JP2680192B2 - 血液凝固タンパク質のアンタゴニストおよびその利用方法 - Google Patents

血液凝固タンパク質のアンタゴニストおよびその利用方法

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JP2680192B2 JP3518610A JP51861091A JP2680192B2 JP 2680192 B2 JP2680192 B2 JP 2680192B2 JP 3518610 A JP3518610 A JP 3518610A JP 51861091 A JP51861091 A JP 51861091A JP 2680192 B2 JP2680192 B2 JP 2680192B2
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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    • A61P7/02Antithrombotic agents; Anticoagulants; Platelet aggregation inhibitors
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Description

【発明の詳細な説明】 関連出願 本出願はソウルとブランクの「血液凝固タンパク質の
アンタゴニストおよびその利用方法」と題する1990年10
月22日に出願され、米国特許庁に係属している米国特許
願第07/601,454号の一部継続出願であり、当該出願は添
付の図面と共に参考として本願に含まれる。
発明の分野 本発明は抗体およびその機能性フラグメントに関す
る、特に血栓症性疾患の患者の治療や血栓症性疾患の予
防を、特定の血液凝固関連タンパク質に対するイムノグ
ロブリンタンパク質およびそのフラグメント又は誘導
体、あるいはそのエピトープ領域を含有する抗血栓剤を
用いて行うことに関する。
発明の背景 止血は損傷を受けた血管からの出血の自発的停止であ
る。例えば、前毛細血管はある1本が切れれば即座に収
縮する。血管の破裂部位あるいは傷害された血管へ露出
した内皮下の血管組織においては、2つの動きが即座に
生じる。この止血系の2つの幹はそれぞれ多くの分子の
活性化を含む。凝固(凝塊)系では即座にトロンビンの
製造を始動し、血小板がマトリックスタンパク質に粘着
する。血小板は、その一部分がトロンビンによって活性
化され、アデノシンジホスフェート(ADP)を遊離し
て、さらなる血小板の凝集を、血中のフィブリノーゲン
を不溶性のフィプリンゲルへの転化と提携して血小板の
プラグの形成へ導く。この止血によるプラグはさらなる
酵素的架橋によって強化される。時間が経つと、これは
組織の修復に伴って溶解され、局所血管壁あるいは組織
に残存する病変を伴ってあるいは伴わない正常組織およ
び血管となる。
血栓は一方あるいは両方の止血過程が変化した、病原
となる状態である。この状態において、血管内(動脈あ
るいは静脈)の血栓は止血の病的な障害によるものであ
る。血小板の多い血栓形成は、例えば循環している血小
板が動脈血管の壁に付着することによって開始されると
考えられている。この開始時の付着、トロンビンあるい
は他のアゴニストによる活性化および付随する血小板か
らのADPの遊離に続いて血小板−血小板間の相互作用あ
るいは凝集が生じる。フィブリンの形成は血小板血栓と
関連するが、これは重要な成分ではない。動脈の血栓
は、血流を遅らせるような範囲にまで成長して閉塞性と
なる。
これに対して、フィブリン優勢の血栓は最初に血管内
の血液の滞留する領域あるいは血流の遅い領域に生じ、
イン・ビトロで形成される血餅と類似している。静脈の
血栓のほとんどが赤血球および血小板をからませたフィ
ブリンネットワークからなる。静脈の血栓は長い「尾」
を引き、剥離しやすく、肺動脈の塞栓を生じる。こうし
て、動脈の血栓は局所の虚血により重篤な疾患を生じ、
一方で静脈の血栓は主に遠位塞栓によりそれを起こす。
ADP刺激血小板相互作用によってのみ徐々に形成され
た血小板栓は不安定であり、血小板の初期凝集および粘
性変形の後すぐ、上記の如くフィブリンが血小板血栓の
重要な成分となる。血小板の塊の部位における血液凝固
反応の活性化によってトロンビンの生成が行われる。こ
のトロンビンは最初に付着した血小板を活性化し、さら
なる血小板の凝集を刺激する。血小板凝集は血小板から
のADPの遊離を誘導することのみならず、ADPより強力な
血小板凝集剤であるプロスタグランジン類の生成を刺激
すること、およびプロトロンビナーゼ複合体を活性化し
た血小板上へ集め、非常に強力な血小板活性化剤である
トロンビンの形成を加速させることによっても刺激され
る。
血液凝固はフィブリンを形成させる。1ダース以上の
タンパク質の相互作用がタンパク質分解反応の一連のカ
スケードに含まれる。各段階においては、凝固因子ザイ
モーゲン(zymogen)が制限されたタンパク質分解を受
け、そしてそれ自身が活性プロテアーゼとなる。この凝
集因子酵素は次の凝集因子ザイモーゲンを活性化させ、
これはフィブリノーゲンを不溶性のフィブリン塊につな
げるトロンビンに形成されるまで続く。血液凝固因子に
は第I因子(フィブリノーゲン)、第II因子(プロトロ
ンビン)、組織因子(依然は第III因子として知られて
いた)、第IV因子(Ca2+)、第V因子(不安定因子)、
第VII因子(プロコンベルチン)、第VIII因子(抗血友
病性グロブリンあるいはAHG)、第IX因子(クリスマス
(Christmas)因子、第X因子(スチュアート(Stuar
t)因子)、第XI因子(血漿トロンボブラスチン前駆物
質あるいはPTA)、第XII因子(ヘイグマン(Hageman)
因子)、第XIII因子(フィブリン安定化因子)及びHMW
−K因子(高分子量キニノーゲンあるいはフィツジェラ
ルド(Fitzgerald)因子)、PRE−K因子(プレカリク
レインあるいはフレッチャー(Fletcher)因子)、Ka因
子(カリクレイン)およびPL因子(リン脂質)を含む。
フィブリノーゲンは酵素トロンビン(第II a因子)の
基質であり、このトロンビンは循環系のザイモーゲンで
あるプロトロンビン(第II因子)の活性化によって凝固
過程において形成されるプロテアーゼである。プロトロ
ンビンは活性化第V因子、Ca2+およびリン脂質の存在下
で活性化第X因子によりトロンビンに転化される。
活性な第X因子を形成してプロトロンビンを活性化す
るに至るまでには、2つの異なる経路があり、内因系お
よび外因系と呼ばれている。内因系では、凝固に要する
すべてのタンパク質因子は循環血中に存在する。外因系
では循環血中には存在しない組織因子が損傷を受けた血
管内皮上および、動脈硬化症のプラーク細胞あるいは血
管壁の外側の細胞によって活性化されたモノサイト上に
発現される。組織因子はその後レセプターとして、そし
て第VII因子のコファクターとして機能し、2分子酵素
[組織因子:VII a]となり、凝固の外因系経路を始動さ
せる。この機構はまた凝固の内因系経路も活性化させ
る。組織因子経路は非常に迅速に血液を凝固させる。
血液はさらに凝固の内因系経路を通しての接触系にお
いても凝固されることが可能である。この機構は、恐ら
く多くの反応を必要とするため、組織因子経路より幾ら
か遅い。内因系および外因系の両方の経路が適性な止血
のためには正常でなくてはならない。ズォールら(Zwaa
l,R.F.A.and Hemker,H.C.)「血液細胞膜および止血」
ヘモスタシス(Haemostasis)第11巻第12〜39頁(1982
年)参照のこと。
血栓症および様々な関連する疾患は1あるいはそれ以
上の凝固プロテアーゼカスケード経路の活性化に関連
し、あるいはその結果であり、凝固/抗凝固/フィブリ
ン溶解経路の調節が狂うと生じる。これらの疾患の患者
は米国内におよそ250万人いる。45才以上の米国人口の
およそ3%毎年が何らかの形で血栓症性疾患を生じるか
あるいは播種性の血栓症にかかっている。他の血栓症性
疾患は遺伝的であり、常に約100,000人に影響を及ぼし
ている。45までにこのような患者の70%が死亡する。
後天的な血栓症性疾患である冠動脈血栓症は1年に約
150万例、肺血栓塞栓症は1年におよそ40万例および敗
血症性ショックは年30万例以上、播種性血管内凝固(DI
C)は年間約5万例および深部静脈血栓症は年間17万5
千例発生し、優勢である。しかしながら、髄膜炎菌血
症、出血性発熱ウイルス感染および他の疾患もかなりの
