JP2677602B2 - 継代シード培養によるl−ソルボースの製造法およびそれに用いる装置 - Google Patents

継代シード培養によるl−ソルボースの製造法およびそれに用いる装置

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はD−ソルビットから醗酵によりL−ソルボー
スを製造するにあたり、生産菌の生育を促進し、かつ、
D−ソルビットの酸化活性を高める継代シード培養を採
用したL−ソルボースの製造法およびそれに用いる装置
に関する。
従来の技術 L−ソルボースはビタミンC(L−アスコルビン酸)
合成の原料として有用な物質で、一般に、L−ソルボー
ス生産菌、代表的には、酢酸菌の1種であるグルコノバ
クター・サブオキシダンス(またはアセトバクター・サ
ブオキシダンス)によって、D−ソルビットを酸化する
L−ソルボース醗酵により製造される。
通常、大量生産には、大容量のメイン醗酵槽を用い
る、いわゆるバッチ式醗酵法が採用されており、近年、
連続醗酵法も検討されているが、生産菌増殖の不安定
性、雑菌汚染の発生、原料ソルビットの残存等のため、
大規模な製造に適用されることは少ない。このようなバ
ッチ式醗酵法においては、純粋に分離された1個の生産
菌をバッチ毎に、例えば、斜面培養から前培養を経てシ
ード培養へと、小規模の容量から漸次より大容量の培養
槽へ移植する数段階の増殖過程を経て種菌を調製し、最
後に、得られたシード培養を用い、メイン醗酵槽でD−
ソルビットを酸化させてL−ソルボースを製造してい
る。
発明が解決しようとする課題 この数段階の増殖過程においては、雑菌の汚染防止対
策や複雑な純粋培養の操作、さらには大量の労力と長い
時間が要求される。
本発明は、L−ソルボースのバッチ式醗酵法による大
量生産におけるこのような複雑な操作や、大量の労力、
長い時間の要求を改善し、L−ソルボースの大量生産を
長期間安定に、かつ、経済的に行なうためになされたも
ので、L−ソルボース生産菌の生育および酸化能を低下
させることなく継代シード培養が可能であり、バッチ毎
の数段階の増殖過程を経る種菌調製が不要となるとい
う、本発明者らの知見に基づいて完成されたものであ
る。
課題を解決するための手段 本発明は、L−ソルボース生産菌をシード培養し、バ
ッチ式醗酵法によりメイン醗酵させるL−ソルボースの
製造において、順次、シード培養液の一部を種菌として
継代シード培養を行ない、一方、残りの外シード培養液
を用いてメイン醗酵を行なうことを特徴とするL−ソル
ボースの製造法を提供するものである。
本発明で用いるL−ソルボース生産菌は特に限定する
ものではなく、D−ソルビットを酸化してL−ソルボー
スを生成させる能力を有するものいずれでもよい。その
代表的なものとしては、グルコノバクター属に属する微
生物、例えば、グルコノバクター・サブオキシダンス、
あるいはグルコノバクター・オキシダンスの種菌が挙げ
られる。具体的な菌株類としては、例えば、グルコノバ
クター・サブオキシダンスIFO 3254、IFO 3257、IFO 12
528、IFO 3255、IFO 3256、IFO 3258あるいはIFO 3291
や、さらにはグルコノバクター・オキシダンスIFO 3189
などが挙げられる。これら微生物は好気性で、グラム陰
性桿菌で運動性を有し、または非運動性で酸性pHで生育
し、エタノールから酢酸を生成するものである。
本発明の製造法においては、まず、L−ソルボース生
産菌を公知の方法、例えば、斜面培養、前培養等により
適宜増殖させ、第1代のシード培養用の種菌を調製す
る。ついで、得られた種菌を、予め滅菌したシード培地
を入れたシード培養槽に移植し、第1代シード培養を行
なう。
このシード培養は、例えば、培養液中に空気または酸
素を無菌的に吹き込むような、好気的条件下、26〜35
℃、好ましくは、28〜33℃で行なうことができ、要すれ
ば、公知の方法により、pHを4〜7に制御したり、溶存
酸素を1ppm以上に制御したり、また、D−ソルビットを
添加しながら培養を行ない、その培地濃度を約1〜5%
に保持する。いわゆるソルビット流化法を適用すること
