャビティ容器が配設され
る。このガスキャビティ容器に開閉蓋が設置されてい
る。この開閉蓋は、所定温度にて開動作する形状記憶合
金で形成された開放機構により開放される。この開放と
同時に、前記の加圧封入気体が開封される。この開封さ
れた気体により、ボイド化集合体内の冷却材液面が押下
げられる。この押下げられた冷却材液面が、前記炉心領
域の上面よりも少なくとも下部に来るように調整されて
いる。
【0014】原子炉の冷却材が異常に減少した場合、ボ
イド化集合体の内部に流入する冷却材の流量も減少し、
冷却材の温度が通常運転時の温度に比べ異常に上昇す
る。この温度上昇により、形状記憶合金から形成される
開放機構が異常に加熱される。このような異常加熱によ
り形状記憶合金から形成される開放機構が本来の記憶形
状を回復し、この開放機構が開放動作を行う。この場
合、ボイド化集合体内の冷却材液面より上部に、封入気
体によるガスキャビティが形成される。このガスキャビ
ティを介して、燃料集合体で発生した中性子は炉心上部
に漏洩する。この中性子の漏洩により、炉心に負の反応
度が投入される。このように炉心の正の反応度投入要因
を低減することにより、安全性を向上しつつ、より大き
な出力の炉心を得ることができる高速炉の炉心を提供で
きる。
【0015】
【実施例】以下、本発明に係る高速炉の炉心の一実施例
について添付図面を参照して説明する。
【0016】図1は、本発明に係る炉心構造を備えた高
速増殖炉の一例を示す断面図である。高速増殖炉は、原
子炉建屋1のキャビティウォール1の内に設けられた安
全容器2を有し、この安全容器2内に原子炉容器3が収
容され、二重の容器構造に構成される。
【0017】原子炉容器3には、核燃料を装荷した炉心
部4が収容される。炉心部4は、原子炉容器3内に満た
された液体金属冷却材であるナトリウム5中に浸漬状態
で設置され、炉心支持構造物6により支持される。原子
炉容器3内は、この炉心支持構造物6によって、上部プ
レナム7と下部プレナム8とに区画される。炉心部4の
上方には、図示しない制御棒駆動機構等を収容した炉心
上部機構10が設置される。一方、炉心部4の周囲には、
一次冷却材と二次冷却材とを熱交換させる中間熱交換器
11や一次冷却材を原子炉容器3内で強制循環させる循環
ポンプ12が設置される。
【0018】前記中間熱交換器11や循環ポンプ12は原子
炉容器3の上部を覆う上部蓋13およびルーフスラブ14に
吊設状態で支持される。ルーフスラブ14の中央部には回
転プラグ14が回転自在に設けられ、この回転プラグ15の
偏心位置に小回転プラグ16が回転自在に支持される。前
記上部プレナム7の上方にはカバーガス空間17が形成さ
れる。この空間17内には不活性ガスであるカバーガスが
充填される。
【0019】図2は、本発明に係る高速炉の炉心の第1
の実施例を示す炉心構成図である。図3は、図2に示す
高速炉の炉心を示す横断面図である。高速炉の炉心部4
は、図2に示す炉心構成の炉心20を備えている。この炉
心20は核分裂性物質を充填した多数の燃料集合体21を多
数装荷した炉心領域22を中央部に形成しており、この炉
心領域22の外側には径方向23を環状に装荷した径ブラン
ケット領域24が形成され、この径ブランケット領域24の
外側に中性子遮蔽体25を装荷した中性子遮蔽領域26が形
成される。
【0020】炉心領域22に装荷された燃料集合体21の上
部に親物質が装荷された上部軸ブランケット領域28が、
その下部には下部軸ブランケット領域29がそれぞれ形成
され、上部軸ブランケット領域28の上方にガスプレナム
領域30が設けられる。下部軸ブランケット領域29の下方
はガスプレナム領域あるいは中性子遮蔽領域31として構
成される。また、炉心領域22の各燃料集合体21の間に
は、ボイド化集合体33が複数本装荷されている。さらに
炉心領域22には制御棒52が水平方向に分散して配置され
ている。
【0021】図4は、図2に示す高速炉の炉心の燃料集
合体21とボイド化集合体33の関係を示す構造図である。
なお、図中UPは炉心上端位置(炉心領域の上面位
置)、LPは炉心下端位置をそれぞれ示す。燃料集合体
21及びボイド化集合体33は、炉心支持板34の上部支持板
