JP2677192B2 - インパクト式ねじ締め装置 - Google Patents

インパクト式ねじ締め装置

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JP2677192B2 JP6098911A JP9891194A JP2677192B2 JP 2677192 B2 JP2677192 B2 JP 2677192B2 JP 6098911 A JP6098911 A JP 6098911A JP 9891194 A JP9891194 A JP 9891194A JP 2677192 B2 JP2677192 B2 JP 2677192B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、衝撃力を利用して、
ねじ締め作業を行うねじ締め装置、例えばインパクト・
レンチやインパクト式ナット・ランナーなどに関し、特
に、ねじの締結力(締付け力)を制御する技術に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来の締付けトルクを制御するインパク
ト・レンチとしては、例えば実願平3−12370号
(実開平4−109867号)に記載の装置がある。図
21は上記の装置の断面図である。図21において、主
軸15は磁歪効果を有する材料で構成されている。そし
てねじ締めの際に発生するトルク・パルスに伴う主軸1
5表面の透磁率変化をトルク検出部11の検出コイル2
6a、26bのインダクタンス変化として検出すること
により、トルクの変化を検出する。そして、検出された
トルクが所定の範囲の値に達したところで、制御装置1
10からの制御信号により、シャット・オフ・バルブ1
2が閉じてエア・モータ部13への圧縮空気が遮断さ
れ、これによって油圧パルス発生部14および主軸15
の駆動を停止させるように構成されている。しかし、テ
ーパ・ビーム・レンチなどのトルク・レンチによるねじ
締めの場合には、締付けトルクと締結部に発生する締結
力とが比例関係にあるが、上記のごときインパクト・レ
ンチにおいては、インパクトによるトルク・パルスのピ
ーク値は締結力には比例せず、例えば、直前のインパク
トよりもトルク・パルスのピーク値の小さなインパクト
が発生した場合にも締結力が増加する、というようなこ
とが頻繁に生じることが実験の結果判明した。このよう
に、インパクトによるトルク・パルスのピーク値は締結
力に一対一で対応する量とはいえないため、このトルク
・パルスのピーク値を正確に検出しても締結力を精度良
く検出することはできず、したがって、これに基づいて
シャット・オフ・バルブをカット・オフ制御したとして
も、締結力を精度良く制御していることにはならない。
上記のように従来の装置においては、締結力を正確に検
出することができなかったので、所望の締結力に正確に
制御することが困難である、という問題があった。
【0003】上記の問題を解決するため、本出願人は、
ねじの着座に伴うトルク・パルスの波形変形から着座時
点を判定し、締結力を正確に演算する装置を既に出願し
ている(特願平5−333988(特開平6−7963
8号))。図22は、上記の装置における演算のフロー
チャートである。なお、機構部分は図21に示したもの
と同じである。
【0004】以下、図22に示すフローチャートに基づ
いて締結力の演算および制御の手順を説明する。まず、
ステップS201で目標締結力cFcの値を、またステ
ップS202で着座判定しきい値フリーランニング時間
stFRをそれぞれ設定した後、ステップS203でイン
パクト数のカウンタをリセットし<カウントi=0>、
さらにステップS204でそれまでの締結力の値をリセ
ットする<F(0)=0>。
【0005】次に、ステップS205では、ねじ締めを
開始する。また、ステップS206〜ステップS208
はループを形成しており、着座まではインパクトごとに
着座判定を行う。まず、ステップS206でカウントi
を1だけ増加させた後、ステップS207でトルクセン
サの信号からフリーランニング時間tFRを求める。な
お、フリーランニング時間とは、各インパクトごとに発
生する複数のトルク・パルスのうち最初に発生するトル
ク・パルスと第2番目に発生するトルク・パルスとの間
隔であり、この間はナットとボルトはフリーランニング
状態になっている。
【0006】次に、ステップS208では、フリーラン
ニング時間tFRが着座判定しきい値フリーランニング時
間stFR以下か否かを判断し、NOすなわち未着座であ
ればステップS206に戻ってステップS208までを
繰返す。一方、ステップS208でYESになると、す
なわち着座と判定すると、ステップS209〜ステップ
S212およびステップS213よりなるループに進
み、インパクトごとに締結力の計算を行う。まず、ステ
ップS209では、トルクセンサの信号からインパクト
に対応したトルクパルスのピーク値(以下、ピーク・ト
ルク値と記す)TP(i)を求めて記憶する。なお、着座
時点においては、上記ステップS207において一時的
に記憶されているトルク信号からピーク・トルク値T
P(i)を求めればよい。次に、ステップS210では、
F(i−1)におけるトルク−締結力変換係数CTF(i)
を、締結力データ・メモリ部のテーブルに基づいて計算
する。ただし、CTF(i)=CTF〔F(i−1)〕。次
に、ステップS211では、インパクトによる締結力の
増加分δF(i)=CTF(i)×TP(i)を計算し、さら
にこのインパクト後の締結力F(i)を、それまでの締
結力すなわち1回前のインパクト後の締結力F(i−
1)に上記の増加分δF(i)を加算することによって
計算する。したがって、F(i)はF(i)=F(i−
1)+CTF(i)×TP(i)。
【0007】次に、ステップS212では、インパクト
後の締結力F(i)が目標締結力cFc以上か否かを判
断し、NOであればステップS213でカウントiを1
だけ増加させた後、ステップS209に戻ってステップ
S212までを繰返す。
【0008】一方、ステップS212でYESになる
と、ステップS214へ進み、その時点でカット・オフ
命令が出される。これによって圧縮空気のバルブが閉じ
られる。次に、ステップS215では、終了するか否か
を判断し、YESであればそのまま終了し、NOであれ
ばステップS203へ戻って次のねじ締めを行う。な
お、上記の従来例および本出願人の先行技術の説明は、
インパクト・レンチを例として説明したが、インパクト
式ナット・ランナー等においても同様である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、図21
に示した従来の装置においては、締結力を正確に検出す
ることができなかったので、所望の締結力に正確に制御
することが困難である、という問題があった。また、上
記の問題を解決するためになされた本出願人の先行発明
においては、締結力を正確に検出することはできるが、
締結不良やトルク・センサの動作異常といったトラブル
が発生した場合の対応手段を備えていないため、締結不
良等のトラブルが発生しても締結作業が継続され、締結
不良品が次工程に流出するおそれがある、という問題が
あった。
【0010】本発明は、上記のごとき本出願人の先行技
術における問題を解決し、ねじ締め作業において締結不
良品の流出を防止することのできるインパクト式ねじ締
め装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明においては、特許請求の範囲に記載するよう
に構成している。すなわち、請求項1に記載の発明にお
いては、駆動出力にパルス成分を有する駆動手段と、一
端にねじとの継手部を有し、上記駆動手段によって駆動
されることによってねじを締付ける主軸と、上記主軸の
トルクを検出するトルク検出手段と、を有するインパク
ト式ねじ締め機本体と、上記トルク検出手段の検出結果
から求めたトルク・パルスのピーク値を用いて締結力を
求め、目標とする締結力を実現するように上記駆動手段
へ与えられる動力源を制御し、かつ、上記駆動手段によ
る各インパクトごとに発生する複数のトルク・パルスの
うち最初に発生するトルク・パルスと第2番目に発生す
るトルク・パルスとの間隔であるフリーランニング時間
を検出し、上記フリーランニング時間が着座判定しきい
値フリーランニング時間以下となった時点を着座時点と
判定し、上記着座時点を締結力計算開始時点として締結
力を演算する制御手段と、 上記駆動手段によってインパ
クトが発生し始めてから、上記フリーランニング時間が
上記着座判定フリーランニング時間以下になるまでに発
生した上記トルクパルスの発生回数を検出し、上記発生
回数が異常と認められた場合に、締結異常と判定する異
常判定手段と、を備えている。なお、上記の各手段は、
例えば後記図1の実施例における下記の部分にそれぞれ
相当する。すなわち、インパクト式ねじ締め機本体は、
インパクト式ねじ締め機本体100に、駆動手段はモー
タ102とトルク・パルス発生器103の部分に、主軸
は主軸104に、トルク検出手段はトルク検出器101
に、制御手段は制御装置120に、異常判定手段は異常
判定動力制御部125の一部に、それぞれ相当する。
【0012】また、請求項2に記載の発明においては、
請求項1に記載のインパクト式ねじ締め装置において、
上記異常判定手段を、上記トルクパルスの発生回数が、
正常な締付けにおける発生回数の標準的な範囲から大き
く乖離している場合に、締結異常と判定するように構成
したものである。 なお、上記の構成は、例えば後記図1
の実施例に相当する。また、請求項3に記載の発明にお
いては、異常判定手段を次のように構成したものであ
る。すなわち、正常な締付けであれば着座と判定するま
でに複数回のインパクトが発生するような締結部位の締
付けの際に、最初のインパクトで検出されたトルク波形
におけるフリーランニング時間(最初に発生するトルク
・パルスと第2番目に発生するトルク・パルスとの間
隔)が着座判定しきい値フリーランニング時間以下であ
る場合(すなわち着座後の状態に相当)に、締結異常と
判定するように構成したものである。なお、上記の構成
は、例えば後記図5の実施例に相当する。
【0013】また、請求項に記載の発明においては、
常判定手段を次のように構成したものである。すなわ
ち、正常な締付けであれば着座と判定するまでに複数回
のインパクトが発生するような締結部位の締付けの際
に、最初のインパクトで検出されたトルク波形における
トルク・パルスの持続時間が着座判定しきい値持続時間
以上である場合(すなわち着座後の状態に相当)に、
結異常と判定するように構成したものである。なお、上
記構成は、例えば後記図7の実施例に相当する。また、
請求項5に記載の発明においては、請求項1〜請求項4
に記載のインパクト式ねじ締め装置において、締結異常
と判定した場合に上記の駆動手段の動力源を即時に遮断
させる遮断制御手段を備えている。 なお、上記遮断制御
手段は、例えば後記図1の実施例における異常判定動力
制御部125の一部に相当する。 また、請求項6に記載
の発明においては、請求項1〜請求項5に記載のインパ
クト式ねじ締め装置において、異常判定手段が締結異常
と判定した場合に判定結果を表示する表示手段を備えて
いる。 なお、上記表示手段は、例えば後記図1の実施例
における表示部126に相当する。
【0014】また、請求項に記載の発明においては、
駆動出力にパルス成分を有する駆動手段と、一端にねじ
との継手部を有し、上記駆動手段によって駆動されるこ
とによってねじを締め付ける主軸と、上記主軸のトル
検出するトルク検出手段と、を有するインパクト式ね
じ締め機本体と、上記トルク検出手段の検出結果から求
めたトルク・パルスのピーク値を用いて締結力を求め、
目標とする締結力を実現するように上記駆動手段へ与え
られる動力源を制御し、かつ、上記締結力の演算は、前
回のインパクトまでの締結力F(i−1)の値に応じ
て、締結力に対するトルク変換係数の特性から今回の演
算に用いるトルク変換係数C TF (i)を読み出し、該ト
ルク変換係数C TF (i)と今回のインパクトにおける上