罹病率あるいは死亡率を示す。例えば、カプラン(Kapl
an,K.)の「血栓症における凝固タンパク質」コールマ
ン(Colman,R.W.)ら編集、止血と血栓症(Hemostasis
and Thrombosis)第1098頁(第2版、リッピンコット社
(J.B.Lippincott Co.))参照のこと。播種性血管内凝
固の最も重篤な急性症状のいくつかは、子供に対して様
々な二次感染を引き起こす。現在の血栓症性疾患の治療
は全く満足できるものではなく、抗凝固剤、抗血栓剤お
よび血栓溶解剤の使用を含むものである。
最もよく知られている抗凝固剤の一つはヘパリンであ
る。1922年に発見されたヘパリンは、グリコサミノグリ
カンと呼ばれる不均一な一群の直鎖状陰イオン性ムコ多
糖であり、その分子量は平均15000ダルトンである。ヘ
パリンの市販品は2種の反復二糖:D−グルコサミンL−
ヨウドウロン酸およびD−グルコサミンD−グルキュロ
ン酸の多量体からなる。これはウシ肺およびブタ小腸粘
膜から調製されるが、ヒツジおよびクジラからも得られ
る。
ヘパリンは肥満細胞を含む哺乳動物組織の細胞内にあ
るが、750,000ダルトン以上の高分子型でのみ存在す
る。さらに、このヘパリンは市販ヘパリンの10〜20%の
抗凝固活性しか有さない。ヘパリンに似た化合物である
硫酸ヘパランは抗凝固作用は劣るが哺乳動物の細胞に普
遍的に存在する成分である。天然ヘパリンが肥満細胞の
変色性顆粒中での結合、不活性状態から放出されると、
マクロファージに摂取され、速やかに破壊される。ヘパ
リンは循環血中には検出されない。
静注すると市販のヘパリンは血液凝固を妨害する。こ
れは、セリンプロテアーゼインヒビターであっていくつ
かの活性化された凝固因子、すなわち第XII a因子、カ
リクレイン(活性化フレッチャー因子)、XI a、IX、X
aおよびトロンビン(II a)を中和する抗トロンビンIII
と複合体を形成することによって作用する。しかしなが
ら遊離のトロンビンおよび活性化第X因子(X a)を抑
制するのに対して最も活性である。抗トロンビンIIIは
トロンビンを不活性化する唯一の巨大分子であると考え
られていたが、現在では他の血漿タンパク質であって同
様の活性を有するものが知られている。抗トロンビンII
Iはセリンプロテアーゼと不可逆性複合体を形成し、け
っかとしてこれらのタンパク質因子を不活性化させる。
グリフィス(Griffith,M.J.)の「ヘパリン触媒抑制剤
/プロテアーゼ反応:ヘパリンの作用の通常のメカニズ
ムの速度論的解析」プロック・ナチュール・アカド・サ
イ・USA(Proc.Natl,Acad.Sci USA)第80巻第5460〜546
4頁(1983年)。ヘパリンは反応速度を著しく高める
が、この反応の程度を高めることはない。明らかにヘパ
リン、抗トロンビンIII、凝固因子間に三重複合体が形
成される。ビジョークら(Bjork,I.and Lindahl,U.)
「ヘパリンの抗血液凝固作用の機構」(モル・セル・バ
イオケム(Mol.Cell.Biochem.))第48巻第161〜182頁
(1982年)。低濃度のヘパリンは抗トロンビンIIIの活
性、特にX a因子とトロンビンに対する活性を増加させ
るが、これは治療手段として低用量のヘパリンを投与す
る根拠となる。
精製されたヘパリンの市販製剤は比較的毒性がない
が、ヘパリンの主な副作用は出血である。ヘパリンはま
た約25%の患者において軽い血小板減少症を生じさせる
ことがあるが、重篤な血小板減少症は殆ど無く、動脈血
栓がたまに生じる。ヘパリン誘導血小板凝集の結果の軽
度の反応の一方で、ヘパリン依存性抗血小板抗体複合体
の形成に続いて起こる重篤な血小板減少症を導く。すべ
てのヘパリンを投与された患者の血小板数は常にモニタ
ーする必要があり、新たな血栓はヘパリン治療の結果と
して生じるかもしれず、血小板減少症は出血症状を誘導
し、これはヘパリン誘導性であると考えられること、そ
してこの血栓症はヘパリンが間欠投与をされるべきであ
ることおよび抗血小板凝集剤および/または経口抗凝固
剤に変えるべきであることが理解される。
「低用量」ヘパリンを投与している患者にさえ重篤な
血栓閉塞症、止血、および死亡が生じることがある。ヘ
パリン療法はさらに、大量のエタノールを消費した患
者、薬物に敏感な患者、盛んに出血している患者あるい
は血友病、紫斑病、血小板減少症、頭蓋出血、細菌性心
内膜炎、活性結節、抹消血管透過性増加、総ての種類の
胃腸管の部位、重篤な高血圧症、切迫流産および内蔵性
癌患者には禁忌である。さらにヘパリンは脳、眼あるい
は脊髄の外科手術の間あるいはその後には使用されず、
腰椎穿刺あるいは領域麻酔ブロックを受けている患者に
は投与されない。(グッドマンとギルマンの「薬物治療
の基礎と臨床」第7版第1339〜1344頁(1985年)) 医療用に市販されている幾つかの経口抗凝固剤があ
る。多くの抗凝固薬物は4−ヒドロキシクマリンあるい
はその関連化合物の誘導体、インダン−1,3−ジオンと
して合成されたものである。クマリン誘導体の抗血液凝
固活性に対する重要な化学的性質は、インタクトの3位
が炭素である4−ヒドロキシクマリン残基による。これ
らの誘導体の多くは異なる薬動力学的性質および毒性を
有するが、ワルファリンナトリウムが米国においては最
も広く経口抗凝固剤として使用されている。
経口抗凝固剤の主な薬理学的硬化は、ビタミン−K依
存性凝固因子例えば第II、第VII、第IXあるいは第X因
子が肝臓において生成後に受ける化学修飾を抑制して血
液凝固を抑えることである。これらの薬物はイン・ビボ
でのみ作用するので間接抗凝固薬とも呼ばれるが、一
方、ヘパリンはイン・ビトロでも作用するので直接凝固
薬と呼ばれる。再び、止血が経口抗凝固薬両方で生じる
主な副作用であり、このような療法は常に監視下に置か
なくてはならない。合併症を多い順に上げると、斑状出
血、血尿、至急出血、メレナまたは下血、鼻血、血腫、
歯肉出血、喀血、吐血である。上記のヘパリンの使用に
関する禁忌症は全て、経口抗凝固薬に同様にあてはま
る。
抗血小板薬は血小板の機能を抑え基本的には動脈血栓
症に使用されるが、ワルファリンおよびヘパリンのよう
な抗凝固剤は凝固因子の生合成あるいは機能を抑え、静
脈血栓症の制御に用いられる。数多くの抗血小板薬があ
るが、最もよく知られているのはアスピリンである。こ
れらの薬剤の急性治療における効能は、しかしながら確
立されておらず、実際にはアスピリン出血という問題が
ある。
血栓溶解薬にはストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、
組織プラスミノーゲン活性化物質およびAPSAC(アシル
化プラスミノーゲン・ストレプトキナーゼ複合体)が含
まれる。これらは急性血栓症の治療に効果を示すタンパ
ク質である。これらは、内因性プラスミノーゲンの活性
化を促進し、フィブリンを加水分解する活性化酵素であ
るプラスミンを生成することによって血栓を溶解する。
しかしながら、これらの薬剤の使用は急性血栓症に限定
されている。フィブリン溶解剤は基本的には慢性の冠動
脈血栓症患者の治療に用いられる。
血液凝固プロテアーゼ・カスケードの血管内での活性
化の様々な状態に対する効果的な治療は、血栓症あるい
は例えば血管運動虚脱(敗血症性ショック)および他の
播種性血管内凝固のようなより重篤な形態に対しては十
分に満足のゆくものではなく、敗血性ショックの場合に
は全く満足できない。迅速に動脈性血栓症を完全に止め
ることができる効果的な治療法の探求は重要な課題であ
る。近年の研究からヘパリンは組織プラスミノーゲン活
性化剤の血栓溶解療法の終了した患者の11〜20%に生じ
る再血栓形成における再血栓症に対しては全く効果がな
いという結果が得られた。
本発明は、これらの必要性に応えてなされたものであ
り、第VII因子のアンタゴニスト類、および第VII a因子
および組織因子:第VII a因子複合体の血液凝固促進作
用に特異的なアンタゴニストに関する。本発明には大腸
菌(E.coli)のようなバクテリア類を含む細胞系、また
は融合セルラインにより製造されるモノクローナル型の
抗体を含み、この抗体およびその機能性フラグメントは
あらかじめ第VII因子、第VII a因子、および/または組
織因子と第VII a因子の2分子複合体に対して特異性を
有しており、これらのターゲット類を中和するのに効果
的であることに特徴付けられ、播種性血管内凝固(DI
C)のような症候群および静脈内血栓に対する抗血栓剤
として適応できることが発見されたものである。本発明