35上に支持され、この上部支持板35と下部支持板36との
間に高圧プレナム37が形成される。高圧プレナム37に
は、循環ポンプから吐出される一次冷却材であるナトリ
ウム5が供給されるようになっている。
【0022】前記ボイド化集合体33の容器本体56の内部
には、下端に開口部を有する筒状の下部開放容器46が内
蔵されている。この容器本体56及び下部開放容器46の内
部には、冷却材流路40が形成される。この下部開放容器
46の上部には、ガスキャビティ41が構成される。このガ
スキャビティ41は、ガスキャビティ容器42に収容される
ことにより形成される。このガスキャビティ容器42の内
部には、加圧された封入気体が封入される。この封入気
体は、アルゴン等の不活性ガスが適当であるが、特に制
限はない。また、ガスキャビティ容器42には、フック3
9、39が設置される。このフック39は、その一方がガス
キャビティ容器42に、もう一方が開閉蓋45に設置され
る。この開閉蓋45の周囲は、その肉厚がガスキャビティ
容器42の肉盛より薄くなる様にV字形溝57を有してい
る。前記フック39、39の間には、形状記憶合金から成る
伸縮金具38が設置され、結合される。この形状記憶合金
から成る伸縮金具38は、通常運転時の温度では記憶形状
に回復しない合金から形成される。このため伸縮金具38
は、本来の記憶形状に比べ伸長された状態でフック39、
39の間を結合するように形成される。
【0023】前記下部開放容器46の下部には、発熱物質
47が設置される。発熱物質47は、中性子吸収あるいはガ
ンマ線吸収により発熱する物質、例えば炭化硼素やタン
グステン、タンタル等の物質で形成される。発熱物質47
は、冷却材と化学反応を起こさないように、必要に応じ
てステンレス鋼等の冷却材5と化学反応の小さい物質に
より被覆される。
【0024】ボイド化集合体33の冷却材流路40は、容器
本体56の脚部であるエントランスノズル部43に形成され
た冷却材連通孔44を介して高圧プレナム37に連通してい
る。また、冷却材流路40は、ボイド化集合体33に形成さ
れた冷却材流出孔48により上部プレナム7に連通してい
る。
【0025】図5に示すように、ガスキャビティ容器42
内の封入気体の圧力は、ガスキャビティ容器42内の封入
気体が下部開放容器46の内部に開放された場合、下部開
放容器46内の冷却材液面が、炉心領域22の上面(UP)
よりも少なくとも下部に来るように設定される。またボ
イド化集合体33の冷却材連通孔44は、燃料集合体21の冷
却材連通孔53に比べ、鉛直方向上部に形成される。次に
このような構成から成る本実施例の作用について説明す
る。
【0026】高速増殖炉においては、冷却材であるナト
リウムがボイド化する要因として、冷却材流量の減少に
よりナトリウム温度が上昇して沸騰する場合、炉心出力
の異常な上昇即ち過出力が生じナトリウム温度が上昇し
て沸騰する場合又は炉心外で大量のカバーガス等の気体
が冷却材に流入して炉心20に流れ込む場合が考えられ
る。
【0027】通常運転時においては、冷却材5は高圧プ
レナム37からエントランスノズル部43に形成された冷却
材連通孔44を介してボイド化集合体33の内部に流入す
る。ボイド化集合体33の内部に流入した冷却材5は、発
熱物質47にて加熱された後、冷却材流路40の内部を上昇
して伸縮金具38を加熱し、冷却材流出孔48から上部プレ
ナム7へ流出する。
【0028】これに対し、原子炉の冷却材流量が異常に
減少した場合には、ボイド化集合体33の内部に流入する
冷却材5の流量も同様に減少する。この結果、発熱物質
47にて加熱される冷却材5の温度が、通常の運転温度に
比べ異常に上昇する。異常に加熱された冷却材5は、冷
却材流路40の内部を上昇して伸縮金具38を異常に加熱す
る。この伸縮金具38は、本来の記憶形状を回復し、通常
運転時の長さに比べ短縮化される。この伸縮金具38が短
縮化されると、その両端に結合されるフック39、39が相
互に引き寄せられる。フック39の一方は、開閉蓋45に設
置されているため、この開閉蓋45はガスキャビティ容器
42の外側へと引張られる。この開閉蓋45の周囲はV字形
溝57により形成され、ガスキャビティ容器42の他の部分