記トルク検出手段の検出結果から求めたピーク・トルク
値T P (i)とを乗算することにより、今回のインパクト
による締結力の増加分δF(i)を計算し、前回のイン
パクトまでの締結力F(i−1)に上記の増加分δF
(i)を加算することにより、今回のインパクトまでの
締結力F(i)を計算し、かつ上記トルク変換係数の特
性は、締結力が大きくなるほど小さな値の係数C
TF (i)になる特性に設定されている、制御手段と、上
記の目標とする締結力に到達する以前に、上記の検出さ
れたトルクピーク値が予め定めたインパクト発生判定し
きい値トルク値を越えた後、所定の時間を経過しても
記インパクト発生判定しきい値トルク値を越えるトルク
パルスが検出されない場合に、締結異常と判定する異常
判定手段と、を備えている。なお、上記異常判定手段
は、例えば後記図12の実施例における異常判定動力制
御部165の一部に相当する。また、上記異常判定の処
理は図13〜図15のフローチャートに記載されてい
る。また、請求項に記載の発明においては、請求項
に記載のインパクト式ねじ締め装置において、上記異常
判定手段が締結異常と判定した場合には、上記の駆動手
段の動力源を直ちに遮断させる遮断制御手段を備えたも
のである。なお、上記遮断制御手段は、例えば後記図1
2の実施例における異常判定動力制御部165の一部に
相当する。また、請求項に記載の発明においては、請
求項または請求項に記載のインパクト式ねじ締め装
置において、上記異常判定手段の判定結果を表示する表
示手段を備えたものである。なお、上記表示手段は、例
えば後記図12の実施例における表示部126に相当す
る。
【0015】また、請求項10に記載の発明は、駆動出
力にパルス成分を有する駆動手段と、一端にねじとの継
手部を有し、上記駆動手段によって駆動されることによ
ってねじを締め付ける主軸と、上記主軸のトルクを検出
するトルク検出手段と、を有するインパクト式ねじ締め
機本体と、上記トルク検出手段の検出結果から求めたト
ルク・パルスのピーク値を用いて締結力を求め、目標と
する締結力を実現するように上記駆動手段へ与えられる
動力源を制御し、かつ、上記締結力の演算は、前回のイ
ンパクトまでの締結力F(i−1)の値に応じて、締結
力に対するトルク変換係数の特性から今回の演算に用い
るトルク変換係数C TF (i)を読み出し、該トルク変換
係数C TF (i)と今回のインパクトにおける上記トルク
検出手段の検出結果から求めたピーク・トルク値T
P (i)とを乗算することにより、今回のインパクトによ
る締結力の増加分δF(i)を計算し、前回のインパク
トまでの締結力F(i−1)に上記の増加分δF(i)を
加算することにより、今回のインパクトまでの締結力F
(i)を計算し、かつ上記トルク変換係数の特性は、締
結力が大きくなるほど小さな値の係数C TF (i)になる
特性に設定されている、制御手段と、上記トルク検出手
段の出力が定格範囲外となった場合に、装置異常と判定
する異常判定手段と、を備えている。なお、上記異常判
定手段は、例えば後記図16の実施例における異常判定
動力制御部175の一部に相当する。また、請求項11
に記載の発明においては、請求項10に記載のインパク
ト式ねじ締め装置において、上記異常判定手段が装置異
常と判定した場合には、上記の駆動手段の動力源を直ち
に遮断させる遮断制御手段を備えている。なお、上記遮
断制御手段は、例えば後記図16の実施例における異常
判定動力制御部175の一部に相当する。また、請求項
12に記載の発明においては、請求項10または請求項
11に記載のインパクト式ねじ締め装置において、上記
異常判定手段の判定結果を表示する表示手段を備えてい
る。なお、上記遮断制御手段は、例えば後記図16の実
施例における表示部126に相当する。
【0016】
【作用】請求項1〜請求項に記載の発明は、締結力の
演算の際に、インパクト発生に対応したトルク・パルス
(以下、インパクト・トルクと略記する)における着座
に伴う波形変化から着座時点を判定し、上記着座時点を
締結力計算開始時点として締結力を演算するようにした
インパクト式ねじ締め装置について、締結異常を判定す
る異常判定手段を設けたものである。まず、請求項1に
記載の発明においては、フリーランニング時間が着座判
定しきい値フリーランニング時間以下となった時点を着
座時点と判定して締結力を演算し、かつ、駆動手段によ
ってインパクトが発生し始めてから上記フリーランニン
グ時間が着座判定フリーランニング時間以下になるまで
に発生したトルクパルスの発生回数を検出し、上記発生
回数が異常と認められた場合に、着座と判定するように
構成している。
【0017】た、請求項に記載の発明においては、
着座と判定するまでのトルクパルスの発生回数が、正常
な締付けにおける発生回数の標準的な範囲から大きく乖
離している場合に、締結異常と判定するようにしてい
る。なお、上記の標準的な範囲とは、例えば8〜12回
程度であり、それが半分程度(3〜4回)以下になった
場合に締め付け異常と判定する。上記のように構成した
ことにより、ボルトあるいはナットにピッチ不良や噛み
込み等の不具合がある場合には、着座前の段階で異常を
判定して締付け作業を中止することができるので、被締
結体の座面に擦り傷がつくことを防止でき、被締結体を
そのまま再使用することができる。
【0018】また、請求項に記載の発明においては、
フリーランニング時間を用いて着座判定を行なうものに
おいて、正常な締付けであれば着座と判定するまでに複
数回のインパクトが発生するような締結部位の締付けの
際に、最初のインパクトで検出されたトルク波形におけ
フリーランニング時間が着座判定しきい値フリーラン
ニング時間以下である場合(すなわち着座状態に相当)
に、締結異常と判定するように構成したものである。
た、請求項に記載の発明においては、トルク・パルス
の持続時間を用いて着座判定を行なうものにおいて、
記の最初のインパクトで検出されたトルク波形におけ
ルク・パルスの持続時間が着座判定しきい値持続時間
以上である場合(すなわち着座状態に相当)に、締結異
常と判定するように構成したものである。なお、上記の
フリーランニング時間を用いる構成とトルク・パルスの
持続時間を用いる構成との少なくとも一方が満足された
場合に異常と判定するものは、例えば後記図10のフロ
ーチャートに示されており、また、両方が満足された場
合に異常と判定するものは、例えば後記図11のフロー
チャートに示されている。また、上記の着座前のフリー
ランニング時間は、例えば、図19に示すように、約3
00〜400μsであり、着座後はほぼ0になる。した
がって上記の着座判定しきい値フリーランニング時間
は、例えば100〜200μs程度の値に設定すればよ
い。また、着座前のトルク・パルスの持続時間は、例え
ば0.2ms程度であり、それが着座後には約1ms以
上に変化するから、上記の着座判定しきい値持続時間
は、例えば0.5ms程度に設定すればよい。また、請
求項5に記載の発明においては、締結異常と判定した場
合に駆動手段の動力源を即時に遮断するように構成した
ものであり、請求項7に記載の発明においては、締結異
常と判定した場合に判定結果を表示するようにしてい
る。このように構成したことにより、締結異常のまま作
業が次工程へ移動することを防止できると共に、作業者
も締結異常を認識することができる。
【0019】上記のように構成したことにより、既に締
付けを完了している部位を二度締めしてしまったような
場合に、その作業ミスを検知できるので、締直し等の処
置を行なうことが出来る。
【0020】ここで、正常な締付けの際の着座前、着座
時および着座後のインパクト・トルクの波形の特徴と異
常時の波形について説明する。図19は、戻り止めナッ
ト(戻り止めナットに関しては、例えば「ねじ締め付け
機構設計のポイント」財団法人日本規格協会 1989
年第4刷発行 第299頁〜第301頁に記載)を用い
て正常な締付けが行われた場合の、インパクトが発生し
始めてから着座し、さらに締付けが完了するまでのイン
パクトの発生状況と、各段階のインパクト・トルクの波
形について模式的に示した図である。
【0021】図19から明らかなように、着座前、着座
時および着座後のインパクト・トルクの波形の顕著な差
異は、フリーランニング時間の差にある。フリーランニ
ング時間とは、一回のインパクト毎に発生する複数のト
ルク・パルスのうち、第1番目に発生するトルク・パル
スと第2番目に発生するトルク・パルスとの間隔のこと
である。上記第1番目のトルク・パルスは、静止してい
るボルトまたはナットにトルクがかかり始めてから最大
静止摩擦トルクに達してボルトまたはナットが回転し始
めるときのトルク波形であり、上記第2番目のトルク・
パルスは、回転しているボルトまたはナットが動摩擦に
よって次第に減速していき停止するときのトルク波形で
ある。そして、第1番目のトルク・パルスから第2番目
のトルク・パルスに至る間、すなわちフリーランニング
時間においてはボルトまたはナットがフリーランニング
状態で回転している。そして、着座に伴ってフリーラン
ニング時間は急激に短くなり、着座後においてはフリー
ランニング時間は観測されなくなる。このことを利用し
て、先行技術として引用した特願平5−333988号
では着座判定を行っている。
【0022】また、自動車のような量産品においては、
締結部位によって、使用するボルト、ナット、被締結体
の形状・材質は決まっているので、戻り止めナットのカ
シメ部分がボルトのねじ面に当たり始めてから着座する
までのナットの回転角は一定と見なすことができる。し
たがって、所定仕様のインパクト・レンチ等のインパク
ト式ねじ締め機を用いる場合には、戻り止めナットのカ
シメ部分がボルトのねじ面に当たってインパクトが発生
し始めてから着座するまでのインパクトの発生回数は或
る程度のバラツキは伴うもののほぼ一定となる。言い換
えれば、正常な締付けであれば着座までのインパクトの
発生回数は標準的な範囲の数値となる。しかし、ボルト
あるいはナットにピッチ不良や噛み込み等の不具合があ
ると、実際に着座するよりも以前に、ねじ面での摩擦抵
抗が増大するためにトルク波形が、正常な締付けにおけ
る着座時あるいは着座後のものと類似した形となり、そ
のため誤って着座と判定してしまうことが起きる。ま
た、既に締付けを完了している部位を二度締めしてしま
ったような場合には、最初に検出されるインパクト・ト
ルクの波形が、正常な締付けにおける着座後のもの同じ
形となってしまう。したがって、請求項1〜請求項
ように構成することにより、上記のような締結異常を検
知することが可能となる。
【0023】また、請求項に記載の発明においては、
締結力の演算について、今回の演算に用いるトルク変換
係数C TF (i)を、前回のインパクトまでの締結力F(i
−1)の値に応じて予め定めた特性から読み出し、その
値C TF (i)と今回のインパクトにおけるピーク・トル
ク値T P (i)とを乗算することにより、今回のインパク
トによる締結力の増加分δF(i)を計算し、前回のイ
ンパクトまでの締結力F(i−1)に上記の増加分δF
(i)を加算することにより、今回のインパクトまでの
締結力F(i)を計算し、かつトルク変換係数C TF (i)
は、締結力が大きくなるほど小さな値になる特性に設定
されているものにおいて、目標締結力に到達する以前
に、上記の検出されたトルクピーク値が予め定めたイン
パクト発生判定しきい値トルク値を越えた後、所定の時
間(通常時は30〜50ms程度の間隔で発生するか
ら、例えば100ms程度に設定)を経過しても上記イ
ンパクト発生判定しきい値トルク値を越えるトルクパル
スが検出されない場合に、締結異常と判定するように構
成している。また、請求項に記載の発明においては、
締結異常と判定した場合に駆動手段の動力源を直ちに遮
断するように構成しており、請求項に記載の発明にお
いては、締結異常と判定した場合に判定結果を表示する
ように構成している。上記のように構成したことによ
り、締付け作業の途中で作業者が締め付けを中断してし
まったような場合に、作業者に対して締結異常を認識さ
せることができる。
【0024】また、請求項10に記載の発明において
は、締結力の演算を請求項7と同じ手段で行なうものに
