JP2680926B2 - 焼結金属部品、及びその製造方法 - Google Patents

焼結金属部品、及びその製造方法

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JP2680926B2 JP28021990A JP28021990A JP2680926B2 JP 2680926 B2 JP2680926 B2 JP 2680926B2 JP 28021990 A JP28021990 A JP 28021990A JP 28021990 A JP28021990 A JP 28021990A JP 2680926 B2 JP2680926 B2 JP 2680926B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は、良好な切削性,耐摩耗性,塑性加工性な
どの固体潤滑効果を有する低コストな焼結金属部品、及
びその製造方法に関するものである。
<従来の技術> 従来より、焼結金属部品やその部品製造用の焼結素材
において、圧粉成形性,被削性,耐摩耗性,摺動性等を
付与するために、黒鉛,二硫化モリブデン,窒化硼素,
タルク等のような固体潤滑剤を部品材料中に添加する手
段はよく知られているところである。
しかして、上記固体潤滑剤のうち特にタルクの添加に
ついては、金属粉末の成形バインダーとしてまた潤滑剤
として効果があることが、1949発行クラウス・G・ゲッ
ツェル著「粉末冶金論文第1巻」254〜256頁(TREATISE
ON POWDER METTALLURGY BY CLAUS G GOETZEL,1949)に
記載されている。
具体的には、特開昭63−93842号公報に開示されてい
るように、鉄粉または合金鉄粉にタルクを体積含有率0.
1〜5%添加した粉末を成形及び焼結した材料は、快削
性が付与されて切削工具寿命を長くすることが知られて
いる。
また、特開昭63−118047号公報に開示されているよう
に、金属粉末中に0.1〜10重量%のタルクを添加して成
形及び焼結して得られる焼結金属部品は、圧縮緻密性や
機械加工性などを向上させるとともに、固着摩耗に対す
る抵抗力を高くし、内燃機関のバルブシート及びバルブ
ガイドに適したものであることが知られている。
このように、タルクを添加した金属粉末混合粉を圧縮
成形及び焼結して得られる焼結金属部品は、切削性及び
耐摩耗性がよく、圧粉する際には金型との摩擦抵抗が小
さいという利点があり、加えてタルク自体の価格も安価
であるという利点を有している。
<発明が解決しようとする課題> しかしながら、タルク粉「Mg3Si4O10(OH)2」は水分を
含んでいるため、このタルク粉を添加した金属粉末混合
粉の成形体を焼結すると、加熱中にタルクが脱水分解し
て還元性雰囲気ガスの露点を高くするという傾向を有し
ている。
このため、内燃機関のバルブシートやバルブガイド等
のような複雑系の金属焼結部品を得る場合には、その焼
結条件を厳密に調整しつつ行なわないと所望する焼結体
の性状が得られないことがある。
特に、焼結炉中にこの種の成形体を連続して多量に挿
入すると炉内ガスの汚染がひどくなるため、タルク添加
量を減らす,炉内ガス供給量を増加する,特別な焼結炉
を使用するなどの配慮が必要となり、製作勝手が悪いと
いう欠点を有している。
また、加熱焼結中においてタルクはメタ珪酸マグネシ
ウムMgSiO3と硬質な二酸化珪素SiO2になり、この二酸化
珪素の影響と思われるがいずれにせよタルクを添加して
得られた焼結金属部品は、摺動する相手部品に対するア
タック性を有しており、相手部品を摩耗させ易い性質が
ある等の問題を有している。
この発明は、上記のような事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、特に内燃機関のバル
