JP3342601B2 - インパクト式ねじ締め装置 - Google Patents

インパクト式ねじ締め装置

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JP3342601B2
JP3342601B2 JP13229995A JP13229995A JP3342601B2 JP 3342601 B2 JP3342601 B2 JP 3342601B2 JP 13229995 A JP13229995 A JP 13229995A JP 13229995 A JP13229995 A JP 13229995A JP 3342601 B2 JP3342601 B2 JP 3342601B2
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    • B25HAND TOOLS; PORTABLE POWER-DRIVEN TOOLS; MANIPULATORS
    • B25BTOOLS OR BENCH DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR, FOR FASTENING, CONNECTING, DISENGAGING OR HOLDING
    • B25B23/00Details of, or accessories for, spanners, wrenches, screwdrivers
    • B25B23/14Arrangement of torque limiters or torque indicators in wrenches or screwdrivers
    • B25B23/145Arrangement of torque limiters or torque indicators in wrenches or screwdrivers specially adapted for fluid operated wrenches or screwdrivers
    • B25B23/1453Arrangement of torque limiters or torque indicators in wrenches or screwdrivers specially adapted for fluid operated wrenches or screwdrivers for impact wrenches or screwdrivers

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Details Of Spanners, Wrenches, And Screw Drivers And Accessories (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、衝撃力を利用して、ね
じ締め作業を行うねじ締め装置、例えば、インパクト・
レンチやインパクト式ナット・ランナーなどに関し、特
に、ねじの締結力(締付け力)を制御する技術に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来の締結力を制御するインパクト・レ
ンチとしては、例えば、特願平5−333988号明細
書および図面(未公開)に記載の装置がある。
【0003】図13は上記の装置の断面図である。
【0004】図13において、インパクト・レンチ本体
101の主軸102は磁歪効果を有する材料で構成され
ている。そして、ねじ締めの際に発生するインパクト・
トルクに伴う主軸102表面の透磁率変化をトルク検出
部103の検出コイル103a,103bのインダクタ
ンス変化として検出することにより、トルクの変化を検
出する。また、インパクト・レンチ本体101には制御
装置104が接続されており、トルク検出部103から
の信号に基づいて図14に示すフローチャートの手順で
締結力を演算し、目標とする締結力に達したところで、
制御装置104からの制御信号により、シャット・オフ
・バルブ105が閉じてエア・モータ部106への圧縮
空気が遮断され、これによって油圧パルス発生部107
および主軸102の駆動を停止させるように構成されて
いる。
【0005】以下、図14に示すフローチャートに基づ
いて締結力の演算および制御の手順を説明する。
【0006】まず、ステップS201で目標締結力
の値を、また、ステップS202で着座判定しきい値
フリーランニング時間FRをそれぞれ設定した後、
ステップS203でインパクト数のカウンタをリセット
し<カウントi=0>、さらに、ステップS204でそ
れまでの締結力の値をリセットする<F(0)=0)。
【0007】次に、ステップS205では、ねじ締めを
開始する。
【0008】また、ステップS206〜ステップS20
8はループを形成しており、着座まではインパクトごと
に着座判定を行う。
【0009】このループにおいて、まず、ステップS2
06でカウントiを1だけ増加させた後、ステップS2
07でトルクセンサの信号からフリーランニング時間t
FRを求める。
【0010】次に、ステップS208では、フリーラン
ニング時間tFRが着座判定しきい値フリーランニング
時間FR以下か否かを判断し、NOすなわち未着座
であればステップS206に戻ってステップS208ま
でを繰返す。
【0011】一方、ステップS208でYESになる
と、すなわち、着座と判定すると、ステップS209〜
ステップS212およびステップS213よりなるルー
プに進み、インパクトごとに締結力の計算を行う。
【0012】このループにおいて、まず、ステップS2
09では、トルクセンサの信号からインパクトのピーク
・トルク値T(i)を求めて記憶する。なお、着座時
点においては、上記ステップS207において一時的に
記憶されているトルク信号からピーク・トルク値T
(i)を求めればよい。
【0013】次に、ステップS210では、F(i−
1)におけるトルク−締結力変換係数CTF(i)を、
締結力データ・メモリ部のテーブルに基づいて計算す
る。ただし、CTF(i)=CTF[F(i−1)]。
【0014】次いで、ステップS211では、インパク
トによる締結力の増加分δF(i)=CTF(i)×T
(i)を計算し、さらに、このインパクト後の締結力
F(i)を、それまでの締結力すなわち1回前のインパ
クト後の締結力F(i−1)に上記の増加分δF(i)
を加算することにより計算する。したがって、 F(i)=F(i−1)+CTF(i)×T(i) 次に、ステップS212では、インパクト後の締結力F
(i)が目標締結力以上か否かを判断し、NOで
あればステップS213でカウントiを1だけ増加させ
た後、ステップS209に戻ってステップS212まで
を繰返す。
【0015】一方、ステップS212でYESになる
と、ステップS214へ進み、その時点でカット・オフ
命令が出される。これによって圧縮空気のバルブが閉じ
られる。
【0016】次に、ステップS215では、終了するか
否かを判断し、YESであればそのまま終了し、NOで
あればステップS203へ戻って次のねじ締めを行う。
【0017】なお、上記の先行技術の説明は、インパク
ト・レンチを例として説明したが、インパクト式ナット
・ランナー等においても同様である。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、ツール
の繰返し使用等によって締付け能力が低下する恐れがあ
り、締付け能力が低下した場合にも対応することが可能
であるようにすることが課題としてあった。
【0019】
【発明の目的】本発明は上記のごとき先行技術の課題を
解決し、ねじ締めの際のねじの締結力(締付け力)を検
出することができると共に、ツールの締付け能力低下を
常時監視することが可能であってツールの繰返し使用等
によって締付け能力が低下した場合にも対応することが
でき、ねじ締め作業において締結不良品の流出を防止す
ることができるインパクト式ねじ締め装置を提供するこ
とを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明においては、特許請求の範囲に記載するよう
に構成している。
【0021】すなわち、請求項1に記載の発明によるイ
ンパクト式ねじ締め装置においては、駆動出力にパルス
成分を有する駆動手段と、一端にねじとの継手部を有し
かつ前記駆動手段により駆動されてねじを締付ける主軸
と、前記主軸のトルク変化を検出するトルク検出手段を
有するインパクト式ねじ締め機本体、前記トルク検出手
段の検出結果に基づいて前記インパクト式ねじ締め機本
体の締付け能力低下を検出する演算手段、前記トルク検
出手段の検出結果に基づいて目標とする締結力を実現す
るべく前記駆動手段に与えられる動力源を制御する制御
手段、前記演算手段で検出した締付け能力が規定値以下
に低下した場合に締付け能力低下異常と判定する異常判
定手段を備え、前記演算手段は前記トルク検出手段の検
出結果から着座を判定する機能も兼ね備え、かつ、締付
け能力低下を検出するために前記トルク検出手段の検出
結果から着座以前の各インパクトに含まれる複数のトル
ク・パルスのうち第1番目に発生するトルク・パルスと
第2番目に発生するトルク・パルスとの発生間隔、すな
わち、フリーランニング時間を検出する機能を有するも