おいて、トルク検出手段の出力が定格範囲外となった場
合に、装置異常と判定するように構成している。すなわ
ち、この場合には、締結異常の判定以前に装置の故障を
判定するものである。そして装置が異常であれば締結状
態も異常であると判断できる。また、請求項11に記載
の発明においては、装置異常と判定した場合に駆動手段
の動力源を直ちに遮断するように構成しており、請求項
12に記載の発明においては、装置異常と判定した場合
に判定結果を表示するように構成している。上記のよう
に構成したことにより、締付け作業中に断線等のトラブ
ルが発生したような場合に、動力源を遮断して締付け作
業を継続出来ないようにすると共に、作業者に対して装
置の故障を認識させることができる。なお、図20は、
正常時と断線時とにおける信号の変化を示す特性図であ
り、トルクを電気信号として検出する際に、後記の実施
例におけるトルク検出部の2つのコイルと基準抵抗とで
ブリッジ回路を構成した場合の、差動増幅信号とサンプ
ル・ホールド処理後のアナログ信号を、正常時と断線時
とについて模式的に示した図である。図20から、断線
によってアナログ出力が異常に大きな値となってしまう
ことが判る。このように、トルク検出手段の出力が定格
範囲外の異常値を示した場合に、装置異常と判定する。
【0025】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。第1の実施例は、締結力の演算の際に、着座に伴
うインパクト・トルクの波形変化から着座時点を判定
し、上記着座時点を締結力計算開始時点として締結力を
演算するようにしたインパクト式ねじ締め装置におい
て、トルク検出手段の検出結果に基づいて締結異常を判
定すると共に、締結異常と判定した場合に駆動手段の動
力源を直ちに遮断し、かつ、判定結果を表示するように
構成したものである。そしてトルク検出手段の検出結果
に基づく締結異常の判定の具体的な方法としては、イン
パクトが発生し始めてから着座と判定するまでのインパ
クトの発生回数を検出し、上記のインパクトの発生回数
が異常と認められた場合、具体的には、着座と判定する
までのインパクトの発生回数が、正常な締付けにおける
発生回数の標準的な範囲から大きく乖離している場合
に、締結異常と判定するようにした例である。なお、標
準的な範囲とは、例えば8〜12回程度であり、それが
半分程度(3〜4回)以下になった場合に締結異常と判
定する。
【0026】図1〜図3は本発明の第1の実施例図であ
り、図1は本実施例のブロック図、図2は圧縮空気を動
力源とするインパクト・レンチ本体の断面図、図3は演
算処理を示すフローチャートである。まず、図1におい
て、インパクト式ねじ締め機本体100は、モータ10
2と、該モータ102の出力軸に接続され、該モータ1
02の連続的な回転力をインパクト・トルクに変換する
インパクト・トルク発生器103と、該インパクト・ト
ルク発生器103の出力軸すなわち主軸104に作用し
ているトルクを検出するトルク検出器101と、上記主
軸104に取付けられた締付けソケット(継手部)10
5とからなる。なお、モータ102は電動モータ、エア
・モータなどのように駆動力を発生するものであればい
ずれの形式のものでもよい。また、締付けソケット10
5の形状を選定することによってレンチにもナット・ラ
ンナーにも構成することができる。上記のインパクト式
ねじ締め機本体100には制御装置120が接続されて
いる。この制御装置120は、上記トルク検出器101
からの信号をトルク信号に変換するトルク信号処理部1
21と、ピーク値処理部122と、フリーランニング時
間処理部128と、締結力データ・メモリ部123と、
締結力演算部124と、異常判定動力制御部125と、
表示部126とから構成されている。
【0027】次に、図2は、本発明の具体的な実施例で
あり、圧縮空気を動力源とするインパクト・レンチとし
て構成した場合の断面図を示す。図2において、10は
インパクト・レンチ本体(図1の100の部分に相当)
であり、このインパクト・レンチ本体10内には、給気
部16、エア.モータ部13、油圧パルス発生部14お
よびトルク検出部11が設けられている。給気部16に
は、エア・モータ部13に連通するエア通路17が形成
され、その途中にはメイン・バルブ18および切替えバ
ルブ19がこの順に設けられている。メイン・バルブ1
8は、バルブ操作レバー20を引くことによって開き、
切替えバルブ19は回転切替えレバー21を所定の回転
位置まで回すことによって開くようになっている。エア
・モータ部13は偏心したシリンダ内に配置された回転
駆動軸22を備えており、この回転駆動軸22は、ベー
ン23に圧縮空気が作用することによって回転するよう
になっている。油圧パルス発生部14は、エア・モータ
部13の回転駆動軸22に直結されたライナ・ケース2
4内に設けられた主軸15と、この主軸15に外装され
たドライビング・ブレード25とからなり、ライナ・ケ
ース24内には油液が充満されている。主軸15は、一
定以上の負荷がないときはライナ・ケース24内面とド
ライビング・ブレード25の抵抗によってエア・モータ
部13の回転駆動軸22と共に回転し、一定以上の負荷
があるときはリリーフ・バルブ28を介してドライビン
グ・ブレード25の内面に作用する油圧が変動すること
によって衝撃的に回るようになっている。この主軸15
の先端部は、ソケット(ボックス・レンチ)を介してね
じに接続するような形状になっており、この先端部を所
望のねじに合わせることによって、ねじ締めを行うこと
ができる。トルク検出部11は、主軸15の周囲に配置
され、かつ、インパクト・レンチ本体10に固定された
1対のコイル26a、26bから構成されている。主軸
15は左右1対の螺旋角の異なる溝列27a、27bが
設けられた磁歪効果を有する材料で作られており、これ
らの溝列27a、27bに対向してコイル26a、26
bが配置されている。そして、これらのコイル26a、
26bによって、主軸15に作用するトルクを検出でき
るようになっている。圧縮空気の遮断機構の構成につい
ては、エア・モータ部13へ送られる圧縮空気を供給・
遮断するためのシャット・オフ・バルブ12が、切替え
バルブ19とエア・モータ部13とを連絡するエア通路
17の途中に設けられている。
【0028】また、インパクト・レンチ本体10と電気
的に接続された制御装置30は図1の120に相当する
部分であり、トルク検出部11から発せられる信号を入
力としてトルク信号をつくるトルク信号処理部121
と、トルク信号からインパクトごとにピーク・トルク値
を抽出するピーク値処理部122と、フリーランニング
時間処理部128と、トルク−締結力変換係数と締結力
との関係を示す関数が記録されている締結力データ・メ
モリ部123と、締結力演算部124と、演算された締
結力が適正範囲にあるか否かを判定して、シャット・オ
フ・バルブ12への開閉制御信号を送出する異常判定動
力制御部125と、締結力の演算値や締結異常を表示す
る表示部126とからなる。なお、上記の121〜12
6および128は、図1と同じ構成であるため、図示を
省略している。
【0029】図4は、締結力データ・メモリ部123に
記録されているトルク−締結力変換係数と締結力との関
係を示す関数の一例図である。図4に示すように、或る
ピーク・トルク値(トルク・パルスのピーク値)をもっ
たインパクトが付与されたとき、その時点での締結力が
小さいときには、この付与されたインパクトによる締結
力の増加量は大きくなり、一方、すでに相当のレベルの
締結力が発生している状態のときには、同じピーク・ト
ルク値のインパクトでもこれによって上乗せされる締結
力の増加量は大きくないことがわかる。なお、その具体
的な値は、ボルト、被締結体およびインパクト・レンチ
の組合せでそれぞれ異なる。このような係数データがイ
ンパクト・レンチとその使用対象であるボルトおよび被
締結体との組合せ毎に関数として用意される。締結力演
算部124では後述するように上記のピーク・トルク値
と関数データを基に締結力が演算される。
【0030】次に、図3に示すフローチャートに基づい
て第1の実施例の作用を説明する。図2に示したバルブ
操作レバー20が引かれることによって給気部16から
シャット・オフ・バルブ12を介してエア・モータ部1
3に送られた圧縮空気により、エア・モータ部13の回
転駆動軸22が回転し、その回転力は油圧パルス発生部
14において衝撃的な回転力に変換され、主軸15に伝
達されて、ねじ締め作業が行われる。まず、図3のステ
ップS1において、目標締結力cFcの値を設定し、ス
テップS2およびステップS3では、予め実験で求めた
着座判定しきい値フリーランニング時間stFRおよび異
常判定しきい値インパクト発生回数sNPPをそれぞれ設
定した後、ステップS4でインパクト数のカウンタをリ
セットし<カウントi=0>、ステップS5でそれまで
の締結力の値をリセットし<F(0)=0>、さらにス
テップS6では着座前インパクト発生回数NPPをリセッ
トする<NPP=0>。ここで、異常判定しきい値インパ
クト発生回数sNPPは、例えば、正常な締付けにおける
着座前インパクト発生回数の平均値NPPAおよび標準偏
差σNPPに対して、sNPP≦NPPA−3σNPPの値に設
定すればよい。次に、ステップS7では、ねじ締めを開
始する。また、ステップS8〜ステップS20におい
て、ステップS9はフリーランニング時間処理部128
における処理内容、ステップS13はピーク値処理部1
22における処理内容、ステップS12、ステップS1
6およびステップS18〜ステップS20は異常判定動
力制御部125における処理内容であり、その他は締結
力演算部124における処理内容である。
【0031】また、ステップS8〜ステップS10およ
びステップS11はループを形成しており、着座までは
インパクトごとに着座判定およびインパクトの発生回数
のカウントを行う。まず、ステップS8でカウントiを
1だけ増加させた後、ステップS9でトルク信号処理部
121からの信号(トルク信号)に基づいてフリーラン
ニング時間tFRを求める。次に、ステップS10では、
フリーランニング時間tFRが着座判定しきい値フリーラ
ンニング時間stFR以下か否かを判断し、NOすなわち
未着座であればステップS11において着座前インパク
ト発生回数NPPを1だけ増加させた後、ステップS8に
戻ってステップS10までを繰返す。一方、ステップS
10でYESになると、すなわち着座と判定すると、ス
テップS12へ進み、着座前インパクト発生回数NPP
異常判定しきい値インパクト発生回数sNPP以上か否か
を判断する。ステップS12でNOすなわち締結異常と
判定した場合には、ステップS19に進んでカット・オ
フ命令が出され、またステップS20で異常表示命令が
出された後、ステップS21に進む。これにより、圧縮
空気のバルブが閉じられるとともに、制御装置120の
表示部126に締結異常が表示される。また、ステップ
S12でYESすなわち正常に締結が行われていれば、
ステップS13〜ステップS16およびステップS17
からなるループに進み、インパクトごとに締結力の計算
を行う。
【0032】まず、ステップS13では、トルク信号か
らインパクトのピーク・トルク値TP(i)を求めて記憶
する。なお、着座時点においては、上記ステップS9に
おいて一時的に記憶されているトルク信号からピーク・
トルク値TP(i)を求めればよい。次に、ステップS1
4では、F(i−1)におけるトルク−締結力変換係数
T F(i)を、締結力データ・メモリ部123のテーブ
ルに基づいて計算する。ただし、CTF(i)=CTF[F
(i−1)]。次に、ステップS15では、インパクト
による締結力の増加分δF(i)=CTF(i)×TP(i)
を計算し、さらにこのインパクト後の締結力F(i)
を、それまでの締結力すなわち1回前のインパクト後の
締結力F(i−1)に上記の増加分δF(i)を加算する
ことによって計算する。したがってF(i)は、F(i)
=F(i−1)+CTF(i)×TP(i)。次に、ステップ
S16では、インパクト後の締結力F(i)が目標締結
力cFc以上か否かを判断し、NOであればステップS
