JP2679269B2 - 楽音信号合成方式 - Google Patents

楽音信号合成方式

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    • G10H2250/00Aspects of algorithms or signal processing methods without intrinsic musical character, yet specifically adapted for or used in electrophonic musical processing
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    • G10H2250/481Formant synthesis, i.e. simulating the human speech production mechanism by exciting formant resonators, e.g. mimicking vocal tract filtering as in LPC synthesis vocoders, wherein musical instruments may be used as excitation signal to the time-varying filter estimated from a singer's speech

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、電子楽器あるいは音源モジュール、その
他楽音発生装置若しくは設備等で利用することができる
楽音信号合成方式に関し、特に、所望のスペクトル特性
を持つ楽音信号の瞬時値を比較的簡単な演算により算出
する楽音信号合成方式に関し、かつ該スペクトル特性の
制御可能性を向上させたものに関する。
〔従来の技術〕
下記のような複素関数に基づく所定の演算により楽音
信号を合成するようにした技術は、特開昭61−262797号
公報に開示されている。
exp〔jθ+a exp(jβ)〕 …(1) ここで、θ及びβはそれぞれ周期的に変化する瞬時位
相に相当する変数、aは係数である。
(1)式の次のように変形できる。
exp〔jθ+a exp(jβ)〕 =exp(a cosβ)・cos(θ+a sinβ) +j exp(a cosθ)・sin(θ+a sinβ) …(2) ここで、(2)式の右辺の虚部は次のように近似でき
る。
また、(2)式の右辺の実部も(3)式とほぼ同様に
近似できる。
(34)式の右辺を参照すると、n=0乃至∞の範囲
で、各nの値0,1,2,3,…∞に対応して、an/n!なる係数
で振幅設定された各正弦波信号sin(θ+nβ)の合計
であることが理解できる。すなわち、(3)式によって
表現される信号は、右辺におけるnの各値に対応する各
正弦波信号sin(θ+nβ)を各スペクトル周波数成分
とし、各スペクトル周波数成分のスペクトルレベルをそ
れぞれnの各値に対応する係数an/n!によって設定した
スペクトル特性によって表現される振動信号である。従
って(3)式の左辺の演算すなわち1つの指数関数項ex
p(a cosβ)と1つの周波数変調演算項sin(θ+a sin
β)とを乗算するという比較的簡単な演算を行うことに
より、(3)式の右辺の面倒な級数演算を行うことな
く、同式右辺に示されたスペクトル特性を有する楽音信
号を合成することができる。
この場合、合成される楽音信号におけるスペクトル特
性の特徴は、スペクトルエンベロープが滑らかに変化す
る特徴をもち、ブラス系の楽音あるいはアナログシンセ
サイザ系の楽音に近似した楽音の合成に適している。こ
こで、各スペクトル成分のレベル係数an/n!は、nの値
が定数aに近いほど大きな値をとり、nがaから離れる
ほど小さな値をとる。
従って、スペクトル特性の制御は、(3)式の左辺に
おける係数aの値を変更することにより行われる。同公
報第5図に示されるように、係数aの値の変化に応じ
て、フォルマントのピークレベルに相当する周波数位置
が変動し、丁度、フォルマントが周波数軸に沿って平行
移動するような制御が行われる。
このように複素関数に基づく所定の演算を実行するこ
とにより楽音信号を合成する技術は、特開昭63−63096
号公報においても示されている。同公報に示された技術
においても、スペクトル特性の制御は、係数の変更によ
って行われ、上述と同様に、フォルマントが周波数軸に
沿って並行移動するような制御が行われる。
また、特公昭58−43760号公報においても複素関数に
基づく所定の演算を実行することにより楽音信号を合成
する技術が開示されており、この場合も、スペクトル特
性の制御は上述と同様に行うしかなく、フォルマントが
周波数軸に沿って並行移動するような制御しか行い得な
い。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述のように、複素関数に基づく所定の演算を実行す
ることにより楽音信号を合成する技術は、スペクトルエ
ンベロープが滑らかに変化する特徴を持つスペクトル特
性の楽音信号を合成するのに適しており、例えば、ブラ
ス系の楽音あるいはアナログシンセサイザ系の楽音に近
似した楽音の合成に適しているので、好ましいものであ
る。
しかし、一方では、上述のように、スペクトル特性の
制御は、フォルマントが周波数軸に沿って並行移動する
ような制御しか行い得ないため、スペクトルの制御可能
