JP2676013B2 - トンネル掘削における地盤改良方法 - Google Patents
トンネル掘削における地盤改良方法Info
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Description
り、特に、凍結法を用いてなるトンネル掘削における地
盤改良方法に関するものである。
性・工期を確保する上で、i)切羽の安定化、ii)湧水
の防止、iii)地表沈下の防止、等を常に図らなければ
ならず、地盤が軟弱である場合には地盤改良を行う必要
がある。特に、NATM工法等による掘削ではこれらが重要
な要素となる。上記の如くトンネルを掘削する際に行う
地盤改良法の一つとして従来より実施されているものに
凍結法がある。
ち込み、冷凍機で冷却したブラインを凍結管内に循環さ
せるか、あるいは液体窒素ボンベからのガスを凍結管に
放出することなどにより地盤の凍結固化を図るものであ
る。
で止水性に富む、ii)薬液注入法と異なり地盤を化学薬
品等で汚染することがない、iii)一般に薬液注入法に
比して経済的である、等の利点がある。
優れた地盤の強化作用とともに止水性も得られるといっ
た利点があるが、凍結固化予定地に地下水流がある場合
には冷却エネルギーが逸散し、凍結ゾーンの形成が困
難、あるいは不可能となるといった問題がある。
化予定地に地下水流が存在する場合においても確実にか
つ効率的に地盤の凍結を行うことのできる、トンネル掘
削における地盤改良方法に関するものである。
良方法は、薬液の注入により、形成すべき本トンネルの
掘削部に沿って該掘削部を囲繞する形態に止水領域を形
成した後、前記止水領域内の前記掘削部に沿った部分を
凍結させることを特徴とするものである。
地盤改良方法は、請求項1記載のトンネル掘削における
地盤改良方法において、前記止水領域の形成および前記
凍結作業は、予め、形成すべき本トンネルに先行して該
本トンネルが構築されるべき掘削部に沿って作業用トン
ネルを構築した後、該作業用トンネル内部より地盤内に
設置した薬液注入管および凍結管により行うことを特徴
とするものである。
せるため、地下流水が存在するような場合でも、冷熱エ
ネルギーが逸散することなく確実かつ効率的な凍結がな
される。
して構築した作業用トンネル内より行えば、地盤改良
を、トンネルの形成深度に拘わらず精度よく効率的に行
える。
る。
Tは構築されるべきトンネル、符号GはトンネルTが形
成されるべき地盤を示している。地盤Gはこの場合、未
固結含水地盤となっている。
における、トンネルTを形成すべき掘削部1に沿う部分
に、地下水等の湧水を防止するための止水領域2を形成
する。この止水領域2は、図示されるように掘削部1の
全周に対して、また、掘削部1の全長にわたって形成す
る。ここで、この止水領域2は、形成すべきトンネルT
の径に対して極めて大径に、すなわち掘削部1を広範囲
に囲繞する如く形成する。
の薬液注入法を用いて行うことが可能である。ただし、
その他の手段によってもよく、例えば後述する方法によ
れば効果的に行うことができる。
外部の地下流水より遮断されるものとなる。
その止水領域2の内側の地盤を凍結させる。この凍結対
象となる領域、すなわち凍結領域3は、既に前記止水領
域2により囲繞されて外部の地下流水からは遮断されて
いるので、その凍結作業は短期間で効率的に行われる。
凍結法により行うことができるが、後述する如き手段に
よれば極めて効果的である。
その凍結領域3を掘削して行けばよい。地盤Gが未固結
含水地盤であっても、掘削部分は上記工程により凍結固
化されているから、掘削時において、トンネル切羽およ
び壁面の安定が充分に図られるとともに湧水も確実に防
止され、トンネル掘削を容易かつ安全に行うことができ
る。
含水地盤であり、しかも地下流水が存在するような場合
でも、掘削部を確実かつ短期間で凍結固化させることが
できるものとなる。延いてはこれにより、例えば従来、
極端な軟弱地盤では困難とされていたNATM工法等による
トンネル掘削も実施可能となり、トンネルTの構築を経
済的かつ安全に行うことができるものとなる。
際の方法を示したもので、本発明の請求項2に記載した
トンネル掘削における地盤改良方法に係るものである。
て作業用トンネル4,4を形成する。これら作業用トンネ
ル4は、形成すべき本トンネルTの掘削部1に沿って構
築する。この作業用トンネル4は例えば内径3〜5mのも
