JP2009503009A - 抗血小板剤としての直接的および間接的エフェクター細胞プロテアーゼ受容体−1(epr−1)阻害剤 - Google Patents

抗血小板剤としての直接的および間接的エフェクター細胞プロテアーゼ受容体−1(epr−1)阻害剤 Download PDF

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Abstract

直接的および間接的エフェクター細胞プロテアーゼ受容体-1(EPR-1)阻害剤は、抗血小板剤として血小板凝集に関連する症状の治療に有用である。

Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、抗血小板剤として血小板活性化および/または血小板凝集に関連する症状の治療のためにエフェクター細胞プロテアーゼ受容体-1(EPR-1)の活性を直接的または間接的に阻害または遮断する分子の使用に関する。
背景技術
1.凝固の生理学
止血は出血に対する生物の機能であり、傷害後に直ちに作動して長期間活性であり続ける二つの過程が関与する。一つ目は一次止血として知られ、血管病変部位での血管収縮および血小板凝集形成の発生によって特徴づけられる。二つ目は二次止血として知られ、様々な凝固カスケードのタンパク質分解酵素の作用によりフィブリン塊が形成されるフェーズである。
血小板凝集形成は、毛細血管において止血に重要な役割を果たし、特に皮膚粘膜出血に関連しており、これに対し、フィブリン塊形成は大血管止血においてはるかに重要であり、内出血(胃腸、脳など)により関連している。次のフェーズはフィブリン塊形成中に認められる:(i)傷害によって露出された内皮表面への血小板の接着、(ii)血小板の活性化に対する反応としての血小板の粒状の内容物の放出、(iii)続いて生じる、隔離および更なる血小板の集合を伴う傷害部位での血小板凝集、ならびに(iv)プレートが融合して固まり、ひいては止血塊安定化を可能にする、トロンビン生成およびフィブリン塊形成のためのフィブリノゲンならびにその他の凝固タンパク質の血小板表面への結合。さらに、フィブリン塊形成には血小板数が重要であり、1μLあたり20,000未満の血小板数は重度の出血症状を伴うことがよく知られている。
いずれも凝固因子と呼ばれるいくつかの補因子およびタンパク質分解酵素が血液凝固プロセスの第二のフェーズに関与しており、また、このプロセスはトロンビンの作用によるフィブリノゲンの加水分解からフィブリン形成で終わるいくつかのフェーズからなる。さらに、トロンビン生成は、更なる血小板の活性化および凝集の増進により血小板凝集を強化する。トロンビンは、アポ酵素であるプロトロンビンのタンパク質加水分解によって予め形成される。このタンパク質分解は、活性型血小板表面に結合する活性型第X因子(FXa)によってFXaの補因子である活性型凝固第V因子(FVa)およびカルシウムイオンの存在下でのみ行われ、プロトロンビンを加水分解し、血液凝固を開始させることができる。さらに、膜表面に結合した場合にFXaが直接的に血小板凝集を引き起こすことができることがよく知られているが、その根本的な機構は未だ理解されていない。一方、FXaがプロトロンビンのタンパク質分解加水分解およびその結果生じるトロンビン生成を通じて間接的に血小板凝集を増進すると考えられる場合もある。従って、FXaは直接的機構と間接的機構の両方によって、血小板凝集の強力な活性化因子として作用する可能性がある。
FXaは、内因性経路および外因性経路の2つの別々の経路で生じ得る。内因性経路は、主に凝固第VIII因子(FVIII)、凝固第IX因子(FIX)、凝固第XI因子(FXI)が関与し、各プロ酵素が加水分解されて活性型プロテアーゼ(FVIIIa、FIXaおよびFXIa)が生じる一連の反応からなる。各段階において、直前に形成されたタンパク質分解酵素がその後のプロ酵素の活性化を触媒し、連続的に活性型を生じる。内因性経路に関わる様々な凝固因子の活性化が行われ、全体としてFXの活性化を引き起こす。
外因性経路は、損傷部位の外膜細胞に触れたTFが、FXが活性化されるように、基質として作用するようカルシウムの存在下で血中の凝固第VII因子/活性型凝固第VII因子(FVII/FVIIa)に結合して、TF::FVIIa複合体を形成する際に活性化される。TFは、FVII/FVIIaと特異的に結合するクラスIIサイトカイン受容体のスーパーファミリーに属する内在性膜糖タンパクであり、血液凝固の外因性経路において関連する役割を果たす。TFに割り当てられた生理的な役割はよく知られており、一つはFVIIaに特異的な受容体であり、TF::FVIIa複合体が形成された際にFXが活性化されるように基質として作用する。実際、血管損傷のあと、TFは血中に存在するTFのリガンドであるFVIIと接触して相互作用し、TF::FVII複合体を形成する。一旦この複合体が形成されると、FVIIは自己活性化され、活性型のFVIIaが生じる。外因性経路は、現在、血液凝固に最も関連する経路であると考えられており、血管傷害による出血によって生じた事象において、凝固はTFとそのリガンドであるFVII/FVIIaとの相互作用を伴う外因性経路の活性化により誘発されると一般に認められている。凝固においてTF::FVIIa複合体に与えられた別の役割は、FVIIaによりFX活性化が行われるように、基質として作用することである。その結果、最初はフィブリン塊形成を生じるには不十分であるFXaの基礎濃度(<150pM)が上昇する。補因子FVaの存在下でのFXa基礎濃度の細胞の凝固促進表面での上昇は、フィブリン塊形成に必要なトロンビン生成を可能にする。一旦活性化されると、血小板はアニオン性リン脂質に富むプロ凝血促進表面を与え、内部に貯蔵されたFVa因子およびFXa因子を露出させるということが現在一般に受け入れられている。これら全ては、よく知られたプロトロンビナーゼ複合体(FXa、FVa、プロトロンビン、およびアニオン性凝血促進血小板リン脂質表面)を形成する血小板の細胞膜表面上で凝固に関わる様々な因子の正確な会合を可能にする。
従って、FXaはトロンビンを生成する基質であるプロトロンビンを酵素的に開裂させ、その結果、非常に重要な凝血促進酵素の生成を調節することにより、血栓および止血に重要な役割を果たす。よく定義されている血栓における不可欠な役割にもかかわらず、FXaのその他の生理的および病態生理学的機構への寄与は明らかになり始めたばかりである。増えつつある証拠は、FXaがサイトカインの放出、接着分子の発現、組織因子遺伝子の発現、および細胞増殖などの数多くの重要な細胞イベントを引き起こすことを示している。これらの細胞反応は、特異的受容体に介在され、様々な細胞内シグナル伝達分子および/または細胞外メディエーターが関与する。従って、FXaの細胞への結合およびその後の細胞反応は、大動脈再狭窄、急性炎症、敗血症および癌などの疾患に寄与する可能性がある。FXaにより誘導された細胞シグナルの一部は、エフェクター細胞プロテアーゼ受容体-1(EPR-1)と呼ばれるFXaのための細胞の結合部位を介している可能性がある。細胞集団により発現されるEPR-1へのFXaの結合は、Va因子とは独立に生じる。EPR-1は、もとはFXaの新規な細胞表面受容体として単球および様々な白血球上で同定された65kDaの膜貫通型受容体である。EPR-1は後に血管内皮細胞および平滑筋細胞で発現されることが示された。近年、EPR-1がトロンビン生成を調節する血小板表面上で発現され、従って凝固を調節していることが報告されている。それを通して、EPR-1がトロンビン生成を調節する機構についての様々な理論があり、最も説得力があるのは、EPR-1がFXaのプロトロンビナーゼ複合体への会合に介在し、機能的なプロトロンビナーゼ複合体を形成する活性型血小板へのFXaの結合をFVaと共に介在することが必要とされるというものである。
2.血小板活性化および血小板凝集の初期フェーズ
血小板は、血栓形成の過程、ならびにアテローム動脈硬化およびアテローム性動脈硬化症の進行において中心的な役割を果たす。