ブシートやバルブガイド,含油軸受,歯車等を塑性加工
により製作する際に用いられる焼結金属スラグ等に好適
な焼結金属部品、及びその製造方法を提供することにあ
る。
<課題を解決するための手段> この発明に係る焼結金属部品は、上記のような目的を
達成するために、焼結金属部品の金属マトリックス中に
メタ珪酸マグネシウム系鉱物、またはメタ珪酸マグネシ
ウム系鉱物とオルト珪酸マグネシウム系鉱物、メタ珪酸
マグネシウム系鉱物もしくはオルト珪酸マグネシウム系
鉱物の少なくとも1種と窒化硼素もしくは硫化マンガン
の少なくとも1種、が分散していることを特徴とするも
のであり、またその含有量は0.1〜4重量%であること
を特徴とする。
さらに、この焼結金属部品の好ましい実施態様は、内
燃機関のバルブシートやバルブガイド,含油軸受,歯車
等を塑性加工により作製する際に用いられる焼結金属ス
ラグ等とすることを特徴とする。
また、この発明に係る焼結金属部品の製造方法にあっ
ては、大部分が金属粉からなるダイ充填物を圧縮成形及
び焼結する工程を含む製造方法において、上記ダイ充填
物中にメタ珪酸マグネシウム系鉱物粉、またはメタ珪酸
マグネシウム系鉱物粉とオルト珪酸マグネシウム系鉱物
粉、またはメタ珪酸マグネシウム系鉱物粉とオルト珪酸
マグネシウム系鉱物粉の少なくとも1種と窒化硼素粉も
しくは硫化マンガン粉の少なくとも1種、が0.1〜4重
量%分散していることを特徴とし、かつメタ珪酸マグネ
シウム系鉱物粉はエンスタタイト粉,クリノエンスタタ
イト粉,エンステナイト粉,ハイパーステン粉などの少
なくとも1種であり、オルト珪酸マグネシウム系鉱物粉
はフォルステライト粉,クリソライト粉などの少なくと
も1種であることを特徴とする。
メタ珪酸マグネシウム(magnesium metasilicate)は
MgSiO3で表わされ、結晶構造が異なる幾つかの種類であ
るといわれているが、斜方晶系のエンスタタイト(enst
atite、頑火輝石)、単斜晶系のクリノエンスタタイト
(clinoenstatite、斜頑火輝石)が相当する。
また、天然の鉱石から精製されたものは、Mgの珪酸塩
とFeの珪酸塩との固溶体、またはこの固容体とMgの珪酸
塩との固溶体の形であることが一般的で、(Mg,Fe)SiO
3で表わされ、このような形態のものにはエンステナイ
ト(enste nite)やハイパーステン(hypersthen、紫蘇
輝石)が挙げられる。
この発明においては、上記のようなメタ珪酸マグネシ
ウム及びそれを含む珪酸塩をメタ珪酸マグネシウム系鉱
物という。
一方、オルト珪酸マグネシウム(magnesium orthosil
icate)はMg2SiO4で表わされ、産業上はフォルステライ
ト(forsterite、苦土橄欖石)とよばれる鉱石である。
また、上記と同様にMgやFeの珪酸塩と固溶体の形である
ことが一般的で、このような形態のものにはクリソライ
ト(chrysolite、橄欖石)がある。
クリソライトは、上記のフォルステライト(Mg2Si
O4)とフェヤライト(fayalite、Fe2SiO4)、または更
にテフロイト(tephroite、Mn2SiO4)を含む固溶体で、
(Mg,Fe)2SiO4または(Mg,Fe,Mn)2SiO4で表わされる。
この発明においては、上記のようなオルト珪酸マグネ
シウム及びそれを含む珪酸塩をオルト珪酸マグネシウム
系鉱物という。
メタ珪酸マグネシウム系鉱物やオルト珪酸マグネシウ
ム系鉱物は、比重が3.2〜3.9程度で劈開性があるため固
体潤滑剤として作用する。
潤滑作用としては0.1重量%以上添加すれば効果が認
められ、その添加量を増やすと共に効果が増大するが、
4%より多く添加すると固体潤滑剤の体積が多い分焼結
体の強度が低くなるため好ましくなく、その含有量は0.