に比べ構造強度が低下しているので、開閉蓋45の周囲の
V字形溝57が切断され、開閉蓋45が開放される。この開
放により、ガスキャビティ容器42内の封入気体が下部開
放容器46の内部に開放される。このガスキャビティ容器
42の封入気体は、図5に示すように、ガスキャビティ容
器42内の封入気体が下部開放容器46の内部に開放された
場合に、下部開放容器46内の冷却材液面が、炉心領域22
の上面UPよりも少なくとも下部に来るように設定され
ている。したがって、この場合、ボイド化集合体33の内
部の下部開放容器46内の冷却材液面は、炉心領域22の上
面UPよりも少なくとも下部にくる。このようにして、
冷却材流路40内の冷却材液面より上部には、封入気体に
よるボイド空間54が形成される。この結果、燃料集合体
21で発生した中性子は、ボイド化集合体33の冷却材流路
40内に形成されたボイド空間を介して炉心上部へ漏洩
し、高速炉の炉心に負の反応度が投入される。
【0029】また、原子炉の出力が異常に上昇した場合
には、発熱物質47の発熱量が同様に上昇する。この結
果、発熱物質47にて加熱される冷却材5の温度が、通常
運転時の温度に比べ異常に上昇する。従って、この場合
にも、前記の原子炉の冷却材流量が異常に減少した場合
と全く同様の作用が得られる。
【0030】更に、炉心外から流入した気体が冷却材5
が混入して炉心に流入する場合には、冷却材5に混入し
て炉心に流入する気体は、冷却材に比べ比重が軽いた
め、上部支持板35の下部に蓄積される。一方、ボイド化
集合体33の冷却材連通孔44は、燃料集合体21の冷却材連
通孔53に比べ、鉛直方向上部に形成される。この結果、
上部支持板35の下部に蓄積された気体は、燃料集合体21
に流入する前にボイド化集合体33に流入する。このボイ
ド化集合体33内に流入した気体は、冷却材に比べ比重が
軽いため、下部開放容器46内の冷却材流路40の上部に蓄
積される。即ち、この場合にも、冷却材流路40の上部に
図5に示すようなボイド空間54が形成される。従って、
前記の原子炉の冷却材流量が異常に減少した場合と全く
同様の作用が得られる。
【0031】なお、炉心領域22の各燃料集合体21間にボ
イド化集合体33を装荷することにより、燃料集合体21で
生じた中性子がボイド化集合体33の軸方向上部のガスキ
ャビティ41への漏洩を助長するため、このガスキャビテ
ィ41の上部に、中性子吸収体49を図4に示すように配置
してもよい。また、発熱物質を、符号47に示す様に下部
開放容器46内に設置する代りに、符号55のように、容器
本体56の下部に設置することも可能である。このように
本実施例によれば、高速炉の炉心のナトリウムボイド反
応度は、ボイド化集合体のない炉心に比べて低減でき零
または負にすることができる。
【0032】例えば、炉心高さが60cm、炉心直径が約30
0cm の偏平炉心の場合、キャビティ集合体が無い場合の
365日燃焼後の炉心高さ部におけるナトリウムボイド反
応度は約3ドルである。ボイド化集合体33を図3のよう
に配置した場合の同一サイズの炉心でのナトリウムボイ
ド反応度は、ボイド化集合体が上部軸ブランケット領域
(厚35cm)30の高さから炉心中心高さまでボイド化し、
燃料集合体21が炉心高さまでボイド化した場合には約−
0.5 ドルとなる。ボイド化集合体33が上部軸ブランケッ
ト領域28の高さよりさらに30cm上部までボイド化し、燃
料集合体21が炉心高さまでボイド化した場合には、−2
ドルとなる。従って、冷却材の流量低下時、過出力時、
炉心への気泡流入時等の異常時において、炉心の負の反
応度が得られ、安全性が向上する。
【0033】なお、万が一、燃料の溶融が生じ、炉心部
の燃料が下方に落下するような事故が発生した場合で
も、ボイド化集合体内の下部に配置した発熱物質が多く
の中性子を吸収するため、燃料溶融後の体系を未臨界に
維持することができ、事故の拡大防止に役立つ。
【0034】次に、本発明の他の実施例を図6および図
7を参照して説明する。図6は、本発明に係る高速炉の
炉心の第2の実施例を示す炉心構成図である。図7は、
図6に示す高速炉の炉心を示す横断面図である。この実