血小板の血管壁との相互作用ならびにその結果としてのアテローム性動脈硬化症および血栓は、末梢血管疾患、冠状血管疾患、脳血管疾患およびその他の血管疾患の病因および発症機序において中枢的な重要性がある。血小板がこれらの疾患状態において中心的な役割を担うという事実の認識は、相当数の病態生理学的研究のきっかけとなった。実際、不適切な血小板の活性化はアテローム動脈硬化、ならびに喫煙および糖尿病といった危険要素において一般的である。血小板の活性化は、血小板の形の変化、血小板凝集初期フェーズ、および血小板成分の放出を含む。例えばトロンビンなどの血小板作動物質が血小板表面の受容体に一旦結合すると、シグナル伝達により活性化プロセスと血小板の放出反応が始まり、続いて血小板が活性化される。多くの心臓血管障害および脳血管障害の危険性の低下における抗血小板治療の役割も、よく証明されている。従って、不適切な血小板活性化は、増加しつつある社会の心臓病負担において主要な役割を果たすと結論づけることができる。血小板の活性化は、アテローム性動脈硬化、冠状血管疾患、および脳血管疾患を含む、数多くの疾患の発症機序に関連づけられてきた。血小板の異常活性化も、心房細動、癌、末梢血管疾患、アルツハイマー病、炎症性腸疾患、および最近では深部静脈血栓症にも関連づけられてきた。結論として、血小板活性化の変化および血小板凝集の初期フェーズによって生じる多数の全身性疾患が開示されている。
血小板の活性化に関連する分子機構および生物学的機構の理解、即ち血小板-血管壁相互作用、血小板-血小板相互作用、およびそれに続く血栓形成の理解にかなりの進展があった。これは、血小板活性化の阻害のための様々な標的の位置決定と同定のきっかけとなった。血小板活性化のさらなる理解は、数多くの抗血小板剤の開発に役立った。血小板活性化における抗血小板剤の媒介の効果を評価することによって、個人に対する適切な抗血小板治療の選択およびその後の薬物治療の導入の影響の評価、または適切な用量の評価が可能になり得る。
血栓形成、特に動脈系(静脈血管の血栓が硝子質であるのに対して、動脈に影響を及ぼす血栓形成は、血小板に富む血栓である)における血小板の極めて重要な役割のため、血小板活性化および血小板凝集の初期フェーズの阻害は中心的な薬理学的アプローチとなった。これは、冠心疾患,末梢及び脳血管疾患等の血栓塞栓性疾患の防止と治療のために行われ、また侵襲的な冠状動脈への介入の際に、ならびにその後にも用いられる。
現在の抗血小板剤の有効性は様々であり、臨床的に満たされていない必要性を残している。ADP受容体拮抗薬および糖タンパク質IIb/IIIa拮抗薬は、血管形成術またはステント移植後のアテローム性動脈硬化および再狭窄を予防しない。アスピリンおよびクロピドグレルは、脳梗塞および心筋梗塞を引き起こす不安定なプラークにおいて血栓性閉塞を減少させるが、多くの患者は依然として心筋梗塞、脳血管発作または末梢血管閉塞の進行に関連する不安定な冠不全症候群および頸動脈症候群を有することが認められており、これは疾患の進行防止においてはその活性が部分的効果に留まることを示唆している。
従って、望まれる場合に抗血栓剤および初期抗血小板剤との組み合わせとして作用することができる抗血小板剤として、安全で同時に効果的な臨床薬への満たされていない必要性がある。
3.発明の背景
血栓症におけるFXaの非常に重要な役割はむしろよく明らかにされているが、しかし、その他の生理的および病態生理学的機構への寄与は、明らかにされ始めたばかりである。増加しつつある証拠は、FXaがEPR-1と呼ばれる特異的受容体を介して細胞イベントを引き起こすことを示している。従って、FXaのEPR-1への結合およびその後の細胞反応は、動脈再狭窄、急性炎症、敗血症、および癌といった疾患の一因となっている可能性がある。EPR-1は、単球、白血球、血管内皮細胞、および平滑筋細胞において確認されている。近年、EPR-1は、活性型血小板へのFXaの結合を媒介し、また、機能的プロトロンビナーゼ複合体を形成するために、血小板表面上でも発現されていることが報告されている。
発明者らは、今般、血小板EPR-1がFXa(活性型血小板により貯蔵され、放出されるか、または外因的に添加される)の特異的結合を介して血小板凝集を直接的に調節し、驚くべきことにこのプロセスにTFが関与していることを初めて実証した。
従って、発明者らの発見により、血小板の活性化および血小板凝集を介した疾患の、EPR-1の直接阻害剤もしくは拮抗薬(例えば、抗EPR-1抗体)またはEPR-1の間接的阻害剤もしくは拮抗薬(例えば、抗FXaおよびTF抗体)による治療が提供される。
国際公開第WO03/093422号パンフレットには、TF単独よりもFVIIa/TF複合体に高い親和性で結合し、血小板の活性化および凝集などの他の凝固パラメーターには直接的に影響することなしに、トロンビン生成を阻害するTFに対する抗凝血抗体が開示されている。国際公開第WO03/070275号パンフレットには、糖尿病治療のための抗TF抗体の使用が開示されている。国際公開第WO03/037911号パンフレットおよび国際公開第WO96/40921号パンフレットには、抗凝固剤として使用する抗TF抗体が開示されている。それにもかかわらず、前記抗TF抗体の抗凝固剤としての使用は、上述の患者については記載されていない。
米国特許第6,274,142号明細書には、組織因子タンパク質拮抗薬(抗体など)である抗凝固剤および塞栓剤を用いる心筋梗塞治療のための方法と医薬組成物が開示されている。米国特許第5,679,639号明細書には、抗凝血剤としての抗FXa抗体の使用が開示されている。米国特許第6,238,875号明細書には、抗EPR-1抗体および診断方法におけるその使用が開示されている。これらの抗体はいずれも、抗血小板剤としては記載されていない。
本明細書に記載のTF抗体は、TFに対して高い親和性を有し、抗凝血活性に加え、血小板の活性化および凝集に特異的に影響を及ぼす。本明細書において開示され、本発明の対象とされる新規の抗血小板剤は、血小板の活性化を防止し、血小板凝集塊の形成を阻害する初期抗血小板剤として作用することができる。
発明の概要
血栓形成におけるFXaの非常に重要な役割はむしろよく明らかにされているにもかかわらず、その他の生理的および病態生理学的機構への寄与は未だ詳細に調べられていない。増えつつある証拠は、FXaが、特異的膜受容体であるEPR-1を介した細胞反応に関与していることを示している。従って、細胞へのFXaの結合は、大動脈再狭窄、急性炎症、敗血症および癌などの疾患に寄与している可能性がある。しかし、今までに、血小板の活性化および凝集のモジュレータとしてEPR-1を想定した者はいない。
本明細書において、発明者らは、血小板EPR-1が、血小板の活性化および凝集を、FXa(血小板によって貯蔵、放出されるか、または外因的に追加される)の特異的結合を通じて直接的に調節することを初めて実証した。従って、この知見により、血小板の活性化と血小板凝集が介在する疾患の、EPR-1の直接的阻害剤(例えば、抗EPR-1活性をもつ分子)またはEPR-1の間接的阻害剤(例えば、抗FXa活性をもつ分子)による治療が提供される。
一方、発明者らは、脂質化TF単独で、活性型血小板(p-セレクチンを発現する)における強力な血小板凝集を誘導できることを実証した。この凝集作用は、抗TF活性を有する分子によって完全に阻害される。驚くべきことに、FXaに対するモノクローナル抗体およびEPR-1に対するポリクローナル抗体は、TFを介した凝集作用を完全に阻害することができる。これらの結果は、脂質化TFが、血小板内FXa(または外因的に追加された)およびその血小板膜受容体のEPR-1の関与を伴う機構を用いて血小板を凝集させることができることを明確に示している。更に、TFは、血小板においてFXaの凝集促進作用の顕著な上昇を引き起こすことが出来る。それ自体で凝集を形成出来ない低濃度のFXa(<10pM)は、脂質化TF(50ng活性タンパク質/ml)の存在下で強力な血小板凝集作用を引き起こすことが出来る。発明者らは、一般に認められているFVIIに対する膜受容体としてのTFの役割にも関わらず、TFがFVII/FVIIaの不存在下であってさえも強力なFXa刺激因子でもあることを見出した。TFは、タンパク質分解および血小板プロ凝集活性において顕著な増進を生み出すFXaの刺激因子として作用する。従って、発明者らの発見により、血小板活性化および血小板凝集が介在する疾患の、例えば抗TF活性を有する分子などのその他の間接的EPR-1阻害剤による治療が提供される。