のであり、かつ、前記異常判定手段は前記フリーランニ
ング時間が所定値に達しなくなった場合に締付け能力低
下異常と判定する機能を有するものであるようにしたこ
とを特徴としている。
【0022】この場合、上記のインパクト式ねじ締め機
本体は、例えば、後記図1の実施例におけるインパクト
式ねじ締め機本体1に相当し、同じく、上記駆動手段は
モータ2とトルク・パルス発生器3の部分に相当し、上
記主軸および上記トルク検出手段は、それぞれ、主軸4
およびトルク検出器5に相当するものとすることができ
る。また、上記演算手段および上記制御手段は、例え
ば、後記図1の実施例における制御装置7に相当するも
のとすることができる。
【0023】
【0024】この場合、上記異常判定手段は、例えば、
後記図1の実施例における制御装置7に相当するものと
することができる。
【0025】
【0026】この場合、上記演算手段および異常判定手
段は、例えば、後記図1の実施例における制御装置7に
相当するものとすることができる。
【0027】また、請求項2に記載の発明においては、
駆動出力にパルス成分を有する駆動手段と、一端にねじ
との継手部を有しかつ前記駆動手段により駆動されてね
じを締付ける主軸と、前記主軸のトルク変化を検出する
トルク検出手段を有するインパクト式ねじ締め機本体、
前記トルク検出手段の検出結果に基づいて前記インパク
ト式ねじ締め機本体の締付け能力低下を検出する演算手
段、前記トルク検出手段の検出結果に基づいて目標とす
る締結力を実現するべく前記駆動手段に与えられる動力
源を制御する制御手段、前記演算手段で検出した締付け
能力が規定値以下に低下した場合に締付け能力低下異常
と判定する異常判定手段を備え、前記演算手段は前記ト
ルク検出手段の検出結果から着座を判定する機能も兼ね
備え、かつ、締付け能力低下を検出するために前記トル
ク検出手段の検出結果から着座以前の各インパクトに含
まれる複数のトルク・パルスのうち第1番目に発生する
トルク・パルスのピーク値を検出する機能を有するもの
であり、かつ、前記異常判定手段は前記の第1番目に発
生するトルク・パルスのピーク値が所定値に達しなくな
った場合に締付け能力低下異常と判定する機能を有する
ものであるようにしたことを特徴としている。
【0028】この場合、上記演算手段および異常判定手
段は、例えば、後記図5の実施例における制御装置37
に相当するものとすることができる。
【0029】さらにまた、請求項3に記載の発明におい
ては、駆動出力にパルス成分を有する駆動手段と、一端
にねじとの継手部を有しかつ前記駆動手段により駆動さ
れてねじを締付ける主軸と、前記主軸のトルク変化を検
出するトルク検出手段を有するインパクト式ねじ締め機
本体、前記トルク検出手段の検出結果に基づいて前記イ
ンパクト式ねじ締め機本体の締付け能力低下を検出する
演算手段、前記トルク検出手段の検出結果に基づいて目
標とする締結力を実現するべく前記駆動手段に与えられ
る動力源を制御する制御手段、前記演算手段で検出した
締付け能力が規定値以下に低下した場合に締付け能力低
下異常と判定する異常判定手段を備え、前記演算手段は
締付け能力低下を検出するために前記トルク検出手段の
検出結果から着座時のインパクトに含まれる複数のトル
ク・パルスのうち第2番目に発生するトルク・パルスの
ピーク値を検出する機能を有するものであり、かつ、前
記異常判定手段は前記の第2番目に発生するトルク・パ
ルスのピーク値が所定値に達しなくなった場合に締付け
能力低下異常と判定する機能を有するものであるように
したことを特徴としている。
【0030】この場合、上記演算手段および異常判定手
段は、例えば、後記図7の実施例における制御装置47
に相当するものとすることができる。
【0031】さらにまた、請求項4に記載の発明におい
ては、駆動出力にパルス成分を有する駆動手段と、一端
にねじとの継手部を有しかつ前記駆動手段により駆動さ
れてねじを締付ける主軸と、前記主軸のトルク変化を検
出するトルク検出手段を有するインパクト式ねじ締め機
本体、前記トルク検出手段の検出結果に基づいて前記イ
ンパクト式ねじ締め機本体の締付け能力低下を検出する
演算手段、前記トルク検出手段の検出結果に基づいて目
標とする締結力を実現するべく前記駆動手段に与えられ
る動力源を制御する制御手段、前記演算手段で検出した
締付け能力が規定値以下に低下した場合に締付け能力低
下異常と判定する異常判定手段を備え、前記演算手段は
締付け能力低下を検出するために前記トルク検出手段の
検出結果から着座時のインパクトにおけるトルク・パル
スの持続時間を検出する機能を有するものであり、か
つ、前記異常判定手段は前記のトルク・パルスの持続時
間が所定値に達しなくなった場合に締付け能力低下異常
と判定する機能を有するものであるようにしたことを特
徴としている。
【0032】この場合、上記演算手段および異常判定手
段は、例えば、後記図9の実施例における制御装置57
に相当するものとすることができる。
【0033】さらにまた、請求項5に記載の発明におい
ては、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のインパク
ト式ねじ締め装置において、前記演算手段は前記トルク
検出手段の検出結果から求めたピーク・トルク値を用い
てインパクトごとに締結力の増加量を演算して順次締結
力を求める機能も兼ね備えたものであり、かつ、前記制
御手段はインパクトごとに求めた前記の締結力が所定値
以上になった時点で前記駆動手段に与えられる動力源を
遮断する機能を有するものであるようにしたことを特徴
としている。
【0034】この場合、上記演算手段および制御手段
は、例えば、後記図1の実施例における制御装置7に相
当するものとすることができる。
【0035】さらにまた、請求項6に記載の発明におい
ては、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のインパク
ト式ねじ締め装置において、前記制御手段は前記トルク
検出手段の検出結果からインパクトごとに求めたピーク
・トルク値が所定値以上になった時点で前記駆動手段に
与えられる動力源を遮断する機能を有するものであるよ
うにしたことを特徴としている。
【0036】この場合、上記制御手段は、例えば、後記
図7の実施例における制御装置47に相当するものとす
ることができる。
【0037】さらにまた、請求項7に記載の発明におい
ては、請求項1〜請求項6のいずれかに記載のインパク
ト式ねじ締め装置において、前記制御手段は前記異常判
定手段が締付け能力低下異常と判定した場合に前記駆動
手段に与えられる動力源を遮断する機能も兼ね備えたも
のであるようにしたことを特徴としている。
【0038】この場合、上記制御手段は、例えば、後記
図1の実施例における制御装置7に相当するものとする
ことができる。
【0039】さらにまた、請求項8に記載の発明におい
ては、請求項1〜請求項7のいずれかに記載のインパク
ト式ねじ締め装置において、異常判定手段が締付け能力
低下異常と判定した場合に判定結果を出力する判定結果
出力手段を備えているものであるようにしたことを特徴
としている。
【0040】この場合、上記判定結果出力手段は、例え
ば、後記図1の実施例における制御装置7に相当するも
のとすることができる。
【0041】さらにまた、請求項9に記載の発明におい
ては、請求項1〜請求項8のいずれかに記載のインパク
ト式ねじ締め装置において、異常判定手段が締付け能力
低下異常と判定した場合に判定結果を表示する判定結果
表示手段を備えているものであるようにしたことを特徴
としている。
【0042】この場合、上記判定結果表示手段は、例え
ば、後記図1の実施例における制御装置7に相当するも
のとすることができる。
【0043】
【発明の作用】請求項1に記載の発明においては、トル
ク検出手段の検出結果に基づいてインパクト式ねじ締め
機本体の締付け能力低下を演算手段によって検出するよ
うにし、前記演算手段で検出した締付け能力が規定値以
下に低下した場合に異常判定手段によって締付け能力低
下異常と判定するようにし、トルク検出手段の検出結果
から着座を判定するとともに、着座以前の各インパクト
に含まれる複数のトルク・パルスのうち第1番目に発生
するトルク・パルスと第2番目に発生するトルク・パル
スとの発生間隔、すなわち、フリーランニング時間を演
算手段で検出し、前記フリーランニング時間が所定値に
達しなくなった場合に異常判定手段で締付け能力低下異
常と判定するようにしているため、ツールに内蔵された
トルク検出手段の検出結果に基づいて、ツールの締付け
能力低下が検出されるとともに常時監視されることとな
り、ツールの繰返し使用等によって締付け能力が低下し
た場合にも対応しうることとなる。
【0044】また、請求項2に記載の発明においては、
トルク検出手段の検出結果から着座を判定するととも
に、着座以前の各インパクトに含まれる複数のトルク・
パルスのうち第1番目に発生するトルク・パルスのピー
ク値を演算手段で検出し、前記の第1番目に発生するト
ルク・パルスのピーク値が所定値に達しなくなった場合
に異常判定手段で締付け能力低下異常と判定するように
しており、さらに、請求項3に記載の発明においては、
前記トルク検出手段の検出結果から着座時のインパクト
