JP2680902B2 - 繊維セメント板の製造方法 - Google Patents

繊維セメント板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、繊維セメント板の製造方法に関するもの
である。さらに詳しくは、この発明は、寸法変化が小さ
く、クラックの発生や白華もなく、積載養生時のブロッ
キングも抑止可能な、建築用繊維セメント板の製造方法
に関するものである。
(従来の技術) 従来より、屋根材や外装材等として有用な繊維配合の
セメント板が知られており、アスベスト、パルプ、樹脂
等の繊維セメントを主成分とし、スラリーからの抄造等
により製造したものが各種実用に供されてきてもいる。
通常、これらの繊維セメント板は、所定の形状と大き
さに成形した湿潤、半硬化状態のものを風乾等によって
自然養生するか、あるいはオートクレーブ養生すること
により製造している。
従来の自然養生品の場合には、吸水と乾燥との繰り返
しによる寸法変化が大きく、屋根材や外装材として用い
る場合、施工後の反りや、特にノンアスベスト配合品の
場合に顕著であるように端部にクラックが発生しやすか
った。このような弱点を補うものとして、オートクレー
ブ養生により製造し、吸水と乾燥の繰り返しにともなう
寸法変化を抑制することが考えられてきている。
(発明が解決しようとする課題) オートクレーブ養生は、自然養生の欠点を改善すると
いう利点があるものの、一方では、このオートクレーブ
養生によってセメント板表面には白華が出やすく、この
白華により、表面化粧時に塗料塗膜の密着性が疎害され
るという欠点がある。この欠点を克服するための手段と
して養生前に白華防止用の塗膜を形成することが考えら
れてきているが、これまでのところ、実用的に充分な特
性を持つ塗膜形成の方法が見出されていないのが実情で
もある。
この発明の発明者らによっても、白華防止用の塗膜形
成法として、アクリルエマルジョン樹脂の塗布が有効で
あることが確認されているが、依然として課題は残され
ている。
通常、セメント板は積載した状態で養生することが多
い。このような積載状態でオートクレーブ養生する場合
には、たとえば第3図に示したように、繊維セメント板
(ア)に白華防止用塗膜(イ)を形成したとしても、セ
メント板(ア)が相互に剥離困難となるブロッキング
(ウ)の発生が避けられないばかりか、第4図に示した
ように、セメント板(ア)内部の温度が上らずに、オー
トクレーブ養生中に端部にクラック(エ)が発生しやす
いという問題がある。このクラック(エ)の発生は、第
5図に示したように、セメント板(ア)の外周部の品温
が上昇して外周部が収縮するのに対し、芯部では品温が
上らないため、端部に応力が集中するためと考えられ
る。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので
あり、従来の繊維セメント板の製造法、特にその養生方
法の欠点を解消し、積載状態でのオートクレーブ養生に
おいても白華の発生やブロッキングおよび端部クラック
の発生のない新しい製造法を提供することを目的として
いる。
(課題を解決するための手段) この発明は、上記の課題を解決するものとして、繊維
分を配合したセメント板の表面にアクリル系エマルジョ
ン樹脂を塗布し、その直後に砂を散布し、次いでこのセ
メント板を積載状態でオートクレーブ養生することを特
徴とする繊維セメント板の製造方法を提供する。
繊維セメント板については、アスベスト、ポリプロピ
レン繊維、ビニロン繊維等のアスベスト、ノンアスベス
トあるいはその共用系の繊維分を、セメント、その他の
粘度調整材、増量材等と配合したものがこの発明の対象
となる。
(作用) この発明の製造方法においては、白華防止用のアクリ
ル系エマルジョン樹脂による塗膜を形成し、さらにその
上に砂を散布した後に、セメント板を積載状態でオート
クレーブ養生することから、この砂の介在によってブロ
ッキングが防止でき、しかも、積載したセメント板の板
間にできた隙間に蒸気が通り、セメント板の積載芯部の
オートクレーブ反応が進み、端部への応力集中によるク
ラック発生が抑止される。
