JP2678369B2 - 水性被覆組成物 - Google Patents

水性被覆組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規にして有用なる水性被覆組成物に関し、
さらに詳細には、特定の高分子アゾ開始剤の存在下に乳
化重合して得られるエマルジョンを主成分とする、良好
な耐水性および耐食性などを有する組成物に関する。
〔従来の技術〕
ところで、かかる水性被覆組成物の主成分であるエマ
ルジョンの調整方法としては、種々の重合性不飽和単量
体を乳化剤の存在下で、親水性ないしは親油性の開始剤
を用いての乳化重合法が採用されている。
そのさいの乳化剤としては、主に非イオン系または陰
イオン系の界面活性剤が多く用いられているが、一般
に、得られるエマルジョンの系安定性を保持させるため
に、多量の使用を必要とする。
かくして、乳化剤を用いて得られるエマルジョンを水
性被覆組成物として利用した場合には、必然的に、被覆
物の耐水性や耐食性が低下するといった欠点があった。
一方、こうした状況下において、乳化剤を使用せずに
乳化重合を行なうというエマルジョンの製造技術も既に
研究され開発されてはいるけれども、未だに満足すべき
エマルジョンの調製方法は見い出されていないというの
が現状である。
すなわち、たとえば過硫酸塩を多量に使用して安定化
を図るという技術や、特公昭51−44158号公報に開示さ
れているような、末端にエチルスルホン酸基もしくはプ
ロピルスルホン酸基を有するマレイン酸エステルまたは
イタコン酸エステルを共重合せしめて安定化を図るとい
う技術や、さらには特公昭51−44157号公報に開示され
ているような、水酸基とスルホン酸基とを有する不飽和
カルボン酸エステルを用いることにより安定化を図ると
いう技術などがある。
このような、いわゆるソープ・フリー型エマルジョン
は、乳化剤を使用しての従来型エマルジョンに比して、
耐水性や耐食性などに優れるものもあるにはあるが、残
留する開始剤切片などの問題や、乳化力不足から生じ
る、未反応単量体ないしはオリゴマーなどの残留化の問
題などにより、却って、諸物性が損なわれることになる
など、品質の一定したエマルジョンを得るという上で
の、製造面における難点があって、結局の処は、未だに
満足される状態には到っていないというのが実状であ
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このように、従来型技術に従う限りは、どうしても、
分散安定性などにも優れるし、とりわけ、付着性、耐水
性ならびに耐食性などにも優れるという、換言をすれ
ば、これらの諸特性ないしは諸性能のバランス化が非常
に図られた、極めて実用性の高い水性被覆組成物を得る
ということは、頗る、困難であった。
したがって、本発明が解決しようとする問題点は、一
にかかって、とりわけ、こうした諸々の特性ないしは性
能のバランスが非常に良くとれた、極めて実用性の高い
水性被覆組成物を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
しかるに、本発明者らは、上述したような従来技術に
おける種々の欠点の存在に鑑みて、はたまた、上述した
ような発明が解決しようとする問題点に照準を合わせ
て、鋭意、検討を重ねた結果、分子中にアゾ基と、200
〜10,000なる分子量のポリオキシエチレン鎖とを持っ
た、特定の高分子アゾ開始剤の存在下に、乳化せしめて
得られることによって得られる、たとえば、いわゆるア
クリル系エマルジョンを用いた処、従来型エマルジョン
に比して、著しく、とりわけ、耐水性や耐食性などの改
善化された塗膜が得られることを見出すに及んで、ここ
に、本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明は、一般式 〔ただし、式中のR1は分岐状ないしは直鎖状のアルキレ