従って、例えば抗FXa抗体、抗TF抗体、および抗EPR-1抗体のような、抗FXa活性、抗TF活性、または抗EPR-1活性を有する化合物は、アテローム性動脈硬化、冠状血管疾患、脳血管疾患、心房細動、癌、末梢血管疾患、アルツハイマー病、炎症性腸疾患、および深部静脈血栓症などの血栓塞栓性疾患に関連する、特に血小板活性化が関連した役割を果たす疾患の治療における抗血小板剤として効果的である。
この重要な知見により、EPR-1の直接的または間接的阻害剤に基づく血小板調節因子の新しいファミリーが提供される。
現在、数多くの既知の抗血小板剤がトロンビン誘導性の抗血小板剤であり、従って、該薬剤の抗血小板特性に達するためにはトロンビン濃度の顕著な上昇が達成されなければならないことを意味する。そのため、この抗血小板作用は、一度血小板が活性化され、凝集されると始り、血栓は既に形成されている。
従って、一つの態様において、本発明は、EPR-1阻害剤または拮抗薬と名付けられる抗血小板剤の新しいファミリーの使用に関する。発明者らは、EPR-1阻害剤または拮抗薬を、(i)直接的阻害剤または拮抗薬、および(ii)間接的阻害剤または拮抗薬の2つのクラスに分類した。EPR-1を介した細胞反応の阻害がEPR-1を対象とした分子によって達成される場合、該分子は「直接的EPR-1阻害剤または拮抗薬」として分類される。一方、EPR-1を介した細胞反応の阻害がEPR-1のリガンド(例えば、FXa)を対象とした分子(例えば、抗体)によって、またはEPR-1のリガンドの刺激因子(例えば、TF)を対象とした分子によって達成される場合、該分子は「間接的EPR-1阻害剤または拮抗薬」として分類される。
従って、一つの態様において、本発明は、抗血小板医薬組成物の製造における、EPR-1エフェクターの使用に関する。一つの実施態様において、該血小板医薬組成物は、被験体における血小板凝集に関連する症状の予防および/または治療に用いられる。別の実施態様において、該EPR-1エフェクターは直接的または間接的EPR-1阻害剤または拮抗薬である。更に、特定の実施態様において、該EPR-1阻害剤または拮抗薬は、EPR-1に対する抗体もしくはその抗原結合断片、またはFXaに対する抗体もしくはその抗原結合断片、またはTFに対する抗体もしくはその抗原結合断片である。
別の様態では、本発明は、医療器具の表面とEPR-1阻害剤または拮抗薬とを接触させることを含んでなる、外科手術のための医療器具の表面に非血栓形成コーティングを形成するための方法に関する。
別の様態において、本発明は、血小板活性化および/または血小板凝集に関わる症状、または血栓もしくは塞栓が介在する疾患治療のための、該治療が必要な被験体への治療的有効量のEPR-1阻害剤または拮抗薬といったEPR-1エフェクターの投与を含む方法に関する。
発明の具体的説明
血小板の血管壁との相互作用、およびその後のアテローム性動脈硬化症および血栓症への寄与は、末梢血管、冠状血管、脳血管およびその他の血管の疾患の病因および発症機序において極めて重要である。血小板作動物質が血小板表面のその受容体に一旦結合すると、シグナル伝達により血小板の放出反応が開始され、その結果として血小板が活性化される。血小板活性化は、血小板の形の変化、血小板凝集初期フェーズ、および血小板成分の放出を含む。不適切な血小板活性化は、アテローム性動脈硬化、冠状血管疾患、および脳血管疾患を含む、数多くの疾患の発症機序に関連づけられており、増加しつつある社会の心臓病負荷において主要な役割を果たしている。更に、血小板の異常活性化も、心房細動、癌、末梢血管疾患、アルツハイマー病、炎症性腸疾患、および最近では深部静脈血栓症にも関連づけられている。結論として、血小板の変化および血小板凝集の初期フェーズを伴って生じる多数の全身性疾患が開示されている。
現在の抗凝固剤治療は、凝固カスケードの後期に焦点をあてている。知られている全ての抗血小板剤は、血小板凝集を低下させて心臓血管障害および脳血管障害のリスクを減らすが、ごくわずかの抗凝固剤のみが血小板の活性化および血小板凝集初期フェーズの両方の阻害に有効であることが示されている。現在、これらの経路(血液凝固、血小板活性化、および血小板凝集)全ての初期イベントを標的とした新規治療の開発への多大な必要性がある。従って、本発明の目的は、血小板凝集初期フェーズおよび血小板活性化に焦点をあてた抗血小板治療のための組成物および方法を提供することにある。
上述のように、本発明は、EPR-1はその特異的リガンドであるFXa(活性型血小板によって貯蔵、放出されるか、または外因的に追加されるかのいずれか)との相互作用によって血小板凝集を直接的に調節するという知見に基づいており、驚くべきことに、TFもこのプロセスに関与している。
発明者らは、今般、10pM未満のピコモル濃度のFXaは、よく知られた補因子であるFVaの存在下であっても血液凝固、血小板活性化、および血小板凝集において顕著な作用を生み出せないことを示した。一方、およそ10-150pMの濃度のFXaは、血小板凝集のみを誘導することができ、トロンビン形成は高濃度(>1,500pM)の存在下でのみ行われることも示されている。従って、10pMから1,500pMまでのFXaの濃度(想定される150pMのFXa基礎濃度を含む区間)は、トロンビン形成に影響することなく、血小板凝集を誘導することができる。しかし、TFの存在下では、FXaは低濃度(10pM未満)でさえ、強力な血小板凝集作用を誘導する血小板機能を変化させることができる。FXaによって誘導される凝集作用は、トロンビンの50倍以上も強力である。更に、両タンパク質分解酵素の間の相乗作用が、それ自体では凝集を作り出すことができない濃度で観察された。これらの結果は、おそらく、血小板内FXa(α顆粒中に貯蔵された)の発現および活性型血小板の表面上のEPR-1への結合は、血小板活性化プロセスの初期フェーズにおいて重要な役割を果たしていることを示す。その後、EPR-1は血小板の放出反応と凝集を強化する伝達シグナルを開始する。発明者らは、FXaに誘導された凝集作用がFXaに対するモノクローナル抗体またはEPR-1ポリクローナル抗体によって完全に阻害されることを実証した(実施例)。
従って、発明者らの発見により、血小板活性化および/または血小板凝集が介在する疾患の、EPR-1の直接的阻害剤(例えば、抗EPR-1活性を有する分子)または拮抗薬、またはEPR-1の間接的阻害剤または拮抗薬(例えば、抗FXa活性を有する分子)による治療が提供される。
一方、発明者らは、一般に受け入れられているFVIIの膜受容体としてのTFの役割にもかかわらず、このタンパク質がFVII/FVIIaの不存在下であっても強力なFXa刺激因子として作用することも実証した。この刺激因子の作用により、FXaのタンパク質分解活性および血小板凝集作用が顕著に高められる。
これまでは、TF単独の血小板凝集における役割は挙げられていなかった。発明者らは、脂質化TF単独で、活性型血小板(p-セレクチンを発現している)において強力な血小板凝集作用を誘導できることを実証した。この凝集作用は、抗TF抗体によって完全に阻害される。驚くべきことに、FXaに対するモノクローナル抗体、またはEPR-1に対するポリクローナル抗体は、TFを介した凝集促進作用を阻害することができる。これらの結果は、脂質化TFが、血小板内FXa(または外因性FXa)およびFXaの血小板膜受容体であるEPR-1の関与を含む機構を用いることにより血小板を凝集させることができることを明確に示している。さらに、TFは、血小板FXaの凝集促進作用の顕著な上昇を引き起こすことができる。脂質化TF(50ng活性タンパク質/ml)の存在下では、それ自体では凝集を作り出すことができない低濃度のFXa(<10pM)は強力な血小板凝集作用を引き起こす。
発明者らの発見により、血小板活性化および血小板凝集が介在する疾患に対する、例えば抗TF活性を有する分子など、その他の間接的EPR-1阻害剤による治療が提供される。
従って、発明者らは、(1)EPR-1に対するポリクローナル抗体、(2)EPR-1の天然のリガンドであるFXaに対するモノクローナル抗体、および(3)TFに対するモノクローナル抗体を用いて、EPR-1を介した凝集促進作用の阻害を実証した。これらの抗体は、血栓症の予防および治療に対する抗血小板剤として有効である。従って、前記抗体は、被験体における血小板の活性化および/または血小板凝集に関連する症状の予防および/または治療に用いることができる。
