JP2684479B2 - パティキュレートフィルター - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関、殊にディー
ゼルエンジンの排気ガス中に含んだカーボン等のパティ
キュレートフィルターに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ディーゼルエンジンの排気に含んでいる
カーボン等のパティキュレートを除去する装置として、
図１２及び図１３で示すように、仕切壁１ａで左右２つ
の室に区画され、それぞれの室に排気ガスの入口２と出
口３とを備えたケーシング１内に複数枚のセラミックコ
ア４を装填し、このセラミックコア４に排気ガスを通過
接触させてパティキュレートを捕集し、この捕集成分に
よるセラミックコア４の目詰まりを防止し、セラミック
コア４を再生するために、再生する側の出口３を弁板５
で閉止し、エアを導入管６より出口３側から噴射して捕
集したパティキュレートをセラミックコア４のパティキ
ュレート排出側よりケーシング１内のパティキュレート
燃焼消去室７に落下させ、バッテリーからヒーター８に
通電して捕集成分を燃焼させるようにしたものが公知と
なっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来のパティキュ
レートフィルターにおいて、ケーシング１内に装填され
るセラミックコア４は図１４で示すように、セラミック
コア４の上下４隅角が嵌装されるガイドレール９がケー
シング１内に固設され、このガイドレール９にセラミッ
クコア４の上下各４辺角を嵌装している。

【０００４】セラミックコア４は金属に比べて軽く熱に
強いが脆いのが難点であり、前記ガイドレール９で支持
された小さい支持面積Ｌのセラミックコア４の隅角部が
排気系の振動等で破損する心配がある。

【０００５】また、セラミックコア４に対し、ケーシン
グ１の外板材は熱膨脹が大きいため、冷熱間で隙間が発
生してシール性が悪い。さらに、セラミックコア４は４
面の内２面は排気ガスを通過させ、１面はパティキュレ
ートを排出する面であり、セラミックコア４の周囲をＳ
ＵＳ編みスプリング等のクッション材による包括浮動支
持ができない問題がある。

【０００６】本発明の目的は、上記従来の問題を解消し
たパティキュレートフィルターを提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の要旨は、内燃機関の排気系路に設置された
ケーシング内に装填される黒煙除去用のセラミックより
なるパティキュレートフィルターにおいて、多数枚の方
形のセラミックコアの上下各４辺角に耐熱、耐酸化性の
クッション材を介して上側押え枠と下側押え枠とをセッ
トし、前記上側押え枠と下側押え枠間をテンションプレ
ートにて結合したフィルターユニットを構成し、このフ
ィルターユニットを前記ケーシング内に固設したガイド
レールに装填支持したものである。

【０００８】また、内燃機関の排気系路に設置されたケ
ーシング内に装填される黒煙除去用のセラミックよりな
るパティキュレートフィルターにおいて、多数枚の方形
のセラミックコアの上下各４辺角に耐熱、耐酸化性のク
ッション材を介して上側押え枠と下側押え枠とをセット
し、前記上側押え枠と下側押え枠間をテンションプレー
トにて結合したフィルターユニットを構成し、前記ケー
シング内に固設したガイドレールに装填支持し、前記ガ
イドレールに係合する加熱膨脹シール材を埋設した耐
熱、耐酸化性のクッションプレートを前記フィルターユ
ニットの前後端面に当接して前記ガイドレールに前記加
熱膨脹シール材を耐熱、耐酸化性のクッション材を介し
て係合したものである。

【０００９】さらに、前記フィルターユニットをセラミ
ックコアのパティキュレート排出側をケーシング内のパ
ティキュレート燃焼消去室に向けた傾斜角度を持たせて
ケーシング内に装填支持したことを特徴とするものであ
る。

【００１０】

【作用】上記の構成により、耐熱、耐酸化性のクッショ
ン材を介して枠組みされたフィルターユニットは、セラ
ミックコアが耐振保持され、セラミックコアの破損を防
止する。また、フィルターユニットの前後端面に当接し
た耐熱、耐酸化性のクッションプレートによりフィルタ
ーユニットの前後方向の耐振性が得られ、このクッショ
ンプレートに埋設され、ガイドレールに係合する加熱膨
脹シール材によりシール性を向上する。さらに、フィル
ターユニットを傾斜角度を持たせて支持させることによ
り、パティキュレートの排出を許容して支持面積を増大
し、セラミックコアに対する局部的な耐振破損力を低減
する。