性に限界があった。例えば、フォルマントの中心周波数
の位置は動かさずに、スペクトルエンベロープの状態を
任意に制御するようなことはできなかった。
この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、所望の
スペクトル特性を持つ楽音信号の瞬時値を比較的簡単な
演算により算出する楽音信号合成方式において、該スペ
クトル特性の制御可能性を向上させることができるよう
によることを目的とする。詳しくは、フォルマントの中
心周波数の位置は動かさずに、スペクトルエンベロープ
の状態を任意に制御することができるようにした楽音信
号を合成方式を提供しようとするものである。換言すれ
ば、フォルマントの対称性を自由に制御できるようにす
ること、すなわちフォルマントの中心周波数を挟んで、
その低域側のスペクトルエンベロープとその高域側のス
ペクトルエンベロープとを対称形にしたり、様々な態様
で非対称にしたりする、という制御を自由に行い得るよ
うにした楽音信号合成方式を提供しようとするものであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
この発明に係る楽音信号合成方式は、振動関数を指数
に含む指数関数項と搬送波関数を変調波関数により周波
数変調する周波数変調項との積からなる演算項を少なく
とも1つ含む演算式を実行することにより、楽音信号の
瞬時値を算出する楽音信号合成方式であって、そこにお
いて、前記変調波関数の初期位相と前記振動関数の初期
位相の少なくとも一方を可変制御することにより両者の
相対的位相関係を制御し、これにより、前記楽音信号の
フォルマントの中心周波数を変更することなく、そのス
ペクトル特性を制御することを特徴とするものである。
〔作 用〕
振動関数を指数に含む指数関数項と搬送波関数を変調
波関数により周波数変調する周波数変調項との積からな
る演算項とは、前記(3)式の左辺若しくは前記(2)
式右辺の実部または虚部の項に相当する。このような演
算を実行することにより、スペクトルエンベロープが滑
らかに変化する特徴を持つスペクトル特性の楽音信号を
合成することができることは前述した通りである。
このような演算式に基づく楽音信号合成において、前
記変調波関数の初期位相と前記振動関数の初期位相の相
対的位相関係を変化させることにより、合成される楽音
信号のスペクトル特性を制御することができることが判
明した。すなわち、そのような初期位相の相対的位相関
係を可変制御することにより、合成される楽音信号のス
ペクトル特性において、フォルマントの中心周波数を挟
み、その低域側のスペクトルエンベロープとその高域側
のスペクトルエンベロープとを対称形にしたり、様々な
態様で非対称にしたりする、という制御をフォルマント
の中心周波数を変更することなく自由に行い得ることが
判明した。そこで、前記変調波関数の初期位相と前記振
動関数の初期位相の少なくとも一方を可変制御する構成
を採用することにより、これら初期位相の相対的位相関
係を可変制御することができ、これにより合成される楽
音信号のスペクトル特性の対称性を上述のように制御す
ることができる。
〔実施例〕
以下、添付図面を参照してこの発明の一実施例を詳細
に説明しよう。
この発明において楽音信号を合成するための演算式の
基本式は、前記(3)式の左辺若しくは前記(2)式右
辺の実部または虚部の項に相当するものである。この基
本的演算式に基づき楽音信号G(t)を合成する演算式
を一般化して示すと次のようである。
G(t)=E(t)exp〔a1cos(ω1t+φ)〕 ×sin〔ω2t+φ+a3sin(ω3t+φ)〕 …(4) ここで、E(t)は楽音信号G(t)の振幅を設定す
るための時間的に可変である振幅エンベロープ係数、ex
p〔a1cos(ω1t+φ)〕は振幅関数を指数に含む指数
関数項、sin〔ω2t+φ+a3sin(ω3t+φ)〕は搬
送波関数sin(ω2t+φ)を変調波関数a3sin(ω3t+
φ)により周波数変調する周波数変調項、であり、楽
音信号G(t)は上記指数関数項と周波数変調項との積
により合成される。
また、(4)式において、ωは指数関数項および前
記振動関数の角周波数、ωは前記搬送波関数の角周波
数、ωは前記変調波関数の角周波数、tは時間、a1
指数関数項における前記振動関数の係数、a3は前記変調
波関数の係数、φは前記振動関数の初期位相、φ
前記搬送波関数の初期位相、φは前記変調波関数の初
期位相である。
この発明においては、前記変調波関数の初期位相と前
記新導関数の初期位相の相対的位相関係が重要であり、
そのため、前記振動関数の初期位相φと前記変調波関
数の初期位相φの少なくとも一方を可変制御するよう
に構成する。例えば、変調波関数の初期位相φを可変
制御する場合は、指数関数中の振動関数の初期位相φ
は、φ=0若しくは適宜の値に固定されていてよい。
反対に、振動関数の初期位相φを可変制御する場合
は、変調波関数の初期位相φは、φ=0若しくは適
宜の値に固定されていてよい。また、変調波関数の初期
位相φと指数関数中の振動関数の初期位相φの両方
をそれぞれ適宜に可変制御するようにしてもよい。一
方、搬送波関数の初期位相φは重要ではなく、これは
φ=0若しくは適宜の値に常時固定されていてよい。
第1図はこの発明に係る楽音信号合成方式の一実施例
を示すブロック図であり、特に楽音信号合成用演算部10
の一例を示している。この演算部10においては、前記
(4)式に従って楽音信号合成のための演算を行なう。
