JP2685442B2 - ボルデテラ・パータツシス染色体DNAのEcoRIフラグメント - Google Patents

ボルデテラ・パータツシス染色体DNAのEcoRIフラグメント

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、百日咳毒素の5個のサブユニットをコード
する遺伝子を含有するボルデテラ・パータッシス(Bord
etella pertussis)染色体DNAのクローニングされかつ
配列決定されたEco RIフラグメントに係り、かかるフラ
グメントは百日咳毒素の調製又は百日咳毒素の1個又は
それ以上のサブユニットの調製に有用である。 本発明は、クローニングされかつ配列決定されたDNA
フラグメント又はそのさらに小さいフラグメントを含有
するハイブリッドプラスミド、及び該プラスミドによっ
て形質転換された微生物であって、百日咳毒素又は該百
日咳毒素の1個又はそれ以上のサブユニットを合成する
ことによって、クローニングされたDNAフラグメント又
はそのさらに小さいフラグメントを発現しうる微生物に
も係る。 さらに本発明は、ハイブリッドプラスミドによって形
質転換された微生物を適切な培養培地内で生育させるこ
とからなる百日咳毒素又は該百日咳毒素の1個又はそれ
以上のサブユニットの製法にも係る。 このようにして得られた百日咳毒素又は該百日咳毒素
の1個又はそれ以上のサブユニットは、ワクチン及び診
断用キットの調製に使用される。 百日咳は、ボルデテラ・パータッシス(以下、B.パー
タッシスと称する)によて引き起こされる呼吸器の感染
症である。このグラム陰性球桿菌は、カタル期又は発作
期の間に患者から、感染し安井健康者に空気を介して直
接伝染される。 百日咳は、特に社会経済的に低い層の幼児又は母性の
抗百日咳抗体をもたない新生児において、呼吸器合併
症、神経障害を引き起こし、死亡率も高い。百日咳の臨
床経過は、潜伏期、カタル期、発作期及び回復期の4段
階を含む。 初めの2つの段階の間では、一般の風邪の症状に匹敵
する症状があり、B.パータッシスが患者から容易に単離
される。 百日咳自体の症状によって特徴付けられる発作期で
は、細菌は患者の50%でしか単離されない。 回復期では、患者はなお百日咳の症状を呈するが、鼻
咽喉からB.パータッシスはもはや単離されない。 上記の事実から、病気のより激しい臨床上の兆候は細
菌の消失後に起こることが明らかであり、百日咳は細菌
による呼吸器への侵入によるものではなく、細菌によっ
て誘発されかつ細菌の消失の後にもなお残留する毒素に
よるものであると推論できる。 B.パータッシスのI期(ビルレント)からIII期(非
ビルレント)への変化は、百日咳毒素(PT)、溶血素
(hly)、アデニルサイクラーゼ(Adc)及び皮膚壊死毒
素(Dmt)の如きある種の物質を合成する能力の喪失を
伴う。 Munoz J.J.らによって行われたテストでは、グルタル
アルデヒドによって適切に解毒化された百日咳毒素のみ
で構成されるワクチンは、I期の細菌を脳内注射したマ
ウスの死亡を阻止できることを示している(「Inf.Immu
n.」32,243(1981))。 最近の研究(Weiss A.A.ら「Inf.Immun.」42,33(198
3);WeissA.A.ら「J.Inf.Dis.」150,219(1984)では、
これら5種の物質のすべてがB.パータッシスの発病力に
等しく寄与するものではないことが明らかとなり、しか
もWeissは、B.パータッシスのゲノムに転位因子、すな
わちトランスポゾン(Tn5)を挿入することによって、
発病力のファクターのうち1つだけが選択的に失われた
突然変異体を単離することに成功している。動物におい
て行われたテストでは、PT又はAdcを合成する能力を喪
失した突然変異体のみ、同時に発病力をも喪失すること
が確認されている。 従って、百日咳毒素(PT)は、B.パータッシスの発病
力の増大なファクターである。 百日咳毒素(分子量約100,000ダルトンを有するタン
パク質)は、I期の間にB.パータッシスによって、産生
され、細胞外環境に放出される。 PTは酵素活性を有し、ADP−リボシランドール(ADP−
ribosilandol)(細胞性アデニルサイクラーゼの脱活性
化反応に関与するGTP依存性タンパク質である)を脱活
性化する。 他の毒素と同様に、百日咳毒素も2つの異なるフラグ
メントA及びBによって構成される。 フラグメントA(毒性)は、細胞の外部から内部への
シグナルの伝達に関与するGIタンパク質にADP−リボー
ス基を結合させる分子量約28,000ダルトンのシグナルポ
リペプチドS1(サブユニットS1)を含有する。 フラグメントBは、2種類のダイマーS2+S4及びS3+
S4及び1つのモノマーS5として配置されたそれぞれ分子
量23,000、22,000、12,000、9,000ダルトンの5個のポ
リペプチドS2、S3、S4及びS5(サブユニットS2、S3、S
4、S5)を含有する。 フラグメントBは、S1の細胞への侵入を容易にさせる
真核細胞の膜レセプターに結合する。 現在使用されている百日咳ワクチンは、永久免疫を与
えるものではあるが、多くの欠点を有する。 事実、かかるワクチンは、熱不安定性の毒素(皮膚壊
死毒素)を除去するために56℃で30分間処理され、メル
チオレート(merthiolate)で殺菌されたビルレント細
菌(I期)によって構成される。 細菌は何ら無毒化処理を受けないため、56℃に30分間
耐え得る何らかの毒性物質がワクチン中に含有される。 このような、特にPTからの毒性物質の存在のために、
単なる発熱から永久的な神経障害及び/又は死亡までの
広い副作用が生ずる。 このため、過去10年間ではワクチンの使用が急激に減
少し、百日咳が再び流行するようになってきている。 最近では、主として線維性血球凝集素(FHA)及びホ
ルムアルデヒドで無毒化した百日咳毒素で構成されるワ
クチンが使用されている(Sato Y.ら「Lancet Jan.」2
1,122(1984))。 しかしながら、このワクチンも、従来のワクチンに比
べては少ないが、多少の副作用があること、かなり粗製
のものが得られるため、そのままでは使用できないこと
及び調製の度毎に製品の品質がかなり異なること、等の
欠点を有する。 このように、大量生産されかつ上述の欠点を持たない
有効なワクチンを提供する必要性がある。 たとえば、生化学の分野及び遺伝子工学の分野におけ
る近年の進歩により、合成ワクチン及び高収率でのワク
チンの製造に使用されるタンパク質を産生し得る微生物
の調製が可能となった。 いずれの場合にも、ワクチンの製造に関して鍵となる
要因は、タンパク質のアミノ酸配列及び、遺伝子及び/
又はタンパク質をコードする遺伝子のヌクレオチド配列
に関する知識である。 ある種のタンパク質をコードする遺伝子が一旦クロー
ニングされ、そのヌクレオチド及びアミノ酸配列が決定
されると、これらの大量生産及び合成ワクチンの製造は
現在の技術によって可能となる。 現在までのところ、百日咳毒素の遺伝子の性質、構造
及び発現に関しては何ら知られておらず、百日咳毒素の
個々のサブユニットのアミノ酸組成以外のデータは利用
可能ではない。 本発明によれば、百日咳毒素のサブユニットS1、S2、
S3及びS4のアミノ末端のアミノ酸配列が初めて決定さ
れ、B.パータッシス染色体DNAのEco RIフラグメント
(このフラグメントは4696塩基対を含有すると共に百日
咳毒素の5個のサブユニットをコードする遺伝子を含有
し、百日咳毒素又は該百日咳毒素の1個又はそれ以上の
サブユニットの製造に使用される)がクローニングさ
れ、配列決定された。このように、本発明の目的は、百
日咳毒素の5個のサブユニットをコードする遺伝子を含
有するB.パータッシスのクローニングされかつ配列決定
されたEco RIフラグメント(4696塩基対を含有する)又
はそのさらに小さいフラグメント(百日咳毒素又は該百
日咳毒素の1個又はそれ以上のサブユニットの製造に使
用される)にある。 本発明の他の目的は、このクローニングされかつ配列
決定されたDNAフラグメント又はそのさらに小さいフラ
グメントを含有するハイブリッドプラスミドにある。 本発明のさらに他の目的は、ハイブリッドプラスミド
により形質転換された微生物であって、百日咳毒素又は
該百日咳毒素の1個又はそれ以上のサブユニットの合成
によって、クローニングされたDNAフラグメント又はそ
のさらに小さいフラグメントを発現し得る微生物にあ
る。 さらに、本発明の他の目的は、形質転換さた微生物の
生育によって百日咳毒素又は該百日咳毒素の1個又はそ
れ以上のサブユニットを製造する方法にある。 本発明の他の目的は、抗百日咳ワクチン及び診断用キ
ットの調製に対する百日咳毒素又は該百日咳毒素の1個
又はそれ以上のサブユニットの使用にある。 さらに他の目的は、サブユニットS1、S2、S3、S4が第
2図及び第3図に示すアミノ酸配列を有するものである
百日咳毒素のタンパク質にある。 これら以外の本発明の目的については、以下の記載及
び実験例から明らかになるであろう。 明細書で使用する用語に関して簡単に記述する。 遺伝コード この用語は、DNA中のヌクレオチド配列とタンパク質
中のアミノ酸配列との間に存在する関係を意味する。 遺伝コードの重要な特性は、核アミノ酸の合成がDNA
中の3個のヌクレオチド(トリプレット又はコドンとも
称される)の配列によって特定される事実にある。 遺伝コードは普遍的であり、特定のトリプレットはす
べての人間において同じアミノ酸をコードする。 リーディングフェーズ又はリーディングフレーム この用語は、遺伝メッセージを解読するために、細胞
によって使用されるトリプレットの一群を意味する。 クローニングベクター これらは、宿主微生物に転移される際、複製せしめる