に含まれる複数のトルク・パルスのうち第2番目に発生
するトルク・パルスのピーク値を検出し、前記の第2番
目に発生するトルク・パルスのピーク値が所定値に達し
なくなった場合に異常判定手段で締付け能力低下異常と
判定するようにしており、請求項4に記載の発明におい
ては、前記トルク検出手段の検出結果から着座時のイン
パクトにおけるトルク・パルスの持続時間を検出し、前
記のトルク・パルスの持続時間が所定値に達しなくなっ
た場合に異常判定手段で締付け能力低下異常と判定する
ようにしているため、ツールに内蔵されたトルク検出手
段の検出結果に基づいて、ツールの締付け能力低下が検
出されるとともに常時監視されることとなり、ツールの
繰返し使用等によって締付け能力が低下した場合にも対
応しうることとなる。
【0045】また、請求項5に記載の発明においては、
トルク検出手段の検出結果から求めたピーク・トルク値
を用いてインパクトごとに締結力の増加量を演算して順
次締結力を求め、前記のインパクトごとに求めた締結力
が所定値以上になった時点で前記駆動手段に与えられる
動力源を遮断するようにしており、請求項6に記載の発
明においては、トルク検出手段の検出結果からインパク
トごとに求めたピーク・トルク値が所定値以上になった
時点で前記駆動手段に与えられる動力源を遮断するよう
にしているため、インパクト式ねじ締め装置がインパク
トごとに求めた締結力に基づいて前記駆動手段に与えら
れる動力源を制御するものであっても、また、インパク
トごとに求めたピーク・トルク値に基づいて前記駆動手
段に与えられる動力源を制御するものであっても、ツー
ルに内蔵されたトルク検出手段の検出結果に基づいて、
ツールの締付け能力低下が検出されることとなる。
【0046】ここで、着座以前および着座時のインパク
ト・トルクの波形の繰返し使用に伴う変化について説明
する。
【0047】図11は、戻り止めナット(戻り止めナッ
トに関しては、例えば、「ねじ締め付け機構設計のポイ
ント」 財団法人日本規格協会 1989年第4刷発行
第299頁〜第301頁に記載のもの)を用いて、正
常な締付けが行われた場合のインパクトが発生し始めて
から着座し、さらに締付けが完了するまでのインパクト
の発生状況と、各段階のインパクト・トルクの波形につ
いて模式的に説明した図である。また、図12は、着座
以前のインパクトにおける第1番目に発生するトルク・
パルスのピーク値およびフリーランニング時間、着座時
のインパクトにおける第2番目に発生するトルク・パル
スのピーク値およびトルク・パルスの持続時間と最終到
達締結力の繰返し使用に伴う変化についての説明図であ
る。
【0048】ここで、着座以前のインパクトにおいて第
1番目に発生するトルク・パルスは、静止しているボル
トまたはナットにトルクがかかり始めてから最大静止摩
擦トルクに達してボルトまたはナットが回転し始めると
きのトルク波形であり、上記の最大静止摩擦トルクが第
1のトルク・パルスのピーク値として検出される。
【0049】また、フリーランニング時間は、上記の第
1のトルク・パルスから、回転しているボルトまたはナ
ットが動摩擦により次第に減速していき停止するときに
発生する第2のトルク・パルスまでの発生間隔であり、
インパクトごとのナットの回転角に対応するものであ
る。なお、着座以前のインパクトは戻り止めナットのカ
シメ部分がボルトのねじ面に当たっているために発生す
るものであり、戻り止めナットに特有のものである。
【0050】さらに、着座時のインパクトにおいて第2
番目に発生するトルク・パルスは、回転しているボルト
またはナットが動摩擦により次第に減速していき停止す
るときのトルク波形であり、第2番目に発生するトルク
・パルスのピーク値はインパクトによって到達する締結
力に相当する動摩擦トルクとその時点においてツールか
らボルトまたはナットに作用している回転トルクとが加
算されたものである。
【0051】さらにまた、着座時のインパクトにおける
トルク・パルスの持続時間は、ボルトまたはナットにト
ルクがかかり始めた時点から、ボルトまたはナットが回
転した後停止するまでの所要時間であり、この間は締結
力が発生しているために正の(締付け方向の)トルクが
持続して検出される。
【0052】図12で明らかなように、着座以前のイン
パクトにおけるフリーランニング時間、着座時における
第2番目に発生するトルク・パルスのピーク値およびト
ルクパルスの持続時間は、繰返し使用回数が増えていく
と、すなわち、図12では8万から10万ショットを越
えると、急激に減少していき、最終到達締結力も同様の
変化を示す。また、着座以前のインパクトにおける第1
番目に発生するトルク・パルスのピーク値は、最終到達
締結力が低下し始めると徐々に減少していく。
【0053】この理由は以下のように考えられる。すな
わち、インパクト・レンチ(等のインパクト式ねじ締め
機)の締付け能力が一定であれば、戻り止めナットのカ
シメ部分がボルトのねじ面と接触しているために発生す
る、上記の着座以前のインパクトにおける第1番目に発
生するトルク・パルスのピーク値およびフリーランニン
グ時間はバラツキを伴うものの一定範囲の値となる。
【0054】ところが、トルク・パルス発生器の油漏れ
等によってツールの締付け能力が低下してくると、ボル
トまたはナットが回転し始める直前に弾性的なねじれと
して一時的に蓄えられる初動エネルギーが減少するため
に、最大静止摩擦トルクの値が低下するとともに、イン
パクトごとのボルトまたはナットの回転角が減少してフ
リーランニング時間も短くなる。
【0055】そして、締付け能力の低下がさらに進む
と、インパクトが発生してもボルトまたはナットを回転
させるだけのエネルギーを与えることができなくなり、
インパクトのトルク波形は第1番目に発生するトルク・
パルスだけからなるものとなってしまう。また、着座時
のインパクトにおいても、ツールの締付け能力が低下し
てくると着座時に到達する締結力が低下するために、第
2番目に発生するトルク・パルスのピーク値は減少し、
トルク・パルスの持続時間も短くなる。
【0056】したがって、請求項1〜請求項6のような
構成とすることにより、ツールの締付け能力低下を検出
することが可能となる。
【0057】また、請求項7に記載の発明においては、
異常判定手段が締付け能力低下異常と判定した場合に前
記駆動手段に与えられる動力源を遮断するようにしてい
るため、ねじ締め作業において締結不良品の流出が防止
されることとなる。
【0058】さらにまた、請求項8に記載の発明におい
ては、異常判定手段が締付け能力低下異常と判定した場
合に判定結果を出力する判定結果出力手段を備えるよう
にしており、請求項9に記載の発明においては、異常判
定手段が締付け能力低下異常と判定した場合に判定結果
を表示する判定結果表示手段を備えるようにしているた
め、締付け能力低下による締結不良が発生した場合に締
結不良の発生が記録されることとなり、また、作業者に
よる認識が容易に行えることとなる。
【0059】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0060】実施例1 第1の実施例は、トルク検出手段の検出結果から求めた
ピーク・トルク値を用いて、インパクトごとに締結力の
増加量を演算して順次締結力を求め、この締結力が所定
値以上になった時点で駆動手段に与えられる動力源を遮
断するインパクト式ねじ締め装置において、トルク検出
手段の検出結果から着座を判定するとともに、着座以前
の各インパクトに含まれる複数のトルク・パルスのうち
第1番目に発生するトルク・パルスと第2番目に発生す
るトルク・パルスとの発生間隔、すなわち、フリーラン
ニング時間を検出し、このフリーランニング時間が所定
値に達しなくなった場合に締付け能力低下異常と判定す
るようにし、締付け能力低下異常と判定した場合に駆動
手段に与えられる動力源を遮断するとともに、判定結果
を出力し、さらに、表示するようにした例を示すもので
ある。
【0061】図1〜図3は本発明の第1の実施例を示す
ものであり、図1は本発明の第1の実施例によるインパ
クト式ねじ締め装置のブロック図、図2は圧縮空気を動
力源とするインパクト・レンチ本体の断面説明図、図3
は演算処理を示すフローチャートである。
【0062】まず、図1において、インパクト式ねじ締
め機本体1は、モータ2と、該モータ2の出力軸2aに
接続され、該モータ2の連続的な回転力をインパクト・
トルクに変換するインパクト・トルク発生器3と、該イ
ンパクト・トルク発生器3の出力軸すなわち主軸4に作
用しているトルクを検出するトルク検出器5と、主軸4
に取付けられた締付けソケット(継手部)6とからな
る。なお、モータ2は電動モータ、エア・モータなどの
ように駆動力を発生するものであればいずれの形式のも
のでもよい。また、締付けソケット6の形状を選定する
ことによってレンチにもナット・ランナーにも構成する
ことができる。
【0063】このインパクト式ねじ締め機本体1には制
御装置7が接続されている。この制御装置7は、トルク
検出器5からの信号をトルク信号に変換するトルク信号
処理部7Aと、ピーク値処理部7Bと、フリーランニン
グ時間処理部7Cと、締結力データ・メモリ部7Dと、
締結力演算部7Eと、動力制御部7Fと、出力部7G
と、表示部7Hとから構成されている。
【0064】次に、図2は、本発明の具体的な実施例で