ン基、またはシアノ基を含んだ分岐状ないしは直鎖状の
アルキレン基を表わすものとし、R2は200〜10,000なる
数平均分子量を有するポリオキシエチレングリコールの
残基を表わすものとする。〕 で示される構造単位を、通常、1〜20個なる範囲内で有
する、一分子中に1個以上のアゾ基を含み、しかも、1,
500〜50,000なる数平均分子量をもった化合物(A)の
2〜100重量部の存在下に、重合性不飽和単量体(B)
の100重量部を乳化重合にせしめることによって得られ
るエマルジョンを主成分として含有することから成る、
極めて実用性の高い水性被覆組成物を提供しようとする
ものである。
ところで、上掲の一般式〔I〕で示される構造単位を
有する化合物(A)は、それ自体、高分子開始剤とし
て、乳化重合のさいの開始剤として働くというのみなら
ず、界面活性機能をも有する処から、この乳化重合のさ
いの乳化剤としても働くものであり、そのために、何ら
他の乳化剤を使用しなくとも、安定なエマルジョンを与
えるというものである。
しかも、当該化合物(A)の使用によれば、従来にお
けるような、乳化重合時に生じる硫酸根などの、いわゆ
る開始剤切片も生じることがなく、したがって、耐水性
や耐食性などが著しく改善された塗膜が得られることに
なる。
勿論、必要に応じて、当該化合物(A)と従来の乳化
剤とを併用して乳化重合を行なった場合にも、系安定性
の良好なエマルジョンを得ることができるが、かかる場
合ですら、同量の乳化剤を用いての従来型のエマルジョ
ンに比して、格段にすぐれた耐水性および耐食性を示す
ことが認められる。
これは、エマルジョン・ポリマー中にブロック共重合
体を形成して分布されたポリオキシエチレン鎖と、併用
された乳化剤との相溶性が良好である処から、塗膜化し
たさいに親水性および親油性のそれぞれの成分が、従来
型エマルジョンの場合よりも、遥かに均質化されたフィ
ルムを形成していることに困るものと考えられる。
したがって、本発明においては、当該化合物(A)た
る高分子アゾ開始剤と乳化剤との併用な何ら制限される
ものではない。
以下に、本発明を詳細に説明していくことにすると、
まず、当該化合物(A)は、「高分子論文集」第33巻、
第3号、第131〜140頁(1976年発行)などに記述されて
いる、いわゆる低温縮合反応を用いることによって調製
することができる。
すなわち、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオン
酸)、4,4′−アゾビス(4−シアノプロピオン酸)ま
たは4,4′−アゾビス(4−シアノペンタン酸)などで
代表される、ジアゾ結合を含有する端末カルポキシル基
化合物にチオニルクロライドを、0〜20℃なる低温領域
で反応させて、まず、酸クロライドを調製し、次いで、
別の容器にて、乾燥雰囲気下に、ポリエチレングリコー
ルをトリクロロエチレンに溶解させ、しかるのち、ここ
へ予め調製しておいた上記アゾ基含有酸クロライドを、
反応系の温度が5℃を超えないように、氷浴で冷却しつ
つ徐々に加えて縮合反応せしめ、かくして得られた反応
混合物に、さらにトリエチルアルミを加えて30℃に一定
時間保持し、反応停止後は、副生したトリエチルアミン
塩酸塩を別する一方、液を多量のエチルエーテル中
に滴下して縮合生成物を沈殿せしめることにより、目的
とする化合物(A)が得られる。
そして、上記ポリエチレングリコールとしては、数平
均分子量が200〜10,000なる範囲内のものが好適であ
る。
200未満の場合には、得られる開始剤化合物それ自体
の、水に対する溶解性ないしは分散性が著しく劣るよう
になるし、その上、界面活性能も低いために、本発明が
意図するような、いわゆるソープフリー型の乳化重合が
不可能となるし、また、乳化剤を併用した場合にあって
も、エマルジョンは得られるものの、耐水性や耐食性な
どの良好な塗膜が得られないという欠点があるし、一