はさらにこれらのモノクローナル型抗体を第VII因子、
第VII a因子および上記の2分子複合体の精製方法、お
よび第VII因子、第VII a因子および組織因子/第VII a
因子2分子複合体のイムノアッセイあるいは免疫検出に
用いる事も含む。生物試料から得られた抗原を含有する
第VII因子、第VII a因子および組織因子/第VII a因子
2分子複合体の精製は、この生物試料を、本発明の新規
なモノクローナル型の抗体あるいは抗体のフラグメント
を固相に結合した免疫吸着カラムあるいはスラリーを通
すイムノ−アフィニティクロマトグラフィーによってな
すことができる。生物試料中の第VII因子、第VII a因子
および組織因子/第VII a因子2分子複合体の検出ある
いはこれらのターゲット抗原がある生物試料に含有され
ているの濃度を調べるイムノアッセイは該試料を既知量
の新規な本発明のモノクローナル型抗体に接触させ、そ
の結果吸着したモノクローナル抗体の量を測定すること
によってなされる。
第VII因子は活性セリンプロテアーゼのビタミンK−
依存性ザイモーゲンである。第VII因子は組織因子と血
中で複合体を形成する機能を有し、VII aへと転化する
のに際してこの複合体を形成してその後第X因子を第X
因子を第X a因子へと変化させることによって活性化す
る。凝固促進作用は組織因子:第VII a因子複合体にの
み関する。遊離第VII因子および遊離第VII a因子は組織
因子:第VII複合体と同様、凝固促進作用は有していな
い。第VII因子は約50,000ダルトンの一本のポリペプチ
ド鎖であり、精製系において第X a因子、第IX a因子、
トロンビンおよび第XII a因子による蛋白質分解作用に
よりジスルフィド結合が切れて活性化される。タカセ
ら、「ヒト第VII因子に対するモノクローナル抗体:VII
agの1段階イムノラジオメトリック・アッセイ」ジェイ
・クリン・パソール(J.Clin.Pathol.)第41巻第337〜3
41頁(1988年)。ヒト第VII因子を部分的あるいは完全
に活性化した場合、ジスルフィド結合でつながった2本
のポリプペチド鎖が得られる。第VIIおよび第VII a因子
は本書類中においては交換して用いることができ、ター
ゲットの交換可能性が指摘される場合にはVII/VII aと
する。
ケーラー(Kohler)とミルスタイン(Milstein)によ
り開発されたハイブリドーマ技術によって、現在では特
定の結合部位に対して均一なアフィニティーを有する、
本質的に均質な組成物であるモノクローナル抗体を調製
することが可能である。これらの研究者らによるマウス
のハイブリドーマの製造はネイチャー(Nature)第256
巻第495〜497頁(1975年)およびユーロ・ジェイ・イム
ノール(Eur.J.Immunol.)第6巻第511〜519頁(1976
年)に記載されている。さらに、ハーロウおよびレーン
(Harlow,E.and Lane .)らの「抗体:実験マニュア
ル」(コールド・スプリングス・ハーバー・ラボラトリ
ー1988年)に手法が記載されている。このハイブリドー
マ法によって組織培養に適合するマウス骨髄腫細胞は免
疫したマウスの脾臓細胞と融合されてハイブリドーマと
呼ばれ、1種類の抗体分子を大量に生産する融合細胞を
得る。一般に動物は抗原物質を注射され、この免疫した
動物に特定の液性の応答が生じた場合に特定のスクリー
ニング手法が開発される。免疫した動物のテスト用放血
からの血清が様々なスクリーニングに用いられ、効果的
な手法が確立された後、実際のハイブリドーマの製造を
開始する。融合数日前に動物には抗原物質試料によって
ブーストされるが、この融合は通常は、ガルフェら(Ga
lfe)のネーチャー第266巻第550〜552頁(1977年)に記
載されているようにポリエチレングリコールの存在下で
行い、その後リトルフィールド(Littlefield)により
サイエンス第145巻第709〜710頁(1964年)に記載され
たごとくHAT培地(ヒポキサンチン、アミノプテリンお
よびチミジン)にて選択を行う。この融合のために、免
疫した動物から得た抗体産生細胞が骨髄腫細胞と混合さ
れ、融合される。この融合の後、細胞は選択培地で希釈
されマルチウエル培養ディッシュへ撒かれる。ハイブリ
ドーマはこの融合約1週間程の期間で試験に用いること
もできるが、これは正確なものではない。陽性のウエル
から得た細胞は増殖させ、継代培養し、その後単一細胞
のクローン化を行う。
ハイブリドーマの製造の最初から最後までにかかる期
間が2カ月以下であることはめったになく、1年以上か
かることもよくある。モノクローナル抗体の製造は3つ
の場面があると記載されている:(1)動物の免疫
(2)スクリーニング方法の確立および(3)ハイブリ
ドーマの製造。これらのうちのどの場面においても大変
素早く進める必要があるがそれぞれ特有の問題を有して
いることもまた理解されるべきである。例えば免疫化は
事実上どのような興味ある外来抗原でも行うことができ
るが、所望のモノクローナル抗体を製造するため、多く
の困難が生じそして特定の場合には様々な変法が要求さ
れる場合もある。特定のハイブリドーマを調製する試み
に先立っては、所望のハイブリドーマが得られること、
得られた場合にはそれが抗体を産生することあるいはこ
うして産生された抗体が所望の特異性あるいは性質を有
することに対する確証はない。ハーロウおよびレーン
(前出)第6章。
ヒト第VII因子に対するモノクローナル抗体の製造は
報告されており、これらの試薬は免疫除去血漿の調製あ
るいは第VII因子欠損患者内の第VII因子交叉反応性物質
の検出に使用されていると記載されている。(同書)第
VII因子に対するモノクローナル抗体を第VII因子:agの
イムノラジオメトリック・アッセイに1段階で用いるた
めに製造する方法も報告されている。(同書)著者らは
マウスのモノクローナル抗体を3つ報告しているが、そ
のうちの2つは第VII因子:agに結合すると記載され、ま
たそのうちの2つはイン・ビトロにおいて第VII因子の
インヒビターであると記載されている。ハワードら、ジ
ェイ・クリン・ケム第35巻1161頁も参照のこと。第VII
因子あるいは第VII a因子のどちらかに対するモノクロ
ーナル抗体も、第VII a因子の組織因子への結合を妨害
して治療する、あるいは組織因子/第VII a因子複合体
の活性を中和するとは記載されていない。
発明の概容 本発明はリコンビナントなセルラインあるいはハイブ
リッド・セルラインにより産生される新規なモノクロー
ナル抗体あるいは抗体のフラグメントを提供するが、こ
の抗体類は特定のターゲット、すなわち第VII因子、第V
II a因子、組織因子と第VII a因子の2分子複合体およ
びこれらの特定のエピトープ領域に対してある先に決め
られた特異性を有しており、これらのターゲットと結合
した場合に中和する能力を有している。これらの第VII
因子および第VII a因子に対して競合的な組織因子の非
機能性代用薬として結合するため、血液凝固プロテアー
ゼカスケードの活性化を中和する。これらの抗体は上記
血液凝固プロテアーゼカスケードの活性化が病原的作用
を及ぼす血栓症状および関連の疾患の予防および治療に
有用である。特定の抗体はまた、第VIIおよびVII a因
子、そして組織因子/第VII a因子2分子複合体の精製
およびこれらのターゲット抗原のイムノアッセイにおい
ても有用である。
本発明はさらに、外因系血液凝固カスケードを選択的
に妨害する薬剤によって症状を軽減する哺乳類の初期の
あるいは実存する血栓症状疾患を防止あるいは治療する
方法を提供するが、この方法は哺乳類に必要に応じて組
織因子:第VII a因子複合体アンタゴニストの予防ある
いは治療効果の上がる量を投与することを含む。本発明
は急性播種性血管内凝固、敗血症性ショック、冠動脈血
栓症、臓器移植拒絶および深部静脈血栓症を含む血栓症
性疾患の予防および治療法である。効果的な組織因子:
第VII a因子複合体アンタゴニストにはモノクローナル
型の抗体、好ましくはハイブリドーマセルラインATCC H
B 10558によって産生される抗体の組織因子:第VII a因
子アンタゴニスト性質を有するモノクローナル抗体また
はそのフラグメントを含む。本発明はさらに、第VII/VI
I a因子の分子上のループ領域のすべてあるいは一部、
好ましくは第VII/VII a因子分子上の195〜208位のアミ
ノ酸からなる構造ループ領域と複合体を形成する能力を
有するモノクローナル抗体を提供する。
本発明はまた、組織因子:第VII a因子複合体アンタ
