JP2683960B2 - 高強度ばね用鋼 - Google Patents
高強度ばね用鋼Info
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Description
種産業機械等において使用される高強度ばね用鋼に関す
るものである。
化が強く要求されており、この要望は種々のパーツに及
んでいて懸架装置もその例外ではない。その対策として
は、懸架ばねの設計応力を高く設定することが考えられ
る。すなわち、ばねを高強度化することが効果的であ
る。現在、懸架ばね用鋼としては、Si−Mn系ではJ
ISのSUP7、Si−Cr系ではSUP12が主に用
いられているが、さらに設計応力を高くするには、これ
らの鋼種を高強度化したものを用いる必要がある。一般
に鉄鋼材料の強度は、硬度と相関性が強いので、高強度
化ということはすなわち高硬度化することである。
硬度化すると靭性が低下する心配があった。要するに現
用のばね用鋼以上の硬さを得るには靭性の低下は免れな
いことであった。そこで懸架ばねを高硬度化する際に、
その信頼性を保証するには靭性も現用鋼以上にする必要
があった。
性に及ぼす各種元素の影響を調査した結果、次の関係式
が得られた。 硬さ(Hv)=390.5+158.6(C%)+50.5(Si%)
+2.862(Mn%) +21.64(Cr%)+71.45(Mo%)+73.03(V%) +82.08(Nb%)+79.09(Al%)(重相関係数R=
0.972) 靭性(2mmUノッチシャルピー衝撃値Kg・f-m/cm2) =6.772−6.104(C%)−0.025(Si%)−0.511(M
n%) −0.038(Cr%)+2.394(Mo%)+1.033(V%) −1.343(Nb%)+9.098(Al%)(重相関係数R=
0.833) ただし、上記関係式は焼入れにより十分にマルテンサイ
ト組織にしたものを400℃の温度で焼戻した場合の計
算式である。これらの結果より、硬さ及び靭性は合金元
素と非常に高い相関性が得られることが判明した。すな
わち、高硬度を得るにはC、Si、Mn、Cr、Mo、
V、Nb及びAlの量をそれぞれ調整し、一方靭性を高
くするには、Mo、V及びAlの量を調整することによ
って高硬度でかつ高靭性を有する高強度ばね用鋼が得ら
れるという知見を得て、本発明を完成した。
0〜0.70%、Si:1.00〜2.50%、Mn
0.30〜0.50%未満、Cr:0.80〜1.20
%未満、Mo:0.05〜0.30%、V:0.05〜
0.30%、Nb:0.01〜0.30%、Al:0.
005〜0.100%を含有し、残部はFe及び不可避
的不純物からなり、さらにこの成分範囲内で前記計算式
による硬さが593以上で靭性の数値が3.7以上にな
る成分組成を選択することを特徴とする高強度ばね用鋼
である。
である。C:Cは鋼の強度を高めるのに、有効な元素で
あるが、0.50%未満ではばねとしての必要な強度を得る
ことができず、0.70%を超えるとばねが脆くなり過ぎる
ので、0.50〜0.70%の範囲とした。
により鋼の強度を向上させるのに有効な元素であるが、
1.00%未満では、ばねとしての必要な強度を得ることが
できず、2.50%を超えると、ばねを熱間で加熱成形する
際、表面の脱炭を生じ易く、ばねの耐久性に悪い影響を
与えるので、1.00〜2.50%の範囲内とした。
有効な元素であり、0.30%を超えて必要であるが、0.50
%以上になると靭性を阻害するため、その範囲を0.30
〜.0.50%未満とした。
元素であるが、0.80%未満ではばねとしての必要な強度
を得ることができず、1.20%以上では靭性が劣化するの
で、その範囲を0.80〜1.20%未満とした。
靭性を高める元素であるが、0.05%未満ではそれらの効
果を十分に期待することができず、又、0.30%を超える
と粗大炭化物を析出しやすく、ばね特性を劣化させるの
で、その範囲を0.05〜0.30%とした。
が、0.05%未満ではその効果を十分に期待することがで
きず、又、0.30%を超えるとオーステナイト中に溶解さ
れない炭化物が増加し、ばね特性を劣化させるため、そ
の範囲を0.05〜0.30%とした。
を高める元素であるが、0.01%未満ではその効果を十分
に期待することができず、又、オーステナイト中に溶解
されない炭化物の増加、ばね特性の劣化等を考慮して、
その範囲を0.01〜0.05%未満とした。
ト結晶粒度の調整を図るために必要な元素であり、0.00
5%を下まわる場合には結晶粒の微細化が図れず、一
方、0.100%を超えると鋳造性を低下させ易くなるか
ら、その範囲を0.005〜0.100%とした。
であるが、この成分範囲より、前記計算式による硬さと
靭性の数値の優れた成分組成を選択してばね鋼の組成を
決定し、その製造に際しては、通常の製鋼、造塊あるい
は連続鋳造、分塊圧延さらに棒鋼圧延又は線材圧延の工
程を経てばね鋼を得ることができる。その後熱間コイル
ばね成形、焼入れ焼戻し、ショットピーニング及びセッ