【００１１】

【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図１において、４は多数枚並列したセラミックコア
である。このセラミックコア４の上下各４辺角に、例え
ば、ＳＵＳ編みスプリングによる耐熱、耐酸化性のクッ
ション材１１を当てて、上側押え枠１０ａと下側押え枠
１０ｂをセットし、前記上側押え枠１０ａと下側押え枠
１０ｂ間をテンションプレート１２にてセット荷重を掛
けて溶接結合し、図２で示すフィルターユニット１３を
構成する。尚、前記クッション材１１と加熱膨脹シール
材（例えば加熱膨性セラミック）を介して上側押え枠１
０ａと下側押え枠１０ｂをセットしてもよい。

【００１２】前記フィルターユニット１３は図３で示す
ように、仕切壁１ａで左右２つの室に区画され、それぞ
れの室に排気ガスの入口２と出口３とを備え、かつヒー
ターを有するパティキュレートの燃焼消去室７を備えた
ケーシング１内のガイドレール９に装填支持する。

【００１３】また、前記ケーシング１内のガイドレール
９に装填支持されるフィルターユニット１３の前後端面
には図４で示すように、耐熱、耐酸化性のクッションプ
レート１４を当接する。このクッションプレート１４は
図５及び図７で示すように、前記ガイドレール９に係合
するための突出部１５ａを有する加熱膨性セラミック等
の加熱膨脹シール材）を埋設した構造であり、前記突出
部１５ａを図６で示すように、その周囲を耐熱、耐酸化
性のクッション材１１ａで囲んで前記ガイドレール９に
係合して設置する。

【００１４】前記図３及び図４において、ケーシング１
内に装填支持されるフィルターユニット１３は、セラミ
ックコア４の排気ガスの入口面を上面にし、出口面をケ
ーシング１の側壁に向け、パティキュレートの排出面を
パティキュレートの燃焼消去室７側の下面にして水平に
配置されているが、図８及び図１０で示すように、傾斜
角度を持たせて装填支持する。

【００１５】この場合、ケーシング１内に固設されたガ
イドレール９ａは、ケーシング１の長手方向と直交する
方向、すなわち、仕切壁１ａの面に対して直角方向に、
しかも仕切壁１ａ側の端面が下方に位置するよう傾斜角
度（５〜４５°）を持たせて固設する。また、図９で示
すように、ガイドレール９ｂはケーシング１の長手方向
で、しかも仕切壁１ａ側の端面が下方に位置するよう同
じように傾斜角度（５〜４５°）を持たせて固設する。
従って、フィルターユニット１３はセラミックコア４の
排気ガスの入口面Ｇ１をケーシング１の側壁に向け、出
口面Ｇ２を斜め上向きとし、パティキュレートの排出面
Ｐを仕切壁１ａの面に対して傾斜してパティキュレート
の燃焼消去室７と連通するよう対面する。

【００１６】上記傾斜角度を持たせて支持されるフィル
ターユニット１３は図１１で示すように、セラミックコ
ア４の上面４辺に当てられるＳＵＳ編みスプリングによ
る耐熱、耐酸化性の上側クッション材１１ｂと、セラミ
ックコア４の下面４辺に当てられるＳＵＳ編みスプリン
グによる耐熱、耐酸化性の下側クッション材１１ｃと、
この下側クッション材１１ｃ内に置かれたＳＵＳ編みス
プリングによる耐熱、耐酸化性の底敷クッション材１１
ｄと、上側押え枠１０ａと、下側押え枠１０ｂと、前記
上側押え枠１０ａと下側押え枠１０ｂとを結合するテン
ションプレート１２とから構成されている。

【００１７】本発明は上記の通りの構造であるから、ケ
ーシング１内に装填支持されたフィルターユニット１３
は、そのセラミックコア４が上側押え枠１０ａと下側押
え枠１０ｂとの間に介在された耐熱、耐酸化性のクッシ
ョン材１１で浮動支持され、セラミックコア４の耐振性
を有し、破損を防止する。また、上側押え枠１０ａと下
側押え枠１０ｂ間をテンションプレート１２にて結合
し、耐熱、耐酸化性のクッション材１１に締代が付与さ
れているため、ケーシング１等の熱膨脹収縮に対して追
従性があり、ガタを吸収すると共に、シール性を確保す
る。

【００１８】さらに、フィルターユニット１３を傾斜支
持させることにより、ガイドレール９ａによるフィルタ
ーユニット１３の支持面積がパティキュレートの排出を
許容して増大し、セラミックコア４に対する局部的な耐
振破損力を低減すると共に、安定した支持が得られる。

【００１９】また、多数枚のセラミックコア４をユニッ
ト化したことにより、ケーシング１に対する装填並びに
取り出し作業が迅速かつ容易にでき、排気量の変更に際
してはケーシング１とガイドレール９の長さを変更する
ことで対応することが可能となる。

