JP2684032B2 - 車載用音響装置 - Google Patents

車載用音響装置

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JP2684032B2
JP2684032B2 JP10787085A JP10787085A JP2684032B2 JP 2684032 B2 JP2684032 B2 JP 2684032B2 JP 10787085 A JP10787085 A JP 10787085A JP 10787085 A JP10787085 A JP 10787085A JP 2684032 B2 JP2684032 B2 JP 2684032B2
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R3/00Circuits for transducers, loudspeakers or microphones
    • H04R3/04Circuits for transducers, loudspeakers or microphones for correcting frequency response

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、車載用音響装置に関し、特にスピーカによ
る直接波とその反射波とが作る車室音場内における音響
特性の補正機能を備えた車載用音響装置に関するもので
ある。 背景技術 車室内の音響特性は、音場がガラスやトウボードのよ
うな反射性の面とシート等の吸音性の面とで囲まれてい
ることや音場空間の狭さなどのため、特有なバターンを
持っている。しかも、前座席は車室内のほぼ中央、後座
席は車室内の後部にあり、音響的条件が異なっているた
め両座席に到達する反射波の経路や時間的密度、直接波
と反射波間あるいは反射波同士間での行程差の違いに基
づく到達時間がそれぞれ異なり、そのため両座席におい
ては音圧周波数特性や音波の位相特性などの音響特性が
大幅に異なつている。第1図(A),(B)に音圧周波
数特性の一例が示されており、(A)は前方音源(スピ
ーカ)がフロントドアの左右に設置された場合の前座席
における音圧周波数特性を、(B)は後方音源がパーセ
ルトレイ上に設置された場合の後座席における音圧周波
数特性をそれぞれ示している。従って、いかに無響室で
良好な特性を有するスピーカユニットを車室内に設置し
ても、車室内ではフラットな周波数特性を得ることは不
可能であるので、従来は、車載用音響装置の再生系に挿
入された周波数特性可変手段により周波数特性の乱れを
補正するようになされていた。 車載用音響装置における再生系の構成の一例を第2図
に示す。2において、チューナ、カセットデッキ、CDプ
レーヤ等の信号源1からのオーディオ信号はアンプ2に
て増幅されて周波数特性アンプ3へ供給される。このア
ンプ3の出力はスピーカ駆動アンプ4により電力増幅さ
れた後、スピーカ駆動信号としてスピーカ5に供給され
る。 かかる構成において、信号源1からのオーディオ信号
はアンプ2にて正規の周波数特性を有する信号とされて
増幅され、次段のグラフィックイコライザやバス・トレ
ブルトーンコントロール等の周波数特性可変アンプ3に
より、所望の再生周波数特性に調整されてスピーカ駆動
信号となるのである。 この音響システムにおいて、スピーカ5より放射され
た音波が第3図に示す音場内の所定聴取点6に達する経
路としては、一例として、実線7で示すような直接波と
点線8で示すような車室内壁等による反射波とによる経
路がある。この場合、聴取点6では直接波と反射波とに
よる相互干渉によってある周波数にピークやディップが
生じて聴取点6での周波数特性に乱れが生ずることにな
る。周波数特性可変アンプ3はこの周波数特性の乱れを
補正するためのものである。 ここで、周波数特性に上記ピークやディップが生ずる
原理につき以下に簡単に説明する。 第3図において、直接波の経路7の聴取点6までの距
離をl1、その反射波の経路8の聴取点6までの距離をl2
とし、音速をcとすると、聴取点6での音波SMは直接波
SSと反射波SRの和で表わされ次式となる。 SM=SS+SR =(A/l1)ejω(t−l1/C) +(KA/l2)ejω(t−l2/C) ……(1) ここに、Kは内壁等の反射率、Aはスピーカの振動面
での信号強度である。反射波SRについては、ほとんどの
場合固定端反射であると考えられるから、壁面の音響イ
ンピーダンスは空気のそれよりも大であり同相にて反射
が生ずるとみなして良い(もっとも自由端反射の場合に
は音響インピーダンスは小となり、SM=SS−SRとな
る)。 ここに、(1)式を変形すると次式が得られる。 SM=(A/l1){ejω(t−l1/C) +Bejω(t−l2/C) ……(2) 但し、B=Kl1/l2とする。いま、説明を簡単化するた
めにB=1とすると、ピークが生ずる周波数は、 f=nc/(l1−l2) ……(3) となり、ディップが生ずる周波数は、 f=(n+1/2)c/(l1−l2) ……(4) となる。nは整数である。これら(3),(4)式の結
果を示したものが第4図であるが、実際にはB≠1であ
るのでディップ周波数における音圧は零になり得ない
し、またピーク周波数においてもSM=2A/l1になり得な
い。尚、図中の点線は自由端反射の場合を参考までに示