ための遺伝情報のすべてを含有するDNAの分子である。 遺伝子工学において一般に使用されるクローニングベ
クターの例としては、プラスミド及び各種バクテリオフ
ァージのDNAがある。 環状のプラスミドDNAは適切な技術によって切断さ
れ、異種のDNAフラグメントが挿入され、再度、環が閉
じられて、異種DNAを含有するより大きな分子、いわゆ
る組換えDNA分子はハイブリッドプラスミドが形成され
る。 バクテリオフォージのDNAは、幾つかの不用な遺伝子
の代わりに挿入された異種DNAのセグメントを含有しう
る。これらベルターはいずれも、異種DNAフラグメント
の挿入及びそれに続いての微生物(いわゆる宿主細胞)
の形質転換用に使用される。 制限酵素 これらは、DNA分子を特異的な部位、すなわち制限酵
素に対する認識部位で切断し得る加水分解酵素である。 トランスポゾン これらは、ゲノム内の異なった箇所でそれら自身を転
位及び挿入し、転位として知られる過程を生ずるDNAの
セグメントである。 プロモーター RNAポリメラーゼが転写を開始するDNA分子の特異的な
領域をいう。 プロモーターは酵素に対する認識部位及び結合部位を
包含する。 終結領域 転写が終了するDNA分子の特異的な領域をいう。 翻訳 これは、遺伝コードの規則に従ってmRNAからタンパク
質への遺伝情報の移行である。 発現 この用語は、微生物が特異的な遺伝子でコードされた
タンパク質を産生する際のメカニズムを意味する。この
場合、「遺伝子は微生物によって発現される」という。 一般に、組換えDNA技術によって異種タンパク質を得
る方法は、タンパク質をコードする遺伝子のクローニン
グ(クローニングとは、タンパク質をコードする遺伝子
の配列決定、単離及び精製をいう)を必要とする。クロ
ーニングの後、遺伝子は発現ベクターに挿入され、この
ようにして得られた組換えDNA分子は宿主微生物内に導
入される。この微生物において、遺伝子は、微生物の複
製と同時に複製され、この複製された微生物から常法に
より再び単離される。 この操作法によって、連続して再生可能な遺伝子源を
提供することが可能となり、次いでこれをさらに処理
し、改変させ、そして他のベクター内に、又は同一ベク
ター内の異なる部位に挿入することができる。 形質転換さた微生物は、適切な培養培地内で生育され
る際、遺伝子によってコードされたタンパク質を合成し
得る。 本発明によれば、百日咳毒素の5個のサブユニットを
コードする遺伝子を含有するB.パータッシスBP165染色
体DNAのEco RIフラグメントがクローニングされ、配列
決定され、かつ百日咳毒素のサブユニットS1、S2、S3及
びS4のアミノ末端配列が決定された。特に、B.パータッ
シス165によって産生された百日咳毒素をアフィニティ
ークロマトグラフィーによって精製し、つづいてポリア
クリルアミドードデシル硫酸ナトリウムゲルで電気泳動
することによって第1図に示すようにサブユニットが分
離された。 ついで、個々のサブユニットを分離し、電気溶出(el
ectroelution)によって精製し(Hunkapiller M.W.ら
「酵素学における方法(Methods in Enzymology)」91,
227−236(1983))、気相マイクロシークェンサーで分
析した。 サブユニットS1、S2、S3及びS4のアミノ末端配列を第
2図に示す。 ついで、B.パータッシスの菌株BP356を材料とし、E.
コリλファージEMBL4(Promega Biotec社(米国)から
入手)を使用して遺伝子ライブラリー(library)を形
成させた。 この菌株は、活性な毒素を産生せず、染色体内に唯1
個のトランスポゾンTn5が挿入されている突然変異体で
ある(Weiss A.A.ら「Inf.Immun.」42,33−41(198
3))。 かかる菌株の染色体DNAを細胞から分離し、精製した
後、Maniatis T.らによって記載された方法及び操作条
件によって、制限酵素Sau 3Alを用いて部分的に消化を
行なった(「Molecular Cloning a Laboratory Manua
l」Cold Spring Harbor N.Y.,1982)。ついで、15,000
〜20,000塩基対を含有する染色体DNAのフラグメントを
分離し、上述のManiatis T.らによって記載された方法
に従って、Promega Biotec社の「Packagene」キットを
使用して、Frischauf A.らによって報告された(「ジャ
ーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー」(J.Mol.
Biol.)」170,827−842(1983))ように予め調製した
E.コリλファージベクターEMBL4においてクローニング
を行なった。 ついで、組換えファージを使用してE.コリNNM539細胞
(Promega Biotec社)を形質転換させた。 トランスポゾンTn5が挿入されているDNAフラグメント
含有ファージを、Tn5DNA用の放射性プローブを使用する
プレート−ハイブリダイゼーション技術によって、形質
転換された細胞から選別した。ついで、陽性の組換えフ
ァージから組換えファージDNAを抽出し、制限酵素Eco R
Iによる消化の後、トランスポゾンTn5を含有するDNAフ
ラグメントを、Tn5DNA用のプローブを使用するハイブリ
ダイゼーションによって、分離し、そして選別した。 このようにして、一方ではB.パータッシスBP356の染
色体DNAの約1100塩基対によって、他方では約3500塩基
対によってはさまれたトランスポゾンTn5の完全配列を
包含する約10500塩基対のEco RI DNAを単離することが
できた。 10500塩基対のEco RIフラグメントを制限酵素Hinc II
で消化せしめ、Tn5と染色体DNAとの間の結合を含有する
DNAフラグメントを、Tn5DNA用のプローブを使用するハ
イブリダイゼーションによって単離した。 2種類のフラグメント(一方は約500塩基対を含有
し、他方は約1900塩基対を含有する)を確認した。 電気溶出により精製した2種類のフラグメントを、フ
ァージベクターM13mp8(New England Biolabs社)(そ
のDNAは制限酵素Hinc IIによって予め切断されている)
においてクローニングした。 ついで、Sanger F.S.によって記載された技術(「Pro
c.Natl.Acad.Sci.」74,5463(1977))に従って、Hinc
II部位を基点として2つのフラグメントのヌクレオチド
配列を決定した。 1900塩基対のフラグメントは、Hinc II部位からヌク
レオチド約400個の位置にサブユニットS3について予め
決定されかつ第2図に示されたアミノ酸配列(遺伝コー
ドに従って相当するアミノ酸に翻訳して)に正確に一致
するヌクレオチド配列(第3A図の3030〜3100塩基対ま
で)を有していた。 この結果から、10500塩基対を含有するクローニング
されたDNAフラグメントが百日咳毒素に関する遺伝子を
含有することが確認された。 ついで、1900塩基対のフラグメントを、B.パータッシ
スBP165染色体DNAから、百日咳毒素をコードする遺伝子
を含有するDNAフラグメントを確認及び単離するための
ハイブリダイゼーションプローブとして使用して、B.パ
ータッシスBP165について上述のようにして遺伝子ライ
ブラリーを形成させた。 クローニング操作の終了後、染色体DNAの4696塩基対
を含有するEco RIフラグメントを単離した。このフラグ
メントは、少なくともサブユニットS3(ここにおいて、
フラグメントはS3に特異的なプローブとハイブリダイズ
する)をコードする遺伝子を含有していることが確認さ
れた。 上記フラグメント又はこれらの小片をファージベクタ
ーMl3mp8及びM13mp9においてクローニングし、このよう
にして得られた組換えファージDNAの配列決定を行なっ
た。 配列の分析では、各種のオープンリーディングフレー
ム(ORFS)の確認が可能であった。 これらのコード特性および百日咳毒素のサブユニット
のアミノ末端配列との比較では、実際に、これらORFSの
4個が百日咳毒素のサブユニットS1、S2、S3及びS4をコ
ードすることが明らかになった。 さらに、分子量、アミノ酸組成及び電荷は、公知のデ
ータ(第1表)と正確に一致した。S4及びS3をコードす
るORFSの間に位置する5番目のORFSもまた確認され、こ
れはサブユニットS5に関して記載されたものと同一の分
子量及びアミノ酸組成を有するタンパク質をコードして
いた。 これら5個のオープンリーディングフレームは、S1、
S2、S4、S5及びS3の順序で3200塩基対のフラグメント内
で一群になっており、S4をコードするORFSリーディング
フレームは、S2及びS3をコードするORFSリーディングフ
レーム上に重なっている(第3図)。これらの結果に基
づいて、決定された配列は百日咳毒素のサブユニットを
コードする遺伝子を含有するものであると結論づけられ
る。従って、以下、オープンリーディングフレームを遺
伝子と呼ぶ。 本発明に従って、E.コリ プロモーターに関するコン
センサス配列に極めて類似した転写シグナルが、S1をコ
ードする遺伝子の上流に確認された。 事実、コンセンサス配列の6塩基対のうち5個を含有
する−10領域(TAAAAT)は、−35コンセンサス配列の8
塩基対のうち6個を含有する−35領域(TGCTGACC)と連
携している。 2つの−35領域と−10領域との間の距離は、21塩基対
である。 S3をコードする遺伝子の3′末端には、終結部位を表
わすポリ−T配列につながる逆方向繰り返し配列が確認
された。 DNAフラグメントでは、4個の遺伝子S2、S3、S4及びS