17でカウントiを1だけ増加させた後、ステップS1
3に戻ってステップS16までを繰返す。一方、ステッ
プS16でYESになると、ステップS18へ進み、そ
の時点でカット・オフ命令が出される。これによって圧
縮空気のバルブが閉じられる。
【0033】次に、ステップS21では、終了するか否
かを判断し、YESであればそのまま終了し、NOであ
ればステップS4へ戻って次のねじ締めを行う。上記の
構成により、ボルトあるいはナットにピッチ不良や噛み
込み等の不具合がある場合には、着座前の段階で異常を
判定して締付け作業を中止することができる。
【0034】上記のように、本実施例においては、締結
力の演算の際に、着座に伴うインパクト・トルクの波形
変化から着座時点を判定し、上記着座時点を締結力計算
開始時点として締結力を演算するようにしたインパクト
式ねじ締め装置において、トルク検出手段の検出結果に
基づいて締結異常を判定すると共に、締結異常と判定し
た場合に駆動手段の動力源を直ちに遮断し、かつ、判定
結果を表示するように構成している。そして、トルク検
出手段の検出結果に基づく締結異常の判定の具体的な方
法としては、インパクトが発生し始めてから着座と判定
するまでのインパクトの発生回数を検出し、上記のイン
パクトの発生回数が異常と認められた場合に、具体的に
は着座と判定するまでのインパクトの発生回数が、正常
な締付けにおける発生回数の標準的な範囲から大きく乖
離している場合に、締結異常と判定するように構成して
いる。そのため、締結異常のまま作業が次工程へ移動す
ることを防止できると共に、作業者も締結異常を認識す
ることができる。また、ボルトあるいはナットにピッチ
不良や噛み込み等の不具合がある場合には、着座前の段
階で異常を判定して締付け作業を中止することができる
ので、被締結体の座面に擦り傷がつくことを防止でき、
被締結体をそのまま再使用することができる。
【0035】次に、図5および図6は、本発明の第2の
実施例であり、図5はブロック図、図6は演算処理を示
すフローチャートである。この実施例は、締結力の演算
の際に、着座に伴うインパクト・トルクの波形変化から
着座時点を判定し、上記着座時点を締結力計算開始時点
として締結力を演算するようにしたインパクト式ねじ締
め装置において、トルク検出手段の検出結果に基づいて
締結異常を判定すると共に、締結異常と判定した場合に
駆動手段の動力源を即時に遮断し、かつ、判定結果を表
示するように構成している。そして、トルク検出手段の
検出結果に基づく締結異常の判定の具体的な方法として
は、正常な締付けであれば着座と判定するまでに複数回
のインパクトが発生するような締結部位の締付けの際
に、最初のインパクトで検出されたトルク波形が着座以
降のインパクトの特徴を有している場合に締結異常と判
定するように構成している。具体的には最初のインパク
ト・トルクの波形に含まれるパラメータとして、フリー
ランニング時間の変化を検出し、上記のフリーランニン
グ時間が着座判定しきい値フリーランニング時間以下で
ある場合に、締結異常と判定するように構成した例であ
る。
【0036】なお、着座前のフリーランニング時間は、
例えば、図19に示すように、約300〜400μsで
あり、着座後はほぼ0になる。したがって上記の着座判
定しきい値フリーランニング時間は、例えば100〜2
00μs程度の値に設定すればよい。
【0037】まず、図5に基づいて構成を説明する。図
5において、インパクト式ねじ締め機本体100は、第
1の実施例と同様に、モータ102、インパクト・トル
ク発生器103、主軸104、トルク検出器101およ
び締付けソケット105からなる。このインパクト式ね
じ締め機本体100には制御装置130が接続されてい
る。制御装置130は、第1の実施例と同様のトルク信
号処理部121、ピーク値処理部122、フリーランニ
ング時間処理部128、締結力データ・メモリ部123
および表示部126のほかに、第1の実施例とは少し異
なる締結力演算部134および異常判定動力制御部13
5を備えている。
【0038】次に、図6に示すフローチャートに基づい
て第2の実施例の作用を説明する。まず、ステップS3
1において目標締結力cFcの値を設定し、ステップS
32で予め実験で求めた着座判定しきい値フリーランニ
ング時間stFRを設定した後、ステップS33でインパ
クト数のカウンタをリセットし<カウントi=0>、ス
テップS34でそれまでの締結力の値をリセットする<
F(0)=0>。次に、ステップS35では、ねじ締め
を開始する。ステップS36〜ステップS47におい
て、ステップS37はフリーランニング時間処理部12
8における処理内容、ステップS40はピーク値処理部
122における処理内容、ステップS38、S39およ
びステップS45〜ステップS47は異常判定動力制御
部135における処理内容であり、その他は締結力演算
部134における処理内容である。また、ステップS3
6〜ステップS38はループを形成しており、着座まで
はインパクトごとに着座判定を行う。
【0039】まず、ステップS36でカウントiを1だ
け増加させた後、ステップS37でトルク信号に基づい
てフリーランニング時間tFRを求める。次に、ステップ
S38では、フリーランニング時間tFRが着座判定しき
い値フリーランニング時間stFR以下か否かを判断し、
NOすなわち未着座であればステップS36に戻ってス
テップS38までを繰返す。一方、ステップS38でY
ESになると、すなわち着座と判定すると、ステップS
39へ進み、インパクト数iが1を越えているか否かを
判断する。ステップS39でNOすなわち締結異常と判
定した場合には、ステップS46に進み、カット・オフ
命令が出され、ステップS47で異常表示命令が出され
た後、ステップS48に進む。これにより、圧縮空気の
バルブが閉じられると共に、制御装置130の表示部1
26に締結異常が表示される。また、ステップS39で
YESすなわち正常に締結が行われていれば、ステップ
S40〜ステップS43およびステップS44からなる
ループに進み、インパクトごとに締結力の計算を行う。
【0040】まず、ステップS40では、トルク信号か
らインパクトのピーク・トルク値T P(i)を求めて記憶
する。なお、着座時点においては、上記ステップS37
において一時的に記憶されているトルク信号からピーク
・トルク値TP(i)を求めればよい。次に、ステップS
41では、F(i−1)におけるトルク−締結力変換係
数CT F(i)を、締結力データ・メモリ部123のテー
ブルに基づいて計算する。ただし、CTF(i)=C
TF〔F(i−1)〕。次に、ステップS42では、イン
パクトによる締結力の増加分δF(i)=CTF(i)×T
P(i)を計算し、さらにこのインパクト後の締結力F
(i)を、それまでの締結力すなわち1回前のインパク
ト後の締結力F(i−1)に上記の増加分δF(i)を加
算することによって計算する。したがって、F(i)は
F(i)=F(i−1)+CTF(i)×TP(i)。次に、
ステップS43では、インパクト後の締結力F(i)が
目標締結力cFc以上か否かを判断し、NOであればス
テップS44でカウントiを1だけ増加させた後、ステ
ップS40に戻ってステップS43までを繰返す。一
方、ステップS43でYESになると、ステップS45
へ進み、その時点でカット・オフ命令が出される。これ
によって圧縮空気のバルブが閉じられる。次に、ステッ
プS48では、終了するか否かを判断し、YESであれ
ばそのまま終了し、NOであればステップS33へ戻っ
て次のねじ締めを行う。これにより、既に締結を完了し
ている部位を二度締めしてしまった場合には、二度締め
となったときの1回目のインパクトの直後に異常を判定
して締付け作業を中止することができる。
【0041】上記のように、本実施例においては、締結
力の演算の際に、着座に伴うインパクト・トルクの波形
変化から着座時点を判定し、上記着座時点を締結力計算
開始時点として締結力を演算するようにしたインパクト
式ねじ締め装置において、トルク検出手段の検出結果に
基づいて締結異常を判定すると共に、締結異常と判定し
た場合に駆動手段の動力源を直ちに遮断し、かつ、判定
結果を表示するように構成し、また、トルク検出手段の
検出結果に基づく締結異常の判定の具体的な方法として
は、インパクト・トルクの波形に含まれるパラメータと
して、フリーランニング時間の変化を検出し、上記のフ
リーランニング時間が着座判定しきい値フリーランニン
グ時間以下である場合に、締結異常と判定するようにし
ている。そのため、締結異常のまま作業が次工程へ移動
することを防止できると共に、作業者も締結異常を認識
することができる。また、既に締付けを完了している部
位を二度締めしてしまったような場合に、その作業ミス
を検知できるので、締直し等の処置ができる。
【0042】次に、図7および図8は、本発明の第3の
実施例であり、図7はブロック図、図8は演算処理を示
すフローチャートである。この実施例は、締結力の演算
の際に、着座に伴うインパクト・トルクの波形変化から
着座時点を判定し、上記着座時点を締結力計算開始時点
として締結力を演算するようにしたインパクト式ねじ締
め装置において、トルク検出手段の検出結果に基づいて
締結異常を判定すると共に、締結異常と判定した場合に
駆動手段の動力源を直ちに遮断し、かつ、判定結果を表
示するように構成したものである。そして、トルク検出
手段の検出結果に基づく締結異常の判定の具体的な方法
としては、正常な締付けであれば着座と判定するまでに
複数回のインパクトが発生するような締結部位の締付け
の際に、最初のインパクトで検出されたトルク波形が着
座以降のインパクトの特徴を有している場合に締結異常
と判定するように構成している。具体的にはインパクト
・トルクの波形に含まれるパラメータとして、トルク・
パルスの持続時間の変化を検出し、上記の持続時間が着
座判定しきい値持続時間以上である場合に、締結異常と
判定するように構成した例である。
【0043】なお、着座前のトルク・パルスの持続時間
は、例えば0.2ms程度であり、それが着座後には約
1ms以上に変化するから、上記の着座判定しきい値持
続時間は、例えば0.5ms程度に設定すればよい。
【0044】まず、図7に基づいて構成を説明する。図
7において、インパクト式ねじ締め機本体100は、第
1の実施例と同様に、モータ102、インパクト・トル
ク発生器103、主軸104、トルク検出器101およ
び締付けソケット105からなる。このインパクト式ね
じ締め機本体100には制御装置140が接続されてい
る。制御装置140は、第1の実施例と同様のトルク信
号処理部121、ピーク値処理部122、締結力データ
・メモリ部123および表示部126の他に、トルク・
パルス持続時間処理部148と第1の実施例とは少し異
なる締結力演算部144と異常判定動力制御部145と
を備えている。
【0045】次に、図8に示すフローチャートに基づい
て第3の実施例の作用を説明する。まず、ステップS5
1において目標締結力cFcの値を設定し、ステップS
52では予め実験で求めた着座判定しきい値持続時間s
Pを設定した後、ステップS53でインパクト数のカ
ウンタをリセットし<カウントi=0>、ステップS5
4でそれまでの締結力の値をリセットする<F(0)=
0>。次に、ステップS55では、ねじ締めを開始す
る。ステップS56〜ステップS67において、ステッ
プS57はトルク・パルス持続時間処理部148におけ
る処理内容、ステップS60はピーク値処理部122に
おける処理内容、ステップS58、S59およびステッ
プS65〜ステップS67は異常判定動力制御部145
における処理内容であり、その他は締結力演算部144
における処理内容である。また、ステップS56〜ステ
ップS58はループを形成しており、着座まではインパ
クトごとに着座判定を行う。
【0046】まず、ステップS56でカウントiを1だ
け増加させた後、ステップS57でトルク信号に基づい
てトルク・パルス持続時間WPを求める。次に、ステッ
プS58では、トルク・パルス持続時間WPが着座判定
しきい値持続時間sWP以上か否かを判断し、NOすな