している。 以上のことから、反射波の干渉による周波数特性の乱
れは両者波の到達距離差に起因することが分る。よっ
て、装置の設置状態や聴取位置が変ると、ピークやディ
ップの周波数が変化することになる。従って、グラフィ
ックイコライザによりそれを補正しようとする場合には
多数の回路が必要となり、コスト高となると共に、その
調整が非常に困難になる。更に、バス・トレブルトーン
コントロール機能のみを有する装置ではピーク、デイッ
プの補正をなすことは不可能である。 また、車室内では、内装材等による吸音やスピーカ取
付位置により聴取点での高域特性が低下することにな
る。これは、高域になるにしたがつて車室内の減衰率、
吸音率が増すためである。 また更に、車載用音響装置では、前座席及び後座席の
乗員が1人のときには、例えばボーカル等では音像が広
がりすぎて、中域と高域で音像のできる位置が変るた
め、不自然な定位感となってしまうことになる。 以上のように、車室内の音響特性は、聴取位置(着座
位置)や内装材等によって種々変化し、又乗車人数によ
つて音像のできる位置が変化するので、聴取音が必ずし
も良好なものとは言えなかった。 発明の概要 本発明は、上述した点に鑑みなされたもので、車種の
変更や聴取位置等に拘わらず常に良好な音響特性を得る
ことが可能な車載用音響装置を提供することを目的とす
る。 本発明による車載用音響装置は、自動車の前座席及び
後座席の少なくとも1つに対応するドアの下部に設置さ
れた左右一対のスピーカと、前記スピーカが設置された
前記ドアに対応する座席における乗員の着座位置情報が
入力される入力手段と、前記入手手段からの出力情報に
基づいて前記乗員による車室内音響特性の変化を補正す
る補正装置とを備え、前記補正装置は、前記乗員が1人
のときは前記スピーカのうち前記乗員に近接するスピー
カの高域の音圧レベルを上げ、前記乗員が複数の時は前
記スピーカの各々の高域の音圧レベルを上げる補正をな
すことを特徴としている。 なお、本発明に類似するものとして、車室内の他の位
置にスピーカを設置した場合の車室内の音場補正の手段
が考えられる。 例えば、自動車のフロントドア上部にスピーカを設置
する場合には、自動車のフロントドア上部に左右一対の
スピーカを設置し、前記自動車の前座席における乗員の
着座位置情報が入力される入力手段と、前記入力手段か
らの出力情報に基づいて前記乗員による車室内音響特性
の変化を補正する補正装置とを備え、前記補正装置は、
前記乗員が1人のときは前記スピーカのうち前記乗員に
近接するスピーカの高域の音圧レベルを上げ、中低域の
音圧レベルを下げ、前記乗員が複数のときは、前記スピ
ーカの各々の高域の音圧レベルを上げる補正をする。 更に、例として、自動車のリアドア上部にスピーカを
設置する場合には、自動車のリアドア上部に左右一対の
スピーカを設置し、前記自動車の後座席における乗員の
着座位置情報が入力される入力手段と、前記入力手段か
らの出力情報に基づいて前記乗員による車室内音響特性
の変化を補正する補正装置とを備え、前記補正装置は、
前記乗員が1人のときは前記スピーカのうち前記乗員に
近接するスピーカの高域の音圧レベルを上げ、中低域の
音圧レベルを下げ、前記乗員が複数のときは、前記スピ
ーカの各々の高域の音圧レベルを上げる補正をする。 更に、他の例として、自動車のダッシュボードにスピ
ーカを設置する場合には、自動車のダッシュボードに左
右一対のスピーカを設置し、前記自動車の前座席におけ
る乗員の着座位置情報が入力される入力手段と、前記入
力手段からの出力情報に基づいて前記乗員による車室内
音響特性の変化を補正する補正装置とを備え、前記補正
装置は、前記乗員が1人のときは前記スピーカのうち前
記乗員に近接するスピーカの中低域及び中域の一方の音
圧レベルを下げ、前記乗員が複数のときは、前記スピー
カの各々の音圧レベルを同一にする補正をする。 又、更に、他の例として、自動車のリアパーセルトレ
イにスピーカを設置する場合には、自動車のリアパーセ
ルトレイに左右一対のスピーカを設置し、前記自動車の
後座席における乗員の着座位置情報が入力される入力手
段と、前記入力手段の出力情報に基づいて前記乗員によ
る車室内音響特性の変化を補正する補正装置とを備え、
前記補正装置は、前記乗員が1人のときは記スピーカの
うち前記乗員に近接するスピーカの音圧レベルを下げ、
前記乗員が複数のときは前記スピーカの各々の音圧レベ
ルを同一にする補正をする。 実 施 例 以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。 本発明による車載用音響装置は、前座席及び後座席の
少なくとも一つに対応した左右のドアの下部に、一対の
スピーカが配置されてなるものである。 ここで、一般に、中高音域再生を担う10cmφ口径程度
のスピーカユニットでは、高域での指向性が強く、正面
軸上10゜〜30゜の範囲の周波数特性と30゜〜90゜の範囲
の周波数特性の差が大きい。更に、そのスピーカのエネ
ルギーレスポンス(すなわち放射する空間の全ての角度
への総エネルギー)は30゜〜90゜での周波数特性に近似
する。これは全ての放射方向角度に対して正面軸上±30
゜での角度範囲が十分小さいことによる。このため、音
泊の平均行路長が短くかつ壁面の吸音率が比較的小さい
ような室内においては、スピーカの中心軸上から約±30