ので、本実施例のものでは、これをシールドトンネルと
している。つまりここでは、これらの作業用トンネル4,
4は、通常一般のシールドトンネル同様、セグメント覆
工を行いながらシールド掘削機により旋工される。ただ
し、ここで使用される覆工用セグメントのいくつかは、
図示は省略するが、後述の薬液注入管5,5,…、あるいは
凍結管6,6,…をこの作業用トンネル4内部から周囲の地
盤Gに埋設し得るように、厚さ方向に貫通した開口部を
形成したものとなっている。
部1に沿って先行構築されたならば、次いで、それらの
作業用トンネル4の内部より、地盤G中に薬液を注入す
るための薬液注入管5,5,…を地盤内の止水領域2を形成
すべき部分に向けて埋設する。この注入管5の埋設作業
は、削孔機により作業用トンネル4の内部から前記セグ
メントの開口部を介して地盤を削孔した後、同様に作業
用トンネル4の内部より前記セグメント開口部を介して
行う。
内に設置した薬液注入装置により各薬液注入管5に薬液
を圧送することにより、薬液を地盤G内に注入し、止水
領域2を形成する。
に、同様に作業用トンネル4の内部からセグメントの開
口部を介して凍結管6,6,…を埋設する。これら凍結管6
は、先に形成された止水領域2の内部、つまり止水領域
2に囲まれた部分に対応させて設ける。
の内部の設置した冷凍機等の冷凍手段を運転させること
により凍結管6の冷媒を循環させ、これにより止水領域
2内の掘削部1に沿った部分の地盤を凍結固化させる。
れば、それら各領域を形成するための装置・設備等が地
上面を占有することがなく、トンネルの構築深度に拘わ
らず無駄の無い精度の高い地盤改良を行うことができ
る。また、本トンネルTに先行して構築される作業用ト
ンネル4は、本トンネルT施工時には資材の搬入路およ
び掘削土砂の搬出路として、また、本トンネルTの完了
後には本トンネルTの付帯設備としての避難坑や換気
坑、または共同坑等として利用できるといった利点も得
られる。
4の設定位置、設定数を上記第2図のものと変えた場合
を示したもので、第3図のものは、作業用トンネル4
を、形成すべき本トンネルTの上方に1本設けたもの、
第4図のものは、本トンネルTの両側に本トンネルTか
らある程度距離を置いて設けたもの、第5図のものは本
トンネルTを2本並行に構築する例で、作業用トンネル
4をそれら形成すべき本トンネルT,Tの間に1本設けた
もの、さらに第6図のものは、掘削部1のほぼ中央部に
先行して形成したものである。第6図における作業用ト
ンネル4は、本トンネルTの構築とともに取り壊される
ものとなる。作業用トンネル4は、このように、その形
成位置および形成数を適宜設定することができ、掘削地
盤Gの状況、あるいは構築すべき本トンネルTの態様に
応じて決定すればよい。
ネルとして説明したが、本発明に係る作業用トンネルと
して必ずしもシールドトンネルに限定されるものではな
い。ただし、このように作業用トンネルをシールドトン
ネルとすれば、その断面を充分大きく取ることができ、
また延長距離に制限を受けることもなく、かつ曲線施工
にも容易に対応することができ極めて効果的である。
限定されるものではなく、一般に実施されているその他
のトンネル工法に適用可能であることは言うまでもな
い。さらに、本発明は、上記の如く特にトンネルの掘削
に適用して効果的であるが、本発明の特に請求項1に係
る地盤改良方法はトンネルに限らず、いわゆる掘削工程
を有して構築されるその他の地下構造物(地下空間)の
構築に適用することもでき、その場合でも上記同様の効
果を得ることができる。
掘削における地盤改良方法によれば、掘削地盤が未固結
含水地盤であり、しかも地下流水が存在するような場
合、でも、掘削部を確実かつ短期間で凍結固化させるこ
とができるものとなり、これにより、例えば従来、極端
な軟弱地盤では困難とされていたNATM工法等によるトン
ネル掘削も実施可能となり、トンネルの構築を経済的か
つ安全に行うことができるものとなる。
地盤改良方法によれば、請求項1に係る前記止水領域お
よび凍結領域の形成を、トンネルの形成深度に拘わらず
無駄なく高精度に行うことができ、しかもトンネル形成
部に対応する地上部分を占有することなく旋工すること
ができる。加えて、本トンネルに先行して構築される作
業用トンネルは、本トンネル旋工時には資材の搬入路お
よび掘削土砂の搬出路として、また、本トンネルの完了