また、アクリル系エマルジョンの接着効果により砂が
固着され、オートクレーブ養生中に流出することもな
い。この砂を散布してオートクレーブ養生した製品は、
滑りどめ機能を有する瓦等の製品として有用なものとな
る。
以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発明の繊維セ
メント板の製造方法について説明する。
(実施例) 添付した図面の第1図は、この発明の方法を例示した
工程図である。
〈a〉まず、抄造法等によって製造した所定の大きさ、
形状の半硬化状態の繊維セメント板(1)の表面に白華
防止用のアクリル系エマルジョン樹脂塗膜(2)を形成
する。ロール塗布、ブレード塗布等の種々の方法によっ
てエマルジョンを塗布することができる。アクリル系エ
マルジョン樹脂の塗布量としては、一般的には樹脂固型
分として3〜10g/m2とするのが好ましい。これ以下の場
合には白華防止効果は充分でなく、これ以上の場合に
は、ブロッキング防止効果は低減し、また、コスト増と
もなる。
〈b〉次いで直ちに、このアクリル系エマルジョン樹脂
塗布(2)の上には砂(3)を散布する。塗膜が乾燥し
ないうちに散布する。
砂(3)としては、一般的には297μm〜840μmの粒
度範囲が80%以上の自然砂(玄武岩、他)を5〜15g/m2
の割合で散布するのが好ましい。
〈c〉表面に砂(3)を散布した繊維セメント板(1)
を積載状態としてオートクレーブ養生する。
砂(3)は、アクリル系エマルジョン樹脂塗膜(2)
の接着効果により固着され、オートクレーブ養生中に脱
落することはない。この砂(3)の介在によって、繊維
セメント板(1)の相互の間には隙間(4)が生成し、
ブロッキングが防止され、しかも養生中に蒸気(5)が
この隙間(4)を流通するため、芯部での温度も上昇
し、オートクレーブ反応が進む。
このため、端部での応力集中によるクラック発生も抑
止される。
このような工程からなる繊維セメント板の製造につい
て、アクリル系エマルジョン樹脂の塗布量と砂の散布量
の相違による白華防止効果、ブロッキング防止効果、端
部クラック防止効果の差異を示したものが表1である。
砂を散布するこの発明の効果は良好であり、これを散布
しない比較例の場合にはブロッキングの発生は避けられ
ず、また、端部にはクラックが発生していた。
また、この表1からは、砂の粒度が細かすぎるとブロ
ッキング防止効果が低減することがわかる。
第2図は、繊維セメント板の積載状態での芯部での品
温を比較して示したものである。この発明の砂散布法の
場合(A)には、芯部の品温はすぐに上昇するものの、
砂を散布しない場合(B)には芯部の品温が上昇しない
ことがわかる。
なお、この比較には、厚み5.0〜5.4mm、板寸法1.2×
2.7mmの板材を120シート積載した場合について示してい
る。砂散布の場合(A)には、400〜500μm粒度が75%
の砂を10g/m2散布している。
(発明の効果) この発明により、以上詳しく説明した通り、積載状態
のオートクレーブ養生で、白華もなく、かつ、ブロッキ
ングおよび端部クラッツの発生のない新しい積載セメン
ト板の製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の方法を例示した工程断面図であ
る。第2図は、この方法における端部の品温変化につい
て比較例とともに示した品温・時間相関図である。 第3図は、従来法の工程断面図である。第4図および第
5図は、従来法における端部クラック発生および外周部
と芯部との品温の格差を示した斜視図と品温・時間相関
図である。 1……繊維セメント板 2……アクリル系エマルジョン樹脂塗膜 3……砂 4……隙間 5……蒸気

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維分を配合したセメント板の表面にアク
    リル系エマルジョン樹脂を塗布し、その直後に砂を散布
    し、次いでこのセメント板を積載状態でオートクレーブ
    養生することを特徴とする繊維セメント板の製造方法。
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