゜の角度範囲を除けば聴取点位置が変化することによる
高域の周波数特性差は比較的少ないといえる。従つて、
スピーカを所定聴取点(座席に着座した乗員の耳の位
置)に対してその中心軸が約30゜〜90゜の角度範囲で傾
斜するように取り付けることにより、一般の車室内の寸
法で平均吸音率が0.2〜0.3程度であれば、車室内音場を
2KHz以上で拡散音場に近づけることができ、聴取点位置
の変化に拘わらず、すなわち車室内の音場のどの位置に
おいても高域の周波数特性を一定にできる。この周波数
特性は車室内の吸音率が周波数に関係なく一定であれ
ば、スピーカのエネルギーレスポンスにほぼ等しい特性
であり、スピーカの前段の駆動アンプの周波数特性の調
整によってそれを補正することができる。この補正に関
しては以下に説明する。 第5図において、信号源からのオーディオ信号は第1
の高域補正回路10および走行マスキング補正回路11を介
して前座席用スピーカの補正回路12、後座席用スピーカ
の補正回路13および低域スピーカ用ローパスフィルタ14
に供給される。第1の高域補正回路10は周波数特性の高
域においてスピーカ固有のエネルギーレスポンス(第7
図参照)の低下分および中低域に比して高域になるほど
吸音率が高くなる傾向にある車室内の平均的吸音率にお
けるエネルギーレスポンスの低下分の補正をなすブース
ト回路であり、例えば第6図に示すように、差動増幅器
10A、抵抗R1〜R4及びコンデンサC1からなる回路構成と
なつている。その補正周波数特性は、第8図に示すよう
に上記レスポンス低下による周波数特性と逆特性となる
ように予め設定され、固定となつている。第8図におい
て、(A)はスピーカ固有のエネルギーレスポンスの低
下補償分、(B)は車室内の平均的吸音率におけるエネ
ルギーレスポンスの低下補償分である。走行マスキング
補正回路11は車両の走行騒音によるマスキング現象によ
って変化する聴感上の周波数特性の補正をなすものであ
る。 前座席用の補正回路12と後座席用の補正回路13とは、
基本的に同じ構成であるので、以下、主として前座席用
の補正回路12について説明する。尚、両補正回路12,13
は共に、左右一対のスピーカに対応した対称な2つの信
号系を有しており、この信号系に関しても一方について
のみ説明する。 補正回路12は第2の高域補正回路15L(Lは左チャン
ネルを表わす)および乗員数対応補正回路16LDを有して
いる。第2は高域補正回路15Lは、車室内の吸音率が吸
音材等の違いにより車種毎に異なることによって変化す
る高域特性の補正をなすブースト回路(いわゆるトーン
コントロール回路)であり、例えば第9図に示すよう
に、差動増幅器15A、抵抗R5、コンデンサC2及び可変抵
抗VRからなる回路構成となっており、車種毎の特性変化
に対応できるように可変抵抗VRによってその補正特性が
可変となつている。この第2の高域補正回路15Lと先述
した第1の高域補正回路10とにより、スピーカの高域側
パワースベクトラムの低下が始まる周波数より高い周波
数域で当該パワースペクトラムの補正をなし、この両者
の協働によって車室内の周波数特性がほぼ全域に亘つて
フラットな特性となるように補正されるのである。乗員
数対応補正回路16Lによる乗員補正に関しては後で詳細
に説明する。 乗員数対応補正回路16Lの出力信号はピーク・ディツ
プ補正回路17Lに供給されて、車室内でスピーカによる
直接波とその反射波との干渉により発生する周波数特性
のうねりが補正される。ピーク・ディップ補正回路17L
において、その入力信号を原信号とした場合、原信号は
ピークおよびディップが発生する帯域のバンドパスフイ
ルタ18Lを経て遅延回路19Lにおいてピークおよびディッ
プ周波数になるように信号遅延され、更にレベル調整回
路20Lにてピークおよびディップのレベルを補正できる
ようにレベル調整される。レベル調整された信号は位相
反転器21Lにより位相反転され、加算器22Lにて原信号と
加算され、可変利得器23Lおよびパーワアンプ24Lを介し
てL(左)チャンネルのスピーカ駆動信号となるのであ
る。 次に、乗員数の変化に応じてスピーカの出力特性の補
正をなす乗員数対応補正回路16L,16Rに関し、スピーカ
の配設位置及び乗員人数に応じた各場合毎に説明する。 まず、前座席用の左右一対のスピーカが第10図に示す
ようにフロントドアの下部に設置されている場合につい
て説明する。このスピーカの配設位置において、乗員が
単独(例えば運転者のみ)の場合、乗員に近い側のスピ
ーカの放射音が乗員の足によって遮られることになり、
高域において減衰、吸収を受けることになる。また、第
11図に示すように、乗員に近い方(右側フロントドア43
R)のスピーカの中心と聴取点(乗員の耳)とを結ぶ線
のスピーカ中心線Oに対する角度θは、反対側のドア
(左側フロントドア43L)のスピー力における角度θ
に比してかなり大きい。その結果、スピーカの指向特性
(第7図参照)上、高域では相対的に反対側のドアのス
ピーカの音圧レベルが高くなり、音像がその方向に偏る
傾向となり、音像定位がずれることになる。 一方、中域(200Hz〜IKHz)では指向性がブロードで
あるため、θ1の角度には左右されず、スピーカと
聴取点との距離に影響される。従つて、近い方のスピー
カと聴取点との距離l1は遠い側のスピーカと聴取点との
距離l2と比べて小さく、よつて近い側のスピーカの中域