わち未着座であればステップS56に戻ってステップS
58までを繰返す。一方、S58でYESになると、す
なわち着座と判定すると、ステップS59へ進み、イン
パクト数iが1を越えているか否かを判断する。ステッ
プS59でNOすなわち締結異常と判定した場合には、
ステップS66に進み、カット・オフ命令が出され、ス
テップS67で異常表示命令が出された後、ステップS
68に進む。これにより、圧縮空気のバルブが閉じられ
ると共に、制御装置140の表示部126に締結異常が
表示される。また、ステップS59でYESすなわち正
常に締結が行われていれば、ステップS60〜ステップ
S63およびステップS64からなるループに進み、イ
ンパクトごとに締結力の計算を行う。
【0047】まず、ステップS60では、トルク信号か
らインパクトのピーク・トルク値TP(i)を求めて記憶
する。なお、着座時点においては、上記ステップS57
において一時的に記憶されているトルク信号からピーク
・トルク値TP(i)を求めればよい。次に、ステップS
61では、F(i−1)におけるトルク−締結力変換係
数CT F(i)を、締結力データ・メモリ部123のテー
ブルに基づいて計算する。ただし、CTF(i)=C
TF[F(i−1)]。次に、ステップS62では、イン
パクトによる締結力の増加分δF(i)=CTF(i)×T
P(i)を計算し、さらにこのインパクト後の締結力F
(i)を、それまでの締結力すなわち1回前のインパク
ト後の締結力F(i−1)に上記の増加分δF(i)を加
算することにより計算する。したがって、F(i)はF
(i)=F(i−1)+CTF(i)×TP(i)。次に、ス
テップS63では、インパクト後の締結力F(i)が目
標締結力cFc以上か否かを判断し、NOであればステ
ップS64でカウントiを1だけ増加させた後、ステッ
プS60に戻ってステップS63までを繰返す。一方、
ステップS63でYESになると、ステップS65へ進
み、その時点でカット・オフ命令が出される。これによ
って圧縮空気のバルブが閉じられる。次に、ステップS
68では、終了するか否かを判断し、YESであればそ
のまま終了し、NOであればステップS63へ戻って次
のねじ締めを行う。これにより、前記第2の実施例と同
様に、既に締結を完了している部位を二度締めしてしま
った場合には、二度締めとなったときの1回目のインパ
クトの直後に異常を判定して締付け作業を中止すること
ができる。
【0048】上記のように、本実施例においては、締結
力の演算の際に、着座に伴うインパクト・トルクの波形
変化から着座時点を判定し、上記着座時点を締結力計算
開始時点として締結力を演算するようにしたインパクト
式ねじ締め装置において、トルク検出手段の検出結果に
基づいて締結異常を判定すると共に、締結異常と判定し
た場合に駆動手段の動力源を直ちに遮断し、かつ、判定
結果を出力するように構成し、また、トルク検出手段の
検出結果に基づく締結異常の判定の具体的な方法として
は、インパクト・トルクの波形に含まれるパラメータと
して、トルク・パルスの持続時間の変化を検出し、上記
の持続時間が着座判定しきい値持続時間以上である場合
に、締結異常と判定するように構成している。そのた
め、前記第2の実施例と同様に、締結異常のまま作業が
次工程へ移動することを防止できると共に、作業者も締
結異常を認識することができる。また、既に締付けを完
了している部位を二度締めしてしまったような場合に、
その作業ミスを検知できるので、締直し等の処置ができ
る。
【0049】次に、図9〜図11は、本発明の第4の実
施例であり、図9はブロック図、図10および図11は
演算処理を示すフローチャートである。この実施例は、
前記第2の実施例と第3の実施例とを組み合わせたもの
であり、締結力の演算の際に、着座に伴うインパクト・
トルクの波形変化から着座時点を判定し、上記着座時点
を締結力計算開始時点として締結力を演算するようにし
たインパクト式ねじ締め装置において、トルク検出手段
の検出結果に基づいて締結異常を判定すると共に、締結
異常と判定した場合に駆動手段の動力源を直ちに遮断
し、かつ、判定結果を出力するように構成したものであ
り、トルク検出手段の検出結果に基づく締結異常の判定
の具体的な方法としては、正常な締付けであれば着座と
判定するまでに複数回のインパクトが発生するような締
結部位の締付けの際に、最初のインパクトで検出された
トルク波形が着座以降のインパクトの特徴を有している
場合に締結異常と判定するように構成している。具体的
には上記のインパクト・トルクの波形に含まれるパラメ
ータとして、フリーランニング時間とトルク・パルスの
持続時間の両方を検出し、上記のフリーランニング時間
が上記の着座判定しきい値フリーランニング時間以下で
あるか、あるいは、上記の持続時間が上記の着座判定し
きい値持続時間以上であるか、の2つの条件のうち少な
くとも1つを満足する場合または両方を満足する場合
に、締結異常と判定するように構成した例である。
【0050】まず、図9に基づいて構成を説明する。図
9において、インパクト式ねじ締め機本体100は、第
1の実施例と同様に、モータ102、インパクト・トル
ク発生器103、主軸104、トルク検出器101およ
び締付けソケット105からなる。このインパクト式ね
じ締め機本体100には制御装置150が接続されてい
る。制御装置150は、第1の実施例と同様のトルク信
号処理部121、ピーク値処理部122、締結力データ
・メモリ部123、フリーランニング時間処理部128
および表示部126、第3の実施例と同様のトルク・パ
ルス持続時間処理部148のほかに、第1の実施例とは
少し異なる締結力演算部154と異常判定動力制御部1
55と、を備えている。
【0051】次に、図10に示すフローチャートに基づ
いて第4の実施例の作用を説明する。まず、ステップS
71において目標締結力cFcの値を設定し、ステップ
S72およびステップS73では予め実験で求めた着座
判定しきい値フリーランニング時間stFRおよび着座判
定しきい値持続時間sWPをそれぞれ設定した後、ステ
ップS74でインパクト数のカウンタをリセットし<カ
ウントi=0>、ステップS75でそれまでの締結力の
値をリセットする<F(0)=0>。次に、ステップS
76では、ねじ締めを開始する。ステップS77〜ステ
ップS90において、ステップS78はフリーランニン
グ時間処理部128における処理内容、ステップS79
はトルク・パルス持続時間処理部148における処理内
容、ステップS83はピーク値処理部122における処
理内容、ステップS80〜ステップ82およびステップ
S88〜ステップS90は異常判定動力制御部155に
おける処理内容であり、その他は締結力演算部154に
おける処理内容である。
【0052】また、ステップS77〜ステップS80お
よびステップS81はループを形成しており、着座まで
はインパクトごとに着座判定を行う。まず、ステップS
77でカウントiを1だけ増加させた後、ステップS7
8でトルク信号に基づいてフリーランニング時間tFR
求めて記憶し、さらにステップS79ではトルク信号か
らトルク・パルスの持続時間WPを求める。次に、ステ
ップS80では、フリーランニング時間tFRが着座判定
しきい値フリーランニング時間stFR以下か否かを判断
し、NOであればさらにステップS81においてトルク
・パルスの持続時間WPが着座判定しきい値持続時間s
P以上か否かを判断し、ここでもNOすなわち未着座
であればステップS77に戻ってステップS80、さら
にはステップS81までを繰返す。一方、ステップS8
0またはステップS81でYESになると、すなわち着
座と判定すると、ステップS82へ進み、インパクト数
iが1を越えているか否かを判断する。ステップS82
でNOすなわち締結異常と判定した場合には、ステップ
S89に進み、カット・オフ命令が出され、ステップS
90で異常表示命令が出された後、ステップS91に進
む。これにより、圧縮空気のバルブが閉じられると共
に、制御装置150の表示部126に締結異常が表示さ
れる。また、ステップS82でYESすなわち正常に締
結が行われていれば、ステップS83〜ステップS86
およびステップS87からなるループに進み、インパク
トごとに締結力の計算を行う。
【0053】まず、ステップS83では、トルク信号か
らインパクトのピーク・トルク値TP(i)を求めて記憶
する。なお、着座時点においては、上記ステップS78
において一時的に記憶されているトルク信号からピーク
・トルク値TP(i)を求めればよい。次に、ステップS
84では、F(i−1)におけるトルク−締結力変換係
数CT F(i)を、締結力データ・メモリ部123のテー
ブルに基づいて計算する。ただし、CTF(i)=C
TF[F(i−1)]。次に、ステップS85では、イン
パクトによる締結力の増加分δF(i)=CTF(i)×T
P(i)を計算し、さらにこのインパクト後の締結力F
(i)を、それまでの締結力すなわち1回前のインパク
ト後の締結力F(i−1)に上記の増加分δF(i)を加
算することにより計算する。したがって、F(i)はF
(i)=F(i−1)+CTF(i)×TP(i)。次に、ス
テップS86では、インパクト後の締結力F(i)が目
標締結力cFc以上か否かを判断し、NOであればステ
ップS87でカウントiを1だけ増加させた後、ステッ
プS83に戻ってステップS86までを繰返す。一方、
ステップS86でYESになると、ステップS88へ進
み、その時点でカット・オフ命令が出される。これによ
って圧縮空気のバルブが閉じられる。次に、ステップS
91では、終了するか否かを判断し、YESであればそ
のまま終了し、NOであればステップS74へ戻って次
のねじ締めを行う。これにより、前記第2の実施例およ
び第3の実施例と同様に、既に締結を完了している部位
を二度締めしてしまった場合には、二度締めとなったと
きの1回目のインパクトの直後に異常を判定して締付け
作業を中止することができる。
【0054】また、図11のフローチャートは、下記の
点が上記の説明と異なっている。すなわち、図10のフ
ローチャートでは、フリーランニング時間が着座判定し
きい値フリーランニング時間以下か、またはトルク・パ
ルスの持続時間が着座判定しきい値持続時間以上かのど
ちらか一方でも満足された場合に、締結異常と判定する
ようにしているが、図11のフローチャートでは、フリ
ーランニング時間が着座判定しきい値フリーランニング
時間以下であり、かつトルク・パルスの持続時間が着座
判定しきい値持続時間以上の場合、すなわち二つの条件
の両方が満足された場合に、締結異常と判定するように
構成したものである。このように構成した方が好ましい
場合もある。
【0055】上記のように、本実施例においては、締結
力の演算の際に、着座に伴うインパクト・トルクの波形
変化から着座時点を判定し、上記着座時点を締結力計算
開始時点として締結力を演算するようにしたインパクト
式ねじ締め装置において、トルク検出手段の検出結果に
基づいて締結異常を判定すると共に、締結異常と判定し
た場合に駆動手段の動力源を直ちに遮断し、かつ、判定
結果を出力するように構成し、また、トルク検出手段の
検出結果に基づく締結異常の判定の具体的な方法として
は、インパクト・トルクの波形に含まれるパラメータと
して、フリーランニング時間およびトルク・パルスの持
続時間を検出し、上記のフリーランニング時間が上記の
着座判定しきい値フリーランニング時間以下であるか、
あるいは、上記の持続時間が上記の着座判定しきい値持
続時間以上であるか、の2つの条件のうち少なくとも1
つを満足する場合または両方を満足する場合に、締結異
常と判定するように構成している。そのため、前記第2
の実施例および第3の実施例と同様に、締結異常のまま
作業が次工程へ移動することを防止できると共に、作業
者も締結異常を認識することができる。また、既に締付
けを完了している部位を二度締めしてしまったような場
合に、その作業ミスを検知できるので、締直し等の処置
ができる。
【0056】次に、図12〜図15は、本発明の第5の
実施例であり、図12はブロック図、図13〜図15は
演算処理を示すフローチャートである。この実施例は、