この演算部10では、指数関数項の演算及び周波数変調項
における搬送波関数と変調波関数の演算を合計3タイム
ロットを用いて夫々時分割的に行い、これらに基づき
(4)式に従う演算を実行する。この楽音信号合成用演
算部10は、時分割的な演算を実行する演算回路11と、位
相情報発生回路12と、係数発生回路13とを含んでいる。
この楽音信号合成用演算部10に関連してタイミング信号
発生回路14が設けられており、各タイムスロットを指示
するタイミング信号TS1〜TS3を出力する。
理解し易くするために、第1図の楽音信号合成用演算
部10を適用した電子楽器の簡単な一構成例を第2図に示
す。鍵盤回路15は、発生すべき楽音の音高を指定するた
めの複数の鍵に対応するキースイッチを含む回路であ
り、押圧された鍵を示すキーコードKCを出力すると共
に、鍵押圧の有無を示すキーオン信号KONを出力する。
音色選択回路16は発生すべき楽音に付与する音色を選択
若しくは設定するためのものである。ここで選択/設定
された音色に応じて音色パラメータ発生回路17(これは
例えばパラメータメモリを含んでいてよい)から種々の
音色パラメータを発生し、楽音信号合成用演算部10に与
える。ディジタル/アナログ変換器18は楽音信号合成用
演算部10で合成したディジタルの楽音信号をアナログ変
換するもので、アナログ変換された楽音信号はサウンド
システム19に与えられる。
第1図に戻り、位相情報発生回路12では、発生すべき
楽音の音高を指定する情報(キーコードKC若しくは基本
周波数に対応する周波数情報であってもよい)が与えら
れると、この音高に応じて、指数関数項の振動関数の角
周波数ωに対応する位相情報ω1t、周波数変調項の搬
送波周波数ωに対応する位相情報ω2t、周波数変調項
の変調波周波数ωに対応する位相情報ω3tを、時間t
の経過に従ってかつ時分割的に発生する。
また、音色パラメータとして、指数関数項の振動関数
の初期位相φのデータ,搬送波及び変調波の初期位相
φ2のデータと、指数関数項の振動関数の角周波数
係数n1,各搬送波及び変調波の角周波数係数n2,n3が、こ
の位相情報発生回路12に与えられる。これらの角周波数
係数n1〜n3は発生すべき楽音の基本周波数ωに対する係
数であり、この係数n1〜n3と楽音の基本周波数とに応じ
て夫々の角周波数ω12が決定される。これらの
角周波数係数n1〜n3は、所望のスペクトル特性に応じて
定まるものであり、整数若しくは非整数であってよい。
各初期位相φ〜φのデータは、位相情報発生回路12
において、対応する位相情報ω1t〜ω3tに対して加算若
しくは減算される。従って、位相情報発生回路12から出
力される位相情報は夫々ω1t+φ12t+φ23t+φ
と表わせる。
第2図の例では、発生すべき楽音の音高を指定する情
報として、キーコードKCが位相情報発生回路12に与えら
れる。また、初期位相φ〜φのデータと角周波数係
数n1〜n3は、音色パラメータ発生回路17から各タイムス
ロットに対応して時分割的に発生され、位相情報発生回
路12に与えられる。
係数発生回路13では、指数関数項における振動関数の
係数a1に対応するデータa1/loge2と、変調波関数の係数
a3、楽音信号G(t)の振幅エンベロープ係数E(t)
を所定のタイムスロットで夫々発生する。
第2図の例では、係数a1に対応するデータa1/loge2と
変調波関数の係数a3は選択/設定された音色に応じて音
色パラメータ発生回路17から発生され、係数発生回路13
に与えられる。係数発生回路13では、これらのデータを
時分割演算アルゴリズムに従う所定のタイムスロットで
時分割的に出力する。また、係数発生回路13では、音色
パラメータ発生回路17から与えられるエンベロープ設定
パラメータと鍵盤回路15から与えられるキーオン信号KO
Nに基づき振幅エンベロープ係数E(t)を発生する。
係数a1,a3を時間的に変化させたい場合は、同様のエン
ベロープ係数データとしてこれらに対応するデータを発
生することができる。
なお、第1図の例では、乗算を対数による加算に置き
換えて行なうために、係数発生回路13から出力する係数
a1に対応するデータa1/loge2と変調波関数の係数a3及び
振幅エンベロープ係数E(t)のデータは夫々2を底と
する対数表現log(a1/loge2),loga3,logE(t)で表わ
されている。
ここで、この実施例における自然対数の指数関数exp
〔a1cos(ω1t+φ)〕の求め方について説明する。
一般に、自然対数の指数表現は次式のように2のべき乗
に変換できることから、 指数関数項exp〔a1cos(ω1t+φ)〕は、 と置き換えることができる。そこで、(6)式右辺の指
数部a1/loge2とcos(ω1t+φ)を夫々2を底とする
対数で与え、これらの次式左辺のように加算することに
より、次式右辺のように真数部分での乗算を達成する。
log(a1/loge2)+log〔cos(ω1t+φ)〕 =log〔(a1/loge2)・cos(ω1t+φ)〕 …(7) そして、(7)式右辺の演算結果データの対数/リニ
ア変換を行ない、積 (a1/loge2)・cos(ω1t+φ) …(8) を求め、これを2を底とする対数に見立てて更に対数/
リニア変換することにより、 を求める。こうして、前記(6)式の演算を行い、指数
関数項exp〔a1cos(ω1t+φ)〕の演算結果を求め
る。
次に、演算回路11の詳細について説明すると、位相情
報発生回路12から出力された位相情報は加算器21を介し
て正弦関数テーブル20のアドレス入力に与えられる。加
