JP2681991B2 - スピーカー用振動板 - Google Patents

スピーカー用振動板

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JP2681991B2 JP63093972A JP9397288A JP2681991B2 JP 2681991 B2 JP2681991 B2 JP 2681991B2 JP 63093972 A JP63093972 A JP 63093972A JP 9397288 A JP9397288 A JP 9397288A JP 2681991 B2 JP2681991 B2 JP 2681991B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、3軸織物を、いわゆる補強材とする繊維
強化プラスチック(FRP)からなるスピーカー用振動板
に関する。
従来の技術 FRP製のスピーカー用振動板はよく知られている。た
とえば、特公昭59-47520号公報には、2組の、互いに直
交する炭素繊維糸を織糸とする、織物としては極く普通
の、いわゆる2軸織物で樹脂を強化してなるコーン状振
動板が記載されている。しかしながら、この従来の振動
板は、2軸織物を使用しているため、織糸の配置がコー
ンの軸に対して対称になっておらず、織糸がコーンの母
線方向と周方向との2方向に延在している部分と、それ
らの方向と±45°ずれて延在している部分とが交互に存
在しているため、コーンの周方向における弾性率の変化
が大きく、一般に釣鐘形振動と呼ばれる共振振動モード
が現われやすくて音の歪が大きいという問題がある。
一方、特開昭61-49592号公報には、炭素繊維糸を織糸
とするら旋織物で樹脂を強化してなるFRP製コーン状振
動板が記載されている。しかして、ら旋織物は、周方向
と半径方向との2方向に織糸が延在していて、織糸の配
置がコーンの軸に対して対称であるため、上述した釣鐘
形振動の問題は起こらない。しかしながら、一方で、以
下において説明するような問題がある。
すなわち、上述したら旋織物は、半径方向の織糸が放
射状をなしているため、織糸密度は、振動板の内側(ネ
ック側)ほど密になり、外側(エッジ側)ほど粗になっ
て、コーンの母線方向における弾性率の差が大変大き
い。たとえば、内径が3cm、外径が15cmの振動板を考え
た場合、炭素繊維の体積含有率でみて、内側部分を、FR
Pとしては極く普通の値である50体積%程度にすると、
外側部分では10体積%程度になり、それに比例して弾性
率が低くなってしまう。逆に、外側部分を50体積%程度
にすると、内側部分では隣接する織糸同士が互いに重な
り合うほどに密になって、成形さえ困難になってしま
う。たとえ成形できたとしても、内側部分では厚みが大
きくなり、振動板の重量が増大して能率が低下してしま
う。かかる不都合は、当然、大口径になるほど内径と外
径との差が大きくなるから顕著になる。
発明が解決しようとする課題 この発明の目的は、従来の振動板の上述した問題点を
解決し、織糸分布のむら、ひいては弾性率のむらが少な
くて音の歪が少なく、優れた音響特性を有するスピーカ
ー用振動板を提供するにある。
課題を解決するための手段 上述した目的を達成するためのこの発明は、3組の、
互いに交差する補強繊維糸を織糸とし、かつ継目をもた
ない3軸織物で樹脂を強化してなる繊維強化プラスチッ
クからなり、かつ、3軸織物を構成している織糸の下記
式で定義されるクリンプ率C(%)が5%以下であるス
ピーカー用振動板を特徴とするものである。
C=[(L−L0)/L0]×100 ただし、L :真っ直ぐに伸ばしてクリンプのない状態
で計った織糸の長さ L0:クリンプのある状態で計った織糸の長さ この発明の振動板は、コーン状やドーム状など、いろい
ろな形状であってよい。
この発明を詳細に説明するに、この発明においては、
樹脂の、いわゆる補強材として、3組の、互いに交差す
る補強繊維糸を織糸とし、かつ継目をもたない3軸織物
[3軸布(Doweave)とも呼ばれる]を使用している。
上記補強繊維糸は、炭素繊維、ガラス繊維、ポリアラ
ミド繊維、アルミナ繊維等の高強度、高弾性率繊維のマ
ルチフィラメントからなっている。繊維の種類にもよる
が、単糸径は4〜40μm程度、好ましくは4〜20μm程
度、単糸数は500〜6000本程度、好ましくは500〜3000本
程度である。通常、3組の織糸に同じ繊度、同じ太さの
ものを使用する。もっとも、補強繊維糸は、たとえば炭
素繊維とポリアラミド繊維など、異なる補強繊維を併用
すると、弾性率と内部損失とのバランスをとることが容
易になるなどの利点を生ずる。
そのような補強繊維糸を織糸とする3軸織物は、第2
図に符号4で示すように、3組(3本)の織糸1(たて
糸)、2(よこ糸)、3(たて糸)が、それぞれ60°の
角度で互いに交差しながら平組織されているようなもの
である。もっとも、織糸の交差角度は、60°である必要
は必ずしもない。すなわち、コーン状やドーム状の振動
板の場合には60°であるのが好ましいが、楕円錐状や半
楕円球状の場合には、50°、50°、80°といったように
異なっているほうが好ましい。その場合、80°の部分が
短径方向になるようにして使用する。
3軸織物4は、また、第3図に示すように、それぞれ
同一方向に延在する織糸(たて糸)1a、1bと、織糸(よ
こ糸)2a、2bと、織糸(たて糸)3a、3bとを1組として
平組織したようなものであってもよい。
第2図や第3図に示したような3軸織物やその製造方
法は、たとえば、「海外繊維技術文献集」、第23巻、第
11号(1973年11月、日本繊維機械学会刊)や、米国特許
第3,446,251号明細書等に記載されている。
上述した3軸織物は、織糸のクリンプ率が5%以下で
あるのがよい。ここで、クリンプ率C(%)は、式、 C=[(L−L0)/L0]×100 ただし、L :真っ直ぐに伸ばしてクリンプのない状態