方、10,000を超える場合には、得られる高分子開始剤そ
れ自体の水への溶解性こそ良好ではあるものの、乳化重
合のさいの系安定性が悪くなって、良好なエマルジョン
を得ることが困難となるので、いずれも好ましくない。
水に対する溶解性ないしは分散性や、重合性不飽和単
量体に対する乳化能などの観点からは、400〜5,000なる
分子量範囲のポリエチレングリコールの使用が望まし
い。
而して、当該化合物(A)の分子量は、該化合物
(A)の一構成部位としてのポリエチレングリコール鎖
の分子量や重縮合条件などに依存して大幅に変化する
が、開始剤能と界面活性能とのバランスから1,500〜50,
000なる範囲内、就中、2,000〜20,000なる範囲内が好適
である。
かかる分子量領域をはずれると、特に界面活性能が著
しく劣るようになるので、好ましくない。
次いで、前記した重合性不飽和単量体(B)として
は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルもしくはアク
リル酸−n−ブチルの如きアクリル酸エステル類;メタ
クリル酸メチルもしくはメタクリル酸エチルの如きメタ
クリル酸エステル類;マレイン酸、フマル酸もしくはイ
タコン酸の如き不飽和ジカルボン酸のジエステル類;ア
クリノニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルもし
くは第三級カルボン酸ビニルの如き脂肪族ビニルエステ
ル類;スチレンもしくはビニルトルエンの如き芳香族ビ
ニル化合物;ビニルピロリドンの如き複素環式ビニル化
合物;ふっ化ビニリデンもしくは塩化ビニリデンの如き
ハロゲン化ビニリデン化合物;エチレンもしくはプロピ
レンの如きα−オレフィン類;ブタジエンの如きジエン
類をはじめ、塩化ビニル、ビニルエーテル、ビニルケト
ンまたはビニルアミドなどが代表的なものである。
また、反応性極性基、つまり官能基をもった重合性不
飽和単量体としては、グリシジルアクリレート、グリシ
ジルメタクリレートもしくはアリルグリシジンエーテル
の如きエポキシ基含有ビニル化合物;ビニルトリクロロ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β
−メトキシエトキシ)シランもしくはγ−メタクリロイ
ルオキシプロピルトリメトキシシランの如きシリル基含
有ビニル化合物;β−ヒドロキシエチルアクリレートも
しくはβ−ヒドロキシエチルメタクリレートの如き水酸
基含有ビニル化合物;N−メトキシアミノエチルアクリレ
ートもしくはN−エトキシアミノエチルメタクリレート
の如きアミノ基含有ビニル化合物;アクリル酸、メタク
リル酸もしくはクロトン酸、または上掲された如き不飽
和ジカルボン酸もしくはその半エステルの如きカルボキ
シル基含有ビニル化合物;あるいはアクリルアミド、N
−メチルロールアクリルアミド、メタクリルアミド、N
−メチロールメタクリルアミド、ダイアセトンアクリル
アミド、N,N−ジメチロールアクリルアミドもしくはジ
メチルロールメタコンアミドの如きアミド結合含有ビニ
ル化合物またはそのアルコキシ化誘導体などが代表的な
ものである。
これらの各単量体は、所望の性能に応じて、適宜、組
み合わせて用いられる。
ところで、前記した高分子アゾ開始剤たる化合物
(A)は、それ自体が界面活性能を有するものであるた
めに、乳化重合にさいして、格別、乳化剤を必要とする
ものではなく、必要に応じて、公知慣用の乳化剤を用い
ても差し支えのないことは前述した通りであるが、その
さいには、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウムもしくはノニルフェニル
ポリエーテル硫酸塩の如き陰イオン性乳化剤;ポリオキ
シエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニ
ルエーテルもしくはポリオキシエチレン−ポリオキシプ
ロピレン・ブロック共重合体の如き非イオン性乳化剤;
またはセチルトリメチルアンモニウムブロマイドもしく
はラウリルピリジウムクロリライドの如き陽イオン性乳
化剤などが、適宜、選択して使用できる。
また、必要に応じて、水溶性オリゴマーを分散剤とし
て用いることができるのは勿論である。
さらに、ポリビニルアルコールまたはヒドロキシエチ
ルセルロースのような水溶性高分子物質を用いて、上掲
された如き乳化剤と併用したり、重合後にエマルジョン
に添加したりすることができるのも勿論であり、有効で
ある。
本発明において用いられるエマルジョンを得るための
乳化重合の反応条件は、公知慣用の乳化重合で行なわれ
ている範囲内のものがそのまま適用でき、たとえば、反
応温度は60〜95℃なる範囲内が、反応時間は2〜5時間
なる範囲内が、それぞれ好適である。
また、こうした乳化重合は常圧下で、あるいはガス状
の重合性不飽和単量体を使用する場合には加圧下で行な
われる。
さらに、こうした乳化重合を行なうに当たって、前掲
した一般式〔I〕で示される構造単位を有する化合物
(A)と前掲の如き重合性不飽和単量体(B)との使用
率は、後者単量体(B)の100重量部に対して前者単量
体(A)の2〜100重量部、好ましくは5〜40重量部と
なる割合である。
当該化合物(A)の使用量が2重量部未満の場合に
は、十分な界面活性能を示さなく、したがって、系安定
性の不良なエマルジョンしか得られなくなるし、一方、
100重量部を超える場合には、親水性の度合が高くな
り、十分な耐水性や耐食性などをもった塗膜を得ること
ができなくなるので、いずれも好ましくない。
また、必要に応じて用いられる乳化剤の使用量として
は、耐水性や耐食性などの観点から、重合性不飽和単量
体(B)の100重量部に対して10重量部までが限度であ
り、5重量部以下が好ましい。
本発明の水性被覆組成物は、以上のようにして乳化重
合により得られるエマルジョンをビヒクルの主成分とし
て、常法に従って調製される。
すなわち、顔料、充填剤、骨材、湿潤剤、増粘剤、レ
オロジーコントロール剤(チクソトロピー改良剤)、消
泡剤、可塑剤、造膜助剤、有機溶剤、防腐剤、防ばい
剤、防錆剤またはpH調節剤などを、それぞれの目的に応
じて、適宜、選択され、組み合わされ、そして塗料化さ
れる。
〔実施例〕
次に、実施例および比較例を挙げて、本発明を一層具
体的に説明することにするが、以下において、部および
%は特に断りのない限り、すべて重量基準であるものと
する。
実施例1 攪拌機、温度計、環流冷却器および滴下漏斗を備えた
0.3の反応容器に、下記の原料を仕込んで溶解せしめ
た。
脱イオン水 100部 〔但し、式中のm=30、n=3であるものとする。〕で
示される、数平均分子量が4,800なる化合物 10部 窒素ガスを挿入しつつ攪拌下に、反応容器内温度を80
℃に昇温し、さらにここへ40部のアクリル酸−n−ブリ
ル、28部のメタクリル酸メチル、30部のスチレンおよび
2部のアクリル酸よりなる混合物を3時間かけて滴下し
た。このさい、重合熱による内温の上昇をウオーターバ
スにより制御し、内温を80℃に保持した。さらに、滴下
終了後も同温度に2時間保持して反応を続行せしめてか
ら、室温まで冷却し、アンモニア水によりpHを8〜9に
調製し、次いで200メッシュの布にて過してエマル
ジョンを得た。
このものは不揮発分濃度が50.3%で、pHが8.3で、か
つ、25℃におけるブルック・フィールド粘度(以下同
様)が120cps.であった。
このエマルジョンを下記の配合により水性被覆組成物
を調製した。
「タイペーク R−550」〔石原産業(株)製のルチル