算器21は、周波数変調項のために搬送周波数の位相変調
を行なうためのものである。正弦関数テーブル20は、正
弦関数値を対数表現(2を底とする対数)で記憶してい
るものであり、加算器21からアドレス入力された位相情
報xに応じて正弦関数値log sin xを読み出す。周知の
ように、正弦関数テーブル20において1周期全部の正弦
関数値を記憶しておく必要はなく、半周期あるいは1/4
周期等一部だけ記憶しておくものであってもよい。正弦
関数テーブル20の出力は加算器22に与えられる。
加算器22は正弦関数テーブル20の出力log sin xと係
数発生回路13から与えられる対数表現のデータlog(a1/
loge2),loga3,logE(t)とを加算するものであり、こ
の対数同士の加算はリニア表現における乗算に相当す
る。従って加算器22は係数若しくは指数の乗算のための
回路である。
加算器22の出力は加算器23に与えられ、ゲート25を介
して与えられるデータと加算される。加算器23の出力は
対数/リニア変換テーブル26に与えられる。
対数/リニア変換テーブル26は、対数表現のデータを
リニア表現に変換するためのものである。この出力はレ
ジスタRA,RB及びRCに与えられる。レジスタRAは前記
(8)式の演算結果をストアし、ストアしたデータをゲ
ート25に与えるためのものである。レジスタRBはリニア
表現の変調波をデータをストアし、ストアしたデータを
ゲート24を介して搬送波の位相を変調するための加算器
21の一方入力に与えるためのものである。レジスタRCは
出力レジスタである。
基準クロックパルスCP及びこの基準クロックパルスCP
に応じてタイミング信号発生回路14から発生されるタイ
ミング信号TS1,TS2,TS3の一例を示すと第3図のようで
ある。
ゲート24はタイミング信号TS3を制御入力に入力し、
このタイミング信号TS3が“1"のとき、つまりタイムス
ロット3のとき、レジスタRBの出力を選択して加算器21
に与える。タイムスロット1,2のときはゲート24は“0"
を出力する。
ゲート25も同様に、タイミング信号TS3を制御入力に
入力し、このタイミング信号TS3が“1"のとき、つまり
タイムスロット3のとき、レジスタRAの出力を選択して
加算器23に与える。タイムスロット1,2のときはゲート2
5は“0"を出力する。
レジスタRAのロード制御入力にはタイミング信号TS1
が与えられ、この信号が“1"から“0"に立ち下がったと
きつまりタイムスロット1の終わりで、入力データをロ
ードする。
レジスタRBのロード制御入力にはタイミング信号TS2
が与えられる。この信号が“1"から“0"に立ち下がった
ときつまりタイムスロット2の終わりで、入力データを
ロードする。
出力レジスタRCのロード制御入力にはタイミング信号
TS3が与えられ、この信号が“1"から“0"に立ち下がっ
たときつまりタイムスロット3の終わりで、入力データ
をロードする。
また、タイミング信号TS1〜TS3(若しくは基準クロッ
クパルスCP)が係数発生回路13に入力され、タイムスロ
ット1で係数a1に対応するデータlog(a1/loge2)を、
タイムスロット2で変調波関数の係数loga3を、タイム
スロット3で振幅エンベロープ係数logE(t)を、夫々
出力するよう制御する。
またタイミング信号TS1〜TS3(若しくは基準クロック
パルスCP)は位相情報発生回路12に入力され、タイムス
ロット1で指数関数項における振動関数の位相情報ω1t
+φを、タイムスロット2で周波数変調項における変
調波関数の位相情報ω3t+φを、タイムスロット3で
周波数変調項における搬送波関数の位相情報ω2t+φ
を、夫々出力するよう制御する。
なお、この実施例では、指数関数項における振動関数
の初期位相φを0に固定し、周波数変調項における変
調波関数の初期位相φを可変制御するようにしてい
る。また、周波数変調項における搬送波関数の初期位相
φは0に固定するようにしている。また、指数関数項
における振動関数に余弦波であるが、これを正弦関数テ
ーブル20を使用して発生するために、位相情報を+90度
すなわちπ/2だけ常時ずらすことにより、実質的に余弦
波信号を発生するようにしている。そのため、実際は、
タイムスロット1において位相情報発生回路12から発生
する指数関数項における振動関数の位相情報はω1t+π
/2であり、また、タイムスロット3において位相情報発
生回路12から発生する周波数変調項における搬送波関数
の位相情報はω2tである。また、タイムスロット2にお
いて位相情報発生回路12から発生する周波数変調項にお
ける変調波関数の位相情報ω3t+φは可変であるた
め、これをω3t+φxで表わす。
従って、前記(4)式を次式のように変形した演算式
を楽音信号合成用演算部10において実行する。
G(t)=E(t)exp〔a1cosω1t〕 ×sin〔ω2t+a3sin(ω3t+φx)〕…(10) 以上の構成において、位相情報発生回路12から加算器
21へのデータ入力点P1、ゲート24から加算器21へのデー
タ入力点P2、正弦関数テーブル20の出力点P3、係数発生
回路13から加算器22へのデータ入力点P4、ゲート25から
加算器23へのデータ入力点P5、加算器23から対数/リニ
ア変換テーブル26へのデータ入力点P6、対数/リニア変
換テーブル26の出力点P7、レジスタRAの出力点P8及びレ
ジスタRBの出力点P9につき、各タイムスロット1,2,3に
おける各点P1〜P9のデータの内容の一例を第4図に一覧