ゴニストの効果的な量をを含む血栓症性疾患状態の予防
あるいは治療に有用な組成物を提供する。このような組
成物にはモノクローナル抗体および/または上記のモノ
クローナル抗体のフラグメントを含有していてもよい。
本発明はさらに、実質的に組織因子:第VII a因子複合
体の血液凝固促進活性を抑制する、実質的に精製された
および精製製剤であるモノクローナル抗体あるいはモノ
クローナル抗体フラグメントを提供する。本発明はま
た、このようなモノクローナル抗体およびモノクローナ
ル抗体のフラグメントを産生するハイブリドーマセルラ
インを提供する。ある動物種を1あるいはそれ以上の第
VII a因子構造ループ領域からなる免疫源で免疫するこ
とを含むこのようなハイブリドーマ・セル・ラインを調
製する方法も本明細書に記載され、請求の範囲とされて
いる。
モノクローナル型の抗体あるいは抗体のフラグメント
であって組織因子:第VII a因子複合体と特異的に反応
するが遊離の第VII a因子を実質的に抑制することのな
いモノクローナル型の抗体あるいは抗体のフラグメント
を哺乳類に投与することを含む組織因子:第VII a因子
複合体の血液凝固促進作用をイン・ビボで抑制する方法
もまた、記載され請求の範囲とされている。
第VII a因子および組織因子/第VII a因子2分子複合
体に対する特異性を有する本発明のモノクローナル型抗
体は生物試料よりここに記載した方法によって単離する
ことができる。
図面の簡単な説明 この明細書は特に本発明を構成するものであると見な
される内容を特に指摘し、明確に権利請求している請求
の範囲にまとめているが、添付の図面を考慮に入れて以
下の記載から本発明はより良く理解されるであろう。
FIG.1は血液凝固カスケードを示す概念図であり経路
は、表面(接触)活性化、内因系および外因系活性化お
よびおよび最終通常経路に分けられる。実践は前駆体ザ
イモーゲンの酵素の直接活性化を示し、点線は両方のポ
ジティブおよびネガティブフィードバックを示す。PLは
リン脂質を示す。
FIG.2は12D10モノクローナル抗体および12D10 F(a
b)フラグメントが2段階プロトロンビン時間テストに
おいてカルシウム再添加ヒト血漿凝固の抑制能を示す。
FIG.3は12D10 F(ab)を静脈内投与した後の時間に対
する血漿PT(プロトロンビン時間)および第VII因子の
凝固活性を示すグラフである。
FIG.4は12D10 F(ab)を静脈内投与した後の時間に対
するPTおよび第VII因子凝固活性のグラフを示す。
FIG.5は12D10 F(ab)を静脈内投与した後の時間に対
するPTおよび遊離のVII/VII a抗原を示すグラフであ
る。
FIG.6は12D10 F(ab)フラグメントの静脈内投与の時
間に対するPTおよび12D10 F(ab)濃度を示すグラフで
ある。
FIG.7は一匹のチンパンジーに12D10 F(ab)の投与前
および投与後のPTを示すグラフである。
発明の詳細な開示 図1に特に示されたように、血液凝固はヘイグマン因
子(XII)が接触活性化を受け、表面に結合しはじめた
時に開始することができる。この表面結合因子XIIは高
分子量キニノーゲン(HMW−K)の存在下でカリクレイ
ン(Ka)によるタンパク質分解性の活性化を受ける。こ
の表面活性化(接触系、内因系経路)はイン・ビトロの
血液凝固を開始させるが関連するイン・ビボ機構ではな
いと考えられている、この経路の欠損(XII、プレカリ
クレインおよびHMW−K)はイン・ビトロの凝固時間を
遅延させるが、止血異常とはならない。
第XII a因子はフィードバック回路のアームを構成
し、HMW−Kの存在下でプレカリクレイン(Pre−Kある
いはフレッチャー因子)からのKaをさらに活性化させ
る。HMW−Kの存在下で第XII a因子または、第XI因子を
活性化する。Ca2+の存在下で第XI a因子は第IX因子を第
IX aに蛋白質分解で活性化する。第VIII因子、第IX a因
子、Ca2+、血小板からのリン脂質ミセル(PL)は第X因
子とリポタンパク質複合体を形成し、これを活性化す
る。第V因子、第X a因子、Ca2+,PLはまた、第II因子あ
るいはプロトロンビンとリポタンパク質複合体を形成
し、それをII aあるいはトロンビンに活性化する。続い
て、トロンビンは大きなフィブリノーゲン(I)分子か
ら2つの小さなペプチド対を切り放し、その後直ちに可
溶性フィブリンの非共有結合性凝集体が形成される。第
XIII因子はトロンビンによりXIII aに活性化され、隣接
フィブリン単量体と共有結合性に交差結合し、不溶性フ
ィブリン塊を形成する。
組織因子はエンドトキシネミア(endotoxinemI a)の
結果一般化シュワルツマン反応(DIC)の血液凝固を開
始させるという重要な事実がある。カプラン(Kaplan,
K.)の血栓における凝固タンパク質。止血と血栓症(前
出)第1098頁。フィブリンの微小な血栓が致死DICにお
いては一様に認められ、また大動脈および大静脈の血栓
症においては40%にこれが認められる。ミンナら(Minn
a,J.D.,Robboy,S.J.,Colman,R.W.)ヒトにおける播種性
血管内凝固、シー・シー・トーマス(C.C.Thomas)1974
年。白血球の関与が必要であり、血液凝固促進(血栓形
成)場面へエンドトキシンによって誘導される、セマラ
ロ(Semararo,N.)ら。「エンドトキシン誘導性DICにお
ける白血球の凝固促進活性の機構:ラットおよびウサギ
における比較研究の結果から」エージェンツ・アクショ
ンズ(Agents Actions)第11巻第646頁1981年26は組織
因子を説明している。コラッチ(Colucci,M.)の「培養
ヒト血管内皮細胞がエンドトキシンに応じて組織因子を
産生する」ジェイ・クリン・インベスト第73巻第1893頁
1983年。同時に、血管内皮細胞にもまた組織因子の発
現、血管凝固開始および抗凝固性の低下が誘導される。
ムーア(Moore,K.L.)「エンドトキシンが組織因子を増
加させ、イン・ビトロにおいてヒト血管内皮細胞のスロ
ンボモジュリン(thrombomodulin)を抑制する。」ジェ
イ・クリン・インベスト第79巻第124〜130頁(1987
年)。
外因系凝固カスケードは組織因子を発現している細胞
の表面上に[組織因子:VII]と[組織因子:VII a]の複
合体が形成されることによって開始すると考えられてい
る。組織因子は通常は血液細胞や血管内皮細胞には発現
されていないが、LPS、TNFアルファあるいはIL−1の刺
激に続いて血管内皮細胞はこの分子を転写して発現す
る。組織因子の発現されている分子数が少ないにもかか
わらず、第VII因子は結合され、結合した第VII因子のX
a因子フィード・バック活性化によって迅速にVII aに転
化する。血管内皮細胞の第IX/IX a因子受容体(IX−
R)および第VIII因子(X aあるいはトロンビンのフィ
ードバックにより第VIII a因子に活性化された)は第X
因子の限定的タンパク質分解性活性化による第X a因子
産生の速度を顕著に上昇させる。細胞の表面に細胞表面
関連因子V(トロンビンフィードバックにより活性化さ
れた)はさらにX aのVmaxを増幅し、血漿ヘパリン:AT−
IIIプロテアーゼインヒビターによる制御を防止する。
プロトロンビンは効果的にトロンビンに転化されてこれ
がフィブリノーゲンをフィブリンに転化させ、化学走行
剤として働くプラスミノーゲン活性化剤のインヒビター
Iの遊離を導き、血小板を凝集させ、単球のMac−1レ
セプターの活性化をし、そして他の炎症性効果を生じさ
せる。
現在のところこの外因系経路の抑制をするのに効果的
な薬物はない。ヘパリンは効果がないことが示されてい
るが、にもかかわらず臨床投与を続けると血小板への影
響という第2の問題が付随する。抗トロンビンIII欠損
性DICにおいてはヘパリンは直接抗凝固薬ではなく、
[ヘパリン:抗トロンビン−III]複合体として存在す
る場合にトロンビン抑制剤である抗トロンビン−IIIの
コファクターとしてのみ有用であるからである。抗血小
板薬物は血液凝固プロテアーゼカスケードを抑制せず、
この薬物は血小板に必要な止血性質を減少させるのみで
ある。ビタミンKに支援される第VI、IX、IX因子および
プロトロンビンのガンマカルボキシル化を妨害するワル
ファリン療法は非常に遅く、プロテインCおよびプロテ
インSのガンマカルボキシル化の抑制のため天然の抗血
液凝固経路の活性の減少を伴う。本発明は、[組織因
子:VII a]のタンパク質分解性複合体の始動というでき