型酸化チタン〕 7.5 部 ぺんがら〔森下弁柄(株)製品〕 15 部 ジンク・クロメート〔菊池色素(株)製品〕 2.8 部 「タモール 731」(アメリカ国ローム・アン ド・ハース社製の分散剤)の25%水溶液 0.72部 「セロサイズ QP−4400」(アメリカ国ユニオ ン・カーバイド社製の増粘剤)の3%水溶液 6.4 部 エチレングリコール 1.5 部 「ノプコ NDW」〔サン・ノプコ(株)製の消泡剤〕0.1
部 「ベストサイド TB」〔大日本インキ化学工業 (株)製の防腐剤〕 0.06部 脱イオン水 10.12部 まず、これらの各成分を分散せしめ、次いでここに下
記の成分を加えて混合せしめて、不揮発分が51.0%で、
かつ、顔料重量濃度(PWC)が55%なる水性被覆組成物
が得られた。
エマルジョン 45.1部28%アンモニア水 0.7部 延べ総量 90.0部 実施例2 初期の脱イオン水の使用量を96部に変更すると共に、さ
らに「レベノール WZ」(花王石鹸(株)製の陰イオン
界面活性剤〕の8部をも用いるように変更した以外は、
実施例1と同様にして、不揮発分濃度が50.1%で、pHが
8.5で、かつ、粘度が800cps.なるエマルジョンを得た。
以後も、このエマルジョンに変更するだけで実施例1
と同様にして水性被覆組成物が得られた。
実施例3 前掲の式〔I−1〕で示される化合物の代わりに、同
量の、式 〔但し、式中のm=10、n=10であるものとする。〕 で示される、数平均分子量が7,400なる化合物を用いる
ように変更した以外は、実施例1と同様にして、不揮発
分濃度が50.2%、pHが8.4で、かつ、粘度が70cps.なる
エマルジョンを得た。
以後も、このエマルジョンを用いるように変更した以
外は、実施例1と同様にして水性被覆組成物を得た。
実施例4 式〔I−1〕で示される化合物の代わりに、同量の式 〔但し、式中のm=100、n=6であるものとする。〕 で示される、数平均分子量が30,000なる化合物を用いる
ように変更した以外は、実施例1と同様にして、不揮発
分濃度が50.0%、pHが8.5で、かつ、粘度が5,000cps.な
るエマルジョンを得た。
以後も、このエマルジョンを用いるように変更した以
外は、実施例1と同様にして水性被覆組成物を得た。
実施例5 式〔I−1〕で示される化合物の使用量を40部に、か
つ、初期の脱イオン水の使用量を130部に変更する以外
は、実施例1と同様にして、不揮発分濃度が50.2%で、
pHが8.6で、かつ、粘度が2,400cps.なるエマルジョンを
得た。
以後も、このエマルジョンを用いるように変更した以
外は、実施例1と同様にして水性被覆組成物を得た。
比較例1 式〔I−1〕で示される化合物の使用量を1.0部に変
更した以外は、実施例1と同様にして乳化重合を行なっ
た処、凝集物が大量に発生し、良好なエマルジョンは得
られなかった。
比較例2 式〔I−1〕で示される化合物の使用量を120部に、
かつ、脱イオン水の使用量を210部に変更した以外は、
実施例1と同様にして乳化重合を行ない、不揮発分濃度
が50.1%で、pHが8.3で、かつ粘度が9,800cps.なる対照
用のエマルジョンを得た。
以後も、このエマルジョンを用いるように変更した以
外は、実施例1と同様にして対照用の水性被覆組成物を
得た。
比較例3 式〔I−1〕で示される化合物の代りに、同量の式 〔但し、式中のm=2、n=10であるものとする。〕 で示される、数平均分子量が4,400なる対照用の化合物
を用いるように変更した以外は、実施例1と同様にして
乳化重合を行なった処、凝集物が大量に発生し、良好な
エマルジョンが得られなかった。
比較例4 式〔I−1〕で示される化合物の代わりに、同量の式 〔但し、式中のm=450、n=2であるものとする。〕 で示される、数平均分子量が40,000なる対照用の化合物
を用いるように変更した以外は、実施例1と同様にして
乳化重合を行なった処、反応の初期から増粘傾向が強
く、反応途中で系がゲル化してしまった。
比較例5 実施例1と同様の反応容器に、脱イオン水の100部お
よび「レベノール WZ」の8部を仕込んで、反応容器内