する。同図により、楽音信号合成用演算部10において前
記(10)式に従う演算が行なわれ、最終的に、タイムス
ロット3において、前記(10)式の解G(t)に相当す
る楽音信号の1サンプル点振幅値データが対数/リニア
変換テーブル26から出力され、レジスタRCにストアされ
ることが明らかであろう。
なお、前記(7)式に相当する演算は、タイムスロッ
ト1において加算器22で実行され、その結果が加算器23
を通過して対数/リニア変換テーブル26に入力される。
この内容は、第4図のタイムスロット1におけるP6の欄
に示されている。これを対数/リニア変換した値すなわ
ち前記(8)式に相当する値つまり対数/リニア変換テ
ーブル26の出力点P7のデータは、第4図のタイムスロッ
ト1におけるP7の欄に示されており、これがレジスタRA
に記憶され、該レジスタRAの出力は第4図のP8の欄に示
されている。
タイムスロット3においては、加算器22及び23によっ
て、2を底とする対数表現の各データが下記のように加
算され、加算器23から対数/リニア変換テーブル26への
入力信号となる。このときの加算器22及び23による加算
結果は、 (a1/loge2)・cosω1t +log sin〔ω2t+a3sin(ω3t+φx)〕+logE(t) …(11) であるが、ゲート25を介して与えられるレジスタRAの出
力を2を底とする対数表現とみなすと、 と置き換えることができ、上記(11)式は(12)式及び
前記(6)式から次式のように変形できる。
従って、タイムスロット3における対数/リニア変換
テーブル26への入力信号は、第4図のタイムスロット3
におけるP6の欄に示すように、上記(13)式の最右辺に
示す内容となる。これを対数/リニア変換テーブル26で
リニア変換すると、第4図のタイムスロット3における
P7の欄に示すように、上記(13)式の最右辺のlogを取
り除いた内容となる。これは前記(10)式と同じであ
る。
こうして、この実施例においては、指数関数項と周波
数変調項の積は、対数表現された指数関数項データと周
波数変調項データとの加算により実質的に求められる。
次に、楽音信号合成用演算部10において合成される楽
音信号のスペクトル構成の実例を第5図a乃至第5図m
を参照して説明する。
この実例において、指数関数項における振動関数の角
周波数ωと周波数変調項における変調波関数の角周波
数ωが等しく、仮りにこれを「1.0」で示す。周波数
変調項における搬送波関数の角周波数ωは、ω1
の10倍であるとし、仮りにこれを「10.0」で示す。ま
た、指数関数項における振動関数の係数a1は「0.1」、
変調波関数の係数a3は「0.5545」にそれぞれ固定した。
また、前述の通り、φ=0、φ=0、φ=φxで
あり、変調波関数の初期位相φをφxとして、これを
可変する。
第5図aの例はφx=0゜であり、指数関数項におけ
る振動関数の初期位相と変調波関数の初期位相の実質的
な差は90度である。すなわち、振動関数が余弦波、変調
波関数が正弦波であるから、φ=0かつφ=φx=
0であっても、両者の初期位相の実質的な差は90度=π
/2である。この場合は、搬送波関数の角周波数ω=1
0.0を最低周波数成分としてその高域側になだらかに単
調減衰するスペクトルエンベロープを持つ線スペクトル
が発生する。各線スペクトルの周波数間隔は「1.0」す
なわちω1の周波数に対応する。
第5図b乃至mは、変調波関数の初期位相φ=φx
を、それぞれφx=1゜、φx=5゜、φx=10゜、φ
x=30゜、φx=60゜、φx=90゜、φx=120゜、φ
x=150゜、φx=175゜、φx=179゜、φx=180゜、
φx=181゜と変更したものである。
第5図a乃至mから理解できるように、周波数変調項
における返送波の周波数ωに対応する周波数成分レベ
ルを最大値とし、その高域側及び/または低域側で滑ら
かに単調減衰するフォルマントからなるスペクトル特性
が実現される。すなわち周波数変調項における搬送波の
周波数ωに対応する周波数成分をフォルマントの中心
周波数と見立てると、このフォルマントの中心周波数は
変化せず(すなわち、従来のように周波数軸に沿って平
行移動せず)、その高域側と低域側に関するスペクトル
の対称性が変調波関数の初期位相φ=φxの変化に応
じて制御される。
つまり、第5図gに示されるように、φ=φx=90
゜のとき(指数関数項における振動関数の初期位相と変
調波関数の初期位相の実質的な差が180度のとき)、搬
送波周波数ωに対応する周波数成分を中心周波数とす
るフォルマントが、該中心周波数の高域側及び低域側の
両方において対称形に滑らかに単調減衰するスペクトル
エンベロープを持つ形態で発生される。
φ=φx=90゜のとき以外は、フォルマントは非対
称形となる。
すなわち、第5図aに示されるように、φ=φx=
0゜のときは、搬送波周波数ωに対応する中心周波数
(この場合は最低周波数である)の高域側でのみ滑らか
に単調減衰するスペクトルエンベロープを持つスペクト
ル成分が発生し、中心周波数ωの低域側のスペクトル
成分は完全に消滅している。そして、第5図a乃至gを
参照すれば理解できるように、変調波関数の初期位相φ
=φxを0度から90度に向けて徐々に増していくに伴
って、中心周波数ωの低域側のスペクトル成分が徐々
に増加し、φ=φx=90゜になると前述のようにフォ
ルマントは完全な対称形となる。
更に、第5図h乃至lを参照すれば理解できるよう
に、変調波関数の初期位相をφ=φxを90度から180