後には本トンネルの付帯設備としての避難坑や換気坑ま
たは共同坑等として利用することができる、等の優れた
効果を奏することができる。
のでトンネル構築部の地盤を示す正面縦断面図、第2図
は本発明の請求項2に係る地盤改良方法を示すものでト
ンネル構築部の地盤を作業用トンネル等と共に示す正面
縦断面図、第3図ないし第6図は本発明に係る作業用ト
ンネルの他の配置例を示したもので、それぞれトンネル
構築部の地盤を作業用トンネルと共に示した正面縦断面
図である。 G……地盤、T……トンネル(本トンネル)、 1……掘削部、2……止水領域、 3……凍結領域、4……作業用トンネル、 5……薬液注入管、6……凍結管。
Claims (2)
- 【請求項1】トンネルを掘削するにあたり予め掘削部地
盤を改良する際の地盤改良方法であって、薬液の注入に
より、形成すべき本トンネルの掘削部に沿って該掘削部
を囲繞する形態に止水領域を形成した後、前記止水領域
内の前記掘削部に沿った部分を凍結させることを特徴と
するトンネル掘削における地盤改良方法。 - 【請求項2】請求項1記載のトンネル掘削における地盤
改良方法において、前記止水領域の形成および凍結作業
は、予め、構築すべき本トンネルに先行して該本トンネ
ルを形成すべき掘削部に沿って作業用トンネルを構築
し、該作業用トンネル内部より地盤内に設置した薬液注
入管および凍結管に行うことを特徴とするトンネル掘削
における地盤改良方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14797989A JP2676013B2 (ja) | 1989-06-09 | 1989-06-09 | トンネル掘削における地盤改良方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14797989A JP2676013B2 (ja) | 1989-06-09 | 1989-06-09 | トンネル掘削における地盤改良方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0313690A JPH0313690A (ja) | 1991-01-22 |
JP2676013B2 true JP2676013B2 (ja) | 1997-11-12 |
Family
ID=15442426
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14797989A Expired - Lifetime JP2676013B2 (ja) | 1989-06-09 | 1989-06-09 | トンネル掘削における地盤改良方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2676013B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
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---|---|---|---|---|
JP4196291B2 (ja) * | 2004-06-07 | 2008-12-17 | 清水建設株式会社 | トンネル先受け工法 |
JP2007120064A (ja) * | 2005-10-26 | 2007-05-17 | Shimizu Corp | 低温地下タンク施設の施工方法 |
JP4682944B2 (ja) * | 2006-07-24 | 2011-05-11 | 鹿島建設株式会社 | 坑道周辺複合グラウト止水工法 |
JP5112976B2 (ja) * | 2008-07-29 | 2013-01-09 | 大成建設株式会社 | 大深度高水圧下におけるトンネルの施工方法 |
JP6252850B2 (ja) * | 2014-02-18 | 2017-12-27 | 清水建設株式会社 | 凍結工法における凍上圧抑制方法 |
-
1989
- 1989-06-09 JP JP14797989A patent/JP2676013B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0313690A (ja) | 1991-01-22 |
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