1〜4重量%の範囲が好適である。
また、これらの鉱物は親油性があり潤滑油等の保持能
を有するとともに、熱に対して比較的安定的であり粉末
冶金の通常の焼結温度では分解しないため、このような
性質を持つ上記の珪酸マグネシウム系鉱物の粉末を金属
粉に添加すると、粉末成形の際に成形ダイとの摩擦が低
下し、成形性を良くすることができる。
なお、メタ珪酸マグネシウム系鉱物とオルト珪酸マグ
ネシウム系鉱物を比較すると、後者の方が硬くて劈開し
にくい性質を持っているため、メタ珪酸マグネシウム系
鉱物と混合して用いるのが望ましい。
タルクを含む焼結金属部品と、この発明に係る珪酸マ
グネシウム系鉱物を含む焼結金属部品との耐摩耗性を比
較すると、この発明に係るものは相手部品へのアタック
性は少ないが、自己の耐摩耗性がやや劣る。
これを改善するためには、メタ珪酸マグネシウム系鉱
物またはオルト珪酸マグネシウム系鉱物の一方か両方に
加え、窒化硼素または硫化マンガンの少なくとも1種を
金属マトリックスに分散させれば、窒化硼素あるいは硫
化マンガンは固体潤滑剤として作用し、焼結金属部品の
耐摩耗性を向上させる。
窒化硼素と硫化マンガンの両者を比較すると、被削性
では窒化硼素、耐摩耗性においては硫化マンガンが優れ
ている。
また、その添加量は上記した珪酸マグネシウム系鉱物
の潤滑作用の場合と同じ理由で、珪酸マグネシウム系鉱
物と合わせて0.1〜4重量%となるようにする。
珪酸マグネシウム系鉱物と、窒化硼素もしくは硫化マ
ンガンの少なくとも一方の組合せ割合は限定しないが、
窒化硼素及び硫化マンガンのコストが珪酸マグネシウム
系鉱物の10〜30倍程度と高価なため、コスト面から考慮
して半分以下にすることが好ましい。
<作用> この発明のように珪酸マグネシウム系鉱物を含む焼結
金属部品は、その固体潤滑作用により、快削性,摺動特
性,なじみ性,耐摩耗性などが良好でしかも親油性があ
るから、部品製作中に切削加工がありしかも耐摩耗性が
要求されるような内燃機関のバルブガイドやバルブシー
トに、また歯車等を冷間塑性加工で製作する際の焼結金
属スラグとして、さらに保油性の向上が図られる焼結含
油軸受等に適している。
また、この発明のように無水の珪酸マグネシウム系鉱
物を固体潤滑剤として含む成形体を還元性ガス中や真空
中で焼結する場合には、従来用いられているタルクのよ
うに分解した水分が発生しないため、特別な配慮をする
ことなく通常の方法で焼結することができる。
<実施例> 以下、実施例によりこの発明を説明する。
なお、組成及び配合割合は重量比である。
実施例−1 電解銅粉1.5%,黒鉛粉0.8%,ステアリン酸亜鉛0.8
%及びアトマイズ鉄粉残部からなる金属粉末混合粉を準
備した。
また、この混合粉にメタ珪酸マグネシウム系鉱物であ
るエンスタタイト、クリノエンスタタイト、ハイパース
テン、エンステナイト、またオルト珪酸マグネシウム系
鉱物であるフォルステライト、クリソライト、及び従来
一般に用いられているタルクの粉末をそれぞれ1%ずつ
添加してなる各混合粉を作製した。
そして、上記各混合粉を成形密度6.8g/cm3で厚さ20mm
の所定形状に成形した後、ブタン変成ガス中,温度1150
℃で焼結して各試料とした。
この実施例における上記各試料は、結合炭素量約0.6
%のパーライト組織である。
次いで、上記各試料について被削性及び耐摩耗性を測
定した。
なお、被削性については直径6mmのドリルに42kgの荷
重を与え、回転数500rpmで厚さ20mmの試料を貫通する時
間で評価した。
この測定結果によれば、珪酸マグネシウムを含まない
試料が65秒であるのに比べ、タルクを添加した試料は45
〜51秒、この発明に係る各種珪酸マグネシウム系鉱物を
含む試料は43〜49秒であり被削性が良好であった。
また、摩耗試験においては、ピンオンディスク型摩擦
摩耗試験機により、各試料をピンに、回転ディスクを機
械構造用炭素鋼S45C材とし、荷重20kgf/cm2,摺動速度
3.1m/秒,摺動時間10分間の条件で試験した後の試料摩
耗量を測定した。
この測定結果によれば、珪酸マグネシウムを含まない
試料の摩耗量は83μmであったが、タルクを添加した試
料は42〜47μm、この発明に係る珪酸マグネシウム系鉱
物を含む試料は45〜52μmであり固体潤滑作用の効果が
認められる。
ただし、上記測定結果からも明らかなように、タルク
に比べこの発明に係る珪酸マグネシウム系鉱物は、被削
性に優れるが耐摩耗性はやや劣るという傾向がある。
また、メタ珪酸マグネシウム系鉱物に比べてオルト珪
酸マグネシウム系鉱物は、被削性,耐摩耗性ともに劣っ
ていた。
実施例−2 実施例1と同様に、電解銅粉1.5%,黒鉛粉0.8%,ス
テアリン酸亜鉛0.8%及びアトマイズ鉄粉残部からなる
金属粉末混合粉を準備し、これを成形及び焼結して比較
試料1とした。
また、比較試料1で用いたと同じ混合粉に、メタ珪酸
マグネシウムであるエンスタタイト粉0.7%と窒化硼素
粉0.3%を添加して作製した試料2、エンスタタイト粉
0.7%と硫化マンガン粉0.3%を添加して作製した試料
3、オルト珪酸マグネシウムであるフォルステライト0.