発明者らは、今般、EPR-1に対する抗体、FXaに対する抗体、およびTFに対する抗体を用いることで、EPR-1を介した凝集促進作用の阻害を実証した。従って、これら全ての抗体(抗EPR-1、抗FXa、および抗T抗体)は、血小板関連血小板形成疾患、特に血小板活性化が重要な役割を果たす疾患、例えば、アテローム性動脈硬化症、冠状血管疾患、脳血管疾患、心房細動、癌、末梢血管疾患、アルツハイマー病、炎症性腸疾患、および深部静脈血栓症などの、被験体の血小板活性化および/または血小板凝集に関連した症状の予防および/または治療における抗血小板剤として有効である。
この重要な知見により、EPR-1活性の直接的または間接的阻害に基づく血小板調節因子の新しいファミリーが提供される。
従って、一つの態様において、本発明は、抗血小板医薬組成物の製造におけるEPR-1エフェクターの使用に関し、該抗血小板医薬組成物は、被験体における血小板凝集に関連する症状の予防および/または治療のために使用することができる。
本明細書で用いられる「被験体」の用語は、ヒトを含む動物種の任意のメンバーを含み、限定を目的としない説明のための例として、被験体は、霊長類、家畜動物、齧歯類などのほ乳類であってよいが、該被験体は好ましくは任意の年齢と人種の男性または女性のヒトである。特定の実施態様において、被験体は、凝固障害または血小板障害のない個人といった、止血障害の履歴がないヒトである。別の特定の実施態様において、被験体は、出血性素因、例えば先天性または後天性血小板障害などの血小板障害がある個人など、止血障害の履歴を有するヒトである。別の特定の実施態様において、被験体は、血小板の活性化および/または血小板凝集に関連する症状を持つヒトである。別の特定の実施態様において、被験体は、血栓または塞栓が介在する疾患など、血小板凝集が介在する疾患を有するヒトである。
本明細書で用いられる「血小板の活性化および/または血小板凝集に関連する症状」の用語は、とりわけ、不適切な、または異常な血小板の活性化および/または血小板凝集に関連する任意の疾患または症状を含む。限定を目的としない説明のための、不適切な血小板活性化に関連する症状または障害の例は、アテローム性動脈硬化症、冠状血管疾患、および脳血管疾患を含む。限定を目的としない説明のための、異常な血小板活性化に関連する症状または障害の例は、心房細動、癌、末梢血管疾患、アルツハイマー病、炎症性腸疾患、および最近では深部静脈血栓症を含む。
本明細書で用いられる「血栓または塞栓が介在する疾患」の用語は、血管内部での血栓の形成に起因する障害または症状、および/または血栓(塞栓)の一部がより小さな血管を流れて完全に血液循環を損ない、血液供給の欠乏に至った身体の一部の梗塞につながる血栓(塞栓)の一部の剥離に起因する障害または症状を示す。特定の実施態様において、血栓または塞栓が介在する疾患は、冠状動脈性心臓病、急性深部静脈血栓症、肺塞栓症、四肢の急性動脈塞栓、心筋梗塞、播種性血管内凝固症候群、冠動脈疾患、末梢および脳血管疾患、間欠性跛行、手術の血栓塞栓性合併症(侵襲的な冠状動脈への介入中、ならびに介入後)、またはリウマチ性疾患および動脈硬化性心臓疾患を有する患者における塞栓症再発などの血栓塞栓性疾患である。
本明細書で用いられる「EPR-1エフェクター」の用語は、EPR-1活性になんらかの作用を有する、または発揮する任意の分子を示す。該EPR-1エフェクターは、直接的EPR-1エフェクター、即ちEPR-1活性に直接的にある作用を有する、または発揮する分子であってもよく、もしくは間接的EPR-1エフェクター、即ちEPR-1活性に対して、例えばFXa(即ち、本明細書では一般的に、該分子はFXaエフェクターと見なされる)などのEPR-1のリガンドとの相互作用を介してある作用を有するか、もしくは例えばTF(即ち、本明細書では一般的に、該分子はTFエフェクターと見なされる)などのEPR-1のリガンドの刺激因子との相互作用を介してある作用を有する、または発揮する分子であってもよい。
特定の実施態様において、該EPR-1エフェクターは、EPR-1の直接的または間接的阻害剤または拮抗薬であり、即ち、EPR-1活性を阻害または遮断する分子である。この阻害または遮断は、全部または部分的であってもよい。実質的には、EPR-1と直接的に相互作用することによって直接的にEPR-1活性を阻害または遮断する任意の分子、または例えばFXaのようなEPR-1リガンドと相互作用することによって、もしくは例えばTFのようなEPR-1リガンドの刺激因子と相互作用することによって間接的にEPR-1活性を阻害または遮断する任意の分子を、本発明において用いることができる。従って、特定の実施態様において、該EPR-1阻害剤または拮抗薬は、例えばEPR-1、またはそのリガンド(例えばFXa)、またはEPR-1リガンドの刺激因子(例えば、TF)に結合し、かつ、EPR-1活性を阻害または遮断する分子とすることができる。限定を目的としない説明として、EPR-1の阻害剤または拮抗薬として利用可能な分子の例は、低分子有機化合物、ペプチド、融合タンパク質、抗体、またはその抗体の抗原結合断片などを含む。
本明細書で用いられる「抗体」の用語は、標的分子、すなわちEPR-1、そのリガンド(例えばFXa)、またはEPR-1リガンドの刺激因子(例えばTF)(以下「標的分子」という)に対して特異的結合活性を示す免疫グロブリンまたはその断片を表す。従って、該抗体は、標的分子のエピトープ[一般的に、少なくとも6、8、10または12の連続的なアミノ酸がエピトープを形成する必要があるが、非連続的なアミノ酸配列が関与するエピトープは、例えば少なくとも15、25、または50アミノ酸といった、それ以上のアミノ酸が必要な場合もある]に結合することができる。「抗体」の用語は、例えば、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、操作または修飾された抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、霊長類化抗体、ヒト抗体、抗体断片(例えば、Fab、F(ab')、Fab'、scFvなど)、ディアボディ(diabody)、二重特異性抗体(bispecific antibody)(架橋された抗体またはヘテロ共役した抗体を含む)などを含む。
上記の抗体は、ハイブリドーマ培養、バクテリアまたはほ乳類細胞培養での組み換え発現、およびトランスジェニック動物での組み換え発現を含む様々な方法で製造することができる。また、抗体は、線状ファージ、バクテリア、酵母、またはリボソームなどのディスプレーシステムによる発現配列のライブラリー由来の配列から選択して製造することもできる。抗体の断片は、例えばタンパク質分解消化によって製造することができる。特定の製造方法の選択のためには、例えばChadd and Chamow, Curr. Opin. Biotechnol., 12:188-194 (2001)などの文献に豊富な手引きがある。
従って、特定の実施態様において、EPR-1阻害剤または拮抗薬は、EPR-1に対して特異的結合活性を示す抗体、または抗体の抗原結合断片である。
別の特定の実施態様において、EPR-1阻害剤または拮抗薬は、例えばFXaに対してなど、EPR-1リガンドに対して特異的結合活性を示す抗体または抗体の抗原結合断片であり、即ち、このEPR-1阻害剤または拮抗薬は、FXaに対して特異的結合活性を示す抗体または抗体の抗原結合断片である。
別の特定の実施態様において、EPR-1阻害剤または拮抗薬は、例えばTFに対してなど、EPR-1リガンドの刺激因子に対して特異的結合活性を示す抗体または抗体の抗原結合断片であり、即ち、このEPR-1阻害剤または拮抗薬は、TFに対して特異的結合活性を示す抗体または抗体の抗原結合断片である。
特定の実施態様において、前記抗体はモノクローナル抗体である。
上述のように、前記EPR-1阻害剤または拮抗薬は、抗血小板剤として用いることができ、例えば一つの実施態様において、該EPR-1阻害剤または拮抗薬は、例えば被験体における血小板活性化の阻害、または被験体における血小板凝集の阻害によって、被験体における血小板活性化および/または血小板凝集に関連した症状の予防および/または治療に、または被験体における血栓もしくは塞栓形成の阻害のために用いることができる。
他の特定の実施態様において、前記EPR-1阻害剤または拮抗薬は、被験体における血栓もしくは塞栓形成に関連する心臓血管疾患の予防および/または治療に、または被験体における血栓もしくは塞栓形成に関連する心臓血管異常症状の予防および/または治療に用いることができる。