もできる。該シード培養は生産菌の対数増殖期または増
殖終了直前まで行なわれ、これにより、生産菌の生育が
促進され、酸化活性を高めることができる。通常、20〜
24時間でこの状態に達し、第1代シード培養が完了す
る。
第1代シード培養が完了したら、その培養液の一部を
第2第シード培養の種菌として用い、残りをメイン醗酵
に用いる。第2代シード培養に用いるべき培養液の量は
生産菌の増殖速度から算出することができ、とくに、第
1代シード培養からの培養液によるメイン醗酵に要する
と同様な時間、例えば、20〜24時間で第2代のシード培
養が完了するような量とすることが好ましい。
第2代シード培養はこの第1代シード培養液の所定量
を用い、第1代シード培養と同様にシード培養槽中で、
メイン醗酵と共に開始し、並行させて進行させる。
一方、メイン醗酵は公知の方法に従って行なうことが
でき、メイン醗酵培地に入れたメイン醗酵槽に該第1第
シード培養液を移植し、例えば、メイン醗酵液中の第1
代シード培養液濃度が5〜20%(v/v)、好ましくは、1
0〜20%(v/v)となるように調整する。メイン醗酵液中
のD−ソルビット濃度は、総添加量が、通常、10〜50%
(w/v)となるようにし、例えば、空気または酸素を吹
き込むような好気的条件下、26〜35℃、20〜24時間程度
で醗酵が完了する。醗酵が完了したら、醗酵槽から内容
物を排出し、常法に従って、L−ソルボースの分離、精
製を行なう。
前記のごとく、メイン醗酵に要する時間と、第2代の
シード培養の完了時間が同様になるようにすることによ
り、メイン醗酵の完了と共に、第2代のシード培養も完
了する。この第2代のシード培養液は第1代シード培養
におけると同様にその一部を第3代のシード培養の種菌
として用い、また、残りは、新たなメイン醗酵培地を入
れたメイン醗酵槽に移植して再びメイン醗酵を行なう。
本発明の製造法によれば、このサイクルを順次くり返
すことにより、継代シード培養と並行させて、1つのバ
ッチ式メイン醗酵槽で途切れることなく、メイン醗酵を
くり返すことができ、また、該継代シード培養により、
L−ソルボース生産菌の生育および酸化能を劣化させる
ことなく、半永久的に維持でき、従来、バッチ毎に必要
とされていた生産菌の数段階にわたる増殖過程を省略で
きる。
用いるシード培地およびメイン醗酵培地は通常用いら
れるものいずれでもよく、例えば、炭素源としてD−ソ
ルビットを主体とし、所望によりD−グルコース、D−
フラクトース、D−マンニトール、糖蜜、窒素源とし
て、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、酢酸アンモ
ニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無
機窒素化合物、アミノ酸、尿素などの有機窒素化合物、
その他、種々の金属、ビタミン、核酸、キノン類等を適
宜添加した培地を用いることができる。
本発明はまた、このようなL−ソルボースの製造法を
行なうための装置も提供するものである。
すなわち、本発明の装置の第1の態様は、前培養槽
と、複数の代表的には2基のシード培養槽と、メイン醗
酵槽とを有し、各槽が好気性微生物用の培養槽であっ
て、該複数のシード培養槽が相互に並列的に配置され、
その各々が、前培養槽の内容物の移植手段と共に、少な
くとも1つの他のシード培養槽の内容物の移植手段をも
有し、かつ、メイン醗酵槽が各シード培養槽の内容物の
移植手段を有することを特徴とする。また、本発明装置
の第2の態様は、前培養槽と、シード培養槽と、メイン
醗酵槽とを有し、各槽が好気性微生物用の培養槽であっ
て、該シード培養槽が前培養槽の内容物の移植手段を有
し、かつ、前培養槽もシード培養槽の内容物の返送用手
段を有し、メイン醗酵槽がシード培養槽の内容物の移植
手段を有することを特徴とする。
本発明の装置における前培養槽、シード培養槽、メイ
ン醗酵槽は、いずれも好気性微生物の培養に公知のもの
でよく、撹拌機あるいはこれと空気や酸素通気管や排気
管の組み合せ等の公知の手段で好気性条件を保持するも
のが採用される。また、各槽は公知のごとく、種菌供