の音圧レベルが高くなる。しかし、近い側のスピーカの
放射音は乗員の足によつて遮られるため、スピーカの中
域の音圧レベルが落ち、遠い側のスピーカの音圧レベル
とバランスするため、中域では音像はほぼ中央となる。
低域(200Hz以下)では、人は音の方向感がほとんどな
くなるため、音像定位には影響しなくなる。また、低域
では、音の波長と比べて車室内が小さいため、音が進行
波として存在しなくなり、単なる圧力変化となる。従つ
て、乗員位置による音圧感がなくなる(国産車では、一
般的に、前後方向で70Hz以下、左右方向では120Hz以下
で音圧差がなくなる)。 以上から明らかなように、スピーカがフロントドアの
下部に設置されかつ乗員が単独の場合には、第12図に示
すように、高域において乗員に近い方のスピーカ(a)
の音圧レベルが遠い方のスピーカ(b)のそれよりも2
〜4dB程度低くなる。そして、この場合の音像は、高域
では乗員から遠い側に、申低域では中央に定位し、不自
然な音像定位となる。 この音像定位を正常にするため、聴取点に近い方(右
側フロントドア43R)のスピーカに対応した乗員数対応
補正回路16Rは、入力手段30から出力される乗員の着座
情報に応じて当該スピーカの高域の出力レベルを上昇さ
せる補正を行なう。これにより、聴取点での聴取レベル
がどの帯域でも左右略同一となり、聴取点に対して左右
偏ったスピーカ配置にも拘らず良好なステレオ音響特性
が得られることになる。 乗員が増えて複数になった場合には、増えた乗員に近
い側のスピーカに対しても高域の音圧レベルを上昇さ
せ、乗員の足によつて遮られることにより吸収減衰され
た高域の音圧レベルを補正し、左右の音圧レベルを略同
一にすれば良い。尚、当初から乗員が複数の場合には、
双方のスピーカに対して高域の音圧レベルを上げる補正
を行なえば良いのである。 スピーカがフロントドアの下部に設置された場合の乗
員数対応補正回路16L(16R)は、例えば第13図に示すよ
うに差動増幅器16A,抵抗R7,R8,コンデンサC3,トランジ
スタQ1および座席に対応したスイッチS1によつて構成さ
れており、スイッチS1がオンしたときに、トランジスタ
Q1がオンとなって周波数符性の補正が行われるのであ
る。入力手段30からはスイッチS1をオン/オフ制御する
ための信号が供給される。入力手段30に関しては後述す
る。 尚、前座席側において、第9図で説明した第2の高域
補正回路15L(15R)と第13図で説明した乗員数対応補正
回路16L(16R)とを別々の回路構成としたが、第14図に
示すように、1つの差動増幅器15A(又は16A)を兼用し
て一体の回路構成とすることにより、部品削減に伴なう
低コスト化、回路構成の簡素化が可能とる。 次に、後座席用の左右一対のスピーカが第15図に示す
ようにリアドアの下部に設置されている場合について説
明する。このスピーカの配設位置において、乗員が単独
の場合、乗員に近い側のスピーカの放射音が乗員の足に
よつて遮られることになり、減衰、吸収を受けることに
なる。又、第16図に示すように乗員に近い方(右側リア
ドア44R)のスピーカの中心と聴取点(乗員の耳)とを
結ぶ線のスピーカ中心線Oに対する角度θは、反対側
のドア(左側リアドア44L)スピーカにおける角度θ
に比してかなり大きい。その結果、スピーカの指向特性
(第7図参照)上、高域では相対的に反対側のドアのス
ピーカの音圧レベルが高くなり、音像がその方向に偏る
傾向となり、音像定位がずれることになる。 一方、中域(200Hz〜IKHz)では指向性がブロードで
あるため、θ1の角度には左右されず、スピーカと
聴取点との距離に影響される。従って、近い方のスピー
カと聴取点との距離l1は遠い側のスピーカと聴取点との
距離l2と比べて小さく、よって近い側のスピーカの中域
の音圧レベルが高くなる。しかし、近い側のスピーカの
放射音は乗員の足によつて遮られるため、スピーカの中
域の音圧レベルが落ち、遠い側のスピーカの音圧レベル
とバランスするため、中域では音像はほぼ中央となる。 低域(200Hz以下)では、人は音の方向感がほとんど
なくなるため、音像定位には影響しなくなる。また、低
域では、音の波長と比べて車室内が小さいため、音が進
行波として存在しなくなり、単なる圧力変化となる。従
って、乗員位置による音圧差がなくなる。 以上から明らかなように、スピーカがリアドアの下部
に設置されかつ乗員が単独の場合には、先述したスピー
カがフロントドアの下部に設置されかつ乗員が単独の場
合と同様に、音像は骨域では乗員から遠い側に、中低域
では中央に定位し、不自然な音像定位となる。 この音像定位を正常にするためには、スピーカがフロ
ントドアの下部に設置されかつ乗員が単独の場合と同様
に、聴取点に近い方のスピーカの高域の出力レベルを上
昇させる補正を行なう。これにより、聴取点での聴取レ
ベルがどの帯域でも左右略同一となり、聴取点に対して
左右偏ったスピーカ配置にも拘らず良好なステレオ音響
特性が得られることになる。 乗員が増えて複数になつた場合にも、スピーカがフロ
ントドアの下部に設置されかつ乗員が複数の場合と同様
の補正を行なえば良いのである。 また、スピーカがリアドアの下部に設置された場合に
おける乗員数対応補正回路に関しても、第13図に示され
た前座席のものと同様の回路構成で良い。 次に、入力手段30について説明する。入力手段30は前