7%と窒化硼素粉0.3%を添加して作製した試料4、及び
フォルステライト0.7%と硫化マンガン粉0.3%を添加し
て作製した試料5を準備した。
これら各試料の被削性、及び耐摩耗性を実施例1と同
様にして行った。
その測定結果を第1表に示す。
この測定結果から明らかなように、上記の如き金属粉
末混合粉に珪酸マグネシウムであるエンスタタイトまた
はフォルステライトと、窒化硼素または硫化マンガンと
を添加すると、焼結金属部品の被削性及び耐摩耗性が向
上することがわかる。
また、窒化硼素は試料2,4のように特に被削性を向上
させ、硫化マンガンは耐摩耗性の向上に効果があること
がわかる。
実施例−3 実施例1と同様に、電解銅粉1.5%,黒鉛粉0.8%,ス
テアリン酸亜鉛0.8%、及びアトマイズ鉄粉残部からな
る金属粉末混合粉を準備した。
そして、この混合粉にメタ珪酸マグネシウムであるエ
ンスタタイト粉の添加量がそれぞれ異なる都合6種類の
混合粉を作製し、各混合粉を成形密度6.6g/cm3の円筒形
状に成形した後、ブタン変成ガス中,温度1150℃で焼結
して各試料とした。
上記各試料について圧環強さを測定した結果を第2表
に示す。
この測定結果によれば、エンスタタイト粉の添加量が
増加するとともに圧環強さは低下し、5%の添加では添
加しないものの約半分以下になることが判明した。
実施例−4 組成が3.0%Cr,0.3%Mo,0.3%V及びFe残からなる合
金鉄粉と、6.5%Co,1.5%Ni,1.5%Mo及びFe残からなる
合金鉄粉とを等量に、かつ黒鉛粉1.2%、成形潤滑剤と
してステアリン酸亜鉛0.8%を添加混合し、この合金混
合粉をバルブシートの所定形状に成形後、アンモニア分
解ガス中,温度1200℃で30分間焼結して比較試料1を作
製した。
なお、この合金は特公昭57−56547号公報に開示され
ている組成である。
また、上記混合粉中にタルク0.8%添加して上記と同
様に作製した比較試料2、この発明に係るメタ珪酸マグ
ネシウム系鉱物であるエンスタタイト粉0.8%添加した
試料3と、エンスタタイト粉0.5%及び窒化硼素0.3%添
加した試料4と、エンスタタイト粉0.5%及び硫化マン
ガン0.3%添加した試料5を作製した。
これらの各試料を、所定寸法に切削加工後エンジン模
擬試験装置に挿着して摩耗試験を行った。
第3表にその摩耗試験結果を示す。
上記試験結果によれば、被削性は比較試料1以外は同
等に優れていた。
タルクを添加した比較試料2は、比較試料1に比べて
摩耗量が少ないことがわかる。
また、エンスタタイト粉を添加した試料3は、タルク
を添加した試料2よりもシート面摩耗量が大きいが、バ
ルブ面に対する摩耗量がないので合計摩耗量で優れてお
り、相手部品に対するアタック性(攻撃性)が少なく相
手部品を摩耗させにくい。
エンスタタイト粉の一部を窒化硼素で置換した試料4
は、特に相手部品であるバルブ面を攻撃しないことがわ
かる。
また、試料4におけるエンスタタイト粉の一部として
窒化硼素を硫化マンガンで置換した試料5は、シート面
の摩耗量は試料4に比べて一層少ないが、しかし相手部
品であるバルブ面への攻撃性はやや大きく、この点は上
記試料4よりも若干劣っている。
実施例−5 天然黒鉛粉を2.5%,10%Sn銅合金粉を5%,15%P鉄
合金粉を1%,ステアリン酸亜鉛を0.5%及び残り噴霧
鉄粉よりなる金属粉末混合粉を比較試料1として準備し
た。
この混合粉にタルク粉0.8%を添加した混合粉を比較
試料2として、またメタ珪酸マグネシウム系鉱物である
エンステナイト粉0.8%を添加した混合粉を試料3とし
て、エンステナイト粉0.5%と窒化硼素0.3%を添加した
混合粉を試料4として、エンステナイト粉0.5%と硫化
マンガン0.3%を添加した混合粉を試料5として準備し
た。
これらの各試料を内燃機関用バルブガイドの所定円筒