【００２０】

【発明の効果】以上のように本発明は、請求項１の多数
枚の方形のセラミックコアの上下各４辺角に耐熱、耐酸
化性のクッション材を介して上側押え枠と下側押え枠と
をセットし、前記上側押え枠と下側押え枠間をテンショ
ンプレートにて結合したフィルターユニットを構成し、
このフィルターユニットを前記ケーシング内に固設した
ガイドレールに装填支持した構成では、セラミックコア
の浮動支持によりセラミックコアの破損を防止する。

【００２１】請求項２の加熱膨脹シール材を埋設した耐
熱、耐酸化性のクッションプレートを前記フィルターユ
ニットの前後端面に当接してガイドレールに前記加熱膨
脹シール材を耐熱、耐酸化性のクッション材を介して係
合した構成では、フィルターユニットの前後方向の耐振
性が得られ、シール性を向上する。

【００２２】請求項３のフィルターユニットをセラミッ
クコアのパティキュレート排出側をケーシング内のパテ
ィキュレート燃焼消去室に向けた傾斜角度を持たせてケ
ーシング内に装填支持した構成では、ガイドレールによ
るフィルターユニットの支持面積が増大し、セラミック
コアに対する局部的な耐振破損力が低減され、かつ安定
した支持が得られる。

【００２３】また、多数枚のセラミックコアを枠組みに
よりフィルターユニット化したことによりケーシングに
対する装填並びに取り出し作業が迅速かつ容易にでき、
排気量の変更に際する対応を可能とする等の利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明におけるけるフィルターユニットの分解
的斜視図

【図２】本発明におけるけるフィルターユニットの斜視
図

【図３】フィルターユニットをケーシング内に装填支持
した状態の破断斜視図

【図４】フィルターユニットをケーシング内に装填支持
した状態の破断斜視図

【図５】クッションプレートの斜視図

【図６】図５のＡ−Ａ線断面図

【図７】図５のＢ−Ｂ線断面図

【図８】フィルターユニットをケーシング内に傾斜角度
で装填支持した状態の断面図

【図９】図８の他の実施例を示す断面図

【図１０】図８の斜視図

【図１１】図８及び図９におけるフィルターユニットの
分解斜視図

【図１２】従来のパティキュレートフィルターの縦断側
面図

【図１３】従来のパティキュレートフィルターの一部断
面平面図

【図１４】従来の不具合の説明図

【符号の説明】

１ ケーシング ４ セラミックコア ７ パティキュレート燃焼消去室 ９，９ａ ガイドレール １０ａ 上側押え枠 １０ｂ 下側押え枠 １１ クッション材 １２ テンションプレート １３ フィルターユニット １４ クッションプレート １５ 加熱膨脹シール材

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内燃機関の排気系路に設置されたケーシ
   ング内に装填される黒煙除去用のセラミックよりなるパ
   ティキュレートフィルターにおいて、多数枚の方形のセ
   ラミックコアの上下各４辺角に耐熱、耐酸化性のクッシ
   ョン材を介して上側押え枠と下側押え枠とをセットし、
   前記上側押え枠と下側押え枠間をテンションプレートに
   て結合したフィルターユニットを構成し、このフィルタ
   ーユニットを前記ケーシング内に固設したガイドレール
   に装填支持したことを特徴とするパティキュレートフィ
   ルター。
2. 【請求項２】 内燃機関の排気系路に設置されたケーシ
   ング内に装填される黒煙除去用のセラミックよりなるパ
   ティキュレートフィルターにおいて、多数枚の方形のセ
   ラミックコアの上下各４辺角に耐熱、耐酸化性のクッシ
   ョン材を介して上側押え枠と下側押え枠とをセットし、
   前記上側押え枠と下側押え枠間をテンションプレートに
   て結合したフィルターユニットを構成し、前記ケーシン
   グ内に固設したガイドレールに装填支持すると共に、前
   記ガイドレールに係合する加熱膨脹シール材を埋設した
   耐熱、耐酸化性のクッションプレートを前記フィルター
   ユニットの前後端面に当接してガイドレールに前記加熱
   膨脹シール材を耐熱、耐酸化性のクッション材を介して
   係合したことを特徴とするパティキュレートフィルタ
   ー。
3. 【請求項３】 前記フィルターユニットをセラミックコ
   アのパティキュレート排出側をケーシング内のパティキ
   ュレート燃焼消去室に向けた傾斜角度を持たせてケーシ
   ング内に装填支持した請求項１及び請求項２記載のパテ
   ィキュレートフィルター。