あり、圧縮空気を動力源とするインパクト・レンチとし
て構成した場合の断面を示す。
【0065】図2において、11はインパクト・レンチ
本体(図1のインパクト式ねじ締め機本体1に相当する
もの)であり、このインパクト・レンチ本体11内に
は、給気部12、エア・モータ部13、油圧パルス発生
部14およびトルク検出部15が設けられている。そし
て、矢印A方向から空気が導入される給気部12には、
エア・モータ部13に連通するエア通路17が形成さ
れ、その途中にはメイン・バルブ18および切替えバル
ブ19がこの順に設けられている。
【0066】メイン・バルブ18は、バルブ操作レバー
20を引くことによって開き、切替えバルブ19は回転
切替えレバー21を所定の回転位置まで回すことによっ
て開くようになっている。また、エア・モータ部13は
偏心したシリンダ内に配置された回転駆動軸22を備え
ており、この回転駆動軸22は、ベーン23に圧縮空気
が作用することによって回転するようになっている。さ
らに、油圧パルス発生部14は、エア・モータ部13の
回転駆動軸22に直結されたライナ・ケース24内に設
けられた主軸25と、この主軸25に外装されたドライ
ビング・ブレード26とからなり、ライナ・ケース24
内には油液が充満されている。
【0067】主軸25は、一定以上の負荷がないときは
ライナ・ケース24内面とドライビング・ブレード26
の抵抗によってエア・モータ部13の回転駆動軸22と
ともに回り、一定以上の負荷があるときはリリーフ・バ
ルブ28を介してドライビング・ブレード26の内面に
作用する油圧が変動することによって衝撃的に回るよう
になっている。この主軸25の先端部は、ソケット(ボ
ックス・レンチであって、図1の締付けソケット6に相
当するもの)を介してねじに接続するような形状になっ
ており、この先端部を所望のねじに合わせることによっ
て、ねじ締めを行うことができるものとなっている。
【0068】トルク検出部15は、主軸25の周囲に配
置され、かつ、インパクト・レンチ本体11に固定され
た1対のコイル15a,15bから構成されている。そ
して、主軸25は左右1対の螺旋角の異なる溝列25
a,25bが設けられた磁歪効果を有する材料で作られ
ており、これらの溝列25a,25bに対向してコイル
15a,15bが配置されている。そして、これらのコ
イル15a,15bによって、主軸25に作用するトル
クを検出することができるようになっている。
【0069】圧縮空気の遮断機構の構成については、エ
ア・モータ部13へ矢印A方向から送られる圧縮空気を
供給・遮断するためのシャット・オフ・バルブ29が、
切替えバルブ19とエア・モータ部13とを連絡するエ
ア通路17の途中に設けられている。
【0070】また、インパクト・レンチ本体11と電気
的に接続された制御装置27(図1の制御装置7に相当
する部分である)は、トルク検出部15から発せられる
信号を入力としてトルク信号をつくるトルク信号処理部
(7A)と、トルク信号からインパクトごとにピーク・
トルク値を抽出するピーク値処理部(7B)と、フリー
ランニング時間処理部(7C)と、「トルク−締結力変
換係数CTFの締結力Fへの依存性についてのテーブ
ル」が記録されている締結力データ・メモリ部(7D)
と、締結力演算部(7E)と、演算された締結力が適正
範囲にあるか否かを判定して、シャット・オフ・バルブ
29への開閉制御信号を送出する動力制御部(7F)
と、締結力の演算値や締付け能力低下異常を出力する出
力部(7G)と、締結力の演算値や締付け能力低下異常
を表示する表示部(7H)とからなる。
【0071】図4は、締結力データ・メモリ部7Dに記
録されている「トルク−締結力変換係数CTFの締結力
Fへの依存性についてのテーブル」の一例を示す図であ
る。
【0072】図4に示すように、あるピーク・トルク値
をもったインパクトが付与されたとき、その時点での締
結力が小さいときには、この付与されたインパクトによ
る締結力の増加量は大きくなり、一方、すでに相当のレ
ベルの締結力が発生している状態のときには、同じピー
ク・トルク値のインパクトでもこれによって上乗せされ
る締結力の増加量は大きくないことがわかる。なお、そ
の具体的な値は、ボルト、被締結体およびインパクト・
レンチの組み合わせでそれぞれ異なる。したがって、こ
のようなテーブルがインパクト・レンチとその使用対象
であるボルトおよび被締結体との組み合わせごとに関数
として用意される。そして、締結力演算部7Eでは後述
するように上記のピーク・トルク値とこのテーブルを基
に締結力が演算される。
【0073】次に、図3に示すフローチャートに基づい
て第1の実施例の作用を説明する。
【0074】図2に示したバルブ操作レバー20が引か
れることによって給気部12からシャット・オフ・バル
ブ29を介してエア・モータ部13に送られた圧縮空気
により、エア・モータ部13の回転駆動軸22が回転
し、その回転力は油圧パルス発生部14において衝撃的
な回転力に変換され、主軸25に伝達されて、ねじ締め
作業が行われる。
【0075】まず、図3のステップS1において目標締
結力の値を、また、ステップS2およびステップ
S3で予め実験で求めた着座判定しきい値フリーランニ
ング時間FRおよび締付け能力低下異常判定しきい
値フリーランニング時間SAFRをそれぞれ設定した
後、ステップS4でインパクト数のカウンタをリセット
し<カウントi=0>、ステップS5でそれまでの締結
力の値をリセットする<F(0)=0>。
【0076】ここで、締付け能力低下異常判定しきい値
フリーランニング時間SAFRは、正常な締付けの場
合の着座以前のインパクトにおけるフリーランニング時
間の平均値tFRAおよび標準偏差σtFRに対して、
SAFR≒tFRA−3σtFRの値に設定すればよ
い。
【0077】次に、ステップS6では、ねじ締めを開始
する。
【0078】ステップS7〜ステップS20において、
ステップS8はフリーランニング時間処理部7Cにおけ
る処理内容、ステップS11はピーク値処理部7Bにお
ける処理内容、ステップS9、ステップS14、ステッ
プS16およびステップS17は動力制御部7Fにおけ
る処理内容であり、その他は締結力演算部7Eにおける
処理内容である。
【0079】また、ステップS7〜ステップS10はル
ープを形成しており、着座まではインパクトごとに締付
け能力低下異常判定および着座判定を行う。
【0080】このループにおいて、まず、ステップS7
でカウントiを1だけ増加させた後、ステップS8でト
ルク信号処理部7Aからの信号(トルク信号)に基づい
てフリーランニング時間tFRを求める。
【0081】次に、ステップS9では、フリーランニン
グ時間tFRが締付け能力低下異常判定しきい値フリー
ランニング時間SAFR以上か否かを判断し、NOす
なわち締付け能力が異常であればステップS17に進
み、カット・オフ命令が、また、ステップS18で異常
出力命令が、さらに、ステップS19で異常表示命令
が、それぞれ出された後、ステップS20に進む。これ
により、圧縮空気のバルブが閉じられるとともに、締結
異常が制御装置7の出力部7Gに出力され、表示部7H
に表示される。
【0082】一方、ステップS9でYESすなわち正常
に締結が行われていれば、ステップS10においてフリ
ーランニング時間tFRが着座判定しきい値フリーラン
ニング時間FR以下か否かを判断し、NOすなわち
未着座であれば、ステップS7に戻ってステップS10
までを繰返す。
【0083】また、ステップS10でYESになると、
すなわち、着座と判定すると、ステップS11〜ステッ
プS14およびステップS15からなるループに進み、
インパクトごとに締結力の計算を行う。
【0084】このループにおいて、まず、ステップS1
1では、トルク信号からインパクトのピーク・トルク値
(以下、本実施例では第1番目に発生するトルク・パル
スのピーク値とする。)T(i)を求めて記憶する。
なお、着座時点においては、上記ステップS8において
一時的に記憶されているトルク信号からピーク・トルク
値T(i)を求めればよい。
【0085】次に、ステップS12では、F(i−1)
におけるトルク−締結力変換係数CTF(i)を、締結
力データ・メモリ部7Dのテーブルに基づいて計算す
る。ただし、CTF(i)=CTF[F(i−1)]。
【0086】次いで、ステップS13では、インパクト
による締結力の増加分δF(i)=CTF(i)×T
(i)を計算し、さらにこのインパクト後の締結力F
(i)を、それまでの締結力すなわち1回前のインパク
ト後の締結力F(i−1)に上記の増加分δF(i)を
加算することにより計算する。したがって、F(i)=
F(i−1)+CTF(i)×T(i)。
【0087】次に、ステップS14では、インパクト後
の締結力F(i)が目標締結力以上か否かを判断
し、NOであればステップS15でカウントiを1だけ
増加させた後、ステップS11に戻ってステップS14
までを繰返す。
【0088】一方、ステップS14でYESになると、
ステップS16へ進み、その時点でカット・オフ命令が
出される。これによって圧縮空気のバルブが閉じられ
る。
【0089】次に、ステップS20では、終了するか否
かを判断し、YESであればそのまま終了し、NOであ
ればステップS4へ戻って次のねじ締めを行う。
【0090】これにより、ツールの締付け能力が低下し