5の上流に他のプロモーターが確認されないため、これ
らの遺伝子は1つのオペロン内に組織化され、1つのポ
リシストロン性mRNAとして転写されるものと推論され
る。 遺伝子のS1のATGの9塩基対上流に位置する1個のシ
ャイン−ダルガーノ配列の存在は、これがS1 mRNAの翻
訳を可能にするリボゾーム結合部位であることを強く示
唆する。 4個の遺伝子に関する各ATG開始コドンの8〜12塩基
対上流における新しいコンセンサス配列TCC(T)GGの
存在は、この部位が完全mRNAの翻訳に関与するものであ
ることを示唆する。 さらに、遺伝子S4(他の遺伝子1に対して化学量論的
に2の量で生産される)は、翻訳効率を高めるようにわ
ずかに改変されたコンセンサス配列TCCTGGによって先導
される唯一の遺伝子であることが認められた。 百日咳毒素のすべてのサブユニットに共通な特性は、
遺伝子内に、タンパク質の分泌に関与するシグナルペプ
チドの代表的なものであるアミノ酸27−42個のペプチド
をコードする配列が、成熟タンパク質の直前に存在する
ことである。 これは、個々のサブユニットが、プロタンパク質とし
て合成され、処理され、そして細胞周辺腔内にそれぞれ
分泌され、そして続いて処理され、組立てられ、そして
単一のタンパク質の形で細胞外腔内に放出されることを
示唆している。さらに、S4に関するシグナルペプチドは
予想以上に長く(アミノ酸42個)、そしてこれまでに記
載されている中で最も高いアミノ末端陽電荷を有するこ
とが認められた。 プラスに電荷されたアミノ末端領域は、分泌タンパク
質の産生高率に重要な役割を果たすため、通常のものと
は異なる構造を有するS4に関するシグナルペプチドによ
り、遺伝子S4の翻訳が増大される。変異体BP356におい
て起こるように、サブユニットが存在しない場合には、
百日咳毒素は培養培地内の放出されないことも観察され
た。その結果、百日咳毒素の完全合成にはこのタンパク
質が必要である。 クローニングされたDNAフラグメント又はそのさらに
小さいフラグメント(かかるフラグメントは、百日咳毒
素の少なくとも1個のサブユニットをコードする少なく
とも1個の遺伝子を含有する)は、発現ベクター内に挿
入され得るものでなければならず、このようにして得ら
れたハイブリッドプラスミドは微生物を形質転換させる
ために使用される。 形質転換された微生物は、適切な培養培地内で生育さ
れる際、百日咳毒素又は該百日咳毒素の1個又はそれ以
上のサブユニットを合成することによって、DNAフラグ
メント又はそのフラグメントを発現させ得る。 この目的に敵するクローニングベクターは、当該分野
で公知の天然プラスミド又は組換えDNA技術によって得
られた合成ベクターの中から選ばれる。 特に、約4000塩基対を有するE.コリのプラスミドpEMB
L8が使用される。このプラスミドは、アンピシリン耐性
をコードする遺伝子及びクローニングに有用な制限部
位、例えば、HindIII,Pst I,Acc I,Hinc II,Sal I,Bam
HI,Ava I,Sma I,Xma I,Eco RI(「ヌクレイックアシッ
ド・リサーチ(Nucleic Acids Research)」11,1645−1
655(1983))を含有する。合成ベクターとしては、ベ
クターPEX29から誘導されたプラスミド31A,31B及び31C
が使用できる(Klinkert M.ら、Inf.Imm.49、329−335
(1985))。これらのプラスミドは、ファージMS2のDNA
ポリメラーゼをコードする遺伝子(誘発プロモーターpL
の制御下に配置される)を含有し、そしてMS2ポリメラ
ーゼの同じフレームにおいて各々の可能なDNAフラグメ
ントを切断し得るように、3個の可能なフレームにおい
てMS2ポリメラーゼの遺伝子の端部前に挿入されたポリ
リンカーを含有する。 宿主細胞として使用される微生物の例としては、E.コ
リ、バシラス・サチリス(Bacillus Subti−lis)、サ
ッカロミセス(Saccharomyces)の菌株又は真核細胞株
がある。 本発明によれば、E.コリ JM101(New England Biolab
s社)の細胞及びE.コリ K−12 H1 trp(Remant E.「遺
伝子(Gene)」15.81−93(1981))の細胞が使用さ
れ、それらは感熱性リプレッサーを産生する。そのリプ
レッサーは、30℃では、MS2ボリメラーゼの遺伝子の転
写を完全に阻害して、そのポリメラーゼに融合するタン
パク質の生成を妨げ、そして42℃では、不活性化され
て、ポリメラーゼ及びこれに融合するタンパク質を良好
に産生する。 しかしながら、クローニングベクター及び形質転換さ
れる微生物の選択は、本発明では制限されない。 本発明によれば、上述の如くして得られた染色体DNA
の4696塩基対を含有するフラグメントは、プラスミドDN
Aの制限酵素Eco RIによる消化の後、E.コリ pEMBL8のプ
ラスミドベクター内に挿入される。 得られたハイブリッドプラスミド(pPT101)を、Cohe
n S.らによって開示された方法(「プロシーディングズ
・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエン
シーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・ア
メリカ(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.)」69,2110(197
2))によってコンピテント細胞となったE.コリ JM101
(New England Biolabs社)の細胞を形質転換させるた
めに使用した。 E.コリ pPT 101の菌株については、1985年8月6日付
けでアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションに
ATCC 53212として寄託されている。 形質転換された微生物についてクローニングされたDN
A又はフラグメントを発現させる能力を検査するため、
E.コリ pPT101を適切な培養培地内で培養した。 さらに詳述すれば、LB培地(DIFCO)において、温度3
7℃で、培養ブロスを590nmで測定して吸光度が0.75とな
るまで菌株を培養した。 ついで、細胞を溶解し、百日咳毒素を免疫酵素法によ
って細胞溶解液中で直接測定した。 百日咳毒素の生物学的活性を、Hewlett E.L.らによっ
て報告された方法(「Infect.Immun.」40,1198−1203
(1983))で測定し、テストした細胞溶解液と共にイン
キュベートしたCHO細胞の形の変化を分析した。 得られた結果から、B.パータッシス染色体DNAの4696
塩基対を含有するフラグメントは、百日咳毒素の5個の
サブユニットをコードする遺伝子を含有し、この毒素
は、毒素自体に対する抗体によって中和されることが確
認された。 本発明の一具体例によれば、PTの各サブユニットをコ
ードする遺伝子は、ベクターPEX29から誘導されるプラ
スミド31A、31B、31Cにおいてクローニングされ、この
ようにして得られたハイブリッドプラスミドPTE255(S
1)、PTE211(S2)、PTE221(S3)、PTE240(S4)及びP
TE230(S5)は、E.コリ K−12 H1 trpの細胞を形質転換
させるために使用される。 ついで、このようにして形質転換された細胞を適切な
培養培地内で培養し、そして融合タンパク質として得ら
れたサブユニットを回収し、精製し、そしてその生物学
的活性を測定するためテストした。 得られた結果は、5個のサブユニットがいずれも、家
兎に注射した際、特異的な抗体の形成を誘発することを
示した。 さらに、融合S1タンパク質は完全PT毒素と同じ酵素活
性を示し、免疫学的だけでなく、機能的な面でも天然S1
と一致していることを示した。 事実、32Pで標識したNADの存在下、融合S1をホモゲナ
イズした牛の網膜(ROS)と共にインキュベートするこ
とによって行なったADP−リボシレーション(ribosylat
ion)テストは、サブユニットS1が網膜に存在するトラ
ンスデューシン(transducine)にADP−リボース基を結
合させることを示した。 従って、本発明の方法によって得られた百日咳毒素及
び各々のサブユニットはいずれも、百日咳に対するワク
チン及び百日咳に感染した個体から抽出した臨床検査サ
ンプル中の地域的な抗体の測定用診断キットの製造に使
用される。 本発明で示す配列の分析では、百日咳毒素のサブユニ
ットS1におけるアミノ酸配列と、コレラ毒素のサブユニ
ットAにおけるアミノ酸配列(J.Mekalanosら「ネーチ
ャー(Nature)」306,551−557(1983))との間にある
種の類似性があることが示された(第7図)。 このように、化学合成によって又は組換えDNA技術に
よって調製されたペプチドを使用して、コレラ毒素及び
百日咳毒素を同時に中和させ得るワクチンを調製できる
可能性がある。 次に、図面について説明する。 第1図は、アフィニティークロマトグラフィーによっ
て精製した百日咳毒素を、15%ポリアクリルアミド(PA
GE)−ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)ゲルを使用して
電気泳動させた際のチャートである。 A欄の毒素はゲルにのせる前に還元剤で処理したもの
であり、B欄の毒素については還元を行なっていない。 S2及びS3は、同じ分子量を有する(第1表)ものでは
あるが、SDS−PAGEゲル上では異なった移動度を有す
る。 S5は、わずかに着色しており、S4よりも低い分子量を
有し(第1表)、還元条件下では移動はS4よりも遅い。 第2図は、第1図に示す如くして精製した個々のサブ