座席および後座席の各々における乗員数を入力するため
のものであり、例えば、各座席に対応して複数のスイッ
チを操作部に配列し、これらスイッチを手動にて操作す
ることにより着座状況を入力する構成であつても良く、
また各座席にそれぞれ乗員が着座することによつて作動
するスイッチを設け、着座状況を自動的に入力する構成
であつても良い。 入力手段30による入力情報すなわち各座席の着座状況
は、各座席に対応して設けられた発光ダイオード等の複
数の表示素子からなる表示手段31にて表示される。表示
手段31における各表示素子は乗員配置が一目でわかるよ
うに、例えば座席の配置と同様の配置となっている。表
示手段31は、例えば、色相変化、点滅もしくは輝度変化
にて着座状況の表示を行なう。 次に本発明に類似する例として、車室内の他の位置に
スピーカを設置した場合の音場補正について説明する。 まず、前座席用の左右一対のスピーカが第17図に示す
ようにフロントドアの上部に設置されている場合につい
て説明する。このスピーカの配設位置において、乗員が
単独(例えば運転者のみ)の場合、乗員に近い側のスピ
ーカの放射音が乗員の足によつて遮られることはない。
しかし、人は高域の周波数に対し高い吸音率を持ってい
るため、乗員に近い側のスピーカの高域の音圧レベルが
落ちることになる。また、第18図に示すように、乗員に
近い方(右側フロントドア43R)のスピーカの中心と聴
取点(乗員の耳)とを結ぶ線のスピーカ中心線Oに対す
る角度θは、反対側のドア(左側フロントドア43L)
のスピーカにおける角度θに比してかなり大きい。そ
の結果、スピーカの指向特性(第7図参照)上、相対的
に反対側のドアのスピーカの音圧レベルが高くなり、音
像がその方向に偏る傾向となり、音像定位がずれること
になる。 一方、中域(200Hz〜IKHz)では指向性がブロードで
あるため、θ3の角度によらず、スピーカと聴取点
との距離によってスピーカの音圧が決まる。従って、近
い側のスピーカの中域の音圧レベルが遠い側の中域の音
圧レベルに比べて高くなるため、音像は近い側のスピー
カに偏る。 低域(200Hz以下)では、人は音の方向感がほとんど
なくなるため、音像定位に対する影響は少ない。また、
低域では、音の波長と比べて車室内が小さいため、音が
進行波として存在しなくなり、単なる圧力変化となる。
従って、乗員位置による音圧差がなくなる。 よって、スピーカがフロントドアの上部に設置されか
つ乗員が単独の場合、第19図に示すように、高域におい
て乗員に近い方のスピーカ(a)の音圧レベルが遠い方
のスピーカ(b)のそれよりも1〜2dB程度低くなり、
中域において近い方のスピーカ(a)の音圧レベルが遠
い方のスピーカ(b)のそれよりも1〜2dB程度高くな
る。そして、この場合の音像は、高域では乗員から遠い
側に、中域では近い側に定位し、不自然な音像定位とな
る。 この音像定位を正常にするため、聴取点に近い方(右
側フロントドア43R)のスピーカに対応した乗員数対応
補正回路16Rは、入力手段30から出力される乗員の着座
情報に応じて当該スピーカの高域の出力レベルを上昇さ
せると共に中低域の出力レベルを下降させる補正を行な
う。これにより、聴取点での聴取レベルがどの帯域でも
左右略同一となり、聴取点に対して左右偏ったスピーカ
配置にも拘らず良好なステレオ音響特性が得られること
になる。 また、前述したように、低域では、音像定位に対する
影響が少ないため、少しでも低域エネルギーを得ようと
するなら、近い方のスピーカの低域の音圧レベルはその
まま出力し、中域の音圧レベルのみ降下させ、且つ高域
の音圧レベルを上昇させる補正を行なつても良く、上記
実施例と同様の効果が得られ、しかも低域エネルギーは
大きくなる。 乗員が増えて複数になつた場合、増えた乗員に近い側
のスピーカに対しても高域の音圧レベルを上昇させ、乗
員によつて吸収減衰された高域の音圧レベルを補正し、
最初の乗員に近い側のスピーカの中低域又は中域の音圧
レベルを戻し、左右のスピーカの音圧レベルを略同一に
すれば良い。尚、当初から乗員が複数の場合には、双方
のスピーカに対して高域の音圧レベルを上げる補正を行
なえば良いのである。 スピーカがフロントドアの上部に設置された場合にお
ける乗員数対応補正回路16L(16R)及び可変利得器23L
(23R)の回路例を第20図に示す。本図において、乗員
数対応補正回路16L(16R)は、作動増幅器16A,抵抗R5,R
7〜R9,コンデンサC2,C3,トランジスタQ1および座席に対
応したスイッチS1によって構成されており、また可変利
得器23L(23R)は、抵抗R10〜R12,コンデンサC4,トラン
ジスタQ2および座席に対応したスイッチS2によって構成
されており、スイッチS1およびS2がオンのとき、トラン
ジスタQ1がオンとなり、高域上昇特性となる。また同時
に、トランジスタQ2もオンとなり、高域下降特性とな
る。これらの合成特性としては、高域上昇、中域下降特
性となる。 乗員が複数の場合には、スイッチS1がオン、スイッチ
S2がオフとなり、トランジスタQ1がオンとなって高域上
昇となり、トランジスタQ2はオフとなつてフラットとな
り、合成特性としては、高域上昇特性となる。入力手段
30からはスイッチS1,S2をオン/オフ制御するための信
号が供給される。 次に、後座席用の左右一対のスピーカが第21図に示す
ようにリアドアの上部に設置されている場合について説