た場合には、着座前の段階で異常を判定して締付け作業
を中止することができ、締結不良品の流出を防止するこ
とができる。
【0091】また、上記の説明では、着座以前において
インパクトごとに締付け能力低下異常判定を行う方式と
しているが、着座以前におけるインパクトごとのフリー
ランニング時間の平均値を着座時に求め、この平均値が
所定値以下となった場合に締付け能力低下異常と判定す
る方式としても、同様に、締結不良品の流出を防止する
ことができる。
【0092】上記のように、本実施例においては、トル
ク検出手段の検出結果から求めたピーク・トルク値を用
いて、インパクトごとに締結力の増加量を演算して順次
締結力を求め、この締結力が所定値以上になった時点で
駆動手段に与えられる動力源を遮断するインパクト式ね
じ締め装置において、トルク検出手段の検出結果から着
座を判定するとともに、着座以前の各インパクトに含ま
れる複数のトルク・パルスのうち第1番目に発生するト
ルク・パルスと第2番目に発生するトルク・パルスとの
発生間隔、すなわち、フリーランニング時間を検出し、
このフリーランニング時間が所定値に達しなくなった場
合に締付け能力低下異常と判定するようにし、締付け能
力低下異常と判定した場合に駆動手段に与えられる動力
源を遮断するとともに、判定結果を出力し、さらに、表
示するようにしている。
【0093】そのため、インパクトごとに求めた締結力
に基づいて駆動手段に与えられる動力源を制御するイン
パクト式ねじ締め装置において、ツールに内蔵されたト
ルク検出手段の検出結果に基づいて、ツールの締付け能
力低下を常時監視することができ、ツールの繰返し使用
等によってツールの締付け能力が低下した場合にも対応
することが可能となり、ねじ締め作業において締結不良
品の流出を防止することができ、締付け能力低下による
締結不良が発生した場合に締結不良の発生を記録するこ
とができ、また、作業者に認識させることもできる。
【0094】実施例2 次に、図5および図6は、本発明の第2の実施例であ
り、図5はブロック図、図6は演算処理を示すフローチ
ャートである。
【0095】この第2の実施例は、トルク検出手段の検
出結果から求めたピーク・トルク値を用いて、インパク
トごとに締結力の増加量を演算して順次締結力を求め、
この締結力が所定値以上になった時点で駆動手段に与え
られる動力源を遮断するインパクト式ねじ締め装置にお
いて、トルク検出手段の検出結果から着座を判定すると
ともに、着座以前の各インパクトに含まれる複数のトル
ク・パルスのうち第1番目に発生するトルク・パルスの
ピーク値を検出し、この第1番目に発生するトルク・パ
ルスのピーク値が所定値に達しなくなった場合に締付け
能力低下異常と判定するようにし、締付け能力低下異常
と判定した場合に駆動手段に与えられる動力源を遮断す
るとともに、判定結果を出力し、さらに、表示するよう
にした例を示すものである。
【0096】まず、図5に基づいて構成を説明する。
【0097】図5において、インパクト式ねじ締め機本
体31は、第1の実施例と同様に、モータ32、インパ
クト・トルク発生器33、主軸34、トルク検出器35
および締付けソケット36からなる。
【0098】このインパクト式ねじ締め機本体31には
制御装置37が接続されている。この制御装置37は、
第1の実施例と同様のトルク信号処理部37A、ピーク
値処理部37B、フリーランニング時間処理部37C、
締結力データ・メモリ部37D、出力部37Gおよび表
示部37Hのほかに、第1の実施例とは少し異なる締結
力演算部37Eおよび動力制御部37Fを備えている。
【0099】次に、図6に示すフローチャートに基づい
て第2の実施例の作用を説明する。
【0100】まず、ステップS31において目標締結力
の値を、また、ステップS32およびステップS
33で予め実験で求めた着座判定しきい値フリーランニ
ング時間FRおよび締付け能力低下異常判定しきい
値ピーク・トルクSAをそれぞれ設定した後、ステ
ップS34でインパクト数のカウンタをリセットし<カ
ウントi=0>、ステップS35でそれまでの締結力の
値をリセットする<F(0)=0>。
【0101】ここで、締付け能力低下異常判定しきい値
ピーク・トルクSAは、正常な締付けの場合の着座
以前のインパクトにおける第1番目に発生するトルク・
パルスのピーク値の平均値TPAおよび標準偏差σTP
に対して、SA≒TPA−3σTPの値に設定すれ
ばよい。
【0102】次に、ステップS36では、ねじ締めを開
始する。
【0103】ステップS37〜ステップS51におい
て、ステップS40はフリーランニング時間処理部37
Cにおける処理内容、ステップS38およびステップS
42はピーク値処理部37Bにおける処理内容、ステッ
プS39、ステップS45、ステップS47およびステ
ップS48は動力制御部37Fにおける処理内容であ
り、その他は締結力演算部37Eにおける処理内容であ
る。
【0104】また、ステップS37〜ステップS41は
ループを形成しており、着座まではインパクトごとに締
付け能力低下異常判定および着座判定を行う。
【0105】このループにおいて、まず、ステップS3
7でカウントiを1だけ増加させた後、ステップS38
でトルク信号処理部37Aからの信号(トルク信号)に
基づいてピーク・トルク値(以下、本実施例では第1番
目に発生するトルク・パルスのピーク値とする)T
(i)を求める。
【0106】次に、ステップS39では、ピーク・トル
ク値T(i)が締付け能力低下異常判定しきい値ピー
クトルクSA以上か否かを判断し、NOすなわち締
付け能力が異常であればステップS48に進み、カット
・オフ命令が、また、ステップS49で異常出力命令
が、さらに、ステップS50で異常表示命令が、それぞ
れ出された後、ステップS51に進む。これにより、圧
縮空気のバルブが閉じられるとともに、締結異常が制御
装置37の出力部37Gに出力され、表示部37Hに表
示される。
【0107】一方、ステップS39でYESすなわち正
常に締結が行われていれば、ステップS40においてト
ルク信号に基づいてフリーランニング時間tFRを求め
る。
【0108】次に、ステップS41でフリーランニング
時間tFRが着座判定しきい値フリーランニング時間
FR以下か否かを判断し、NOすなわち未着座であれ
ば、ステップS37に戻ってステップS41までを繰返
す。
【0109】また、ステップS41でYESになると、
すなわち、着座と判定すると、ステップS42〜ステッ
プS45およびステップS46からなるループに進み、
インパクトごとに締結力の計算を行う。
【0110】このループにおいて、まず、ステップS4
2では、トルク信号からインパクトのピーク・トルク値
(i)を求めて記憶する。なお、着座時点において
は、上記ステップS38またはステップS40において
一時的に記憶されているトルク信号からピーク・トルク
値T(i)を求めればよい。
【0111】次に、ステップS43では、F(i−1)
におけるトルク−締結力変換係数CTF(i)を、締結
力データ・メモリ部37Dのテーブルに基づいて計算す
る。ただし、CTF(i)=CTF[F(i−1)]。
【0112】次いで、ステップS44では、インパクト
による締結力の増加分δF(i)=CTF(i)×T
(i)を計算し、さらに、このインパクト後の締結力F
(i)を、それまでの締結力すなわち1回前のインパク
ト後の締結力F(i−1)に上記の増加分δF(i)を
加算することにより計算する。したがって、F(i)=
F(i−1)+CTF(i)×T(i)。
【0113】次に、ステップS45では、インパクト後
の締結力F(i)が目標締結力以上か否かを判断
し、NOであればステップS46でカウントiを1だけ
増加させた後、ステップS42に戻ってステップS45
までを繰返す。
【0114】一方、ステップS45でYESになると、
ステップS47へ進み、その時点でカット・オフ命令が
出される。これによって圧縮空気のバルブが閉じられ
る。
【0115】次に、ステップS51では、終了するか否
かを判断し、YESであればそのまま終了し、NOであ
ればステップS34へ戻って次のねじ締めを行う。
【0116】これにより、ツールの締付け能力が低下し
た場合には、着座前の段階で異常を判定して締付け作業
を中止することができ、締結不良品の流出を防止するこ
とができる。
【0117】また、上記の説明では、着座以前において
インパクトごとに締付け能力低下異常判定を行う方式と
しているが、着座以前におけるインパクトごとの第1番
目に発生するトルク・パルスのピーク値の平均値を着座
時に求め、この平均値が所定値以下となった場合に締付
け能力低下異常と判定する方式としても、同様に、締結
不良品の流出を防止することができる。
【0118】上記のように、本実施例においては、トル
ク検出手段の検出結果から求めたピーク・トルク値を用
いて、インパクトごとに締結力の増加量を演算して順次
締結力を求め、この締結力が所定値以上になった時点で
駆動手段に与えられる動力源を遮断するインパクト式ね
じ締め装置において、トルク検出手段の検出結果から着
座を判定するとともに、着座以前の各インパクトに含ま
れる複数のトルク・パルスのうち第1番目に発生するト
ルク・パルスのピーク値を検出し、この第1番目に発生
するトルク・パルスのピーク値が所定値に達しなくなっ