他の特定の実施態様において、前記EPR-1阻害剤または拮抗薬は、主に被験体の動脈に起因する血小板関連血栓塞栓性疾患の予防および/または治療に用いることができ、例えば被験体における心筋梗塞および卒中の再発の予防および/または治療に、またはリウマチ患者および/または動脈硬化性心臓疾患患者の塞栓症再発の予防および/または治療に用いることができる。
別の特定の実施態様において、前記EPR-1阻害剤または拮抗薬は、被験体における急性深部静脈血栓症、肺塞栓症、四肢の急性動脈塞栓、心筋梗塞、播種性血管内凝固症候群、冠動脈疾患、および脳血管疾患の予防および/または治療に用いることができる。
別の特定の実施態様において、前記EPR-1阻害剤または拮抗薬は、手術の血栓塞栓性合併症の予防および/または治療に用いることができ、例えば該手術は、人工股関節置換術、血管形成(例えば、冠状動脈、肺、末梢、頭蓋内、頭蓋外頸動脈、腎臓、または大動脈の血管形成)、または侵襲的心臓血管外科手術を含み、特に該侵襲的心臓血管外科手術は、冠動脈バイパス・グラフトまたは心臓弁置換術を含む。更に、別の特定の実施態様において、前記EPR-1阻害剤または拮抗薬は、該外科手術中に用いられる医療器具の表面に非血栓形成コーティングを形成するために用いることができる。
別の特定の実施態様において、前記EPR-1阻害剤または拮抗薬は、癌(一般的に)の予防および/または治療に、場合によっては、抗癌剤および医薬的に許容可能な担体との組み合わせで用いることができる。
別の特定の実施態様において、前記EPR-1阻害剤または拮抗薬は、アルツハイマー病(AD)の予防および/または治療に、場合によっては、追加の薬剤(例えば、ADまたはその一部の症状の治療のための薬剤)および医薬的に許容可能な担体との組み合わせで用いることができる。
別の特定の実施態様において、前記EPR-1阻害剤または拮抗薬は、心房細動の予防および/または治療に、場合によっては、追加の薬剤(例えば、心房細動の治療のための薬剤)および医薬的に許容可能な担体との組み合わせで用いることができる。
被験体へのEPR-1エフェクターの投与のために、該化合物は医薬組成物中に製剤化されなければならない。従って、本発明はさらに、EPR-1エフェクターを医薬的に許容可能な担体と共に含んでなる医薬組成物にも関する。特定の実施態様において、前記EPR-1エフェクターは、例えば抗体または抗体の抗原結合断片などの、EPR-1、またはEPR-1リガンド(例えばFXa)またはEPR-1リガンドの刺激因子(例えばTF)に対して特異的結合活性を示すEPR-1阻害剤または拮抗薬である。従って、特定の実施態様において、前記抗体は、(i)EPR-1に対する抗体またはその抗原結合断片、(ii)FXaに対する抗体またはその抗原結合断片、および(iii)TFに対する抗体またはその抗原結合断片からなる群から選択される。更に、特定の実施態様において、前記抗体はモノクローナル抗体である。
従って、被験体への投与のために、EPR-1阻害剤または拮抗薬などの前記EPR-1エフェクター(以下「活性成分」という)は、適した医薬投与形態に製剤化され、その目的のために、望まれる医薬的投与形態の調製に適した医薬的に許容可能な担体および賦形剤が組み込まれる。この担体および賦形剤についての情報、ならびに本発明の製品の投与に適した前記投与形態については、製薬学専門書に見いだすことができる。薬剤一般の様々な医薬的投与形態およびそれらの調製プロセスの概説は、C. Fauli i Trilloによる書籍「Tratado de Farmacia Galenica」(「Galenic Pharmacy Treatise」),1st Edition, 1993, Luzan 5, S.A. of Ediciones中に見いだすことができる。
本明細書に用いられる「医薬的に許容可能な担体」の用語は、医薬的投与に適合した、任意および全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗生物質、および防かび剤、等張剤および吸収遅延剤などを含む。医薬的に活性な物質のための前記の媒体および薬剤の使用は、当技術分野でよく知られている。任意の従来の媒体または薬剤が活性化合物と不適合である場合を除き、組成物中でのそれらの使用は意図されている。許容可能な担体、賦形剤、または安定剤は、受容者に対して無毒な用量と濃度が採用され、リン酸、クエン酸、その他の有機酸などの緩衝液;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;保存料(塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム;塩化ヘキサメトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチル、またはベンジルアルコール;メチルまたはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;およびm-クレゾール);低分子量(約10残基未満)ペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、またはリジンなどのアミノ酸;単糖、二糖、およびその他のグルコース、マンノース、またはデキストリンを含む炭水化物;EDTAなどのキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロース、またはソルビトールなどの糖;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体);および/またはTWEEN(商標)、PLURONICS(商標)またはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤を含む。
一つの実施態様において、活性成分が抗体である場合には、活性成分は該化合物を体からの急速な排除から保護するために、インプラントおよびマイクロカプセル化送達システムを含む放出制御製剤などの担体と共に調製される。酢酸エチレンビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸などの生物分解性生体適合ポリマーを用いることができる。前記の製剤の調製方法は、当業者には明らかである。原料はAlza CorporationおよびNova Pharmaceuticals, Inc.から商業的に得ることも可能である。リポソーム懸濁液(ウイルス性抗原に対するモノクローナル抗体を用いて感染細胞に標的化されたリポソームを含む)も、医薬的に許容可能な担体として利用することができる。これらは当業者に知られている方法に従って調製することができる。
活性成分の投与経路は、経口(例えば、固形または液体)、非経口(静脈内投与、腹腔内投与、筋内投与、皮下投与、直腸投与または膣内投与を含む)、吸入、または局所的であってもよい。
活性成分は、医薬組成物中に治療的有効量で存在する。該有効量は、活性成分の性質および活性によって広い範囲で異なる。一般的に、活性成分の有効な投与量は、選択された化合物の相対的有効性、治療される障害の重症度、および患者の体重に依存する。一方、活性化合物は、一般的には、一日に一回または複数回、例えば毎日1、2、3、または4回、0.001〜1,000mg/体重kg/日、好ましくは約0.01〜約100mg/体重kg/日、最も好ましくは約0.05〜10mg/体重kg/日の範囲の一般的な1日当たりの総用量で投与される。被験体に投与される活性成分の用量は数々の要因に依存するため、本明細書で述べられた用量は、当業者のための単なる指針と見なされなければならず、当業者は前述の要因に従って用量を調節する必要がある。いずれにせよ、本発明の医薬組成物は、予防目的または治療目的のために一日に一回または複数回投与され得る。
本発明による医薬組成物は、併用療法を提供するために、血小板活性化および/または血小板凝集が関与する症状の予防および/または治療に有用な他の追加薬剤と共に利用することができる。該追加薬剤は、同じ医薬組成物の一部とすることができ、あるいは、本発明による医薬組成物投与と同時または連続的(時間的に順次)に投与するための別々の組成物の形で提供され得る。