給、培地供給、槽内溶物排出のための開口や配管系を有
してよく、これらは、その目的に応じてバルブ、コッ
ク、ポンプ等と組合されて本発明装置における内容物の
移植や返送用手段を構成する。さらに、所望により、本
発明の装置においては、前培養槽とシード培養槽の間の
ごとき適当な部位に計量槽等を設けてもよい。
第1の態様の装置を用いて本発明の製造法を実施する
には、例えば、2基のシード培養槽を有する場合、ま
ず、前培養槽で適宜増殖させたL−ソルボース生産菌
を、前培養槽から、予め滅菌したシード培地を入れた第
1のシード培養槽にその移植用手段を介して移植し、第
1代のシード培養を行なう。このシード培養が完了した
ら、その培養液の一部を、シード培養槽から、予め滅菌
したシード培地を入れた第2のシード培養槽に、その移
植用手段を介して移植する。一方、第1のシード培養槽
に残った培養液は、予めメイン醗酵培地を入れたメイン
醗酵槽に移植する。かくして、第2のシード培養槽にお
ける第2代のシード培養と、メイン醗酵槽における醗酵
を並行して進行させる。第2代のシード培養およびメイ
ン醗酵が完了したら、メイン醗酵槽の内容物を排出し、
所望のL−ソルボースの分離、精製工程に移送すると共
に、前記と同様に、今度は、第2代のシード培養液の一
部を第1のシード培養槽に移植して、第3代のシード培
養と、メイン醗酵を行なう。このサイクルを順次くり返
すことにより、メイン醗酵槽での醗酵を途切れることな
く、くり返すことができる。
第2の態様の装置を用いて本発明の製造法を実施する
には、まず、前培養槽で適宜増殖させたL−ソルボース
生産菌を、前培養槽から、予め滅菌したシード培地を入
れたシードを培養槽に、その移植用手段を介して移植
し、第1代のシード培養を行なう。このシード培養が完
了したら、その培養液の一部を、前培養槽の返送用手段
を介して前培養槽へ返送し、一時保持する。一方、シー
ド培養槽に残った培養液は、予め醗酵培地を入れたメイ
ン醗酵槽に移植する。また、シード培養槽には再びシー
ド培地を供給し、前培養槽に保持されていた第1代のシ
ード培養液を移植する。かくして、シード培養槽におけ
る第2代のシード培養と、メイン醗酵槽における醗酵を
並行して進行させる。これをくり返すことにより、メイ
ン醗酵槽での醗酵を途切れることなく、くり返すことが
できる。第1の態様の装置においては、継代シード培養
を複数のシード培養槽の間で交互に行なうため、休止し
ているシード培養槽が生じるが、この第2の態様の装置
においては、これを避けることができる。
また、前記のごとく、本発明においては、各継代シー
ド培養の時間および量と、メイン醗酵の量、時間を調和
させることが好ましく、この点で、本発明の装置の各槽
はその容量をこれらの調和に適したものとすることが好
ましく、例えば、シード培養槽とメイン醗酵槽の容量比
を1:5〜20程度とする。
実施例 つぎに、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明す
る。
まず、添付の図面を用いて本発明の装置を説明する。
添付の図面中、第1図は、2基のシード培養槽を有する
本発明装置の第1の態様の1具体例の全体図である。
この例の装置は、種菌供給管1、撹拌機2および培養
液移植、種菌供給管3を有する前培養槽4と、種菌供給
管5、通気管6、撹拌機7、培養液移植管8および内容
物排出口9を有する第1シード培養槽10および同様な構
造の第2シード培養槽10′と、種菌供給管11、通気管1
2、撹拌機13および内容物排出口14を有するメイン醗酵
槽15とを有し、前培養槽4とシード培養槽10および10′
の間に、計量槽16が設けられている。
この装置を用いてL−ソルボースの製造を行なうに
は、前培養槽4で適宜増殖させたL−ソルボース生産菌
を、培養液移植管3および計量槽16を介し、シード培養
槽10の移植用手段である種菌供給管5からシード培養槽
10内へ移植する。シード培養槽には予め、シード培地が
供給されており、通気管6および撹拌機7による通気、
撹拌下に、第1代のシード培養が行なわれる。このシー
ド培養が完了したら、もう1つの移植用手段である培養
液移植管8、計量槽16および第2シード培養槽10′の種