度に向けて徐々に増していくに伴って、今度は中心周波
数ωの高域側のスペクトル成分が徐々に減少する。φ
=φx=180゜になると、第5図lに示されるよう
に、搬送波周波数ωに対応する中心周波数(この場合
は最高周波数でもある)の低域側でのみ滑らかに単調減
衰するスペクトルエンベロープを持つスペクトル成分が
発生し、中心周波数ωの広域側のスペクトル成分は完
全に消滅する。
また、第5図mに示されるように、φ=φx=181
゜のときのスペクトル構成は、第5図kに示すφ=φ
x=179゜のときのスペクトル構成と同じである。すな
わち、図示してはいないが、変調波関数の初期位相φ
=φxを180度から270度に向けて徐々に増していくに伴
って、今度は中心周波数ωの高域側のスペクトル成分
が徐々に増加し、φ=φx=270度では第5図gに示
すφ=φx=90゜のときと同様にフォルマントは完全
な対称形となる(丁度第5図lから第5図gに逆行する
ようなスペクトル変化を示す)。また、更に、変調波関
数の初期位相φ=φxを270度から360度=0度に向け
て徐々に増していくに伴って、今度は中心周波数ω
低域側のスペクトル成分が徐々に減少し、φ=φx=
360度=0度では第5図aに示すように高域側でのみ滑
らかに単調減衰するスペクトルエンベロープを持つスペ
クトル成分が発生し、中心周波数ωの低域側のスペク
トル成分が完全に消滅する(丁度第5図gから第5図a
に逆行するようなスペクトル変化を示す)。
前記(4)式あるいは(10)式は本発明に従って楽音
信号を合成する場合の基本式であるが、本発明は1つの
楽音信号のこの基本式のみによって合成することに限定
されるものではない。
例えば、前記(4)式あるいは(10)式に示すように
1つの指数関数項と1つの周波数変調項の積からなる基
本式をAで示し、同様の基本式であって係数、角周波
数、初期位相等のパラメータを適宜異ならせたものをそ
れぞれA1,A2,…Anで示す。本発明によれば、これらの基
本式からなる複数の項A,A1,A2,…Anを下記式のように加
算することにより1つの楽音信号G(t)を合成するよ
うにしてもよい。
G(t)=A+A1+A2+…+An …(14) また、本発明によれば、これらの基本式からなる複数
の項A,A1,A2,…Anを下記式のように乗算することにより
1つの楽音信号G(t)を合成するようにしてもよい。
G(t)=A・A1・A2・…・An …(15) また、本発明によれば、これらの基本式からなる複数
の項A,A1,A2,…Anの加算と乗算を組合せることにより1
つの楽音信号G(t)を合成するようにしてもよい。
また、本発明によれば、これらの基本式からなる1ま
たは複数の項A,A1,A2,…Anの加算式または乗算式に対し
て、次式のように(ここでは簡単化のためAのみとして
いる)、1または複数の指数関数項を加算若しくは乗算
する(または加算と乗算を適宜組合せる)ことにより1
つの楽音信号G(t)を合成するようにしてもよい。
G(t)=A+exp(x1)+exp(x2)+… G(t)=A・exp(x1)・exp(x2)・… …(16) 更に、本発明によれば、これらの基本式からなる1ま
たは複数の項A,A1,A2,…Anの加算式または乗算式に対し
て、次式のように(ここでは簡単化のためAのみとして
いる)、1または複数の周波数変調項B1,B2,…Bnを加算
若しくは乗算する(または加算と乗算を適宜組合せる)
ことにより1つの楽音信号G(t)を合成するようにし
てもよい。なお、各周波数変調項B1,B2,…Bnは、基本的
には、sin(ωct+a・sinωmt)の形態であり、パラメ
ータωc,a,ωmがそれぞれ適宜異なっているものであ
る。
G(t)=A+B1+B2+…+Bn G(t)=A・B1・B2・…・Bn …(17) 例えば、前記(14)式に従えば、1つの基本式に従っ
て合成することが可能な上述のようなスペクトルフォル
マントを、異なる複数の基本式に従って所望の帯域に対
応して複数個合成し、これらを加算的に合成することに
より1つの楽音信号を合成することになる。これにより
複雑なスペクトル構成を持つ楽音信号を合成することが
できる。第6図はそのための回路構成の一例を示すもの
である。第6図は第2図の構成をnチャンネル時分割処
理可能な構成に変更したものである。
押鍵情報発生回路150は、鍵盤で押圧された鍵を示す
キーコードKCを出力すると共に、該キーコードKCに対応
する鍵の押圧が持続しているか否かをキーオン信号KON
を出力するものであり、複音同時発音可能な構成にする
場合は、周知のキーアサイナを含むものである。
楽音信号合成用演算部10、音色選択回路16、音色パラ
メータ発生回路17、ディジタル/アナログ変換器18、サ
ウンドシステム19等は第2図に示されたものと同じであ
ってよい。ただし、この第6図の実施例ではnチャンネ
ルでn個の楽音信号若しくは部分音信号を時分割的に同
時発生可能な構成であるため、楽音信号合成用演算部10
では、1つの楽音信号若しくは部分音信号を合成するた
めの前述の3タイムスロットから成る処理時間帯を1チ
ャンネル分の時間として、nチャンネル時分割動作を行
なう。第7図(a)は楽音信号合成用演算部10における
1〜3タイムスロットと1〜nチャンネル時間との関係
を例示したものである。
タイミングコントローラ140は、1チャンネル時間内
の前述の3タイムスロットから成る時分割動作を制御す
ると共に各チャンネル単位の時分割動作をも制御するた
めのものである。
楽音信号合成用演算部10の出力(すなわち第1図のレ