温度を80℃に昇温し、次いでここにアクリル酸−n−ブ
チルの40部、メタクリル酸メチルの28部、スチレンの30
部およびアクリル酸の2部からなる混合物と、過硫酸ア
ンモニウムの1.0部を含む開始剤水溶液の5部とを3時
間かけて滴下し、この間、重合熱による温度上昇をウオ
ーターバスにより制御して内温を80℃に保持した。
滴下終了後も同温度に2時間保持して反応を続行せし
めたのち、室温まで冷却し、アンモニア水にてpHを8〜
9に調製し、次いで200メッシュの布にて過して、
対照用のエマルジョンを得た。
このものは不揮発分濃度が50.1%で、pHが8.4で、か
つ粘度が200cps.であった。
次いで、この対照用エマルジョンを用いるように変更
した以外は、実施例1と同様にして、対照用の水性被覆
組成物を得た。
以上の各実施例および比較例で調製された水性被覆組
成物たる各種の塗料を磨軟鋼板に、バーコーターNo.60
により膜厚が25ミクロンとなるように塗布し、23℃で5
日間、乾燥硬化せしめて、硬化塗膜を得た。
次いで、かかる乾燥後の各試片に対して、その裏面お
よび側面をアクリル系のクリヤー・ラッカーによりシー
ルして、物性の評価に供した。
それぞれの塗膜についての物性の評価の結果は、第1
表に示される通りである。
なお、物性の評価は次のような要領で行なったもので
ある。
付着性…10mm×10mmの広さに1mm間隔で、ナイフでゴバ
ン目を入れ、市販のセロファン・テープによる剥離を行
なったものである。
耐水性…クロスカットを入れた試片を水中に1週間浸漬
して、塗膜の発錆、フクレおよびその他の状態変化を目
視により判定したものである。
耐塩水性…クロスカットを入れた試片を5%食塩水に1
週間浸漬して、塗膜の発錆、フクレおよびその他の状態
変化を目視により判定したものである。
耐塩水噴霧性(1)…クロスカットを入れた試片を塩水
噴霧試験機中に入れ、96時間暴露したのちの、塗膜の発
錆、フクレおよびその他の状態変化を目視により判定し
たものである。
耐塩水噴霧性(2)…耐塩水噴霧試験(1)と同様にし
て96時間の暴露を行なったのち、30分間放置してからセ
ロファンテープ剥離を行なって、その剥離幅(mm)を以
て表示したものである。
〔発明の効果〕 本発明の水性被覆組成物は、第1表の結果からも明ら
かなように、分散安定性にもすくれるものであることは
もとよりのこと、付着性、耐水性ならびに耐食性にすぐ
れた塗膜を与えるものであることも知れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 進 大阪府吹田市藤白台3丁目5番A27― 209号 (72)発明者 上田 明 大阪府高石市西取石7―1―25

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔ただし、式中のR1は分岐状ないしは直鎖状のアルキレ
    ン基、またはシアノ基を含んだ、分岐状ないしは直鎖状
    のアルキレン基を表わすものとし、また、R2は200〜10,
    000なる数平均分子量を有するポリエチレングリコール
    の残基を表わすものとする。〕 で示される構造単位を有する、一分子中に1個以上のア
    ゾ基を持った、数平均分子量が1,500〜50,000なる化合
    物(A)の2〜100重量部の存在下に、重合性不飽和単
    量体(B)の100重量部を乳化重合せしめることによっ
    て得られるエマルジョンを主成分として含有することを
    特徴とする、水性被覆組成物。
  2. 【請求項2】前記した化合物(A)が、アゾ基を有する
    酸クロライドと、ポリエチレングリコールとを反応せし
    めて得られるものである、請求項1に記載された組成
    物。
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