ユニットを使用し、マイクロシークェンサーによって気
相で測定したサブユニットS1、S2、S3及びS4のアミノ末
端配列を示す。ここで、A=アラニン、C=システイ
ン、D=アスパラギン酸、E=グルタミン酸、F=フェ
ニルアラニン、G=グリシン、H=ヒスチジン、I=イ
ソロイシン、K=リジン、L=ロイシン、M=メチオニ
ン、N=アスパラギン、P=プロリン、Q=グルタミ
ン、R=アルギニン、S=セリン、T=トレオニン、V
=バリン、W=トリプトファン、Y=チロシン、X=未
同定のアミノ酸残基、である。 ここに示す配列はいずれも、S2のグルタミン−2(ト
レオニンであることがわかった)を唯一除いて、ヌクレ
オチド配列と正確に一致した(第3図)。 第3A図は、百日咳毒素をコードする5個の遺伝子を含
有するEco RIフラグメントのヌクレオチド配列を示す。
ヌクレオチド配列から推定された百日咳毒素の5個のサ
ブユニットのアミノ酸配列も示されている。 アミノ酸配列の前の矢印は、第2図のアミノ末端配列
との比較によって確認された如く成熟サブユニット(ma
ture subunits)の開始点を示している。S5の場合に
は、矢印は成熟サブユニットの予想される開始点を示
す。 各サブユニットの配列の上流に、予想されるシグナル
ペプチドのアミノ酸配列が示されている。 S1をコードする上流に、予想されるプロモーター及び
シャイン−ダルガーノ配列が示されている。 S2、S3、S4及びS5の上流に配列TCC(T)GGが存在す
る。 S3をコードする遺伝子の末端のヌクレオチド配列上の
矢印は、可能な転写終結部位を表わすポリT配列が結合
した逆方向繰り返し配列を示す。 百日咳毒素の遺伝子のコドンと同様に使用される4個
のオープンリーディングフレーム(ORFS)は波線によっ
て示されている。 第3B図は、第3A図に示す配列におけるORFSフレームを
概略的に表わしている。 フレーム1、2及び3は先端部から最下部まで開示さ
れており、少なくとも200塩基対を含有するオープンリ
ーディングフレームのみ示されている。図中、P=予想
されるプロモーター配列、T=予想されるターミネータ
ー配列である。 第4図は、百日咳毒素の5個のサブユニットにおける
シグナルペプチドのアミノ酸配列を表わす。 配列(S)(P)AXAは、切断が起こる部位の前に位
置する。 第5A図は、翻訳及び転写シグナルを表わす。 各ORFSのコドンにおける最初のATGを右端に揃えて図示
してある。 S1のATGの上流に、予想されるプロモーター及びシャ
イン−ダルガーノ配列が図示されている。E.コリの各配
列についてはその上方に図示されている。他のORFSのAT
Gの上流に、TCC(T)GG配列が位置する。この配列は、
第3図に示す完全ヌクレオチド配列中に存在する他のAT
Gコドンの上流には認められない。 第5B図は、予想される終結部位の構造を示す。第6図
は、S2及びS3のアミノ酸配列間の対応性を示す。図中の
矢印は、プレタンパク質が切断される部位及び成熟サブ
ユニットの開始点を示す。 第7図は、百日咳毒素のサブユニットS1及びコレラ毒
素のアミノ酸配列の対比を表わす。2つのタンパク質に
共通のアミノ酸を四角で囲ってある。 第8図は、3種類のプラスミド31A、31B、及び31Cを
示すと共に、3種類の可能なフレームへのポリリンカー
の導入状態を示している。 第9図は、プラスミド31A、31B及び31Cにおける百日
咳毒素の5個のサブユニットをコードする遺伝子のクロ
ーニングの概略を示すと共に、ハイブリッドプラスミド
PTE255(S1)、PTE211(S2)、PTE221(S3)、PTE240
(S4)及びPTE230(S5)の構成を示す。 第10A図は、MS2のポリメラーゼを産生する菌株の完全
溶解液及びこれらに融合された5個のサブユニットにつ
いて行なった電気泳動のチャートを表わす。 第10B図は、部分的に精製した融合タンパク質(S1、S
2、S3、S4及びS5)について、15%アクリルアミドゲル
上で行なった電気泳動のチャートを表わす。 第10図Cは、精製した融合タンパク質(S1、S2、S3、
S4及びS5)について、15%アクリルアミドゲル上で行な
った電気泳動チャートを表わす。 第11図において、 A):完全毒素に対するヤギの血清と共にインキュベー
トした百日咳毒素(PT)のウエスタンブロット:この血
清は5個のサブユニットのすべてと反応する; B):抗−融合S1抗血清と共にインキュベートしたPTの
ウエスタンブロット:サブユニットS1のみ検知される; C):抗−融合S2抗血清と共にインキュベートしたPTの
ウエスタンブロット:サブユニットS2のみ検知される; D):抗−融合S3抗血清と共にインキュベートしたPTの
ウエスタンブロット:サブユニットS3のみ検知される; E):抗−融合S4抗血清と共にインキュベートしたPTの
ウエスタンブロット:サブユニットS4のみ検知される; F):抗−融合S5抗血清と共にインキュベートしたPTの
ウエスタンブロット:サブユニットS5のみ検知される; である。 第12図は、融合S1及び百日咳毒素の酵素活性を示すた
めポリアクリルアミドゲル上で行なったオートラジオグ
ラフィーを示す。 第13図は、百日咳毒素の遺伝子を含有するDNA領域の
ヌクレオチド配列を示す。中央に記載された配列は、B.
パータッシスのものであり、その上方及び下方に、それ
ぞれB.ブロンキセプチカ及びB.パラパータッシスの配列
において見られる差異が示されている 第14図において、サザーンブロットは、クローンpPT1
01とハイブリダイズするEco RIフラグメントの大きさに
よって、B.パータッシスがB.パラパータッシス及びB.ブ
ロンキセプチカと識別され得ることを示している。 第15図は、百日咳毒素の5個のサブユニットのアミノ
酸配列を示す。中央に記載された配列はB.パータッシス
のものであり、その上方及び下方に、それぞれB.ブロン
キセプチカ及びB.パラパータッシスで見られる差異が示
されている。 第16図は、融合タンパク質としてE.コリ内で産生され
たサブユニットS1の酵素活性を示している。 A:B.パータッシスのS1 B:ベクターpEX 31aからMS2ポリメラーゼ C:サブユニットS3 D:B.パラパータッシスのS1 E:B.ブロンキセプチカのS1 第1表は、百日咳毒素の5個のサブユニットについ
て、アミノ酸組成(%)、分子量及び全電荷を各するも
のであり、表中、AはTamuraらによって報告されている
データ(「Biochem.」21,5516−5522(1982))であ
り、Bはヌクレオチド配列から求めたデータである。 以下に示す実施例は、本発明を説明するためのもので
あって、限定するものではない。 実施例1 百日咳毒素のサブユニットのアミノ末端配列の決定 B.パータッシスBP 165の菌株(Office of Biologic
s、Bethesda、MDから入手した)を、攪拌機を具備する
発酵槽(50L)(Palias System N.B.App.Fabr.Van door
De Bilt)において、下記の組成を有する予め120℃で1
5分間殺菌した、40LのVerwey培養培地内で、通気下、温
度36.5℃で28時間生育させた。 培養培地組成 バクト・カザミノ酸(DIFCO) 14 (g) KCl 0.2 K2PO4 0.5 MgCl2・6H2O 0.1 ニコチン酸 0.02 グルタオチン 0.01 デンプン 1.00 H2 1 (L) pH 6.8 この時間の経過後、遠心分離して培養ブロスから細胞
を分離し、Sekura R.D.らによって開示された(「ザ・
ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Th
e J.Biol.Chem.)」258,23,14647−14651(1983)の如
く、Affi−Gel ブルー(100−200メッシュ)(BioRad)
及びフェチュイン−セファロースによるアフィニティー
クロマトグラフィーによって、上澄液から百日咳毒素を
採取した。 得られたタンパク質の純度は95%以上であった。 ついで、このタンパク質をドデシル硫酸ナトリウム
(SDS)を含有する15%(p/p)ポリアクリルアミドゲル
を使用し、125Vにおいて5時間で電気泳動し、第1図に
示すように、5個のサブユニットが分離された。 これらバンドの各々を切取り、Hunlapiller M.W.らの
方法(「メソッヅ・イン・エンジモロジー」91,227−23
6(1983)により電気溶出した。このようにして、精製
された5種類のサブユニットが得られた。 得られたサブユニットの各々について、気相マイクロ
シークェンサーモデル470A(Applied Biosystem社)を
使用し、その操作説明に従って、アミノ末端配列を決定
した。 第2図はサブユニットS1,S2,S3及びS4のアミノ末端配
列を示す。 実施例2 百日咳毒素の5個のサブユニットをコードする遺伝子を
含有するDNAフラグメントのクローニング 菌株B.パータッシスBP356は、染色体内に挿入された
トランスポゾン(Tn5)を含有する変異菌株である。か
かる菌株(Weiss A.A.らにより「Infect.Immun.」42,33
−41(1983)に記載されている)は、Stanley Falkow
(スタンフォード大学)によって調製されたものであ
り、Stanley Falkowから入手した。 指数増殖期にあるB.パータッシスBP356の培養物を遠
心分離し、細胞を、25%ショ糖、50mM Tris、1mM EDTA
を含有する波(pH8)2mL中に再度懸濁させた。ついで、
この懸濁液にリゾチーム50μL(40mg/mL)を添加し、
5分後、プロテインナーゼ(proteinase)K 10μL(20
mg/mL)を添加した。ついで、攪拌した懸濁液にEDTA 0.