るだけ早い段階でこの反応経路を抑制することによって
この要求に答えるものであり、組織因子陽性細胞、すな
わち血管内皮細胞、単球およびアテローム性動脈硬化栓
内の組織因子陽性泡沫細胞による血管内での血液凝固の
始動をブロックするものである。
本発明は中和アンタゴニスト代用薬コファクター、好
ましくは組織因子とVII/VII aの機能性2分子開始複合
体に対してのモノクローナル抗体あるいは抗体のフラグ
メント、より好ましくはこの組織因子:VII a複合体ある
いはこれに代えてVIIあるいはVII a、好ましくはそのル
ープ領域に対する中和モノクローナル抗体を用いる。こ
のようなモノクローナル抗体は[組織因子:VII a]に対
してVII/VII aの活性部位をブロックするように結合
し、VII aを組織因子から分離させ、あるいは基質のセ
リンプロテアーゼのザイモーゲンである第X因子あるい
はIX因子との連絡を競合的に抑制して血管細胞の血液凝
固開始を抑制し、血栓症性疾患の主要な発症経路を止め
る。
血液凝固の活性化は、長い間血栓形成および成長の中
心であり、また必要なものであると考えられてきたが、
血管内凝固の拡散に対しては、特に最も悪性の敗血症性
ショックにおいては多くの機構が働いている。TNFアル
ファに対するモノクローナル抗体はエンドトキシン媒介
性敗血症性ショックからヒヒ属を守ることがトレイシー
(Tracey K.J.)の「抗カケクチン/TNFモノクローナル
抗体は致死菌血症における敗血症性ショックを防止す
る」ネイチャー第330巻第662頁(1987年)により示され
ている、TNFアルファはエンドトキシン、IL−1および
毒性ショックトキシン1により誘導されるからである。
ミッシー(Michie,H.R.)「エンドトキシン投与後の循
環性腫瘍壊死因子の検索」エヌ・イング・ジェイ・メド
N.Eng.J.Med.)第318巻第1481頁(1988年)、ジュピ
ン(Jupin,C.)ら、「プロテインCがヒヒ属の大腸菌感
染の凝血異常および致死効果を防止する。」ジェイ・ク
リン・インベスト第79巻第18頁(1987年)。しかしなが
ら、抗TNFアルファあるいは抗LPSモノクローナル抗体は
一旦発病過程が確立した後には低い効果しかない。近
年、天然の抗凝血タンパク質である活性化プロテインC
の大用量投与が初期の敗血症性ショックの進行を止め、
さらには回復させることができることが示されている。
テイラー(Taylor,F.B.)「プロテインCがヒヒ属の大
腸菌感染の凝血異常および致死効果を防止する。」ジェ
イ・クリン・インベスト第79巻第918頁(1987年)。現
在、同じグループの同じモデルからの結果は、組織因子
に対するモノクローナル抗体によって血液凝固の開始を
止めることはヒヒ属への致死量の大腸菌のチャレンジに
おける敗血症性ショックの治療に効果があることを指摘
する(エジントン(Edgington)ら、「組織因子:分子
生物学とグラム陰性菌による敗血症ショックの病理生理
学における有用性」(「高危険性患者における微生物
学、化学療法および免疫学の問題」ガラシ(E.Garaci)
ら編集、レイバン・プレス(Raven Press)ニューヨー
ク第61巻第29〜37頁(1989年))。
抗−タンパク質抗体を製造するのに有用な一つの方法
はこのタンパク質配列のうちのタンパク質の表面にある
領域の合成ペプチドを用いて所望の抗体を調製し、およ
び/または選択することを含む。しかしながら第VII a
因子の場合は構造に関する実験データは得られていな
い。アミノ酸配列が知られているのみである。第VII a
因子は、X線結晶解析によってその構造が決定されてい
るいくつかの他のプロテアーゼとその触媒性ドメインに
おいていくらかの配列および構造的相同性を有する。こ
れらのプロテアーゼの配列は解析されており、第VII a
因子の触媒ドメインの配列が比較された。第VII a因子
分子には、より可変構造を取る領域と同様、非常に構造
が保存され、しばしばこのタンパク質のコア構造を示す
領域が発見された。可変構造を示す配列を有する領域を
ここでは「ループ」とよぶが、これらは触媒ドメインの
表面上に発見された。
第VII a因子の触媒ドィメインの配列中、11のループ
領域が同定された。含有するペプチドは第165〜177、19
5〜208、209〜218、234〜248、248〜258、263〜278、28
5〜295、313〜321、330〜339、348〜360および367〜390
位のアミノ酸からなる。第VII a因子の触媒ドメインの
構造のコンピューターモデルが構築され、構造的可変ル
ープの位置を確認した。一群のループは第VII a因子の
触媒部位の近辺に位置し、他は様々なプロテアーゼが不
活性一本鎖である第VII因子を酵素的に切断して活性化
2本鎖である第VII a因子に活性化する活性化部位の回
りに密集している。
中和を目的とする抗−第VII/VII a因子抗体のエピト
ープは、ループ領域に結合することによって第VII a因
子の活性を中和あるいは抑制するようその後規定された
抗体を製造するのに用いられる。これらのループが活性
部位にある場合には、これらに対する抗体の結合は例え
ば第X因子のような基質のその部位への接近をブロック
し、このため第VII a因子の機能を抑制する。このよう
にして外因系血液凝固経路をブロックする抗体が製造さ
れる。
ハイブリドーマの調製および第VII/VII a因子および
組織因子/第VII a因子複合体に対するモノクローナル
抗体の初期の性質は以下の実施例1に示した。パラメー
ターは抗原の調製、抗原の用量および形態、接種の経路
および免疫プロトコール、ハイブリドーマの製造および
モノクローナル抗体の選択、単離および最初の性質の解
析に関して記載している。12D10(ATCC HB 10558)と名
付けられたモノクローナル抗体の性質は説明されてい
る。この抗体は第VII/VII a因子に結合し、組織因子:
第VII a因子複合体の活性を劇的に抑制することが示さ
れた。実施例2の結果に示されているように、12D10抗
体は遊離の第VII a因子の活性を抑制することもでき
る。12D10モノクローナル抗体は第VII/VII a分子の195
〜208位のアミノ酸に特異的であることが実施例3に示
されている。実施例5に記載されているように12D10モ
ノクローナル抗体を分裂することは、さらに有益なこと
にその血液凝固抑制活性に影響を及ぼさなかった。
抗体およびその所望の結合部位にはF(ab)およびFv
フラグメントを含み、イムノグロブリン遺伝子ライブラ
リーのクローニングを含む工程により製造することがで
きる。ヒュース(Huse)ら、「ラムダファージ内のイム
ノグロブリン・レパートリーの大きな組み合わせライブ
ラリーの構築」サイエンス第246巻第1275〜1281頁(198
9年12月8日)。これらの方法を用いて、ベクタ系は脾
臓細胞より単離されたメッセンジャーRNA(mRNA)の、
増幅生成物の末端に制限部位を導入するオリゴヌクレオ
チドとのPCRによる増幅に続いて構築される。分離した
重鎖と軽鎖ライブラリーが構築され、ランダムに組み合
わされて共にこれらの分子を発現し、抗原の結合性で選
択されてもよい。一本鎖抗体をまた調製して利用しても
よい。
第VII a因子−組織因子2分子細胞表面活性化複合体
を中和する他のモノクローナル類は抗血栓モノクローナ
ル抗体の3つのクラスから製造され選択される。この3
つのクラスの抗体の特異性は、第VIIおよびVII a因子と
反応性でありアミド分解活性を中和するものを含む。抗
体の2つのサブセットが生み出される。一方は組織因子
と第VII/VII a因子の連絡を妨害して第VII a因子の活性
を抑制し、もう一方は直接第VII a因子の活性を抑制す
る。第2のクラスには第VII a因子とのみ反応性であり
アミド分解活性を中和するモノクローナル抗体を含み、
第3のクラスには組織因子と第VII因子の連携の結果発
現されるネオエピトープと反応して中和する抗体が含ま
れる。これらのネオエピトープ類は遊離の組織因子ある
いは第VII因子上には発現されず、それゆえ血液凝固開
始複合体に制限される。
この3つのクラスの抗体それぞれによって、抗血栓治
療への独特な機構でのアプローチがさらに可能となる。
第1クラスの抗体類は12D10モノクローナルの特異性に
よって規定される。第2の特異的クラスの抗体はリコン
ビナントの第VII a因子でマウスを免疫することによっ
て開発される。第VII a因子と反応するが第VII因子とは
反応しないモノクローナル抗体が選択される。好ましい