ジスタRCの出力)は加算器30に入力される。加算器30の
出力はラッチ回路31に与えられ、このラッチ回路31の出
力が加算器30の他の入力に与えられる。これらの加算器
30及びラッチ回路31は、楽音信号合成用演算部10で合成
した部分音信号を合算して1つの楽音信号にするための
アキュムレータである。加算器30の出力はアキュムレー
タ32に与えられる。このアキュムレータ32は1サンプル
時間内で時分割的に合成された複数の楽音信号を合計
し、複数の楽音信号サンプル値を合計した1サンプル点
分の合計楽音信号振幅値を提供するためのものである。
アキュムレータ32の出力はディジタル/アナログ変換器
18に与えられる。なお、nチャンネルすべてを部分音信
号の合成のために使用する場合は、部分音信号合計用の
アキュムレータ(加算器30及びラッチ回路31)があれば
よく、複音合計用のアキュムレータ32は単なるラッチ回
路であってよい。
タイミングコントローラ140から適切なタイミング信
号が、楽音信号合成用演算部10、音色パラメータ発生回
路17、ラッチ回路31、アキュムレータ32に与えられ、時
分割動作が適正に行なわれるよう制御される。
時分割動作タイミングの一例を示すと、nチャンネル
すべてを部分音信号の合成のために使用する場合は、第
7図(b)に示すように2〜n番目のチャンネル時間の
各々の立上りに同期してラッチ回路31のラッチパルスを
発生し、1番目のチャンネル時間の立上りでアキュムレ
ータ32のロードパルスを発生し、その後でラッチ回路31
のクリアパルスを発生する。これにより、1〜n−1番
目のチャンネルに関する楽音信号合成用演算部10の出力
信号が加算器30及びラッチ回路31において逐次アキュム
レートされ、この1〜n−1番目のチャンネルに関する
アキュムレート値とn番目のチャンネルに関する楽音信
号合成用演算部10の出力信号が加算器30で加算されたと
き、その加算結果、つまり全nチャンネルに関するアキ
ュムレート値がアキュムレータ32に取り込まれる。アキ
ュムレータ32では取り込んだアキュムレート値を次のロ
ードパルスが与えられるまでの間、つまり1サンプル時
間の間、保持する。また、ラッチ回路31は次のサンプル
点に関するアキュムレーションのためにクリアされる。
時分割動作タイミングの別の例の示すと、1〜7番目
のチャンネルを部分音信号の合成のために使用し、残り
の8〜n番目のチャンネルは夫々別々の楽音信号のため
に使用する場合は、第7図(c)に示すように2〜7番
目のチャンネル時間の各々の立上りに同期してラッチ回
路31のラッチパルスを発生し、8番目のチャンネル時間
の立上りでアキュムレータ32の加算パルスを発生し、そ
の後でラッチ回路31のクリアパルスを発生し、更に9〜
n番目のチャンネル時間の各々の立上りに同期してアキ
ュムレータ32の加算パルスを発生する。これにより、1
〜6番目のチャンネルに関する楽音信号合成用演算部10
の出力信号が加算器30及びラッチ回路31において逐次ア
キュムレートされ、この1〜6番目のチャンネルに関す
るアキュムレート値と7番目のチャンネルに関する楽音
信号合成用演算部10の出力信号が加算器30で加算された
とき、その加算結果、つまり1〜7番目のチャンネルに
関するアキュムレート値がアキュムレータ32に取り込ま
れ、アキュムレートされる。更に8〜n番目のチャンネ
ルに関する楽音信号合成用演算部10の出力楽音信号が加
算器30を経由してアキュムレータ32に入力されるとき、
アキュムレータ32ではこれらを逐次アキュムレートす
る。こうして、1〜7番目のチャンネルで合成した7つ
の部分音信号を合計した楽音信号と8〜n番目のチャン
ネルで合成した各楽音信号とがアキュムレータ32で合計
される。アキュムレータ32では図示しない適切なタイミ
ング信号に従って1サンプル点分の合計楽音信号を1サ
ンプル時間の間、保持する。また、ラッチ回路31は次の
サンプル点に関するアキュムレーションのためにクリア
される。
各チャンネルの時分割利用の仕方は上述の2例に限ら
ず、更に様々なバリエーションが可能であることは勿論
である。例えば、1つの楽音信号のために使用するチャ
ンネル数(部分音数)は7に限らず幾つであってもよい
し、更に別の複数のチャンネルを別の楽音信号のための
複数の部分音信号の合成のために使用するようにしても
よく、また反対に、nチャンネルのすべてを異なるn音
の楽音信号の合成のために使用するようにしてもよい。
なお、各基本式に対応する複数の楽音信号若しくは部
分音信号を発生するための構成は、第6図のように1つ
の楽音信号合成用演算部10を時分割使用して発生する構
成に限らず、ハード的に複数系列の楽音信号合成用演算
部10を並列的に設け、各系列の楽音信号合成用演算部10
の出力を加算するようにしてもよい。
前記(15)式乃至(17)式の演算実行のための回路構
成例は示さないが、上記各実施例に準じて構成できるこ
とは明らかである。
なお、第1図の楽音信号合成用演算部10においては、
3つのタイムスロット1〜3を使用して前記(4)式又
は(10)式に従う時分割処理により実行するようにして
いるが、このような時分割処理方式に限らず、個別ハー
ドウェアによりパラレル処理するようにしてもよい。
また、第1図の例においては、自然対数の指数関数項
exp〔a1cos(ω1t+φ)〕を、前記(5)式乃至
(9)式に示したように、2のべき乗の形 に変換してその値を求めているが、これに限らず、例え
ば、exp(a・cosθ)のテーブルを設け、係数a=a1