形状に成形後、それぞれアンモニア分解ガス中1000℃の
温度で30分間焼結した。
上記の比較試料1は、公知の焼結バルブガイド材で、
鉄のパーライト基地中に硬いステダイト相であるFe−C
−P三元合金相が析出した組織であり、バルブガイドに
要求される被削性と耐摩耗性が良好な材料である。
タルクを添加した比較試料2の顕微鏡組織は、フェラ
イト相が多く、硬いステダイト相の析出が不十分であっ
たが、これは炉内ガスの汚染により焼結が阻害されたも
のと考えられる。
なお、他の試料の組織は比較試料1と同等であった。
被削性については、所定円筒形状のバルブガイドとし
て成形した各試料の内径に回転するリーマを一定荷重で
送り込み、内径を貫通する所要時間を測定し、比較試料
1を100とする指数で表わした。
また、耐摩耗性については、バルブガイドとして所定
寸法形状に切削加工した各試料を、エンジン模擬試験装
置に装着し、100時間試験後の試料内径及びバルブの摩
耗量を測定した。
その測定結果を第4表に示す。
この測定結果によれば、タルクを添加した比較試料2
はフェライト相が多くステダイト相が不十分なため、被
削性は良いが摩耗性が大きい。
エンステナイト粉を添加してなる試料3は被削性,耐
摩耗性ともに優れており、エンステナイト粉と窒化硼素
を添加してなる試料4及びエンステナイト粉と硫化マン
ガンを添加してなる試料5は更にこれらが良好なことが
わかる。
実施例−6 電解銅粉に錫粉10%,二硫化モリブデン粉2%及びス
テアリン酸亜鉛0.2%を添加した公知の組成の金属粉末
混合粉と、この混合粉に更にメタ珪酸マグネシウム系鉱
物であるエンスタタイト粉を3%添加した金属粉末混合
粉を準備した。
そして、両混合粉をそれぞれ軸受形状に圧縮した成形
体をアンモニア分解ガス中温度780℃で焼結した後、所
定寸法にサイジングを施し、タービン油を一定量ずつ含
浸して試料とした。
なお、両試料の密度は6.4g/cm3である。
両試料をそれぞれ濾紙の上に乗せ、温度150℃で10時
間加熱した後、試料から脱油した油重量減少率を測定し
たが、エンスタタイト粉を添加した試料は他方の試料に
比べ油重量減少率が4%少なく保油性が良かった。
次に、両試料をそれぞれ軸受試験機に装着し、滑り速
度30m/分,面圧50kgf/cm2で運転した。
エンスタタイト粉を含まない試料は、10時間で摩擦係
数が高くなり異状摩耗を起こしたが、エンスタタイト粉
を添加した試料は正常に稼動し保油性および潤滑性に優
れることがわかる。
実施例−7 組成が2%Ni,0.5%Mo,0.2%Mn残りFeからなる合金鉄
粉を準備し、これに天然黒鉛0.4%及びステアリン酸亜
鉛1%を添加した金属粉末混合粉を準備した。
また、上記混合粉にメタ珪酸マグネシウム系鉱物であ
るエンスタタイト粉0.5%、オルト珪酸マグネシウム系
鉱物であるフォルステライト粉0.5%を追加して添加し
た金属粉末混合粉とを準備した。
そして、両混合粉をそれぞれ円筒形状に圧縮成形し、
その成形体をアンモニア分解ガス中,温度1150℃で焼結
し、次いで熱間鍛造及び焼鈍を施し、密度比96〜98%の
塑性加工用スラグ試料を作製した。
各スラグは、内径に歯形を備えた押出しダイと、試料
の内径に嵌合するマンドレルと、押出しパンチを用い、
前方押出しにより歯数19,モジュール1.58の外歯歯車と
して塑性加工された。
押出しに要した荷重は、エンスタタイト粉及びフォル
ステライト粉を添加した試料では55トンであり、それを
含まないものは60トンであった。
したがって、エンスタタイト粉及びフォルステライト
粉を添加した試料の方が、それを含まない試料よりも塑
性加工性がよいことがわかる。
<発明の効果> 以上説明したように、この発明に係る焼結金属部品
は、その金属マトリックス中に加熱しても安定な性質を
持ちかつ潤滑性に優れているメタ珪酸マグネシウム系鉱
物、またはメタ珪酸マグネシウム系鉱物とオルト珪酸マ