明する。 このスピーカの配設位置において、乗員が単独の場
合、乗員に近い側のスピーカの放射音が乗員の足によっ
て遮られることはない。しかし、人は高域の周波数に対
し高い吸音率を持っているため、乗員に近い側のスピー
カの高域の音圧レベルが落ちることになる。また、第22
図に示すように、乗員に近い方(右側リアドア44R)の
スピーカの中心と聴取点(乗員の耳)とを結ぶ線のスピ
ーカ中心線Oに対する角度θは、反対側のドア(左側
リアドア44L)のスピーカにおける角度θに比してか
なり大きい。その結果、スピーカの指向特性(第7図参
照)上、高域では相対的に反対側のドアのスピーカの音
圧レベルが高くなり、音像がその方向に偏る傾向とな
り、音像定位がずれることになる。 一方、中域(200Hz〜IKHz)では指向性がブードであ
るため、θ3の角度によらず、スピーカと聴取点と
の距離によつてスピーカの音圧が決まる。従って、近い
側のスピーカの中域の音圧レベルが遠い側の中域の音圧
レベルに比べて高くなるため、音像は近い側のスピーカ
に偏る。 低域(200Hz以下)では、人は音の方向感がほとんど
なくなるため、音像定位に対する影響は少ない。また、
低域では、音の波長と比べて車室内が小さいため、音が
進行波として存在しなくなり、単なる圧力変化となる。
従って、乗員位置による音圧差がなくなる。 よって、スピーカがリアドアの上部に設置されかつ乗
員が単独の場合にも、先述したスピーカがフロントドア
の上部に設置されかつ乗員が単独の場合と同様に、音像
は高域では乗員から遠い側に、中域では近い側に定位
し、不自然な音像定位となる。 この音像定位を正常にするためには、スピーカがフロ
ントドアの上部に設置されかつ乗員が単独の場合と同様
に、聴取点に近い方のスピーカの高域の出力レベルを上
昇させると共に中低域の出力レベルを下降させる補正を
行なう。これにより、聴取点の聴取レベルがどの帯域で
も左右略同一となり、聴取点に対して左右偏つたスピー
カ配置にも拘らず良好なステレオ音響特性が得られるこ
とになる。 また、前述したように、低域では、音像定位に対する
影響きが少ないため、少しでも低域エネルギーを得よう
とするなら、近い方のスピーカの低域の音圧レベルはそ
のまま出力し、中域の音圧レベルのみ降下させかつ高域
の音圧レベルを上昇させる補正を行なっても良く、上記
実施例と同様の効果が得られ、しかも低域エネルギーは
大きくなる。 乗員が増えて複数になつた場合にも、スピーカがフロ
ントドアの上部に設置されかつ乗員が複数の場合と同様
の補正を行なえば良いのである。 また、スピーカがリアドアの上部に設置された場合に
おける乗員数対応補正回路に関しても、第20図に示され
た前座席のものと同様の回路構成で良い。 次に、前座席用の左右一対のスピーカが第23図に示す
ようにダツシュボードに設置されている場合について説
明する。 このスピーカの配設位置において、乗員が単独(例え
ば運転者のみ)の場合、人は高域の周波数に対し高い吸
音率を持っているため、乗員に近い側のスピーカの高域
の音圧レベルが落ちることになる。また、第24図に示す
ように、乗員に近い方のスピーカの中心と聴取点(乗員
の耳)とを結ぶ線のスピーカ中心線Oに対する角度θ
と、反対側のスピーカにおける角度θとは、ほぼ同じ
であるので、スピーカの高域の音圧レベルは左右のスピ
ーカと聴取点との距離で決まることになる。従って、乗
員に近い側のスピーカの高域の音圧レベルは反対側の高
域の音圧レベルと比べ大きくなるが、前述したように近
い側のスピーカの高域の音圧レベルが乗員の影響により
落ちるため、高域の音圧レベルについては左右略同一と
なり、音像はほぼ乗員の中央となる。一方、中域では乗
員による影響が小さく、指向性もブロードであるため、
スピーカの音圧レベルはスピーカと聴取点との距離によ
って決まる。第24図において、スピーカと聴取点との距
離l1,l2は、l1<l2の関係にあるので、近い側のスピー
カの中域の音圧レベルが遠い側の中域の音圧レベルに比
べて高くなるため、音像は近い側のスピーカに偏ってし
まう。低域では、前述したように、音像定位に対する影
響は少ない。 よつて、スピーカがダツシュボードに設置されかつ乗
員が単独の場合、第25図に示すように、中域において乗
員に近い方のスピーカ(a)の音圧レベルが遠い方のス
ピーカ(b)のそれよりも1〜3dB程度高くなる。そし
て、この場合の音像は、高域では中央に、中域では乗員
に誓い側のスピーカに偏って定位するため、不自然な音
像定位となる。 この音像定位を正常にするため、聴取点に近い方のス
ピーカに対応した乗員数対応補正回路16Rは、入力手段3
0から出力される乗員の着座情報に応じて当該スピーカ
の中低域の音圧レベルを下降させる補正を行なう。これ
により、聴取点での聴取レベルがどの帯域でも左右略同
一となり、聴取点に対して左右偏ったスピーカ配置にも
拘らず良好なステレオ音響特性が得られることになる。 また、前述したように、低域では、音像定位に対する
影響が少ないため、少しでも低域エネルギーを得ようと
するなら、近い方のスピーカの低域の音圧レベルはその
まま出力し、低域の音圧レベルのみ降下させる補正を行
なつても良く、上記実施例と同様の効果が得られ、しか
も低域エネルギーは大きくなる。 乗員が増えて複数になった場合、最初の乗員に近い側
のスピーカの中低域又は中域の音圧レベルを元に戻し、