4mL(0.05M)を添加した。さらに、細胞懸濁液に0℃で
Sarkosil(10%)0.25mLを添加することによって細胞を
溶解させた。 溶解された細胞を、50mM Tris、1mM EDTA(フェニル
メチルスルホニルフルオライド(プロテインナーゼk用
の阻害剤である)50μgを含有する)緩衝液55.2mL中に
CsCl 69.6gを含有する溶液35mLに懸濁させた。この液を
70 t i Beckmann SO V t iにおいて50000rpmで16時間遠
心分離し、このようにして分離された染色体DNAを粘稠
なバンドとして得た。ついで、この染色体DNA 500μg
を蒸留水100mLに対して透析してCsClを除去し、つづい
て50mM NaCl、10mM Tris、10mM MgSO4、1mMジチオトレ
イトール緩衝液(pH7.4)5mL中で制限酵素Sau 3Al(Boe
hringer社)5単位(U)で部分的に消化した。 溶液にエタノール12mLを添加することによって、消化
したDNAを沈殿せしめ、分離後、10mM Tris、1mM EDTA緩
衝液0.5mLに再度懸濁化した。 この量を、1mM NaCl、10mM Tris、1mM EDTA緩衝液(p
H7.5)35mLに溶解して、10%〜40%のショ糖勾配をかけ
て溶出した。 勾配をかけたものを、Beckman SW 28ローターにおい
て、26000rpmで16時間遠心分離した。 この後、1mLずつのフラクションを集め、各フラクシ
ョンに含まれるDNAの分子量を、Maniatis T.らによって
報告された(「Molecular Cloning a Laboratory Manua
l」Cold Spring Harbor N.Y.(1982))のように、アガ
ロースを使用する電気泳動によって測定した。 ついで、15000〜2000塩基対のDNAフラグメントを含有
するフラクションを透析し、DNAを前記と同様にエタノ
ールで沈澱せしめた。 沈澱したDNAを遠心分離することによって分離し、10m
M Tris、1mM EDTA緩衝液(pH7.5)100μL中に再度懸濁
化させた。 染色体DNAフラグメントをクローニングした。 クローニングにあたって、Frishauf A.らの記載
(「ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー」
170,827−842(1983))の如くして調製したE.コリλフ
ァージベクターEMBL4を使用した。 予め制限酵素Bam HI 2Uで切断したファージベクターE
MBL4のDNA 1μg及び15000〜20000塩基対のDNAフラグメ
ントを含有する溶液1μLを、1mM ATP、20mM Tris、10
mM MgCl2、10mMジチオトレイトール緩衝液(pH7.6)5
μL中、T4 DNAリガーゼ1Uの存在下で混合せしめた。 リガーゼによる反応を温度15℃で16時間行なった。 この時間の経過後、得られた組換えDNAを、Promega B
iotec社のPackagene Kit(Maniatis T.ら「Molecular C
loning a Laboratory Manual」Cold Spring Harbor N.
Y.(1982))を使用して、DNAをもたないλファージ内
に挿入した。 このようにした得られた組換えファージを使用して、
菌株E.コリ NM539(Promega Biotec社)を形質転換させ
た。 E.コリ NM539の形質転換された細胞を、LB培地(バク
ト・トリプトン 10g、バクト・Y.E. 5g、NaCl 10g、H2O
1L;pH7.5)上に接種し、組換えファージを培養したプ
レート約30000個を得た。 トランスポゾンTn5が挿入されているDNAフラグメント
を含有するファージを確認するために、プレート上にお
いて、Tn5 DNA用放射性プローブとのハイブリダイゼー
ションを行うことによって、約5000個の組換えファージ
をハイブリダイズさせた。 ハイブリダイゼーションの際、12個の組換えファージ
が陽性であり、Tn5を含んでいた。ついで、上述の抽出
法によって、これらファージからDNAを抽出した。 組換えファージDNA 1μgを、50mM Tris、100mM NaC
l、10mM MgSO4緩衝液(pH7.4)20μL中において、制限
酵素Eco RI 2Uで切断し、溶液を温度37℃に1時間維持
した。 ついで、DNAの消化液を1%アガロースゲルにのせ、1
20V、6時間で電気液動を行なった。 このようにして分離された組換えファージDNAのフラ
グメントをニトロセルロース上に移し、トランスポゾン
Tn5を含有するEco RIフラグメントを確認するため、Tn5
DNA用の放射性プローブとハイブリダイズせしめた。 これにより、一方側がB.パータッシスBP356の染色体D
NAの約1100塩基対、他方側が、約3500塩基対ではさまれ
たTn5の完全配列を含有した陽性のEco RIフラグメント
(約10500塩基対を含有する)が単離された。 Eco RIフラグメント1μgを、50mM NaCl、10mM Tri
s、10mM MgSO4、1mM ジチオトレイトール緩衝液(pH7.
4)25μL中、37℃、1時間で酵素Hinc IIによって切断
した。 この時間の経過後、消化DNAフラグメントを含有する
溶液を、1%アガロースゲルを使用し、120V、6時間で
電気泳動せしめ、ニトロセルロース上に移し、Tn5DNA用
の放射性プローブとハイブリダイズさせて、Tn5を染色
体DNAとの間の結合を含有するフラグメントを確認し
た。 2種類のフラグメント(1方は約500塩基対を含有
し、他方は約1900塩基対を含有する)が確認された。 これら2つのフラグメントを電気溶出し、ファージベ
クターM13mp8及びM13mp9(New England)(これらのベ
クターのDNAは予め制限酵素Hinc IIによって切断されて
いる)でクローニングした。 ついで、2つのフラグメントのヌクレオチド配列を、
Sanger F.S.の方法(「プルシーディングズ・オブ・ザ
・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ(Pr
oc.Natl.Acad.Sci.)」74,5463(1977))を利用して、
Hinc II部位を基点として決定した。 大きい方のフラグメント(1900塩基対)のHinc II部
位からヌクレオチド約400個の部分に、第3A図に示すヌ
クレオチド配列(3030〜3100塩基対)が確認され、そし
て相当するアミノ酸に翻訳されて、実施例1に記載され
かつ第2図に図示されたサブユニットS3について決定さ
れているアミノ酸配列を示した。 この結果は、菌株B.パータッシス356では、PTのサブ
ユニットS3をコードする遺伝子内にTn5が挿入されるこ
とを示しており、クローニングされたDNAのフラグメン
トが百日咳毒素の遺伝子を含有することを立証する。 このように確認されたフラグメントを、B.パータッシ
スBP165の染色体DNA中に存在するPTの遺伝子を確認する
ために、ハイブリダイゼーションプローブとして使用し
た。 B.パータッシスBP356に関して記載したものと同様に
して、この菌株についても、ファージベクターEMBL4に
おける遺伝子ライブラリーを形成させた。 クローニング操作の後、サブユニットS3(ここで、特
異的なS3用プローブとハイブリダイズする)をコードす
る少なくとも1個の遺伝子を含有する4696塩基対のEco
RIフラグメントを単離した。 このフラグメントも他のPTサブユニットをコードする
遺伝子を含有するものであるか否かを検査するため、フ
ラグメント又はその一部をファージベクターM13mp8及び
M13mp9においてクローニングし、完全フラグメントのヌ
クレオチド配列を決定した。 完全フラグメントのヌクレオチド配列(第3図に示
す)の分析では、このフラグメントもサブユニットS1、
S2及びS4をコードする遺伝子を含有し、DNAフラグメン
トのヌクレオチド配列を相当するアミノ酸配列に翻訳す
る際、サブユニットS1、S2及びS4について決定されかつ
第2図に示すアミノ酸配列に一致することを示した。 アミノ酸配列の開始部が第2図に示すデータから確認
されると、これらサブユニットの完全アミノ酸配列を推
定することは可能である。 アミノ酸配列から推定される各サブユニットの化学的
及び物理的特性、たとえば分子量、アミノ酸組成及び電
荷の分析結果は、文献記載のデータ(Tamuraら「バイオ
ケミストリー(Biochemistry)」21,5516−5522(198
2))と一致する。 5個のサブユニットのいずれにも共通の特性は、遺伝
子内において、成熟タンパク質の直前に、アミノ酸27−
42個のペプチドをコードしかつタンパク質の分泌に関与
するタンパク質の代表的な特性を有する配列が存在する
こと、すなわち、疏水領域が結合する末端アミノ基上に
1個又はそれ以上の陽電荷が存在すること、であること
も観察された(第4図)。 これは、サブユニットがプレタンパク質の形で産生さ
れ、つづいて分泌の間に処理されることを表わす。 分泌シグナルのいずれも、他の分泌シグナルを代表す
る配列(S)(P)AXAで終了する。 S4及びS3をコードする遺伝子の中で、他の分泌シグナ
ルと同じプレタンパク質を有しかつ配列SPADVA(サブユ
ニットS5に関して文献に記載されたもの(第1表)と正
確に同じアミノ酸組成を有するアミノ酸配列がつづいて
結合する)で終了するペプチドをコードする2461〜2862
塩基対のヌクレオチド配列が確認された。 この結果、本発明でクローニングされた4696塩基対の
Eco RIフラグメントは、サブユニットS5をコードする遺
伝子をも含有することが本発明により立証され、従っ
て、本発明によりS5のアミノ酸配列を決定できた(第3
図)。 単離され、クローニングされたDNAフラグメントのヌ
クレオチド配列をさらに分析した結果から、440〜485塩
基対の領域内に、E.コリのものと同じ特性を有するプロ
モーターが存在し、3608〜3670塩基対の領域内に終結配
列が存在するものと判断された。 これは、百日咳毒素の5個の遺伝子が代表的な細菌オ
ペロン中に組織化され、そして唯1つのmRNAに転写され
ることを意味する。 実施例3 百日咳毒素をコードする遺伝子を含有するハイブリッド
プラスミドpPT101の構築 アンピシリン耐性を与える遺伝子を含有するE.コリpE
MBL8(Dente L.,「Nucl.Acids Res.」11,1645−1655(1
983))のプラスミドDNA1μgを、100mM NaCl、50mM Tr
is、10mM MgSO4緩衝液(pH7.4)20μL中において、酵
素Eco RI 2Uにより、37℃、1時間で切断させた。 消化反応の終了後、切断されたプラスミドDNAを含有
する溶液に、第3図に示す配列を有する4696塩基対のEc
o RI DNA 3μgを添加し、T4 DNAリガーゼ(BRL)1Uの
存在下、製造会社が推奨する条件下で反応させた。 ついで、コンピテント細胞にしたアンピシリン感受性
のE.コリ JM101(New England Biolabs社)の細胞を形
質転換させるためにリガーゼ混合物を使用した。 形質転換された細胞を、アンピシリン100μg/mLを含
有するLBプレート上で選別して、ハイブリッドプラスミ
ドを含有する細胞を単離した。 このようにして得られたアンピシリン耐性(AmpR)E.