本発明による医薬組成物は、抗血小板組成物として用いることができ、例えば、血小板活性化および/または血小板凝集に関連する症状の予防および治療のために、ならびに血栓または塞栓が介在する疾患の予防および/または治療に用いることができる。
従って、別の様態では、本発明は、血小板活性化および/または血小板凝集に関連する症状、または血栓もしくは塞栓が介在する疾患の予防および/または治療のための方法であって、例えば、EPR-1、またはそのリガンド(例えばFXa)、またはEPR-1リガンドの刺激因子(例えば、TF)に対する特異的結合活性を示す抗体または抗体の抗原結合断片といった、EPR-1阻害剤または拮抗薬などの治療的有効量のEPR-1エフェクターを、該治療を必要とする被験体に投与することを含んでなる方法に関する。従って、特定の実施態様において、前記抗体は、(i)EPR-1に対する抗体またはその抗原結合断片、(ii)FXaに対する抗体またはその抗原結合断片、および(iii)TFに対する抗体またはその抗原結合断片からなる群から選択される。更に、特定の実施態様において、前記抗体はモノクローナル抗体である。制限を目的としない説明のための、本発明に従って治療される症状または疾患は、とりわけ、例えばアテローム性動脈硬化症、冠状血管疾患、脳血管疾患などの不適切な血小板活性化に関連する症状または疾患;例えば心房細動、癌、末梢血管疾患、アルツハイマー病、炎症性腸疾患、および最近では深部静脈血栓症などの血小板の異常活性化に関連する症状または疾患;例えば冠状動脈性心臓病、急性深部静脈血栓症、肺塞栓症、四肢の急性動脈塞栓、心筋梗塞、播種性血管内凝固症候群、冠動脈疾患、末梢および脳血管疾患、間欠性跛行、手術の血栓塞栓性合併症(侵襲的な冠状動脈への介入中、ならびに介入後)、またはリウマチ性疾患および動脈硬化性心臓疾患を有する患者における塞栓症再発などの血栓塞栓性疾患を含む。
上述のように、前記EPR-1阻害剤または拮抗薬は、外科手術中に用いられる医療器具の表面に非血栓形成コーティングを形成するために用いることができる。従って、別の様態において、本発明は、医療器具の表面とEPR-1阻害剤または拮抗薬とを接触させることを含んでなる、外科手術中に用いられる医療器具の表面に非血栓形成コーティングを形成するための方法に関する。実質的に、医療器具の表面に非血栓形成コーティングを形成するために、外科手術用の任意の医療器具がEPR-1阻害剤または拮抗薬でコーティングすることができ;いずれにせよ特定の実施態様において、該医療器具は、とりわけ、例えば、人工股関節置換術、血管形成(例えば、冠状動脈、肺、末梢、頭蓋内、頭蓋外頸動脈、腎臓、または大動脈の血管形成)、例えば冠動脈バイパス・グラフトまたは心臓弁置換術といった侵襲的心臓血管外科手術などの手術用の医療器具である。
一つの実施態様において、前記EPR-1阻害剤または拮抗薬は、EPR-1、またはEPR-1リガンド(例えばFXa)またはEPR-1リガンドの刺激因子(例えばTF)に対して特異的結合活性を示す抗体またはその抗体の抗原結合断片である。従って、特定の実施態様において、前記抗体は(i)EPR-1に対する抗体またはその抗原結合断片、(ii)FXaに対する抗体またはその抗原結合断片、および(iii)TFに対する抗体またはその抗原結合断片からなる群から選択される。更に、特定の実施態様において、前記抗体はモノクローナル抗体である。
FXa誘導血小板凝集に対するEPR−1の役割
FXaの血小板機能に対する効果を、以下のアッセイにより、洗浄された血小板懸濁液において評価した:
−FXaがトロンビン形成無しで血小板凝集を直接引き起こすことを実証するアッセイ。
−FXaとトロンビンとの間の相乗作用を実証するアッセイ。
−FXaおよびその受容体EPR−1に対する抗体を用いる遮断アッセイ。
FXaタンパク質分解活性の刺激因子としてのTF
FXaタンパク質分解活性(アミド分解およびトロンビン形成活性)に対する脂質化TFの効果を、以下のアッセイにより、洗浄された血小板懸濁液において評価した:
−FVIIの非存在下において、TFが、FXaアミド分解の刺激因子として作用することを実証するアッセイ(S−2765を用いる色素産生アッセイ)。
−FVIIの非存在下において、TFが、FXaトロンビン形成活性の刺激因子として作用することを実証するアッセイ(S−2238を用いる色素産生アッセイ)。
FXa誘導血小板凝集の刺激因子としてのTF
FXa血小板凝集活性に対する脂質化TFの効果を、以下のアッセイにより洗浄された血小板懸濁液において評価した:
−TFが、洗浄された活性化血小板懸濁液において血小板凝集を引き起こすことを実証するアッセイ(p−セレクチンを発現する)。
−TFが、FXa血小板凝集活性の刺激因子として作用し、この効果がFXa−EPR−1相互作用により介在されることを実証するアッセイ。
I.材料および方法
材料
EPR−1に対する市販の多クローン性抗体を、Calbiochem(登録商標)(抗−エフェクター細胞プロテアーゼ受容体−1、ヒト(ウサギ))から購入した。
FXaに対する市販の単クローン性抗体を、SigmaBioSciences(単クローン性抗−ヒト因子X精製マウス免疫グロブリンクローンHX−1)から購入した。
TFに対する市販の単クローン性抗体を、BD Biosciences(BD Pharmigen(登録商標)、精製マウス抗−ヒト単クローン性抗体)から購入した。
脂質化TFの利用源として、ヒト組み換え組織因子(非脂質化)(American Diagnostica,USA)を用い、Morrisseyにより記載される方法に従って再脂質化した。
Haematologic Technologiesの市販化合物を、FXaおよびFIIの利用源として使用した。 市販のFX凝固因子欠乏血漿を、Dade Behring Marburg GmbHから購入した。
方法
オクチルグルコシドによる透析を用いる脂質ベシクルにおけるTFを再脂質化するための方法(Morrisey Method)
非脂質化TFを、非イオン性界面活性剤N−オクチル−β−D−グルコピラノシド(オクチルグルコシド)を用いて、脂質ベシクル中に取り込む。TFおよび脂質の両方を、ミセルを形成するオクチルグルコシド中に溶解する。オクチルグルコシドを、その高い臨界ミセル濃度(CMC=20から50mM)に起因して透析により溶液から容易に取り除くことが出来る。オクチルグルコシドが取り除かれる場合、該脂質は、単層のベシクルにおいて組織化される。TFを、その膜貫通領域によってこれらのベシクル中に浸漬する。通常、TF分子の50〜80%が、ベシクルから外側に向けて配置される。
緩衝液および原液
Calbiochemからのオクチルグルコシド(n−オクチル−β−D−グルコピラノシド)
Figure 2009503009
Figure 2009503009
オクチルグルコシド(OG)における脂質溶液の調製
1.所望の脂質モル半径を用いて、2.6マイクロモルの総脂質を、それぞれの試料について調製する。
2.アルゴンまたは窒素を流して、脂質混合物を乾燥する。
3.管が乾燥したことが明らかな場合に、もう60分間真空乾燥する。
4.400μlのOG/HBSの新鮮な溶液(室温で)を乾燥脂質を含む管に加える。
Figure 2009503009
Figure 2009503009
再脂質化
1mlの最終容量を完成させるまで、400μlのOG/脂質および十分なHBSAを含む管に、TFの所望の量を加える。この段階を室温で実施する。
洗浄された血小板懸濁液の取得
洗浄された血小板懸濁液を、Radomskiらにより記載された方法(Radomski M,Moncada S.;1983 Thromb Res.プロスタサイクリンによりヒト血小板を洗浄するための改善された方法である。15;30(4):383−9)に従って、健康な志願者からの血液採取物(3.15%クエン酸ナトリウム)から調製した。標本の処理を、血液採取後すぐに室温で、常時実施した。血小板活性化および機能性の状態を、アッセイの実施の前および実施中の凝集アッセイにより分析した。自己活性化および機能性を、既知のアゴニスト(コラーゲン)を用いた活性化により評価した。
血小板凝集アッセイ