チングなどの加工処理を行い、高強度コイルばねが得ら
れる。
もどしたときの硬さとシャルピ−値との関係を表2に示
す。
とがわかる。次に発明鋼No.25、比較鋼No.12
を用いて鋼塊を作成し、圧延比50以上で熱間圧延し、
熱間ばね成形焼入れ焼もどし、ショットピ−ニング及び
セッチングを行った。
は発明鋼がHv580、比較鋼がHv530になるよう
に調整した。
果を表4に示す。発明鋼は比較鋼より応力を高めても同
等の寿命は確保できることを示している。
結果である。発明鋼は比較鋼より高応力な条件の下でも
比較鋼と同等の耐へたり性を確保できることを示してい
る。すなわち、発明鋼は従来鋼より高応力で使用される
ばねに適用することができる高強度ばね鋼である。した
がって、従来よりばねを高強度すなわち高硬度にして
も、シャルピ−値が高いので、ばねの信頼性を保証する
ことができる。
合、耐久回数すなわち寿命及び耐へたり性が優れている
高強度ばね用鋼で、各種産業用機器に組み込んで効果が
大きい。
Claims (1)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.50〜0.70%、
Si:1.00〜2.50%、Mn:0.30〜0.5
0%未満、Cr:0.80〜1.20%未満、Mo:
0.05〜0.30%、V:0.05〜0.30%、N
b:0.01〜0.05%未満、Al:0.005〜
0.100%を含有し、残部はFe及び不可避的不純物
からなり、さらに前記成分組成の範囲内で 硬さ(Hv)=390.5+158.6(C%)+5
0.5(Si%)+2.862(Mn%)+21.64
(Cr%)+71.45(Mo%)+73.03(V
%)+82.08(Nb%)+79.09(Al%)
(重相関係数R=0.972) 靭性(2mmUノッチシャルピー衝撃値Kg・f−m/
cm 2 )=6.772−6.104(C%)−0.02
5(Si%)−0.511(Mn%)−0.038(C
r%)+2.394(Mo%)+1.033(V%)−
1.343(Nb%)+9.098(Al%)(重相関
係数R=0.833) からなる計算式を満足して焼入れにより十分にマルテン
サイト組織にしたものを400℃の温度で焼戻した成分
組成のうち、該硬さの数値が593以上と靭性の数値が
3.7以上の優れた成分組成を選択してな ることを特徴
とする高強度ばね用鋼。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3048766A JP2683960B2 (ja) | 1991-02-22 | 1991-02-22 | 高強度ばね用鋼 |
CA002057190A CA2057190C (en) | 1991-02-22 | 1991-12-06 | High strength spring steel |
US07/805,202 US5183634A (en) | 1991-02-22 | 1991-12-09 | High strength spring steel |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3048766A JP2683960B2 (ja) | 1991-02-22 | 1991-02-22 | 高強度ばね用鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04268041A JPH04268041A (ja) | 1992-09-24 |
JP2683960B2 true JP2683960B2 (ja) | 1997-12-03 |
Family
ID=12812404
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3048766A Expired - Lifetime JP2683960B2 (ja) | 1991-02-22 | 1991-02-22 | 高強度ばね用鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2683960B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5827957A (ja) * | 1981-08-11 | 1983-02-18 | Aichi Steel Works Ltd | 耐へたり性の優れたばね用鋼 |
JPH0257637A (ja) * | 1988-08-23 | 1990-02-27 | Nippon Steel Corp | 高疲労強度ばねの製造方法及びそれに用いるばね用鋼線 |
-
1991
- 1991-02-22 JP JP3048766A patent/JP2683960B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04268041A (ja) | 1992-09-24 |
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