た場合に締付け能力低下異常と判定するようにし、締付
け能力低下異常と判定した場合に駆動手段に与えられる
動力源を遮断するとともに、判定結果を出力し、さら
に、表示するようにしている。
【0119】そのため、インパクトごとに求めた締結力
に基づいて駆動手段に与えられる動力源を制御するイン
パクト式ねじ締め装置において、ツールに内蔵されたト
ルク検出手段の検出結果に基づいて、ツールの締付け能
力低下を常時監視することができ、ツールの繰返し使用
等によってツールの締付け能力が低下した場合にも対応
することが可能となり、ねじ締め作業において締結不良
品の流出を防止することができ、締付け能力低下による
締結不良が発生した場合に締結不良の発生を記録するこ
とができ、また、作業者に認識させることもできる。
【0120】実施例3 次に、図7および図8は、本発明の第3の実施例であ
り、図7はブロック図、図8は演算処理を示すフローチ
ャートである。
【0121】この第3の実施例は、トルク検出手段の検
出結果からインパクトごとに求めたピーク・トルク値が
所定値以上になった時点で駆動手段に与えられる動力源
を遮断するインパクト式ねじ締め装置において、トルク
検出手段の検出結果から着座時のインパクトに含まれる
複数のトルク・パルスのうち第2番目に発生するトルク
・パルスのピーク値を検出し、この第2番目に発生する
トルク・パルスのピーク値が所定値に達しなくなった場
合に締付け能力低下異常と判定するようにし、締付け能
力低下異常と判定した場合に駆動手段に与えられる動力
源を遮断するとともに、判定結果を出力し、さらに、表
示するようにした例を示すものである。
【0122】まず、図7に基づいて構成を説明する。
【0123】図7において、インパクト式ねじ締め機本
体41は、第1の実施例と同様に、モータ42、インパ
クト・トルク発生器43、主軸44、トルク検出器45
および締付けソケット46からなる。
【0124】このインパクト式ねじ締め機本体41には
制御装置47が接続されている。この制御装置47は、
第1の実施例と同様のトルク信号処理部47Aのほか
に、第1の実施例とは少し異なるピーク値処理部47
B、出力部47Gおよび表示部47H、第1および第2
の実施例とは異なる動力制御部47Fを備えている。
【0125】次に、図8に示すフローチャートに基づい
て第3の実施例の作用を説明する。
【0126】まず、ステップS61において目標ピーク
・トルクの値を、また、ステップS62で予め実
験で求めた締付け能力低下異常判定しきい値ピーク・ト
ルクSAをそれぞれ設定した後、ステップS63で
インパクト数のカウンタをリセットする<カウントi=
0>。
【0127】ここで、締付け能力低下異常判定しきい値
ピーク・トルクSAは、正常な締付けの場合の着座
時のインパクトにおける第2番目に発生するトルク・パ
ルスのピーク値の平均値TPAおよび標準偏差σTP
対して、SA≒TPA−3σTPの値に設定すれば
よい。
【0128】次に、ステップS64では、ねじ締めを開
始する。
【0129】ステップS65〜ステップS75におい
て、ステップS66およびステップS68はピーク値処
理部47Bにおける処理内容であり、その他は動力制御
部47Fにおける処理内容である。
【0130】まず、ステップS65でカウントiを1だ
け増加させた後、ステップS66でトルク信号処理部4
7Aからの信号(トルク信号)に基づいて着座時のイン
パクトにおけるピーク・トルク値(以下、本実施例では
第2番目に発生するトルク・パルスのピーク値とす
る。)T(i)を求める。
【0131】次に、ステップS67では、ピーク・トル
ク値T(i)が締付け能力低下異常判定しきい値ピー
ク・トルクSA以上か否かを判断し、NOすなわち
締付け能力が異常であればステップS72に進み、カッ
ト・オフ命令が、また、ステップS73で異常出力命令
が、さらに、ステップS74で異常表示命令が、それぞ
れ出された後、ステップS75に進む。これにより、圧
縮空気のバルブが閉じられるとともに、締結異常が制御
装置47の出力部47Gに出力され、表示部47Hに表
示される。
【0132】一方、ステップS67でYESすなわち正
常に締結が行われていれば、ステップS68、ステップ
S69およびステップS70からなるループに進み、ピ
ーク・トルク値の検出を行う。
【0133】このループにおいて、まず、ステップS6
8では、トルク信号からピーク・トルク値T(i)を
求めて記憶する。なお、着座時点においては、上記ステ
ップS66において一時的に記憶されているトルク信号
からピーク・トルク値T(i)を求めればよい。
【0134】次に、ステップS69では、ピーク・トル
ク値T(i)が目標ピーク・トルク以上か否か
を判断し、NOであればステップS70でカウントiを
1だけ増加させた後、ステップS68に戻ってステップ
S69までを繰返す。
【0135】一方、ステップS69でYESになると、
ステップS71へ進み、その時点でカット・オフ命令が
出される。これによって圧縮空気のバルブが閉じられ
る。
【0136】次に、ステップS75では、終了するか否
かを判断し、YESであればそのまま終了し、NOであ
ればステップS63へ戻って次のねじ締めを行う。
【0137】これにより、ツールの締付け能力が低下し
た場合には、着座時に異常を判定して締付け作業を中止
することができ、締結不良品の流出を防止することがで
きる。
【0138】上記のように、本実施例においては、トル
ク検出手段の検出結果からインパクトごとに求めたピー
ク・トルク値が所定値以上になった時点で駆動手段に与
えられる動力源を遮断するインパクト式ねじ締め装置に
おいて、トルク検出手段の検出結果から着座時のインパ
クトに含まれる複数のトルク・パルスのうち第2番目に
発生するトルク・パルスのピーク値を検出し、この第2
番目に発生するトルク・パルスのピーク値が所定値に達
しなくなった場合に締付け能力低下異常と判定するよう
にし、締付け能力低下異常と判定した場合に駆動手段に
与えられる動力源を遮断するとともに、判定結果を出力
し、さらに、表示するようにしている。
【0139】そのため、インパクトごとに求めたピーク
・トルク値に基づいて駆動手段に与えられる動力源を制
御するインパクト式ねじ締め装置において、ツールに内
蔵されたトルク検出手段の検出結果に基づいて、ツール
の締付け能力低下を常時監視することができ、ツールの
繰返し使用等によってツールの締付け能力が低下した場
合にも対応することが可能となり、ねじ締め作業におい
て締結不良品の流出を防止することができ、締付け能力
低下による締結不良が発生した場合に締結不良の発生を
記録することができ、また、作業者に認識させることも
できる。
【0140】実施例4 次に、図9および図10は、本発明の第4の実施例であ
り、図9はブロック図、図10は演算処理を示すフロー
チャートである。
【0141】この第4の実施例は、トルク検出手段の検
出結果からインパクトごとに求めたピーク・トルク値が
所定値以上になった時点で駆動手段に与えられる動力源
を遮断するインパクト式ねじ締め装置において、トルク
検出手段の検出結果から着座時のインパクトにおけるト
ルク・パルスの持続時間を検出し、このトルク・パルス
の持続時間が所定値に達しなくなった場合に締付け能力
低下異常と判定するようにし、締付け能力低下異常と判
定した場合に駆動手段に与えられる動力源を遮断すると
ともに、判定結果を出力し、さらに、表示するようにし
た例を示すものである。
【0142】まず、図9に基づいて構成を説明する。
【0143】図9において、インパクト式ねじ締め機本
体51は、第1の実施例と同様に、モータ52、インパ
クト・トルク発生器53、主軸54、トルク検出器55
および締付けソケット56からなる。
【0144】このインパクト式ねじ締め機本体51には
制御装置57が接続されている。この制御装置57は、
トルク・パルス持続時間処理部57Iと、第1の実施例
と同様のトルク信号処理部57Aのほかに、第3の実施
例と同様のピーク値処理部57B、出力部57Gおよび
表示部57H、第1、第2および第3の実施例とは異な
る動力制御部57Fを備えている。
【0145】次に、図10に示すフローチャートに基づ
いて第4の実施例の作用を説明する。
【0146】まず、ステップS81において目標ピーク
・トルクの値を、また、ステップS82で予め実
験で求めた締付け能力低下異常判定しきい値持続時間
SAをそれぞれ設定した後、ステップS83でイン
パクト数のカウンタをリセットする<カウントi=0
>。
【0147】ここで、締付け能力低下異常判定しきい値
持続時間SAは、正常な締付けの場合の着座時のト
ルク・パルスの持続時間の平均値WPAおよび標準偏差
σ に対して、SA≒WPA−3σWPの値に設
定すればよい。
【0148】次に、ステップS84では、ねじ締めを開
始する。
【0149】ステップS85〜ステップS95におい
て、ステップS86はトルク・パルス持続時間処理部5
7Iにおける処理内容、ステップS88はピーク値処理
部57Bにおける処理内容であり、その他は動力制御部
57Fにおける処理内容である。
【0150】まず、ステップS85でカウントiを1だ
け増加させた後、ステップS86でトルク信号処理部5
7Aからの信号(トルク信号)に基づいて着座時のイン
パクトにおけるトルク・パルス持続時間Wを求める。