血小板凝集アッセイを、上記のプロトコルに従って得られた、血漿凝固因子からの干渉を防止するために洗浄された血小板において実施した。これらのアッセイを、血小板凝集計操作プロトコル(Chromogenix)に従う光学的方法により実施した。全ての情報を、Aggro/linkインターフェースにより処理し、それをPentiumIIIコンピュータで記録した。。要するに、500μlの洗浄された血小板を、攪拌する磁石と一緒にキュベット中に加え、それらを、1分間37℃で調整した。それらを、ブランク(血小板懸濁緩衝液)用のキュベットと一緒に血小板凝集計中に配置し、分析するための抗体を含む試薬を、2つのチャンネルおよび第3の参照試薬に加え、凝集時間を記録した。TFに対する単クローン性抗体の効果を、室温で1時間インキュベーション後、評価した。
インビトロアッセイ
色素産生アッセイ
異なる色素産生アッセイを、洗浄された血小板懸濁液中で設計し、rTFの因子Xaタンパク質分解活性に対する効果を実証した。
FXaアミド分解活性は、S−2765(Chromogenix)を、FXaに対する色素産生基質として用いる色素産生アッセイにより測定し、他方トロンビン形成活性は、S−2238(Chromogenix)をトロンビンのための色素産生基質として用いて分析した。
色素産生アッセイを、洗浄された血小板懸濁液において実施した。調査されるそれぞれの因子の適した容量を、ELISAプレート上で分配した(媒質において250,000血小板数/μlの濃度を有するような適した容量)。最終的に、特異的な色素産生基質の添加により、405nmで読み取る分光測定器により当該タンパク質分解活性を定量した。アミド分解活性を測定するためのアッセイにおいて、FXaおよび異なるrTF濃度のみを分配し、他方トロンビン形成活性を測定するためのアッセイにおいて、因子II(プロトロンビン)を更に添加する必要があり、FVa(洗浄された血小板アッセイにおいてこれらが既に内因性FVaを含んでいるような場合には)を添加する必要はなかった。
血漿における凝固アッセイ
血漿における自然凝血促進活性(非刺激)を、コアギュロメータ(Fibrintimer BFT−II 血液凝固測定器 Dade−Behring,Germany)において、一定の段階での凝固アッセイにより測定した。要約すれば、50μlの血小板欠乏血漿を、すでに調節されたキュベットに加え、50μlの蒸留水を加えた。この混合物を放置して60秒間37℃でインキュベートし、50μlの25mM塩化カルシウムを直ちに加え、凝固時間を、コアギュロメータ(血餅の形成により検証される)において秒で測定し、血餅の形成を確認した。試料の1づつを、繰り返して分析した。
II.結果
A.EPR−1のFXa誘導血小板凝集に対する役割
FXa誘導血小板凝集に対するEPR−1の役割を評価するために、いくつかのアッセイを実施した。
A.1.FXaが、トロンビン形成無しで直接血小板凝集を直接引き起こすことを実証するアッセイ
FXa誘導血小板凝集
FXaにより介在される凝集促進(proaggregatory)効果を、洗浄された血小板懸濁液において測定した。表1は、3つの独立した実験において得られた結果を示す。血小板凝集を、試薬の添加後12分で血小板凝集計において測定し、凝集の百分率を計算した。FXaは、非常に低濃度(10pM未満)で強力な凝集促進効果を誘導することが出来た。
Figure 2009503009
洗浄された血小板懸濁液におけるトロンビン形成活性のための色素産生アッセイ
トロンビン形成により検出されたFXaの凝血促進作用を、特異的基質S−2238により測定した(表2)。外因性FXaの非存在下において、トロンビン形成は、検出されなかった。FXaが低濃度(12.5pM)で存在した場合、効果は観察されなかった。非常にわずかな効果が、125pMと250pMとの間の濃度で観察された。およびより著しい効果が、外因性FXaのより高濃度(1,250pM)存在下において、観察された。
Figure 2009503009
FXaのタイトレーション(titulation)に対するFXa欠乏血漿における血漿凝固アッセイ
一連のインビトロ凝固アッセイを実施し、異なる濃度でのFXa枯渇血漿におけるFXaの凝固効果を示した(表3)。洗浄された血小板懸濁液(FXaの1.7nM未満の濃度)におけるトロンビン形成活性試験と同様に、著しい凝固促進効果は、外因性FXaの添加により観察されなかった。
Figure 2009503009
A.2.FXaとトロンビンとの間の凝集促進効果を実証するアッセイ
トロンビン凝集促進効果の曲線用量反応を、表4に示す。セリンプロテアーゼの両方の間の相乗作用を示す結果がまた、示される。血小板凝集が、非常に低濃度で観察された(10mU/mlでのトロンビンおよび0.01mU/mlでのFXa、両方とも、それら自身で血小板の凝集を引き起こすことが出来ない)。血小板凝集を、試薬の添加後に12分で血小板凝集計において測定し、凝集の百分率を計算した。
Figure 2009503009
A.3.FXaおよびその受容体EPR−1に対する抗体を用いる遮断アッセイ
FXa誘導血小板凝集作用の特異性を、FXaに対する単クローン性抗体を用いて実証した(表5)。24μg/mlの単クローン性抗−ヒト因子Xa精製マウス免疫グロブリンクローンHX−1の存在下で、FXaにより介在された凝集促進効果は、完全に遮断された。一方では、EPR−1に対する多クローン性抗体は、FXa誘導血小板凝集を完全に遮断することが出来た。
Figure 2009503009
B.FXaタンパク質分解活性の刺激因子としての脂質化TF
FVIIの非存在下で、因子Xa刺激剤としての脂質化TFの能力を評価するために、いくつかのインビトロアッセイを実施した:(i)溶液におけるFXaアミド分解活性のための色素産生アッセイ;および(ii)洗浄された血小板懸濁液におけるトロンビン形成活性のための色素産生アッセイ。
B.1.FVIIの非存在下で、TFがFXaアミド分解の刺激因子として作用することを実証するアッセイ
洗浄された血小板懸濁液におけるFXaアミド分解活性
FXaに対する特異的な基質としてS−2765を用いる色素産生試験を、表6に示す。5つの独立した実験から得られた結果は、非常に低い外因的FXa濃度の存在下において、rTFが、特異的基質S−2765で評価されたアミド分解活性に対する有意な刺激効果を引き起こしたことを実証している(p<0.001)。同様の刺激効果が、高FXa濃度の存在下で観察された。
Figure 2009503009
B.2.FVIIの非存在下で、TFがFXaトロンビン形成活性の刺激因子として作用することを実証するアッセイ(S−2238を用いる色素産生アッセイ)
洗浄された血小板懸濁液におけるFXaトロンビン形成活性
トロンビンに対する特異的な基質としてS−2238を用いる色素産生試験を、表7に示す。外因性FXaの非存在下において、脂質化TFは、トロンビン形成に対する有意な刺激効果をもたらした(p<0.001)。これらの結果は、血小板内のFXaが血小板表面において発現され、トロンビンの形成が起こったことを示す。同様の刺激効果が、外因性FXaの存在下において低および高濃度の両方で観察された(p<0.001)。
Figure 2009503009
C.FXa誘導血小板凝集の刺激因子としてのTF
C.1.TFが、洗浄された活性化血小板懸濁液において血小板凝集を引き起こすことを実証するアッセイ(p−セレクチンを発現する)
TFにより介在される凝集促進効果を、洗浄された血小板懸濁液において測定した。表8は、3つの独立した実験において得られた結果を示す。血小板凝集を、試薬の添加後16分で血小板凝集計において測定し、凝集の百分率を計算した。TFは、洗浄された活性化血小板を含む懸濁液において非常に低濃度(10ng/ml)での強力な凝集促進効果を誘導することが出来た(p−セレクチンに対する単クローン性抗体を用いるフローサイトメトリーによりモニターされた)。
Figure 2009503009
C.2.TFがFXa血小板凝集活性の刺激因子として作用し、この作用がFXa−EPR−1相互作用により介在されることを実証するアッセイ