で計った織糸の長さ L0:クリンプのある状態で計った織糸の長さ で与えられるもので、クリンプ率が5%以下であると、
織糸の屈曲部における応力集中が小さくなり、弾性率の
低下が小さくなる。
振動板の、いわゆるマトリクスを形成している樹脂
は、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミ
ド樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリアミ
ド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエーテ
ルエーテルケトン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ−4
−メチルペンテン−1樹脂等の熱可塑性樹脂である。上
述した熱硬化性樹脂に、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリサルファイド等の可とう性
付与剤を10〜20重量%混入したものを使用すると、振動
減衰性が向上するようになる。また、ポリ−4−メチル
ペンテン−1樹脂にポリイソブチレン樹脂を20〜200重
量%混入したものを使用すると、振動減衰性のみなら
ず、振動板の比弾性率が向上するようになる。
この発明の振動板は、通常、ただ1枚の3軸織物を使
用するが、複数枚の3軸織物を隣接する3軸織物の織糸
の方向が少しづつずれるように重ね合わせて使用する
と、擬似等方性が一層向上するようになる。また、上述
した3軸織物と、通常の2軸織物やマット等とを重ね合
わせて使用することも可能である。
この発明の振動板は、周知の金型成形法等を用いて成
形することができる。
すなわち、たとえば、上述した3軸織物に熱硬化性樹
脂を含浸してなるプリプレグを所望のコーン形状を有す
る雌型に載せ、さらにその上に雄型を載せ、加圧、加熱
して樹脂を硬化せしめることによって成形することがで
きる。また、プリプレグを使用する代わりに、熱硬化性
樹脂を含浸していない、いわゆる生の3軸織物を雌型に
載せ、硬化剤を入れた熱硬化性樹脂を塗布することによ
ってプリプレグ化してもよい。樹脂が熱可塑性樹脂であ
る場合には、プリプレグをスタンピング成形して振動板
とすることができる。ドーム状等、他の形状の場合でも
同様である。
実施態様 図面は、コーン状の振動板を示すもので、第2図に示
した3軸織物4で樹脂5を強化してなるFRPからなって
いる。この実施態様の振動板は、使用している3軸織物
の3組の織糸の交差角度がいずれも60°であるから、コ
ーン軸の周りに60°回転すると同じ織糸配列が得られ
る。すなわち、60°の回転対称性をもっている。ちなみ
に、2軸織物を使用した従来の振動板では90°の回転対
称しか得られないから、この実施態様の振動板は擬似等
方性が向上しており、周方向における弾性率の高低差が
それだけ低くなって釣鐘形の振動を生じにくくなる。ま
た、生ずるとしても、90°の4回回転対称から60°の6
回回転対称になるので、その分だけ固有振動数が上昇
し、スピーカー用振動板としての特性上はあまり問題に
ならなくなる。
発明の効果 この発明振動板は、樹脂の、いわゆる補強材として、
3組の、互いに交差する補強繊維糸を織糸とし、かつ継
目をもたない3軸織物を使用しているから、従来の2軸
織物を使用したものにくらべて、コーン等の周方向にお
ける織糸分布のむら、ひいては弾性率のむらが大変小さ
くなり、釣鐘形振動を生じにくくなって音の歪が減少す
る。織糸分布のむらが小さくなることから、形態歪も小
さくなる。また、3軸織物を構成している織糸の特定式
で定義されるクリンプ率を5%以下としているので、織
糸の屈曲部における応力集中が小さくなり、弾性率の低
下が小さくなって特に高音域における音圧レベルの大き
な低下を抑制できるようになる。さらに、樹脂として、
可とう性付与剤を10〜20重量%の範囲で含む熱硬化性樹
脂を用いた場合には、振動減衰性が向上する。さらにま
た、ら旋織物を使用するものの欠点であった、重量の増
大による能率の低下も防止することができるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施態様に係るスピーカー用振
動板を示す概略平面図、第2図および第3図は、この発
明で使用する、それぞれ異なる態様の3軸織物を示す概
略平面図である。 1、1a、1b:織糸 2、2a、2b:織糸 3、3a、3b:織糸 4:3軸織物 5:樹脂
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−49592(JP,A) 特開 昭54−51520(JP,A) 特開 昭63−226689(JP,A) 実開 昭60−163893(JP,U) 実開 昭60−132096(JP,U) 実開 昭59−81195(JP,U) 特公 昭49−8423(JP,B1) 特公 昭59−47520(JP,B2)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3組の、互いに交差する補強繊維糸を織糸
    とし、かつ、継目をもたない3軸織物で樹脂を強化して
    なる繊維強化プラスチックからなり、かつ、3軸織物を
    構成している織糸の下記式で定義されるクリンプ率C
    (%)が5%以下であるスピーカー用振動板。 C=[(L−L0)/L0]×100 ただし、L :真っ直ぐに伸ばしてクリンプのない状態で
    計った織糸の長さ L0:クリンプのある状態で計った織糸の長さ
  2. 【請求項2】樹脂が、可とう性付与剤を10〜20重量%の
    範囲で含む熱硬化性樹脂からなる、請求項1のスピーカ
    ー用振動板。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2のスピーカー用振
    動板を含むスピーカー。
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