位相情報θ=ω1t+φをアドレス入力としてその値を
読み出す方法、あるいはその他の方法によってその値を
求めるようにしてよい。
また、第1図の例においては波形データや係数データ
を対数表現で与え、演算処理の後リニア表現に変換する
ようにしているが、これは始めからリニア表現で与える
ようにしてもよい。
また、上記各式において正弦関数は余弦関数であって
も実質的に変わりないことは言うまでもなく、また、正
弦関数テーブル20は余弦関数テーブルに置き換えてもよ
い。更に、正弦関数テーブル20は他の任意の形状の波形
(倍音成分を含む波形)を記憶したテーブルに置き換え
ることも可能である。その場合は、前記(4)式又は
(10)式における指数関数項の振動関数や周波数関数項
の搬送波関数及び変調波関数は単純な余弦関数や正弦関
数ではなく、複雑な関数に置き換わる。
勿論、楽音信号合成用演算部10のハード構成は第1図
に示した例に限らず、適宜に設計変更することができ
る。
なお、位相情報ωtを発生するための構成としては、
周波数ナンバを繰り返しアキュムレート(加算若しくは
減算)する方式やノートクロックを分周する方式やその
他公知の種々の方式を任意に用いてよいのは勿論であ
る。
この発明に従って発生される楽音信号若しくは部分音
信号は、最終的な楽音信号若しくはその一部として使用
するだけに限らず、周波数変調演算や振幅変調演算等に
よる楽音合成方式における変調波信号や被変調波信号
(搬送波信号)等として使用するようにしてもよい。
この発明は、音階音に限らず、リズム音や人間の音声
音等その他種々の音信号の発生のために適用することが
できるのは勿論である。
〔発明の効果〕
以上の通り、この発明によれば、スペクトルエンベロ
ープが滑らかに変化する特徴を持つスペクトル特性の楽
音信号を比較的簡単な演算構成により合成することがで
きると共に、該スペクトル特性におけるフォルマントの
中心周波数の位置は動かさずに、スペクトルエンベロー
プの状態を任意に制御すること、すなわち、フォルマン
トの中心周波数を挟んで、その低域側のスペクトルエン
ベロープとその高域側のスペクトルエンベロープとを対
称形にしたり、様々な態様で非対称にしたりする、とい
うフォルマントの対称性/非対称性の制御を行うこと、
が自由に行うことができ、該スペクトル特性の制御可能
性を向上させることができる、という優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る楽音信号合成方式の一実施例で
ある楽音信号合成用演算部の一例を示すブロック図、 第2図は第1図の楽音信号合成用演算部を適用した電子
楽器の簡単な一構成例を示すブロック図、 第3図は第1図における時分割動作タイミングを制御す
る信号の一例を示すタイミングチャート、 第4図は各時分割タイムスロット毎の第1図各部の入出
力データの内容の一例を示す表図、 第5図a乃至mは第1図の楽音信号合成用演算部によっ
て合成される楽音信号のスペクトル構成の実例を夫々示
すスペクトル図、 第6図は第1図の楽音信号合成用演算部を適用した電子
楽器の別の簡単な構成例を示すブロック図であり、nチ
ャンネル時分割処理可能な構成としたもの、 第7図は第6図の演算部の動作例を示すタイミングチャ
ート、である。 10……楽音信号合成用演算部、11……演算回路、12……
位相情報発生回路、13……係数発生回路、14……タイミ
ング信号発生回路、15……鍵盤回路、16……音色選択回
路、17……音色パラメータ発生回路、18……ディジタル
/アナログ変換器、19……サウンドシステム、21,22,23
……加算器、20……正弦関数テーブル、24,25……ゲー
ト、26……対数/リニア変換テーブル、RA,RB,RC……レ
ジスタ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】振動関数を指数に含む指数関数項と搬送波
    関数を変調波関数により周波数変調する周波数変調項と
    の積からなる演算項を少なくとも1つ含む演算式を実行
    することにより、楽音信号の瞬時値を算出し、前記変調
    波関数の初期位相と前記振動関数の初期位相の少なくと
    も一方を可変制御することにより両者の相対的位相関係
    を制御し、これにより、前記楽音信号のフォルマントの
    中心周波数を変更することなく、そのスペクトル特性を
    制御することを特徴とする楽音信号合成方式。
  2. 【請求項2】前記指数関数項は exp〔a1cos(ω1t+φ)〕、 前記周波数変調項は sin〔ω2t+φ+a3sin(ω3t+φ)〕 であり、ここで、ωは前記振動関数の角周波数、ω
    は前記搬送波関数の角周波数、ωは前記変調波関数の
    角周波数、tは時間、a1は前記振動関数、a3は前記変調
    波関数の係数、φは前記振動関数の初期位相、φ
    前記搬送波関数の初期位相、φは前記変調波関数の初
    期位相である請求項1に記載の楽音信号合成方式。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61262797A (ja) * 1985-05-17 1986-11-20 ヤマハ株式会社 楽音合成方法
JPS638956U (ja) * 1986-07-04 1988-01-21

Patent Citations (2)

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