菌供給管5分を介し、予めシード培地を入れた第2シー
ド培養槽10′へ第1代のシード培養液の一部を移植す
る。一方、第1シード培養槽10に残った培養液は内容物
排出口9からライン17を介し、移植用手段である種菌供
給管11より、醗酵培地を入れたメイン醗酵槽15へ移植す
る。かくして、第2シード培養槽10′における第2代の
シード培養と、メイン醗酵を並行して進行させる。第2
代のシード培養およびメイン醗酵が完了したら、メイン
醗酵槽15の内容物を排出口14より排出し、L−ソルボー
スの分離、精製工程に移送する。一方、第2代のシード
培養液は前記と逆の順でその一部を、シード培地を入れ
た第1シード培養槽10に移植し、残りを、排出口9′、
種菌供給管11を介し、再度、醗酵培地を入れたメイン醗
酵槽15に移植する。このサイクルを順次くり返すことに
より、前培養槽4における新たな生産菌の増殖をせず
に、シード培養槽10および10′を交互に用いて継代シー
ド培養を行ないつつ、メイン醗酵槽での醗酵を途切れる
ことなく、くり返すことができる。
添付の第2図は本発明装置の第2図の態様の1具体例
の全体図である。
この例の装置は、第1図におけると同様な、構造の前
培養槽4、シード培養槽10およびメイン醗酵槽15を有す
る。
この装置を用いてL−ソルボースの製造を行なうに
は、前培養槽4で適宜増殖させたL−ソルボース生産菌
を、培養液移植管3を介し、シード培養槽10の移植用手
段である種菌供給管5′からシード培養槽10内へ移植す
る。シード培養槽には予め、シード培地が供給されてお
り、通気管6および撹拌機7による通気、撹拌下に第1
代のシード培養が行なわれる。このシード培養が完了し
たら、返送用手段となるシード培養槽10の培養液移送管
8と前培養槽4の種菌供給管5を介し、シード培養液の
一部を前培養槽4に返送し、ここで一時保持する。一
方、シード培養槽に残った培養液は、移植用手段である
排出口9、ライン17および種菌供給管11を介し、予め醗
酵培地を入れたメイン醗酵槽15へ移植する。また、シー
ド培養槽10には再びシード培地を供給し、前培養槽に保
持されていた第1代のシード培養液を移植する。かくし
て、シード培養槽10における第2代のシード培養と、メ
イン醗酵槽15における醗酵を並行して進行させる。これ
をくり返すことにより、メイン醗酵槽での醗酵を途切れ
ることなく、くり返すことができる。
つぎに本発明の製造法の実施例を挙げる。
実施例1 第1表に示す組成からなるシード培地を250mlのエル
レンマイヤーフラスコに25ml分注し、120℃、15分間滅
菌した。これにグルコノバクター・サブオキシダンスIF
O 3254の前培養液0.25mlを接種し、温度30℃、250rpmの
撹拌下、24時間培養して第1代シード培養液を得た。第
1代シード培養液の0.25mlを種菌として第2のシード培
地に移植し、第1代のシード培養と同様の条件で継代培
養を行なった。
残りの2.5mlを第2表の組成からなるメイン醗酵培地
(250mlエルレンマイヤーフラスコに25ml分注培地)に
移植し、温度33℃、250rpmで20時間培養した。
シード培養は、15代継代をくり返し、継代ごとにメイ
ン醗酵培地に移植してメイン醗酵を行なった。この継代
シード培養によるシード培養の増殖とメイン醗酵でのソ
ルボース生成量を第3表に示す。
実施例2 容量5のガラス製ジャーファーメンター(以下ジャ
ーと略す)3基を準備し、第1図の装置のごとくシード
培養槽およびメイン醗酵槽として配置した。このうちの
2基の第1表の中のソルビットを5%(w/v)にした組
成からなるシード培地を2調製し、120℃で15分間滅
菌した。この一方のジャー(第1代シード培養槽)にグ
ルコノバクター・サブオキシダンスIFO 3254の前培養液
30mlを接種し、700〜800rpmの撹拌下、温度30℃、通気1
500ml/分の条件で、培養を開始した。5時間後より、滅
菌した一定量のソルビット(培養終了時約15%の添加に
なるように)を流加させながら、24時間培養した。
培養後、シード培養液30mlは他方のジャー(第2代シ
ード培養槽)に菌種として移植し、第1代のシード培養