薬剤は、さきに形成された組織因子:第VII a因子複合
体の活性を抑制する。この機能性2分子複合体の上に発
現されるネオエピトープ類は、活性を中和するモノクロ
ーナル類の開発のための免疫原ターゲットとなる。これ
らの抗体はネズミの脾細胞を、最適なリン脂質の環境下
で先に調製した組織因子:第VII a因子の複合体を用い
てイン・ビトロ免疫化を行うことによって調製される。
イン・ビトロ免疫化はこの複合体のイン・ビボにおける
タンパク質分解性の不安定性質のため好ましい;しかし
ながら、ヘパリンで処置したマウスの標準的なイン・ビ
ボ免疫化もまた用いることができる。選択は遊離の組織
因子、第VII a因子と反応性である抗体と対立する、組
織因子:第VII a因子複合体と反応性である抗体のみを
同定するために行われる。これらの抗体類は障害あるい
は活性化の部位の血液凝固のみを抑制し、正常な止血に
は影響を及ぼさない。
実施例1 ハイブリドーマの調製と所望のモノクローナル抗体の
同定は以下のようにして行った。雌性バルブ・シー(ba
lb/c)マウスを、約6カ月以上の間保存したヒト血漿よ
り単離した精製ヒト第VII因子(第VII因子)で免疫し
た。完全フロイント・アジュバントを最初の免疫に、そ
して不完全フロイント・アジュバントをブースター免疫
に用いた。1から10マイクログラムのタンパク質を各免
疫において用いた。免疫の経路は腹腔内および皮下の両
方である。融合の3日前に生理的食塩水中の精製第VII
因子(20μg)の静脈内潅流ブーストを行った。脾臓を
取り出し、脾臓細胞をSP2/0ミエローマと以下の標準ハ
イブリドーマ方法にて融合させた。
スクリーニング方法としては3段階方法を用いた。第
1段階のスクリーニングでは第VII抗原あるいはVII a抗
原と反応するハイブリドーマの抗体を確認した。第2段
階のスクリーニングにおいては第VII a因子の機能的活
性を抑制することのできる抗体を、第X因子活性化色素
生成基質アッセイによる評価で確認した。第3段階のス
クリーニングにおいてはカルシウム再添加血漿の血栓形
成の抑制を2段階プロトロンビン時間テストによって評
価して確認した。
第1スクリーニングのアッセイは抗体の125I−第VII
因子への結合を調べるラジオイムノアッセイである。簡
単にいうと、96穴のポリ塩化ビニル製マークロリッター
プレート上に、シグマ・ケミカル・カンパニー(米国セ
ントルイス、MO)より購入した、アフィニティーで精製
したヤギ抗マウスIgGを受身被覆した。抗体被覆プレー
トはウシアルブミンでブロックし、培養上清(少なくと
も1:50に希釈)をこのプレートに結合させた。プレート
を洗浄して結合していない抗体を除き、125I−第VII因
子あるいは第VII a因子(100,000cpm/ウエル:第VII因
子の固有活性は6μCi/μg、第VII a因子の固有活性は
4μCi/μg)を添加して続いて培養した。このプレー
トを洗浄して結合していない第VII因子を除き、各ウエ
ルをガンマカウンターに移して結合した標識第VII因子
を測定した。ネガティブコントロールとしては抗t−PA
のような関係のないモノクローナル抗体を分泌するセル
ラインから得られたハイプリドーマの培養上清、滅菌培
養メディウムおよび緩衝液を含有する。過剰の非標識リ
ガンドとの125I−第VII因子の抗体への結合の競合はさ
らに特異性の測定にも用いた。
第2段階のスクリーニングは単離した抗体が、第X因
子からの第X a因子への添加として反映される組織因子
の触媒する第VII因子の活性を抑制する能力を評価す
る。ヒト膀胱癌のセルラインJ−82(ATCC HTB−1)
は細胞表面−関連組織因子を発現しており、組織因子お
よびリン脂質源として用いられる。第VII a因子の活性
の量に応じて色素を生成する第X a因子に対する色素生
成基質を用いた。逆に、色素は第VII因子の活性がブロ
ックされていれば生成されない。アッセイは以下のよう
にして行った。J−82細胞はトリス緩衝セーラインで1m
lあたり1×105細胞となるよう希釈した。50μの細胞
懸濁液を96穴ポリスチレン製マイクロリッター・プレー
トの各ウエルに添加した。少なくとも1:10に希釈した50
μのハイブリドーマの培養上清を適当なウエルに添加
し、さらに20mMのCaCl2を25μ添加した。ネガティブ
コントロールは関係の無いハイブリドーマの培養上清
(抗−tPAの上清)であり、およびポジティブコントロ
ールとしては10μMのPPACK(d−フェニルアラニン−
プロリン−アルギニン−クロロメチルケトン)である。
90nMの第X因子を25μおよびスペクトロザイムX a(S
pectrozyme X a)基質を50μ各ウエルへ添加した。続
いて30分間室温でインキュベーションし、OD−405を測
定した。最大活性(ネガティブコントロール)は緩衝液
あるいは関係の無いハイブリドーマの培養上清で処理し
た標本により得られる。このアッセイのPPACKにより得
られる完全な抑制(ポジティブコントロール)を以下の
表1に示した。 表1:第X因子活性化アッセイ 処理標本 OD−405 緩衝液 1.101 抗−tPAハイブリドーマ 1.151 培養止清(1:10)PPACK(1μM) 0.023 好ましいハイブリドーマより単離され、12D10と名付
けられたモノクローナル抗体の第VII/VII a因子結合ア
ッセイおよび第X因子活性化アッセイにおける性質を以
下の表2および3に示した。
表3の結果は12D10が組織因子:第VII a因子複合体の
活性を抑制することを指摘する。
実施例2 12D10モノクローナル抗体による抑制機構を調べるた
め、第X因子活性化試験を用いた。ハイブリドーマの培
養上清を1:50に希釈し、先にJ−82細胞の表面上に発現
されている組織因子と複合体を形成させたrF.VIIまたは
rF.VII a(rF.VIIまたはrF.VII aは、これらの分子のリ
コンビナント源を示す)のどちらかと共に前培養した。
抗体のインキュベーションは室温で30分間行った。抗体
のブロッキング効率は第X因子活性化アッセイにて評価
した。コントロールとしては関係の無いハイブリドーマ
抗体(抗−tPA)および組織因子と第VII a因子の連携を
妨げるが複合体形成後の活性は抑制しないことが知られ
ている第VII a因子に対するモノクローナル抗体(Mab 1
296)とを用いた。抗血栓症モノクローナル抗体として
最適な特異性は細胞の組織因子と第VII a因子の複合体
を抑制するものである。この実験の結果を表4に示し
た。
これらの結果はモノクローナル抗体12D10の、遊離の
第VII a因子および細胞の組織因子および第VII a因子複
合体の両方の活性を抑制するという、開示された血液凝
固に対する治療に重要な性質を証明する。
実施例3 12D10モノクローナル抗体の特異性を以下のごとく詳
細に評価した。第VII a因子の2本のgI aドメイン、EGF
ドメイン、軽鎖および触媒部位を示す一連の合成ペプチ
ドと12D10モノクローナル抗体との反応性を試験した。
この実施例は12D10モノクローナル抗体で被覆したマイ
クロタイター・ウエルによって行い、この捕獲抗体と指
定したペプチドの100μM溶液25μとを37℃で30分間
反応させ、この培養に続いて、25μの1nM125I−第7VI
I a因子を各ウエルに添加して1時間室温に置いた。195
〜208位のアミノ酸残基を含有する第VII a因子のペプチ
ドは12D10モノクローナル抗体が125I−第VII a因子に結
合するのを妨げた。
この結果は12D10モノクローナル抗体の第VII a因子の
195〜208位のペプチドへの直接結合によって確認され
た。各ペプチドをマイクロタイターウエルへ1mg/mlの濃
度で37℃で2時間吸着させた。ウエルをアルブミンでブ
ロックし、12D10モノクローナル抗体(10μg/ml)と2
時間37℃で反応させた。ヒツジ抗マウスIgGパーオキシ
ダーゼ共役体を結合したモノクローナル抗体を調べるの
に用い、その後基質の生成およびOD−450による測定を
行った。gla(2ペプチド)、EGF(8ペプチド)、軽鎖
(2ペプチド)および触媒ドメイン(11ペプチド)を示
すペプチドを試験した。触媒ドメインペプチド195〜208
は12D10抗体に結合した(OD−450=0.450)が、他のす
べてのペプチドは陰性であった(OD−450≦0.042)。第
VII a因子の触媒ドメインに対するモノクローナル抗体1
2D10の特異性はこの抗体がVII aと、組織因子:VII複合
体形成の前および後で反応させても結合するという発見
と合致する。