グネシウム系鉱物、またはそれらに窒化硼素もしくは硫
化マンガンの少なくとも1種を分散させたものであるか
ら、従来のように製作勝手の悪いタルクなどの固体潤滑
剤を用いることなく、良好な切削性,耐摩耗性,塑性加
工性等の固体潤滑効果を発揮させた焼結金属部品を提供
することができる。
また、この焼結金属部品は、良好な固体潤滑効果とし
て、切削性,耐摩耗性,塑性加工性を有すると共に相手
部品に耐する攻撃性が少ないのでバルブシート,バルブ
ガイド,含油軸受,塑性加工用の焼結金属スラグ等の焼
結素材として用いた場合には、それら成形品の品質を向
上させることができる。
さらに、この発明に係る製造方法は、固体潤滑剤とし
て無水の珪酸マグネシウム系鉱物を粉末状で原料金属粉
に混合するので、従来用いられている固体潤滑剤として
のタルクのように焼結中に脱水分解して焼結炉中のガス
を汚染したり、鉄合金中の黒鉛の挙動のように鉄に拡散
して焼結金属マトリックスの組織を変質させることがな
いから、通常の焼結手段で快削性,耐摩耗性等が付与さ
れた焼結金属部品を低コストに提供することができる。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属マトリックス中にメタ珪酸マグネシウ
    ム系鉱物、またはメタ珪酸マグネシウム系鉱物とオルト
    珪酸マグネシウム系鉱物、またはメタ珪酸マグネシウム
    系鉱物もしくはオルト珪酸マグネシウム系鉱物の少くと
    も1種と窒化硼素もしくは硫化マンガンの少なくとも1
    種、が分散していることを特徴とする焼結金属部品。
  2. 【請求項2】金属マトリックス中におけるメタ珪酸マグ
    ネシウム系鉱物、またはメタ珪酸マグネシウム系鉱物と
    オルト珪酸マグネシウム系鉱物、またはメタ珪酸マグネ
    シウム系鉱物もしくはオルト珪酸マグネシウム系鉱物の
    少なくとも1種と窒化硼素もしくは硫化マンガンの少な
    くとも1種、の含有量が0.1〜4重量%であることを特
    徴とする請求項1記載の焼結金属部品。
  3. 【請求項3】焼結金属部品は内燃機関のバルブシートで
    あることを特徴とする請求項1または2記載の焼結金属
    部品。
  4. 【請求項4】焼結金属部品は内燃機関のバルブガイドで
    あることを特徴とする請求項1または2記載の焼結金属
    部品。
  5. 【請求項5】焼結金属部品は含油軸受であることを特徴
    とする請求項1または2記載の焼結金属部品。
  6. 【請求項6】焼結金属部品は塑性加工用スラグであるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の焼結金属部品。
  7. 【請求項7】大部分が金属粉からなるダイ充填物を圧縮
    成形及び焼結する工程を含む焼結金属部品の製造方法に
    おいて、 上記ダイ充填物中にメタ珪酸マグネシウム系鉱物粉、ま
    たはメタ珪酸マグネシウム系鉱物粉とオルト珪酸マグネ
    シウム系鉱物粉、またはメタ珪酸マグネシウム系鉱物粉
    もしくはオルト珪酸マグネシウム系鉱物粉の少なくとも
    1種と窒化硼素粉もしくは硫化マンガン粉の少なくとも
    1種、が0.1〜4重量%分散していることを特徴とする
    焼結金属部品の製造方法。
  8. 【請求項8】メタ珪酸マグネシウム系鉱物粉はエンスタ
    タイト粉,クリノエンスタタイト粉,エンステナイト
    粉,ハイパーステン粉などの少なくとも1種であり、オ
    ルト珪酸マグネシウム系鉱物粉はフォルステライト粉,
    クリソライト粉などの少なくとも1種であることを特徴
    とする請求項7の記載の焼結金属部品の製造方法。
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