【0151】次に、ステップS87では、トルク・パル
ス持続時間Wが締付け能力低下異常判定しきい値トル
ク・パルス持続時間SA以上か否かを判断し、NO
すなわち締付け能力が異常であればステップS92に進
み、カット・オフ命令が、また、ステップS93で異常
出力命令が、さらに、ステップS94で異常表示命令
が、それぞれ出された後、ステップS95に進む。これ
により、圧縮空気のバルブが閉じられるとともに、締結
異常が制御装置57の出力部57Gに出力され、表示部
57Hに表示される。
【0152】一方、ステップS87でYESすなわち正
常に締結が行われていれば、ステップS88、ステップ
S89およびステップS90からなるループに進み、ピ
ーク・トルク値の検出を行う。
【0153】このループにおいて、まず、ステップS8
8では、トルク信号からピーク・トルク値(以下、本実
施例では第2番目に発生するトルク・パルスのピーク値
とする。)T(i)を求めて記憶する。なお、着座時
点においては、上記ステップS86において一時的に記
憶されているトルク信号からピーク・トルク値T
(i)を求めればよい。
【0154】次に、ステップS89では、ピーク・トル
ク値T(i)が目標ピーク・トルク以上か否か
を判断し、NOであればステップS90でカウントiを
1だけ増加させた後、ステップS88に戻ってステップ
S89までを繰返す。
【0155】一方、ステップS89でYESになると、
ステップS91へ進み、その時点でカット・オフ命令が
出される。これによって圧縮空気のバルブが閉じられ
る。
【0156】次に、ステップS95では、終了するか否
かを判断し、YESであればそのまま終了し、NOであ
ればステップS83へ戻って次のねじ締めを行う。
【0157】これにより、ツールの締付け能力が低下し
た場合には、着座時に異常を判定して締付け作業を中止
することができ、締結不良品の流出を防止することがで
きる。
【0158】上記のように、本実施例においては、トル
ク検出手段の検出結果からインパクトごとに求めたピー
ク・トルク値が所定値以上になった時点で駆動手段に与
えられる動力源を遮断するインパクト式ねじ締め装置に
おいて、トルク検出手段の検出結果から着座時のインパ
クトにおけるトルク・パルスの持続時間を検出し、この
トルク・パルスの持続時間が所定値に達しなくなった場
合に締付け能力低下異常と判定するようにし、締付け能
力低下異常と判定した場合に駆動手段に与えられる動力
源を遮断するとともに、判定結果を出力し、さらに、表
示するようにしている。
【0159】そのため、インパクトごとに求めたピーク
・トルク値に基づいて駆動手段に与えられる動力源を制
御するインパクト式ねじ締め装置において、ツールに内
蔵されたトルク検出手段の検出結果に基づいて、ツール
の締付け能力低下を常時監視することができ、ツールの
繰返し使用等によってツールの締付け能力が低下した場
合にも対応することが可能となり、ねじ締め作業におい
て締結不良品の流出を防止することができ、締付け能力
低下による締結不良が発生した場合に締結不良の発生を
記録することができ、また、作業者に認識させることも
できる。
【0160】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1に記
載の発明においては、トルク検出手段の検出結果に基づ
いてインパクト式ねじ締め機本体の締付け能力低下を演
算手段によって検出するようにし、前記演算手段で検出
した締付け能力が規定値以下に低下した場合に異常判定
手段によって締付け能力低下異常と判定するようにし、
さらに、トルク検出手段の検出結果から着座を判定する
とともに、着座以前の各インパクトに含まれる複数のト
ルク・パルスのうち第1番目に発生するトルク・パルス
と第2番目に発生するトルク・パルスとの発生間隔、す
なわち、フリーランニング時間を検出し、このフリーラ
ンニング時間が所定値に達しなくなった場合に締付け能
力低下異常と判定するようにしたことにより、ツールに
内蔵されたトルク検出手段の検出結果に基づいて、ツー
ルの締付け能力低下を検出することができるとともに常
時監視することができ、ツールの繰返し使用等によるツ
ールの締付け能力低下にも十分対応することが可能とな
り、ねじ締め作業において締結不良品の流出を防止する
ことができるようになるという著しく優れた効果がもた
らされる。
【0161】また、請求項2に記載の発明においては、
トルク検出手段の検出結果から着座を判定するととも
に、着座以前の各インパクトに含まれる複数のトルク・
パルスのうち第1番目に発生するトルク・パルスのピー
ク値を検出し、この第1番目に発生するトルク・パルス
のピーク値が所定値に達しなくなった場合に締付け能力
低下異常と判定するようにしたことにより、さらに、請
求項3に記載の発明においては、トルク検出手段の検出
結果から着座時のインパクトに含まれる複数のトルク・
パルスのうち第2番目に発生するトルク・パルスのピー
ク値を検出し、この第2番目に発生するトルク・パルス
のピーク値が所定値に達しなくなった場合に締付け能力
低下異常と判定するようにしたことにより、さらにま
た、請求項4に記載の発明においては、トルク検出手段
の検出結果から着座時のインパクトにおけるトルク・パ
ルスの持続時間を検出し、このトルク・パルスの持続時
間が所定値に達しなくなった場合に締付け能力低下異常
と判定するようにしたことにより、ツールに内蔵された
トルク検出手段の検出結果に基づいて、ツールの締付け
能力低下を検出することができるとともに常時監視する
ことができ、ツールの繰返し使用等によるツールの締付
け能力低下にも十分対応することが可能となり、ねじ締
め作業において締結不良品の流出を防止することができ
るようになるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0162】また、請求項5に記載の発明においては、
トルク検出手段の検出結果から求めたピーク・トルク値
を用いてインパクトごとに締結力の増加量を演算して順
次締結力を求め、前記のインパクトごとに求めた締結力
が所定値以上になった時点で前記駆動手段に与えられる
動力源を遮断するようにしたことにより、また、請求項
6に記載の発明においては、トルク検出手段の検出結果
からインパクトごとに求めたピーク・トルク値が所定値
以上になった時点で前記駆動手段に与えられる動力源を
遮断するようにしたことにより、インパクト式ねじ締め
装置がインパクトごとに求めた締結力に基づいて前記駆
動手段に与えられる動力源を制御するものであっても、
また、インパクトごとに求めたピーク・トルク値に基づ
いて前記駆動手段に与えられる動力源を制御するもので
あっても、ツールに内蔵されたトルク検出手段の検出結
果に基づいて、ツールの締付け能力低下を検出すること
ができ、ツールの繰返し使用等によってツールの締付け
能力が低下した場合にも十分対応することが可能である
という著しく優れた効果がもたらされる。
【0163】さらに、請求項7に記載の発明において
は、締付け能力低下異常と判定した場合に前記駆動手段
に与えられる動力源を遮断するようにしたことにより、
ねじ締め作業において締結不良品の流出を防止すること
ができるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0164】さらにまた、請求項8に記載の発明におい
ては、締付け能力低下異常と判定した場合に判定結果を
出力するようにしたことにより、また、請求項9に記載
の発明においては、締付け能力低下異常と判定した場合
に判定結果を表示するようにしたことにより、締付け能
力低下による締結不良が発生した場合に締結不良の発生
を記録することができ、また、作業者による認識を容易
に行うことができるようになるという著しく優れた効果
がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるインパクト式ねじ
締め装置のブロック図である。
【図2】圧縮空気を動力源とするインパクト・レンチと
して構成した場合の断面説明図である。
【図3】第1の実施例の演算処理を示すフローチャート
である。
【図4】締結力データ・メモリ部に記録されている「ト
ルク−締結力変換係数の締結力への依存性についてのテ
ーブル」の一例を示す説明図である。
【図5】本発明の第2の実施例によるインパクト式ねじ
締め装置のブロック図である。
【図6】第2の実施例の演算処理を示すフローチャート
である。
【図7】本発明の第3の実施例によるインパクト式ねじ
締め装置のブロック図である。
【図8】第3の実施例の演算処理を示すフローチャート
である。
【図9】本発明の第4の実施例によるインパクト式ねじ
締め装置のブロック図である。
【図10】第4の実施例の演算処理を示すフローチャー
トである。
【図11】インパクトが発生し始めてから着座するまで
のインパクトのトルク波形の変化についての模式的な説
明図である。
【図12】着座以前のインパクトにおけるフリーランニ
ング時間および第1番目に発生するトルク・パルスのピ
ーク値、着座時のインパクトにおける第1番目に発生す
るトルク・パルスのピーク値およびトルク・パルスの持
続時間と、最終到達締結力の繰返し使用に伴う変化につ
いての説明図である。
【図13】先行技術の一例を示すインパクト・レンチの
断面説明図である。