施例に示す高速炉の炉心は、図2及び図3に示した炉心
構造に加えて多数の燃料集合体21を装荷して構成される
炉心領域22の中央部にボイド化集合体33を複数本まとめ
て集中的に配置したものである。他の炉心構成は、図2
及び図3に示すものと基本的には異ならないので、同一
符号を付して説明を省略する。
【0035】図7に示す高速炉の炉心においては、炉心
中心部に炉心軸方向にまとめて配置されるボイド化集合
体33により、冷却材であるナトリウムのボイド時に、炉
心中心方向への中性子漏洩効果が助長される構成となっ
ている。
【0036】さらに、ボイド化集合体33を偏平炉心の炉
心領域22に配置される制御棒52に隣接して装荷したり、
周方向に沿って環状に装荷することにより、制御棒52方
向への中性子漏洩を積極的に利用することも考えられ
る。この際、図6に示すように燃料集合体21の上部ブラ
ンケット領域50と炉心領域22の中間にプレナム領域51を
配置するか、または軸方向ブランケット領域50を削除す
ると、上部方向への漏洩した中性子がプレナム領域を通
してより漏洩しやすくなる。
【0037】なお、本発明の実施例では、炉心領域の各
燃料集合体間にボイド化集合体を配置した例を示した
が、ボイド化集合体の配置や、ボイド化集合体内の構成
は上記の例に限られるものではない。ボイド化集合体の
配置は冷却材であるナトリウムのボイド時にナトリウム
ボイド反応度が小さくなるように配置されればよく、そ
の形状、構成は、上記作用を満足するように設定されて
いれば良い。また、本発明は大型炉のみならず、元来ボ
イド反応度が小さい小型炉においても、安全性向上効果
が上記同様に得られる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
冷却材による炉心の反応度を小さく抑えることにより、
冷却材の流量低下時、炉心の過出力時、炉心への気泡流
入時等の異常の場合に、炉心の正の反応度投入要因を低
減することにより、安全性を向上しつつ、より大きな出
力の炉心を得ることができる高速炉の炉心を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る炉心を備えた高速炉の一実施例を
示す縦断面図。
【図2】本発明に係る高速炉の炉心の第1実施例を示す
炉心構成図。
【図3】図2に示す高速炉の炉心を示す横断面図。
【図4】図2に示す炉心の燃料集合体とボイド化集合体
の関係を示す構成図。
【図5】図4に示すボイド化集合体のガスキャビティ容
器の開放状態を示す構成図。
【図6】本発明に係る高速炉の炉心の第2実施例を示す
炉心構成図。
【図7】図6に示す高速炉の炉心を示す横断面図。
【符号の説明】
5…ナトリウム 20…炉心 21…燃料集合体 22…炉心領域 24…径ブランケット領域 26…中性子遮蔽領域 28、50…上部軸ブランケット領域 29…下部軸ブランケット領域 30、51…ガスプレナム領域 31…ガスプレナム領域又は中性子遮蔽領域 33…ボイド化集合体 38…伸縮金具 40…冷却材流路 41…ガスキャビティ 42…ガスキャビティ容器 45…開閉蓋 46…下部開放容器 56…容器本体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G21C 5/00 GDF G21C 7/32 G21C 9/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核分裂性物質を充填した燃料集合体を複
    数本装荷して形成した炉心領域と、この炉心領域を構成
    する燃料集合体の間に挿入したボイド化集合体より形成
    されるボイド化領域とから成り、このボイド化領域を構
    成するボイド化集合体は、本体内部に下部開放容器を収
    容し、この下部開放容器内部の上部に気体を加圧封入し
    たガスキャビティ容器を配設し、このガスキャビティ容
    器の開閉蓋を所定温度にて開動作させる形状記憶合金で
    形成された開放機構を具備して成ることを特徴とする高
    速炉の炉心。
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