コリのクローンの中から、PT遺伝子の配列用プローブと
のハイブリダイゼーションにより、PTをコードするDNA
フラグメントを含有するハイブリッドプラスミドpEMBL8
を含有するクローンを単離した。 これらのハイブリッドプラスミドの1つのpPT101と称
している。 このプラスミドを含有するE.コリ JM101については、
アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションに対
し、寄託番号ATCC 53212で寄託してある(1985年8月6
日)。 実施例4 サブユニットS1をコードする遺伝子を含有するハイブリ
ッドプラスミドPTE255の構築 ハイブリッドプラスミドの構築を、予め制限酵素Bam
HI及びXba Iで消化したプラスミド31Bを、S1をコードす
る遺伝子に相当する4696塩基対のフラグメントの612〜1
317塩基対のSau 3al−Xba I体とリガーゼにより結合せ
しめることによって、上記実施例3と同様にして実施し
た。 ついで、リガーゼ混合物を使用してコンピテントE.コ
リの細胞を形質転換させ、形質転換された細胞をアンピ
シリン含有LBプレート(DIFCO)上で選別した。 陽性のクローンの1つからハイブリッドプラスミドPT
E255(S1)を分離した。その配列を第9図に示す。第9
図中、下方の記号はMS2ポリメラーゼをコードする配列
を示し、上方の記号はS1をコードする配列を示す。 得られたタンパク質は、最初のアミノ酸Aspを別とし
て、サブユニットS1を含有する。 実施例5 サブユニットS2をコードする遺伝子を含有するハイブリ
ッドプラスミドPTE211の構築 Bam HIで消化しかつ付着末端をふさぐためにDNAポリ
メラーゼで処理したプラスミド31A、及びS2をコードす
る遺伝子に相当する4696塩基対のフラグメントの1433〜
2064塩基対のSau 96−Sma Iフラグメント(付着末端を
ふさぐためDNAポリメラーゼ(Klenow)により処理した
もの)を使用し、実施例3と同様にしてハイブリッドプ
ラスミドの構築を行なった。 陽性の形質転換の1つから単離されたハイブリッドプ
ラスミドPTE211(S2)は、第9図に示す配列を有してい
た。 得られた融合タンパク質は、サブユニットS2(上方の
記号)のペプチドリーダーのアミノ酸、従ってタンパク
質S2(下方の記号の右)に融合されたMS2のポリメラー
ゼの配列(上方の記号の左)を含有していた。 実施例6 サブユニットS3をコードする遺伝子を含有するハイブリ
ッドプラスミドPTE221の構築 Bam HIで消化しかつ付着末端をふさぐためにDNAポリ
メラーゼで処理したプラスミド31C、及びS3をコードす
る遺伝子に相当する4696塩基対のフラグメントの3014〜
3628塩基対に相当するSpH1−DDE1フラグメント(付着末
端をふさぐためDNAポリメラーゼにより処理したもの)
を使用し、実施例3と同様にしてハイブリッドプラスミ
ドの構築を行なった。 陽性の形質転換体の1つから単離されたハイブリッド
プラスミドPTE221(S3)は、第9図に示す配列を有して
いた。 これから得られた融合タンパク質は、サブユニットS3
(上方の記号)のペプチドリーダーの5個のアミノ酸、
従って天然のサブユニットS3(下方の記号の右)に融合
したMS2のポリメラーゼ(下方の記号の左)を含有して
いた。 実施例7 サブユニットS4をコード化する遺伝子を含有するハイブ
リッドプラスミドPTE240の構築 Bam HIで切断しかつポリメラーゼで処理したプラスミ
ド31B、及びS4をコードする遺伝子に相当する4696塩基
対のフラグメントの2151〜2600塩基対のBst N1−Bst N1
フラグメントを使用し、実施例3と同様にしてハイブリ
ッドプラスミドの構築を行なった。 このようにして得られたハイブリッドプラスミドPTE2
40(S4)の配列を第9図に示す。 これによる融合タンパク質は、サブユニットS4(上方
の記号)のペプチドリーダーの2個のアミノ酸、従って
天然のサブユニットS4に融合したMS2のポリメラーゼ
(下方の記号)を含有していた。 実施例8 サブユニットS5をコードする遺伝子を含有するハイブリ
ッドプラスミドPTE230の構築 Bam HIで切断しかつ付着末端をふさぐためのDNAポリ
メラーゼで処理したプラスミド31A、及びS5をコードす
る遺伝子に相当する4696塩基対のフラグメントの2558〜
3210塩基対のAat2−Sna BIフラグメントを使用し、上記
実施例3と同様にしてハイブリッドプラスミドの構築を
行なった。 得られたハイブリッドプラスミドPTE230の配列を第9
図に示す。 得られる融合タンパク質は、MS2のポリメラーゼ(下
方の記号の左)、サブユニットS5(上方の記号)のペプ
チドリーダーの2個のアミノ酸及び従って天然のサブユ
ニットS5(下方の記号の右)を含有していた。 実施例9 百日咳毒素の生産及びその活性の測定 菌株E.コリ JM101(pPT101)を、LB培地10mLを含有す
るフラスコ(100mL)中、ゆるやかに撹拌しながら、温
度37℃で16時間生育させた。 ついで、この培養液0.1mLをLB培地10mLに接種し、37
℃で、吸光度OD590=0.75となるまで生育させた。 培養ブロスを4℃で遠心分離し、このようにして分離
された細胞を10mM Tris(pH7.5)0.5mLに再度懸濁化さ
せた。 細胞懸濁液を、Branson Sonifier細胞破壊装置200(B
ransonsonic Power Co.)において超音波によって溶解
させた。 ついで、百日咳毒素の存在及び生物学的活性を、Hewl
ett E.L.らの方法(「Infect.Immun.」40,1198−1203
(1983))に従って、CHO細胞により細胞溶解液につい
て直接測定した。使用したCHO細胞は、CHO ATCC CCL 61
細胞の突然変異により、発明者らの研究室で得られたも
のである。CHO細胞1,000個を、上記Hewlettらによって
開示された組成の培地2.5mLに対し、それぞれE.コリ JM
101(pPT110)の細胞抽出物5μL、非改変プラスミドp
EMBL8を含有するE.コリ JM101 5mL及び百日咳毒素0.1ng
(標準として)の存在下で接種した。 細胞抽出物の一部を、正常なヤギ抗血清(A)により
希釈率1:100で希釈して、予めインキュベートし、そし
て細胞抽出物の別の一部を、百日咳毒素で免疫化した後
に採取した同じヤギ抗血清により希釈率1:100で希釈し
て、予めインキュベートした。 37℃において48時間インキュベートした後、上記Hewl
ettらの方法に従って結果を測定した。 4つの(+)の値は、CHO細胞の形状変化が最大であ
ることを示し、1つの(+)は形状変化が最少であるこ
とを示し、(−)は形状変化がないことを示す。 結果を第2表に示す。 なお、陽性コントロールとして精製した百日咳毒素0.