と同様の条件で継代培養を行なった。
順次、これをくり返して10代の継代シードを調製し
た。24時間後の第1代シード培養液約300mlを、第2表
の組成からなるメイン醗酵培地3に移植し、温度33
℃、通気3000ml/分で20時間培養した。
この継代培養法によるシード培養の増殖とメイン醗酵
でのL−ソルボース生成量を第4表に示す。
実施例3 容積200のシード培養槽、容積2m3のメイン醗酵槽お
よび前培養槽を第2図のごとく配置した。200シード
培養槽に第1表の組成からなるシード培地を100調製
し、110℃で30分間滅菌した。このシード培養槽に前培
養にて増殖したグルコノバクター・サブオキシダンスIF
O 3257の前培養液約1を接種し、温度30℃、通気50
/分で24時間培養した。培養後、シード培養液の約1
を前培養槽にとり、残りの約100は第2表の組成から
なるメイン醗酵培地1m3に移植し、210〜230rpmの撹拌
下、温度33℃、通気500/分で20時間培養した。
移植後のシード培養槽では、直ちに次のシード培地を
調製した。先に前培養槽にとっておいたシード培養液1
を移植してシード培養の条件で培養を開始した。培養
後は前回と同様にメイン醗酵培地に移植し、メイン醗酵
条件で培養した。同様な方法で継代培養を21代まで行な
った。
当該継代培養によるシード培養の増殖とメイン醗酵で
のL−ソルボース生成量を第5表に示す。
発明の効果 本発明においては、L−ソルボースのバッチ式醗酵法
において、シード培養の一部を種菌として次バッチ用に
継代シード培養することにより、L−ソルボース生産菌
の生育および酸化能を全く劣化させることなく、半永久
的に維持でき、バッチ毎の数段階の増殖過程を経る種菌
の調製を省略できる。しかも、継代シード培養の量や時
間と、メイン醗酵の量や時間を調和させることにより、
継代シード培養と並行させて、1つのメイン醗酵槽で途
切れることなく、メイン醗酵を順次くり返すことができ
る。
従来、ソルボース醗酵での継代培養または連続培養が
生産に適用できなかった理由は、長期間の培養のうちに
菌が変異を起こし酸化能が低下すること、外部からの雑
菌汚染の防止が不可能であったこと等であるが、本発明
のシード培養段階での継代は安定したソルボースのバッ
チ式醗酵法を可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、各々、本発明装置の1具体例を
示す全体図である。 図面中の主な符号はつぎのものを意味する。 4:前培養槽、10および10′:シード培養槽、15:メイン
醗酵槽。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】L−ソルボース生産菌をシード培養し、バ
    ッチ式醗酵法によりメイン醗酵させるL−ソルボースの
    製造において、順次、シード培養液の一部を種菌として
    継代シード培養を行ない、一方、残りの該シード培養液
    を用いてメイン醗酵を行なうことを特徴とするL−ソル
    ボースの製造法。
  2. 【請求項2】前培養槽と、複数のシード培養槽と、メイ
    ン醗酵槽とを有し、各槽が好気性微生物用の培養槽であ
    って、該複数のシード培養槽が相互に並列的に配置さ
    れ、その各々が、前培養槽の内容物の移植用手段と共
    に、少なくとも1つの他のシード培養槽の内容物の移植
    用手段をも有し、かつ、メイン醗酵槽が各シード培養槽
    の内容物の移植用手段を有することを特徴とする継代シ
    ード培養によるL−ソルボースの製造装置。
  3. 【請求項3】前培養槽と、シード培養槽と、メイン醗酵
    槽とを有し、各槽が好気性微生物用の培養槽であって、
    該シード培養槽が前培養槽の内容物の移植用手段を有
    し、かつ、前培養槽もシード培養槽の内容物の返送用手
    段を有し、メイン醗酵槽がシード培養槽の内容物の移植
    用手段を有することを特徴とする継代シード培養による
    L−ソルボースの製造装置。
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