実施例4 12D10抗体のF(ab)フラグメントの活性の解析を以
下のようにして行った。12D10モノクローナル抗体のF
(ab)フラグメントの調製は市販のキットを用いて行っ
た(バイオプローブ・インターナショナル・ツースチ
ン、カリフォルニア)。F(ab)フラグメントはIgGの
パパインによる切断により調製した。パパインは抗パパ
インポリクローナル抗体の添加で抑制し、除いた。プロ
テインAクロマトグラフ法をFcフラグメント、インタク
トのIgGおよびパパイン中に含まれる免疫複合体の精製
に用いた。F(ab)フラグメントはさらにスーパーロー
ズ12(Superose12)カラムを用いたサイズ・エクスクル
ーション(size exclusion)クロマトグラフ法によって
精製した。上記のようにして精製したモノクローナル抗
体12D10はパパインの消化の前後で分析した。得られた1
2D10IgGおよびF(ab)フラグメントの純度は約95%で
あった。これらのF(ab)フラグメントの活性をインタ
クトな12D10IgGの活性と、第X因子活性化アッセイおよ
び血液凝固抑制アッセイの両方において比較した。第X
因子活性化アッセイにおける12D10IgGおよびF(ab)フ
ラグメントの分析は、組織因子源として、最適条件で再
脂肪化したリコンビナントのヒト組織因子をJ−82細胞
の替わりに用いる以外は上記のごとく行った。この変法
は、アッセイの正確さおよび再現性を上昇させ、J−82
細胞を得るための細胞培養の手間をはぶいて作業を楽に
する。これらの実施例において、第VII因子は30分間室
温で12D10IgGまたはF(ab)と前培養して、この免疫複
合体を第X因子活性化あるいは血液凝固アッセイに用い
た。
表5に示された結果は12D10抗体のフラグメント化は
生物活性の消失にはつながらないことを指摘する。IgG
とF(ab)フラグメントの活性はこれらの実験条件下に
おいては本質的に同じである。12D10抗体の有効性はこ
の、抗体部位の酵素に対するモル比が1:1での抑制率か
ら明らかである。第VII a因子:モノクローナル抗体の
比が1以下での第X因子活性化の抑制値は、このアッセ
イの読みは、試料中の残存(非抑制)量の第VII a因子
の活性が非常に増幅されているという事実から説明され
る。
実施例5 12D10モノクローナル抗体は、2段階プロトロンビン
・タイム試験においてカルシウム再添加ヒト血漿の凝血
を抑制する。この性質におけるF(ab)フラグメント化
過程の効果を以下のようにして分析した。血漿は2mMの
クエン酸ナトリウムで1:2に希釈した。指示した濃度のI
gGまたはF(ab)50μを100μの希釈した血漿中に
添加し、室温での培養を20分間行った。ヒトのトロンボ
プラスチン(トロンボレル・エス(Thromborel S:ベー
リング・ダイアグノスティックス))を30mMのCaCl2
て1:1000に希釈し、その200μを血漿/抗体溶液に添
加した。
凝血時間はコーガメート光学凝血測定器(Coagamate
optical coagulometer)(オルガノン・テクニカ)にて
測定した。凝血時間は組織因子の活性パーセントに、先
にハバタムら(Hvatum,M,and Prydz,H.)の組織トロン
ボプラスチンの研究に記載されたアルゴリズムを用いて
変換した。ジオキシ胆汁酸ナトリウムへの溶解性。バイ
オケム・バイオフィズ・アクタ(Biochem.Biophys.Act
a)第130巻第92〜101頁(1966)。結果をfigure2に示し
た。これらの結果は12D10のF(ab)フラグメントがヒ
トの血漿の凝血の強力な抑制剤であることを示す。
実施例6 チンパンジーにイン・ビボ投与した場合、12D10モノ
クローナル抗体は遊離の第VII/VII a因子抗原のレベル
を減少させる。この、抗原のレベルの減少は1時間以上
の間維持され、いくつかのケースにおいては5時間以
上、あるいは10時間以上維持される場合すらある。
12D10モノクローナル抗体のF(ab)フラグメント
を、チンパンジーに投与して薬動力学、全身性抗凝血効
果および限定された毒性を評価した。3匹の正常な青年
期のチンパンジー(45〜55kg)をこの研究のために選ん
だ。すべての動物は獣医による生理学試験に供され、全
血球計測(CBC)、血清化学試験、糞試験(卵母細胞お
よび寄生虫)および肝炎の血清学的試験を行った。血液
学、血液凝固および臨床化学パラメーターを試験し、正
常範囲にあることが示された。動物はネズミのタンパク
に暴露された経験のない、チンパンジー抗ネズミ抗体
(CHAMA)陰性の個体を選んだ。
動物は術前にケタミンで間欠的に麻酔した。最初に5
用量の投与を行った。プロトロンビン時間を延長させ用
量を他の2匹のチンパンジーにも投与した。投与の−1
5、15、30、60、120、240、340、1440および2880分後に
血液学的、生理学的および凝固パラメーターの評価のた
めに血漿サンプルを取った。トータルで16回の12D10Fab
フラグメントの投与のためにこの研究には5週間かかっ
た。即時に認められる病的症状はなかったが、いくらか
の血腫の形成およびケミタン投与部位からの出血が高用
量では認められた。
低レベル(1キログラム当たり0.0023〜0.0058mg)の
投与ではPTあるいは第VII因子活性(両方とも、標準的
なアッセイ方法で測定した)に対するあきらかな影響は
認められなかった。figure3はPT値と第VII因子凝固活性
が0.0035mg/kgの用量の12D10 F(ab)フラグメントの投
与後も本質的には定常にに保たれることを示す。
全身への影響が認められる境界は1kgあたり0.04mgの
用量である。この用量レベルにおいては、プロトロンビ
ン時間は30秒以上に伸び、同時に第VII因子凝固活性お
よび遊離の第VII/VII a抗原がそれぞれ10%以下10ng/ml
以下に減少する。
凝固パラメーターにおける12D10 F(ab)フラグメン
トの全身への影響は、0.0547mg/kgの12D10 F(ab)フラ
グメントを静脈内投与したチンパンジーに認められる。
figure4には血漿のPT値の迅速な上昇が付随する第VII因
子の凝固活性に反映されていることを示す。この遊離の
第VII/VII a抗原レベルの減少はfigure5に示した。
研究期間の間、第VII/VII a因子抗原および第VII凝固
レベルが低下するのに従い、血漿中の12D10 F(ab)フ
ラグメントのレベルは劇的にPT値と平行して増加した。
血漿中のF(ab)フラグメントのレベルは血漿のPT値と
直接相関し、第VII/VII a因子抗原レベルと逆相関す
る。血漿F(ab)フラグメントは投与から最初の15分以
内にピーク濃度に達する。血漿中の12D10 F(ab)フラ
グメントのレベルはfigure6に示した。
figure7は1匹のチンパンジーに投与した用量を比較
したものである。応答の遅れは用量レベルが上がるにつ
れ増加した。0.1mg/kgレベルにおける応答の遅れはほぼ
0.0547mg/kgレベルにおける遅れの2倍となる。用量増
加の影響はまたこれらのデータからも明らかである。こ
の個体における境界値は約0.04mg/kgの12D10 F(ab)フ
ラグメント投与である。
他の具体例は以下の請求の範囲に含まれる。
なお、以下の請求の範囲において、「ヒト第VII/VII
a因子の第195〜208位のアミノ酸を含有する…ペプチド
/タンパク質」には、特定したアミノ酸配列のみからな
るペプチドおよび、より大きなペプチド/タンパク質の
一部として当該アミノ酸配列を含有するものを含む。ま
た、「ヒト第VII/VII a因子の第195〜208位のアミノ酸
からなるペプチド」は、特定されたアミノ酸配列のみか
らなり、該配列の前後に他のアミノ酸を含まないペプチ
ド分子を意味する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07K 7/08 C12N 5/00 B C12P 21/08 9282−4B 15/00 C (C12P 21/08 C12R 1:91) (56)参考文献 J.Clin.Pathol,.41 (1988)p.337−341 J.Biochem.,108(1990) p.654−662

Claims (27)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遊離のヒト第VII因子、遊離のヒト第VII a
    因子およびヒト組織因子:第VII a因子複合体と結合す
    る能力を有するモノクローナル抗体またはそのフラグメ