左右のスピーカの音圧レベルを略同一にすれば良い。 スピーカがダッシュボードに設置された場合における
乗員数対応補正回路16L(16R)及び可変利得器23L(23
R)の回路例を第26図に示す。本図において、乗員数対
応補正回路16L(16R)は、作動増幅器16A,抵抗R5,R7〜R
9,コンデンサC2,C3,およびトランジスタQ1によつて構成
されており、また可変利得器23U(23R)は、抵抗R10〜R
12、コンデンサC4およびトランジスタQ2によつて構成さ
れており、トランジスタQ1,Q2の各ベースが抵抗R9,R12
を介して座席(L,R)に対応して設けられたスイッチSL
(SR)のオン接点に共通接続されている。スイツチS
L(SR)のオフ接点は抵抗R13および発光ダイオードDを
介して接地されている。 かかる構成において、非乗車時、スイッチSL,SRが共
にオフ状態にあるので、トランジスタQ1がオンになり、
高域上昇特性となる。また、トランジスタQ2もオンとな
り、高域下降特性となるので、この2つの特性を合成す
ることにより、Lch側、Rch側共に中域下降特性となる。 Rch側単独乗車時には、Rch側スイッチSRをオンにする
と、Lch側のトランジスタQ1,Q2が共にオフとなるため、
Lch側、の合成特性はフラツトとなり、一方Lch側のスイ
ッチSLはオフなので、Rch側のトランジスタQ1,Q2が共に
オンとなっており、Rch側の合成特性は中域下降特性と
なる。 両側乗車時には、スイッチSL、SRが共にオンとなるた
め、Lch側,Rch側共に合成特性がフラットとなる。 続いて,後座席用の左右一対のスピーカSPが第27図に
示すようにパーセルトレイ40上に設置されている場合に
ついて説明する。 このスピーカの配設位置において乗員が単独の場合、
聴取点に対するスピーカの位置は前座席の場合に比較し
てかなり近くかつスピーカと聴取点との間には障害物が
少ないため、相対的に全帯域とも聴取点に近い方のスピ
ーカの出力音圧レベルが高くなり、音像が近いスピーカ
に偏ってしまう。 従つて、前座席の場合と逆に、可変利得器25L又は25R
によって聴取点に近い方のスピーカの出力レベルを下げ
てやることにより、音像定位が正常となつて良好なステ
レオ音響特性が得られることになる。 可変利得器25L(25R)は、例えば第28図に示すよう
に、差動増幅器25A,トランジスタQ3,Q4,抵抗R14〜R17
よび座席に対応した例えば2つのスイッチS3,S4によっ
て構成されている。かかる構成において、本回路がLチ
ャンネル側の可変利得器25LであってかつスイッチS3
左座席に、スイツチS4が右座席にそれぞれ対応している
ものとすると、左座席のみに乗員が着座した場合には、
入力手段30からの着座情報に応じてスイッチS3がオンと
なることによりトランジスタQ4がオンおよびQ3がオフと
なるので、Lチャンネル側のスピーカのみの出力レベル
が低減されることになる。 また、右座席にも乗員が着座した場合には、スイッチ
S4もオンとなるので、トランジスタQ4がオフおよびQ3
オンとなってLチャンネル側のスピーカの出力レベルが
元に戻され、左右のスピーカの音圧レベルが略同一とな
る。本願発明者の測定によれば、2〜5dBの範囲内でレ
ベルを下げてやることによって良好な結果を得ている。 尚、後座席の乗員が1人の場合には、上述の如く、近
い方のスピーカの出力レベルを下げても良いが、聴取点
からの遠い方のスピーカの出力レベルを上げてやること
により、左右のスピーカの音圧レベルを略同一にしてや
っても良い。また、乗員が後座席のほぼ中央に着座した
場合には、音響的左右バランスがとれているので、補正
を行なう必要はない。 また、第28図で説明した可変利得器25L(25R)を単独
の回路構成としたが、第29図に示すように、1つの差動
増幅器15A(又は25A)を兼用して第2の高域補正回路と
一体の回路構成とすることにより、部品削減に伴なう低
コスト化、回路構成の簡素化が可能となる。 また更に、第30図に示すように、例えば1つのステレ
オアンプで4つのスピーカを駆動する如き構成の車載用
音響装置の場合、可変利得器25L(25R)および入力手段
30は第31図に示すように、左(L),右(R)チャンネ
ルに対応して設けられたリレーRYL,RYR,抵抗RL,RR,座席
に対応したスイッチSL,SRおよびダイオードDL,Rによっ
て構成することも出来る。 かかる構成の場合における乗員の着座状況に応じた、
リレーRYL,RYRおよびスイツチSL,SRの作動状態、並びに
各状態におけるスピーカの出力レベルの状況を次の表に
示す。 また、第5図において、ローパスフィルタ14の出力に
よりパワーアンプ27を介して駆動される低音用スピーカ
(図示せず)を追加したマルチウエイシステムの場合、
低音用スピーカと中高音用スピーカとのクロスオーバ周
波数は、第32図に示すように、前座席側スピーカと低温
用スピーカとで決定し、後座席側スピーカに関しては適
当な周波数で低域をカットすることにより、良好な音響
特性を得ることが可能となる。尚、第32図において、
(A)は後座席側パワーアンプ26L(26R)の周波数特
性、(B)は前座席側パワー24L(24R)の周波数特性、
(C)は低音用パワーアンプ27の周波数特性をそれぞれ
示している。 尚、上記の実施例では、後座席側パワーアンプ26L(2
6R)にて電気的に低域をカットする場合について説明し