トルク検出手段の検出結果に基づいて締結異常を判定す
ると共に、締結異常と判定した場合に駆動手段の動力源
を直ちに遮断し、かつ、判定結果を表示するように構成
し、また、トルク検出手段の検出結果に基づく締結異常
の判定の具体的な方法としては、目標締結力に到達する
以前に、少なくとも一つのインパクトが発生した後、所
定の時間を経過しても次のインパクトが発生しない場合
に、締結異常と判定するように構成した例である。な
お、通常時には30〜50ms程度の間隔でインパクト
が発生するから、上記の判定に用いる所定時間は、例え
ば100ms程度の時間に設定すればよい。例えば作業
者が締め付け作業中にレバーを離して握り直した場合に
は、インパクトが少なくとも100ms以上中断するの
で、上記の判定によって作業の中断を検出できる。
【0057】まず、図12に基づいて構成を説明する。
図12において、インパクト式ねじ締め機本体100
は、第1の実施例と同様に、モータ102、インパクト
・トルク発生器103、主軸104、トルク検出器10
1および締付けソケット105からなる。このインパク
ト式ねじ締め機本体100には制御装置160が接続さ
れている。制御装置160は、第1の実施例と同様のト
ルク信号処理部121、ピーク値処理部122、締結力
データ・メモリ部123および表示部126のほかに、
フリーランニング・データ数処理部168および経過時
間処理部167と、第1の実施例とは少し異なる締結力
演算部164および異常判定動力制御部165を備えて
いる。
【0058】次に、図13〜図15に示すフローチャー
トに基づいて第6の実施例の作用を説明する。なお、図
13〜図15において、〜はそれぞれ同符号の部分
が接続されることを示す。まず、図13のステップS1
01において目標締結力cFcの値を設定し、またステ
ップS102、ステップS103、ステップS104、
ステップS105、およびステップS106では、予め
実験で求めたインパクト発生判定しきい値トルクs
IS、サンプリング・データ数NSG、フリーランニング
判定しきい値トルクsTFR、着座判定しきい値フリーラ
ンニング・データ数sNFR、および異常判定しきい値経
過時間stPIの値をそれぞれ設定した後、ステップS1
07でインパクト数のカウンタをリセットし<カウント
i=0>、ステップS108でそれまでの締結力の値を
リセットする<F(0)=0>。
【0059】次に、ステップS109では、ねじ締めを
開始する。ステップS110〜ステップS147におい
て、ステップS122〜ステップS127はフリーラン
ニング・データ数処理部168における処理内容、ステ
ップS110、ステップS111、ステップS116〜
ステップS119、ステップS129、ステップS13
3、ステップS134およびステップS138〜ステッ
プS141はピーク値処理部122における処理内容、
ステップS114、ステップS132、ステップS13
6およびステップS144〜ステップS146は異常判
定動力制御部165における処理内容、ステップS11
2、ステップS113、ステップS120、ステップS
121、ステップS135、ステップS142およびス
テップS143は経過時間処理部167における処理内
容であり、その他は締結力演算部164における処理内
容である。また、ステップS110〜ステップS128
はループを形成しており、着座まではインパクトごとに
着座判定を行い、併せてインパクト後の経過時間の異常
を監視する。
【0060】まず、ステップS110でトルクTの値を
読取った後、ステップS111でトルクTがインパクト
発生判定しきい値トルクsTIS以上か否かを判断し、N
Oすなわちインパクトが発生していなければ、さらにス
テップS112でカウントiが1以上か否かを判断し、
NOすなわち最初のインパクトが未発生のときは、ステ
ップS110に戻ってステップS111までを繰返す。
一方、ステップS112でYESすなわち既にインパク
トが発生しているときは、ステップS113でインパク
ト発生後の経過時間tPIを読取った後、ステップS11
4で経過時間tPIが異常判定しきい値経過時間stPI
下か否かを判断し、NOすなわちインパクトの発生が中
断している場合には、図15のステップS145に進み
(→)、カット・オフ命令が出され、ステップS1
46で異常表示命令が出された後、ステップS147に
進む。これにより、圧縮空気のバルブが閉じられると共
に、制御装置160の表示部126に締結異常が表示さ
れる。また、ステップS114でYESすなわちインパ
クトが正常の間隔で発生している場合は、ステップS1
10に戻ってステップS111までを繰返す。
【0061】また、ステップS111でYESすなわち
インパクトが発生したときは、図14のステップS11
5へ進み(→)、カウントiを1だけ増加させ、ス
テップS116でサンプリング・データ数のカウンタを
リセットした後<カウントj=0>、ステップS117
〜ステップS119のループに進み、当該インパクトに
ついて所定のサンプリング・データ数NSGだけトルク・
データT(i,j)をサンプリングして記憶する。すなわ
ち、ステップS117でカウントjを1だけ増加させた
後、ステップS118でトルク信号に基づいてトルク・
データT(i,j)をサンプリングして記憶する。
【0062】次に、ステップS119ではカウントjが
サンプリング・データ数NSGと等しいか否かを判断し、
NOすなわちサンプリング未終了であればステップS1
17に戻ってステップS119までを繰返す。一方、ス
テップS119でYESになると、すなわちサンプリン
グ終了と判定すると、ステップS120でインパクト後
の経過時間を測定するためのタイマをリセットし<tPI
=0>、さらにステップS121で経過時間測定用タイ
マを起動させた後、ステップS122でサンプリング・
データ数のカウンタを再度リセットし<カウントj=0
>、ステップS123でそれまでのフリーランニング・
データ数NFRの値をリセットした後<NFR=0>、ステ
ップS124〜ステップS127のループに進み、当該
インパクトにおけるフリーランニング・データ数NFR
求める。すなわち、ステップS124でカウントjを1
だけ増加させた後、ステップS125でトルク・データ
T(i,j)がフリーランニング判定しきい値トルクsT
FR以下か否かを判断し、NOであればステップS127
へ進み、YESであればステップS126でフリーラン
ニング・データ数NFRを1だけ増加させた後、ステップ
S127へ進む。ステップS127ではカウントjがサ
ンプリング・データ数NSGと等しいか否かを判断し、N
Oであれば、すなわち未処理のトルク・データが残って
いれば、ステップS124に戻ってステップS127ま
でを繰返す。
【0063】一方、ステップS127でYESになる
と、すなわちフリーランニング・データ数NFRが求まる
と、ステップS128へ進み、フリーランニング・デー
タ数NFRが着座判定しきい値フリーランニング・データ
数sNFR以下か否かを判断し、NOすなわち未着座であ
れば図13のステップS110に戻って(→)ステ
ップS128までを繰返す。また、ステップS128で
YESになると、すなわち着座と判定すると、図15の
ステップS129〜ステップS132およびステップS
133〜ステップS143よりなるループに進み(→
)、インパクトごとに締結力の計算を行い、併せてイ
ンパクト後の経過時間の異常を監視する。
【0064】まず、ステップS129では、上記ステッ
プS118において一時的に記憶されているトルク・デ
ータT(i,j)からインパクトのピーク・トルク値T
P(i)を求めて記憶する。ただし、TP(i)=MAX
〔T(i,j)]。次に、ステップS130では、F(i
−1)におけるトルク−締結力変換係数CTF(i)を、
締結力データ・メモリ部123のテーブルに基づいて計
算する。ただし、CTF(i)=CTF〔F(i−1)〕。次
に、ステップS131では、インパクトによる締結力の
増加分δF(i)=CTF(i)×TP(i)を計算し、さら
にこのインパクト後の締結力F(i)を、それまでの締
結力すなわち1回前のインパクト後の締結力F(i−
1)に上記の増加分δF(i)を加算することによって
計算する。したがって、F(i)はF(i)=F(i−
1)+CTF(i)×TP(i)。次に、ステップS132
では、インパクト後の締結力F(i)が目標締結力cF
c以上か否かを判断し、NOであればステップS133
〜ステップS143の処理を行った後、ステップS12
9に戻ってステップS132までを繰返す。
【0065】なお、ステップS133〜ステップS14
3の処理は、上記のステップS110〜ステップS12
1の処理においてステップS112を削除したものと同
様である。これは、ステップS133の時点では必ずi
≧1となっており、仮にステップS112と同様の判断
処理を入れたとしても常にYESとなるためである。一
方、ステップS132でYESになると、ステップS1
44へ進み、その時点でカット・オフ命令が出される。
これによって圧縮空気のバルブが閉じられる。次に、ス
テップS147では、終了するか否かを判断し、YES
であればそのまま終了し、NOであれば図13のステッ
プS107へ戻って(→)次のねじ締めを行う。こ
れにより、締付け作業の途中で作業者が締付けを中断し
てしまったような場合に、動力源を遮断してねじ締め装
置自体を待機状態とすると共に、作業者に対して締結異
常を認識させることができる。
【0066】上記のように、本実施例においては、トル
ク検出手段の検出結果に基づいて締結異常を判定すると
共に、締結異常と判定した場合に駆動手段の動力源を直
ちに遮断し、かつ、判定結果を出力するように構成し、
また、トルク検出手段の検出結果に基づく締結異常の判
定の具体的な方法としては、目標締結力に到達する以前
に、少なくとも一つのインパクトが発生した後、所定の
時間を経過しても次のインパクトが発生しない場合に、
締結異常と判定するようにしている。そのため、締結異
常のまま作業が次工程へ移動することを防止できると共
に、作業者も締結異常を認識することができる。また、
ねじ締め装置を待機状態から運転状態に復帰させて中断
前の状態から追加締付けを行えば、正常な締付け状態と
することもできる。
【0067】次に、図16〜図18は、本発明の第6の
実施例であり、図16はブロック図、図17および図1
8は演算処理を示すフローチャートである。この実施例
は、トルク検出手段の検出結果に基づいて装置異常を判
定すると共に、装置異常と判定した場合に駆動手段の動
力源を直ちに遮断し、かつ、判定結果を表示するように
構成し、また、トルク検出手段の検出結果に基づく装置
異常の判定の具体的な方法としては、上記トルク検出手
段の出力が定格範囲外(例えば図20の特性参照)とな
った場合に、装置異常と判定するようにした例である。
上記のように、この実施例は、トルク検出手段の出力が
定格範囲外となった場合に、装置異常と判定するように
構成している。すなわち、この場合には、締結異常の判
定以前に装置の故障を判定するものである。そして装置
が異常であれば締結状態も異常であると判断できる。
【0068】まず、図16に基づいて構成を説明する。
図16において、インパクト式ねじ締め機本体100
は、第1の実施例と同様に、モータ102、インパクト
・トルク発生器103、主軸104、トルク検出器10
1および締付けソケット105からなる。このインパク
ト式ねじ締め機本体100には制御装置170が接続さ
れている。制御装置170は、第1の実施例と同様のト
ルク信号処理部121、締結力データ・メモリ部123
および表示部126、第5の実施例と同様のフリーラン
ニング・データ数処理部168および締結力演算部16
4のほかに、第1の実施例とは少し異なるピーク値処理
部172および異常判定動力制御部175を備えてい
る。
【0069】次に、図17および図18に示すフローチ
ャートに基づいて第6の実施例の作用を説明する。な
お、図17および図18において、〜はそれぞれ同
符号の部分が接続されることを示す。まず、図17のス
テップS151において目標締結力cFcの値を設定
し、またステップS152、ステップS153、ステッ