【図14】先行技術におけるねじの締結力を制御する際
の演算処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1,31,41,51 インパクト式ねじ締め機本体 2,32,42,52 モータ(駆動手段) 3,33,43,53 インパクト・トルク発生器(駆
動手段) 4,34,44,55 主軸 5,35,45,55 トルク検出器(トルク検出手
段) 6,36,46,56 締付けソケット(継手部) 7,37,47,57 制御装置(制御手段) 7A,37A,47A,57A トルク信号処理部 7B,37B,47B,57B ピーク値処理部 7C,37C フリーランニング時間処理部 7D,37D 締結力データ・メモリ部 7E,37E 締結力演算部 7F,37F,47F,57F 動力制御部 7G,37G,47G,57G 出力部 7H,37H,47H,57H 表示部 57I トルク・パルス持続時間処理部 11 インパクト・レンチ本体(インパクト式ねじ締め
機本体) 13 エア・モータ部(駆動手段) 14 油圧パルス発生部(駆動手段) 15 トルク検出部(トルク検出手段) 25 主軸 27 制御装置(制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福 村 輝 雄 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社 内 (56)参考文献 特開 昭57−48483(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B25B 21/02

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動出力にパルス成分を有する駆動手段
    と、一端にねじとの継手部を有しかつ前記駆動手段によ
    り駆動されてねじを締付ける主軸と、前記主軸のトルク
    変化を検出するトルク検出手段を有するインパクト式ね
    じ締め機本体、 前記トルク検出手段の検出結果に基づいて前記インパク
    ト式ねじ締め機本体の締付け能力低下を検出する演算手
    段、 前記トルク検出手段の検出結果に基づいて目標とする締
    結力を実現するべく前記駆動手段に与えられる動力源を
    制御する制御手段、 前記演算手段で検出した締付け能力が規定値以下に低下
    した場合に締付け能力低下異常と判定する異常判定手段
    を備え、 前記演算手段は前記トルク検出手段の検出結果から着座
    を判定する機能も兼ね備え、かつ、締付け能力低下を検
    出するために前記トルク検出手段の検出結果から着座以
    前の各インパクトに含まれる複数のトルク・パルスのう
    ち第1番目に発生するトルク・パルスと第2番目に発生
    するトルク・パルスとの発生間隔、すなわち、フリーラ
    ンニング時間を検出する機能を有するものであり、 前記異常判定手段は前記フリーランニング時間が所定値
    に達しなくなった場合に締付け能力低下異常と判定する
    機能を有するものである、 ことを特徴とするインパクト式ねじ締め装置。
  2. 【請求項2】駆動出力にパルス成分を有する駆動手段
    と、一端にねじとの継手部を有しかつ前記駆動手段によ
    り駆動されてねじを締付ける主軸と、前記主軸のトルク
    変化を検出するトルク検出手段を有するインパクト式ね
    じ締め機本体、 前記トルク検出手段の検出結果に基づいて前記インパク
    ト式ねじ締め機本体の締付け能力低下を検出する演算手
    段、 前記トルク検出手段の検出結果に基づいて目標とする締
    結力を実現するべく前記駆動手段に与えられる動力源を
    制御する制御手段、 前記演算手段で検出した締付け能力が規定値以下に低下
    した場合に締付け能力低下異常と判定する異常判定手段
    を備え、 前記演算手段は前記トルク検出手段の検出結果から着座
    を判定する機能も兼ね備え、かつ、締付け能力低下を検
    出するために前記トルク検出手段の検出結果から着座以
    前の各インパクトに含まれる複数のトルク・パルスのう
    ち第1番目に発生するトルク・パルスのピーク値を検出
    する機能を有するものであり、 前記異常判定手段は前記の第1番目に発生するのトルク
    ・パルスのピーク値が所定値に達しなくなった場合に締
    付け能力低下異常と判定する機能を有するものである、 ことを特徴とするインパクト式ねじ締め装置。
  3. 【請求項3】駆動出力にパルス成分を有する駆動手段
    と、一端にねじとの継手部を有しかつ前記駆動手段によ
    り駆動されてねじを締付ける主軸と、前記主軸のトルク
    変化を検出するトルク検出手段を有するインパクト式ね
    じ締め機本体、 前記トルク検出手段の検出結果に基づいて前記インパク
    ト式ねじ締め機本体の締付け能力低下を検出する演算手
    段、 前記トルク検出手段の検出結果に基づいて目標とする締
    結力を実現するべく前記駆動手段に与えられる動力源を
    制御する制御手段、 前記演算手段で検出した締付け能力が規定値以下に低下
    した場合に締付け能力低下異常と判定する異常判定手段
    を備え、 前記演算手段は締付け能力低下を検出するために前記ト
    ルク検出手段の検出結果から着座時のインパクトに含ま
    れる複数のトルク・パルスのうち第2番目に発生するト
    ルク・パルスのピーク値を検出する機能を有するもので
    あり、 前記異常判定手段は、前記の第2番目に発生するトルク
    ・パルスのピーク値が所定値に達しなくなった場合に締
    付け能力低下異常と判定する機能を有するものである、 ことを特徴とするインパクト式ねじ締め装置。
  4. 【請求項4】駆動出力にパルス成分を有する駆動手段
    と、一端にねじとの継手部を有しかつ前記駆動手段によ
    り駆動されてねじを締付ける主軸と、前記主軸のトルク
    変化を検出するトルク検出手段を有するインパクト式ね
    じ締め機本体、 前記トルク検出手段の検出結果に基づいて前記インパク
    ト式ねじ締め機本体の締付け能力低下を検出する演算手
    段、 前記トルク検出手段の検出結果に基づいて目標とする締
    結力を実現するべく前記駆動手段に与えられる動力源を
    制御する制御手段、 前記演算手段で検出した締付け能力が規定値以下に低下
    した場合に締付け能力低下異常と判定する異常判定手段
    を備え、 前記演算手段は締付け能力低下を検出するために前記ト
    ルク検出手段の検出結果から着座時のインパクトにおけ
    るトルク・パルスの持続時間を検出する機能を有するも
    のであり、 前記異常判定手段は前記のトルク・パルスの持続時間が
    所定値に達しなくなった場合に締付け能力低下異常と判
    定する機能を有するものである、 ことを特徴とするインパクト式ねじ締め装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載のインパク
    ト式ねじ締め装置において、 前記演算手段は前記トルク検出手段の検出結果から求め
    たピーク・トルク値を用いてインパクトごとに締結力の
    増加量を演算して順次締結力を求める機能も兼ね備えた
    ものであり、 前記制御手段はインパクトごとに求めた前記の締結力が
    所定値以上になった時点で前記駆動手段に与えられる動
    力源を遮断する機能を有するものである、 ことを特徴とするインパクト式ねじ締め装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれかに記載のインパク
    ト式ねじ締め装置において、 前記制御手段は前記トルク検出手段の検出結果からイン
    パクトごとに求めたピーク・トルク値が所定値以上にな
    った時点で前記駆動手段に与えられる動力源を遮断する
    機能を有するものである、 ことを特徴とするインパクト式ねじ締め装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載のインパク
    ト式ねじ締め装置において、 前記制御手段は前記異常判定手段が締付け能力低下異常
    と判定した場合に前記駆動手段に与えられる動力源を遮
    断する機能も兼ね備えたものである、 ことを特徴とするインパクト式ねじ締め装置。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載のインパク
    ト式ねじ締め装置において、 異常判定手段が締付け能力低下異常と判定した場合に判
    定結果を出力する判定結果出力手段を備えたことを特徴
    とするインパクト式ねじ締め装置。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれかに記載のインパク
    ト式ねじ締め装置において、 異常判定手段が締付け能力低下異常と判定した場合に判
    定結果を表示する判定結果表示手段を備えたことを特徴
    とするインパクト式ねじ締め装置。
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