たが、後座席用スピーカユニツトでアコースティツク
に、すなわちスピーカボックスを小さくしたりあるいは
最低共振周波数f0を上げたりすることによっても、同様
な効果が得られることは明らかである。 発明の効果 以上説明したように、本発明による車載用音響装置に
よれば、車室内音場の乗員により生じる乗員自身が聴取
する周波数特性の変化を補正するために、設置されたス
ピーカの位置に応じて乗員の数とその座席での位置によ
りスピーカからの音圧レベルを調整したり、またはスピ
ーカの音圧レベルを各帯域ごとに調整するように構成さ
れているので、乗車人員が変化しても常に良好な音響特
性が得られ、音像定位に関しても1人乗車でも複数人乗
車でも音像は聴取する乗員各々に対して中央に出来るた
め自然な音となり、乗員人員に拘らず車室内にて良好な
音で聴取することが出来ることになる。
【図面の簡単な説明】 第1図(A)は車室内の前座席における音圧周波数特
性、(B)は後座席における音圧周波数特性。 第2図は車載用音響装置の再生系の一例を示す構成図。 第3図は音場内における直接波と反射波との一例の様子
を示す図。 第4図は聴取点での音圧の周波数特性を示す図。 第5図は本発明の一実施例を示すブロック図。 第6図は第5図における第1の高域補正回路の一例を示
す回路図。 第7図はスピーカのエネルギーレスポンスの特性図。 第8図は第6図の回路の補正周波数特性図。 第9図は第5図における第2の高域補正回路の一例の回
路図。 第10図はスピーカがフロントドアの下部に取り付けられ
た状態を示す図。 第11図はフロントドアの下部に取り付けられた左右一対
のスピーカと聴取点との位置関係を示す図。 第12図はスピーカがフロントドア(又はリアドア)の下
部に取り付けられた状態で右側単独乗車の場合の周波数
特性図。 第13図は第5図における乗員数対応補正回路16L(16R)
の一例の回路図。 第14図は第5図における前座席側の第1の高域補正回路
および乗員数対応補正回路を一体に構成した一例の回路
図。 第15図はスピーカがリアドアの下部に取り付けられた状
態を示す図。 第16図はリアドアの下部に取り付けられた左右一対のス
ピーカと聴取点との位置関係を示す図。 第17図はスピーカがフロントドアの上部に取り付けられ
た状態を示す図。 第18図はフロントドアの上部に取り付けられた左右一対
のスピーカと聴取点との位置関係を示す図。 第19図はスピーカがフロントドア(又はリアドア)の上
部に取り付けられた状態で右側単独乗車の場合の周波数
特性図。 第20図は第5図における乗員数対応補正回路および可変
利得器の一例の回路図。 第21図はスピーカがリアドアの上部に取り付けられた状
態を示す図。 第22図はリアドアの上部に取り付けられた左右一対のス
ピーカと聴取点との位置関係を示す図。 第23図はスピーカがダツシュボードに取り付けられた状
態を示す図。 第24図はダッシュボードに取り付けられた左右一対のス
ピーカと聴取点との位置関係を示す図。 第25図はスピーカがダツシュボードに取り付けられた状
態で右側単独乗車の場合の周波数特性図。 第26図は第5図における乗員数対応補正回路および可変
利得器の一例の回路図。 第27図はスピーカがリアバーセルトレイに取り付けられ
た状態を示す図。 第28図は第5図における可変利得器25L(25R)の一例を
示す回路図。 第29図は後座席側の第1の高域補正回路および可変利得
器を一体に構成した一例の回路図。 第30図は1つのステレオアンプで4つのスピーカを駆動
する音響装置の構成を示すブロック図。 第31図は第30図の構成の場合に使用可能な可変利得器お
よび入力手段の構成を示す回路図。 第32図は後座席側(A)、前座席側(B)および低音用
(C)の各パワーアンプの周波数特性を示す図である。 主要部分の符号の説明 10……第1の高域補正回路 11……走行マスキング補正回路 12……前座席用スピーカの補正回路 13……後座席用スピーカの補正回路 15L,15R……第2の高域補正回路 16L,16R……乗員数対応補正回路 17L,17R……ピーク・ディップ補正回路 23L,23R,25L,25R……可変利得器 30……入力手段 31……表示手段
フロントページの続き (72)発明者 木原 久 川越市大字山田字西町25番地1 パイオ ニア株式会社川越工場内 合議体 審判長 野上 智司 審判官 小林 武 審判官 播 博 (56)参考文献 特開 昭58−138200(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.自動車の前座席及び後座席の少なくとも1つに対応
    するドアの下部に設置された左右一対のスピーカと、前
    記スピーカが設置された前記ドアに対応する座席におけ
    る乗員の着座位置情報が入力される入力手段と、前記入
    力手段からの出力情報に基づいて前記乗員による車室内
    音響特性の変化を補正する補正装置とを備え、前記補正
    装置は、前記乗員が1人の時は前記スピーカのうち前記
    乗員に近接するスピーカの高域の音圧レベルを上げ、前
    記乗員が複数の時は前記スピーカの各々の高域の音圧レ
    ベルを上げる補正をなすことを特徴とする車載用音響装
    置。
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