    ントであって、遊離のヒトVII a因子およびヒト第VII a
    因子:組織因子複合体の両方の作用に対するアンタゴニ
    スト作用を有し、該アンタゴニスト作用が、該モノクロ
    ーナル抗体またはそのフラグメントの結合部位と第VII
    a因子のモル比が1:1の場合に第VII a因子および組織因
    子:第VII a因子複合体の両方の血液凝固作用を少なく
    とも80%抑制するものである、モノクローナル抗体また
    はそのフラグメントの治療有効量を含有する、血栓症性
    疾患の予防または治療のための組成物。
  2. 【請求項2】血栓症性疾患が急性播種性血管内凝固であ
    る、第1項記載の組成物。
  3. 【請求項3】血栓症性疾患が敗血症性ショックである、
    第1項記載の組成物。
  4. 【請求項4】血栓症性疾患が冠状動脈血栓症である、第
    1項記載の組成物。
  5. 【請求項5】血栓症性疾患が移植拒絶である、第1項記
    載の組成物。
  6. 【請求項6】血栓症性疾患が深部静脈血栓症である、第
    1項記載の組成物。
  7. 【請求項7】モノクローナル抗体のフラグメントがFvフ
    ラグメントである、第1項記載の組成物。
  8. 【請求項8】モノクローナル抗体またはそのフラグメン
    トがヒト第VII/VII a因子の分子上のループ領域と複合
    体を形成し得るものである第1項記載の組成物。
  9. 【請求項9】ループ領域がヒト第VII/VII a因子の第195
    〜208位のアミノ酸を含有する第8項記載の組成物。
  10. 【請求項10】モノクローナル抗体またはそのフラグメ
    ントがハイブリドーマ・セルラインATCC10558により産
    生される、第9項記載の組成物。
  11. 【請求項11】モノクローナル抗体のフラグメントが、
    モノクローナル抗体のF(ab)フラグメントである第10
    項記載の組成物。
  12. 【請求項12】ヒト第VII/VII a因子で免疫したマウス
    由来の脾臓細胞とマウス骨髄腫セルラインからの細胞と
    の融合により得られるハイブリドーマセルラインにより
    産生され、遊離のヒト第VII因子、遊離のヒト第VII a因
    子およびヒト組織因子:第VII a因子複合体と結合する
    能力を有するモノクローナル抗体またはそのフラグメン
    トであって、遊離のヒト第VII a因子および遊離のヒト
    第VII a因子:組織因子複合体の両方の作用に対するア
    ンタゴニスト作用を有し、該アンタゴニスト作用が、該
    モノクローナル抗体またはそのフラグメントの結合部位
    と第VII a因子のモル比が1:1の場合に第VII a因子およ
    び組織因子:第VII a因子複合体の両方の血液凝固作用
    を少なくとも80%抑制するものである、モノクローナル
    抗体またはそのフラグメント。
  13. 【請求項13】さらに、ヒト第VII a因子分子のループ
    領域に対する結合能を有する第12項記載のモノクローナ
    ル抗体またはそのフラグメント。
  14. 【請求項14】ループ領域がヒト第VII a因子のアミノ
    酸195〜208を含む、第13項記載のモノクローナル抗体ま
    たはそのフラグメント。
  15. 【請求項15】ハイブリドーマセルラインが、ハイブリ
    ドーマセルラインATCC10558である、第14項記載のモノ
    クローナル抗体またはそのフラグメント。
  16. 【請求項16】モノクローナル抗体のフラグメントが、
    該モノクローナル抗体の結合機能を有するフラグメント
    である、第12〜15項いずれかに記載のモノクローナル抗
    体フラグメント。
  17. 【請求項17】ヒト第VII/VII a因子で免疫したマウス
    由来の脾臓細胞とマウス骨髄腫セルラインからの細胞と
    の融合により得られ、遊離のヒト第VII因子、遊離のヒ
    ト第VII a因子およびヒト組織因子:第VII a因子複合体
    と結合する能力を有するモノクローナル抗体であって、
    遊離のヒトVII a因子および遊離のヒト第VII a因子:組
    織因子複合体の両方の作用に対するアンタゴニスト作用
    を有し、該アンタゴニスト作用が、該モノクローナル抗
    体の結合部位と第VII a因子のモル比が1:1の場合に第VI
    I a因子および組織因子:第VII a因子複合体の両方の血
    液凝固作用を少なくとも80%抑制するものである、モノ
    クローナル抗体を産生するハイブリドーマセルライン。
  18. 【請求項18】モノクローナル抗体がさらに、ヒト第VI
    I a因子分子のループ領域に対する結合能を有すること
    に特徴付けられる、第17項記載のハイブリドーマセルラ
    イン。
  19. 【請求項19】ループ領域がヒト第VII a因子のアミノ
    酸195〜208を含む、第18項記載のハイブリドーマセルラ
    イン。
  20. 【請求項20】遊離のヒト第VII因子、遊離のヒト第VII
    a因子およびヒト組織因子:第VII a因子複合体と結合
    する能力を有するモノクローナル抗体であって、遊離の
    ヒトVII a因子および遊離のヒト第VII a因子:組織因子
    複合体の両方の作用に対するアンタゴニスト作用を有
    し、該アンタゴニスト作用が、該モノクローナル抗体の
    結合部位と第VII a因子のモル比が1:1の場合に第VII a
    因子および組織因子:第VII a因子複合体の両方の血液
    凝固作用を少なくとも80%抑制するものであるモノクロ
    ーナル抗体を産生するハイブリドーマセルラインATCC10
    558。
  21. 【請求項21】遊離のヒト第VII因子、遊離のヒト第VII
    a因子およびヒト組織因子:第VII a因子複合体とそれ
    ぞれ結合する能力を有するモノクローナル抗体またはそ
    のフラグメントであって、遊離のヒト第VII因子が組織
    因子と複合体を形成するのを阻害して、これにより第VI
    I因子が第VII a因子へと転化した後の血液凝固作用を抑
    制する能力を有し、該能力が該モノクローナル抗体また
    はそのフラグメントの結合部位と第VII a因子のモル比
    が1:1の場合に該血液凝固作用を少なくとも80%抑制す
    るものであるモノクローナル抗体またはそのフラグメン
    トの治療有効量を含有する、インビボで組織因子:第VI
    I/VII a因子複合体の血液凝固作用の抑制に有用である
    組成物。
  22. 【請求項22】モノクローナル抗体またはそのフラグメ
    ントがハイブリドーマ・セルラインATCC10558により産
    生される、第21項記載の組成物。
  23. 【請求項23】モノクローナル抗体のフラグメントが、
    モノクローナル抗体のF(ab)フラグメントである第22
    項記載の組成物。
  24. 【請求項24】ヒト以外の動物をヒト第VII/VII a因子
    の第195〜208位のアミノ酸を含有するがヒト第VII/VII
    a因子の全長を含有しないペプチド/タンパク質を含有
    する免疫原で免疫することを含む、遊離のヒト第VII因
    子、遊離のヒト第VII a因子およびヒト組織因子:第VII
    a因子複合体と結合する能力を有する抗体であって、遊
    離のヒトVII a因子および遊離のヒト第VII a因子:組織
    因子複合体の両方の作用に対するアンタゴニスト作用を
    有し、該アンタゴニスト作用が該抗体の結合部位と第VI
    I a因子のモル比が1:1の場合に第VII a因子および組織
    因子:第VII a因子複合体の両方の血液凝固作用を少な
    くとも80%抑制するものである抗体を分泌するハイブリ
    ドーマセルラインを調製する方法。
  25. 【請求項25】ヒト第VII/VII a因子の第195〜208位の
    アミノ酸からなるペプチドを含有する免疫源。
  26. 【請求項26】免疫原の免疫原性を高める担体分子をさ
    らに含有する第25項記載の免疫原。
  27. 【請求項27】担体分子がウシ血清アルブミンである第
    26項記載の免疫原。
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