表9には、TFが外因性FXaの非存在下において血小板凝集を誘導することが出来、これがその受容体である膜受容体EPR−1のシグナル伝達を通してFXaにより介在されるアッセイの結果が、列挙される。FXa、TFおよび受容体EPR−1に対して向けられる抗体により得られた阻害作用は、TFが、血小板表面で曝露されたFXaと相互作用すること、FXaがFXa−特異的受容体EPR−1と相互作用すること、それら(EPR−1、FXa、TF)の全てが、このタンパク質分解性酵素の作用により、血小板凝集を介在する初期の非トロンビン依存血小板凝集に対して不可欠であること、および前記凝集が、FXa−特異的受容体EPR−1によりシグナル伝達されることを実証する。従って、血小板表面上のTF:FXa複合体の形成並びにトロンビン形成をもたらすことが、血小板凝集を生じ、止血(hemostasic)血餅の形成を更に増大する。抗−TFによるアッセイのために、抗体を、試薬としてのその添加の前に、室温で1時間、TFの利用源とインキュベートした。
Figure 2009503009

Claims (38)

  1. 抗血小板医薬組成物の製造のための、エフェクター細胞プロテアーゼ受容体-1(EPR-1)エフェクターの使用。
  2. 前記抗血小板医薬組成物が、被験体における血小板凝集に関連する症状の予防および/または治療のためのものである、請求項1に記載の使用。
  3. 前記EPR-1エフェクターが、直接的EPR-1エフェクターおよび間接的EPR-1間接エフェクターから選択されるものである、請求項1に記載の使用。
  4. 前記間接的EPR-1エフェクターが、EPR-1リガンドのエフェクターおよびEPR-1リガンドの刺激因子のエフェクターから選択されるものである、請求項3に記載の使用。
  5. 前記間接的EPR-1エフェクターが、活性型第X因子(FXa)エフェクターおよび組織因子(TF)エフェクターから選択されるものである、請求項4に記載の使用。
  6. 前記EPR-1エフェクターが、EPR-1阻害剤またはEPR-1拮抗薬である、請求項3に記載の使用。
  7. 前記EPR-1阻害剤または拮抗薬が、被験体における血小板活性化を阻害するための医薬組成物の製造に用いられる、請求項6に記載の使用。
  8. 前記EPR-1阻害剤または拮抗薬が、被験体における血小板凝集を阻害するための医薬組成物の製造に用いられる、請求項6に記載の使用。
  9. 前記EPR-1阻害剤または拮抗薬が、被験体における血栓形成を阻害するための医薬組成物の製造に用いられる、請求項6に記載の使用。
  10. 前記EPR-1阻害剤または拮抗薬が、被験体における血栓または塞栓に関連する心臓血管疾患の予防および/または治療のための医薬組成物の製造に用いられる、請求項6に記載の使用。
  11. 前記EPR-1阻害剤または拮抗薬が、被験体における血栓または塞栓に関連する心臓血管疾患の予防および/または治療のための医薬組成物の製造に用いられる、請求項6に記載の使用。
  12. 前記EPR-1阻害剤または拮抗薬が、被験体における主に動脈に起因する血小板関連血栓塞栓性疾患の予防および/または治療のための医薬組成物の製造に用いられる、請求項6に記載の使用。
  13. 前記EPR-1阻害剤または拮抗薬が、被験体における心筋梗塞および卒中の再発の予防および/または治療のため、またはリウマチ性疾患および動脈硬化性心臓疾患を有する被験体における塞栓症再発の予防および/または治療のための医薬組成物の製造に用いられる、請求項12に記載の使用。
  14. 前記EPR-1阻害剤または拮抗薬が、被験体における急性深部静脈血栓症、肺塞栓症、四肢の急性動脈塞栓、心筋梗塞、播種性血管内凝固症候群、冠動脈疾患、または脳血管疾患の予防および/または治療のための医薬組成物の製造に用いられる、請求項6に記載の使用。
  15. 前記EPR-1阻害剤または拮抗薬が、手術の血栓塞栓性合併症の予防および/または治療のための医薬組成物の製造に用いられる、請求項6に記載の使用。
  16. 前記手術が、人工股関節置換術、血管形成、または侵襲的心臓血管外科手術を含むものである、請求項15に記載の使用。
  17. 前記侵襲的心臓血管外科手術が、冠動脈バイパス・グラフトまたは心臓弁置換術を含むものである、請求項16に記載の使用。
  18. 前記血管形成が、冠状動脈、肺、末梢、頭蓋内、頭蓋外頸動脈、腎臓、または大動脈の血管形成を含むものである、請求項16に記載の使用。
  19. 前記EPR-1阻害剤または拮抗薬が、癌の予防および/または治療のための医薬組成物の製造に用いられる、請求項6に記載の使用。
  20. 癌治療のための前記EPR-1阻害剤または拮抗薬が、少なくとも一つの抗癌剤および医薬的に許容可能な担体との組み合わせで用いられる、請求項19に記載の使用。
  21. 前記EPR-1阻害剤または拮抗薬が、アルツハイマー病の予防および/または治療のための医薬組成物の製造に用いられる、請求項6に記載の使用。
  22. アルツハイマー病の治療のための前記EPR-1阻害剤または拮抗薬が、少なくとも一つの追加薬剤および医薬的に許容可能な担体との組み合わせで用いられる、請求項21に記載の使用。
  23. 前記EPR-1阻害剤または拮抗薬が、心房細動の予防および/または治療のための医薬組成物の製造に用いられる、請求項6に記載の使用。
  24. 心房細動の治療のための前記EPR-1阻害剤または拮抗薬が、少なくとも一つの追加薬剤および医薬的に許容可能な担体との組み合わせで用いられる、請求項23に記載の使用。
  25. 前記EPR-1阻害剤または拮抗薬が、EPR-1、またはEPR-1リガンド、またはEPR-1リガンドの刺激因子に対して特異的結合活性を示す抗体またはその抗体の抗原結合断片である、請求項6に記載の使用。
  26. 前記抗体がEPR-1に対する抗体である、請求項25に記載の使用。
  27. 前記抗体がFXaに対する抗体である、請求項25に記載の使用。
  28. 前記抗体がTFに対する抗体である、請求項25に記載の使用。
  29. 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項26〜28のいずれか一項に記載の使用。
  30. 外科手術のための医療器具の表面に非血栓形成コーティングを形成するための方法であって、前記医療器具の表面とエフェクター細胞プロテアーゼ受容体-1(EPR-1)阻害剤または拮抗薬とを接触させることを含んでなる、方法。
  31. 前記EPR-1阻害剤または拮抗薬が、EPR-1、またはEPR-1リガンド、またはEPR-1リガンドの刺激因子に対して特異的結合活性を示す抗体またはその抗体の抗原結合断片である、請求項30に記載の方法。
  32. 前記抗体が、(i)EPR-1に対する抗体またはその抗原結合断片、(ii)FXaに対する抗体またはその抗原結合断片、および(iii)TFに対する抗体またはその抗原結合断片からなる群から選択されるものである、請求項31に記載の方法。
  33. 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項31または32に記載の方法。
  34. 血小板活性化および/または血小板凝集に関連した症状、または血栓もしくは塞栓が介在する疾患を治療する方法であって、治療的有効量のエフェクター細胞プロテアーゼ受容体-1(EPR-1)阻害剤または拮抗薬を、前記治療を必要とする被験体に投与することを含んでなる、方法。
  35. 前記EPR-1阻害剤または拮抗薬が、EPR-1、またはEPR-1リガンド、またはEPR-1リガンドの刺激因子に対して特異的結合活性を示す抗体またはその抗体の抗原結合断片である、請求項34に記載の方法。
  36. 前記抗体が、(i)EPR-1に対する抗体またはその抗原結合断片、(ii)FXaに対する抗体またはその抗原結合断片、および(iii)TFに対する抗体またはその抗原結合断片からなる群から選択されるものである、請求項35に記載の方法。
  37. 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項35または36に記載の方法。
  38. 治療される前記症状が、アテローム性動脈硬化症、冠状血管疾患、脳血管疾患、心房細動、癌、末梢血管疾患、アルツハイマー病、炎症性腸疾患、深部静脈血栓症、冠状動脈性心臓病、急性深部静脈血栓症、肺塞栓症、四肢の急性動脈塞栓、心筋梗塞、播種性血管内凝固症候群、冠動脈疾患、末梢および脳血管疾患、間欠性跛行、手術の血栓塞栓性合併症(侵襲的な冠状動脈への介入中、ならびに介入後)またはリウマチ性疾患および動脈硬化性心臓疾患を有する患者における塞栓症再発からなる群から選択されるものである、請求項34に記載の方法。
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