プS154、およびステップS155で、予め実験で求
めたインパクト発生判定しきい値トルクsTIS、サンプ
リング・データ数NSG、フリーランニング判定しきい値
トルクsTFR、および着座判定しきい値フリーランニン
グ・データ数sNFRをそれぞれ設定し、さらにステップ
S156で異常判定しきい値トルクsTTの値を設定し
た後、ステップS157でインパクト数のカウンタをリ
セットし<カウントi=0>、ステップS158でそれ
までの締結力の値をリセットする<F(0)=0>。こ
こで、異常判定しきい値トルクsTTの設定値はトルク
検出器の定格トルク値以上の適当な値(例えば図20に
おいて正常時の値と断線時の値との間の値)とすればよ
い。
【0070】次に、ステップS159では、ねじ締めを
開始する。ステップS160〜ステップS189におい
て、ステップS168〜ステップS173はフリーラン
ニング・データ数処理部168における処理内容、ステ
ップS160、ステップS161、ステップS163〜
ステップS167、ステップS175、ステップS17
9、ステップS180およびステップS182〜ステッ
プS186はピーク値処理部172における処理内容、
ステップS162、ステップS178、ステップS18
1およびステップS187〜ステップS189は異常判
定動力制御部175における処理内容であり、その他は
締結力演算部164における処理内容である。また、ス
テップS160〜ステップS174はループを形成して
おり、着座まではインパクトごとに着座判定を行い、併
せて検出トルクの異常を監視する。
【0071】まず、ステップS160でトルクTの値を
読取った後、ステップS161でトルクTがインパクト
発生判定しきい値トルクsTIS以上か否かを判断し、N
Oすなわちインパクトが発生していなければ、ステップ
S160に戻ってステップS161までを繰返す。ま
た、ステップS162でYESすなわちインパクトが発
生したときは、さらにステップS162でトルクTが異
常判定しきい値トルクsTT以下か否かを判断し、NO
すなわちトルク値が異常であれば、図18のステップS
188に進み(→)、カット・オフ命令が出され、
ステップS189で異常表示命令が出された後、ステッ
プS190に進む。これにより、圧縮空気のバルブが閉
じられると共に、制御装置170の表示部126に締結
異常が表示される。一方、ステップS162でYESす
なわち既にインパクトが発生しているときは、ステップ
S163でカウントiを1だけ増加させ、ステップS1
64でサンプリング・データ数のカウンタをリセットし
た後<カウントj=0>、ステップS165〜ステップ
S167のループに進み、当該インパクトについて所定
のサンプリング・データ数NSGだけトルク・データT
(i,j)をサンプリングして記憶する。すなわち、ステ
ップS165でカウントjを1だけ増加させた後、ステ
ップS166でトルク信号に基づいてトルク・データT
(i,j)をサンプリングして記憶する。
【0072】次に、ステップS167ではカウントjが
サンプリング・データ数NSGと等しいか否かを判断し、
NOすなわちサンプリング未終了であればステップS1
65に戻ってステップS167までを繰返す。一方、ス
テップS167でYESになると、すなわちサンプリン
グ終了と判定すると、ステップS168でサンプリング
・データ数のカウンタを再度リセットし<カウントj=
0>、ステップS169でそれまでのフリーランニング
・データ数NFRの値をリセットした後<NFR=0>、図
18のステップS170〜ステップS173のループに
進み(→)、当該インパクトにおけるフリーランニ
ング・データ数NFRを求める。すなわち、ステップS1
70でカウントjを1だけ増加させた後、ステップS1
71でトルク・データT(i,j)がフリーランニング判
定しきい値トルクsTFR以下か否かを判断し、NOであ
ればステップS173へ進み、YESであればステップ
S172でフリーランニング・データ数NFRを1だけ増
加させた後、ステップS173へ進む。ステップS17
3ではカウントjがサンプリング・データ数NSGと等し
いか否かを判断し、NOであれば、すなわち未処理のト
ルク・データが残っていれば、ステップS170に戻っ
てステップS173までを繰返す。一方、ステップS1
73でYESになると、すなわちフリーランニング・デ
ータ数NFRが求まると、ステップS174へ進み、フリ
ーランニング・データ数NFRが着座判定しきい値フリー
ランニング・データ数sNFR以下か否かを判断し、NO
すなわち未着座であれば図17のステップS160に戻
って(→)ステップS174までを繰返す。また、
ステップS174でYESになると、すなわち着座と判
定すると、ステップS175〜ステップS178および
ステップS179〜ステップS186よりなるループに
進み、インパクトごとに締結力の計算を行い、併せて検
出トルクの異常を監視する。
【0073】まず、ステップS175では、上記ステッ
プS166において一時的に記憶されているトルク・デ
ータT(i,j)からインパクトのピーク・トルク値T
P(i)を求めて記憶する。ただし、TP(i)=MAX
〔T(i,j)〕。次に、ステップS176では、F(i
−1)におけるトルク−締結力変換係数CTF(i)を、
締結力データ・メモリ部123のテーブルに基づいて計
算する。ただし、CTF(i)=CTF〔F(i−1)〕。次
に、ステップS177では、インパクトによる締結力の
増加分δF(i)=CTF(i)×TP(i)を計算し、さら
にこのインパクト後の締結力F(i)を、それまでの締
結力すなわち1回前のインパクト後の締結力F(i−
1)に上記の増加分δF(i)を加算することにより計
算する。したがって、F(i)はF(i)=F(i−1)
+CTF(i)×TP(i)。次に、ステップS178で
は、インパクト後の締結力F(i)が目標締結力cFc
以上か否かを判断し、NOであればステップS179〜
ステップS186の処理を行った後、ステップS175
に戻ってステップS178までを繰返す。なお、ステッ
プS179〜ステップS186の処理は、上記のステッ
プS160〜ステップS167の処理と同様である。一
方、ステップS178でYESになると、ステップS1
87へ進み、その時点でカット・オフ命令が出される。
これによって圧縮空気のバルブが閉じられる。次に、ス
テップS190では、終了するか否かを判断し、YES
であればそのまま終了し、NOであれば図17のステッ
プS157へ戻って(→)次のねじ締めを行う。こ
れにより、締付け作業中に断線等のトラブルが発生した
ような場合には、動力源を遮断して締付け作業を出来な
いようにすると共に、作業者に対して装置異常を認識さ
せることができる。
【0074】上記のように、本実施例においては、トル
ク検出手段の検出結果に基づいて締結異常を判定すると
共に、締結異常と判定した場合に駆動手段の動力源を即
時に遮断し、かつ、判定結果を出力するように構成し、
また、トルク検出手段の検出結果に基づく締結異常の判
定の具体的な方法としては、上記トルク検出手段の出力
が定格範囲外となった場合に、装置異常と判定するよう
にしている。そのため、締付け作業中に断線等のトラブ
ルが発生したような場合に、動力源を遮断して締付け作
業を継続出来ないようにすると共に、作業者に対して装
置の故障を認識させることができる。
【0075】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1、
求項2請求項5および請求項6に記載の発明において
は、締結力の演算の際に、着座に伴うインパクト・トル
クの波形変化から着座時点を判定し、上記着座時点を締
結力計算開始時点として締結力を演算するようにしたイ
ンパクト式ねじ締め装置において、トルク検出手段の検
出結果に基づいて締結異常を判定すると共に、締結異常
と判定した場合に駆動手段の動力源を直ちに遮断し、か
つ、判定結果を表示するように構成し、トルク検出手段
の検出結果に基づく締結異常の判定の具体的な方法とし
ては、インパクトが発生し始めてから着座と判定するま
でのトルクパルスの発生回数を検出し、上記の発生回数
が異常と認められた場合に締結異常と判定するようにし
たことにより、締結異常のまま作業が次工程へ移動する
ことを防止できると共に、作業者も締結異常を認識する
ことができ、また、ボルトあるいはナットにピッチ不良
や噛み込み等の不具合がある場合には、着座前の段階で
異常を判定して締付け作業を中止することができるの
で、被締結体の座面に擦り傷がつくことを防止でき、被
締結体をそのまま再使用することができる、という効果
が得られる。
【0076】また、請求項〜請求項に記載の発明に
おいては、トルク検出手段の検出結果に基づく締結異常
の判定の具体的な方法として、正常な締付けであれば着
座と判定するまでに複数回のインパクトが発生するよう
な締結部位の締付けの際に、最初のインパクトで検出さ
れたトルク波形に含まれるパラメータが着座以降のイン
パクトにおけるトルク波形の特徴を有している場合に締
結異常と判定するように構成し、具体的には、請求項
に記載のようにフリーランニング時間が着座判定しきい
値フリーランニング時間以下であるか、請求項に記載
のようにトルク・パルスの持続時間が着座判定しきい値
持続時間以上である場合に締結異常判定するように構
成したことにより、締結異常のまま作業が次工程へ移動
することを防止できると共に、作業者も締結異常を認識
することができ、また、既に締付けを完了している部位
を二度締めしてしまったような場合に、その作業ミスを
検知できるので、締直し等の処置ができる、という効果
が得られる。
【0077】また、請求項〜請求項に記載の発明に
おいては、トルク検出手段の検出結果に基づいて締結異
常を判定すると共に、締結異常と判定した場合に駆動手
段の動力源を直ちに遮断し、かつ、判定結果を表示する
ように構成し、トルク検出手段の検出結果に基づく締結
異常の判定の具体的な方法としては、目標締結力に到達
する以前に、検出されたトルクピーク値が予め定めたイ
ンパクト発生判定しきい値トルク値を越えた後、所定の
時間を経過しても上記インパクト発生判定しきい値トル
ク値を越えるトルクパルスが検出されない場合に、締結
異常と判定するようにしたことにより、請求項1〜請求
項6に記載の発明と同様に、締結異常のまま作業が次工
程へ移動することを防止できると共に、作業者も締結異
常を認識することができ、また、ねじ締め装置を待機状
態から運転状態に復帰させて中断前の状態から追加締付
けを行えば、正常な締付け状態とすることができる、と
いう効果が得られる。
【0078】また、請求項10〜請求項12に記載の発
明においては、トルク検出手段の検出結果に基づいて装
置異常を判定すると共に、装置異常と判定した場合に駆
動手段の動力源を直ちに遮断し、かつ、判定結果を表示
するように構成し、トルク検出手段の検出結果に基づく
装置異常の判定の具体的な方法としては、上記トルク検
出手段の出力が定格範囲外となった場合に、装置異常と
判定するようにしたことにより、締付け作業中に断線等
のトラブルが発生したような場合には、動力源を遮断し
て締付け作業を継続出来ないようにすると共に、作業者
に対して装置の故障を認識させることができる、という
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のブロック図。
【図2】圧縮空気を動力源とするインパクト・レンチと
して構成した場合の断面図。
【図3】第1の実施例の演算処理を示すフローチャー
ト。
【図4】締結力データ・メモリ部123に記録されてい
るトルク−締結力変換係数と締結力との関係を示す関数
の一例図。
【図5】本発明の第2の実施例のブロック図。
【図6】第2の実施例の演算処理を示すフローチャー
ト。
【図7】本発明の第3の実施例のブロック図。
【図8】第3の実施例の演算処理を示すフローチャー
ト。
【図9】本発明の第4の実施例のブロック図。
【図10】第4の実施例の演算処理を示すフローチャー
トの一部。
【図11】第4の実施例の演算処理を示すフローチャー
トの他の一部。
【図12】本発明の第5の実施例のブロック図。