1ngを使用した。サンプルはプラスミドpPT101を含有す
るE.コリの溶解液5μLで構成されている。陰性コント
ロールは、ベクターとして百日咳毒素の遺伝子を含有し
ないプラスミド(pEMBL8)を含有するE.コリの同じ菌株
によって構成されている。 第2表から、E.コリ(pPT101)ATCC53212の細胞抽出
物は陽性の結果を示し、毒素は抗百日咳毒素抗体によっ
て中和されるが、事前に免疫された同じヤギからの抗体
では中和されないことが理解される。 菌株E.コリ JM101(pEMBL8)は、このテストでは何ら
活性を示さない。 このように、プラスミドPEMBL8においてクローニング
された4696塩基対のEco RI染色体DNAフラグメントは、
B.パータッシスBP165によって産生された百日咳毒素と
機能的に同一である毒素を合成でき、しかも合成された
百日咳毒素は毒素自体の抗体によって中和されるもので
あると結論できる。 実施例10 百日咳毒素の5個のサブユニットの発現及び精製 a)5個のサブユニットの発現 上記実施例4ないし8に記載したようにして構築した
ハイブリッドプラスミドPTE255(S1)、PTE211(S2)、
PTE221(S3)、PTE240(S4)及びPTE230(S5)の導入
を、E.コリK12 HI trpの菌株の形質転換を介して実施し
た。 ついで、形質転換さた菌株の各々を、LB培地10mL中、
30℃において一晩生育させた。この時間の経過後、各培
養物10mLをフラスコ(2L)内にある新鮮なLB培地400mL
に添加した。 フラスコを30℃で2時間、42℃で2.5時間撹拌した。 培養物を遠心分離して細胞を分離し、25%ショ糖3m
L、Tris−HCl(pH8.0)10mL、1mM EDTA中に再び懸濁化
した。 かかる培養物5μLずつを、溶解緩衝液(4%SDS、1
25mM Tris(pH6.8))80μL、10%β−メルカプトエタ
ノール、10%グリセリン、及び0.02%ブロモフェノール
に添加し、5分間煮沸し、ついで15%ポリアクリルアミ
ドゲル上にのせた。 ついで、タンパク質を25mAで5時間電気泳動し、Laem
iらの開示(「Nature」227,680−685(1970))の如
く、ゲルを着色し、脱色した。 第10図Aは、MS2のポリメラーゼ(A)及びこれに融
合した5個の非精製サブユニット(S1−S5)を産生する
菌株の完全溶解液の電気泳動を示す。 b)5個のサブユニットの精製 上記各培養物の細胞を、2.5%ショ糖溶液3.2mLに再度
懸濁化させ、リゾチーム(40mg/mL)0.1mL及び0.5M EDT
A 0.8mLを添加し、37℃で30分間インキュベートした。 この時間の経過後、各懸濁液に溶解緩衝液(1% Tri
ton X 100、50mM Tris(pH6.00)、63mM EDTA)8mLを添
加し、0℃に15分間、37℃に30分間維持した。 つづいて、細胞を超音波で破壊し、1000回転で10分間
遠心分離した。 このようにして分離された沈澱物を、1M尿素溶液5mL
中に再度懸濁化し、37℃30分間維持し、遠心分離し、上
澄液を分離した後、7M尿素溶液5mL中に再度懸濁化させ
た。第10図Bに示される如く、部分的に精製されたサブ
ユニットが得られた。 部分的に精製されたタンパク質を7M尿素溶液5mLに再
度懸濁化し、調製ポリアミドゲル(3mm×50cm)上にの
せ、50mAで8時間電気泳動させた。 発色後、融合タンパク質を含有するバンドを切取り、
透析バッグにおいて200Vで48時間電気溶出させた。 ついで、電気溶出されたタンパク質を蒸留水に対して
透析し、アセトン9容量を添加することによって沈澱せ
しめた。 遠心分離によりタンパク質を分離し、0.1M NaHCO3
再度懸濁化させた。 第10図Cは精製された各々のタンパク質が得られたこ
とを示す。 実施例11 5個のサブユニットに対する血清の調製 上記実施例10に記載の如くして得られた精製融合タン
パク質(S1、S2、S3、S4及びS5)を使用し、以下のスケ
ジュールに従って家兎を免疫した。 第1日: 融合タンパク質約1mgを含有する溶液1mLを完全Freund
アジュバンド1mLと混合し、家兎に皮下注射した。 第18日: 上記第1日の処置を腐心前アジュバンドを使用して繰
返して実施した。 第27日: タンパク質約1mgを含有する溶液1mLを静脈注射した。 第37日: 家兎から採血し、血清を回収した。 このようにして調製したサブユニット5個に対する抗
血清を、これらに5個の天然タンパク質が認められるか
否かについて、ウエスタンブロッティング法によってテ
ストした。 実施例1に示す精製した百日咳毒素約100mgを、15%
ポリアクリルアミドゲル上にのせ、電気泳動させた。 ついで、分離されたサブユニットを、エレクトロブロ
ッティングによって、ニトロセルロース上に移した。 サブユニットを含有するニトロセルロースのシートを
縦方向で複数個の同じ形の細長い小片にカットし、これ
らについてウエスタンブロッティング法によって分析し
た。 実際には、ニトロセルロースの細長い小片を、PBS 0.
15M NaCl、1×Denhart(0.03% 牛アルブミン、0.02
% FiColl 70及び0.02% ホリビニルピロリドン)を含
有する10mMリン酸塩緩衝液(pH7.4)及び0.05% Tween
中に2時間で懸濁化し、0.05% Tween 20を含有するPBS
で2回(各回30分)洗浄した。 つづいて、0.05% Tween 20を添加したPBSにおいて、
所望の血清により1/100で希釈して、室温で一晩インキ
ュベートした。 ついで、10mM Tris、0.9% NaCl及び0.1%Tween 20
(TBS)の溶液で3回(各回15分ずつ)で洗浄し、TBSに
より1/100で希釈したヤギペルオキシダーゼのγ−グロ
ブリン抗グロブリン又は家兎ペルオキシターゼのグロブ
リン抗グロブリン(Miles)の複合体と共にインキュベ
ートし、最後にTBS中で3回、0.01M Tris(pH6.8)中で
1回(各回10分間)洗浄した。各溶液に、ペルオキシタ
ーゼの基質として、0.05M Tris(pH6.8)20mL、4−ク
ロロ−1−ナフトールの0.3%メタノール溶液5mL及びH2
O2 7μLを添加した。 第11図に示す結果は、PTのサブユニット5個をコード
する遺伝子を使用して得られた融合タンパク質が、家兎
に注射される際、天然の毒素の各サブユニットを確認し
うる特異的な抗体の形成を誘発することを示した。 実施例12 融合タンパク質S1の酵素活性の分析 融合タンパク質S1 10μL及び25mMジチオトレイトー
ルと共に室温において30分間予めインキュベートしたPT
10μLを、ホモゲナイズした牛の網膜(ROS)10μL、
H2O 80μL、2M Tris(pH7.5)5μL、100mM ATP 1μ
L、10mM GTP 1μL、チミジン 10μL及び32P NAD 1μ
L(1μCi)を含有する溶液を添加した。 混合物を室温に30分間維持し、遠心分離し、上澄液を
分離し、ROSを含有する沈澱をドデシル硫酸ナトリウム
緩衝液に溶解し、15%ポリアクリルアミドゲル上にの
せ、電位差125Vを5時間与えた。 この時間の経過後、ゲルを乾燥し、オートラジオグラ
フィー処理した。 得られた結果は、1)百日咳毒素(PT)は、トランス
デューシン(transducin)をADPリボシル化すること、
2)百日咳毒素の不存在下では、トランスデューシンは
マークされないこと、及び3)電気溶出された融合S1
は、PTと同じADPリボシル化活性を有すること、を示し
た。 実施例13 B.ブロンキセプチカ及びB.パラパータッシスの遺伝子の
クローニング、配列決定及び発現 B.ブロンキセプチカ及びB.パラパータッシスは活性な
百日咳毒素を産出しないが、これらは毒素をコードする
遺伝子を含有していることが観察された。実施例2、3
及び4の如く操作することにより、百日咳毒素の5個の
サブユニットをコードするB.ブロンキセプチカ(ATCC46
17)及びB.パラパータッシス(ATCC9305)の遺伝子をク
ローニングし、配列を決定した。 得られたヌクレオチド配列(第13図)は、3種類の菌
株の間に若干の差異があることを示した。これらの1つ
は4696塩基対にEco RI部位を有しておらず、従って、B.
ブロンキセプチカ及びB.パラパータッシスの遺伝子は、
4696塩基対ではなく、4935塩基対を有するEco RIフラグ
メントに含有される。寸法の差異は、B.パラパータッシ
ス及びB.ブロンキセプチカからB.パータッシスを識別す
るための診断上の指標として下記の如く利用される。 すなわち、ボルデテラの染色体DNAをアガロースゲル
上でEco RIにより消化し、ニトロセルロース上に移し、
前述したpPT101及びクローニングDNAのフラグメントに
ついて記載された方法に従ってハイブリダイズする。オ
ートラジオグラフィーの結果により、より高い分子量の
バンドでハイブリダイズするB.パラパータッシス及びB.
ブロンキセプチカからB.パータッシスを識別できる(第
14図)。 第15図は、ボルデテラの3種の菌株における5個のサ
ブユニットから推定されるアミノ酸配列を示す。これか
ら明らかなように、アミノ酸についていくつかの変化が
ある。これらの変化がサブユニットの機能及び免疫原性
を変化させるか否かを調べるため、実施例4に記載の如
く操作して、B.ブロンキセプチカ及びB.パラパータッシ
スのサブユニットS1をコードする遺伝子を発現させた。
得られた融合タンパク質は、B.パータッシスのものと免
疫原的に類似しており、事実、B.パータッシスの抗毒素
抗体によりウエスタンブローティングにおいて確認され
た。 さらに、実施例12に記載の如く操作することにより、
両タンパク質はB.パータッシスのサブユニットと同じ酵
素活性を有することが観察された(第16図)。この実施
例は、第15図に示した配列を有するタンパク質は、いく
つかの変化を有するものではあるが、百日咳に対するワ
クチンとして使用され得ることを示している。
【図面の簡単な説明】 第1図は精製百日咳毒素の電気泳動における展開を示す
写真、第2図は精製したサブユニットS1、S2、S3及びS4
のアミノ末端配列を示す図、第3A図は、Eco RIフラグメ
ントのヌクレオチド配列を示す図、第3B図は第3A図に示
す配列におけるORFSフレームを表わす図、第4図は百日
咳毒素の5個のサブユニットにおけるシグナルペプチド
のアミノ酸配列を表わす図、第5A図は翻訳及び転写シグ
ナルを表わす図、第5B図は予想される終結配列の構造を
示す図、第6図はS2及びS3のアミノ酸配列の対比を表わ
す図、第7図は百日咳毒素のS1及びコレラ毒素のアミノ
酸配列の対比を表わす図、第8図は3種類の可能なフレ
ームへのポリリンカーの導入状態を示す図、第9図はプ
ラスミド31A、31B及び31Cにおける百日咳毒素の5個の
サブユニットをコードする遺伝子のクローニングの概略
を示す図、第10図は各状況下における5個のサブユニッ
トについて行なった電気泳動における展開を示す写真、
第11図は各種抗血清と共にインキュベートした百日咳毒
素のウエスタンブロットを示す写真、第12図は百日咳毒
素の酵素活性を示すオートラジオグラフィーを表わす写
真、第13図は百日咳毒素の遺伝子を含有するDNA領域の
ヌクレオチド配列を表わす図、第14図はB.パータッシス
がB.パラパータッシス及びB.ブロンキセプチカから識別
されることを示すオートラジオグラフィーを表わす写
真、第15図は百日咳毒素の5個のサブユニットのアミノ
酸配列を示す図、第16図はE.コリ内で産生されたサブユ
ニットの酵素活性を示す写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/50 G01N 33/50 P

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.百日咳毒素の5個のサブユニットをコードする遺伝
    子を含有する、4696塩基対を有するボルデテラ・パータ
    ッシス(Bordetella pertussis)染色体DNAのEco RIフ
    ラグメント又はそのさらに小さいフラグメントであっ
    て、該そのさらに小さいフラグメントが、百日咳毒素の
    少なくとも1個のサブユニットをコードする少なくとも
    1個の遺伝子を含有し、該5個のサブユニットがそれぞ
    れ以下のアミノ酸配列を有する、Eco RIフラグメント又
    はそのさらに小さいフラグメント: 2.以下の配列を有する、特許請求の範囲第1項に記載
    のDNAフラグメント又はそのさらに小さいフラグメン
    ト: 3.百日咳毒素又は百日咳毒素の1個又はそれ以上のサ
    ブユニットを合成するために、微生物により保有される
    場合、前記DNAフラグメント又はそのさらに小さいフラ
    グメントを発現し得る、DNAフラグメント又はそのさら
    に小さいフラグメントを含有するハイブリッドプラスミ
    ドであって、 該DNAフラグメントが、百日咳毒素の5個のサブユニッ
    トをコードする遺伝子を含有する、4696塩基対を有する
    ボルデテラ・パータッシス(Bordetella pertussis)染
    色体DNAのEco RIフラグメントであって、該そのさらに
    小さいフラグメントが、百日咳毒素の少なくとも1個の
    サブユニットをコードする少なくとも1個の遺伝子を含
    有し、該5個のサブユニットがそれぞれ以下のアミノ酸
    配列を有する、ハイブリッドプラスミド: 4.発現を調節する領域の制御下で、前記DNAフラグメ
    ント又はそのさらに小さいフラグメントが配置される、
    特許請求の範囲第3項に記載のハイブリッドプラスミ
    ド。 5.4696塩基対のEcoRIフラグメントが、pEMBL8のEco R
    I制限部位に挿入される、特許請求の範囲第3項又は第
    4項に記載のハイブリッドプラスミドpT101。 6.サブユニットSIをコードするSau 3A−Xba Iフラグ
    メントが、プラスミド31BのBam HI−Xba I部位に挿入さ
    れる、特許請求の範囲第3項又は第4項に記載のハイブ
    リッドプラスミドPTE255。 7.サブユニットS2をコードするSau 96−Sma Iフラグ
    メントが、プラスミド31AのBam HI部位に挿入される、
    特許請求の範囲第3項又は第4項に記載のハイブリッド
    プラスミドPTE211。 8.サブユニットS3をコードするSpHI−DDE1フラグメン
    トが、プラスミド31CのBam HI部位に挿入される、特許
    請求の範囲第3項又は第4項に記載のハイブリッドプラ
    スミドPTE221。 9.サブユニットS4をコードするBst N1−Bst N1フラグ
    メントが、プラスミド31BのBam HI部位に挿入される、
    特許請求の範囲第3項又は第4項に記載のハイブリッド
    プラスミドPTE240。 10.サブユニットS5をコードするAat2−Sna BIフラグ
    メントが、プラスミド31AのBam HI部位に挿入される、
    特許請求の範囲第3項又は第4項に記載のハイブリッド
    プラスミドPTE230。 11.百日咳毒素又は百日咳毒素の1個又はそれ以上の
    サブユニットを合成するために、微生物により保有され
    る場合、前記DNAフラグメント又はそのさらに小さいフ
    ラグメントを発現し得る、DNAフラグメント又はそのさ
    らに小さいフラグメントを含有するハイブリッドプラス
    ミドによって形質転換された微生物であって、 該DNAフラグメントが、百日咳毒素の5個のサブユニッ
    トをコードする遺伝子を含有する、4696塩基対を有する
    ボルデテラ・パータッシス(Bordetella pertussis)染
    色体DNAのEco RIフラグメントであって、該そのさらに
    小さいフラグメントが、百日咳毒素の少なくとも1個の
    サブユニットをコードする少なくとも1個の遺伝子を含
    有し、該5個のサブユニットがそれぞれ以下のアミノ酸
    配列を有する、微生物: 12.特許請求の範囲第11項に記載の微生物であって、
    Sau3A−Xba Iフラグメントがプラスミド31BのBamHI−Xb
    aI部位に挿入されるハイブリッドプラスミドPTE255によ
    って形質転換されたエシェリキア・コリ(Escherichia
    coli)である、微生物。 13.特許請求の範囲第11項に記載の微生物であって、
    4696塩基対Eco RIフラグメントがpEMBL8のEco RI部位に
    挿入されるハイブリッドプラスミドpT101によって形質
    転換されたエシェリキア・コリ(Escherichia coli)AT
    CC 53212である、微生物。 14.百日咳毒素のDNAフラグメント又はそのさらに小
    さいフラグメントの調製方法であって、該DNAフラグメ
    ント又はそのさらに小さいフラグメントを含有するハイ
    ブリッドプラスミドで形質転換された微生物を適切な培
    養培地中で培養する工程を包含し、 該DNAフラグメントが、百日咳毒素の5個のサブユニッ
    トをコードする遺伝子を含有する、4696塩基対を有する
    ボルデテラ・パータッシス(Bordetella pertussis)染
    色体DNAのEco RIフラグメントであって、該そのさらに
    小さいフラグメントが、百日咳毒素の少なくとも1個の
    サブユニットをコードする少なくとも1個の遺伝子を含
    有し、該5個のサブユニットがそれぞれ以下のアミノ酸
    配列を有する、方法: 15.染色体DNAフラグメントをクローニングし、配列
    決定する方法であって、該方法が、以下の工程: a)染色体DNA内にトランスポゾンTn5を含有し、百日咳
    毒素を産生しない突然変異株であるボルデテラ・パータ
    ッシスBP 356の染色体DNAの制限酵素Sau 3A1での消化に
    より得られた、15,000−20,000塩基対の染色体DNAフラ
    グメントをE.コリλファージEMBL4内で単離及びクロー
    ニングする工程; b)Tn5 DNA用の標識したプローブでハイブリダイズす
    る組換えファージDNAのフラグメントを、得られた陽性
    組換えファージから単離する工程; c)前記組換えファージDNAのフラグメントを制限酵素H
    inc IIで切断し、そしてTn5 DNA用に選ばれたプローブ
    とのハイブリダイゼーションによって、サブユニットS3
    をコードするヌクレオチド配列を含有する、1900塩基対
    のフラグメントを単離する工程; d)ボルデテラ・パータッシスBP 165の染色体DNAの消
    化によって得られた15,000−20,000塩基対の染色体DNA
    フラグメントをE.コリλファージEMBL 4内で単離及びク
    ローニングする工程; e)このようにして得られた陽性組換えファージから、
    前記工程c)で得られたS3用プローブとハイブリダイズ
    する組換えファージDNAのフラグメントを単離する工
    程; f)前記組換えファージDNAフラグメントを制限酵素Eco
    RIで切断し、そしてS3 DNA用のプローブとのハイブリ
    ダイゼーションによって、4696塩基対の染色体DNAのEco
    RIフラグメントを単離する工程;および g)得られたフラグメントをEco RI制限部位においてプ
    ラスミドベクターpEMBL8内に挿入し、DNAフラグメント
    のヌクレオチド配列を決定し、そして百日咳毒素の5個
    のサブユニットをコードする遺伝子を同定する工程、 を包含する、方法。 16.B.パラパータッシス(B.parapertussis)及びB.
    ブロンキセプチカ(B.bronchiseptica)からB.バータッ
    シスを識別する方法であって、試験される染色体DNAフ
    ラグメントをアガロースゲル上でEco RIにより消化する
    工程、該フラグメントをニトロセルロース上に移す工
    程、およびEco RIによるフラグメントを、百日咳毒素の
    5個のサブユニットをコードする遺伝子を含有する4696
    塩基対を有するボルデテラ・パータッシス(Bordetella
    pertussis)染色体DNAのフラグメント又はそのさらに
    小さいフラグメントとハイブリダイズする工程、を包含
    し、該5個のサブユニットがそれぞれ以下のアミノ酸配
    列を有する、方法:
JP62016324A 1986-01-28 1987-01-28 ボルデテラ・パータツシス染色体DNAのEcoRIフラグメント Expired - Lifetime JP2685442B2 (ja)

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