【図13】第5の実施例の演算処理を示すフローチャー
トの一部。
【図14】第5の実施例の演算処理を示すフローチャー
トの他の一部。
【図15】第5の実施例の演算処理を示すフローチャー
トの他の一部。
【図16】本発明の第6の実施例のブロック図。
【図17】第6の実施例の演算処理を示すフローチャー
トの一部。
【図18】第6の実施例の演算処理を示すフローチャー
トの他の一部。
【図19】インパクトが発生し始めてから着座するまで
のインパクトの発生回数および各インパクトにおけるフ
リーランニング時間についての模式的な特性図。
【図20】トルク検出部の2つのコイルと基準抵抗とで
ブリッジ回路を構成した場合の、正常時と断線時におけ
る差動増幅信号とサンプル・ホールド処理後のアナログ
信号について模式的な信号波形図。
【図21】従来装置の一例の断面図。
【図22】本出願人の先行技術における演算処理を示す
フローチャート。
【符号の説明】
10…インパクト・レンチ本体 15…主軸 11…トルク検出部 16…給気部 12…シャット・オフ・バルブ 17…エア通路 13…エア・モータ部 18…メイン・
バルブ 14…油圧パルス発生部 19…切替えバ
ルブ 20…バルブ操作レバー 25…ドライビ
ング・ブレード 21…回転切替えレバー 26a、26b
…検出コイル 22…回転駆動軸 27a、27b
…溝列 23…ベーン 28…リリーフ
・バルブ 24…ライナ・ケース 30…制御装置 100…インパクト式ねじ締め機本体 135…異常判
定動力制御部 101…トルク検出部 140…制御装
置 102…モータ 144…締結力
演算部 103…インパクト・トルク発生器 145…異常判
定動力制御部 104…主軸 148…トルク
・パルス持続時間処理部 105…締付けソケット 150…制御装
置 110…制御装置 154…締結力
演算部 120…制御装置 155…異常判
定動力制御部 121…トルク信号処理部 160…制御装
置 122…ピーク値処理部 164…締結力
演算部 123…締結力データ・メモリ部 165…異常判
定動力制御部 124…締結力演算部 167…経過時
間処理部 125…異常判定動力制御部 168…フリーランニング・ 126…表示部 データ数処理部 128…フリーランニング時間処理部 170…制御装
置 130…制御装置 172…ピーク
値処理部 134…締結力演算部 175…異常判
定動力制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−116074(JP,A) 特開 昭57−48483(JP,A) 実公 昭61−16069(JP,Y2)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動出力にパルス成分を有する駆動手段
    と、一端にねじとの継手部を有し、上記駆動手段によっ
    て駆動されることによってねじを締め付ける主軸と、上
    記主軸のトルクを検出するトルク検出手段と、を有する
    インパクト式ねじ締め機本体と、 上記トルク検出手段の検出結果から求めたトルク・パル
    スのピーク値を用いて締結力を求め、目標とする締結力
    を実現するように上記駆動手段へ与えられる動力源を制
    御し、かつ、上記駆動手段による各インパクトごとに発
    生する複数のトルク・パルスのうち最初に発生するトル
    ク・パルスと第2番目に発生するトルク・パルスとの間
    隔であるフリーランニング時間を検出し、上記フリーラ
    ンニング時間が着座判定しきい値フリーランニング時間
    以下となった時点を着座時点と判定し、上記着座時点を
    締結力計算開始時点として締結力を演算する制御手段
    と、 上記駆動手段によってインパクトが発生し始めてか
    ら、上記フリーランニング時間が上記着座判定フリーラ
    ンニング時間以下になるまでに発生した上記トルクパル
    スの発生回数を検出し、上記発生回数が異常と認められ
    た場合に、締結異常と判定する異常判定手段と、 を備えたことを特徴とするインパクト式ねじ締め装置。
  2. 【請求項2】上記異常判定手段は、上記トルクパルス
    発生回数が、正常な締付けにおける発生回数の標準的な
    範囲から大きく乖離している場合に、締結異常と判定す
    るものである、ことを特徴とする請求項1に記載のイン
    パクト式ねじ締め装置。
  3. 【請求項3】駆動出力にパルス成分を有する駆動手段
    と、一端にねじとの継手部を有し、上記駆動手段によっ
    て駆動されることによってねじを締め付ける主軸と、上
    記主軸のトルクを検出するトルク検出手段と、を有する
    インパクト式ねじ締め機本体と、 上記トルク検出手段の検出結果から求めたトルク・パル
    スのピーク値を用いて締結力を求め、目標とする締結力
    を実現するように上記駆動手段へ与えられる動 力源を制
    御し、かつ、上記駆動手段による各インパクトごとに発
    生する複数のトルク・パルスのうち最初に発生するトル
    ク・パルスと第2番目に発生するトルク・パルスとの間
    隔であるフリーランニング時間を検出し、上記フリーラ
    ンニング時間が着座判定しきい値フリーランニング時間
    以下となった時点を着座時点と判定し、上記着座時点を
    締結力計算開始時点として締結力を演算する制御手段
    と、 正常な締付けであれば着座と判定するまでに複数回のイ
    ンパクトが発生するような締結部位の締付けの際に、最
    初のインパクトで検出されたトルク波形における上記フ
    リーランニング時間が上記着座判定しきい値フリーラン
    ニング時間以下である場合に、締結異常と判定する異常
    判定手段と 、 を備えたことを特徴とするインパクト式ねじ締め装置。
  4. 【請求項4】駆動出力にパルス成分を有する駆動手段
    と、一端にねじとの継手部を有し、上記駆動手段によっ
    て駆動されることによってねじを締め付ける主軸と、上
    記主軸のトルクを検出するトルク検出手段と、を有する
    インパクト式ねじ締め機本体と上記トルク検出手段の検出結果から求めたトルク・パル
    スのピーク値を用いて締結力を求め、目標とする締結力
    を実現するように上記駆動手段へ与えられる動力源を制
    御し、かつ、上記トルク・パルスの持続時間を検出し、
    上記持続時間が着座判定しきい値持続時間以上となった
    時点を着座時点と判定し、上記着座時点を締結力計算開
    始時点として締結力を演算する制御手段と正常な締付けであれば着座と判定するまでに複数回のイ
    ンパクトが発生するような締結部位の締付けの際に、最
    初のインパクトで検出されたトルク波形における上記ト
    ルク・パルスの持続時間が上記着座判定しきい値持続時
    間以上である場合に、締結異常と判定する異常判定手段
    、 を備えたことを特徴とするインパクト式ねじ締め装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至請求項4の何れかに記載のイ
    ンパクト式ねじ締め装置において、 上記異常判定手段が締結異常と判定した場合には、上記
    の駆動手段の動力源を直ちに遮断させる遮断制御手段を
    備えたことを特徴とするインパクト式ねじ締め装置。
  6. 【請求項6】請求項1乃至請求項5の何れかに記載のイ
    ンパクト式ねじ締め装置において、 上記異常判定手段の判定結果を表示する表示手段を備え
    たことを特徴とするインパクト式ねじ締め装置。
  7. 【請求項7】駆動出力にパルス成分を有する駆動手段
    と、一端にねじとの継手部を有し、上記駆動手段によっ
    て駆動されることによってねじを締め付ける主軸と、上
    記主軸のトルクを検出するトルク検出手段と、を有する
    インパクト式ねじ締め機本体と、 上記トルク検出手段の検出結果から求めたトルク・パル
    スのピーク値を用いて締結力を求め、目標とする締結力
    を実現するように上記駆動手段へ与えられる動力源を制
    御し、かつ、上記締結力の演算は、前回のインパクトま
    での締結力F(i−1)の値に応じて、締結力に対する
    トルク変換係数の特性から今回の演算に用いるトルク変
    換係数C TF (i)を読み出し、該トルク変換係数C
    TF (i)と今回のインパクトにおける上記トルク検出手
    段の検出結果から求めたピーク・トルク値T P (i)とを
    乗算することにより、今回のインパクトによる締結力の
    増加分δF(i)を計算し、前回のインパクトまでの締
    結力F(i−1)に上記の増加分δF(i)を加算するこ
    とにより、今回のインパクトまでの締結力F(i)を計
    算し、かつ上記トルク変換係数の特性は、締結力が大き
    くなるほど小さな値の係数C TF (i)になる特性に設定
    されている、制御手段と、 上記の目標とする締結力に到達する以前に、上記の検出
    されたトルクピーク値が予め定めたインパクト発生判定
    しきい値トルク値を越えた後、所定の時間を経過しても
    上記インパクト発生判定しきい値トルク値を越えるトル
    クパルスが検出されない場合に、締結異常と判定する異
    常判定手段と、 を備えたことを特徴とするインパクト式ねじ締め装置。
  8. 【請求項8】請求項に記載のインパクト式ねじ締め装
    置において、 上記異常判定手段が締結異常と判定した場合には、上記
    の駆動手段の動力源を直ちに遮断させる遮断制御手段を
    備えたことを特徴とするインパクト式ねじ締め装置。
  9. 【請求項9】請求項または請求項に記載のインパク
    ト式ねじ締め装置において、 上記異常判定手段の判定結果を表示する表示手段を備え
    たことを特徴とするインパクト式ねじ締め装置。
  10. 【請求項10】駆動出力にパルス成分を有する駆動手段
    と、一端にねじとの継手部を有し、上記駆動手段によっ
    て駆動されることによってねじを締め付ける主軸と、上
    記主軸のトルクを検出するトルク検出手段と、を有する
    インパクト式ねじ締め機本体と、 上記トルク検出手段の検出結果から求めたトルク・パル
    スのピーク値を用いて締結力を求め、目標とする締結力
    を実現するように上記駆動手段へ与えられる動力源を制
    御し、かつ、上記締結力の演算は、前回のインパクトま
    での締結力F(i−1)の値に応じて、締結力に対する
    トルク変換係数の特性から今回の演算に用いるトルク変
    換係数C TF (i)を読み出し、該トルク変換係数C
    TF (i)と今回のインパクトにおける上記トルク検出手
    段の検出結果から求めたピーク・トルク値T P (i)とを
    乗算することにより、今回のインパクトによる締結力の
    増加分δF(i)を計算し、前回のインパクトまでの締
    結力F(i−1)に上記の増加分δF(i)を加算するこ
    とにより、今回のインパクトまでの締結力F(i)を計
    算し、かつ上記トルク変換係数の特性は、締結力が大き
    くなるほど小さな値の係数C TF (i)になる特性に設定
    されている、制御手段と、 上記トルク検出手段の出力が定格範囲外となった場合
    に、装置異常と判定する異常判定手段と、 を備えたことを特徴とするインパクト式ねじ締め装置。
  11. 【請求項11】請求項10に記載のインパクト式ねじ締
    め装置において、 上記異常判定手段が装置異常と判定した場合には、上記
    の駆動手段の動力源を直ちに遮断させる遮断制御手段を
    備えたことを特徴とするインパクト式ねじ締め装置。
  12. 【請求項12】請求項10または請求項11に記載のイ
    ンパクト式ねじ締め装置において、 上記異常判定手段の判定結果を表示する表示手段を備え
    たことを特徴とするインパクト式ねじ締め装置。
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